JPH10114199A - 描画用基材及びこれを用いた描画方法 - Google Patents

描画用基材及びこれを用いた描画方法

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JPH10114199A
JPH10114199A JP27088896A JP27088896A JPH10114199A JP H10114199 A JPH10114199 A JP H10114199A JP 27088896 A JP27088896 A JP 27088896A JP 27088896 A JP27088896 A JP 27088896A JP H10114199 A JPH10114199 A JP H10114199A
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JP
Japan
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layer
resin layer
water
synthetic resin
release liner
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Application number
JP27088896A
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English (en)
Inventor
Koji Sugiura
功児 杉浦
Hiroyuki Miyoshi
裕之 三好
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TSUYAKIN KOGYO KK
Original Assignee
TSUYAKIN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリアコート層なしでも表面摩擦に対して描
画材の剥がれ、かすれ等がなく、焼成を要することなく
容易に短時間でかつ低コストに描画する。基体の表面に
簡単に受容層を形成する。 【解決手段】 描画用基材10は金属、ガラス、セラミ
ック又はプラスチックからなる硬質の基体16に接着性
があって昇華性染料が定着可能な合成樹脂層11が、望
ましくは水溶性樹脂層13を介して剥離ライナー12上
に0.1〜500μmの厚さに設けられる。合成樹脂層
は基体に接着性がある第1層11aと、昇華性染料が定
着可能な第2層11bとからなることが好ましい。描画
用基材の合成樹脂層を剥離ライナー12より剥離し、基
体に接着して基体表面に受容層110を形成し、この受
容層表面に受容層に定着可能な昇華性染料を含む描画材
17で描画した後、基体を乾燥又は加熱して描画材を受
容層に固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、ガラス、セ
ラミック、プラスチック等の基体の表面に描画材により
文字又は模様を描くための描画用基材及びこれを用いた
描画方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の描画方法として、金属、
ガラス、セラミック、プラスチック等の基体に接着性が
あって染料染着性のある合成樹脂を基体の表面に厚さ
0.1〜100μmに塗工し、この塗工した合成樹脂を
乾燥して基体の表面に受容層を形成し、この受容層の表
面に受容層に定着可能な昇華性染料を含む描画材により
文字又は模様を描き、描画材を乾燥する描画方法が開示
されている(特開平7−149099)。この描画材は
乾燥すると剥離性を生じる剥離性樹脂又は水溶性樹脂を
含み、乾燥後剥離性樹脂を剥離し、又は乾燥後水溶性樹
脂を水で溶解して除去するようになっている。この描画
方法によれば、焼成することなく、容易に短時間で低コ
ストに描画することができ、また最上層にクリアコート
層を設けなくても表面摩擦に対して描画材の剥がれ、か
すれ等を生じず、耐久性のある鮮明な描画が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記描画方法
では、基体に受容層を形成するために基体の表面に合成
樹脂を所定の厚さに塗工し、これを乾燥する作業を必要
とする煩わしさがあった。本発明の目的は、クリアコー
ト層なしでも表面摩擦に対して描画材の剥がれ、かすれ
等がなく、焼成を要することなく容易に短時間でかつ低
コストに描画できる方法を提供することにある。本発明
の別の目的は、基体の表面に簡単に受容層を形成できる
描画用基材及びこれを用いた描画方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】図1(a)及び図1
(c)に示すように、請求項1に係る発明は、金属、ガ
ラス、セラミック又はプラスチックからなる硬質の基体
16に接着性があって昇華性染料が定着可能な合成樹脂
層11が剥離ライナー12上に0.1〜500μmの厚
さに設けられた描画用基材10である。合成樹脂層11
を剥離ライナー12から剥離して基体16に接着すれ
ば、基体上に昇華性染料が定着可能な受容層110が容
易に形成される。
【0005】図2(a)に示すように、請求項2に係る
発明は、請求項1に係る発明であって、剥離ライナー1
2と合成樹脂層11との間に水溶性樹脂層13が設けら
れた描画用基材20である。水溶性樹脂層13を設けた
描画用基材20は水に浸漬すれば、水溶性樹脂層13が
溶けて、容易に合成樹脂層11が剥離ライナー12から
剥離することができる。
【0006】図3(a)及び図3(c)に示すように、
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、
剥離ライナー12上に設けられた合成樹脂層11が、金
属、ガラス、セラミック又はプラスチックからなる硬質
の基体16に接着性がある第1層11aと、この第1層
11a上に設けられた昇華性染料が定着可能な第2層1
1bとからなる積層体である描画用基材30である。合
成樹脂層11を第1層11aと第2層11bとに構成す
ることにより、合成樹脂層11の基体16への接着力が
高まり、かつ昇華性染料の合成樹脂層11(受容層11
0)への定着力も高まる。
【0007】図3(a)に示すように、請求項4に係る
発明は、請求項3に係る発明であって、剥離ライナー1
2と第1層11aとの間に水溶性樹脂層13が設けられ
た描画用基材30である。水溶性樹脂層13を設けた描
画用基材30は水に浸漬すれば、水溶性樹脂層13が溶
けて、容易に合成樹脂層11が剥離ライナー12から剥
離することができる。
【0008】図1(a)〜図1(f)に示すように、請
求項5に係る発明は、金属、ガラス、セラミック又はプ
ラスチックからなる硬質の基体16に接着性があって昇
華性染料が定着可能な合成樹脂層11が剥離ライナー1
2上に0.1〜500μmの厚さに設けられた描画用基
材10を用意し、この描画用基材10の合成樹脂層11
を剥離ライナー12より剥離し、この剥離した合成樹脂
層11を硬質の基体16に接着して基体16の表面に受
容層110を形成し、この受容層110の表面に受容層
110に定着可能な昇華性染料を含む描画材17により
文字又は模様を描き、この文字又は模様を描いた基体1
6を乾燥又は加熱して描画材17を受容層110に固着
する描画方法である。合成樹脂層11を剥離ライナー1
2から剥離して基体16に接着すれば、基体上に受容層
110が容易に形成され、この受容層110に描画材1
7により描画すれば、堅牢に描画材17が受容層110
に定着する。
【0009】請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明であって、描画材17が昇華性染料に加えて、更に乾
燥すると剥離性を生じる剥離性樹脂17a又は水溶性樹
脂17bのいずれか一方又は双方を含むエマルジョン型
絵の具、クレヨン、水彩絵の具、油性マーカ又は水性マ
ーカである描画方法である。硬質の基体16の表面に受
容層110を形成した後で、受容層110の表面に剥離
性樹脂17a又は水溶性樹脂17bのいずれか一方又は
双方を含む描画材17により描画しこれを受容層110
に定着させる。基体16を乾燥又は加熱した後に、図1
(e)、図2(e)又は図3(e)に示すように、受容
層110上に凸部を形成する描画材12の剥離性樹脂1
7aを剥離するか、又は水溶性樹脂17bを水により溶
解する。受容層110の表面上の余分な描画材17は除
去されるため、受容層表面は平滑になりかつ描画の耐摩
擦性に優れる。
【0010】図2(a)及び図2(b)に示すように、
請求項7に係る発明は、請求項5に係る発明であって、
剥離ライナー12と合成樹脂層11との間に水溶性樹脂
層13が設けられ、描画用基材20を水15に浸漬して
水溶性樹脂層13を溶かして合成樹脂層11を剥離ライ
ナー12より剥離する描画方法である。図3(a)〜図
3(c)に示すように、請求項8に係る発明は、請求項
5に係る発明であって、剥離ライナー12上に設けられ
た合成樹脂層11が、金属、ガラス、セラミック又はプ
ラスチックからなる硬質の基体16に接着性がある第1
層11aと、この第1層11a上に設けられた第2層1
1bとからなる積層体であって、第1層11aを剥離ラ
イナー12より剥離し、この剥離した第1層11aを硬
質の基体16に接着して基体16の表面に受容層110
を形成する描画方法である。図3(b)に示すように、
請求項9に係る発明は、剥離ライナー12と第1層11
aとの間に水溶性樹脂層13が設けられ、描画用基材3
0を水15に浸漬して水溶性樹脂層13を溶かして合成
樹脂層11を剥離ライナー12より剥離する描画方法で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の描画用基材は、剥離ライ
ナー(release liner)と、このライナー上に設けられ
た合成樹脂層とにより構成される。図2(a)に示すよ
うに剥離ライナー12と合成樹脂層11との間に水溶性
樹脂層13を設けることもできる。剥離ライナーは、紙
又はプラスチックフィルムなどの片面に剥離処理したも
のである。合成樹脂層を支持するために、又は合成樹脂
層の剥離を容易にするために、剥離ライナーは0.1μ
m〜500mmの厚さを有することが好ましい。合成樹
脂層は、硬質の基体に接着性があって昇華性染料に定着
可能な2つの機能を有することが必要である。このため
に、図1(a)及び図2(a)に示すように単一の合成
樹脂層11にこれら2つの機能をもたせる場合と、図3
(a)に示すように2つの樹脂層11a,11bにそれ
ぞれの機能をもたせる場合がある。単一の合成樹脂層の
場合には、合成樹脂層は両機能を備えたポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポ
リアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、天然ゴム、合成ゴム、フェノール樹脂、ブチラ
ール樹脂、セルロース樹脂、ピロリドン樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等からなる。特にポ
リエステル樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂が耐熱性
に優れ好ましい。2つの樹脂層からなる積層体の合成樹
脂層の場合、剥離ライナー側の樹脂層は硬質の基体に接
着性のある第1層である。この第1層としては、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が
例示される。特にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂が接着性
に優れ好ましい。この第1層上の樹脂層は昇華性染料が
定着可能な第2層である。この第2層としては、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
塩化ビニル樹脂、天然ゴム、合成ゴム、フェノール樹脂
等が例示される。特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂
が染着性に優れ好ましい。
【0012】合成樹脂層には、染料染着性の観点から更
にシリコーンオイル、石油系オイル、天然系オイルが
0.1〜50重量%含まれることが好ましい。合成樹脂
層の厚さは0.1〜500μm、好ましくは0.5〜1
00μm、より好ましくは0.7〜50μmである。
0.1μm未満であると描画材の定着力に乏しく、50
0μmを越えると基体に接着した後で剥離したり、合成
樹脂層に引っ掻き疵を生じ易い。また第1層の厚さは
0.1〜500μm、好ましくは0.5〜100μm、
より好ましくは5〜50μmである。0.1μm未満で
あると合成樹脂層として接着力に乏しく、500μmを
越えると剥離し易くなる。更に第2層の厚さは0.1〜
500μm、好ましくは1〜100μm、より好ましく
は5〜50μmである。0.1μm未満では描画材の定
着力に乏しく、500μmを越えると基体に接着した後
で第2層が剥離したり、引っ掻き疵を生じ易い。水溶性
樹脂層を設ける場合、この水溶性樹脂層としてはカルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドンなどが例示され、その厚さは0.1〜5
0μmの範囲から選ばれる。
【0013】本発明の硬質の基体は、金属、無機ガ
ラス、有機ガラス等のガラス、食器、装飾器、タイ
ル、楽焼等の陶器、又は欧州磁器、清水焼、瀬戸焼等の
磁器のセラミック、又はプラスチックから選ばれ、そ
の形状はシート状物に限らず、ブロック状物又は凹凸の
ある成形物、加工物、容器などでもよい。本発明の描画
材は、昇華性染料を含む。この描画材は、描画後の仕上
げ方法に応じて、昇華性染料と剥離性樹脂を含むか、昇
華性染料と水溶性樹脂を含むか、或いは昇華性染料と剥
離性樹脂と水溶性樹脂を含む。昇華性染料は60℃以上
で昇華又は気化する染料であって、分子量が80〜40
00の範囲にあるもの、特に100〜1000の範囲に
あるものが好ましい。剥離性樹脂とは乾燥すると受容層
表面に対して剥離性を生じる樹脂をいい、水溶性樹脂と
は乾燥後、水に容易に溶解して受容層から除去される樹
脂をいう。剥離性樹脂を例示すれば、ストリパブルペイ
ント(strippable paint)として市販されている樹脂で
あって、アクリルエマルジョン,ラテックス等のアクリ
ル樹脂、酢酸ビニル,塩化ビニル等のビニル系樹脂、ゴ
ム系樹脂,エチルセルロース,アセチルブチルセルロー
ス等のセルロース系樹脂が挙げられる。また水溶性樹脂
を例示すれば、セルロース系樹脂、ポリエチレンオキサ
イド系樹脂、ポリビニル系樹脂、界面活性剤、ワックス
系樹脂、ゴム系樹脂が挙げられる。
【0014】描画材を100重量%とするとき、昇華性
染料は0.1〜20重量%、剥離性樹脂又は水溶性樹脂
は0.1〜40重量%配合される。この描画材を油溶性
溶媒又は水性溶媒に分散又は溶解させてインクを調製す
る。このインクはエマルジョン型絵の具、クレヨン、水
彩絵の具、油性マーカ、水性マーカの形態にすることが
好ましい。この描画材を手書きにより硬質の基体の表面
に文字又は模様を描くか、又は描画材をペンとしてコン
ピュータの画像信号に基づいて硬質の基体の表面に文字
又は模様を作画するようにしてもよい。上記描画材をイ
ンクに調製する際に、受容層を形成した合成樹脂をバイ
ンダとして含有させると、描画材の接着性が高まり好ま
しい。描画した後、硬質の基体を乾燥又は加熱する。乾
燥は室温〜100℃で行われ、加熱は350℃以下の温
度で行われる。加熱すると、早期に描画材を定着するこ
とができる。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、接
着性のある合成樹脂からなる受容層を硬質の基体の表面
に形成し、その受容層に描画材を定着させ、受容層の表
面を平滑にできるように構成したので、従来の絵付け法
と異なり、焼成の必要がなく容易に短時間でかつ低コス
トに描画できる。また最上層にクリアコート層を設けな
くても表面摩擦に対して描画材の剥がれ、かすれ等を生
じず、耐久性のある鮮明な描画が得られる。特に、硬質
の基体に接着性があって昇華性染料の定着可能な合成樹
脂層を剥離ライナー上に設けた描画用基材を用いること
により、基体の表面に簡単に受容層を形成できる優れた
効果を奏する。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。以下に述べ
る実施例はあくまでも一例であって本発明の技術的範囲
を限定するものではない。
【0017】<実施例1>シリコーン樹脂からなる厚さ
5μmの剥離ライナーの片面に下記の組成の樹脂をバー
コーターにより、厚さ30μmに均一に塗布した。 [合成樹脂の組成] ・アクリル樹脂 20重量% (商品名:アクリペットVH、三菱レイヨン(株)) ・エポキシ樹脂 10重量% (商品名:BREN−S、日本化薬(株)) ・シリコーンオイル 5重量% (商品名:SH200、東レダウコーニングシリコーン(株)) ・イソシアネート 10重量% (商品名:カヤハード、日本化薬(株)) ・トルエン 55重量% 計 100重量% その後、この剥離ライナーを150℃で30分間加熱す
ることにより、剥離ライナー上に合成樹脂層を有する描
画用基材を得た。この描画用基材の剥離ライナーから合
成樹脂層を引き剥がすと、合成樹脂層がちぎれることな
く容易に薄膜状態で剥離した。この薄膜状態の合成樹脂
層を10cm×10cmのサイズの白タイルの表面に接
着した後、タイルを150℃で10分間加熱した。これ
によりタイル上に受容層が形成された。この受容層は強
固な接着力を有し、タイルを熱湯に浸漬しても、或いは
洗剤を付けて強く洗ってもタイルから剥離しなかった。
【0018】下記の組成のアクリル絵の具に絵筆をつけ
て上記受容層の表面に風景を描き、20℃、1時間アク
リル絵の具を乾燥した。 [アクリル絵の具の組成] ・アクリルエマルジョン樹脂 70重量% (商品名:ニカゾールRX669R,日本カーバイト(株)) ・湿潤剤 エチレングリコール 20重量% ・昇華性染料 5重量% (商品名:ミケトンポリエステルイエロー3GF, 三井東圧染料(株)) ・防腐剤 1.1重量% (商品名:プロクセルXL2,ゼネカ(株)) ・水 3.9重量% 計 100.0重量% 次いで赤外線加熱装置で200℃、5分間加熱して絵の
具中の昇華性染料を硬化させ、受容層中に浸透させた。
受容層の表面を水又は空気で冷却した後、乾燥したアク
リル絵の具中のアクリルエマルジョン樹脂を指先でつま
んで剥いだ。アクリルエマルジョン樹脂が容易に剥離さ
れ、描画した画像がタイル上に形成された。この画像は
釉薬では作り出せない鮮やかさを有し、高彩度、高精細
であった。受容層の表面は平滑で艶があり、はがれや摩
耗に対して耐久性があった。
【0019】<実施例2>パラフィンワックスからなる
厚さ10μmの剥離ライナーの片面に下記の組成の水溶
性樹脂をバーコーターにより、厚さ10μmに均一に塗
布し、自然乾燥した。 [水溶性樹脂の組成] ・カルボキシメチルセルロース 10重量% (商品名:セロゲン7A、第一工業製薬(株)) ・水 90重量% 計 100重量% これにより剥離ライナー上に水溶性樹脂層が形成され
た。
【0020】次に、この水溶性樹脂層の上に下記の組成
の樹脂をバーコーターにより、厚さ30μmに均一に塗
布した。 [合成樹脂の組成] ・ウレタン樹脂 30重量% (商品名:パーマリンUA、三洋化成工業(株)) ・水 70重量% 計 100重量% 剥離ライナーを150℃で30分間加熱することによ
り、剥離ライナー上に水溶性樹脂層と合成樹脂層を有す
る描画用基材を得た。
【0021】この描画用基材を20℃の水に5分間浸漬
すると、水溶性樹脂層が水中で完全に溶けて合成樹脂層
が薄膜状態で剥離ライナーから容易に剥離した。この薄
膜状態の合成樹脂層を実施例1と同じのサイズの白タイ
ルの表面に接着した後、タイルを150℃で10分間加
熱した。実施例1と同様にタイル上に受容層が形成され
た。この受容層は強固な接着力を有し、タイルを熱湯に
浸漬しても、或いは洗剤を付けて強く洗ってもタイルか
ら剥離しなかった。
【0022】下記の組成のクレヨンを手に持って上記受
容層の表面に静物を描いた。 [クレヨンの組成] ・ワックス 85重量% (商品名:ヘキストワックスKST,ヘキストジャパン) ・オイル 10重量% (商品名:エマノーン3299R,花王(株)) ・昇華性染料 5重量% (商品名:オリエントレッドNo.4,オリエント化学工業(株)) 計 100重量% 次いで赤外線加熱装置で200℃、5分間加熱してクレ
ヨン中の昇華性染料を硬化させ、受容層中に浸透させ
た。受容層の表面を水又は空気で冷却した後、これらの
タイルを水中に浸漬した。受容層表面に浮き出たクレヨ
ン中のワックスが水に溶解した。タイルを水中から出し
て乾いた布で拭くと、描画した画像がタイル上に形成さ
れた。この画像は釉薬では作り出せない鮮やかさを有
し、高彩度、高精細であった。受容層の表面は平滑で艶
があり、はがれや摩耗に対して耐久性があった。
【0023】<実施例3>シリコーン樹脂からなる厚さ
30μmの剥離ライナーの片面に下記の組成の水溶性樹
脂をバーコーターにより、厚さ10μmに均一に塗布
し、自然乾燥した。 [水溶性樹脂の組成] ・アラビアゴム 20重量% (ナイジェリア産の天然ゴム) ・水 80重量% 計 100重量% これにより剥離ライナー上に水溶性樹脂層が形成され
た。
【0024】次に、この水溶性樹脂層の上に、タイルと
接着させるための下記の組成の樹脂をバーコーターによ
り、厚さ50μmに均一に塗布した。20℃で乾燥した
後、150℃で10分間加熱した。 [第1層の組成] ・エポキシ樹脂 20重量% (商品名:BOCN−102S、日本化薬(株)) ・ウレタン樹脂 20重量% (商品名:DKポリオール、第一工業製薬(株)) ・イソシアネート 10重量% (商品名:コロネート2014、日本ポリウレタン工業(株)) ・ブタノール 50重量% 計 100重量% これにより水溶性樹脂層上に合成樹脂層のうちの第1層
が形成された。
【0025】次に、この第1層の上に、昇華性染料を定
着させるための下記の組成の樹脂をバーコーターによ
り、厚さ30μmに均一に塗布した。その後自然乾燥し
た。 [第2層の組成] ・ポリエステル樹脂 20重量% (商品名:バイロン200、東洋紡績(株)) ・メチルエチルケトン 80重量% 計 100重量% これにより第1層上に合成樹脂層のうちの第2層が形成
され、最終的に剥離ライナー上に水溶性樹脂層及び第1
層と第2層からなる合成樹脂層を有する描画用基材を得
た。この描画用基材を20℃の水に5分間浸漬すると、
水溶性樹脂層が水中で完全に溶けて合成樹脂層が薄膜状
態で剥離ライナーから容易に剥離した。この薄膜状態の
合成樹脂層のうちの第1層をを実施例1と同じのサイズ
の白タイルの表面に接着した後、タイルを150℃で1
0分間加熱処理した。実施例1と同様にタイル上に受容
層が形成された。この受容層は強固な接着力を有し、タ
イルを熱湯に浸漬しても、或いは洗剤を付けて強く洗っ
てもタイルから剥離しなかった。
【0026】下記の組成の油性マーカを手に持って上記
受容層の表面に文字を描いた。次いで赤外線加熱装置で
200℃、5分間加熱して油性マーカ中の昇華性染料を
硬化させ、受容層中に浸透させた。受容層の表面を水又
は空気で冷却した後、これらのタイルを水中に浸漬し
た。受容層表面に僅かに浮き出た油性マーカ中のポリエ
チレンオキサイド系樹脂が水に溶解した。タイルを水中
から出して乾いた布で拭くと、描画した画像がタイル上
に形成された。この画像は釉薬では作り出せない鮮やか
さを有し、高彩度、高精細であった。受容層の表面は平
滑で艶があり、はがれや摩耗に対して耐久性があった。
【0027】 [油性マーカの組成] ・ポリエチレンオキサイド系樹脂 8重量% (商品名:パオゲンPP15,三洋化成工業(株)) ・昇華性染料 8重量% (商品名:マクロレックスイエロー3G,バイエル) ・溶剤 ベンゼン 44重量% ・溶剤 キシレン 40重量% 計 100重量%
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る描画用基材を用いて硬質の基体
に描画する状況を示す断面図。
【図2】請求項2に係る描画用基材を用いて硬質の基体
に描画する状況を示す断面図。
【図3】請求項4に係る描画用基材を用いて硬質の基体
に描画する状況を示す断面図。
【符号の説明】
10,20,30 描画用基材 11 合成樹脂層 11a 第1層 11b 第2層 12 剥離ライナー 13 水溶性樹脂層 15 水 16 硬質の基体 17 描画材 17a 剥離性樹脂 17b 水溶性樹脂 110 受容層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属、ガラス、セラミック又はプラスチ
    ックからなる硬質の基体(16)に接着性があって昇華性染
    料が定着可能な合成樹脂層(11)が剥離ライナー(12)上に
    0.1〜500μmの厚さに設けられた描画用基材。
  2. 【請求項2】 剥離ライナー(12)と合成樹脂層(11)との
    間に水溶性樹脂層(13)が設けられた請求項1記載の描画
    用基材。
  3. 【請求項3】 剥離ライナー(12)上に設けられた合成樹
    脂層(11)が、金属、ガラス、セラミック又はプラスチッ
    クからなる硬質の基体(16)に接着性がある第1層(11a)
    と、この第1層(11a)上に設けられた昇華性染料が定着
    可能な第2層(11b)とからなる積層体である請求項1記
    載の描画用基材。
  4. 【請求項4】 剥離ライナー(12)と第1層(11a)との間
    に水溶性樹脂層(13)が設けられた請求項3記載の描画用
    基材。
  5. 【請求項5】 金属、ガラス、セラミック又はプラスチ
    ックからなる硬質の基体(16)に接着性があって昇華性染
    料が定着可能な合成樹脂層(11)が剥離ライナー(12)上に
    0.1〜500μmの厚さに設けられた描画用基材(10)
    を用意し、前記描画用基材(10)の合成樹脂層(11)を前記
    剥離ライナー(12)より剥離し、前記剥離した合成樹脂層
    (11)を前記硬質の基体(16)に接着して前記基体(16)の表
    面に受容層(110)を形成し、前記受容層(110)の表面に前
    記受容層(110)に定着可能な昇華性染料を含む描画材(1
    7)により文字又は模様を描き、前記文字又は模様を描い
    た基体(16)を乾燥又は加熱して前記描画材(17)を前記受
    容層(110)に固着する描画方法。
  6. 【請求項6】 描画材(17)は昇華性染料に加えて、更に
    乾燥すると剥離性を生じる剥離性樹脂(17a)又は水溶性
    樹脂(17b)のいずれか一方又は双方を含むエマルジョン
    型絵の具、クレヨン、水彩絵の具、油性マーカ又は水性
    マーカである請求項5記載の描画方法。
  7. 【請求項7】 剥離ライナー(12)と合成樹脂層(11)との
    間に水溶性樹脂層(13)が設けられ、描画用基材(10)を水
    (15)に浸漬して前記水溶性樹脂層(13)を溶かして合成樹
    脂層(11)を前記剥離ライナー(12)より剥離する請求項5
    記載の描画方法。
  8. 【請求項8】 剥離ライナー(12)上に設けられた合成樹
    脂層(11)が、金属、ガラス、セラミック又はプラスチッ
    クからなる硬質の基体(16)に接着性がある第1層(11a)
    と、この第1層(11a)上に設けられた昇華性染料に定着
    可能な第2層(11b)とからなる積層体であって、前記第
    2層(11b)とともに第1層(11a)を前記剥離ライナー(12)
    より剥離した後、この第1層(11a)を前記硬質の基体(1
    6)に接着して前記基体(16)の表面に受容層(110)を形成
    する請求項5記載の描画方法。
  9. 【請求項9】 剥離ライナー(12)と第1層(11a)との間
    に水溶性樹脂層(13)が設けられ、描画用基材(10)を水(1
    5)に浸漬して前記水溶性樹脂層(13)を溶かして合成樹脂
    層(11)を前記剥離ライナー(12)より剥離する請求項8記
    載の描画方法。
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