JPH10111279A - 渦電流探傷装置 - Google Patents

渦電流探傷装置

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JPH10111279A
JPH10111279A JP8268742A JP26874296A JPH10111279A JP H10111279 A JPH10111279 A JP H10111279A JP 8268742 A JP8268742 A JP 8268742A JP 26874296 A JP26874296 A JP 26874296A JP H10111279 A JPH10111279 A JP H10111279A
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coil
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精一 川浪
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政秋 黒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】渦電流探傷試験に供される渦電流探傷プローブ
において、水平,斜めリフトオフに対して検出のが落ち
ないこと。 【解決手段】被試験体1の表面上に2個の径の異なる検
出コイル2(2a,2b)が同心円上に配置されてい
る。また、2個の検出コイル2は、傷信号を取り出すブ
リッジ回路3に差動接続されている。2個の検出コイル
2は、渦電流によって検出コイル2内に発生する鎖交磁
束が等しくなるように調節されている。2個の検出コイ
ル2の上に、交流駆動によって被試験体に渦電流を誘起
させるための励磁コイル4が配置されている。なお、こ
の励磁コイル4の中心は、検出コイル2の中心軸上に配
置されている。また、この励磁コイル4に交流電流を与
える発振器5が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非破壊で内部の傷を
検査する渦電流探傷試験に供される渦電流探傷プローブ
に関する。
【0002】
【従来の技術】渦電流探傷試験は、鉄鋼・非鉄材料の製
造時における検査及び熱交換機の細管など各種プラント
における保守検査などに広く用いられており、渦電流探
傷プローブはその探傷装置の性能を決める重要な要素の
一つである。
【0003】従来の渦電流探傷プローブの例を図11に
示す。1は被試験体で、50は励磁・検出コイル、51
は励磁コイル、52は検出コイルである。従来の渦電流
探傷プローブは、励磁,検出コイルとしてボビンコイル
やパンケーキコイル等を用いる。そして、探傷プローブ
は、コイル50,52自身のインピーダンス変化から傷
の有無を調べるアブソリュート型{図11の(a),
(b)}と、二つのコイル50,52の差動成分から傷
の有無を調べるディファレンシャル型{図11の
(c),(d),(e)}とに分けられる。
【0004】またさらに、渦電流を誘起させるための励
磁と、渦電流による磁界の検出を同じコイル50で行う
自己誘導型{図11の(a),(c),(e)}と、励
磁の為の励磁コイル51と、検出の為の検出コイル52
との2種類のコイルからなる相互誘導型{図11の
(b),(d)}とにわけられる。特にディファレンシ
ャル型は、アブソリュート型に比べて、コイルと被試験
体の間の距離が変化する水平リフトオフによるノイズに
強いという特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の渦電流
探傷プローブ(特にアブソリュート型)では、リフトオ
フによってリフトオフ信号が発生し、傷信号がこれに埋
もれてしまい検出能を悪化させるという問題があった。
【0006】また、リフトオフに強いディファレンシャ
ル型においても、被試験体に対してプローブが傾く斜め
リフトオフ(図12)に対しては、二つのコイル52と
被試験体1までの距離l1 ,l2 に差が生じることによ
って、斜めリフトオフ信号が発生して傷の検出能が悪く
なると言う問題があった。なお、51は励磁コイルであ
る。
【0007】また、図11の(e)に示す渦電流探傷プ
ローブは、斜めリフトオフに対して、検出能の低下が少
ない。このプローブは、交差して配置された2個のコイ
ルを差動接続したものである。しかし、このプローブは
検出能に指向性があり、特に走査方向に対して45゜の
方向の傷検出能が落ちるという問題点がある。本発明の
目的は、リフトオフに対して検出能が低下せず、検出能
に指向性の改善を図った渦電流探傷プローブを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の渦電流探傷プローブは以下のように構成さ
れている。 (1) 本発明の渦電流探傷装置(請求項1)は、交流
駆動によって被試験体に誘起された渦電流による磁場の
変位を検出するためのコイルを含む渦電流探傷プローブ
を用いて構成される渦電流探傷装置において、前記渦電
流探傷プローブは、同軸上に配置され、且つ差動接続さ
れた径の異なる2個のコイルからなることを特徴とす
る。
【0009】この場合、前記2個のコイルを検出コイル
とし、これら2個の検出コイルと同軸状に励磁コイルを
設けて、相互誘導型の構成にすることが望ましい。 (2) 本発明の渦電流探傷装置(請求項2)は、交流
駆動によって被試験体に誘起された渦電流による磁場の
変位を検出するためのコイルを含む渦電流探傷プローブ
を用いて構成される渦電流探傷装置において、前記コイ
ルが菱形の各頂点部に中心を有するよう配置され、且つ
菱形の対角線上に配置されている一対のコイルが同相接
続され、且つ同相接続された2組のコイルが差動接続し
て渦電流探傷プローブが構成したことを特徴とする。 (3) 本発明の渦電流探傷装置(請求項3)は、交流
駆動によって被試験体に渦電流を誘起し、且つ誘起され
た渦電流による磁場の変位を測定するコイルを含む渦電
流探傷プローブを用いて構成される自己誘導方式の渦電
流探傷装置において、特性が同じである前記コイルが、
菱形の各頂点部に中心を有するよう配置され、菱形の対
角線上の頂点部に配置されている一対のコイルが逆相接
続され、且つ逆相接続された2組のコイルが差動接続し
て渦電流探傷プローブが構成したことを特徴とする。 (4) 本発明の渦電流探傷装置(請求項4)は、
(2)或いは(3)に記載の前記渦電流探傷プローブが
複数個配列形成され、隣り合う渦電流探傷プローブ間で
前記菱形の各頂点部に中心を有する四つのコイルの中の
一つのコイルを共有し、且つ渦電流探傷プローブを切り
替える手段を具備することを特徴とする。
【0010】この場合、複数の渦電流探傷プローブが、
円柱の基体の側面に配置されている。上記各構成におい
て、磁場を検出するコイルは、被試験体に傷がない時、
鎖交磁束が等しくなるよう調節される。
【0011】本発明の渦電流探傷プローブは上記構成に
よって以下の作用・効果を有する。(1)に記載の渦電
流探傷装置では、傷が無いときの二つの検出コイルから
の信号がキャンセルされるように電気的にその信号比を
調整するか、傷が無いときに二つのコイルの鎖交磁束が
それぞれ等しくなるように二つのコイルの巻き数比を調
整することが好ましい。
【0012】上記プローブを自己誘導型で構成した場
合、二つのコイルの径や巻き数が異なるため、それぞれ
のコイルで発生した励磁信号に位相差が生じ交流磁場の
分布に乱れが生じるが、相互誘導型で構成された場合に
は、励磁はコイルの状態に関係が無く、且つ磁場分布に
乱れが生じない。
【0013】また、傷がある部位を探傷プローブが走査
すると、被試験体の傷付近における渦電流が変化し渦電
流の形成する交流磁場が乱れる。磁場の乱れは、先ず径
の大きいコイルで検出される。そのため、二つのコイル
の鎖交磁束に差が生じ、傷が検出される。
【0014】水平リフトオフの変化が有る場合、探傷プ
ローブと被試験体との距離が変化するが、二つのコイル
は同心円上に配置されているため、その鎖交磁束は等し
くその差は0になり、リフトオフ信号は検出されない。
また、図13に示すように斜めリフトオフの変化が有る
場合、二つのコイル2(2a,2b)の中心から被試験
体1までの距離lは互いに等しいので、コイル2間の鎖
交磁束の差は小さく、リフトオフ信号の低減を図ること
ができる。また、被試験体上には励磁コイル4によって
円形の渦電流が誘起されているので、あらゆる方向の傷
の検出が可能となる。
【0015】次に(2)に記載の渦電流探傷装置によれ
ば、励磁によって被試験体に渦電流が誘起され、この渦
電流の変化を磁気的に結合する検出コイルによって検出
する。4個の検出コイルは、対角同士の2個のコイルが
同相接続され、さらに同相接続された2組の検出コイル
が差動接続されている。従って、見かけ上は2個のコイ
ルが差動接続された形となっている。
【0016】差動接続された2組の検出コイルの検出中
心は、4個のコイルが菱形の各頂点に配置されているの
で同一となる。このため、水平リフトオフ変化に対して
は、同相接続された2組のコイル間で完全にキャンセル
される。また、図14に示すような斜めリフトオフに対
しては、同相接続された2組のコイル20,21の検出
中心が同じになっている。従って、被試験体が傾いて
も、検出中心と被試験体との距離lは互いに変わらない
ので、リフトオフ信号を大幅に低減することができる。
【0017】なお、同相接続とは、コイルの極性を同じ
向きにして接続することで、差動接続とは出力電圧の差
をとるように接続することである。その同相接続,並び
に差動接続の等価回路的に表したものを図15に示す
(また、この接続は図15(b)のようにも表すことが
できる。)。なお、図15において、黒点は各コイルの
極性を示し、矢印は各コイルが発生する電圧の方向を示
している。図15において、60a〜dは検出コイル
で、61a〜dは励磁コイルである。そして、コイル6
0aと60bとが菱形の対角線上の頂点部に配置されて
いる。また、同様にコイル60cと60dとがそれぞれ
菱形の対角線上の頂点部に配置されている。図15
(a)において、コイル60aとコイル60bがコイル
の極性が同じ向きに接続されている、つまり同相接続さ
れている。同様にコイル60cと60dとが同相接続さ
れている。そして、コイル60a,60bの組とコイル
60c,60dとの組とが、それらの出力電圧の差をと
るように接続されている、つまり差動接続されている。
【0018】(3)に記載の渦電流探傷装置によれば、
菱形の各頂点に特性が同じコイルが配置され、且つ対角
線上に配置されている該コイルが逆相接続され、逆相接
続された2組のコイルは差動接続されている。
【0019】この例を具体的に図16に示す。なお、実
際の構成は自己誘導型であるが、ここではわかりやすい
ように励磁と検出の極性が同じである相互誘導型で表し
ている。図16において、70a〜dは検出コイルで、
71a〜dは励磁コイルである。そして、コイル70a
と70bとが菱形の対角線上の頂点部に配置されてい
る。また、同様にコイル70cと70dとがそれぞれ菱
形の対角線上の頂点部に配置されている。コイル70a
とコイル70bとは、極性が逆の向きに接続されている
が励磁コイル71a,71bの極性が逆になっているた
め二つのコイル70a,bの出力電圧は和となる(これ
を逆相接続という)。そして、コイル70c,dも逆相
接続されている。そしてコイル70a,bの組とコイル
70c,dとの組が、出力電圧の差をとるよう差動接続
されている。
【0020】(4)に記載の渦電流探傷装置によれば、
(2)又は(3)に記載のプローブの配置構成におい
て、センサが複数配列形成され、且つセンサとセンサの
一部が重なった状態になっている。従って、配列されて
いる方向の検出感度の死角を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係わる
渦電流探傷プローブの構成を示す図である。図1の
(a)は渦電流探傷プローブの模式図で、図1の(b)
は断面図である。被試験体1の表面上に2個の径の異な
る検出コイル2(2a,2b)が同心円上に配置されて
いる。また、差動接続されている2個の検出コイル2
a,2bは、傷信号を取り出すブリッジ回路3に接続さ
れ、傷信号だけが取りだされる。2個の検出コイル2
a,2bは、被試験体1に傷がない場合に、渦電流によ
って検出コイル2内に発生する鎖交磁束が等しくなるよ
うに予め調節されている。
【0022】2個の検出コイル2の上に、交流駆動によ
って被試験体に渦電流を誘起させるための励磁コイル4
が配置されている。なお、この励磁コイル4の中心は、
検出コイル2の中心軸上に配置されている。また、この
励磁コイル4に交流電流を与える発振器5が接続されて
いる。
【0023】本装置では、傷がない場合ブリッジ回路3
の出力は0となる。また、傷がある場合、ブリッジ回路
3に出力が表れ、傷を検出することができる。本装置の
動作について説明する。先ず、励磁コイル4に発振器5
から交流電流を供給し交流磁場を発生させ、被試験体1
表面に渦電流6を誘起させる。検出コイル2は、渦電流
6によって形成される磁場の変化を検出する。
【0024】渦電流6の流れている領域に傷がないと、
渦電流6は定常状態にある。そして、定常状態の渦電流
6では鎖交磁束が等しくなるように調節された検出コイ
ル2a,2bによって信号がキャンセルされ、ブリッジ
回路3の出力は0となる。一方、被試験体1に傷7があ
る場合、渦電流6に乱れが生じ、外側と内側の検出コイ
ル2a,2bの鎖交磁束に差が生じる。そして、鎖交磁
束の違いが、ブリッジ回路3で検出され、傷7が検出さ
れる。
【0025】また、水平リフトオフがある場合、2個の
検出コイルは同心円上にあり、その鎖交磁束は等しくな
るため、リフトオフ信号はキャンセルされ、ブリッジ回
路の出力は0となる。また、斜めリフトオフの場合、2
個の検出コイルの検出中心は被試験体と互いに等しい距
離にあるので、2個の検出コイルの鎖交磁束の差は小さ
く、リフトオフ信号が低減される。
【0026】次に本実施形態の構成を細管等の円筒試料
内部の探傷に用いる場合について図2を用いて説明す
る。ここで、図1と同一なものには同一符号を付し、そ
の説明を省略する。細管等の円筒試料の探傷では例えば
プローブ基体11に励磁コイル4,検出コイル2を取り
付けて探傷を行う。しかし、円筒試料10が曲率を有す
る場合等は、プローブが円筒試料10の中心軸に対して
斜めになる。しかし、このプローブを用いることによっ
て、水平リフトオフ信号はキャンセルされ、斜めリフト
オフ信号を低減することができる。従って、傷の検出能
を向上させることができる。
【0027】次に、圧延工程における鉄板の探傷に用い
る場合について図3を用いて説明する。鉄板15などの
圧延工程において、鉄板15の渦電流探傷試験を行う場
合、ローラなどの移動装置上を高速で移動する鉄板15
のリフトオフは一定ではない。しかし、本発明の探触子
を用いることによって、リフトオフ信号を低減すること
ができ、傷の検出能を向上させることができ、鉄板の品
質を保持することができる。 (第2実施形態)図4は本発明の第2実施形態に係わる
渦電流探傷プローブの構成の概念を示す模式図である。
図4の(a)は渦電流探傷プローブの模式図で、図4の
(b)は平面図で、図4の(c)は断面図である。ま
た、図5は本実施形態の渦電流探傷プローブの検出コイ
ル部の回路構成を示す模式図である。被試験体1の上方
に菱形の各頂点部に中心を有するよう4個の検出コイル
20(20a,20b),21(21a,21b)が配
置されている。4個の検出コイル20a,20b,21
a,21bは、渦電流6が定常状態である時、鎖交磁束
が等しくなるように調節されている。
【0028】そして、対角線上に配置されている検出コ
イル20aと20b及び21aと21bは同相接続され
ている。そして、同相接続された2組の検出コイル2
0,21は差動接続されて、傷信号をとりだすブリッジ
回路3に接続されている。そして検出コイル20,21
上に被試験体1に渦電流6を誘起させるための励磁コイ
ル4が配置されている。励磁コイル4には、交流電流を
与える発振器5が接続されている。
【0029】本装置では、傷がない場合ブリッジ回路3
の出力は0となる。また、傷がある場合、ブリッジ回路
3に出力が表れ、傷を検出することができる。本実施形
態の動作について説明する。励磁コイル4に、発振器5
から交流電流を供給し、被試験体1の表面に渦電流6を
誘起させる。この渦電流6によって、交流磁場が生成さ
れ、渦電流6による鎖交磁束が検出コイル20,21を
通過し、検出コイル20,21内に電流が流れる。
【0030】傷がない場合、渦電流は定常状態にあり、
各検出コイル20,21内の鎖交磁束が等しく、ブリッ
ジ回路3の出力は0となる。傷がある場合、渦電流が乱
れ、検出コイル20,21内の鎖交磁束が各コイル間で
異なり、ブリッジ回路3に出力が表れ、傷が検出され
る。
【0031】また、水平リフトオフが有る場合、同相接
続された2組の検出コイル20,21の検出中心から被
試験体1までの距離は、2組の検出コイル20,21の
間で差はないので、平行リフトオフの変化に対しては、
リフトオフ信号がキャンセルされる。また、同様に斜め
リフトオフに対してもリフトオフ信号が大幅に減少す
る。
【0032】次に本実施形態の構成を細管等の円筒試料
内部の探傷に用いる場合について図6を用いて説明す
る。ここで図4と同一なものには同一符号を付し、その
説明を省略する。円筒試料10が曲率を有する場合等
は、プローブ11が円筒試料10の中心軸に対して斜め
になる。しかし、このプローブ11を用いることによっ
て、水平リフトオフ信号はキャンセルされ、また斜めリ
フトオフ信号を低減することができ、傷の検出能を向上
させることができる。
【0033】次に、圧延工程における鉄板の探傷に用い
る場合について図7を用いて説明する。ここで図4と同
一なものには同一符号を付し、その説明を省略する。鉄
板15の圧延工程において、鉄板15の渦電流探傷試験
を行う場合、ローラなどの移動装置上を高速で移動する
鉄板のリフトオフは一定ではない。しかし、本実施形態
のプローブを用いることによって、リフトオフ信号を低
減することができ、傷の検出能を向上させることがで
き、鉄板の品質を保持することができる。 (第3実施形態)図8は、本発明の第3実施形態に係わ
る渦電流探傷プローブの回路構成を示す図である。な
お、本実施形態の渦電流探傷プローブは、励磁と検出を
同じコイルで行う自己誘導型で駆動される。なお、図中
で黒点は、コイルの極性を示している。
【0034】対角線上の2個のコイル30aと30b及
び31aと31bは、それぞれ極性を逆にして接続され
ている。そして、同相接続された2組のコイル30(3
0a,30b)と31(31a,31b)が差動接続さ
れている。なお、各検出コイル30a,bが菱形の対角
線上の頂点部に配置され、31a,bが菱形の別の対角
線上の頂点部に配置されている。
【0035】上記のように接続すると、コイル30aか
ら両隣のコイル31a,31bを見ると、電流の向きが
逆となっている。その結果、コイル30aがコイル31
a,31bから受ける相互誘導は相殺される。すなわ
ち、コイル31a,31bに電流の変動が生じてもコイ
ル30aはその影響を受けない。なお、他のコイル30
b,31a,31bについても同様に、隣のコイルに変
動が生じても影響を受けない。 (第4実施形態)図9は、本発明の第4実施形態に係わ
る渦電流探傷プローブの構成を示す模式図である。管検
査用プローブは、例えば第2実施形態のコイルが円柱状
のプローブ基体40の周上に配列されている。コイル4
1a,41b,42a,42bの四つのコイルによって
一つの渦電流探傷プローブが形成されている。そして、
コイル41c,41d,42b,42cの四つのコイル
によって、一つの渦電流探傷プローブが形成されてい
る。つまり、コイル42bは、隣り合う二つの渦電流探
傷プローブによって共有されている。同様にして、プロ
ーブ基体40の円周上全体にわたってプローブ(セン
サ)が形成されている。そして、この各センサを電気的
に切り替えることによって、管内部の周方向を検査し、
さらに軸方向に挿引していくことによって、管の全長検
査を行う。
【0036】本実施形態のプローブは、隣り合ったセン
サ間でコイルを共有するので、周方向のコイル数を少な
くすることができる。また同時に、図10に示すように
四つのコイルを一つのセンサとして考えると、センサ4
3aはセンサ43b,センサ43cと周方向に対し一部
が重なった状態となり、周方向に対して検出感度の死角
を低減することができる。
【0037】本発明は上述した実施形態に限定されるも
のではない。例えば、第4実施形態において、複数のセ
ンサが円柱の側面に配列形成されていたが、センサは円
柱側面に限らず、別の形状の基体に配列形成することが
可能である。その他、種々変形して実施することが可能
である。
【0038】
【発明の効果】本発明の渦電流探傷装置は、同一の検出
中心を有する2組の検出コイルを配置し、その2組の検
出コイルを差動接続することによって、水平リフトオフ
信号を完全にキャンセルすることができ、且つ斜めリフ
トオフ信号を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わる渦電流探傷プローブの構
成を示す図。
【図2】図1の渦電流プローブを円筒試料に適用した例
を示す図。
【図3】図1の渦電流プローブを圧延工程に適用した例
を示す図。
【図4】第2実施形態に係わる渦電流探傷プローブを示
す図。
【図5】図4の渦電流探傷プローブの検出コイルの回路
を示す図。
【図6】図4の渦電流プローブを円筒試料に適用した例
を示す図。
【図7】図4の渦電流プローブを圧延工程に適用した例
を示す図。
【図8】第3実施形態の渦電流探傷プローブの回路を示
す図。
【図9】第4実施形態の渦電流プローブを示す図。
【図10】図4のプローブを説明する図。
【図11】従来の渦電流探傷プローブを示す図。
【図12】従来の渦電流探傷プローブの斜めリフトオフ
を説明する図。
【図13】本発明の渦電流の斜めリフトオフの効果を示
す図。
【図14】本発明の渦電流の斜めリフトオフの効果を示
す図。
【図15】本発明の概念を説明する等価回路図。
【図16】本発明の概念を説明する等価回路図。
【符号の説明】 1 被試験体 2 検出コイル 3 ブリッジ回路 4 励磁コイル 5 発振器 6 渦電流 7 傷 10 円筒試料 11 プローブ基体 15 鉄板 20,21 検出コイル 30,31 励磁・検出コイル 40 円柱状のプローブ基体 41,42 検出コイル 43 センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流駆動によって被試験体に誘起された渦
    電流による磁場の変位を検出するためのコイルを含む渦
    電流探傷プローブを用いて構成される渦電流探傷装置に
    おいて、 前記渦電流探傷プローブは、同軸上に配置され、且つ差
    動接続された径の異なる2個のコイルからなることを特
    徴とする渦電流探傷装置。
  2. 【請求項2】交流駆動によって被試験体に誘起された渦
    電流による磁場の変位を検出するためのコイルを含む渦
    電流探傷プローブを用いて構成される渦電流探傷装置に
    おいて、 前記コイルが菱形の各頂点部に中心を有するよう配置さ
    れ、且つ菱形の対角線上に配置されている一対のコイル
    が同相接続され、且つ同相接続された2組のコイルが差
    動接続して渦電流探傷プローブが構成したことを特徴と
    する渦電流探傷装置。
  3. 【請求項3】交流駆動によって被試験体に渦電流を誘起
    し、且つ誘起された渦電流による磁場の変位を測定する
    コイルを含む渦電流探傷プローブを用いて構成される自
    己誘導方式の渦電流探傷装置において、 特性が同じである前記コイルが、菱形の各頂点部に中心
    を有するよう配置され、 菱形の対角線上の頂点部に配置されている一対のコイル
    が逆相接続され、且つ逆相接続された2組のコイルが差
    動接続して渦電流探傷プローブが構成したことを特徴と
    する渦電流探傷装置。
  4. 【請求項4】前記渦電流探傷プローブが複数個配列形成
    され、隣り合う渦電流探傷プローブ間で前記菱形の各頂
    点部に中心を有する四つのコイルの中の一つのコイルを
    共有し、且つ渦電流探傷プローブを切り替える手段を具
    備することを特徴とする請求項2又は3に記載の渦電流
    探傷装置。
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