JPH10113804A - U軸加工用スピンドル - Google Patents

U軸加工用スピンドル

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Publication number
JPH10113804A
JPH10113804A JP26751696A JP26751696A JPH10113804A JP H10113804 A JPH10113804 A JP H10113804A JP 26751696 A JP26751696 A JP 26751696A JP 26751696 A JP26751696 A JP 26751696A JP H10113804 A JPH10113804 A JP H10113804A
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JP
Japan
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spindle
clamp
tool
shaft
axis
Prior art date
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Application number
JP26751696A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawai
猛 川合
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HIKOSAKA KIGI KK
Original Assignee
HIKOSAKA KIGI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バランスが良く、合理的な構造のクランプ機構
を採用する。 【解決手段】スピンドルの軸線上に揺動中心を設定した
ツールスピンドル5内には、ツール11のクランプ機構
30が設けられる。これは、ツールスピンドル5の軸線
上を前後移動するクランプスリーブ35と、そのクラン
プスリーブ35に外嵌し、クランプスリーブ35の前後
移動に伴って放射方向へ拡縮し、拡大時にはツールスピ
ンドル5の円筒部6と、ツール11の基端部13とに跨
って係止可能なコレットリング39とで構成される。又
クランプスリーブ35は、その後方のスライドクランプ
31に連結されて一体に前後移動するが、このスライド
クランプ31には、直交状に貫通されるクランプ軸53
の偏心軸54と、スライドクランプ31の後方から装着
されるクランプピン56とにより、クランプ軸53の回
転操作により前後移動するカム機構が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端に装着される
工具を、軸線と直交する方向(U軸方向)に移動させて
切削加工を行うU軸加工用スピンドルに係り、詳しくは
そのU軸加工用スピンドルに設けられる工具のクランプ
機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、上記U軸加工用スピンドルに
おいて、スピンドル内に、スピンドルの軸線上に揺動中
心を設定したシーソー部材を設け、その前端部に、工具
のクランプ機構を設ける一方、後端部に、前記シーソー
部材をスピンドルの軸線から所定の角度傾斜させる揺動
手段を設けて、揺動手段によるシーソー部材の傾動で、
前端にクランプした工具を傾斜させて、工具のU軸方向
への移動量を得る発明を提供している。
【0003】一方工具をタレット等に装着するクランプ
機構としては、特開平5−220607号公報に開示の
ものが知られている。これは、タレットに形成される工
具受け内に、複数のコレットを放射状に配置し、コレッ
ト内には、軸方向への移動によりコレットを放射方向へ
拡開又は縮小させる締付けスリーブを同軸で設け、締付
けスリーブの移動によりコレットを拡開させると、コレ
ットの前後に設けたテーパ面が、夫々工具のフランジ側
のテーパ部と、工具受け内面側のテーパ部に夫々押し付
けられて、コレットが工具と工具受けとを楔状に連結さ
せる構造である。尚前記締付けスリーブの軸方向への移
動は、締付けスリーブの後端へ締付けナットを螺合させ
ると共に、その締付けナット外周の歯に噛合するウオー
ムを設け、ウオームの回転操作により、締付けナットを
回転させて締付けスリーブを軸方向へネジ送りするもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】まずU軸加工用スピン
ドルにおいては、スピンドルの軸心に上記シーソー部材
を配置する必要があるため、一般的な工具交換装置の採
用ができない。よってシーソー部材の先端に挿入したツ
ール側面のテーパ面を、クランプネジで押圧して一体化
させる構造等を採用し、加工態様に応じて手で工具の交
換を行っている。従ってこの場合交換時の手間や時間が
かかる上、交換後の再現性も悪く、加工精度の低下を招
くことになる。一方上記クランプ機構においては、高い
クランプ力が得られる利点があるが、前記締付けスリー
ブのネジ送り機構を作動させるウオームが軸心から離れ
た位置に配置されるため、タレット等に設ける場合はと
もかく、スピンドルに採用すると、回転時のバランスが
悪くなって高速回転を阻害する一因となり、加工精度の
低下を招く。特に揺動させる上記シーソー部材において
はバランスの悪化は好ましくないため、U軸加工用スピ
ンドルに採用するには問題がある。又部品点数が多くな
って構造が複雑化し、コストアップにも繋がる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1に記載の
発明は、上記クランプ機構をU軸加工用スピンドルに採
用するのに加え、その改良により、部品点数の少ない簡
単な構成で、バランスが良く、良好な加工精度を維持で
きるU軸加工用スピンドルを提供することを目的とした
もので、その構成は、前記クランプ機構を、前記シーソ
ー部材の軸線上を前後移動するガイド部材と、そのガイ
ド部材に外嵌し、ガイド部材の前後移動に伴って放射方
向へ拡縮し、拡大時には前記シーソー部材と工具とに跨
って係止可能なチャック部材とで構成し、更に前記ガイ
ド部材の後方に、ガイド部材と一体に前後移動するスラ
イド部材を備えると共に、前記シーソー部材の揺動中心
を通って前記スライド部材を直交状に貫通する操作軸を
設け、その操作軸とスライド部材との間に、前記操作軸
の回転操作によりスライド部材を前後移動させるカム機
構を設けたことを特徴とするものである。又請求項2に
記載の発明は、請求項1の目的に加えて、前記チャック
部材の合理化と、拡縮の際の同調性やクランプの信頼性
の向上とを目的として、前記チャック部材を、軸方向に
沿って前後から交互に設けられた複数の切り込みによ
り、前後端が交互に連続する筒状体としたものである。
更に請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に
加えて、クランプ後のスピンドルの回転による工具の緩
みを防止することを目的として、前記カム機構を、前記
操作軸の中央部に設けられ、操作軸の回転に伴う偏心運
動で前記スライド部材を前後移動させる偏心軸で構成す
る一方、その偏心軸に弾性を付与して、前記工具のクラ
ンプ完了により前後移動を停止したスライド部材に拘わ
らず、前記操作軸の回転を許容すると共に、前記偏心軸
にクランプ完了位置を所定量過ぎた位置までの偏心運動
を可能としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1は、U軸加工機におけるスピン
ドル1の先端部の縦断面図、図2はその断面を90度回
転させた縦断面図、そして図3はA−A線断面図で、こ
のスピンドル1は、図示しないU軸加工機の本体内にお
いて軸方向へ前後移動可能に設けられるクイルに軸支さ
れ、U軸加工機に設けられた主軸モータによって回転す
る。同様にU軸加工機には、スピンドル軸心のドローバ
ー23を軸方向へ前後移動させるツール制御モータと、
クイルを軸方向へ前後移動させる送りモータとが設けら
れており、これらのモータのNC制御によりスピンドル
1や後述するツールの移動装置が制御される。又中空の
スピンドル本体2の前端(図1の右側を前方とする、以
下同じ)には、筒状のハウジング3がボルトで固着され
ている。このハウジング3には、両側に装着された軸受
けメタル4,4とで内部に断面十字状の中空部を形成し
ており、この中空部内とスピンドル本体2の中空部とに
亘って、シーソー部材としてのツールスピンドル5が収
容されている。ツールスピンドル5は、ハウジング3か
ら前方へ突出する円筒部6、中央の平棒状の軸支部7、
そしてスピンドル本体2内へ伸長する後方の揺動部8と
からなり、軸支部7の両側へ突設した台形筒状の支点軸
9,9を、軸受けメタル4,4のテーパ凹部10,10
に夫々挿入することで、スピンドル1内で支点軸9,9
を中心に揺動可能に支持される。更に円筒部6には、先
端にチップ12を備えたツール11の筒状の基端部13
が挿入され、後述するクランプ機構30によりツールス
ピンドル5と一体化される。又円筒部6の基端付近に
は、Oリング14、オイルシール15が夫々嵌着され、
ハウジング3の内部をシールしている。一方軸支部7に
は、ツールスピンドル5の軸心と平行な一対の有底孔1
6,16が互いに逆方向に形成され、夫々の有底孔16
に、頭付ピン17,17が互いに逆方向で遊挿されると
共に、有底孔16内でピン頭部17aとの間に複数の皿
バネ18,18・・が設けられている。よってツールス
ピンドル5は、スピンドル1の軸線を中心として、図1
での左回転方向、即ち切削抵抗が加わる方向へ付勢され
る。
【0007】そして後方の揺動部8は、二股に形成され
ると共に、その二股の先端は、中央上下を二面幅の面取
部19に形成したドライブピン20により連結される。
この連結状態で面取部19はスピンドル1の軸線から傾
斜しており、その傾斜角度と同じ(ここでは約11度)
傾斜溝21を備えたドライブウエッジ22によって、ド
ライブピン20は把持されている。このドライブウエッ
ジ22の後端部は、スピンドル1の軸心にあって軸方向
に前後移動可能なドローバー23の先端に設けられた花
弁型の連結部24によって、ドローバー23と一体化さ
れている。よってここでは、ドローバー23の前後移動
に連動してドライブウエッジ22がスピンドル本体2の
中空部内を所定のストロークで前後移動可能となり、こ
のドライブウエッジ22の前後移動に伴い、ドライブピ
ン20が傾斜溝21にガイドされて、図1の二点鎖線で
示すように揺動中心Oを中心とする円弧軌跡に沿って揺
動し、同様に揺動部8を揺動させて、ツールスピンドル
5を揺動中心Oを支点として揺動させることになる。従
って円筒部6に把持されるツール11もOを中心として
揺動し、U軸方向への移動量が得られる。特にここで
は、揺動中心Oからチップ12までの距離を、揺動中心
Oからドライブピン20の中心までの距離と等しく設定
しているため、ドライブピン20の旋回量と同じ旋回量
をチップ12は得ることになる。
【0008】そしてツールスピンドル5内の中空部に
は、ツール11のクランプ機構30が構成される。これ
は図4,5にも示す如く、まず中空部にはツールスピン
ドル5と同軸で、スライド部材としてのスライドクラン
プ31が前後へスライド可能に収納されており、その先
端のロッド部32には、ガイド部材としてのクランプス
リーブ35が螺合して一体化されている。このクランプ
スリーブ35の前方の大径部36と、後端部分には、夫
々後方側へ向けて小径となるテーパ部37a,37bが
夫々形成されている。尚38は、クランプスリーブ35
内にねじ込まれて、ロッド部32へのクランプスリーブ
35のねじ込み量を規制するストッパーである。又前記
クランプスリーブ35には、チャック部材としてのコレ
ットリング39が外装されている。これは、軸方向に沿
って前後から交互に形成された複数のスリット40,4
0・・によって、各コレット39a,39a・・が前後
で交互に連結するように構成され、この構造により、コ
レットリング39を放射方向へ拡開させる外力に対し
て、コレットリング39自体が収縮する反力を生じさせ
るものとなっている。更に各コレット39aの内周面に
は、前記クランプスリーブ35の前後のテーパ部37
a,37bに対応する第一テーパ面41a,第二テーパ
面41bが夫々形成される一方、外周面には、前後に突
起42,43が夫々形成され、その前後の突起42,4
3の互いの対向面が、逆向き(前方では突起42から後
方へ向けて小径、後方では突起43から前方へ向けて小
径)となる第三テーパ面42a,第四テーパ面43aに
形成されている。そしてコレットリング39の後方に
は、ロッド部32に貫通されて前面にすり鉢状のテーパ
部45を有し、後方に前記スライドクランプ31の二面
幅の中間部33を挟む二股部46,46を形成したリタ
ーンガイド44が配置されている。このリターンガイド
44は、スライドクランプ31の後方の軸部34に内設
され、二股部46,46に当接する圧縮スプリング4
7,47によって前方へ付勢されて、前記テーパ部45
を、コレットリング39の突起43の後端に形成した第
五テーパ面43bに押し当てている。更にツールスピン
ドル5の円筒部6の内面6aと、ツール11の基端部1
3の外面13aとは、後方へ向けて小径となる緩テーパ
形状に形成されて、ツール11の装着状態で互いに密着
すると共に、基端部13の内面は、入口の径を内方より
小さくして、その境界部分にコレットリング39の突起
42の第三テーパ面42aと合致するテーパ部48を形
成している。又ツールスピンドル5の円筒部6の内面奥
には、前記基端部13の入口の径と等しい内径を有する
突条49が周設され、その後面をコレットリング39の
突起43の第四テーパ面43aと合致するテーパ部50
に形成している。
【0009】一方スライドクランプ31の中間部33
と、その中間部33を挟むリターンガイド44の二股部
46,46には、透孔51及び52,52が夫々穿設さ
れて、これらの透孔に、スピンドル1の軸心と直交する
と共に揺動中心Oを通り、ツールスピンドル5の支点軸
9から両端を露出させたクランプ軸53が貫通してい
る。このクランプ軸53のスピンドル軸心との直交部分
は、偏心軸54が形成されており、リターンガイド44
の前後位置に拘わらず、偏心軸54は、二股部46の長
円形の透孔52,52とは干渉しない。しかし中間部3
3の透孔51内においては、スライドクランプ31の軸
部34の軸心に後方から挿入されて透孔51内へ突出し
たクランプピン56の先端と、透孔51の前端51aと
の間に位置することで、クランプ軸53の回転に伴う偏
心軸54の偏心運動により、スライドクランプ31が前
後へスライド移動するカム機構が構成されている。尚5
5は、スライドクランプ31の後方に螺合され、クラン
プピン56の抜け止めとなる止めネジである。
【0010】以上の如く構成されたスピンドル1におい
ては、ツールスピンドル5が、支点軸9,9が軸支され
るシーソー構造となっているから、前記ツール制御モー
タのNC制御によってドローバー23を軸方向に移動さ
せると、前述のようにツールスピンドル5と共にツール
11も揺動中心Oを中心とする円弧軌跡で揺動する。即
ちドローバー23を後退させると、ドライブピン20が
図1に示す下方向へ移動すると共に、ツール11を同一
角度で上方向へ移動させ、軸心からU軸方向への移動量
が得られる。逆にドローバー23を前進させると、ドラ
イブピン20が上方向へ移動すると共に、ツール11を
同一角度で下方向へ移動させ、前記と逆方向への移動量
が得られる。
【0011】そしてツールスピンドル5にツール11を
装着する際、クランプ軸53の露出した端部の六角孔5
3aに、六角棒レンチ等を差し込んで図4における中心
線の上側の位置から半回転(180°回転)させると、
透孔51とクランプピン56とで偏心軸54と一体化さ
れるスライドクランプ31が、偏心軸54の180°の
偏心運動に従って軸方向前方へ移動する。この時ロッド
部32を介して一体のクランプスリーブ35も前進する
が、これに外装されるコレットリング39は、ツールス
ピンドル5の円筒部6内面の突条49と後端の突起43
との干渉により前方への移動を阻止されるため、クラン
プスリーブ35の大径部36がコレットリング39の前
端を過ぎると、自身の収縮力と共に、後端が圧縮スプリ
ング47,47で前方へ付勢されるリターンガイド44
のテーパ部45に案内されて縮小する。よって円筒部6
とコレットリング39との間に、ツール11の基端部1
3を挿入可能な隙間が生じる(図4の中心線下側)。次
に円筒部6にツール11の基端部13を挿入し、クラン
プ軸53を図4下側の位置から更に半回転させると、前
記と逆に偏心軸54の後方への偏心運動によってスライ
ドクランプ31が後退し、クランプスリーブ35を後退
させる。よってクランプスリーブ35後端外周面のテー
パ部37bが、コレットリング39の後端内周の第二テ
ーパ面41bに当接すると共に、大径部36のテーパ部
37aが、コレットリング39内周の第一テーパ面41
aに当接して、コレットリング39を拡開させる。尚こ
の時前方へ付勢されるリターンガイド44により、コレ
ットリング39の後退は阻止される。そしてコレットリ
ング39の前端が、クランプスリーブ35の大径部36
に乗り上げると、コレットリング39の突起42の第三
テーパ面42aが、ツール11の基端部13内周面のテ
ーパ部48と係合して基端部13を引き込み、これを押
圧する。同時に後端においても、突起43の第四テーパ
面43aが、円筒部6内面の突条49におけるテーパ部
50に係合して、これを押圧する。よって前後のテーパ
同士の係合により、拡開したコレットリング39が、ツ
ールスピンドル5の円筒部6とツール11の基端部13
とを楔状に連結する格好となる(図4の中心線上側)。
尚ツール11の取り外しは、再度のクランプ軸53の半
回転によりスライドクランプ31を前進させれば、最初
に説明したようにコレットリング39が収縮して前後の
突起42,43が夫々基端部13、円筒部6から外れる
と共に、クランプスリーブ35が前進して基端部13の
底部を前方へ押し出し、装着状態から強制的に開放させ
る。
【0012】このように本実施の形態においては、U軸
加工機において上記クランプ機構30を採用したことに
より、ツールの交換が容易に行え、そのクランプ力も強
固となる。又カム機構をツールスピンドル5の軸線上採
用して、それを作動させるクランプ軸53を揺動中心O
に設けたことで、スピンドル1のバランスを崩すことが
なく、クランプ機構30をスピンドル1内でコンパクト
に構成でき、スピンドル1の大型化を防止できる。よっ
てスピンドル1の高速回転が可能となって加工精度の向
上にも繋がる。又コレットリング39はスリット40に
よって各コレットを前後で交互に連結した一体型とした
ことで、コレットリング39自身に収縮側への弾性を付
与することができ、輪バネ等が不要となる上、拡開及び
収縮する際の各コレットのばらつきをなくして、好適な
同調性を確保可能となる。尚コレットリング39を拡縮
させるクランプ軸53の回転操作は、上記六角棒レンチ
による手動操作によるものに限らず、この六角棒レンチ
を、油圧及びサーボモータ等で回転駆動させるレンチ駆
動機構を別途設ければ、ツール交換が円滑に行え、更に
複数のツールを収納可能なターンテーブル等と併用すれ
ば、ツールの自動交換も容易に行える。又スライドクラ
ンプ31を前後移動させるカム機構は、上記透孔51を
貫通する偏心軸54とクランクピン56とによる他、適
宜設計変更可能で、例えばクランプ軸中央に適当な輪郭
曲線を有するカムやカム溝を設け、スライドクランプ3
1へ別途設けた付勢手段によりクランプピン56等をカ
ムに常時押し当てるようにして、クランプ軸53の回転
に伴うカムの回転によって、スライドクランプ31を前
後移動させるものとしても良い。
【0013】又上記実施の形態では、ツール11のクラ
ンプ時にクランプ軸53を略180°回転させるもので
あるが、この場合クランプした状態でも、スピンドル1
の回転によりクランプ軸53にゆるみが生じることがあ
る。よってこのようなゆるみを効果的に防止できる安全
機構を以下に説明する。図6で示すように、クランプ軸
53においては、偏心軸54aを図2のものより長く
(ちなみに図2では10mm、図6では40mm)して半径
方向に弾性を付与すると共に、クランプ軸53の両端外
周に、円周方向に沿って一対の溝57,57を半周分よ
りやや長めに凹設している。一方クランプ軸53を軸支
する軸受けメタル4,4には、前記溝57,57に夫々
挿入するストッパピン58,58を装着している。この
ストッパピン58,58は、アンクランプ状態のクラン
プ軸53の回転位置では、図7(A)の如く夫々溝57
の始端57aに位置するものとなる。よってこの形態に
おいては、図7(A)のアンクランプ状態からクランプ
軸53を矢印方向へ回転させると、前述と同様に偏心軸
54aが後方へ偏心運動を行い、クランクピン56の後
退と共にスライドクランプ31、クランプスリーブ35
を後退させる。そして180°近く回転させた時点、即
ち図7(B)に二点鎖線で示す偏心軸54aの位置でツ
ール11のクランプは完了することになるが、ここから
更にクランプ軸53を回転させると、クランプピン56
がそれ以上後退しなくても、偏心軸54aが弾性により
前方へ僅かにたわんでクランプ軸53の回転を許容し、
ストッパピン58,58が溝57,57の終端57b,
57bに到達してクランプ軸53の回転は停止する。従
って偏心軸54aは、同図(B)の実線で示すように、
アンクランプの位置から180°+αの角度まで回転さ
せることができる。この結果、偏心軸54aがクランプ
位置を超えて、逆戻りしにくい位置まで回転することに
なるため、スピンドル1の回転によるクランプ軸53の
緩みが効果的に防止され、ツール11の確実なクランプ
状態が維持できるのである。尚偏心軸54aは、所望の
弾性を得るためにその長さや直径を適宜変更して差し支
えない。
【0014】
【発明の効果】以上請求項1に記載の発明によれば、高
いクランプ力が得られるクランプ機構を、シーソー部材
を用いたU軸加工用スピンドルに好適に採用できる。よ
って交換の手間や時間が短縮でき、交換後の再現性も好
適で、加工精度も良好となる。特にクランプ機構におけ
るスライド部材の移動制御を、シーソー部材の揺動中心
を通る操作軸とカム機構とにより行うようにしたこと
で、工具のU軸方向への送りを行うシーソー部材のバラ
ンスに影響を与えず、スピンドルの高速回転や加工精度
維持の障害になることがない。加えて部品点数が少ない
簡単な構造となり、コストアップを抑えることもでき
る。又請求項2に記載の発明によれば、前記チャック部
材を、軸方向に沿って前後から交互に設けられた複数の
切り込みにより、前後端が交互に連続する筒状体とすれ
ば、チャック部材自体に縮小方向への弾性が付与でき、
コレットを断続的に配置したものに比べて、輪バネ等の
縮小させる付勢手段が不要となる。又連続する筒状体に
より、拡縮の際の同調性が良くなり、クランプ・アンク
ランプ時の動作の信頼性も確保できる。更に請求項3に
記載の発明によれば、前記カム機構を構成する偏心軸に
弾性を付与して、偏心軸にクランプ完了位置を所定量過
ぎた位置までの偏心運動を可能としたことで、スピンド
ルの回転による操作軸のゆるみ、即ち工具のゆるみを効
果的に防止して、クランプ状態を好適に維持可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピンドル先端部の縦断面図である。
【図2】図1の断面から90度移動させたスピンドル先
端部の縦断面図である。
【図3】A−A線拡大断面図である。
【図4】クランプ機構の説明図である。
【図5】クランプ機構の分解説明図である。
【図6】安全機構の説明図である。
【図7】(A)安全機構における偏心軸の偏心運動を示
す説明図である。 (B)安全機構における偏心軸の偏心運動を示す説明図
である。
【符号の説明】
1・・スピンドル、2・・スピンドル本体、5・・ツー
ルスピンドル、11・・ツール、30・・クランプ機
構、31・・スライドクランプ、35・・クランプスリ
ーブ、39・・コレットリング、41a・・第一テーパ
面、41b・・第二テーパ面、42,43・・突起、4
2a・・第三テーパ面、43a・・第四テーパ面、44
・・リターンガイド、53・・クランプ軸、54・・偏
心軸、56・・クランプピン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドル内に、スピンドルの軸線上に
    揺動中心を設定したシーソー部材を設け、その前端部
    に、前記シーソー部材の軸線上で工具を装着可能なクラ
    ンプ機構を設ける一方、後端部に、前記シーソー部材を
    スピンドルの軸線から所定の角度傾斜させる揺動手段を
    設けたU軸加工用スピンドルであって、 前記クランプ機構を、前記シーソー部材内でその軸線上
    を前後移動するガイド部材と、そのガイド部材に外嵌
    し、ガイド部材の前後移動に伴って放射方向へ拡縮し、
    拡大時には前記シーソー部材と工具とに跨って係止可能
    なチャック部材とで構成し、更に前記ガイド部材の後方
    に、ガイド部材と一体に前後移動するスライド部材を備
    えると共に、前記シーソー部材の揺動中心を通って前記
    スライド部材を直交状に貫通する操作軸を設け、その操
    作軸とスライド部材との間に、前記操作軸の回転操作に
    よりスライド部材を前後移動させるカム機構を設けたこ
    とを特徴とするU軸加工用スピンドル。
  2. 【請求項2】 前記チャック部材を、軸方向に沿って前
    後から交互に設けられた複数の切り込みにより、前後端
    で交互に連続する筒状体とした請求項1に記載のU軸加
    工用スピンドル。
  3. 【請求項3】 前記カム機構を、前記操作軸の中央部に
    設けられ、操作軸の回転に伴う偏心運動で前記スライド
    部材を前後移動させる偏心軸で構成する一方、その偏心
    軸に弾性を付与して、前記工具のクランプ完了により前
    後移動を停止したスライド部材に拘わらず、前記操作軸
    の回転を許容すると共に、前記偏心軸にクランプ完了位
    置を所定量過ぎた位置までの偏心運動を可能とした請求
    項1又は2に記載のU軸加工用スピンドル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016043478A (ja) * 2014-08-19 2016-04-04 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 締め付け装置
KR20180020570A (ko) * 2016-08-18 2018-02-28 주식회사 코리아보어 정밀 편심 부싱 보링 툴

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