JPH10113612A - 抗菌性耐熱塗装金属板 - Google Patents

抗菌性耐熱塗装金属板

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JPH10113612A
JPH10113612A JP28936596A JP28936596A JPH10113612A JP H10113612 A JPH10113612 A JP H10113612A JP 28936596 A JP28936596 A JP 28936596A JP 28936596 A JP28936596 A JP 28936596A JP H10113612 A JPH10113612 A JP H10113612A
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JP
Japan
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weight
parts
antibacterial
metal plate
coating
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JP28936596A
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English (en)
Inventor
Akio Tashiro
秋雄 田代
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Yodogawa Steel Works Ltd
Original Assignee
Yodogawa Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真菌や細菌の殺菌及び繁殖抑制効果に優れる
抗菌性耐熱塗装金属板を提供する。 【解決手段】 金属板1の表面に、ポリエーテルサルフ
ォン樹脂を主成分とする塗料の固形分100重量部に対
して粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部配合された抗菌
性塗膜2が塗装された後、板温240〜350℃で焼き
付け乾燥された抗菌性耐熱塗装金属板である。前記抗菌
剤は、平均粒径1μm以下であって、炭化ケイ素又は酸
化ケイ素が30〜80重量部、酸化アルミニウムが10
〜40重量部、酸化チタンが9〜30重量部、銀又は銅
が1重量部以下の割合で焼成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガスコンロ
の天板や側板等の壁板、ガスレンジや電子レンジの内外
壁など、各種調理器具等の耐熱構成部材として使用でき
る抗菌性耐熱塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスコンロの天板等の耐熱構成部
材としてステンレス板にポリエーテルサルフォン樹脂を
主成分とする耐熱性塗料を塗装したものが用いられてい
る。これらは耐熱性は満足できるが、使用される場所が
高温で汚れやすいところであるため菌が繁殖しやすいと
いう問題がある。一方、抗菌性塗装金属板として、例え
ば、特開平7−313935号公報に開示されているよ
うにチアゾール系、イミダゾール系、チアゾリン系等の
有機系の溶出型抗菌剤を樹脂塗料に配合して金属板に塗
装したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した有機
系の溶出型抗菌剤を用いたものは、初期において抗菌効
果を発揮するものの、時間の経過により薬剤の溶出によ
る消耗が激しいため抗菌効果の持続性が短く、またカビ
に対しては抗菌効果があるが、細菌には抗菌効果が薄
く、さらに塗装の焼き付け乾燥温度が高いこと及び高温
で使用されるので、その温度で有効成分が熱分解するた
め抗菌効果が殆どなくなるという問題がある。
【0004】他方、無機系の銀含有ゼオライト系の抗菌
剤を配合した塗料を塗装した金属板も知られているが、
これは金属板表面に接触した菌にしか効果がなく、金属
板表面に水や汚れが付着している場合には抗菌効果がな
く、抗菌力に限界があること、銀含有ゼオライトは銀が
銀イオン(Ag+ )の状態で保持されように化学的につ
くられたものであり、金属板の表面に大気中の塵埃が帯
電付着した場合に銀イオンの抗菌効果が薄れること、銀
イオンはオリゴダイナミック(Oligodynamic)作用によ
る殺菌作用を発揮するが、水や空気との接触に伴い金属
板の外表面に酸化銀の不動態酸化膜が形成されるため、
抗菌効果が低下することなどの問題点がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、無機系抗菌剤を耐熱樹脂塗料に
配合して塗装焼き付けされる金属板において、無機系抗
菌剤の組成物及びこの配合割合を工夫することにより真
菌や細菌の殺菌及び繁殖抑制効果を高めることのできる
抗菌性耐熱塗装金属板を提供することを目的とする。本
発明の他の目的は、上記目的を達成したうえで更に、表
面に食品等の汚れが付着しにくくなるように或いは表面
に付着した汚れを拭き取りやすくするために、表面に非
粘着性(いわゆる食品非粘着性)を付与し或いは表面の
非粘着性を高めた抗菌性耐熱塗装金属板を提供するにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る抗菌性耐熱
塗装金属板は、金属板の表面に、ポリエーテルサルフォ
ン樹脂を主成分とする塗料の固形分100重量部に対し
て粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部配合された塗膜が
塗装された後、240〜350℃の板温で焼き付け乾燥
された塗装金属板であって、前記抗菌剤が、平均粒径1
μm以下であって、炭化ケイ素又は酸化ケイ素が30〜
80重量部、酸化アルミニウムが10〜40重量部、酸
化チタンが9〜30重量部、銀又は銅が1重量部以下の
割合で焼成されたものであることを特徴とする。本発明
に係る他の抗菌性耐熱塗装金属板は、金属板の表面に、
ポリエーテルサルフォン樹脂を一成分とする塗料の固形
分100重量部に対して粉体の抗菌剤が0.05〜50重
量部配合された塗膜が塗装された後、300〜450℃
の板温で焼き付け乾燥された塗装金属板であって、前記
塗料が、ポリエーテルサルフォン樹脂100重量部に対
して10〜150重量部の四フッ化系のフッ素樹脂を配
合したものであり、前記抗菌剤が、平均粒径1μm以下
であって、炭化ケイ素又は酸化ケイ素が30〜80重量
部、酸化アルミニウムが10〜40重量部、酸化チタン
が9〜30重量部、銀又は銅が1重量部以下の割合で焼
成されたものであることを特徴とする。本発明に係る更
に他の抗菌性耐熱塗装金属板は、金属板の表面に、ポリ
エーテルサルフォン樹脂を一成分とする塗料の固形分1
00重量部に対して粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部
配合された塗膜が塗装された後、300〜450℃の板
温で焼き付け乾燥された塗装金属板であって、前記塗料
が、ポリエーテルサルフォン樹脂100重量部に対して
10〜100重量部の四フッ化系のフッ素樹脂を配合
し、更にこれらの樹脂分100重量部に対してアルミニ
ウム粉を1〜50重量部配合したものであり、前記抗菌
剤が、平均粒径1μm以下であって、炭化ケイ素又は酸
化ケイ素が30〜80重量部、酸化アルミニウムが10
〜40重量部、酸化チタンが9〜30重量部、銀又は銅
が1重量部以下の割合で焼成されたものであることを特
徴とする。前記金属板の表面にポリエーテルサルフォン
樹脂又はポリアミド樹脂を主成分とする下塗塗膜層を形
成したうえで、その下塗塗膜層の上に前記抗菌性塗膜を
塗装焼き付けることができる。また、前記金属板の両面
に前記抗菌性塗膜を塗装焼き付けることもできる。
【0007】
【作用】図1は本発明に係る抗菌性耐熱塗装金属板の断
面図を示す。1は金属板、2は金属板1の表面に塗装焼
き付けた抗菌性塗膜である。金属板1としては、鋼板、
亜鉛メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、
ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板、アルミニウム板などを
用いる。金属板1の表面には、抗菌性耐熱塗膜2を塗装
する前に、予めクロメート処理等で表面処理を施す。
【0008】抗菌性塗膜2に使用されているポリエーテ
ルサルフォン樹脂(PES)を主成分とする塗料は抗菌
剤を配合しているので抗菌性、耐熱性がある。抗菌性塗
膜2が板温240〜350℃の高温焼き付け乾燥により
形成されたものであるので加工性、耐候性がよい。焼き
付け時の板温が240℃未満では樹脂の架橋度が少な
く、加工性・耐候性が低下するが、350℃を超える温
度まで加熱する必要はない。240〜350℃の板温で
所要の塗膜を形成できるからである。抗菌性塗膜2の膜
厚は、0.5〜50μmとする。0.5μm未満では抗菌効
果や色彩効果が弱くなり、50μmを超えてもコストア
ップになるだけで効果は変わらない。
【0009】上述の塗料に四フッ化系のフッ素樹脂を配
合することにより、食品非粘着性(焼き付いた醤油、ソ
ース、煮汁等の拭き取りやすさ)が付与される。これ
は、塗膜2の高温焼き付け乾燥時に、食品非粘着性のあ
るフッ素樹脂が塗膜2の表面に浮上して潤滑層を形成す
るからである。また、密着性の悪いフッ素樹脂が塗膜2
の表面側に浮上することにより、金属板1と塗膜2との
密着性もよくなる。四フッ化系のフッ素樹脂の配合量
は、PES100重量部に対して10〜150重量部と
する。10重量部未満では食品非粘着性が低下し、15
0重量部を超えると塗料分散性が悪くなって塗装しにく
くなるし密着性も低下する。四フッ化系のフッ素樹脂と
しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETF
E)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)等を使用する。焼き
付け乾燥板温度は300〜450℃である。300℃未
満では樹脂の架橋度が少なく加工性・耐候性が低下し、
450℃を超えると効果は飽和しコストアップとなる。
抗菌性塗膜の膜厚は、0.5〜50μmである。0.5μm
未満では抗菌効果、色彩効果が弱くなり、50μmを超
えると効果は飽和しコストアップとなる。
【0010】上記フッ素樹脂に加えてアルミウム粉を配
合することにより、さらに食品非粘着性を高めることが
できる。これは、高温焼き付け乾燥時にアルミニウム粉
も浮上するのであるが、この浮上するアルミニウム粉が
フッ素樹脂の浮上を助長するためである。アルミニウム
粉の粒径は5〜250μm、好ましくは10〜50μm
である。アルミニウム粉は、樹脂分100重量部に対し
て1〜50重量部配合する。1重量部未満では効果が認
められず、50重量部を超えると塗装性を悪くする。
【0011】抗菌性塗膜の下塗りとして、ポリエーテル
サルフォン樹脂又はポリアミド樹脂を主成分とする塗料
を塗布して塗膜層を形成することにより密着性を向上さ
せることができる。すなわち、金属板1の表面に直接、
抗菌性塗膜2を塗装焼き付けするのに代えて、図4に示
すように、金属板1の表面に下塗塗膜層3を形成し、こ
の下塗塗膜層3の上に抗菌性塗膜2を塗装焼き付けして
もよい。その場合、下塗塗膜層3には、上述したように
ポリエーテルサルフォン樹脂又はポリアミド樹脂を主成
分とする塗料を用いるが、防錆が必要な場合には、下塗
塗膜層3に防錆顔料ストロンチウムクロメートを樹脂分
100重量部に対して5〜60重量部配合する。ストロ
ンチウムクロメートは使用温度300℃でも変質しな
い。焼き付け乾燥温度は、加工性・耐候性を高めるため
に240〜300℃とする。下塗塗膜層3の膜厚は0.5
〜20μmとする。0.5μm未満では色彩効果が弱くな
り、20μmを超えるとコストアップとなる。下塗塗膜
層3を形成したときの抗菌性塗膜2の厚さは0.5〜30
μmとする。各塗膜とも、着色が必要な場合は、高温使
用でも変質しない複合酸化顔料(焼成顔料)、具体的に
はTiO2 −BaO−NiO系、Cu−Fe2 3 −M
22 系等の顔料を使用する。
【0012】上記組成物からなる抗菌剤からは赤外線領
域の電磁波を放射させ、一般細菌類を形成する菌体中の
水分やその繁殖に必須の環境水分の水分子を共振かつ励
起せしめるため、菌体の生理機能を阻害し、また菌の繁
殖を抑制できる。樹脂塗料の固形分100重量部に対し
て抗菌剤が0.05重量部未満では抗菌効果が弱く、50
重量部を超えると、使用時における抗菌作用の向上にあ
まり寄与しないことからそれ以上配合しても無駄である
ばかりか、塗膜の加工性を低下させる。より好ましくは
0.5〜3重量部である。上記抗菌剤は、無機系の成分を
焼成してなるから、金属板に塗装して420℃の高温焼
き付けをしても変質するようなことがない。
【0013】抗菌剤の平均粒径を1μm以下としたこと
により表面面積率が高められるので、赤外線領域の電磁
波の放射効率を高めることができる。炭化ケイ素又は酸
化ケイ素は、近赤外線から遠赤外線領域にわたって略均
等に電磁波を放射させ、水分子を共振及び励起せしめて
菌の繁殖を抑制する。炭化ケイ素又は酸化ケイ素は、3
0〜80重量%の配合割合にすれば、有効である。
【0014】酸化アルミニウムは、遠赤外線領域の電磁
波を放射させることができて菌の繁殖を抑制する。ま
た、イオン化傾向の相違により後述の組成物たる銀、銅
の還元を起こさせる作用をする。ただし、酸化アルミニ
ウムは、10重量%未満ではその効果が弱く、40重量
%を超えるとその効果は飽和する。
【0015】酸化チタンは、外部光エネルギー、特に紫
外線領域の電磁波により共振かつ励起され、強い酸化力
を創出し、一般細菌類を確実に広範囲に殺菌する。ただ
し、0重量%未満では殺菌性が著しく低下し、30重量
%を超えて配合しても顕著な殺菌効果は得られない。
【0016】銀又は銅は抗菌作用であるオリゴダイナミ
ック作用を継続して発揮させることができる。銀又は銅
は焼成により物理的に銀分子又は銅分子として混合物に
付着しており、銀イオン又は銅イオンの溶出はないから
である。ただし、銀又は銅はその効果を有効に発揮させ
るために0.1重量部以上が好ましいが、1重量部を超え
ると、有機化合物を変質させるおそれがでる。
【0017】抗菌剤は、700〜900℃に焼成して平
均粒径1μm以下に製造する。これにより、従来実用さ
れている平均粒径10μm以上の抗菌剤に比べて表面面
積率がはるかに大きくなり、抗菌剤成分から赤外線領域
の電磁波の高効率の放射が可能になる。抗菌剤の各組成
物の平均粒径は0.01〜0.3μm程度とする。
【0018】前述したように金属板1の表面に下塗塗膜
層3を形成し、この上に抗菌性塗膜2を塗装焼き付ける
こと、また金属板1の表面に下塗塗膜層、更に中塗塗膜
層を形成し、この中塗塗膜層の上に抗菌性塗膜2を塗装
焼き付けることは任意である。そのうち下塗塗膜層ある
いは中塗塗膜層に、又は下塗塗膜層と中塗塗膜層間に、
又は下塗塗膜層と抗菌性塗膜間に、又は中塗塗膜と抗菌
性塗膜間に印刷層を形成することは任意である。また、
下塗塗膜層、中塗塗膜層又は抗菌性塗膜2を着色層にす
ること或いはクリヤー層にすることも任意である。金属
板1の片面のみならず、両面にそれぞれ上記抗菌性塗膜
2を焼き付け乾燥することもできる。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〜12〕Zn−55%Al合金メッキ鋼板を
クロメート処理し、次いで下記の抗菌剤及び樹脂塗料を
図2に示す図表中のような抗菌剤の添加量、焼き付け温
度で塗装焼き付け乾燥した。その乾燥塗膜厚は15μm
である。 (1) 抗菌剤 (i) 抗菌剤A 炭化ケイ素50重量%、酸化アルミニウム30重量%、
酸化チタン19.99重量%、銀0.01重量%割合の組成
で、平均粒径0.9μmに焼成した焼成体を用いた。 (ii) 抗菌剤B 酸化ケイ素70重量%、酸化アルミニウム15重量%、
酸化チタン14.9重量%、銀0.1重量%割合の組成で、
平均粒径0.6μmに焼成した焼成体を用いた。 (2) 樹脂塗料(重量%) (i) ポリエーテルサルフォン樹脂系塗料の組成 PES樹脂16.6%、溶剤67.8%、着色顔料の酸化チ
タン11.5 %、無機系顔料の黒1.7%と黄1.6%、弁柄
0.3%、シリカ系つや消し剤0.5% (ii) PES+PTFE樹脂系塗料の組成 PES+PTFE(PES:PTFE=100:12
0)樹脂28.9%、溶剤66.0%、着色顔料の無機系顔
料の黒3.7%と青0.3%、弁柄0.1%、シリカ系つや消
し剤1.0% (iii) PES+PTFE+Alパウダー樹脂系塗料の
組成 PES+PTFE(PES:PTFE=100:12
0)樹脂27%、溶剤66.9%、着色顔料の酸化チタン
0.6%、チタンイエロー0.3%、無機系顔料の黒3.4
%、アルミニウム粉1.3%、シリカ系つや消し剤0.5%
【0020】〔比較例1〜7〕図2の図表に示すよう
に、比較例1〜3では抗菌剤を無添加とし、比較例4・
5は銀含有ゼオライト系の抗菌剤を添加し、比較例6・
7はイミダゾール系の有機系抗菌剤を添加した以外は、
上記実施例の場合と同じように実施した。
【0021】以上のようにして作成した塗装鋼板につい
て抗菌性、耐熱性、非粘着性、加工性の各試験を下記の
要領で実施した。
【0022】(1) 抗菌性試験 真菌については黒カビ、青カビ、黒色酵母様菌のそれぞ
れについて、また細菌については大腸菌、黄色ブドウ球
菌、サルモネラ菌のそれぞれについて、抗菌性試験を実
施した。抗菌性試験方法は、それぞれの試験菌を標準寒
天培地にて35℃、24時間培養した供試菌を用い、そ
れぞれの供試菌数が106 〜107 個/mlとなるよう調
整して供試菌液となしたうえ、濾紙に供試菌液0.2ml滴
下し、各テストピースにその濾紙を静置し、48時間目
(細菌は44時間目)、144時間目にそれぞれの時間
毎の静置した濾紙を取り出し、9.8ml減菌水に入れ、そ
こから0.1mlを取り出して塗抹後培養し、培養後の生菌
数(個/ml)を調べた。 (2) 耐熱性試験 300℃で500時間加熱後、JISG3312の碁盤
目試験方法に準じて実施し、セロハンテープで剥離し、
剥離残数を見た。また、加熱後の外観については、ふく
れ、割れ、剥離の有無を調べた。 (3) 非粘着性試験 牛乳、汚染物(卵:醤油:砂糖=1:1:1)をそれぞ
れ200℃の条件下で1時間加熱し、30分間冷却後、
ガーゼにて汚れを落とし、外観の状況を見た。 (4) 加工性試験 JISG3312K 曲げ試験方法に準じて試験片を18
0度折り曲げ、曲げ加工をセロハンテープで剥離し、塗
膜の剥離状態を見た。
【0023】試験結果 (1) 抗菌性試験 抗菌性試験の結果は図3に示す通りである。ただし、図
表中、◎印は生菌数が103 個/ml以下、○印は生菌数
が104 〜105 個/ml、△印は生菌数が105 〜10
6 個/ml、×印は生菌数が106 個/ml以上とする。こ
の図表からも明らかなように、イミダゾール系の有機系
抗菌剤を添加した比較例6・7の場合は、カビには抗菌
効果があっても細菌には抗菌効果が低いし、また銀含有
ゼオライト系の抗菌剤を添加した比較例4・5では10
6 〜104 個/ml程度までにしか菌数の低下が見られな
いが、実施例1〜12では、黒カビ、黒色酵母様菌、細
菌共に、時間の経過に伴い銀含有ゼオライト系抗菌剤以
上の菌数の減少効果があり、青カビに対しても銀含有ゼ
オライト系抗菌剤と同程度の効果があることがわかる。 (2) 耐熱性試験 表1に試験結果を示す。この表1から分かるように、耐
熱性試験結果は従来の抗菌剤無しの塗装金属板と何ら変
わるところがなく、耐熱性を確保できた。
【0024】
【表1】
【0025】(3) 非粘着性試験 表2に試験結果を示す。この表2から分かるように、非
粘着性試験結果も従来の抗菌剤無しの塗装金属板と何ら
変わるところがなく、非粘着性を確保できた。
【0026】
【表2】
【0027】(4) 加工性試験 加工性試験の結果は、従来の抗菌剤無しの塗装金属板と
何ら変わるところがなく、加工性を確保できた。 実施例 PES 系樹脂 (曲げ加工部0T) 剥離なし PES+PTFE (曲げ加工部0T) 剥離なし PES+PTFE + Al ハ゜ウタ゛- (曲げ加工部0T) 剥離なし
【0028】
【発明の効果】本発明の抗菌性耐熱塗装金属板は、その
表面にポリエーテルサルフォン樹脂を主成分とする塗料
を塗装焼き付け乾燥してなる塗膜が形成されているか
ら、耐熱性を有する。同時に、前記塗料中に所定量の無
機系の抗菌剤が配合されていることにより、その抗菌剤
から遠赤外線の電磁波を放射させ、一般細菌類を形成す
る菌体中の水分やその繁殖に必須の環境水分の水分子を
共振かつ励起させるため、菌体の生理機能を阻害し、ま
た菌の繁殖を効果的に抑制できる。また、抗菌剤の平均
粒径を1μm以下にして表面面積率を高めてあるので、
それだけ赤外線領域の電磁波の放射効率を高めることが
できて菌の繁殖をより効果的に抑制できる。抗菌剤は無
機系成分を焼成したものであるから、これを配合した前
記塗膜を金属板に塗装して高温焼き付けをしても変質す
るようなことがなく、加工性、耐候性を向上できる。特
に、酸化チタンを用いているので、殺菌力を高めること
ができる。更に、銀又は銅の抗菌作用であるオリゴダイ
ナミック作用を継続して発揮させることができる点で優
れている。
【0029】前記塗膜に四フッ化系のフッ素樹脂を配合
した本発明の他の抗菌性耐熱塗装金属板によれば、塗膜
の高温焼き付け乾燥時に食品非粘着性のあるフッ素樹脂
が塗膜の表面に浮上して潤滑層が形成されるので、上述
した抗菌性に加えて食品非粘着性を表面の塗膜に付与す
ることができる。
【0030】さらに、前記フッ素樹脂に加えてアルミニ
ウム粉を配合した抗菌性耐熱塗装金属板によれば、塗膜
の高温焼き付け乾燥時にアルミニウム粉が塗膜の表面側
に浮上することによりフッ素樹脂の浮上も助長されるの
で、塗膜の表面側に存在するフッ素樹脂の量を相対的に
高めることができる。従って、金属板表面の抗菌性塗膜
の食品非粘着性がさらに高められることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す抗菌性耐熱塗装金属板の断面図
である。
【図2】実施例1〜12および比較例1〜7を示す図表
である。
【図3】抗菌性試験の結果を示す図表である。
【図4】他の実施例を示す抗菌性耐熱塗装金属板の断面
図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 抗菌性塗膜 3 下塗塗膜層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に、ポリエーテルサルフォ
    ン樹脂を主成分とする塗料の固形分100重量部に対し
    て粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部配合された塗膜が
    塗装された後、240〜350℃の板温で焼き付け乾燥
    された塗装金属板であって、 前記抗菌剤が、平均粒径1μm以下であって、炭化ケイ
    素又は酸化ケイ素が30〜80重量部、酸化アルミニウ
    ムが10〜40重量部、酸化チタンが9〜30重量部、
    銀又は銅が1重量部以下の割合で焼成されたものである
    ことを特徴とする抗菌性耐熱塗装金属板。
  2. 【請求項2】 金属板の表面に、ポリエーテルサルフォ
    ン樹脂を一成分とする塗料の固形分100重量部に対し
    て粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部配合された塗膜が
    塗装された後、300〜450℃の板温で焼き付け乾燥
    された塗装金属板であって、 前記塗料が、ポリエーテルサルフォン樹脂100重量部
    に対して10〜150重量部の四フッ化系のフッ素樹脂
    を配合したものであり、 前記抗菌剤が、平均粒径1μm以下であって、炭化ケイ
    素又は酸化ケイ素が30〜80重量部、酸化アルミニウ
    ムが10〜40重量部、酸化チタンが9〜30重量部、
    銀又は銅が1重量部以下の割合で焼成されたものである
    ことを特徴とする抗菌性耐熱塗装金属板。
  3. 【請求項3】 金属板の表面に、ポリエーテルサルフォ
    ン樹脂を一成分とする塗料の固形分100重量部に対し
    て粉体の抗菌剤が0.05〜50重量部配合された塗膜が
    塗装された後、300〜450℃の板温で焼き付け乾燥
    された塗装金属板であって、 前記塗料が、ポリエーテルサルフォン樹脂100重量部
    に対して10〜100重量部の四フッ化系のフッ素樹脂
    を配合し、更にこれらの樹脂分100重量部に対してア
    ルミニウム粉を1〜50重量部配合したものであり、 前記抗菌剤が、平均粒径1μm以下であって、炭化ケイ
    素又は酸化ケイ素が30〜80重量部、酸化アルミニウ
    ムが10〜40重量部、酸化チタンが9〜30重量部、
    銀又は銅が1重量部以下の割合で焼成されたものである
    ことを特徴とする抗菌性耐熱塗装金属板。
  4. 【請求項4】 前記金属板の表面にポリエーテルサルフ
    ォン樹脂を主成分とする下塗塗膜層が形成されており、
    その下塗塗膜層の上に前記抗菌性塗膜が塗装焼き付けさ
    れている請求項1又は2又は3記載の抗菌性耐熱塗装金
    属板。
  5. 【請求項5】 前記金属板の表面にポリアミド樹脂を主
    成分とする下塗塗膜層が形成されており、その下塗塗膜
    層の上に前記抗菌性塗膜が塗装焼き付けされている請求
    項1又は2又は3記載の抗菌性耐熱塗装金属板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009172843A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Jfe Steel Corp プレコート鋼板およびその製造方法
CN103554539A (zh) * 2013-10-11 2014-02-05 燕山大学 耐高温、透微波的氢氧化铝/聚醚砜复合材料的制备方法

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