JP3076206B2 - 大口径トンネルの掘削工法とその掘削に用いる掘進装置 - Google Patents

大口径トンネルの掘削工法とその掘削に用いる掘進装置

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JP3076206B2 JP32567594A JP32567594A JP3076206B2 JP 3076206 B2 JP3076206 B2 JP 3076206B2 JP 32567594 A JP32567594 A JP 32567594A JP 32567594 A JP32567594 A JP 32567594A JP 3076206 B2 JP3076206 B2 JP 3076206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大口径トンネルの掘削工
法とその掘削に用いる掘進装置、特に新設または既設の
先進坑トンネルに楕円形断面の大口径トンネルを構築す
る掘削工法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先行した既設、或いは新設のトンネルを
拡大する拡大トンネル工法には種々なものが提案されて
いる。しかし、これらのトンネル工法は先行する小口径
と後行の大口径のカッタ面はいずれも円形のものであ
り、水路や上下水道等のように設計断面が円形のもので
あれば特に問題は生じないが、二車線など複数の車線の
鉄道、道路等の設計断面はトンネル断面が馬蹄形のもの
が多く、そのために円形の断面で掘削した場合には余掘
部分が生じて不必要な領域まで掘削することで工期が長
期に亘り、コストも嵩むという欠点がある。
【0003】この欠点を解消するために、出願人は新設
の先行する先進坑はパイロット掘削機で通常の円形トン
ネル断面で掘進し、これに続くリーミング掘削機により
断面の大きい円形のカッタ面を掘進方向に対して任意の
角度に傾斜させて掘進することにより、楕円形の拡大ト
ンネルを得ることができる大口径トンネルの掘削工法を
出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にはパイロット掘削機の先進坑によって、リ
ーミング掘削のための地質を把握することができる。
先進坑のトンネル中心部の芯抜き効果により、一度に拡
大トンネルを掘削するのに較べてリーミング掘削機によ
る拡径掘削が容易になる。先進坑を水抜き坑、換気坑
として利用できる。上部を掘削した場合、掘削下部が
いわゆる核残しと同様な効果を得て、切羽を安定させ
る。といった長所があるが、先進坑と拡大トンネルの口
径にあまり差がない場合はこれでもよいが、小さい先進
坑より口径差の大きい大口径のトンネルに拡大する場合
には、リーミング掘削機としての大口径掘進機に大きな
負荷が掛り、また大量のズリを一度に排出しなければな
らず、上記した芯抜き効果による掘進効果も十分に上が
らない。この場合、先進坑のトンネル口径を大きくして
も、先進坑の掘削そのものが大作業となり、やはり全体
として掘削効率も良くない。
【0005】本発明の目的は、上記欠点を解消せんとし
たものであり、既設或いは新設の先進坑に比較して非常
に大きな楕円形断面の大口径トンネルを効率良く、しか
も安全に掘削できる工法と装置を提供せんとする。
【0006】本発明の他の目的としては、パイロット掘
削機の先進坑やリーミング掘削機の拡大トンネルを、一
度に大断面で掘削することにより大負荷で掘削すること
のないように、新設或いは既設の先進坑トンネルに対し
て、1段目とそれに続く2段目の連続したカッタ面を切
羽に当てることにより、地山の緩みを少なくして急速施
工を可能にした大口径トンネルの掘削工法とその掘進装
置を提供するものである。この場合、リーミング掘削機
の2段目のカッタ面が先行した1段目のカッタ面によっ
て切り取られた地山に略均等に当たるために、より効率
的な掘削と機械振動の少ない大口径トンネルを掘削でき
るようにした工法と装置も提供できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的に基
づいてなされたものであり、その要旨とするところは新
設或いは既設の先進坑トンネルの口径より、さらに大口
径の楕円形断面のトンネルを掘削する工法において、上
記先進坑トンネルをパイロット坑としてその外周地盤を
拡開するために、第1の円形のカッタ面を掘進方向に対
して傾斜させることでトンネル断面を楕円形に拡大して
いくトンネルの拡開工程と、該工程で拡大したトンネル
に続いて、さらにこのトンネル外周地盤をさらに拡幅す
るために、第2の円形のカッタ面を掘進方向に対して傾
斜することで上記拡開したトンネル断面を拡大していく
トンネルの拡幅工程とからなる大口径トンネルの掘削工
法にある。
【0008】また、本発明の別の要旨としては、新設或
いは既設の先進坑トンネル内に挿通する第1のメインビ
ームに設置した先方支持脚と第1のグリッパと、該グリ
ッパを反力として第1のジャッキを伸縮して上記先進坑
トンネルの外周地盤を楕円形に拡開する円形のカッタ面
を掘進方向に対して傾斜した第1の回転カッタヘッド
と、該回転カッタヘッドにより楕円形に拡開したトンネ
ル内に挿通した第2のメインビームに設置した後方支持
脚と第2のグリッパと、該グリッパを反力として第2の
ジャッキを伸縮して上記拡開したトンネルの外周地盤を
楕円形に拡開する円形のカッタ面を掘進方向に対して傾
斜した第2の回転カッタベッドとからなる大口径トンネ
ルの掘削に用いる掘進装置にある。
【0009】上記先進坑は、既設のトンネルでも、トン
ネルボーリングマシーンなどのパイロット掘削機を用い
た新設のトンネルでもよく、例えば2車線道路トンネル
の場合はカッタ面の直径3.5〜4.5mのパイロット
掘削機に続いて、上記本発明の2段構えのカッタ面(1
段目の直径6.5m〜7.5m、2段目のカッタ面の直
径10m〜12m)を有するリーミング掘削機により大
口径トンネルを拡開していく。また、3車線道路トンネ
ルの場合ではカッタ面の直径がパイロット掘削機で5〜
6m、1段目が10〜12m、そして2段目が20〜2
2mのリーミング掘削機で掘削する。ここで、パイロッ
ト掘削機は、小断面の円形カッタ面を有するトンネルボ
ーリングマシーンであり、リーミング掘削機とは、パイ
ロット掘削機の円形カッタ面よりも大口径の円形カッタ
面とそのカッタ面よりもさらに大口径の円形カッタ面の
2段のカッタ面を掘進方向に対して傾斜させて順次掘削
することにより大口径の横長または縦長の楕円断面を得
るようにしたトンネルボーリングマシーンである。
【0010】また、上記パイロット掘削機やリーミング
掘削機としてはトンネルボーリングマシーンの他にシー
ルドマシーンなどが用いられる。
【0011】さらに、楕円形断面の大口径トンネルは掘
削機の回転する円形カッタ面を掘進方向に対して傾斜し
て掘削していくが、このカッタ面の傾斜は前下がり(上
部を下部に先行して掘削していく)と逆にカッタ面を上
向きにして掘削することが考えられるが、土砂を切羽の
下部で残す方が切羽安定上優れている。
【0012】
【作用】本発明は、既設又は新設の先進坑と、この先進
坑を拡幅するための2段のカッタ面を掘進方向に対して
傾斜させて掘削することのできるリーミング掘削機によ
り大口径の楕円断面掘削が可能となり、たとえば馬蹄形
のような扁平な断面を必要とするトンネルの施工におい
て、円形断面に比べて余掘が少なく経済的な掘削が可能
となる。なお、2車線道路トンネルを施工した場合、ト
ンネル設計にもよるが、掘削土量を20%程度削減する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明に用いるパイロット掘削機と本
発明としてのリーミング掘進装置について説明し、その
機械装置を用いた大口径トンネルの掘削工法を説明す
る。
【0014】図1において、掘進装置の全体装置は先進
坑1を掘削するパイロット掘削機Aと、その後方に位置
し、先進坑1に続いてトンネル径を拡大して拡径トンネ
ル43,36を形成する2つの拡径掘削部B,Cを有す
るリーミング掘削機とからなる。
【0015】パイロット掘削機Aは、その先部に掘削カ
ッタを取付けた円形のカッタ面3を有するカッタヘッド
4が油圧モータ5の駆動軸6を介して装置本体としての
メインビーム17に回転自在に支持している。また、メ
インビーム17には掘進時の反力を坑壁7にとるトンネ
ル周方向へ伸縮自在にした左右のグリッパ8を前後2箇
所に設けると共に、グリッパ8の前方にはカッタヘッド
4の下部に前方支持脚9を、また後方の油圧モータ5の
下部に後方支持脚10をそれぞれ設ける。
【0016】なお、油圧モータ5の後方に補助作業台車
11、運転室12を載せた運転台車13、及び油圧モー
タ5を駆動させる油圧ポンプユニット15を載置した油
圧駆動台車14がそれぞれ連設されている。また、16
はカッタヘッド4で掘削したズリを後方へ搬送するベル
トコンベアである。
【0017】リーミング掘削機の特徴は、2つの円形の
カッタ面を設けた第1段拡径掘削部Bと第2段拡径掘削
部Cに大きく分けられる。
【0018】第1段拡径掘削部Bは、パイロット掘削機
により掘削された先進坑よりも大口径の円形のカッタ面
を有し、カッタ面には多数の向きの違う回転可能なディ
スクカッタを配しており、第1の電動モータ21によっ
て第1のカッタヘッド22を回転駆動して、先進坑1の
外周地山を掘削する。また、カッタヘッド22は第1の
メインビーム32で支持され、掘進方向に対して前かが
みに傾斜させている。第1のメインビーム32の先部に
は、前方支持脚18と、第1のカッタヘッド22の推進
用の第1の油圧ジャッキ19と、第1のグリッパ28と
を装備する。
【0019】第1の油圧ジャッキ19で第1のカッタヘ
ッド22を推進するには、メインビーム32を第1のグ
リッパ28の本体に摺動自在に挿通しておき、第1のジ
ャッキの前端47と第1のメインビーム32に固定する
とともに、後端48を第1のグリッパ28の本体の内側
に固定することにより(図2)、押し拡げた第1のグリ
ッパ28を先進坑1に当てて反力をとって第1の油圧ジ
ャッキ19を伸長しながら回転する第1のカッタヘッド
22によって先進坑1を拡開しながら掘進し、第1のジ
ャッキ19のワンストローク分掘削し終えると、それま
で収縮していた前方支持脚18を伸して接地してから
(図3)第1のグリッパ28を収縮して、第1の油圧シ
リンダ19を収縮することによって第1のグリッパを前
方に移動する。移動したグリッパを伸長させることによ
って先進坑1に当てて反力をとって次ぎの掘削に備える
(図4)。
【0020】なお、20はシリンダ37によって上下端
部をピン結合した支持杆39を回動して上下するように
した、掘削時にカッタ面を浮き上がらせないようにする
ルーフサポートである。
【0021】第2段拡径掘削部Cは、第1段拡径掘削部
Bにより掘削され拡幅したトンネル43よりもさらに大
口径の円形のカッタ面を有し、カッタ面には向きの異な
る多数のディスクカッタを配しており、第2の電動モー
タ27によって第2のカッタヘッド31を回転駆動し
て、第1段で拡幅したトンネル43の外周地山を掘削す
る。また、カッタヘッド31はメインビーム30に支持
され、掘進方向に対して前かがみに傾斜させている。さ
らに、第3のメインビーム30には後方支持脚29を、
また第2のカッタヘッド31の推進用第2の油圧ジャッ
キ40の後端49は第3のメインビーム30に、また第
2のジャッキ40の前端50を第2のグリッパ42の本
体内側にそれぞれ固定することで、第2のジャッキ40
を収縮することでカッタヘッド31を回転して前方に掘
進できるようになっている。この場合、第3のメインビ
ーム30は第2のグリッパ42の本体に摺動自在に挿通
しており、さらにこの第3のメインビーム30の内側に
は、前記第1のカッタヘッド22に固定した後方の第2
のメインビーム41とその後端51を縁切り状態で挿通
しており、これによって第1のカッタヘッド22と第2
のカッタヘッド31とは各別の第1と第2の油圧シリン
ダ19,40で各別に掘進できるようにしている。もち
ろん、地盤の性質や拡幅するズリの掘削量などによっ
て、第1と第2のカッタヘッド間に多少の掘進スピード
に誤差もあるが、前記縁切りによって両カッタヘッドで
同時掘削する。傾斜したカッタヘッド22を取り付けた
メインフレーム44の上部には、その掘削時に浮き上が
らないように、シリンダ38によって両端を枢着した支
持杆35で上下させて岩盤に着脱させる第2のルーフサ
ポート46を設置している。
【0022】なお、前記第1のカッタヘッド22の中央
穴の前方から第2のカッタヘッド31の中央穴の後方に
かけて、それぞれのカッタヘッドで掘削した土砂を運搬
するベルトコンベヤ26が架設されている。また、支保
工エレクタ25は、H鋼で最終掘削した大口径のトンネ
ル36の外囲を円形に支保するものであり、その後ロッ
クドリル23で岩盤にロックボルトを打ちつけたり、吹
付機24によってコンクリートを吹付けることができる
ようにしている。なお、シャベルカー33やダンプトラ
ック34などを使用してトンネル坑外へと土砂を運搬す
る。
【0023】しかして、第1と第2のカッタヘッド2
2,31はともに上部を先行させることで下向きに傾斜
することにより、円形のカッタヘッド4で円形に掘削さ
れた先進坑1の周囲地盤7を水平方向に横長楕円形に次
々とトンネルを拡開及び拡幅して大口径のトンネル43
を掘削する。なお、このカッタヘッド22は上向きに傾
斜させてもよく、さらに左右いずれかに傾斜させること
によってトンネル軸の垂直方向に縦長楕円形の拡大トン
ネルも得られる。
【0024】また、大径のカッタヘッド22を傾斜して
掘進すると、例えば図1に示すように、上方を前方に傾
けると駆動シリンダー20の引付力によってトンネル上
方に掘削反力が生じ、これを防止して先進坑に沿って正
確にトンネルを拡開できるようにするためには、第1と
第2のカッタヘッド22,31などの上方から坑壁を反
力として下向きの押付力を、例えば前記シリンダー3
7,38により第1と第2のルーフサポート20,46
を調整するよう、図示しない制御装置によって自動制御
できるようにすることもできる。
【0025】上記構成からなる掘進装置を用いて、本発
明工程を以下に説明する。
【0026】まず、グリッパ8を伸長させて坑壁に圧着
してからパイロット掘削機Aの後方支持脚10を上げ、
グリッパ8を反力として油圧モータ5によりグリッパ8
の中心と貫通した駆動軸6となるジャッキのストローク
を伸ばしながら、駆動軸6の先部に設けたカッタヘッド
4を回転して図2に示す小円形の先進坑1を掘進する。
一定スパン掘進し終えると、前方と後方支持脚9,10
を下方坑壁に着地してからグリッパ8を収縮し、坑壁か
ら離して駆動軸6を収縮させることによってグリッパ8
を前方に移動してから、前進した位置でグリッパ8を再
度伸長して坑壁に押圧して前方と後方の支持脚9,10
を坑壁から引き上げ、改めて掘進を続ける。
【0027】一方、リーミング機の第1段拡径掘削部B
は、先進坑1内に挿入したメインビーム32の第1のグ
リッパ28を伸長して先進坑1の坑壁に押圧してから、
前方支持脚18を収縮し、第1の電動モータ21で第1
のカッタヘッド22を回転し、かつ第1の油圧ジャッキ
19を伸長して第1のグリッパの本体に挿通した第1の
メインビーム32を前方に引き寄せながら、前記先進坑
1の周囲を第1段の楕円形トンネル43に拡幅する。こ
のときの第1のカッタヘッド22の前進は、第2のメイ
ンビーム41が第3のメインビーム30内に2重管構造
で枢着状態にして縁切っているために、第2のカッタヘ
ッド31の前進とは切離して前進することもできるが、
第1と第2のカッタヘッド31の前進スピードに合せ
て、同一に前進させるか(この場合の第2の油圧ジャッ
キ40の収縮は第1の油圧ジャッキと同一になる)、第
1のカッタヘッドを第2のそれよりスピードを早くさせ
て第2の油圧ジャッキの1ストローク伸長するまで同時
掘削し、その後は1ストローク収縮するまで第2のカッ
タヘッドのみ(第1のカッタヘッドを止めて)で掘削す
ることもできる。
【0028】こうして、上記第1のカッタヘッド22が
1スパン分の掘削を終えると、前方支持脚を伸長して下
端を先進坑に接地させてから、第1のグリッパ28を収
縮して坑壁から離して第1の油圧ジャッキを収縮し、グ
リッパ28を前方に移動してから前近した位置で改めて
第1のグリッパ28を伸長して押圧することでこれらを
反力にして第1のカッタヘッド22を回転させて新たに
掘進して行く。
【0029】この第1段拡径掘削部Bと並行して、第2
段拡径掘削部Cは2重管構造の第3のメインビーム30
に対して摺動自在に嵌合する第2のグリッパ42を伸長
して、拡幅したトンネル43に押圧してから反力を取っ
て第2の油圧ジャッキを収縮し、電動モータ27で第2
のカッタヘッドを回転させることにより掘進させる。1
スパン分掘削し終えると、後方支持部29の下端を接地
させ、第2のグリッパ42を収縮し、第2の油圧ジャッ
キを伸長することで第2のグリッパを第2のメインビー
ム41を被るように前進し、再び伸長して坑壁に押圧し
てから、第2の油圧ジャッキ40を収縮しながら、第2
のカッタヘッド31を回転して掘進する。
【0030】なお、第1段拡径掘削部Bと第2段拡径掘
削部Cとは枢着しているだけで、必ずしも両方を連動す
る必要はないが、第1と第2の油圧ジャツキ19,40
の伸縮スパンを略一致させることで同時掘削を行なうこ
ともできる。
【0031】第1のルーフサポート20と第2のルーフ
サポート46は横長楕円形のトンネルを掘削する際に浮
き上がりの力が作用して、トンネルが上方に曲折形成さ
れることを防止する。また、無端ベルトコンベヤ26に
より、第1段と第2段の掘削部で掘削したズリを運搬す
る。さらに、第2段で掘削したトンネル36の周囲には
支保工エレクタ25でトンネル円周をリング状にH鋼で
支保すると共に、吹付機24でコンクリートを吹き付
け、必要とあらばロックドリル23でロックボルトを施
工して、トンネルを施工する。また、本発明の工法にお
いて、掘削地盤により第1カッタヘッド22と第2カッ
タヘッド31の間でコンクリート吹付けなどによる支保
を行なうこともある。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明工法では既設
又は新設の先進坑に対して大口径のトンネルを掘削する
場合に、まず先進坑の周囲を掘進方向に傾斜した第1の
カッタ面で楕円形に拡開し、この拡開した楕円形のトン
ネルを第2のカッタ面でさらに拡幅して略相似の大口径
トンネルを拡幅していくようにしたために、先進坑より
一度に大口径トンネルを掘削する場合に比較してリーミ
ング掘削機に大きな掘削負荷が掛らず、2段階の芯抜き
効果によってスムースに効率良く大口径トンネルを高速
で掘削していくことができる。
【0033】また、大口径トンネルは馬蹄形などの最終
断面のトンネルには円形カッタヘッドを進行方向に前か
がみに傾斜させることで横長楕円形が得られるが、この
横長楕円形トンネルは天端付近において軟弱地盤などで
土砂の崩壊などを招くといった安全上問題が残るが、2
段階の掘削部で掘削することによって従来の急激に掘削
していくものに較べて安全性が確保され、必要によって
は天端上方の地盤を薬液注入、ロックボルト挿入などで
地盤改良することにより、より安全な施工が可能とな
る。
【0034】さらに、この安全性は2段階による全断面
掘削であることから、従来工法における一度に大断面掘
削をするものより、地山の緩みが少なく、安全性が高
い。
【0035】さらにまた、本発明の楕円形のトンネル断
面の掘削では、従来の馬蹄形のものに較べて地山の周囲
への伝達がスムースになりトンネルもアーチ式となって
安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明装置の全体概略縦断面図である。
【図2】図1のリーミング掘削機における第1段拡径掘
削部Bの掘進状態を示す部分拡大図である。
【図3】図2の掘進後に第1のグリッパを前進させる直
前を示す部分拡大図である。
【図4】図3の第1のグリッパを前進させた後で第1の
グリッパを坑壁に圧接し、前方支持脚を伸長接地させた
部分拡大図である。
【図5】リーミング機における第2段拡径掘削部Cによ
る第2のグリッパを坑壁に圧接してから第2の油圧ジャ
ッキを収縮して第2のカッタヘッドを前進している状態
の部分拡大図である。
【図6】図5で第2のカッタヘッドを前進した後、後方
支持脚を伸長させてから第2のグリッパを収縮した状態
の部分拡大図である。
【図7】図6の後で第2の油圧ジャッキを伸長して第2
のグリッパを第2のメインビーム上を前進し、第2のグ
リッパを伸長して坑壁に圧接した後、後方支持脚を収縮
して再度掘進を開始する直前の部分拡大図である。
【図8】図1の先進坑の断面図である。
【図9】図1による2段階のリーミング掘削機によって
得られた大口径トンネルの説明断面図である。
【符号の説明】
A パイロット掘削機 B リーミング掘削機の第1段拡径掘削部 C リーミング掘削機の第2段拡径掘削部 1 先進坑 3 カッタ面 4 カッタヘッド 5 油圧モータ 6 駆動軸 8 グリッパ 17 メインビーム 20 第1のルーフサポート 46 第2のルーフサポート 28 第1のグリッパ 42 第2のグリッパ 22 第1のカッタヘッド 31 第2のカッタヘッド 19 第1の油圧ジャッキ 40 第2の油圧ジャッキ 30 第3のメインビーム 21 第1の電動モータ 27 第2の電動モータ 32 第1のメインビーム 41 第2のメインビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000201478 前田建設工業株式会社 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 (72)発明者 酒井 孝 東京都文京区音羽2−10−2 音羽NS ビル7F 財団法人先端建設技術センタ ー内 (72)発明者 高津 荘太 東京都港区北青山2−5−8 株式会社 間組内 (72)発明者 石田 義昭 東京都中央区日本橋本町四丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 荒川 拓 大阪府枚方市上野3−1−1 株式会社 小松製作所大阪工場内 (72)発明者 田代 与志男 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−62595(JP,A) 特開 平5−321579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/00 E21D 9/06 301 E21D 9/08 E21D 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新設或いは既設の先進坑トンネルの口径
    より、さらに大口径の楕円形断面のトンネルを掘削する
    工法において、 上記先進坑トンネルをパイロット坑としてその外周地盤
    を拡開するために、第1の円形のカッタ面を掘進方向に
    対して傾斜させることでトンネル断面を楕円形に拡大し
    ていくトンネルの拡開工程と、 該工程で拡大したトンネルに続いて、このトンネル外周
    地盤をさらに拡幅するために、第2の円形のカッタ面を
    掘進方向に対して傾斜することで上記拡開したトンネル
    断面を楕円形に拡大していくトンネルの拡幅工程とから
    なる大口径トンネルの掘削工法。
  2. 【請求項2】 新設或いは既設の先進坑トンネル内に挿
    通する第1のメインビームにそれぞれ伸縮可能に設置し
    た前方支持脚と第1のグリッパと、該グリッパを反力と
    して第1のジャッキを伸縮して上記先進坑トンネルの外
    周地盤を掘削して楕円形に拡開する円形のカッタ面を掘
    進方向に対して傾斜した第1の回転カッタヘッドと、 該回転カッタヘッドにより楕円形に拡開したトンネル内
    に挿通した第2のメインビームにそれぞれ伸縮可能に設
    置した後方支持脚と第2のグリッパと、該グリッパを反
    力として第2のジャッキを伸縮して上記拡開したトンネ
    ルの外周地盤を楕円形に拡開する円形のカッタ面を掘進
    方向に対して傾斜した第2の回転カッタベッドとからな
    る大口径トンネルの掘削に用いる掘進装置。
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