JPH10112064A - 光記録媒体及び光記録再生方法 - Google Patents

光記録媒体及び光記録再生方法

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Publication number
JPH10112064A
JPH10112064A JP8262659A JP26265996A JPH10112064A JP H10112064 A JPH10112064 A JP H10112064A JP 8262659 A JP8262659 A JP 8262659A JP 26265996 A JP26265996 A JP 26265996A JP H10112064 A JPH10112064 A JP H10112064A
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JP
Japan
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recording
light
wavelength
optical recording
absorption peak
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Application number
JP8262659A
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English (en)
Inventor
Akito Miyamoto
明人 宮本
Shinichi Takano
晋一 高野
Mutsuaki Murakami
睦明 村上
Tomiji Hosaka
富治 保阪
Yoshihiro Tozaki
善博 戸崎
Toshiaki Kunieda
敏明 国枝
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱、対光性に優れ、高信頼性の光記録媒体
と光記録再生方法を実現することを目的とし、特に、6
80nm以下のレーザー光に対して最適な吸収特性を有
し、好適に記録、再生が可能な構成を提供することを目
的とする。 【解決手段】 本発明の光記録媒体は、光の吸収スペク
トルが最大吸収ピークとその最大吸収ピークよりも小さ
い少なくとも1つのサブ吸収ピークとを含む複数の吸収
ピークを有する記録層2に記録光が照射されて反射率変
化を生じ情報を記録するものであって、記録層の所定の
サブ吸収ピークに対応した波長と記録光の波長とが実質
的に等しい構成を有したものであり、また、本発明の光
記録再生方法は、このような光記録媒体の記録層2の所
定のサブ吸収ピークに対応した波長の記録光で情報を記
録し、そのように記録された情報を再生するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体及び光
記録再生方法に関し、特に、波長が、450〜680n
mのレーザー光により、情報を記録、再生するに好適な
光記録媒体及び光記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光線により情報を再生する光記
録媒体は、再生専用光ディスク(以下CD、CD−RO
Mと称する。)と呼ばれ、音楽再生用やコンピュター用
に、現在、広く普及している。
【0003】この光記録媒体は、厚さ1.2mmの透明
基板の片側に凹凸のピット列を設けて情報を記録し、そ
の上からアルミ、金等の反射膜を、スパッタ法や蒸着法
により設け、さらにその上に保護膜をコートした構成を
有することが一般的である。
【0004】そして、この光記録媒体は、波長780n
mの半導体レーザー光が、透明基板を介して入射されて
反射膜で反射される際の、予め記録された情報ピットの
凹凸に対応したその反射率の変化を読みとり、予め記録
された情報を再生するものである。
【0005】しかしながら、CD、CD−ROMの場合
には、再生専用メディアであり、編集機能を持たない。
【0006】そこで、記録可能な光記録媒体として、一
度だけ記録可能な追記憶型光ディスク(以下、CD−R
と称する。)、書き換え可能型光ディスク(以下、相変
化型と称する。)等が開発、実用化されており、このよ
うな記録可能な光ディスクは、再生機能において、C
D、CD−ROMとの互換性を有する。
【0007】以上の光記録媒体では、Te等のカルコゲ
ナイト系化合物、希土類金属化合物、ポルフィリン系、
シアニン系、ナフタロシアニン系等の有機化合物を、記
録層に適用したものが実用化されている。
【0008】近年、特にCD−Rについては、価格、無
公害性の観点から、色素等の有機化合物を記録層に使用
するものが主流となりつつあり、この構成においては、
相対的に大出力のレーザー光を情報信号に対応させて入
射するもので、記録層の有機化合物に入射されたレーザ
光が吸収されて熱に変換され、記録層の化学的変化や幾
何学的形状変化を引き起こし情報を追記するものであ
る。
【0009】さらに、このようにして記録された情報
を、一定値以下の相対的に低出力のレーザー光を照射し
て、反射率の変化、具体的には反射光量の変化として認
識し、記録情報の再生を行なうことになる。
【0010】このような記録層に用いられる有機化合物
としては、例えば、ポルフィリン化合物については、特
開平1−145188号公報等、特にテトラアザポルフ
ィリン化合物については、特開平3−13382号、特
開平3−13384号、特開平7−276804号公報
等に開示があり、さらに、フタロシアニン化合物につい
ては、特開平2−276676公報等、ナフタロシアニ
ン化合物については、特公平4−20945号公報等に
開示がなされている。
【0011】また、ナフトキノン色素との組合わせでポ
ルフィリン化合物を用いたものとしては、特公平5−4
9471号公報、特公平5−49473号公報、特公平
5−51471号公報等に開示があり、この場合には、
ポルフィリン化合物は、記録剤としてではなく、記録剤
の主成分のナフトキノン色素の凝集防止剤として機能し
ている。
【0012】また、半金属やカルコゲナイド化合物との
組合せでフタロシアニン化合物を用いた例としては、特
開昭57−151397号公報等に開示があり、この場
合のフタロシアニン化合物は、相変化型の光記録媒体の
増感作用を有している。
【0013】ここで、記録時においてレーザ光の出力を
より低減して記録を可能にするためには、そのレーザー
波長において吸収係数の大きい有機化合物が望まれる。
【0014】とはいえ、吸収係数がいたずらに大きくて
も、記録時に有機化合物が予期しない化学的変化や物理
的変化を起こし、記録層が破壊されてしまうことにもな
る。
【0015】さらに、再生時において大きな信号出力を
得るためには、記録層を透過した光が反射層に無駄無く
到達して高い反射率を示すことが求められるため、この
点からは未記録部分の吸収係数が小さい有機化合物が望
まれる。
【0016】さらに、吸収係数が大きいと、再生時にお
いても記録層が破壊されてしまうことにもなる。
【0017】このように相反する吸収特性を満足するた
めには、色素等の有機化合物の吸収特性は、レーザー光
の波長に対して厳しく管理されなくてはならず、例えば
CD−Rに使用するに好適な消衰係数等の光学条件を呈
する特定色素を規定したり(例えば、特開平4−358
886号公報等)、記録媒体の記録層にフタロシアニン
系やナフタロシアニン系の有機化合物に組合わせる保護
膜の光学条件を規定する(例えば、特開平5−3099
47号公報等)等の提案がなされている。
【0018】一方では、次世代の高密度光記録媒体の開
発が、活発に進んでいる。この次世代高密度光記録媒体
の大きな特徴は、レーザー光の波長を630〜680n
mに短波長化し、トラックピッチの間隔、長さを短縮化
することで記録密度を向上させて、現行CD−ROMの
記憶容量650Mバイトに対し、5〜10倍の3〜10
Gバイトのデジタルデータの取扱いを可能とするもので
ある。
【0019】しかしながら、現在の規格では、この高密
度光記録媒体も再生専用であり、編集機能をもたない。
【0020】このため、編集機能を有する記録可能な高
密度追記憶型光ディスクについて、精力的に検討がなさ
れており、特に記録層においては、CD−R同様に有機
材料を使用することが望まれている。
【0021】具体的に開示されたものとしては、シアニ
ン化合物の光吸収特性を短波長に移動させた記録媒体
が、特開平6−199045号公報に開示され、さら
に、インドリンイミン染料を記録層に適用した記録媒体
が、特開平5−305771号公報、特開平4−252
272号公報等に開示されている。
【0022】また、繰返し再生による読み出し破壊の防
止と記録感度の向上の目的で、再生光波長より短波長の
光で情報の記録を行う構成が、特開平06−29546
9号公報に開示されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に、有機化合物は、そもそも耐熱や耐光性といった耐久
性に劣っていたり、所望の吸収特性等の光学特性が現実
のものとしては得られにくいことに起因して繰返し使用
時に破壊され易い傾向があるし、これらを記録層以外の
光記録媒体の構成や、さらに光記録再生機構側でカバー
しようとすると、構成は複雑なものとならざるを得な
い。
【0024】また、有機化合物とはいえ、場合によって
は有害性を呈することもある。例えば、以上説明したシ
アニン系色素は、一般的に耐熱性、耐光性に課題を有す
る化合物であるし、インドリンイミン染料等は、構造の
一部に有害なシアノ基を有してしまっている。
【0025】また、光記録媒体等の光学条件を規定した
場合には、その構成が複雑なものとなってしまう。
【0026】また、再生光波長より短波長の光で情報の
記録を行う構成を採らざるを得ないと、例えば光源を2
種類用意する必要があり、このような構成をあえて採用
しなくてもよい光記録媒体が望まれる。
【0027】さらに、以上説明したシアニン系色素やア
ゾ系色素は、最大吸収波長を短波長に有するが、非常に
鋭い吸収の立ち上がりを示し、使用するレーザー光の波
長のばらつきに対して記録、再生特性が非常に不安定な
ものとなりがちでもある。
【0028】本発明は、特に、耐熱、耐光性に優れ、安
定な記録再生特性を有する光記録媒体及び光記録再生方
法を実現すべく、波長範囲が好適には450〜680n
m等の半導体レーザーを用いて情報の記録再生を行なう
場合において、最適な吸収特性を見極め、その吸収特性
を呈する有機化合物を見いだすことにより、追記型で高
密度の情報の記録が可能な光記録媒体を実現し、併せて
このような光記録再生方法をも実現するものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光記録媒体は、光の吸収スペクトルが最大
吸収ピークとその最大吸収ピークよりも小さい少なくと
も1つのサブ吸収ピークとを含む複数の吸収ピークを有
する記録層に、記録光が照射されて反射率変化を生じて
情報を記録する光記録媒体であって、記録層の複数の吸
収ピークの内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長と
記録光の波長とが実質的に等しいものである。
【0030】また、本発明の光記録及び/または再生方
法は、このような光記録媒体の記録層の複数の吸収ピー
クの内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長を有する
記録光で情報を記録し及び/またはこの記録光の波長と
等しいかまたは異なった波長の再生光で記録された情報
を再生するものである。
【0031】以上の構成により、波長範囲が450〜6
80nm等の半導体レーザーを用いて情報の記録再生を
行なう場合において、最適な吸収特性を呈し、耐熱、耐
光性に優れ、安定な記録再生特性を有する光記録媒体及
び光記録再生方法を実現し、特に追記型高密度光記録媒
体を実現し、同時に追記型高密度光記録再生方法をも実
現するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、記録光
が照射されることにより反射率変化を生じて情報を記録
する記録層を有する光記録媒体であって、前記記録層の
光の吸収スペクトルが最大吸収ピークと前記最大吸収ピ
ークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピークとを
含む複数の吸収ピークを有し、前記記録層で反射率変化
を生じて情報を記録する記録光の波長と前記記録層の複
数の吸収ピークの内の所定のサブ吸収ピークに対応した
波長とが実質的に等しい光記録媒体である。
【0033】この構成により、繰り返し再生による読み
出し破壊がなく、耐光性、耐熱性に優れ、かつ記録部分
の吸光度と未記録部分の反射率のバランスに優れた追記
型光記録媒体を実現する。
【0034】ここで、請求項2記載のように、記録光の
波長に対応したサブ吸収ピークにおける波長に対する変
化率は、最大吸収ピークにおける波長に対する変化率よ
りも小さいものが好適である。
【0035】この構成により、記録光として用いられる
レーザー波長のばらつきに対しても一層安定な記録媒体
を実現する。
【0036】より具体的には、請求項3記載のように、
吸収スペクトルは、紫外・可視吸収スペクトルであり、
最大吸収ピークの吸光係数が、ε≧105cm-1であ
り、サブ吸収ピークの吸光係数が、105cm-1>ε≧
5×103cm-1であることが望ましく、請求項4記載
のように、紫外・可視吸収スペクトルが、240nmか
ら850nmの波長範囲で観測されることが望ましい。
【0037】さらに、請求項5記載のように、サブ吸収
ピークが、450nmから680nmの波長範囲に存在
し、請求項6記載のように、記録層が反射率変化を呈す
る波長範囲は、450nmから830nmの範囲を含む
ことが好適である。
【0038】このような構成により、高信頼、高信号出
力、高密度の追記型光記録媒体を実現する。
【0039】より具体的には、請求項7記載のように、
記録層が、以下の一般式(化4)で示されるテトラアザ
ポルフィリン化合物(以下、無金属テトラアザポルフィ
リン化合物と金属テトラアザポルフィリン化合物を総称
してテトラアザポルフィリン化合物と称する。)を含む
ことが好適である。
【0040】
【化4】
【0041】ここで、 R1〜R8は、同一でも異なって
いてもよいハロゲン、水素または1価の有機残基である
置換基を示し、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7
8が共同して飽和炭化水素で環を形成していてもよ
い。M1は、水素または金属元素であり、X1は、酸素、
ハロゲンまたは1価の有機残基である。
【0042】さらに詳細には、R1〜R8に用い得る1価
の有機残基としては、分岐していてもしていなくてもよ
いアルキル基、周辺が置換されていてもいなくてもよい
アリール基、アルコキシ、ヒドロキシ、アルキルオキ
シ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ニ
トロ基、アミノ基、アミノアルキル基、シアノ基、シア
ノアルキル基、周辺が置換されていてもいなくてもよい
3員環以上の複素環等が用い得る。
【0043】また、M1は水素または金属元素であり、
金属元素としては、Na、K、Rb、Cs、Be、S
r、Ba、Ca、Mg、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Mn、Cr、Al、Ga、Sn、Si、Ge、S
c、Ti、Pb、V、Pt、Pd、Od、Cd等が用い
得る。
【0044】また、X1の1価の有機残基としては、分
岐していてもしていなくてもよいアルキル基、周辺が置
換されていてもいなくてもよいアリール基、アルコキ
シ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ア
ルキルチオ、アリールチオ、ニトロ基、アミノ基、アミ
ノアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、周辺が置
換されていてもいなくてもよい3員環以上の複素環等が
用い得る。
【0045】そして、この化合物の合成は、リンステッ
ドらによって報告がなされている(J.Chem.So
c.,1952,4839)ように、マレイン酸ジニト
リルを原料として合成される。
【0046】ここで、マレイン酸ジニトリルは、まず、
無水マレイン酸を硫酸のもとで暗所、室温にてエステル
化してメチルマレイン酸塩を生成させ、ついで、これを
液体アンモニアとアンモニアガスを使用してマレイン酸
ジアミドとし、最後に、マレイン酸ジアミドを脱水して
得られる。
【0047】そして、例えば、こうして得られたマレイ
ン酸ジニトリルとマグネシュウム−n−プロポキシド
を、n−プロピルアルコール中で反応させ、マグネシュ
ウムテトラアザポルフィリンを得ることができるし、さ
らに、金属を除去することで無金属テトラアザポルフィ
リンも得ることが出来る。
【0048】このようにして得られるテトラアザポルフ
ィリンは、その240nmから850nmの波長範囲の
紫外・可視吸収スペクトルのサブ吸収ピークが追記型の
光記録に好適に用い得て、具体的には、サブ吸収ピーク
における波長に対する変化率は、最大吸収ピークにおけ
る波長に対する変化率よりも小さく、最大吸収ピークの
吸光係数が、ε≧105cm-1であるのに対し、サブ吸
収ピークの吸光係数が、105cm-1>ε≧5×103
-1であり、サブ吸収ピークが、450nmから680
nmの波長範囲である特性を有する。
【0049】一方、前述の特開平3−13382号公報
等に開示された共役系連結複素環を有するテトラアザポ
ルフィリンは、連結環部分が共役構造で連結されている
ため、共役パイ電子系が空間的に拡大しており、光最大
吸収波長が深色化されている。
【0050】よって、このような化合物は、光記録に用
いる波長域にサブ吸収ピークはなく、最大吸収ピークが
存在するのみに過ぎない。
【0051】そして、つけ加えれば、このようなテトラ
アザポルフリン化合物のうちでも、R1からR8は、吸収
スペクトルに影響を及ぼさないものとして炭素数8以下
のアルキル基を導入してもよい。
【0052】というのは、このようなアルキル基の導入
は、溶剤溶解性を向上に結びつくからである。
【0053】また、吸収スペクトルを多少調整する目的
でR1からR8へアミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ
基、水酸基などを導入することもできる。
【0054】また、記録感度特性を改善すべく昇華温度
を低下させるために、R1からR8へメトキシ基、エトキ
シ基、フェニル基などの立体障害を有する置換基を導入
することも可能である。
【0055】または、請求項8記載のように、記録層
が、以下の一般式(化5)で示されるフタロシアニン化
合物を含むことが好適である。
【0056】
【化5】
【0057】ここで、R9〜R16は、同一でも異なって
いてもよいハロゲン、水素または1価の有機残基である
置換基を示し、M2は、Ge、Si、Snから選択され
る金属元素であり、X2は、酸素、ハロゲンまたは1価
の有機残基である。
【0058】そして、R9〜R16の1価の有機残基とし
ては、分岐していてもしていなくてもよいアルキル基、
周辺が置換されていてもいなくてもよいアリール基、ア
ルコキシ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ基、アミノ
基、アミノアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、
周辺が置換されていてもいなくてもよい3員環以上の複
素環等であり、特に水素またはハロゲン元素が好まし
い。
【0059】また、M2の金属元素は、Si、Ge、S
n等から選ばれ、X2のハロゲンは、特に本発明へ適用
される吸収スペクトルの形状の点から種々の検討を行っ
た結果、特にハロゲン、さらに望ましくは塩素が好まし
い。
【0060】このフタロシアニン化合物も、その240
nmから850nmの波長範囲の紫外・可視吸収スペク
トルのサブ吸収ピークが追記型の光記録に好適に用い得
て、具体的には、サブ吸収ピークにおける波長に対する
変化率は、最大吸収ピークにおける波長に対する変化率
よりも小さく、最大吸収ピークの吸光係数が、ε≧10
5cm-1であるのに対し、サブ吸収ピークの吸光係数
が、105cm-1>ε≧5×103cm-1であり、サブ吸
収ピークが、450nmから680nmの波長範囲であ
る特性を有する。
【0061】一方、前述の特開平2−276676号公
報等に開示され一般的なフタロシアニン化合物は、光記
録に用いる波長域にサブ吸収ピークはなく、最大吸収ピ
ークが存在するのみに過ぎない。
【0062】また、請求項9記載のように、記録層が、
以下の一般式(化6)で示されるポルフィリン化合物
(以下、無金属ポルフィリン化合物とポルフィリン金属
錯体化合物を総称してポルフィリン化合物と称する。)
を含むものであってもよい。
【0063】
【化6】
【0064】ここで、R17〜R24は、同一でも異なって
いてもよいハロゲン、水素または1価の有機残基である
置換基を示し、R17とR18、R19とR20、R21とR22
23とR24は共同して共役構造で環を形成してもよく、
3は、水素もしくは金属元素であり、X3は、酸素、ハ
ロゲンまたは1価の有機残基であり、Z1〜Z4は、水
素、ハロゲンまたは1価の有機残基である。
【0065】また、R17〜R24の1価の有機残基として
は、分岐していてもしていなくてもよいアルキル基、周
辺が置換されていてもいなくてもよいアリール基、アル
コキシ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ基、アミノ
基、アミノアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、
周辺が置換されていてもいなくてもよい3員環以上の複
素環等が用いられ得る。
【0066】また、R17とR18、R19とR20、R21とR
22、R23とR24は、共同して共役構造で環を形成してい
てもよいが、これら共役構造の形状が芳香環のものは、
ベンゾポルフィリンとよばれて、450〜680nmに
小さいサブ吸収ピークを有する。
【0067】また、M3は、Na、K、Rb、Cs、B
e、Sr、Ba、Ca、Mg、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Mn、Cr、Al、Ga、Sn、Si、G
e、Sc、Ti、Pb、V、Pt、Pd、Od、Cd等
から選ばれ得る。
【0068】また、X3の1価の有機残基としては、分
岐していてもしていなくてもよいアルキル基、周辺が置
換されていてもいなくてもよいアリール基、アルコキ
シ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ア
ルキルチオ、アリールチオ、ニトロ基、アミノ基、アミ
ノアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、周辺が置
換されていてもいなくてもよい3員環以上の複素環等が
用いられ得る。
【0069】また、Z1〜Z4の1価の有機残基として
は、分岐していてもしていなくてもよいアルキル基、周
辺が置換されていてもいなくてもよいアリール基、アル
コキシ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ基、アミノ
基、アミノアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、
周辺が置換されていてもいなくてもよい3員環以上の複
素環等が用いられ得る。
【0070】このようなポルフィリン化合物は、アラン
・アドラーの報告した合成法によって得ることが可能で
あり(J.Org.Chem.32(2),476(1
967)、J.Inorg.Nucl.Chem.,3
2,2443(1970)、)、出発原料としてアルデ
ヒドとピロールを選択し、これらをプロピオン酸中で還
流温度で反応させて得ることができる。こうして得られ
た種々の無金属ポルフィリン化合物を金属化合物と組み
合わせてジメチルフォルムアミド中で反応して所望のポ
ルフィリン金属錯体化合物が得られる(J.Heter
ocycl.Chem.,12(6),1305,(1
975))。
【0071】さらにつけ加えれば、R17〜R24は、溶解
性向上のため炭素数8以下のアルキル基を導入すること
が好ましく、特に炭素数4以下が好適である。
【0072】また、吸収スペクトル特性の微調整の目的
のためにはR17からR24にアミノ基、ニトロ基、ハロゲ
ン、水酸基の導入が有効である。
【0073】また、R17とR18、R19とR20、R21とR
22、R23とR24とが、共同して共役構造で環を形成する
ことにより、サブ吸収ピークを大きく長波側に移動でき
る。
【0074】また、昇華温度を低下させ記録感度の向上
をはかるにはR17からR24には、メトキシ基、エトキシ
基、フェニル基等の立体障害を有する置換基の導入が好
ましい。
【0075】また同様に、Z1〜Z4は溶解性の向上に
は、炭素数8以下のアルキル基の導入、吸収スペクトル
特性の調整にはアミノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲ
ン、シアノ基の導入、熱特性の改善のためにはメトキシ
基、エトキシ基、フェニル基等の導入が好ましく、その
他、ピリジル基、メトキシフェニル基などの導入も立体
障害の助長に有効である。
【0076】これらポルフィリン化合物も、その240
nmから850nmの波長範囲の紫外・可視吸収スペク
トルのサブ吸収ピークが追記型の光記録に好適に用い得
て、具体的には、サブ吸収ピークにおける波長に対する
変化率は、最大吸収ピークにおける波長に対する変化率
よりも小さく、最大吸収ピークの吸光係数が、ε≧10
5cm-1であるのに対し、サブ吸収ピークの吸光係数
が、105cm-1>ε≧5×103cm-1であり、サブ吸
収ピークが、450nmから680nmの波長範囲であ
る特性を有する。
【0077】そして、以上の構成において、請求項10
記載のように、記録層の一方に透明基板が隣接して形成
され、前記記録層の他方に反射層が隣接して形成されて
いることが好適である。
【0078】この際、使用される基板材料は、使用光源
波長、例えば450〜680nm、より望ましくは45
0〜830nmの範囲で高い透過率を示すものであれば
使用可能であり、透過率は、高い反射出力の維持の目的
のため80%以上が望ましく、90%以上あればさらに
好ましい。
【0079】また、具体的な基板材料としては、ガラ
ス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、非晶質ポリオレフィン等が使用可能である。
【0080】また、基板形状としては、使用光源である
短波長半導体レーザーの光学系の焦点に対して、適正な
厚みと直径で規定される円盤状が好ましく、この基板の
片側には案内溝が設けられていることがより望ましく、
切削加工や射出成形で形成可能である。
【0081】また、請求項11記載のように、記録層
が、スピーンコート層、真空蒸着層またはスパッタ層で
あってよく、請求項12記載のように、反射層が、金属
層であってもよい。
【0082】この際、記録層は、基板片側面(案内溝が
設けてあればその面)に、スピンコート法や真空蒸着
法、スパッタ法等も用いられ得る。
【0083】ここで、スピンコート法では、有機色素を
溶剤に溶解し、透明基板を回転させつつ色素溶液を滴下
して記録層を形成すればよく、色素溶液は0.5〜5重
量%の色素濃度に調整されていることが望ましい。
【0084】この色素溶液を作成する溶媒は、色素を溶
解し透明基板に無害であれば使用可能であるが、溶媒と
してはメチルアルコール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、テトラフルオロアルコール、アセトンメチ
ルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、塩化メチル、ジクロロメタン、
クロロフォルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリク
ロロエタン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノール、2−イソプロポキシエタノール、アセトニト
リル、トリエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチル
フォルムアミドなどがあげられ、色素溶解性、作業性、
基板への影響、経済性を考慮して決定される。
【0085】さらに、有機溶媒に色素を溶解して色素溶
液を作成する際に、光安定剤、酸化防止剤が含まれてい
ても良く、光安定剤としては、一重項酸素クエンチャー
である金属錯体やジイモニュウム塩、ヒンダードアミン
化合物、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール化合
物、ベンゾフェノン化合物、酸化防止剤としては、一次
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、アミン系酸
化防止剤、そして2次の酸化防止剤としては、有機イオ
ウ系2次酸化防止剤、リン系2次酸化防止剤等があげら
れる。なお、これら光安定剤、酸化防止剤は、単独もし
くは複合して配合しても良く、添加量は、色素重量10
0部に対して添加剤を0.1〜200部程度が好まし
い。
【0086】また、色素溶液に結着剤として樹脂を添加
しても良く、ニトロセルロース、リン酸セルロース、硫
酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、ミリスチン酸セルロース、パルミ
チン酸セルロース、酢酸・プロピオン酸セルロース、酢
酸・酪酸セルロースなどのセルロースエステル類、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロー
ス、ブチルセルロースなどのセルロースエーテル類、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドンなどのビニル樹脂類、
スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロ
ニトリルコポリマー、スチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ
ーなどの共重合樹脂類、ポリメチルメタクリレート、ポ
リメチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリルニトリルなど
のアクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステル類、ポリ(4,4−イソプロピリデンジフ
ェニレン−コ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンカ
ーボネート)、ポリ(エチレンジオキシ−3,3−フェ
ニレンチオカーボネート)、ポリ(4,4−イソプロピ
リデンジフェニレンカーボネート−コ−テレフタレー
ト)、ポリ(4,4−イソプロピリデンジフェニレンカ
ーボネート)、ポリ(4,4−sec−ブチリデンジフ
ェニレンカーボネート)、ポリ(4,4−イソプロピリ
デンジフェニレンカーボネート−ブロック−オキシエチ
レン)などのポリアクリレート樹脂類、ポリアミド類、
エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、塩素化ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン類などを適宜用いることができ、これら樹脂類は、色
素重量100部に対し1〜1000部の範囲にわたって
添加することができる。
【0087】そして、スピンコート法によって記録層を
形成するには、回転数と回転時間で所望の膜厚に調整す
ればよく、塗布条件は、色素溶液粘度、色素濃度などを
考慮して決定する。
【0088】また、記録層は、50〜400nmの範囲
に設定されることが望ましいから、回転数1000〜5
000rpm程度で記録層の所望膜厚となるように、色
素溶液の濃度と粘度を調整する必要がある。
【0089】一方、蒸着やスパッタの方法で記録層を形
成する場合には、10-2Pa以下の真空度で蒸着される
ことが望ましい。
【0090】また、蒸着可能な光安定剤、酸化防止剤等
を同時に蒸着して記録層を形成することもでき、光安定
剤、酸化防止剤などは前述した光安定剤や酸化防止剤の
化合物から選択される。
【0091】また、蒸着は、記録層色素と添加剤とを所
定量混合して一つの熱源で蒸着しても、添加剤と色素を
別々の熱源で蒸着してもよい。
【0092】また、反射層は、使用光源波長に対して反
射率の高い材料を用いればよく、使用する材料は金属が
望ましく、アルミニュウム、銀、金、鉄、ニッケル、コ
バルト、錫、亜鉛、銅などが好ましく、これらを単独ま
たは合金として使用することができる。
【0093】そして、反射層は、スパッタ法などによ
り、10〜200nm程度の厚さに形成する。
【0094】また、請求項13記載のように、更に、反
射層の外方側に隣接して保護層が形成されていてもよ
く、請求項14記載のように、記録光は、レーザ光を用
いることが好ましい。
【0095】ここで、保護層は記録層または反射層に対
する傷や汚れの保護や保存安定性のために設けられ、無
機材料としては、SiOやSiO2などが使用でき、有
機材料では、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネー
ト、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、
ビニル樹脂、セルロース、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香
族系炭化水素樹脂系、天然ゴム、ワックス、アルキッド
樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融樹脂も用い
ることができる。
【0096】また、保護層には、必要に応じ、難燃剤、
安定剤、帯電防止剤などを添加することができる。
【0097】次に、本発明の光記録方法は、請求項15
記載のように、記録光が照射されることにより反射率変
化を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層の
光の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸収
ピークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピークと
を含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体を用意す
る工程と、前記光記録媒体の記録層の複数の吸収ピーク
の内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長を有する記
録光で情報を記録する記録工程とを備えた光記録方法で
ある。
【0098】この構成により、繰り返し再生による読み
出し破壊がなく、耐光性、耐熱性に優れ、かつ高密度の
追記型光記録を実現する。
【0099】ここで、請求項16記載のように、記録光
が、レーザ光であることが好適である。
【0100】または、本発明の光再生方法は、請求項1
7記載のように、記録光が照射されることにより反射率
変化を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層
の光の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸
収ピークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピーク
とを含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体であっ
て、前記記録層の複数の吸収ピークの内の所定のサブ吸
収ピークに対応した第1の波長を有する記録光で情報が
記録された光記録媒体を用意する工程と、第2の波長の
再生光で前記記録工程で記録された情報を再生する再生
工程とを備えた光再生方法である。
【0101】この構成により、繰り返し再生による読み
出し破壊がなく、耐光性、耐熱性に優れ、かつ高密度の
追記型光記録された情報を再生する。
【0102】ここで、請求項18記載のように、記録光
の第1の波長と、再生光の第2の波長とが等しいもので
あってもよく、請求項19記載のように、記録光の第1
の波長と、再生光の第2の波長とが異なるものでもよ
い。
【0103】また、請求項20記載のように、記録光及
び/または再生光が、レーザ光であってもよい。
【0104】本発明の光記録再生方法は、請求項21記
載のように、記録光が照射されることにより反射率変化
を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層の光
の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸収ピ
ークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピークとを
含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体を用意する
工程と、前記光記録媒体の記録層の複数の吸収ピークの
内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長に対応した第
1の波長の記録光で情報を記録する記録工程と、第2の
波長の再生光で前記記録工程で記録された情報を再生す
る再生工程と、を備えた光記録再生方法である。
【0105】この構成により、繰り返し再生による読み
出し破壊がなく、耐光性、耐熱性に優れ、かつ高密度の
追記型光記録を実現するとともに、その記録情報を確実
に再生する。
【0106】ここで、請求項22記載のように、記録光
の第1の波長と、再生光の第2の波長とが等しい構成で
あってもよいし、請求項23記載のように、記録光の第
1の波長と、再生光の第2の波長とが異なる構成であっ
てもよい。
【0107】そして、請求項24記載のように、記録光
及び/または再生光が、レーザ光であることが好まし
い。
【0108】以下、各実施の形態により、本発明をより
詳細に説明するが、各実施の形態の記録用有機化合物
は、あくまでも前述した化学式(化4)〜(化6)の化
合物の例示であり、限定する趣旨のものではない。
【0109】(実施例の形態1)以下、本発明の実施の
形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0110】図1は、本実施形態の追記型光記録媒体の
断面構成を示す。1は基板、2は基板上に設けられた記
録層、3は記録層上に設けられた反射層、及び4は反射
層上に設けられた保護層である。
【0111】この基板1は、ポリカーボネート製の円盤
状の透明基板を用い、厚さ0.6mm、トラックピッチ
0.74μm、溝幅0.3μm、溝深さ76nmの形状
に射出成形したものである。
【0112】また、記録層2に用いる記録用有機化合物
は、前述の(化6)で示されるポルフィリン化合物の代
表例として用いた5,10,15,20−テトラフェニ
ルポルフィリンであり、以下の手順で合成したものであ
る。
【0113】まず、ベンズアルデヒド(関東化学株式会
社:鹿特級)15mlに、ピロール(東京化成製)10
mlをプロピオン酸(東京化成製:特級)500mlに
添加して1時間還流し反応させ、反応終了後、室温まで
冷却した後、ろ過して紫色の結晶を得た。
【0114】ついで、この結晶を、メタノールで1時間
撹拌洗浄した後、70℃以上に加熱したイオン交換水で
洗浄し、その後、空気中で120℃で3時間乾燥して、
4gの結晶を得た(収率約17%)。
【0115】そして、この結晶を昇華精製し、記録用化
合物である5,10,15,20−テトラフェニルポル
フィリンを得た。
【0116】ここで図2に、このようにして合成した
5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン
を、代表的に石英ガラス上に蒸着した場合の240〜8
50nmの波長範囲の紫外・可視透過スペクトルを示
す。
【0117】図2において、432nmに、吸光係数が
最大の最大吸収ピークが存在し、450〜680nmの
波長範囲に、吸光係数の小さいサブ吸収ピークが存在し
ていることがわかる。なお、450nm近辺のプロフィ
ールは、最大吸収ピークに近接してはいるが、より分解
度を高めた分析によりサブ吸収ピークを有することが確
認された。
【0118】そして、432nmの最大吸収ピークの形
状は、波長に対して非常に鋭い吸収の変化を示している
のに対し、450〜680nmに存在するサブ吸収ピー
クの立ち上がりは、より緩やかである。
【0119】よって、まず本実施の形態では、このよう
な緩やかな変化を示すサブ吸収ピークを記録再生に用い
ることにより、記録再生光の波長の変動等に対して許容
度の高い追記型光記録媒体を実現することができる。
【0120】ここで、吸光係数ε(λ)は、膜厚l(c
m)の所定層、例えば記録層に波長λの単色光を透過す
る場合、入射する単位面積当たりの光強度をI0(λ)
(W/cm2)、透過する単位面積当たりの光強度をI
(λ)(W/cm2)とすると、透過前後の光強度の関
係を示したランベルトの法則による以下の(数1)で表
現され、左辺は、吸光度に対応する。
【0121】
【数1】
【0122】なお、厳密に議論すると、この(数1)
は、多重干渉を無視できる希釈溶液で成立し、薄膜など
多重干渉が無視できない状態では成立しないが、各ピー
ク波長における吸光係数の大きい波長領域では、膜内で
入射光の急激な減衰が発生し、実質上(数1)に従うと
考えてよいため、本実施の形態では、(数1)を用いて
ピーク波長での吸光係数を計算したものである。
【0123】一方で、(数1)から吸光係数を得るに
は、左辺の吸光度及び右辺中の膜厚を測定することが必
要であるため、各々を求めた。
【0124】ここで、吸光度は、分光光度計(日立製作
所製:U−4000)を用いて、各ピーク波長に対応し
て測定した。
【0125】また、膜厚は、膜厚測定器(SLOAN社
製:DEKTAK3 ST)を用いて行った結果60n
mであった。
【0126】このようにして求めた吸光係数は、図2の
ピーク波長について、各々以下の通りであった。
【0127】即ち、最大吸収ピークは、432nm(ε
=5.7×105cm-1)であり、サブ吸収ピークは、
450nm(ε=4.0×105cm-1)、520nm
(ε=1.0×105cm-1)、550nm(ε=4.
5×104cm-1)、595nm(ε=2.7×104
-1)及び650nm(ε=1.5×104cm-1)の
4つであった。
【0128】さて、実際の記録媒体では、記録層2は、
透明基板1上に設ける必要があるため、合成した5,1
0,15,20−テトラフェニルポルフィリンを、ポリ
カーボーネート製の透明基板1上に、真空蒸着法にて、
厚さ125nmの蒸着膜として形成した。
【0129】ここで蒸着は、るつぼ内に5,10,1
5,20−テトラフェニルポルフィリンを設置して真空
度10-3Paに維持しながら加熱したもので、具体的に
は180℃で蒸着が開始し、蒸着速度は0.01nm/
sであった。
【0130】そして、記録層2の上部に金をスパッター
法でスパッターした反射層3を形成し、最後にUV硬化
樹脂の保護層4を形成し、追記型記録媒体を完成させ
た。
【0131】以上のように構成された追記型光記録媒体
について、650nmのサブ吸収ピークのプロフィール
の裾野にかかる波長635nmの半導体レーザー光によ
り記録速度1.5m/s、記録感度12mWで書き込み
を行い、その後同様の波長635nmの半導体レーザー
光により再生速度1.5m/s、0.5mWで読みとり
を行った。
【0132】この場合の未記録部分の反射率は、45
%、14T信号C/N出力は48dB、3TC/N出力
は32dBであり、充分に実用に供し得る結果となっ
た。
【0133】よって、本実施の形態では、サブ吸収ピー
クを記録再生に用いることにより、実際に光を用いた記
録と再生に充分使用可能な追記型光記録媒体を実現する
ことができた。
【0134】次に、本実施形態の追記型光記録媒体のサ
ブ吸収ピークを記録再生に利用することの利点である、
耐熱、耐光性について説明をする。
【0135】図3は、本実施形態の5,10,15,2
0−テトラフェニルポルフィリンの光暴露試験による紫
外・可視吸収スペクトルの変化を示した図である。
【0136】図3において、まず光暴露前の紫外・可視
吸収スペクトルを測定した結果を実線に示す。
【0137】ついで、この測定後に、キセノンフェード
メーターを用いて光暴露試験を行った。ここで、光暴露
の照射エネルギー量は、照射強度と照射時間の積として
2×108(J/cm2)であり、図3の点線に光暴露後
の紫外・可視吸収スペクトルを示す。
【0138】図3の両者のスペクトルを比較すると、ソ
ーレー帯と呼ばれる440nmの最大吸収ピ−クは光暴
露によって大きく変化しているが、450nmから68
0nmに存在するサブ吸収ピークの吸収は、光暴露によ
って実質的に変化していないことがわかる。
【0139】よって、本実施形態の5,10,15,2
0−テトラフェニルポルフィリンを用いた記録層を有す
る追記型光記録媒体は、光暴露により変化することが実
質ないサブ吸収ピークを有しており、このようなサブ吸
収ピークを記録再生に用いることにより耐熱、対光性の
高い追記型光記録媒体を実現することができたものであ
る。
【0140】なお、本実施の形態では、650nmのサ
ブ吸収ピークについて記録再生を行なったが、他のサブ
吸収ピークでも同様の記録再生が可能であった。
【0141】また、本実施の形態の光記録媒体の構成や
構成部材に用いた材料は例示であり、機能上満足し得る
他の構成や材料は等価に使用可能である。
【0142】なお、本実施の形態の光記録媒体の構成や
構成部材に用いた材料は例示であり、機能上満足し得る
他の構成や材料は等価に使用可能である。
【0143】また、記録時に用いた波長は、635nm
に限るものではなく、例えばサブ吸収ピークの存する波
長範囲、つまり450〜680nmの波長範囲に対応し
た波長等であれば使用可能である。
【0144】また、記録時に用いた波長と再生時に用い
た波長は同一のものに限る必要はなく、例えばサブ吸収
ピークの存する波長同士等であれば適宜組合せも可能で
ある。
【0145】また、サブ吸収ピークのピーク値から記録
再生が可能なように適当にずれた波長のみならず、一致
した波長であっても記録再生には使用可能である。 (実施の形態2〜8)記録層に用いる前述の(化6)で
示されるポルフィリン化合物の他の代表例として、5,
10,15,20−テトラフェニルポルフィン−亜鉛
(TPP−Zn)、5,10,15,20−テトラフェ
ニルポルフィン酸化−バナジウム(TPP−VO)、
5,10,15,20−テトラフェニルポルフィン−コ
バルト(TPP−Co)、5,10,15,20−テト
ラフェニルポルフィン−ニッケル(TPP−Ni)、
5,10,15,20−テトラフェニルポルフィン−銅
(TPP−Cu)、5,10,15,20−テトラピ
リジルポルフィリン(TPyP)、5,10,15,2
0−テトラキスメトキシフェニルポルフィン−コバルト
(TMPP−Co)を用いた実施の形態2〜8につい
て、各々実施の形態1と同様の評価を行なった。
【0146】以下の(表1)に、各実施形態のポルフィ
リン化合物を、石英ガラス上に蒸着した場合の膜厚を示
す。
【0147】
【表1】
【0148】次に、このように蒸着した各実施形態のポ
ルフィリン化合物の240〜850nmの波長範囲の紫
外・可視透過スペクトルを確認したところ、実施の形態
1とほぼ同様に、430〜440nmに、最大吸収ピー
クが存在し、450〜680nmの波長範囲に、サブ吸
収ピークが存在していることがわかった。
【0149】そして、各実施の形態でも、最大吸収ピー
クの形状は、波長に対して非常に鋭い吸収の変化を示し
ているのに対し、450〜680nmに存在するサブ吸
収ピークの立ち上がりは、緩やかであった。
【0150】以下の(表2)に、最大吸収ピークと代表
的なサブ吸収ピークの波長と吸光係数εを示す。
【0151】
【表2】
【0152】そして、各実施の形態のポルフィリン化合
物を、実施の形態1のように構成された追記型光記録媒
体に適用し、(表2)に各々示されるサブ吸収ピークに
対して実施の形態1と同様に記録再生を行なった。
【0153】以下の(表3)に、未記録部分の反射率、
14T信号C/N出力、3TC/N出力を示すが、結果
としては実施の形態1と遜色ないものであった。
【0154】
【表3】
【0155】さらに、各実施の形態のポルフィリン化合
物の光暴露試験による紫外・可視吸収スペクトルの変化
を実施の形態1と同様に測定したところ、最大吸収ピ−
クは光暴露によって大きく変化したが、450nmから
680nmに存在するサブ吸収ピークの吸収は、光暴露
によって実質的に変化していないことが確認された。
【0156】よって、各実施の形態でも、サブ吸収ピー
クを記録再生に用いることにより、実施の形態1と同様
に、実際に光を用いた記録と再生に充分使用可能な追記
型光記録媒体を実現することができた。
【0157】(実施の形態9)本実施の形態では、記録
層に用いる前述の(化5)で示されるフタロシアニン化
合物の代表例として、中心金属M2をSn、金属配位子
2を塩素、R9〜R16を水素とした塩化錫フタロシアニ
ンを用い、実施の形態1と同様の評価を行なったもので
ある。
【0158】この塩化錫フタロシアニンの合成は、ウイ
リアム・クロレンク等(J.Inorg.Chem.3
(2),P.251〜254,(1964))によった
ものである。
【0159】具体的には、特級フタロニトリル(東京化
成(株)製)25gと塩化第一錫(和光純薬(株)製)
11.2gとを、1−クロロナフタレン(東京化成
(株)製)500mlに投入して、還流温度256℃に
て3時間程還流撹拌し、室温まで空冷後、ガラスフィル
ターでろ過し、500mlのベンゼンで撹拌洗浄後、1
lのエタノールで撹拌洗浄を行い、塩化錫フタロシアニ
ンの粗結晶27gを得た(収率80%)後、このうちの
5gを昇華精製して得た約3gの塩化錫フタロシアニン
を使用した。
【0160】この塩化錫フタロシアニンを、石英ガラス
基板上に30nmの膜厚に蒸着して、240〜850n
mの波長範囲の紫外・可視吸収スペクトルを測定したと
ころ、図4に示すような吸収特性が得られた。
【0161】図4において、740nmで吸光係数ε=
6×105cm-1の最大吸収ピークが観測され、また4
50nmから680nmに存在するサブ吸収ピークとし
ては、波長670nmで吸光係数ε=105cm-1のサ
ブ吸収ピークが観測された。
【0162】そして、本実施の形態でも、最大吸収ピー
クの形状は、波長に対して非常に鋭い吸収の変化を示し
ているのに対し、450〜680nm間に存在するサブ
吸収ピークの立ち上がりは、緩やかである。
【0163】ついで、本実施の形態の塩化錫フタロシア
ニンを、実施の形態1のように構成された追記型光記録
媒体に適用し、波長670nmのサブ吸収ピークに対し
て実施の形態1と同様に記録再生を行なった。但し、基
板上に積層された記録層の膜厚は70nmとした。
【0164】そして、このよう構成された本実施の形態
の追記型光記録媒体の未記録部分の反射率、14T信号
C/N出力、3TC/N出力を実施の形態1と同様に測
定したところ、各々40%、57dB、41dBとな
り、結果としては実施の形態1と遜色ないものであっ
た。
【0165】さらに、本実施の形態の塩化錫フタロシア
ニンの光暴露試験による紫外・可視吸収スペクトルの変
化を実施の形態1と同様に測定したところ、最大吸収ピ
−クは光暴露によって大きく変化したが、サブ吸収ピー
クの吸収は、光暴露によって実質的に変化していないこ
とが確認された。
【0166】よって、各実施の形態でも、サブ吸収ピー
クを記録再生に用いることにより、実施の形態1と同様
に、実際に光を用いた記録と再生に充分使用可能な追記
型光記録媒体を実現することができた。
【0167】(実施の形態10)本実施の形態では、記
録用有機化合物として、塩化シリコンフタロシアニンを
用いたこと以外、実施の形態9と同様に評価を行なっ
た。
【0168】この塩化シリコンフタロシアニンを、実施
の形態9と同様に石英ガラス基板上に蒸着して、240
〜850nmの波長範囲の紫外・可視吸収スペクトルを
測定したところ、図5に示すような吸収特性が得られ、
740nmで最大吸収ピークが観測され、また450n
mから680nmに存在するサブ吸収ピークは、波長6
70nmで観測された。
【0169】そして、本実施の形態でも、最大吸収ピー
クの形状は、波長に対して非常に鋭い吸収の変化を示し
ているのに対し、450〜680nm間に存在するサブ
吸収ピークの立ち上がりは、緩やかであった。
【0170】ついで、本実施の形態の塩化シリコンフタ
ロシアニンを、実施の形態9と同様に追記型光記録媒体
に適用し、波長670nmのサブ吸収ピークに対して実
施の形態9と同様に記録再生を行なったところ、同様の
反射率等の特性を得た。
【0171】さらに、本実施の形態の塩化シリコンフタ
ロシアニンの光暴露試験による紫外・可視吸収スペクト
ルの変化を実施の形態9と同様に測定したところ、最大
吸収ピ−クは光暴露によって大きく変化したが、サブ吸
収ピークの吸収は、光暴露によって実質的に変化してい
ないことが確認された。
【0172】よって、各実施の形態でも、サブ吸収ピー
クを記録再生に用いることにより、実施の形態9と同様
に、実際に光を用いた記録と再生に充分使用可能な追記
型光記録媒体を実現することができる。
【0173】(実施の形態11)本実施の形態では、記
録層に用いる前述の(化4)で示されるテトラアザポリ
フィリン化合物の代表例として、無金属テトラシクロヘ
キサノテトラアザポルフィリンを用い、基本的に実施の
形態1と同様の評価を行なったものである。
【0174】ここで、無金属テトラシクロヘキサノテト
ラアザポルフィリンは、以下の合成法によった。
【0175】まず、3,4,5,6−テトラハイドロフ
タロニトリル2gとメチルマグネシュウムよう素3gと
を、100mlのイソアミールアルコールを用いて10
時間還流反応し、反応終了後、イソアミールアルコール
を減圧下で蒸発させて固形分を得た。
【0176】次に、この固形分を100mlの酢酸で洗
浄し、ろ過して熱水で洗浄した後、アセトンで数回洗浄
して、0.6gのマグネシュウムテトラシクロヘキサノ
テトラアザポルフィリンを得た。
【0177】その後、このマグネシュウムテトラシクロ
ヘキサノテトラアザポルフィリン1gを100mlの酢
酸に入れ、1時間加熱することで、0.3gの無金属テ
トラシクロヘキサノテトラアザポルフィリンを得たもの
である。
【0178】この無金属テトラシクロヘキサノテトラア
ザポルフィリンは、以下の(化7)に示す化学式を有す
るものである。
【0179】
【化7】
【0180】そして、このように得た無金属テトラシク
ロヘキサノテトラアザポルフィリンを、3mg/lの濃
度でクロロベンゼンに溶解し、1cm3の石英セルに入
れて240〜850nmの波長範囲の紫外・可視吸収ス
ペクトルを測定した。
【0181】図6は、本実施の形態でこのように測定さ
れた無金属テトラシクロヘキサノテトラアザポルフィリ
ンの吸収スペクトルを示し、図6によると、波長550
nmで吸光係数ε=6×104、波長630nmで吸光
係数ε=8×104の2つのサブ吸収ピークが観測され
た。
【0182】そして、本実施の形態でも、最大吸収ピー
クの形状は、波長に対して非常に鋭い吸収の変化を示し
ているのに対し、サブ吸収ピークの立ち上がりは、緩や
かであった。
【0183】ついで、本実施の形態の無金属テトラシク
ロヘキサノテトラアザポルフィリンを、実施の形態1と
同様に追記型光記録媒体に適用し、波長630nmのサ
ブ吸収ピークに対して実施の形態1と同様に記録再生を
行なったところ、同様の反射率等の特性を得た。
【0184】さらに、本実施の形態の無金属テトラシク
ロヘキサノテトラアザポルフィリンの光暴露試験による
紫外・可視吸収スペクトルの変化を実施の形態1と同様
に測定したところ、最大吸収ピ−クは光暴露によって大
きく変化したが、サブ吸収ピークの吸収は、光暴露によ
って実質的に変化していないことが確認された。
【0185】よって、各実施の形態でも、サブ吸収ピー
クを記録再生に用いることにより、実施の形態1と同様
に、実際に光を用いた記録と再生に充分使用可能な追記
型光記録媒体を実現することができる。
【0186】
【発明の効果】以上のように、本発明は、光記録媒体の
光記録層に用いられる記録用有機化合物の好適な物理的
特性として、好適には240nm〜850nmの波長範
囲の紫外・可視吸収スペクトルが、最大吸収ピークの他
に、好適には450〜680nmの可視域に少なくとも
1つ以上のサブ吸収ピークを有することを見いだすこと
によりなされたもので、繰り返し再生による読み出し破
壊を効果的に防止して、耐熱、耐光性の高い、高信頼性
で高密度に追記可能な記録媒体とそれに最適な光記録再
生方法を実際に実現するものである。
【0187】さらに、光記録媒体や光記録再生方法の構
成上、一般的な光ディスクに関する構成と基本的には同
一のもので足り、光記録媒体の製造工程や光ピックアッ
プ系等に変更を要さないきわめて簡便な構成をも併せて
実現し、きわめて高い市場性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の光記録媒体の構造図
【図2】本発明の実施の形態1の有機記録材料の吸収ス
ペクトル特性図
【図3】同光暴露試験の説明図
【図4】本発明の実施の形態2の有機記録材料の吸収ス
ペクトル特性図
【図5】本発明の実施の形態3の有機記録材料の吸収ス
ペクトル特性図
【図6】本発明の実施の形態4の有機記録材料の吸収ス
ペクトル特性図
【符号の説明】
1 透明基板 2 有機記録層 3 反射層 4 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保阪 富治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 戸崎 善博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 国枝 敏明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光が照射されることにより反射率変
    化を生じて情報を記録する記録層を有する光記録媒体で
    あって、前記記録層の光の吸収スペクトルが最大吸収ピ
    ークと前記最大吸収ピークよりも小さい少なくとも1つ
    のサブ吸収ピークとを含む複数の吸収ピークを有し、前
    記記録層で反射率変化を生じて情報を記録する記録光の
    波長と前記記録層の複数の吸収ピークの内の所定のサブ
    吸収ピークに対応した波長とが実質的に等しい光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 記録光の波長に対応したサブ吸収ピーク
    における波長に対する変化率は、最大吸収ピークにおけ
    る波長に対する変化率よりも小さい請求項1記載の光記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 吸収スペクトルは、紫外・可視吸収スペ
    クトルであり、最大吸収ピークの吸光係数が、ε≧10
    5cm-1であり、サブ吸収ピークの吸光係数が、105
    -1>ε≧5×103cm-1である請求項1または2記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 紫外・可視吸収スペクトルが、240n
    mから850nmの波長範囲で観測される請求項3記載
    の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 サブ吸収ピークが、450nmから68
    0nmの波長範囲に存在する請求項1から4のいずれか
    に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層が反射率変化を呈する波長範囲
    は、450nmから830nmの範囲を含む請求項1か
    ら5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 記録層が、以下の一般式(化1)で示さ
    れるテトラアザポルフィリン化合物を含む請求項1から
    6のいずれかに記載の光記録媒体。 【化1】 ここで、 R1〜R8は、同一でも異なっていてもよいハ
    ロゲン、水素または1価の有機残基である置換基を示
    し、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8が共同で
    飽和炭化水素によって環を形成していてもよく、M
    1は、水素または金属元素であり、X1は、酸素、ハロゲ
    ンまたは1価の有機残基である。
  8. 【請求項8】 記録層が、以下の一般式(化2)で示さ
    れるフタロシアニン化合物を含む請求項1から6のいず
    れかに記載の光記録媒体。 【化2】 ここで、R9〜R16は、同一でも異なっていてもよいハ
    ロゲン、水素または1価の有機残基である置換基を示
    し、M2は、Ge、Sn、Siから選択される金属元素
    であり、X2は、酸素、ハロゲンまたは1価の有機残基
    である。
  9. 【請求項9】 記録層が、以下の一般式(化3)で示さ
    れるポルフィリン化合物を含む請求項1から6のいずれ
    かに記載の光記録媒体。 【化3】 ここで、R17〜R24は、同一でも異なっていてもよいハ
    ロゲン、水素または1価の有機残基である置換基を示
    し、R17とR18、R19とR20、R21とR22、R23とR24
    は共同で共役構造により環を形成していてもよく、M3
    は、水素または金属元素であり、X3は、酸素、ハロゲ
    ンまたは1価の有機残基であり、Z1〜Z4は、水素、ハ
    ロゲンまたは1価の有機残基である。
  10. 【請求項10】 記録層の一方に透明基板が隣接して形
    成され、前記記録層の他方に反射層が隣接して形成され
    た請求項1から9のいずれかに記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 記録層が、スピンコート層、真空蒸着
    層またはスパッタ層である請求項1から請求項10のい
    ずれかに記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 反射層が、金属層である請求項11記
    載の光記録媒体。
  13. 【請求項13】 更に、反射層の外方側に隣接して保護
    層が形成された請求項10から請求項12のいずれかに
    記載の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 記録光が、レーザ光である請求項1か
    ら請求項13のいずれかに記載の光記録媒体。
  15. 【請求項15】 記録光が照射されることにより反射率
    変化を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層
    の光の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸
    収ピークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピーク
    とを含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体を用意
    する工程と、前記光記録媒体の記録層の複数の吸収ピー
    クの内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長を有する
    記録光で情報を記録する記録工程とを備えた光記録方
    法。
  16. 【請求項16】 記録光が、レーザ光である請求項15
    記載の光記録方法。
  17. 【請求項17】 記録光が照射されることにより反射率
    変化を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層
    の光の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸
    収ピークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピーク
    とを含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体であっ
    て、前記記録層の複数の吸収ピークの内の所定のサブ吸
    収ピークに対応した第1の波長を有する記録光で情報が
    記録された光記録媒体を用意する工程と、第2の波長の
    再生光で前記記録工程で記録された情報を再生する再生
    工程とを備えた光再生方法。
  18. 【請求項18】 記録光の第1の波長と、再生光の第2
    の波長とが等しい請求項17記載の光再生方法。
  19. 【請求項19】 記録光の第1の波長と、再生光の第2
    の波長とが異なる請求項17記載の光再生方法。
  20. 【請求項20】 記録光及び/または再生光が、レーザ
    光である請求項17から19のいずれかに記載の光再生
    方法。
  21. 【請求項21】 記録光が照射されることにより反射率
    変化を生じて情報を記録する記録層を有し、前記記録層
    の光の吸収スペクトルが、最大吸収ピークと前記最大吸
    収ピークよりも小さい少なくとも1つのサブ吸収ピーク
    とを含有した複数の吸収ピークを含む光記録媒体を用意
    する工程と、前記光記録媒体の記録層の複数の吸収ピー
    クの内の所定のサブ吸収ピークに対応した波長に対応し
    た第1の波長の記録光で情報を記録する記録工程と、第
    2の波長の再生光で前記記録工程で記録された情報を再
    生する再生工程と、を備えた光記録再生方法。
  22. 【請求項22】 記録光の第1の波長と、再生光の第2
    の波長とが等しい請求項21記載の光記録再生方法。
  23. 【請求項23】 記録光の第1の波長と、再生光の第2
    の波長とが異なる請求項21記載の光記録再生方法。
  24. 【請求項24】 記録光及び/または再生光が、レーザ
    光である請求項21から23のいずれかに記載の光記録
    再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007035222A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Toshiba Corp 情報記録媒体、再生方法及び記録方法

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JP2007035222A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Toshiba Corp 情報記録媒体、再生方法及び記録方法

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