JPH10111542A - ハロゲン化銀写真感光材料、x線画像形成用組み体、x線画像形成方法及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料、x線画像形成用組み体、x線画像形成方法及び処理方法

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JPH10111542A
JPH10111542A JP26711396A JP26711396A JPH10111542A JP H10111542 A JPH10111542 A JP H10111542A JP 26711396 A JP26711396 A JP 26711396A JP 26711396 A JP26711396 A JP 26711396A JP H10111542 A JPH10111542 A JP H10111542A
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halide photographic
silver
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Hitoshi Adachi
仁 安達
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超迅速で、かつ低補充処理においても高いカ
バリングパワーと優れた銀色調を有し、かつ耐傷性に優
れたハロゲン化銀写真感光材料、X線画像形成用組み
体、X線画像形成方法及びその処理方法の提供 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
写真感光材料において、該親水性コロイド層が片面当た
り0.4g/m2以下の疎水性ポリマーラテックスを含
有し、かつ処理後に青色染料を与えることのできるロイ
コ化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、それを用いるX線画像形成用組み体、X線画像
形成方法、及び処理方法に関し、詳しくは低補充で超迅
速処理を行っても高いカバリングパワーと優れた銀画像
の色調を有し、かつ耐圧性に優れたハロゲン化銀写真感
光材料、それを用いるX線画像形成用組み体、X線画像
形成方法及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、ハロゲン化銀写真感光材料の消
費量は、増加の一途をたどっており、従って現像処理枚
数も増加して、より一層の現像処理の迅速化、即ち単位
時間内での処理量の増加が要求されている。
【0003】例えば医療用途のX線感光材料にあって
は、診断回数の急増や検査項目の増加によりX線写真撮
影枚数が増加していることに加えて、診断結果を早急に
受診者に知らせる必要があり、更なる迅速処理化が望ま
れている。特に血管造影撮影、又は術中撮影等では撮影
後すぐに写真を見る必要がある。
【0004】このような迅速処理化に対応するために
は、親水性バインダー(主としてゼラチン)の塗布量を
低減することが有効であるが、高速搬送時のローラーと
の摩擦などによりスリ傷が発生しやすくなる。
【0005】そこでハロゲン化銀写真感光材料の耐傷性
を改良するためには従来から、乳剤層や保護層に疎水性
ラテックスを含有させることが知られている。
【0006】しかしながら、疎水性ラテックスを多量に
添加するとカバリングパワーが低下し、添加量を減量し
ていくと、前記耐傷性が低下する外に銀画像の色調が悪
くなるという問題があった。
【0007】ところで処理時間の短縮のためには、沃臭
化銀乳剤より溶解度の高い塩臭化銀または塩化銀乳剤の
使用、ハロゲン化銀粒子の微粒子化と平板状化が有利で
あると考えられている。
【0008】また、処理廃液量を低減するためには、現
像性を向上させる必要があることから、少ない銀量で高
いカバリングパワーが得られるハロゲン化銀粒子が望ま
しく、感度,粒状性,シャープネス,色増感効率などの
点から平板状粒子が適している事が知られている。
【0009】しかしながら、ハロゲン化銀粒子の粒子サ
イズや粒子厚みが減少すると、現像処理によって形成さ
れる現像銀は、青色光成分の光を散乱し、黄色味の光を
多く反射してくるため、銀画像が黄色味を帯びる結果と
なる。このような現象は、ハロゲン化銀乳剤として微粒
子乳剤(例えば、平均粒子サイズ0.4μm以下)や粒
子厚みの薄い平板状粒子(例えば、粒子厚み0.4μm
以下)を用いたときに生じやすく、特に、沃化銀の含有
率を低減したとき、または塩化銀の含有率を高めたとき
に黄色味を帯び易くなることが知られている。
【0010】従来より画像銀の色調を改良する技術とし
ては、感光材料および現像処理液サイドから多くの検討
結果が報告されており、例えば代表的色調剤としては特
定のメルカプト化合物がよく知られている。さらに最近
では例えば特開平5−165147号公報に記載されて
いるような水不溶性高沸点有機溶媒に特定の色素を溶解
し、さらにこれを水溶媒中で微少サイズに分散したもの
を感光材料に含有させる技術が提案されたが、未露光時
の保存条件によっては感度が変動するという問題があっ
た。特に医療用X線用感光材料に於いては露光時に感光
材料に接触させる増感紙に汚れがつくという問題があっ
た。また当該技術では未露光部にも露光部と同量の染料
が含まれるためカブリ濃度が上昇するという欠点も合わ
せ持っていた。この欠点を解消するために特開平3−1
57645号公報には銀画像の形成とともに現像に対応
した染料画像が銀イオンの働きにより拡散性染料を放出
する耐拡散性化合物により形成される技術が提案されて
いるが画像銀の黒色度改良の効果およびカブリの低減の
効果は不十分であった。
【0011】そこで特開平3−153234号公報には
銀画像に対応した青色画像を与えるロイコ染料を用いる
技術が提案された。該ロイコ染料を用いる技術により、
X線画像の現像液による汚染やステインの発生が抑制さ
れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
イコ染料から形成される青色染料は多分に長波長域の色
調を有して緑色味を帯びているため、X線画像銀の黒色
度を改良する効果が不十分であった。また処理済みの感
光材料の未露光部に残存するロイコ染料が経時で発色し
やすく、カブリ上昇の原因になる欠点も有していた。
【0013】本発明は前記実情に鑑みて提案されたもの
であり、その目的とするところは超迅速、低補充処理に
おいても高いカバリングパワーと優れた銀色調を有し、
かつ耐傷性に優れたハロゲン化銀写真感光材料、それを
用いるX線画像形成用組み体、X線画像形成方法及びそ
の処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は以
下の構成により達成される。
【0015】1.支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化
銀写真感光材料において、該親水性コロイド層が片面当
たり0.4g/m2以下の疎水性ポリマーラテックスを
含有し、かつ処理後に青色染料を与えることのできるロ
イコ化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写
真感光材料。
【0016】2.支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化
銀写真感光材料において、該親水性コロイド層が疎水性
ポリマーラテックスを含有し、かつ分子量40,000
以下の水溶性ポリマー及び処理後に青色染料を与えるこ
とのできるロイコ化合物を含有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料。
【0017】3.前記ロイコ化合物が下記一般式(1)
で表わされる化合物であることを特徴とする前記1又は
2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】
【化3】
【0019】〔式中、Wは−NR1(R2)、−OH又は
−OZを表す。R1及びR2は各々、アルキル基又はアリ
ール基を表し、Zはアルカリ金属イオン又は第4級アン
モニウムイオンを表す。R3は水素原子、ハロゲン原子
又は1価の置換基を表し、nは1〜3の整数を表す。
X、Z1及びZ2は、Z1、Z2に隣接する炭素原子と共に
5〜6員の芳香族炭素環又は芳香族複素環を形成するに
必要な原子群を表す。R4は水素原子、アシル基、スル
ホニル基、カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル
基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボ
ニル基を表す。CPは以下の基を表す。
【0020】
【化4】
【0021】式中、R5、R6、R7及びR8は各々、水素
原子、ハロゲン原子又はベンゼン環に置換可能な置換基
を表す。又、R5とR6及びR7とR8は、互いに結合して
5〜7員の環を形成してもよい。R9及びR12はR4と同
義である。R10及びR11は各々、アルキル基、アリール
基又は複素環基を表す。R13、R14及びR15は、それぞ
れR10、R11及びR12と同義である。R16はアルキル
基、アリール基、スルホニル基、トリフルオロメチル
基、カルボキシル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はシアノ基を
表す。R17はR4と同義であり、R18はR3と同義であ
り、mは1〜3の整数を表す。R19及びR20は各々、ア
ルキル基又はアリール基を表す。R21及びR24はR4
同義であり、R22及びR23は、それぞれR19及びR20
同義である。Yは二つの窒素原子と共に5もしくは6員
の単環又は縮合環の含窒素複素環を形成するに必要な原
子群を表す。*は一般式(1)におけるCPとその他の
部分構造との結合点を示す。〕 4.前記一般式(1)で表される化合物を銀1モル当た
り1×10-6〜5×10-1モル含有することを特徴とす
る前記1〜3の何れか1に記載のハロゲン化銀写真感光
材料。
【0022】5.前記疎水性ポリマーラテックスが無機
微粒子を複合してなる複合ラテックスであることを特徴
とする前記1〜4の何れか1に記載のハロゲン化銀写真
感光材料。
【0023】6.前記ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハ
ロゲン化銀粒子が、2つの平行な(100)面からなる
主平面を有する平板状であり、塩化銀含有率が20モル
%以上であることを特徴とする前記1〜5の何れか1に
記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0024】7.前記親水性コロイド層中の親水性バイ
ンダーの量が片面当たり1.0〜3.0g/m2である
ことを特徴とする前記1〜6の何れか1に記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0025】8.片面当たりの銀付量が1.0〜2.0
g/m2であることを特徴とする前記1〜7の何れか1
に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0026】9.支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を
有する前記1〜8の何れか1に記載のハロゲン化銀写真
感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成ることを特徴
とするX線画像形成用組み体。
【0027】10.支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層
を有する前記1〜8の何れか1に記載のハロゲン化銀写
真感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成る組み体に
X線を照射して像露光を行うことを特徴とするX線画像
形成方法。
【0028】11.前記蛍光増感紙がX線エネルギーが
80kVpのX線に対して45%以上の吸収量を示し、
該蛍光増感紙の蛍光体層の厚みが135〜200μmで
あり、かつ該蛍光体層中の蛍光体の充填量が68%以上
であることを特徴とする前記10に記載のX線画像形成
方法。
【0029】12.支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層
を有する前記1〜8の何れか1に記載のハロゲン化銀写
真感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成る組み体に
X線照射による像様露光を行った後、自動現像機を用い
て現像、定着、水洗及び乾燥を行うことを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0030】13.前記自動現像機が処理槽に固体処理
剤を供給する機構を有することを特徴とする前記12に
記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0031】14.前記自動現像機の処理槽に補充する
補充液量が、下記の式で表されることを特徴とする前記
12又は13に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法。
【0032】 1≦補充液量/感光材料による持ち出し量≦5 15.前記自動現像機の現像、定着、水洗及び乾燥を含
む全処理工程に要する処理時間(Dry to Dr
y)が20秒以内であることを特徴とする前記12〜1
4の何れか1に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法。
【0033】以下、本発明の構成を詳述する。
【0034】まず、本発明でいう親水性コロイド層とは
ハロゲン化銀写真感光材料を構成する親水性層を指し、
具体的には感光性ハロゲン化銀乳剤層、実質的な感光度
を有しない非感光性ハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間
層、染料層、フィルター層など通常のハロゲン化銀写真
感光材料に用いられている親水性コロイド層を言う。
又、本発明のハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロイ
ド層には、後述するハロゲン化銀粒子、親水性バインダ
ー、処理後に青色染料を与えるロイコ化合物、水溶性ポ
リマー、その他疎水性ポリマーラテックス等が含有され
る。
【0035】以下、親水性コロイド層に含有される前記
一般式(1)で表されるロイコ化合物について説明す
る。
【0036】本発明の一般式(1)において、R1及び
2で表されるアルキル基として好ましくは、メチル、
エチル、プロピル、ブチル等の基が挙げられる。これら
は更に置換されてもよく、好ましい置換基としてヒドロ
キシル基、スルホンアミド基が挙げられる。R1及びR2
で表されるアリール基として好ましくはフェニル基が挙
げられる。R3で挙げられる1価の置換基としては、ア
ルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、ヒドロキシ
エチル、メトキシメチル、トリフルオロメチル、t−ブ
チル等)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロ
ヘキシル等)、アラルキル基(ベンジル、2−フェネチ
ル等)、アリール基(フェニル、ナフチル、p−トリ
ル、p−クロロフェニル等)、アルコキシ基(メトキ
シ、エトキシ、i−プロポキシ、ブトキシ等)、アリー
ルオキシ基(フェノキシ等)、シアノ基、アシルアミノ
基(アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等)、アルキ
ルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、
アリールチオ基(フェニルチオ、p−トリルチオ等)、
スルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(3−メチルウレ
イド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジメチルウ
レイド等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルフ
ァモイルアミノ等)、カルバモイル基(メチルカルバモ
イル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル
等)、スルファモイル基(エチルスルファモイル、ジメ
チルスルファモイル等)、アルコキシカルボニル基(メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリール
オキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル、ブタンスルホニル、フェ
ニルスルホニル等)、アシル基(アセチル、プロパノイ
ル、ブチロイル等)、アミノ基(メチルアミノ、エチル
アミノ、ジメチルアミノ等)、ヒドロキシル基、ニトロ
基、イミド基(フタルイミド等)、複素環基(ピリジ
ル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオ
キサゾリル等)が挙げられる。
【0037】Zで表されるアルカリ金属としては、ナト
リウム、カリウムが挙げられる。第4級アンモニウム基
としては、トリメチルベンジルアンモニウム、テトラブ
チルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム等の炭素
総数が8以上のアンモニウム基が挙げられる。
【0038】X、Z1及びZ2とZ1、Z2に隣接する炭素
原子とにより形成される5〜6員の芳香族炭素環として
はベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、好ましくは
ベンゼン環であり、同様に5〜6員の芳香族複素環とし
ては、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、
トリアジン、テトラジン、ピロール、フラン、チオフェ
ン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール等の各環が挙げられるが、
好ましくはピリジン環である。
【0039】R5〜R8で表されるベンゼン環に置換可能
な置換基としては、上述の1価の置換基を挙げることが
できる。好ましくはアルキル基である。
【0040】R5とR6及びR7とR8が互いに結合して形
成する5〜7員の環として芳香族炭素環及び芳香族複素
環が挙げられるが、好ましくはベンゼン環である。
【0041】R10及びR11で表されるアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等が挙げられ
る。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙
げられ、複素環基としては酸素、硫黄及び窒素原子の少
なくとも1種を環内に有する5〜6員の芳香族複素環
(ピリジン、ピラジン、ピリミジン環等の6員環アジン
及びそのベンゼローグ;ピロール、チオフェン、フラン
及びそのベンゼローグ;イミダゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール等の5員環アゾ
ール及びそのベンゼローグ)等の残基が挙げられる。R
10及びR11として好ましくは、フェニル、ピラゾリル、
ピリジル等の基が挙げられる。
【0042】R16で表されるアルキル基としては、メチ
ル、i−プロピル、ペンチル、t−ブチル等の基が挙げ
られ、アリール基としては、フェニル、ナフチル基等が
挙げられる。スルホニル基としてはベンゼンスルホニル
等、アリールオキシカルボニル基としてはフェノキシカ
ルボニル等、アルコキシカルボニル基としてはエトキシ
カルボニル等、カルバモイル基としてはジエチルアミノ
カルボニル等が挙げられる。
【0043】Yで表される含窒素複素環としてはイミダ
ゾール、トリアゾール、テトラゾールの各環及びそのベ
ンゾ縮合環を挙げることができる。
【0044】R19及びR20で表されるアルキル基として
は、メチル、ペンチル、t−ブチル基等が挙げられ、ア
リール基としてはフェニル、ナフチル基等が挙げられ
る。
【0045】以下に前記一般式(1)で表されるロイコ
化合物の代表的具体例を列挙するが、これらに限定され
るものではない。
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】本発明の前記一般式(1)で表されるロイ
コ化合物の添加量としては、医療用感光材料においては
銀1モル当たり1×10-6〜5×10-1モル含有するこ
とが本発明の効果の発現には好ましく、銀1モル当たり
1×10-6モル未満では銀色調の改良効果が小さく、
又、5×10-1モルを越えると画像全体が暗く感じられ
好ましくない。
【0057】又、前記一般式(1)で表されるロイコ化
合物の添加量としては、更に好ましくは、銀1モル当た
り5×10-5〜5×10-2モル、特に銀1モル当たり5
×10-4〜1×10-2モル含有するのが好ましい。
【0058】次に、前記一般式(1)で表されるロイコ
化合物の添加方法は、各化合物の性質によって任意の方
法が用いられる。例えば固体微粒子分散体として添加す
る方法、高沸点溶媒に溶解し、上記分散を行った後、添
加する方法、水混和性有機溶媒(メタノール、エタノー
ル、アセトン等)に溶解して添加する方法等が挙げられ
る。
【0059】好ましい方法としては、固体微粒子分散体
として添加する方法又は水混和性有機溶媒(メタノー
ル、エタノール、アセトン等)に溶解して添加する方法
である。固体微粒子分散体として添加する場合、分散方
法は酸析出法、ボールミル、ジェットミル又はインペラ
ー分散法等の公知の方法が適用でき、これら固体分散さ
れる染料微粒子の平均粒径は任意の値を取り得るが、好
ましくは0.01〜20μmであり、より好ましくは
0.03〜2μmである。
【0060】又、前記一般式(1)で表されるロイコ化
合物は、写真構成層中の任意の層に含有することができ
るが、増感紙汚染の観点から、X線撮影用としては、乳
剤層又は乳剤層と支持体の間の層に含有するのが好まし
く、特に横断光遮断層に含有するのが好ましい。
【0061】以下、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の親水性コロイド層に含有される水溶性ポリマーについ
て説明する。
【0062】上記水溶性ポリマーの使用量は本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料片面の1m2当たり50〜80
0mgであり、好ましくは100〜500mgである。
より好ましくは200〜400mgである。
【0063】水溶性ポリマーとしては20℃の水100
gに対して、0.05g以上溶解すればよく、好ましく
は0.1g以上のものである。
【0064】本発明の親水性コロイド層中に用いられる
水溶性ポリマーとしては、例えば合成水溶性ポリマーと
天然水溶性ポリマーが挙げられるが、本発明ではいずれ
も好ましく用いることができる。このうち、合成水溶性
ポリマーとしては、分子構造中に例えばノニオン性基を
有するもの、アニオン性基を有するもの並びにノニオン
性基及びアニオン性基を有するものが挙げられる。ノニ
オン性基としては、例えばエーテル基、エチレンオキサ
イド基、ヒドロキシ基等が挙げられ、アニオン性基とし
ては、例えばスルホン酸基あるいはその塩、カルボン酸
基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩等が挙げら
れる。
【0065】これらの合成水溶性ポリマーとしては、ホ
モポリマーのみならず1種又はそれ以上の単量体とのコ
ポリマーでもよい。さらにこのコポリマーは、そのもの
が水溶性を保持する限り、部分的に疎水性の単量体との
コポリマーの組成は、添加場所や添加量によって若干の
制約を受ける。すなわち、特に、乳剤層に多量添加する
場合には、添加の際に副作用を生じないような組成範囲
に限定する必要がある。
【0066】また、天然水溶性ポリマーとしても分子構
造中に、例えばノニオン性基を有するもの、アニオン性
基を有するもの並びにノニオン性基及びアニオン性基を
有するものが挙げられる。
【0067】なお水溶性ポリマーは現像液や定着液への
溶解度が高い程好ましく、その溶解度が現像液100g
に対して、0.05g以上溶解するものであり、好まし
くは0.5g以上、特に好ましいのは1g以上溶解する
ものである。
【0068】合成水溶性ポリマーとしては、下記一般式
(P)の繰り返し単位をポリマー1分子中10〜100
モル%含むものが挙げられる。
【0069】
【化15】
【0070】式中、R1及びR2は同じでも異なってもよ
くそれぞれは水素原子、アルキル基、好ましくは炭素原
子数1〜4のアルキル基(置換基を有するものも含まれ
る。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、ハロゲン原子(例えば塩素原子)または−CH2
COOMを表し、Lは−CONH−、−NHCO−、−
COO−、−OCO−、−CO−、−SO2−、−NH
SO2−、−SO2NH−または−O−を表し、Jはアル
キレン基、好ましくは炭素原子数1〜10のアルキレン
基(置換基を有するものも含まれる。例えばメチレン
基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチ
レン基、ヘキシレン基等)、アリーレン基(置換基を有
するものも含まれる。例えばフェニレン基等)、アラル
キレン基(置換基を有するものも含まれる。
【0071】
【化16】
【0072】Mは水素原子またはカチオン基を表し、R
9は炭素原子数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等)を表し、R3
4、R5、R6、R7およびR8は水素原子、炭素原子数
1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデ
シル基等)、アルケニル基(例えばビニル基、アリル基
等)、フェニル基(例えばフェニル基、メトキシフェニ
ル基、クロロフェニル基等)、アラルキル基(例えばベ
ンジル基等)を表し、X-はアニオンを表し、またpお
よびqはそれぞれ0または1を表す。特にアクリルアミ
ド又はメタクリルアミドを含有するポリマーが好まし
い。
【0073】Yは水素原子又は−(L)p−(J)q−Q
を表す。
【0074】また、本発明の合成水溶性モノマーはエチ
レン性不飽和モノマーと共重合させることができる。共
重合可能なエチレン性不飽和モノマーの例は、スチレ
ン、アルキルスチレン、ヒドロキシアルキルスチレン
(アルキル基は炭素数1〜4までのものたとえばメチ
ル、エチル、ブチル等)、ビニルベンゼンスルホン酸お
よびその塩、α−メチルスチレン、4−ビニルピリジ
ン、N−ビニルピロリドン、脂肪酸のモノエチレン性不
飽和エステル(たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等)エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジカ
ルボン酸およびその塩(例えばアクリル酸、メタクリル
酸)無水マレイン酸、エチレン性不飽和のモノカルボン
酸もしくはジカルボン酸のエステル(例えばn−ブチル
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジ
カルボン酸のアミド(例えば、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ、
N,N−ジメチル−N′−メタクリロイルプロパンジア
ミンアセテートベタイン)などである。
【0075】次に一般式(P)の合成水溶性ポリマーの
具体例を挙げる。
【0076】
【化17】
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】
【化20】
【0080】
【化21】
【0081】本発明の合成水溶性ポリマーの数平均分子
量は40,000以下であり、好ましくは500以上で
ある。
【0082】上記合成水溶性ポリマーの数平均分子量が
40,000を越えるとハロゲン化銀乳剤中のゼラチン
と分離して、得られるハロゲン化銀乳剤層に濁りを生じ
たり、ハロゲン化銀乳剤の粘度が増大して塗布加工性が
悪化する等の問題が生ずる。
【0083】又、上記合成水溶性ポリマーの数平均分子
量が500未満の場合は、処理剤中へ溶出して処理剤を
疲労劣化せしめる。
【0084】次に天然水溶性ポリマーとしては、水溶性
高分子水分散型樹脂の総合技術資料集(経営開発センタ
ー出版部)に詳しく記載されているが、リグニン、澱
粉、プルラン、セルロース、アルギン酸、デキストラ
ン、デキストリン、グアーガム、アラビアゴム、ペクチ
ン、カゼイン、寒天、キサンタンガム、シクロデキスト
リン、ローカストビーンガム、トラガントガム、カラギ
ーナン、グリコーゲン、ラミナラン、リケニン、ニゲラ
ン等、及びその誘導体が好ましい。
【0085】また天然水溶性ポリマーの誘導体として
は、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、スルホア
ルキレン化、又はカルボキシアルキレン化、アルキルリ
ン酸化したもの、及びその塩、ポリオキシアルキレン化
(例えばエチレン、グリセリン、プロピレンなど)、ア
ルキル化(メチル、エチル、ベンジル化など)が好まし
い。
【0086】本発明において、天然水溶性ポリマーは2
種以上併用して用いてもよい。
【0087】また、天然水溶性ポリマーの中では、グル
コース重合体、及びその誘導体が好ましく、グルコース
重合体、及びその誘導体中でも、澱粉、グリコーゲン、
セルロース、リケニン、デキストラン、デキストリン、
シクロデキストリン、ニゲラン等が好ましく、特にデキ
ストリン、シクロデキストリン及びその誘導体が好まし
い。
【0088】本発明に用いられる合成あるいは天然水溶
性ポリマーの添加量としては、片面当たり0.01〜2
g/m2が好ましいが、より好ましくは0.05〜1g
/m2である。更に好ましくは、0.1〜0.5g/m2
である。また、添加する層は乳剤層が好ましいが、必要
に応じてその他の親水性コロイド層に必要量添加しても
良い。
【0089】本発明に用いられる合成あるいは天然水溶
性ポリマーは、単独で用いても良いが、必要ならば2種
以上組み合わせて用いても差し支えない。
【0090】本発明に用いられる合成あるいは天然水溶
性ポリマーは、写真感光材料中にその総重量の10%以
上含有され、好ましくは10%以上、30%以下で含有
されれば良い。
【0091】本発明に用いられるデキストリンは、α−
1,4結合したD−グルコースの重合体であり、一般に
デンプンを加水分解して麦芽糖に至るまでの種々の分解
生成物の総称を指す。学術上重要なものとして化学構造
上特徴ある物がいくつかある他は、特に構造上の特徴を
持たず、分子量も一定のものではない。デンプンをわず
かに加水分解した高分子量のものから、ヨウ素デンプン
反応を呈しない低分子量の物まであり、加水分解の方法
および用途に従って多くの種類がある。
【0092】デキストリンの具体例としては、名糖産業
(株)からはLLD等の商品名で、日澱化学(株)から
は、アミコール1、デキストリン102S等の商品名、
又、東和化成工業(株)からは、ピーオー等の商品名で
市販されているものが挙げられる。
【0093】以下、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の親水性コロイド層を構成するハロゲン化銀乳剤層、又
は他の構成層の少なくとも一層に含有される疎水性ラテ
ックスについて説明する。
【0094】本発明に用いられる疎水性ラテックスを構
成するモノマー組成は、特に制限はなく、写真性能に影
響を及ぼさない、例えばアクリレート、メタクリレー
ト、酢酸ビニール等が好ましく用いられる。
【0095】上記疎水性ラテックスには、該疎水性ラテ
ックスのみから成るものと、後記する無機微粒子を含有
する複合ラテックスとがある。
【0096】本発明に用いられる複合ラテックスは、無
機微粒子及び疎水性ポリマーからなる複合高分子微粒子
の分散物、或いは無機微粒子の存在下で疎水性単量体を
有する組成物を重合して形成した複合高分子微粒子の分
散物を言う。
【0097】本発明に用いられる複合ラテックス中の無
機微粒子としては、無機酸化物、窒化物、硫化物等が挙
げられるが、好ましくは酸化物である。具体的には、S
i、Na、K、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、
Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、T
u、Ag、Bi、B、Mo、Ce、Cd、Mg、Be、
Pb等の単一又は複合の酸化物が好ましく、特にSi、
Y、Sn、Ti、Al、V、Sb、In、Mn、Ce、
Bの単一又は複合の酸化物が乳剤との混和性の点から好
ましい。
【0098】これらは結晶性のものでも、非晶質のもの
でもよいが、好ましくは非晶質のものである。無機微粒
子の平均粒径は、0.5〜3,000nm程度、好まし
くは3〜500nmである。無機微粒子は水及び/又は
水に可溶な溶媒に分散させて用いるのが好ましい。無機
微粒子の添加量は疎水性高分子化合物に対して1〜2,
000重量%程度、好ましくは30〜1,000重量%
である。
【0099】以下に好ましい酸化物の例を示す。
【0100】 SO−1 SiO2 SO−11 ZrSiO4 SO−2 TiO2 SO−12 CaWO4 SO−3 ZnO SO−13 CaSiO3 SO−4 SnO2 SO−14 InO2 SO−5 MnO2 SO−15 SnSbO2 SO−6 Fe23 SO−16 Sb25 SO−7 ZnSiO4 SO−17 Nb25 SO−8 Al23 SO−18 Y23 SO−9 BeSiO4 SO−29 CeO2 SO−10 Al2SiO5 SO−20 Sb23 これらのなかでとりわけ好ましいのは、Siの酸化物で
あり、更にはコロイダルシリカである。
【0101】本発明において疎水性ポリマーとは、現像
処理液等の水溶液中に実質的に溶出しないものを言う。
疎水性高分子化合物を形成する疎水性単量体としては、
ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸
エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエ
ステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニ
ルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、
グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類、各種不飽和
酸等を挙げることができるが、本発明に用いる複合ラテ
ックスを形成するものとして好ましくはビニルエステル
類、アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類
から選ばれる少なくとも1種、又はスチレン類であり、
前者として特に好ましくはエステル基の炭素数が6以上
のものである。又、これらの疎水性単量体にグリシジル
基を持つ疎水性単量体を併用することが好ましく、少な
くとも1重量%、更に好ましくは20重量%以上併用す
る。
【0102】複合ラテックスの重合方法としては、乳化
重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、放射線
重合法等が挙げられる。
【0103】(溶液重合)溶媒中で適当な濃度の単量体
の組成物(通常、溶媒に対して好ましくは40重量%以
下、より好ましくは10〜25重量%程度)を開始剤の
存在下で約10〜200℃、好ましくは30〜120℃
の温度で、約0.5〜48時間、好ましくは2〜20時
間重合を行うことで得られる。
【0104】開始剤は、重合溶媒に可溶ならば任意に採
用でき、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶媒系開
始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化カリウ
ム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−
ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、又これらとFe
2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせた
レドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0105】溶媒としては、単量体の組成物を溶解する
ものならば任意で、水、メタノール、エタノール、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン
若しくはこれらの2種以上の混合溶媒等を挙げることが
できる。重合終了後、生成した高分子化合物を溶かさな
い溶媒中に反応混合物を注ぎ込み、生成物を沈殿させ、
次いで乾燥することにより未反応組成物を分離除去する
ことができる。
【0106】(乳化重合)水を分散媒とし、水に対して
1〜50重量%の単量体と、単量体に対して0.05〜
5重量%の重合開始剤、0.1〜20重量%の分散剤を
用い、約30〜100℃、好ましくは60〜90℃で3
〜8時間、撹拌下で重合させることによって得られる。
【0107】開始剤としては、水溶性過酸化物(過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化合物
(2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハ
イドロクロライド等)、又これらとFe2+塩や亜硫酸水
素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系重
合開始剤等を挙げることができる。
【0108】分散剤としてはアニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくはア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。本
発明の複合ラテックスをハロゲン化銀乳剤中に含有させ
るときの平均粒径は、重量平均で0.005〜3.0μ
m程度が好ましく、更には0.01〜0.8μmであ
る。
【0109】なお、市販の複合ラテックスとしては大日
本インキ(株)製のアクリル酸エステル樹脂複合高分子
VONCOAT DVシリーズ等が好ましく採用でき
る。
【0110】親水性コロイド層への片面当たりの疎水性
ラテックスの付き量は、0.4g/m2以下、好ましく
は0.1g/m2以上であり、より好ましくは0.35
g/m2以下、0.15g/m2以上である。但し複合ラ
テックスの場合は、含有される無機微粒子を除いた疎水
性ラテックスのみの含有量を付き量とする。上記疎水性
ラテックスの付き量が0.4g/m2を越えた場合は現
像性が低下し、現像銀のカバリングパワーが低下し、付
き量が0.1g/m2未満の場合は、得られる画像の対
傷性が悪く、好ましくない。
【0111】以下、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
のハロゲン化銀乳剤層に含有される塩化銀平板粒子につ
いて説明する。
【0112】本発明に係るハロゲン化銀粒子(以下、本
発明の平板状ハロゲン化銀粒子ともいう)は、好ましく
は2つの平行する(100)面を主平面とする平板状で
あり、アスペクト比が2.0以上、好ましくは15.0
未満のものである。ここでいう主平面は実質的に直方体
乳剤粒子を形成する結晶表面のうち、面積が最も大きな
平行する一組の面であり、またアスペクト比とは、主平
面間の厚みに対する粒子の主平面を形成する平均の縁長
さの比をいう。
【0113】主平面の平均の縁長さは、例えば該粒子を
電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプ
リント上の粒子の縁長さ又は投影時の面積を実測するこ
とによって得られる。又、粒子厚みも同様に電子顕微鏡
写真を実測することによって得られる。
【0114】主平面が(100)面であることは電子回
折法やX線回折法により調べることができる。又、電子
顕微鏡写真の観察では、(100)主平面を有する粒子
は、その主平面が直交方形(正方形もしくは長方形)面
であることから調べることができる。
【0115】本発明に係るハロゲン化銀乳剤層が含有す
るハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が本発明
の平板状ハロゲン化銀粒子であるが、好ましくは80%
以上である。
【0116】なお、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の
最大隣接比とは前記(100)主平面における隣接する
辺の辺長比が最大のものをいう。又変動係数(P)とは
ハロゲン化銀粒子の粒径分布の広さを表すもので、P=
{(粒径分布の標準偏差)/(平均粒径)}×100%
で表され、上記最大隣接比及変動係数は、何れも電子顕
微鏡を用いて測定される。
【0117】本発明に係るハロゲン化銀乳剤としては、
塩化銀含有率20モル%以上の沃塩化銀、塩沃臭化銀等
を用いることができ、好ましくは塩化銀含有率30〜7
0モル%、沃化銀含有率1.0モル%以下(より好まし
くは0.5モル%以下)のものである。
【0118】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子を含有す
る乳剤は、(a)分散媒体中に銀塩及びハロゲン化物塩
を導入し平板状粒子の核形成を行う工程、(b)核形成
に引き続き、平板状粒子の(100)主面を維持する条
件下でオストワルド熟成を行う工程、(c)所望の粒
径、塩化銀含有率になるように、粒子成長を行う工程に
よって調製される。
【0119】核形成時の銀塩とハロゲン化物塩を反応さ
せる形式としてはダブルジェット法(同時混合法)を用
いることが好ましい。
【0120】粒子成長時にも同時混合法が用いられる
が、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち、いわゆる
コントロールド・ダブルジェット法を用いることもでき
る。この方法によると結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0121】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、その粒
子形成時の一部又は全工程が微細なハロゲン化銀粒子を
供給することによる粒子形成工程であってもよい。
【0122】微粒子の粒子サイズはハライドイオンの供
給速度を支配するため、その好ましい粒子サイズはホス
トのハロゲン化銀粒子のサイズやハロゲン組成によって
変わるが、平均球相当直径が0.3μ以下のものが用い
られる。より好ましくは0.1μ以下である。微粒子が
ホスト粒子上に再結晶化によって積層するためには、こ
の微粒子サイズはホスト粒子の球相当直径より小さいこ
とが望ましく、更に好ましくは、この球相当直径の1/
10以下である。
【0123】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、ハロゲ
ン化銀粒子の成長の終了後に可溶性塩類を除去して化学
増感に適するAgイオン濃度にするためにヌーデル水洗
法、フロキュレーション沈降法などを用いてよく、好ま
しい水洗法としては例えば、特公昭35−16086号
公報記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド
樹脂を用いる方法、または特開平2−7037号公報記
載の高分子凝集剤である例示G−3、G−8などを用い
る脱塩法を挙げることができる。又、リサーチ・ディス
クロージャー(RD)Vol.102、1972、10
月号、Item10208及びVol.131、197
5、3月号、Item13122に記載されている限外
濾過法を用いて脱塩を行ってもよい。
【0124】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀乳剤は、バインダーとしてハロゲン化銀を包む
ための種々の親水性コロイド(親水性バインダー)が用
いられる。この目的のためには、ゼラチンをはじめとし
て例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等
の合成ポリマーや、コロイド状アルブミン、ポリサッカ
ライド、セルローズ誘導体等の写真用バインダーが用い
られてよい。
【0125】上記、親水性バインダーの親水性コロイド
層に対する片面あたりの付き量については、好ましくは
1.0〜3.0g/m2であり、より好ましくは1.5
〜2.5g/m2である。
【0126】なお、超迅速、低補充処理の観点から、で
きるだけ親水性バインダーは減らして薄膜化することが
好ましい。しかしながら、親水性コロイド層に対する片
面あたりの親水性バインダーの付き量が1.0g/m2
未満の場合は耐圧性が不足し、3.0g/m2を越えと
迅速処理及び低補充処理が不可能になる。そこで両方の
性能のバランスが要求される。
【0127】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、用
途に応じて支持体の片面にのみにハロゲン化銀乳剤層を
有するものと、支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を有
するものとが有るが、それらの片面当たりの銀つき量
は、好ましくは1.0g/m2〜2.0g/m2、より好
ましくは1.2g/m2〜1.8g/m2、さらに好まし
くは、1.4g/m2〜1.6g/m2である。
【0128】なお、超迅速や耐圧性の観点から低銀量の
方が勿論好ましいが、銀量が1.0g/m2未満の場合
は軟調化や鮮鋭性の低下といった画質上の劣化が生じて
しまい、又2.0g/m2を越えると上記迅速処理が不
可能になり、かつ耐圧性が低下し、傷がつき易くなる。
【0129】本発明に係るハロゲン化銀乳剤には化学熟
成を行うことができる。化学熟成の工程の条件、例えば
pH、pAg、温度、時間等については特に制限はな
く、当業界で一般に行われている条件で行うことができ
る。化学増感のためには、銀イオンと反応しうる硫黄を
含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン
化合物を用いるセレン増感法、テルル化合物を用いるテ
ルル増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その
他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独または組み合
わせて用いることができるが、なかでもセレン増感法及
びテルル増感法が好ましく用いられる。
【0130】セレン増感で使用する有用なセレン増感剤
としては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート
類(アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類
(N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエ
チルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘ
プタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−
N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、
N,N,N′−トリメチル−N′−ニトロフェニルカル
ボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(セレ
ノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド
等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(2−
セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート
等)、セレノフォスフェート類(トリ−p−トリセレノ
フォスフェート等)、セレナイド類(トリフェニルフォ
スフィンセレナイド、ジエチルセレナイド、ジエチルジ
セレナイド等)が挙げられる。特に好ましいセレン増感
剤は、セレノ尿素類、セレノアミド類、セレノケトン
類、及びセレナイド類である。
【0131】テルル増感剤及び増感法に関して、有用な
テルル増感剤としては、テルロ尿素類(N,N−ジメチ
ルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキ
シエチル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−
ジメチル−N′−フェニルテルロ尿素等)、ホスフィン
テルリド類(トリブチルホスフィンテルリド、トリシク
ロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホス
フィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテ
ルリド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド等)、テ
ルロアミド類(テルロアセトアミド、N,N−ジメチル
テルロベンズアミド等)、テルロケトン類、テルロエス
テル類、イソテルロシアナート類等が挙げられる。
【0132】なお、上記テルル増感剤の使用技術は、セ
レン増感剤の使用技術に準じる。
【0133】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀写真乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増
感されてもよい。増感色素は単独に用いてもよいが、そ
れらの組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わ
せは特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0134】医療用X線ラジオグラフィーに本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料を適用する場合には、例えば透
過性放射線曝射によって近紫外光ないし可視光を発生す
る蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用いられる。これ
を本発明のハロゲン化銀乳剤層を両面に塗布してなる感
光材料の両面に密着して露光する。ここでいう、透過性
放射線とは、高エネルギーの電磁波であってX線及びγ
線を意味する。
【0135】本発明でいう組み体とは、前記本発明のハ
ロゲン化銀乳剤層を両面に塗布してなるハロゲン化銀写
真感光材料と、その両面に密着して配置された特定の蛍
光増感紙との組み合わせ体をいう。なお、上記特定の蛍
光増感紙とは、X線エネルギーが80kVpのX線に対
して45%以上の吸収量を示し、蛍光体の充填率が68
%以上で、かつ蛍光体の厚みが135μm〜200μm
のものである。
【0136】本発明の蛍光増感紙に用いられる好ましい
蛍光体としては、以下に示すものが挙げられる。
【0137】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土
類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:T
b、La22S:Tb、(Y.Gd)22S:Tb、
(Y.Gd)O2S:Tb.Tm等〕、テルビウム賦活
希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:T
b、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキ
シハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOB
r:Tb.Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:T
b.Tm、LaOCl:Tb.Tm.LaOBr:Tb
GdOBr:TbGdOCl:Tb等)、ツリウム賦活
希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:T
m、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体〔B
aSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba.Sr)S
4:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アルカリ土
類金属燐酸塩系蛍光体〔(Ba2PO42:Eu2+
(Ba2PO42:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaF
Cl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu
2+.Tb、BaFBr:Eu2+.Tb、BaF2・Ba
Cl・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl
・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:N
a、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化物系
蛍光体〔ZnS:Ag(Zn.Cd)S:Ag、(Z
n.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.Al
等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27:Cu
等)、但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定さ
れるものではなく、放射線の照射によって可視又は近紫
外領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0138】本発明で用いる蛍光増感紙は、傾斜粒径構
造で蛍光体を充填することが好ましい。特に表面保護層
側に大粒径の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の
蛍光体粒子を塗布することが好ましく、小粒径のものは
0.5〜2.0μmで、大粒径のものは10〜30μm
の範囲が好ましい。
【0139】蛍光増感紙の製造は、 結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する工
程、前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤
の軟化温度もしくは融点以上の温度で、圧縮しながら前
記蛍光体シートを支持体に接着する工程で製造するのが
好ましい。
【0140】の蛍光増感紙の蛍光体層となる蛍光体シ
ートは、結合剤溶液中に蛍光体を均一に分散せしめた塗
布液を蛍光体シート形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥
した後、仮支持体から剥離することで製造できる。すな
わち、まず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を
添加し、撹拌混合して結合剤中に蛍光体が均一に分散し
た塗布液を調製する。
【0141】結合剤としては、軟化温度又は融点が30
〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、或いは他の
バインダーと共に用いる。熱可塑性エラストマーは常温
で弾力を持ち、過熱されると流動性を持つようになるの
で、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損を防止すること
ができる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリス
チレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジェン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジェンゴ
ム及びシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。結合剤にお
ける熱可塑性樹脂の混合比は、10〜100重量%であ
ればよいが、結合剤はなるべく多くの熱可塑性エラスト
マー、特に100重量%の熱可塑性エラストマーからな
っていることが好ましい。
【0142】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエステル、エチレングリコー
ルモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合
物を挙げることができる。
【0143】塗布液における結合剤と蛍光体の混合比
は、目的とする蛍光増感紙の特性、蛍光体の種類などに
より異なるが、一般には結合剤と蛍光体の混合比は1:
1〜1:100(重量比)の範囲から選ばれ、特に1:
8〜1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0144】なお、塗布液には塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、又は形成後の蛍光
体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよ
い。
【0145】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げること
ができる。
【0146】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニー
ル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等の
フタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタルブチル等のグリコール酸
エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポ
リエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエ
ステル等のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステル等を挙げることができる。
【0147】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、シート形成用の仮支持体の表
面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。
【0148】この塗布手段としては、例えばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いること
により行うことができる。
【0149】仮支持体としては、例えばガラス、ウー
ル、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られた
ものが使用され得るが、情報記録材料としての取り扱い
上可撓性のあるシートあるいはロールに加工できるもの
が好ましい。この点から、例えばセルロースアセテート
フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等のプラスティックフィルム、アルミニウム箔、
アルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例え
ば写真用原紙、コート紙、もしくはアート紙のような印
刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許
第784,615号明細書に記載されているようなポリ
サッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンな
どの顔料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコール
でサイジングした紙等の加工紙が特に好ましい。
【0150】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布
し乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光増感紙の蛍光
体層となる蛍光体シートとする。従って仮支持体の表面
は、予め剥離剤を塗布しておき、形成された蛍光体シー
トが仮支持体から剥離し易い状態にしておくのが好まし
い。
【0151】について説明する。上記により形成され
た蛍光体をセットするためのシートを用意する。この支
持体は前記仮支持体で挙げた材料から任意に選ぶことが
できる。
【0152】蛍光増感紙は、支持体と蛍光体層の結合を
強化するため支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を
塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感度、
画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸化チ
タンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカ
ーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層など
が設けられてよい。
【0153】本発明に用いる蛍光増感紙においても、こ
れら各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の蛍光増感紙の目的、用途等に応じて任意に選択するこ
とができる。
【0154】によって得られた蛍光体シートを支持体
上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧
縮しながら蛍光体シートとを支持体上に接着する。
【0155】このようにして、蛍光体シート支持体上に
予め固定することなく圧着する方法を利用することによ
りシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷を
防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に比較
して同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることができ
る。
【0156】圧縮処理のために用いられる圧縮装置の例
としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般的
に知られているものを挙げることができる。例えばカレ
ンダーロールによる圧縮処理は、支持体上にによって
得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度又は融点以
上に加熱したローラの間を一定の速度で通過させること
により行われる。圧縮の際の圧力は、50kg/cm2
以上であるのが好ましい。
【0157】通常、蛍光増感紙は、前述した支持体に接
する側と反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理
的、化学的に保護するための透明な保護膜が設けられ
る。このような透明保護膜は、本発明の蛍光増感紙につ
いても設置することが好ましい。保護膜の膜厚は一般に
0.1〜20μの範囲にある。
【0158】透明保護層は例えば酢酸セルロース、ニト
ロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメチ
ールメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質を適当な溶剤に溶解して
調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形
成することができる。
【0159】或いはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート、及
び透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に調製
して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するな
どの方法で形成することができる。
【0160】本発明において、蛍光増感紙で用いられる
保護層としては、特に有機溶媒に可溶性の弗素系樹脂を
含む塗布膜により形成された膜が好ましい。弗素系樹脂
とは、弗素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の
重合体、もしくは弗素を含むオレフィンを共重合体成分
として含む共重合体をいう。弗素系樹脂の塗布膜により
形成された膜は架橋されていてもよい。弗素系樹脂によ
る保護膜は、他の材料やX線フィルムなどの接触時にフ
ィルムなどから出る可塑剤などの汚れが保護膜内部に染
み込みにくいので、拭き取りなどによって容易に汚れを
除去することができる利点がある。
【0161】保護膜形成材料としては、有機溶媒可溶性
弗素系樹脂を用いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶
解して調製した。即ち、保護膜は有機溶媒可溶性の弗素
系樹脂を含有する保護膜形成材料塗布液をドクターブレ
ードなどを用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを
乾燥することで形成する。この保護膜の形成は同時重層
塗布によって蛍光体の形成と同時に行われてよい。
【0162】弗素系樹脂としては、弗素を含むオレフィ
ン(フルオロオレフィン)の重合体もしくは弗素を含む
オレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフルオロエチ
レン、ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体及びフルオロオレフィン−ビニルエー
テル共重合体などを例として挙げることができる。
【0163】弗素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶であ
るがフルオロオレフィンを共重合体成分として含む共重
合体は、共重合するフルオロオレフィン以外の構成単位
によって有機溶媒可溶性になるため、該樹脂を適当な溶
媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥
することで容易に保護層を形成することができる。この
ような共重合体の例としては、フルオロオレフィン−ビ
ニルエーテル共重合体を挙げることができる。また、ポ
リテトラフルオロエチレン及びその変性体もパーフルオ
ロ溶媒のような適当な弗素系有機溶媒に対して可溶性で
あるので、上記フルオロオレフィンを共重合体成分とし
て含む共重合体と同様に塗布によって保護膜を形成する
ことができる。
【0164】保護膜は弗素系樹脂以外の樹脂が含まれて
いてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含まれ
てもよい。しかしながら、前記した目的を充分達成する
ためには、保護膜中に弗素系樹脂の含有量は30重量%
以上であることが好ましく、さらに好ましくは50重量
%以上、最も好ましくは70重量%以上である。
【0165】保護膜に含まれる弗素系樹脂以外の樹脂と
しては、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロ
ース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0166】また、本発明で用いられる蛍光増感紙の保
護膜は、ポリシロキサン骨格含有オリゴマーもしくはパ
ーフルオロアルキル基含有オリゴマーのいずれか一方、
或いは両方を含む塗布膜から形成してもよい。
【0167】ポリシロキサン骨格含有オリゴマーは、例
えばジメチルポリシロキサン骨格を有するものであり、
少なくとも一つの官能基、例えば水酸基を有するもので
あることが好ましく、また分子量500〜100,00
0の範囲にあることが好ましい。特に分子量が1,00
0〜100,000の範囲になることが好ましく、さら
に好ましくは3,000〜10,000の範囲である。
また、パーフロロアルキル基、例えばテトラフルオロエ
チレン基などを含有するオリゴマーは、分子中に少なく
とも一つの官能基、例えば水酸基を含むものであること
が望ましく、分子量500〜100,000の範囲にあ
ることが好ましい。特に分子量は1,000〜100,
000の範囲にあることが好ましく、さらに100〜1
00,000の範囲にあることが好ましい。
【0168】オリゴマーに官能基が含まれているものを
用いれば、保護膜形成時にオリゴマーと保護層膜形成樹
脂との間で架橋反応が発生し、オリゴマーが膜形成樹脂
の分子構造に取り入れられるため、蛍光増感紙の長期の
繰り返し使用、あるいは保護膜表面のクリーニングなど
の操作によってもオリゴマーが保護膜から取り去られる
ことがなく、オリゴマーの添加効果が長期にわたり有効
となるため、官能基を有するオリゴマーの使用が有利で
ある。オリゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量の
量で含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重量
%含まれていることが好ましい。
【0169】保護層中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末もしくはシリコン樹脂粉末が含まれてもよい。パ
ーフルオロオレフィン樹脂粉末、もしくはシリコン樹脂
粉末としては、平均粒径0.1μm〜10μmの範囲に
あるものが好ましく、特に好ましくは平均粒径0.3μ
m〜5μmの範囲である。これらのパーフルオロオレフ
ィン樹脂粉末もしくはシリコン樹脂粉末は、保護膜中に
保護膜重量当たり0.5〜30重量%の量で含まれてい
ることが好ましく、さらに2〜20重量%の量で含まれ
るのが好ましく、最も好ましくは5〜15重量%の量で
ある。
【0170】蛍光増感紙の保護膜は、蛍光体層上に塗布
形成された厚さ5μm以下の透明な合成樹脂層であるこ
とが好ましい。このような薄い保護層を用いることによ
り、蛍光増感紙の蛍光体からハロゲン化銀乳剤までの距
離が短くなるため、得られるX線画像の鮮鋭度の向上に
寄与することになる。
【0171】本発明の蛍光増感紙の蛍光体層における蛍
光体の充填率は68%以上とされ、68%未満の場合は
蛍光増感効果が不十分となる。
【0172】上記蛍光増感紙の蛍光体層における蛍光体
の充填率Tは以下の様にして測定される。
【0173】即ち、蛍光増感紙の蛍光体層の保護層を剥
離して除去した後、メチルエチルケトンを用いて蛍光体
層を溶出し、濾過、乾燥し、さらに電気炉を用いて60
0℃で1時間焼成して、樹脂成分を除去することにより
上記蛍光体層から蛍光体のみを取り出した。この蛍光体
の重量を測定し、これをWgとする。又、上記蛍光体層
の膜厚Pcm,面積Qcm2及び密度Rg/cm3を測定
する。これらの測定値から上記蛍光体層の蛍光体充填率
Tは、以下の式により計算される。
【0174】T={W÷(P×Q×R)}×100% 本発明においては、固有濾過がアルミニウム2.2mm
相当のX線発生装置でのX線エネルギーが80kVpの
X線に対して45%以上、更には50%以上の吸収量を
示す蛍光増感紙を使用することが好ましい。蛍光増感紙
のX線吸収量は以下の方法で測定できる。
【0175】三相の電力供給で80kVpで運転される
タングステン・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3
mmのアルミニウム板を透過させ、ターゲット管のタン
グステン・アノードから200cmの位置に固定した試
料の蛍光増感紙に到達させ、次いでその蛍光増感紙を透
過したX線の量を、蛍光増感紙の蛍光体層から50cm
後の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量
を求める。なお、基準としては蛍光増感紙を透過させな
いで測定した上記測定位置でのX線量を用いることがで
きる。
【0176】蛍光体層の厚みは、135〜200μmで
あり、該蛍光体層中の蛍光体の充填率は68%以上であ
る。
【0177】ここで上記蛍光体層の厚みが135μm未
満では蛍光増感紙の増感効果が不十分となり、200μ
mを越えると増感効果が飽和して材料を浪費することに
なる。又上記蛍光体の充填率が68%未満ではやはり蛍
光増感紙の増感効果が不十分となり好ましくない。
【0178】以下、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
にX線照射による像露光を行った後の処理方法及び処理
装置等について説明する。
【0179】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、例
えば前述のRDNo.17643のXX〜XXI、29〜3
0頁、同308119のXX〜XXI、1011〜1012
頁に記載されている様な処理液による処理を行うことが
できる。
【0180】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(ハイドロキノン等)、3−ピラゾリ
ドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン等)、アミノ
フェノール類(N−メチル−アミノフェノール等)等を
単独又は併用で用いることができる。又、現像液には保
恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟
化剤、溶解助剤、粘性付与剤等を必要に応じて用いるこ
とができる。
【0181】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩等
の定着剤が用いられ、更に硬膜剤として硫酸アルミニウ
ムやカリ明礬等の水溶性のアルミニウム塩を含んでもよ
く、更に保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤等を含んでも
よい。
【0182】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
するのに有利な、処理槽に固体処理剤を供給する機構を
有する自動現像機について述べる。処理剤供給手段とし
ては、固体処理剤が錠剤である場合、実開昭63−13
7783号、同63−97522号、実開平1−857
32号等の各号公報に記載の手段を参照でき、また顆粒
や粉末である場合は、実開昭62−81964号、同6
3−84151号、特開平1−292375号等の各号
公報に記載の重力落下方式や実開昭63−105159
号、同63−195345号等の各号公報に記載のスク
リュー又はネジによる方式を参照できるが、これらに限
定されるものではない。固体処理剤を投入する箇所は処
理槽中であるが、好ましくは、感光材料を処理する処理
部と連通し、該処理部との間を処理液が流動していると
ころであり、更には処理部との間に一定の処理液循環量
があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。又、固体処理剤は温調されている処理液中に投入さ
れることが好ましい。
【0183】本発明の処理方法に用いられる現像剤中に
は、現像主薬として特願平4−286232号明細書に
記載のジヒドロキシベンゼン類、アミノフェノール類、
ピラゾリドン類の他に特開平5−165161号公報に
記載のレダクトン類も用いられる。ピラゾリドン類とし
ては4位が置換されたものが水溶性や固体処理剤自身の
経時による変化が少なく好ましい。
【0184】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
するにあたり、現像工程に下記一般式(2)で表される
化合物を存在せしめると処理性が向上して好ましい。
【0185】
【化22】
【0186】式中、R1及びR2は各々独立に、ヒドロキ
シ基、−OM(Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム
基を表す。)、アミノ基(置換基としてメチル基、エチ
ル基、n−ブチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1
〜10のアルキル基を有するものを含む。)、アシルア
ミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、
アルキルスルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ
基等)、アリールスルホニルアミノ基(ベンゼンスルホ
ニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基等)、
アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルア
ミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチ
オ基、エチルチオ基等)を表し、好ましくはヒドロキシ
基、アミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリール
スルホニルアミノ基である。Xは−O−、−C(R3
(R4)−、−C(R5)=、−C(=O)−、−N(R
6)−、−N=等、好ましくは炭素原子、酸素原子又は
窒素原子であって、R1及びR2が置換している2つのビ
ニル炭素及びカルボニル炭素と共同で5〜6員環を構成
する。ここにR3〜R6は各々独立に水素原子、置換基
(ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等)を有して
もよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基(アルキル
基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スル
ホ基等)を有してもよい炭素数6〜15のアリール基、
ヒドロキシ基、カルボキシ基を表す。構成する5〜6員
環には飽和或いは不飽和の縮合環を形成してもよく、ジ
ヒドロフラノン環、ジヒドロピロン環、ピラノン環、シ
クロペンテノン環、シクロヘキセノン環、ピロリノン
環、ピラゾリドン環、ピリドン環、アザシクロヘキセノ
ン環、ウラシル環等が挙げられ、好ましくはジヒドロフ
ラノン環、シクロペンテノン環、シクロヘキセノン環、
ピラゾリドン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環
である。
【0187】以下に一般式(2)で表される化合物の具
体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
【0188】
【化23】
【0189】
【化24】
【0190】
【化25】
【0191】
【化26】
【0192】一般式(2)で表される化合物は現像液1
l当たり0.005〜0.5モル程度、好ましくは0.
02〜0.4モルで用いる。
【0193】現像剤には保恒剤として特願平4−286
232号明細書に記載の亜硫酸塩の他、有機還元剤を用
いることができ、その他特願平4−586323号明細
書第20頁に記載のキレート剤や同21頁に記載の硬膜
剤の重亜硫酸塩付加物を用いることができる。また特願
平4−92947号、同5−96118号等の各号明細
書に記載の銀スラッジ防止剤、特開平1−124853
号公報に記載のシクロデキストリン化合物、米国特許第
4,269,929号明細書に記載のアミン化合物を添
加するものも好ましい。
【0194】現像剤には緩衝剤を用いることが必要で、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重
炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウ
ム、リン酸2カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウ
ム、4硼酸ナトリウム(硼酸)、4硼酸カリウム、o−
ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウ
ム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチ
ル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香
酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げ
ることができる。
【0195】現像促進剤としては、チオエーテル系化合
物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウ
ム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポ
リアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イ
オン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じて添加
することができる。
【0196】次にカブリ防止剤としては、沃化カリウム
の如きアルカリ金属ハロゲン化物及びベンゾトリアゾー
ル,6−ニトロベンズイミダゾール,5−ニトロイソイ
ンダゾール,5−メチルベンゾトリアゾール,5−ニト
ロベンゾトリアゾール,5−クロロ−ベンゾトリアゾー
ル,2−チアゾリル−ベンズイミダゾール,2−チアゾ
リルメチル−ベンズイミダゾール,インダゾール,ヒド
ロキシアザインドリジン,アデニン等の有機カブリ防止
剤が使用できる。
【0197】更に現像剤組成物には、メチルセロソル
ブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シ
クロデキストリン化合物、特公昭47−33378号、
同44−9509号等の各号公報に記載の化合物を現像
主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用するこ
とができ、その他ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重
層効果促進剤も用いることができる。
【0198】定着剤には、定着主薬やキレート剤、pH
緩衝剤、硬膜剤、保恒剤等公知の化合物を採用すること
ができ、例えば特開平4−242246号公報第4頁や
同5−113632号公報第2〜4頁に記載のものが使
用できる。その他硬膜剤として特願平4−586323
号明細書第20頁に記載のキレート剤や同21頁に記載
の硬膜剤の重亜硫酸塩付加物や公知の定着促進剤も用い
ることができる。
【0199】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターは固体化して添加することが好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0200】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、自
動現像機を用いて全処理時間(Dry to dry)
10〜45秒で処理されるのが好ましいが、10〜20
秒で処理される時にその効果を遺憾なく発揮できる。上
記全処理時間(Dry todry)が10秒未満で
は、現像、定着、水洗及び乾燥等の処理が不十分となり
好ましくない。
【0201】ここに、処理される感光材料の先端が自動
現像機の現像タンク液に浸漬してから次工程の定着タン
ク液に接するまでの時間を“現像時間”、同様に定着タ
ンク液に浸漬してから水洗タンク液(安定化液)に接す
るまでの時間を“定着時間”、水洗タンク液に浸漬して
いる時間を“水洗時間”、自動現像機の乾燥ゾーンに入
っている時間を“乾燥時間”とするとき、現像時間3〜
15秒(更には3〜10秒)、現像温度25〜50℃
(更には30〜40℃)、定着時間2〜12秒(更には
2〜10秒)、定着温度20〜50℃(更には30〜4
0℃)、水洗(安定化)時間2〜15秒(更には2〜8
秒)、水洗(安定化)温度0〜50℃(更には15〜4
0℃)、乾燥時間3〜12秒(更には3〜8秒)、乾燥
温度35〜100℃(更には40〜80℃)が好まし
い。本発明のハロゲン化銀写真感光材料は現像、定着及
び水洗(又は安定化)を経て、スクイズローラーで水分
を絞ってから乾燥される。
【0202】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
には、固体処理剤を投入する部材が結合された自動現像
機を用いるのが好ましく、該自動現像機で処理するにあ
たり、乾燥工程に熱源により外周が加熱された搬送ロー
ラー(ヒートローラー)を採用するのが乾燥効率の点か
ら好ましい。また該搬送ローラーはローラー内部に熱源
を有するものが好ましい。
【0203】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
する過程で、現像液及び定着液等の処理液の補充液量
は、下記式を満足することが必要である。
【0204】 1≦補充液量/感光材料による持ち出し量≦5 若し上記(補充液量/感光材料による持ち出し量)が1
未満の場合は処理液が不足して画像不良を生じ、5を越
えると処理液を浪費してコスト高を招く。
【0205】又、本発明のハロゲン化銀写真感光材料は
現像液及び定着液の補充量を感光材料1m2当たり4〜
216mlと低減して処理することができる。
【0206】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0207】実施例1 (六角平板状種乳剤EM−1′の調製)以下の方法によ
り純臭化銀の六角平板状種乳剤EM−1′を作成した。
【0208】 A1 オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 0.0l HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17−(CH2CH2O)m H(n+m=5〜7)の10%メタノール水溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml B1 硝酸銀 1,487.5g 蒸留水で3,500mlにする C1 KBr 1050g 蒸留水で3,500mlにする D1 1.75NのKBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃において、特公昭58−58288号公報、及び
特公昭58−58289号公報に示される混合撹拌機を
用いて、溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々64.
1mlを同時混合法により2分の時間を要して添加し、
核形成を行った。
【0209】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上
昇させ、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により、
各々68.5ml/minの流量で50分間添加した。
この間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として
銀イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いて+6mV
になるように制御した。添加終了後3%KOHによって
pHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行い種乳剤EM
−1′とした。このように作成した種乳剤EM−1′の
ハロゲン化銀粒子は、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平
板粒子よりなり、六角平板の平均厚さ0.07μm、平
均直径(円直径換算)は0.5μm、変動係数は25%
であることが電子顕微鏡観察により判明した。
【0210】(平板状純臭化銀乳剤EM−1の調製)以下
の4種類の溶液を用いて平板状純臭化銀乳剤を作成し
た。
【0211】 A2 オセインゼラチン 29.4g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17−(CH2CH2O)m H(n+m=5〜7)の10%メタノール水溶液 1.25ml 種乳剤EM−1′ 2.65モル相当 蒸留水で3,000mlとする B2 3.50Nの硝酸銀水溶液 1760ml C2 KBr 737g 蒸留水で1,760mlにする D2 1.75NのKBr水溶液 下記銀電位制御量 60℃において、特公昭58−58288号公報、及び
特公昭58−58289号公報に示される混合撹拌機を
用いて、溶液A2に溶液B2及び溶液C2の全量を同時
混合法(ダブルジェット法)により添加終了時の流速が
添加開始時の流速の3倍になるように110分の時間を
要し添加成長を行った。
【0212】この間の銀電位は溶液D2を用いて+40
mVになるように制御した。添加終了後、過剰な塩類を
除去するために、デモール(花王アトラス社製)水溶液
及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行っ
た。
【0213】得られた乳剤EM−1中のハロゲン化銀粒
子約3,000個を電子顕微鏡により観察、測定し形状
を分析したところ、平均円相当直径0.59μm、平均
厚さ0.17μmの六角平板状粒子であり、変動係数は
24%であった。
【0214】 (塩化銀含有率30モル%のAgBrCl(100)平板状乳剤EM−2の調製 ) 溶液A3 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g KBr 23.6g NaCl 5.0g 蒸留水で7,500mlとする 溶液B3 硝酸銀 1,500g 蒸留水で2,500mlとする 溶液C3 KI 4g KBr 200g NaCl 42g 蒸留水で684mlとする 溶液D3 KBr 535g NaCl 113g 蒸留水で1,816mlとする 40℃において、特公昭58−58288号公報、及び
特公昭58−58289号公報に示される混合撹拌機中
のA3に、B3の684mlとC3の全量を1分間かけ
て添加した。銀電位(以後EAgともいう)を220m
Vに調整し、20分間オストワルド熟成した後にB3の
残り全量とD3の全量を40分かけて添加した。その
間、EAgは+220mVに制御した。
【0215】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、
沈澱脱塩を行った後、ゼラチン液を加え分散させ、乳剤
EM−2とした。
【0216】得られた乳剤EM−2中のハロゲン化銀粒
子約3,000個を電子顕微鏡により観察、測定し形状
を分析したところ、平均円相当直径0.8μm、平均厚
さ0.1μmの(100)面を主平面とした平板状粒子
であり、変動係数は20%であった。
【0217】 (塩化銀含有率70モル%のAgBrCl(100)平板状乳剤EM−3の調製 ) 溶液A4 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g KBr 16.8g NaCl 8.3g 蒸留水で7,500mlとする 溶液B4 硝酸銀 1,500g 蒸留水で2,500mlとする 溶液C4 KI 4g KBr 143g NaCl 70g 蒸留水で684mlとする 溶液D4 KBr 382g NaCl 188g 蒸留水で1,816mlとする 上記溶液A4〜D4を用いて、EM−2と同様の方法に
より乳剤EM−3を得た。
【0218】得られた乳剤EM−3中のハロゲン化銀粒
子約3,000個を電子顕微鏡により観察、測定し形状
を分析したところ、平均円相当直径0.8μm、平均厚
さ0.1μmの(100)面を主平面とした平板状粒子
であり、変動係数は20%であった。
【0219】 (高塩化銀(100)平板状乳剤EM−4の調製) 溶液A5 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g NaCl 16.5g 蒸留水で7,500mlとする 溶液B5 硝酸銀 1,500g 蒸留水で2,500mlとする 溶液C5 KI 4g NaCl 140g 蒸留水で684mlとする 溶液D5 NaCl 375g 蒸留水で1,816mlとする 上記溶液A5〜D5を用いて、EAgを+150mVに
調整する以外はEM−2と同様の方法により乳剤EM−
4を得た。
【0220】得られた乳剤EM−4中のハロゲン化銀粒
子約3,000個を電子顕微鏡により観察・測定し形状
を分析したところ、平均円相当直径0.8μm、平均厚
さ0.1μmの(100)面を主平面とした平板状粒子
であり、変動係数は20%であった。
【0221】 (沃化銀微粒子の調製) A6 オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で2,000mlにする B6 硝酸銀 360g 蒸留水で605mlにする C6 KI 352g 蒸留水で605mlにする 反応容器に溶液A6を加え、40℃に保ち撹拌しなが
ら、溶液B6及び溶液C6を同時混合法により30分を
要して定速で添加した。
【0222】添加中のpAgは常法のpAg制御手段で
13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒径0.06
μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であった。
【0223】この乳剤を沃化銀微粒子乳剤と呼ぶ。
【0224】(分光増感色素の固体微粒子分散物の調
製)下記分光増感色素(A)及び(B)を100:1の
比率で予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(デ
ィゾルバー)で3,500rpmにて30〜120分間
にわたって撹拌することによって、分光増感色素の固体
微粒子状の分散物を得た。このとき増感色素(A)の濃
度が2%になるように調製した。
【0225】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキ
サカルボシアニン塩無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリウ
ム塩無水物 (セレン増感)乳剤EM−1〜EM−4を以下の方法で
分光増感及び化学増感を施すことによって、化学増感乳
剤EM−A〜EM−Dを得た。
【0226】乳剤を60℃にした後、増感色素(A)が
銀1モル当たり460mgになるように、上記固体微粒
子分散物を加えた後に、チオシアン酸アンモニウム塩を
銀1モル当たり7.0×10-4モルを加え、塩化金酸カ
リウムとチオ硫酸ナトリウム及びトリフェニルフォスフ
ィンセレナイドを銀1モル当たり3.0×10-6モル、
添加して最適に化学熟成を行い、上記沃化銀微粒子乳剤
を3×10-3モル/Ag1モル添加後、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI)を3×10-2モル加えて安定化した。
【0227】(コロイド状酸化スズゾル分散液の合成
例)塩化第二スズ水和物65gを水溶液2,000cc
に溶解し均一溶液を得た。次いでこれを煮沸し共沈澱物
を得た。生成した沈澱物をデカンテーションにより取り
出し、蒸留水にて沈澱を何度も水洗する。沈澱を洗浄し
た蒸留水中に硝酸銀を滴下し塩素イオンの反応がないこ
とを確認する。この沈殿物を蒸留水1,000cc中に
添加して分散後、全量を2,000ccとする。さらに
30%アンモニア水を40cc加え、水浴中で加温する
と、SnO2ゾル溶液が生成する。塗布液として用いる
ときには、このゾル溶液へアンモニアを吹き込みながら
濃度約8%に濃縮して用いる。また、このゾル溶液に含
まれる粒子の体積固有抵抗については、ゾル溶液を用い
てシリカガラス上に薄膜を形成し、四端子法で測定した
値を粒子の体積固有抵抗値とした。測定された体積固有
抵抗は3.4×104Ωcmであった。
【0228】(酸化スズゾル下引き済み支持体の作成)
次に、濃度0.170に青色着色したX線用のポリエチ
レンテレフタレートフィルムベース(厚み175μm)
の片側に、0.5kV・A・min/m2のコロナ放電
処理を施した後、下記(L−2)で示す下塗りラテック
ス液を乾燥後の膜厚が0.2μmになるように、下記
(L−1)を乾燥後の膜厚が0.053μmになるよう
に順次塗布して123℃で2分間乾燥した。
【0229】(L−1) C65−CH2−CH2−CH(X)−CH2(Y) X:COOH or COONa Y:COONa or COOCH2CF2CF2H (L−2)n−ブチルアクリレート10重量%、t−ブ
チルアクリレート35重量%、スチレン27重量%及び
2−ヒドロキシエチルアクリレート28重量%の共重合
体ラテックス液(固形分30%)。
【0230】同じベースのもう一方の側の下層には上記
(合成例)で合成したSnO2ゾル、前記(L−2)液
及び下記(L−4)液を容量比で35:15:50で混
合した塗布液を、乾燥後の膜厚0.20μm、ゾル成分
の付き量400mg/m2になるように、上層には前記
(L−1)及び下記(L−3)液を容量比で70:30
で混合した塗布液を乾燥後の膜厚0.053μmになる
ように同時に塗布し、120℃で1分間乾燥した。塗布
前には、0.5kV・A・min/m2のコロナ放電処
理をした。
【0231】(L−3)テレフタル酸ジメチル34.0
2重量部、イソフタル酸ジメチル25.52重量部、5
−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩12.97
重量部、エチレングリコール47.85重量部、1,4
−シクロヘキサンジメタノール18.95重量部、酢酸
カルシウム1水塩0.065重量部、酢酸マンガン4水
塩0.022重量部を窒素気流下において170〜22
0℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行
った後、リン酸トリメチル0.04重量部、重縮合触媒
として3酸化アンチモン0.04重量部及び1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸15.08重量部を加え、2
20〜235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエ
ステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間か
けて減圧、昇温し最終的に280℃、1mmHg以下で
約1時間重縮合を行い、ポリエステル重合体を得た(固
有粘度0.35)。
【0232】得られたポリエステル重合体の水溶液7,
300gに、スチレン30g、ブチルメタクリレート3
0g、グリシジルメタクリレート20g、アクリルアミ
ド20g及び過硫酸アンモニウム1.0gを投入して8
0℃で5時間反応させ、室温に冷却して固形分を10重
量%に調整し塗布液を得た。
【0233】(L−4)n−ブチルアクリレート40重
量%、スチレン20重量%、グリシジルメタクリレート
40重量%の共重合体ラテックス液。
【0234】以上が下引層を有する支持体の説明である
が、以下乳剤層または保護層上層に添加される複合ラテ
ックスについて説明する。
【0235】(複合ラテックスの合成) (複合ラテックスLx−1の製造例1)1,000ml
の4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロート、窒素
導入管、還流冷却器を取り付け、窒素ガスを導入して脱
酸素を行いつつ、蒸留水360cc、30重量%のコロ
イダルシリカ分散物126gを加え、内部の温度が80
℃となるまで加熱した。下記(化27)の界面活性剤
1.3gを添加し、開始剤として過硫酸アンモニウム
0.023gを添加し、次いでピバリン酸ビニル12.
6gを添加して、4時間反応させた。その後冷却し水酸
化ナトリウム溶液でpHを6に調整して複合ラテックス
Lx−1を得た。
【0236】
【化27】
【0237】(複合ラテックスLx−2の製造例2)
1,000mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴
下ロート、窒素導入管、還流冷却器を取り付け、窒素ガ
スを導入して脱酸素を行いつつ、蒸留水360cc、3
0重量%のコロイダルシリカ分散物126gを加え、内
部の温度が80℃となるまで加熱し、ヒドロキシプロピ
ルセルロース4.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸1
gを添加した。開始剤として過硫酸アンモニウム0.0
23gを添加し、次いで酢酸ビニル12.6gを添加し
て、4時間反応させた。その後冷却し水酸化ナトリウム
溶液でpHを6に調整して複合ラテックスLx−2を得
た。
【0238】(複合ラテックスLx−3の製造例3)製
造例1において、ピバリン酸ビニルに代えてエチルアク
リレート6.3g、グリシジルアクリレート6.3gを
添加した以外は同様にして複合ラテックスLx−3を得
た。
【0239】なお、上記複合ラテックスLx−1〜Lx
−3は、何れも無機化合物:疎水性ラテックス=4:1
の割合で構成される。
【0240】(本発明の感光材料の作成)上記下引き済
み支持体の両面にそれぞれ、下記の横断光遮断層塗布液
と乳剤層塗布液と保護層塗布液を下記の所定の塗布量に
なるように同時重層塗布し、乾燥した。
【0241】 第1層(横断光遮断層) ゼラチン 0.2g/m2 固体微粒子分散体染料(AH) 20mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た乳剤EM−A〜Dに下記の各種添加剤を加え
た。
【0242】 ゼラチン(乳剤EM−A〜D中の分も含める) 1.2mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5−トリ アジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 5mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 20mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 1mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 50mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 20mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 化合物(P) 0.2g/m2 化合物(Q) 0.2g/m2 疎水性ラテックス 水溶性ポリマー ロイコ化合物 第3層(保護層下層) ゼラチン 0.3g/m2 ジオクチルフタレート 0.2g/m2 第4層(保護層上層) ゼラチン 0.3g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 27mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ポリシロキサン(SI) 50mg/m2 化合物(I) 30mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m 化合物(K) 15mg/m2 硬膜剤(B) 2mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 疎水性ラテックス ここで、上記各素材の付量は片面分であり、塗布銀量は
片面あたり1.5g/m2となるように調整して塗布
し、試料No.1〜18を作成した。
【0243】上記18種類の感光材料(試料No.1〜
18)の第1層(横断光遮断層)、第2層(乳剤層)又
は第4層(保護層上層)に含有される固体微粒子分散体
染料(AH)、化合物(I)、後記表1に記載される疎
水性ラテックス(L)、化合物(G)、化合物(H)、
化合物(M)、化合物(N)、化合物(P)、化合物
(Q)、ポリシロキサン(SI)、化合物(S−1)、
化合物(K)、硬膜剤(B)、化合物(J)、化合物
(O)及び化合物(S−2)の各化合物の化学構造を下
記に示す。
【0244】又、後記の表2に記載される試料No.4
の第2層(乳剤層)中に含有される化合物(Z)は比較
用の染料であり、その化学構造を下記に示す。
【0245】
【化28】
【0246】
【化29】
【0247】
【化30】
【0248】
【化31】
【0249】
【化32】
【0250】次に上記18種類の感光材料(試料No.
1〜18)の第2層(乳剤層)及び第4層(保護層上
層)中に含有される疎水性ラテックスや水溶性ポリマー
の種類及び添加量を表1に示した。
【0251】
【表1】
【0252】又、上記18種類の感光材料(試料No.
1〜18)の第1層(横断光遮断層)及び第2層(乳剤
層)中に含有されるロイコ化合物の種類及び添加量を表
2に示した。
【0253】
【表2】
【0254】 (蛍光増感紙1の製造) 蛍光体Gd22S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合体ポリウレタン系熱可塑性エラストマー「デモラックTPKL−5−26 25 固形分40%」(住友バイエルウレタン(株)製) 20g ニトロセルロース(硝化度11.5%) 2g 上記にメチルエチルケトン溶媒を加え、プロペラ型ミキ
サーで分散させて粘度25ps(25℃)の蛍光体層形
成用塗布液を調整した(結合剤/蛍光体比=1/2
2)。
【0255】また、別途に下塗層形成用塗布液として軟
質アクリル樹脂固形分90g、ニトロセルロース50g
をメチルエチルケトンを加えて分散、混合して粘度3〜
6ps(25℃)の分散液を調整した。
【0256】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレートベース(支持体)をガラ
ス板上に水平に置き、上記下塗り層形成用塗布液をドク
ターブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、25
℃から100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い
支持体上に下塗り層を形成した。塗布膜の厚さは15μ
mであった。
【0257】この上に上記の蛍光体層形成用塗布液をド
クターブレードを用いて膜厚240μmで均一に塗布乾
燥し、次いで圧縮を行った。圧縮はカレンダーロールを
用いて800kgw/cm2の圧力、80℃の温度で行
った。この圧縮後、特開平6−75097号の実施例
(1)に記載の方法で厚さ3μmの透明保護膜を形成し
た。
【0258】以上のようにして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜からなる蛍光増感紙1を製造した。
【0259】(蛍光増感紙2の製造)蛍光増感紙1の製
造において蛍光体層形成用塗布液の膜厚を150μmで
塗布し、圧縮を全く行わない以外は蛍光増感紙1と同様
にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜からなる
蛍光増感紙2を製造した。
【0260】(蛍光増感紙の特性の測定) <(1)感度の測定>イーストマン・コダック社製MR
E片面ハロゲン化銀写真感光材料に測定対象の蛍光増感
紙をX線源に対して前面に感光材料、その後に蛍光増感
紙を接触状態に配置して、距離法にてX線露光量を変化
させ、logE=0.15の幅でステップ露光した。露
光したハロゲン化銀写真感光材料を後述するハロゲン化
銀写真感光材料の特性の測定に記載した方法で現像処理
を行い測定試料を得た。
【0261】測定試料について、可視光にて濃度測定を
行い特性曲線を得た。感度はDmin+濃度1.0を得
るX線露光量の逆数で表し、蛍光増感紙1を100(基
準値)とした相対感度で表した。結果を表3に示した。
【0262】<(2)X線吸収量の測定>三相の電力供
給で80KVpで運転される固有濾過がアルミニウム
2.2mm相当のタングステン・ターゲット管から生じ
たX線を、厚さ3mmのアルミニウム板を透過させ、タ
ーゲット管のタングステン・アノードから200cmの
位置に固定した試料蛍光増感紙に到達させ、次いでその
増感紙を透過したX線量を蛍光増感紙の蛍光体層から5
0cm後ろの位置で電離型線量計を用いて線量測定し、
X線の吸収量を求めた。なお、基準として蛍光増感紙を
透過させないで測定した上記測定位置でのX線量を用い
た。
【0263】得られたそれぞれの蛍光増感紙のX線吸収
量の測定値を表3に示した。
【0264】
【表3】
【0265】(現像補充用錠剤の作成)以下の操作
(A)及び(B)に従って現像補充用錠剤を作製した。
【0266】操作(A) 現像主薬のエリソルビン酸ナトリウム12,500gを
市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム2,000g、
ジメゾンS(1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4
−メチル−3−ピラゾリドン)2,700g、DTPA
(ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム)1,25
0g、5−メチルベンゾトリアゾール12.5g、1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾール4g、N−アセ
チル−D,L−ペニシラミン60gを加えミル中で30
分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分
間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造
粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物
の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整し
た造粒物にポリエチレングリコール#6000を1,6
70g、マンニット1,670gを25℃、40%RH
以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に
混合した後、得られた混合物を菊水製作所(株)製タフ
プレストコレクト1527HUを改造した打錠機により
1錠当たりの充填量を8.77gにして圧縮打錠を行
い、2,500個の現像補充用錠剤A剤を作成した。
【0267】操作(B) 炭酸カリウム4,000g,マンニット2,100g,
ポリエチレングリコール#6,000を2,100gを
操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は3
0.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして得ら
れた混合物を前出の打錠機により1錠当たりの充填量を
3.28gにして圧縮打錠を行い、2,500個の現像
補充用錠剤B剤を作成した。
【0268】(定着補充用錠剤の作成)次に以下の操作
で定着補充用錠剤を作成した。
【0269】操操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/3
0重量比)14,000g,亜硫酸ナトリウム1,50
0gを(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に
混合する。水の添加量は500mlとし、造粒後、造粒
物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全
に除去する。このようにして調製した造粒物に、N−ラ
ウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、25℃、4
0%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分間
混合する。次に得られた混合物を前出の打錠機により1
錠当たりの充填量を6.202gにして圧縮打錠を行
い、2,500個の定着補充用錠剤C剤を作成した。
【0270】操作(D) ほう酸1,000g,硫酸アルミニウム・18水塩1,
500g,酢酸水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウ
ムを等モル混ぜ乾燥させたもの)3,000g,酒石酸
200gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添
加量は100mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥
して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにし
て調製したものに、N−ラウロイルアラニンナトリウム
4gを添加し、3分間混合した後、得られた混合物を前
出の打錠機により1錠当たりの充填量を4.562gに
して圧縮打錠を行い、1,250個の定着補充用錠剤D
剤を作成した。
【0271】<センシトメトリーの評価>前記18種類
の感光材料試料を蛍光増感紙1で挟み、ペネトロメータ
B型(コニカメディカル(株)製)を介してX線照射
後、コニカ(株)製自動現像機SRX−701に固体処
理剤の投入部材をとりつけ、現像温度35℃で全処理時
間30秒で処理して感度測定を行った。ここで、各試料
の感度は、試料1の最低濃度+1.0の濃度を得るに必
要なX線露光量の逆数を100とした時の相対値で示し
た。
【0272】なお、現像液の処理開始(ランニング開
始)時には現像液補充用錠剤のA剤及びB剤各々434
個を希釈水で希釈調製した現像液16.5Lに対してス
ターター330mlを添加した液をスタート液として現
像槽を満たして処理を開始した。スターターを添加した
現像液のpHは10.45であった。
【0273】 現像液スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 水を加えて1Lとした。
【0274】また定着開始液は定着補充用錠剤のC剤を
298g相当、D剤を149g相当希釈水で希釈調製し
た定着液11.0Lをスタート液として定着槽を満たし
た。先に調製した感光材料に現像処理後の光学濃度が
1.0となるように露光を施し、ランニングを行った。
【0275】ランニング中は現像液には感光材料0.6
2m2あたりA剤、及びB剤が各2個と水を76ml添
加して行った。A剤、及びB剤を各20mlの水に溶解
したときのpHは10.70であった。定着液には感光
材料0.62m2あたり上記C剤を2個、D剤を1個及
び水を74ml添加した。各処理剤1個に対して水の添
加速度は処理剤の添加とほぼ同時に開始し、処理剤の溶
解速度におよそ比例して10分間等速で添加した。
【0276】<銀色調の評価>又、前記18種類の試料
を10cm×30cmに断裁し、蛍光増感紙1で挟んで
X線照射後、センシトメトリーの評価と同様の処理を行
い、目視で以下のように5段階で評価を行い、その結果
を表4に示した。
【0277】5:黄色みが全くなく、冷黒調である。
【0278】4:かすかに黄色みが見られるが、ほとん
ど気にならないレベルである。
【0279】3:黄色みが見られるが、実用上問題ない
レベルである。
【0280】2:黄色みが強く、実用上問題となる。
【0281】1:黄色みが著しく強く、実用上適さな
い。
【0282】<スリ傷黒化の評価>又、前記18種類の
試料を23℃,RH40%の条件下で1時間調湿した
後、同条件下で市販のナイロンタワシを用いて3.5×
30cmの試料に対して2×2cmの面積当たり300
gの荷重を与え、毎秒30cmのスピードで試料をこす
った。
【0283】ついでセンシトメトリーの評価と同様に3
0秒処理を行い、スリ傷黒化のレベルを下記の基準で目
視評価し、その結果を表4に示した。
【0284】5:全くスリ傷黒化がついていない。
【0285】4:わずかにスリ傷黒化があるが、ほとん
ど目立たない。
【0286】3:全体にスリ傷黒化がつくが、黒化濃度
が薄く目立たない。
【0287】2:スリ傷黒化の濃度も濃く、傷の本数も
多い。
【0288】1:実用に耐えないレベル。
【0289】
【表4】
【0290】表4より本発明の試料5〜17は、感度、
銀色調及び耐傷性に優れているが、比較試料1〜4は銀
色調または耐傷性の何れかが悪く実用性に乏しいことが
解る。
【0291】<超迅速処理性の評価>次に前記18種類
の試料の内、試料1、8、11、12、13、16、1
7及び18を選び、それぞれを蛍光増感紙1で挟んで前
記センシトメトリーの評価と同様にX線照射後、自動現
像機SRX−701を用いて下記30秒処理Bの外に、
下記15秒処理Aの超迅速処理を行い、かつ処理液の補
充量を表5の如く変化させて処理し、試料1を用いて3
0秒処理で、かつ(補充液/持ち出し量)の比が7の場
合の感度を100として表5の各試料の相対感度を測定
し、その結果を表5に示した。
【0292】A処理(全処理時間:15秒) 現像時間:4秒 定着時間:3.1秒 水洗時間:2秒 水洗−乾燥間(スクイズ):1.6秒 乾燥時間:4.3秒 B処理(全処理時間:30秒) 現像時間:9秒 定着時間:6.5秒 水洗時間:5.0秒 水洗−乾燥間(スクイズ):2.0秒 乾燥時間:7.5秒
【0293】
【表5】
【0294】表5より本発明の試料8、11、12、1
3、16、17は処理液の低補充でかつ、迅速処理にお
いても高感度であるが、比較試料1及び18では処理液
の低補充でかつ、迅速処理においては、感度低下が著し
いことが解る。
【0295】
【発明の効果】実施例で実証された如く、本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料、X線画像形成用組み体、X線画
像形成方法及び処理方法によれば、高感度であって、処
理液の低補充で、かつ超迅速処理行っても高いカバリン
グパワーと優れた銀画像の色調を有し、かつ対傷性にも
優れたX線画像が得られる等の効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 1/047 G03C 1/047 1/32 1/32 1/35 1/35 1/46 1/46 1/74 1/74 5/17 5/17 5/26 5/26 520 520 5/31 5/31 5/395 5/395 G21K 4/00 G21K 4/00 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、該親水性コロイド層が片面当た
    り0.4g/m2以下の疎水性ポリマーラテックスを含
    有し、かつ処理後に青色染料を与えることのできるロイ
    コ化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、該親水性コロイド層が疎水性ポ
    リマーラテックスを含有し、かつ分子量40,000以
    下の水溶性ポリマー及び処理後に青色染料を与えること
    のできるロイコ化合物を含有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ロイコ化合物が下記一般式(1)で
    表わされる化合物であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 〔式中、Wは−NR1(R2)、−OH又は−OZを表
    す。R1及びR2は各々、アルキル基又はアリール基を表
    し、Zはアルカリ金属イオン又は第4級アンモニウムイ
    オンを表す。R3は水素原子、ハロゲン原子又は1価の
    置換基を表し、nは1〜3の整数を表す。X、Z1及び
    2は、Z1、Z2に隣接する炭素原子と共に5〜6員の
    芳香族炭素環又は芳香族複素環を形成するに必要な原子
    群を表す。R4は水素原子、アシル基、スルホニル基、
    カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基、アルコ
    キシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表
    す。CPは以下の基を表す。 【化2】 式中、R5、R6、R7及びR8は各々、水素原子、ハロゲ
    ン原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。又、
    5とR6及びR7とR8は、互いに結合して5〜7員の環
    を形成してもよい。R9及びR12はR4と同義である。R
    10及びR11は各々、アルキル基、アリール基又は複素環
    基を表す。R13、R14及びR15は、それぞれR10、R11
    及びR12と同義である。R16はアルキル基、アリール
    基、スルホニル基、トリフルオロメチル基、カルボキシ
    ル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基又はシアノ基を表す。R17はR
    4と同義であり、R18はR3と同義であり、mは1〜3の
    整数を表す。R19及びR20は各々、アルキル基又はアリ
    ール基を表す。R21及びR24はR4と同義であり、R22
    及びR23は、それぞれR19及びR20と同義である。Yは
    二つの窒素原子と共に5もしくは6員の単環又は縮合環
    の含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表す。*は
    一般式(1)におけるCPとその他の部分構造との結合
    点を示す。〕
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)で表される化合物を銀
    1モル当たり1×10-6〜5×10-1モル含有すること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記疎水性ポリマーラテックスが無機微
    粒子を複合してなる複合ラテックスであることを特徴と
    する請求項1〜4の何れか1項に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロ
    ゲン化銀粒子が、2つの平行な(100)面からなる主
    平面を有する平板状であり、塩化銀含有率が20モル%
    以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 前記親水性コロイド層中の親水性バイン
    ダーの量が片面当たり1.0〜3.0g/m2であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 片面当たりの銀付量が1.0〜2.0g
    /m2であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1
    項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  9. 【請求項9】 支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を有
    する請求項1〜8の何れか1項に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成ることを特
    徴とするX線画像形成用組み体。
  10. 【請求項10】 支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を
    有する請求項1〜8の何れか1項に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成る組み体
    にX線を照射して像露光を行うことを特徴とするX線画
    像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記蛍光増感紙がX線エネルギーが8
    0kVpのX線に対して45%以上の吸収量を示し、該
    蛍光増感紙の蛍光体層の厚みが135〜200μmであ
    り、かつ該蛍光体層中の蛍光体の充填量が68%以上で
    あることを特徴とする請求項10に記載のX線画像形成
    方法。
  12. 【請求項12】 支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を
    有する請求項1〜8の何れか1項に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料の両面を蛍光増感紙で挟持して成る組み体
    にX線照射による像様露光を行った後、自動現像機を用
    いて現像、定着、水洗及び乾燥を行うことを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記自動現像機が処理槽に固体処理剤
    を供給する機構を有することを特徴とする請求項12に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  14. 【請求項14】 前記自動現像機の処理槽に補充する補
    充液量が、下記の式で表されることを特徴とする請求項
    12又は13に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。 1≦補充液量/感光材料による持ち出し量≦5
  15. 【請求項15】 前記自動現像機の現像、定着、水洗及
    び乾燥を含む全処理工程に要する処理時間(Dry t
    o Dry)が20秒以内であることを特徴とする請求
    項12〜14の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法。
JP26711396A 1996-10-08 1996-10-08 ハロゲン化銀写真感光材料、x線画像形成用組み体、x線画像形成方法及び処理方法 Pending JPH10111542A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019168348A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 東レ株式会社 シンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法

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