JPH06347448A - 渦電流探傷プローブ - Google Patents

渦電流探傷プローブ

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JPH06347448A
JPH06347448A JP5138790A JP13879093A JPH06347448A JP H06347448 A JPH06347448 A JP H06347448A JP 5138790 A JP5138790 A JP 5138790A JP 13879093 A JP13879093 A JP 13879093A JP H06347448 A JPH06347448 A JP H06347448A
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JP
Japan
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coil
eddy current
flaw detection
magnetic field
detection probe
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Application number
JP5138790A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Ara
克之 荒
Noriya Ebine
典也 海老根
Shinjiro Takeuchi
信次郎 竹内
Kunihiko Hara
邦彦 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MISHIMA TAIMU IND KK
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
MISHIMA TAIMU IND KK
Japan Atomic Energy Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プローブの比較用コイルが不要で、信号処理
が容易な小型の渦電流探傷プローブを提供する。 【構成】 金属管内挿型の渦電流探傷プローブ110に
は、その外周面に磁界発生用の平面コイル111と、磁
界を検出するためのソレノイドコイル112a〜112
lとが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属管の欠陥及び傷割れ
を検査するための渦電流探傷プローブに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属内の欠陥及び傷割れを検査する従来
の渦電流探傷法の基本原理を図9に示す。11は渦電流
探傷プローブで、その中にコイル13が収納されてい
る。このコイルに交流電源14が接続されてコイルに交
流電源が流れると、交流磁界15が発生する。このよう
な状態で渦電流探傷プローブが被探傷金属12に接近す
ると、交流磁界は被探傷金属内に侵入し、電磁誘導作用
によりそこに渦電流16が発生して流れる。
【0003】さて、図10に示すように、渦電流21の
流れの中に傷割れ22が現われると、渦電流の流れが妨
げられ、23のように流れが乱される。これは等価的に
渦電流の流路の電気抵抗が増大したことに等しい。
【0004】以上の現象を包含した渦電流探傷プローブ
の等価電気回路を図11に示す。図において、rcは渦
電流探傷プローブのコイルの電気抵抗、l1は渦電流探
傷プローブ・コイルの漏洩インダクタンス、L1および
2はそれぞれ渦電流探傷プローブ・コイルと被探傷金
属間の磁気結合における渦電流探傷プローブ側自己イン
ダクタンスおよび被探傷金属側自己インダクタンスであ
る。l2 は被探傷金属側の漏洩インダクタンス、re
渦電流流路に対する等価電気抵抗である。このような等
価回路定数を用いて渦電流探傷プローブの端子間インピ
ーダンスΖを表すと、
【数1】 として、
【数2】
【数3】 となる。ここにωは交流電源の角周波数で、RとXはそ
れぞれ渦電流探傷プローブ・コイルの等価インピーダン
スΖの抵抗成分およびリアクタンス成分である。
【0005】(2)式および(3)式より被探傷金属内に欠陥
や傷割れが現われて等価電気抵抗re が変化するとRと
Xが変化し、したがって渦電流探傷プローブ・コイルの
等価インピーダンスΖが変化することがわかる。
【0006】従来の渦電流探傷法ではこの渦電流探傷プ
ローブ・コイルの等価インピーダンスΖをモニタするこ
とで、金属内に欠陥や傷割れが存在するか否かを検査し
ている。しかし、Ζの変化すなわちRとXのreによる
変化は、それぞれ(2)式および(3)式の右辺第2項のre
による変化であり、この変化分は通常それぞれの第1項
c 及びω(l1+L1)に比較して非常に小さく、そこ
で、この変化分のみを抽出してモニタするために、図1
2に示すように比較用コイルを用いる方式が採用されて
いる。すなわち、図12において41は被探傷金属、4
2は探傷用コイル、43は比較用コイル、44は探傷用
コイル42と比較用コイル43を内蔵する渦電流探傷プ
ローブである。そして、探傷用コイル42と比較用コイ
ル43は差動接続またはブリッジ回路接続されており、
探傷用コイル42の等価インピーダンスΖと比較用コイ
ル43の等価インピーダンスΖrの差、ΔΖ=Ζ−Ζr
が測定されて、被探傷金属内の欠陥又は傷割れによるΖ
の変化分すなわちRとXの変化分のみがモニタされるよ
うになっている。
【0007】以上のような原理に基づいた金属管内挿型
の渦電流探傷プローブの従来例を図13に示す。51は
被探傷金属管、52は金属管内挿型渦電流探傷プロー
ブ、53は探傷用コイル、54は比較用コイルである。
また、54が探傷用コイルとなるときには53は比較用
コイルとなる。探傷用コイル53と比較用コイル54は
差動接続またはブリッジ回路接続されて、それぞれのコ
イルのインピーダンスの差すなわち抵抗成分の差とリア
クタンス成分の差がモニタされる。この構造では2つの
コイルがプローブの円周に沿って巻かれており、金属管
内に誘導発生する渦電流は管の円周方向にのみ流れる。
したがって、円周方向の傷割れに対しては渦電流の乱れ
は少なく、円周方向の傷割れの検出は困難なので、管軸
方向の傷割れ(縦方向の傷割れ)の検出に使用されてい
る。
【0008】全方位の傷割れに対して有効な金属管内挿
型渦電流探傷プローブの従来例として図14に示すもの
がある。52は金属管内挿型渦電流探傷プローブ、61
及び61’は円形平面コイルである。61を探傷用コイ
ルとするとき61’は比較用コイルとなり、その逆も可
能である。この場合には、平面コイルは被探傷金属管の
内壁面に対面しているので、被探傷金属管内に誘導発生
する渦電流の流れは被探傷金属管内壁面を鏡としたとき
のコイル電流の鏡像となる。ただし電流の流れの方向は
逆方向となる。すなわち、被探傷金属管内の渦電流の流
れは円形状となるため、縦、横、斜めのいずれの方向の
傷割れに対しても渦電流の流れが乱され、したがって全
方位の傷割れの検出が可能となる。しかし、この構造で
は被探傷金属管のうちコイルと対面している箇所の傷し
か検出できないので、実際には図15の(A)に示すよ
うにプローブを回転させる「回転型プローブ」と称され
るものが開発されている。しかし、このプローブでは内
部に回転機構を有するため、プローブ長さが長く小型化
が困難で金属管の曲り部の探傷ができない。そこで、図
15の(B)に示すように多くの円形平面コイル(61
a〜61h)をプローブの全円周面にはりめぐらせた
「マルチコイル型」と称されるものが開発され使用され
ている。このマルチコイル型では、相隣り合うコイル同
志が差動接続またはブリッジ回路接続されており、それ
ぞれ探傷用コイルと比較用コイルの役割を果す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来より用いられてい
る金属管探傷用の渦電流探傷プローブには次ぎの問題点
がある。
【0010】I. 金属管の欠陥または傷割れによる探傷
用コイルのインピーダンス変化をモニタするため、図1
2及び図13に示すように、別途に比較用コイルが必要
となり、プローブの小型化の支障となっている。
【0011】II. 図15の(B)に示すマルチコイル
型プローブでは、相隣り合うコイル又は相対するコイル
を比較用コイルとして、すべてのコイルのインピーダン
ス変化をモニタする必要があり、信号処理に大きな負担
がかかり、信号処理システムが高価なものとなってい
る。
【0012】本発明は、以上の欠点を解決することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)1個または複数個の磁界センサを渦電流探傷プロ
ーブ内に内蔵させる。
【0014】(2)課題を解決するための手段(1)に
おいて、欠陥および傷割れの無い被探傷金属管に渦電流
探傷プローブを挿入したときに磁界センサの出力がゼロ
になるように渦電流探傷プローブ内の磁界センサの構成
と幾何学的配置を行う。
【0015】(3)課題を解決するための手段(1)又
は(2)において、渦電流探傷プローブのコイルとして
直列接続した複数個の平面コイルを円筒状物体の外周面
に並べて配置する。
【0016】(4)課題を解決するための手段(1)又
は(2)又は(3)において、磁界センサを1個または
複数個のソレノイドコイルとする。
【0017】
【作用】
(1)上記(1)の構成においては、1個又は複数個の
磁界センサにより欠陥または傷割れに基づく磁束変化が
検出される。
【0018】(2)上記(2)の構成においては、被探
傷金属に欠陥や傷割れがないときには、磁界センサの出
力はゼロで、欠陥や傷割れがあるときのみ出力信号を出
力する。
【0019】(3)上記(3)の構成においては、直列
接続された個々の平面コイルのインピーダンスを測定す
ることなく、磁界センサにより被探傷金属の欠陥または
傷割れに基づく磁束変化が生じ又は、そのときのみ出力
信号が出力され、そのため信号処理が容易となる。
【0020】(4)上記(4)の構成においては、磁界
センサとして安価なソレノイドコイルを用い、当該ソレ
ノイドコイルにより被探傷金属の欠陥や傷割れによる磁
束変化が生じ又はそのときのみ出力信号が出力される。
【0021】
【実施例】初めに、本発明の基本原理を図を参照して説
明する。
【0022】(イ)図1は、図9に示した渦電流探傷プ
ローブにおいて、交流電流が流れているソレノイドコイ
ルの開口部が金属面と対面したときに作る磁界について
説明するための図面である。図1の(A)において、1
3は交流電流が流れているソレノイドコイルでその開口
部の一つが平坦な金属面83に対して傾くことなく対面
している。コイル13に交流電流が流れると、交流磁界
15が発生する。コイルと金属面の間の任意の点82に
おける磁界ベクトルをvectorH(図1の太字のHを表
す)とし、そのx,y,z方向成分の振幅をそれぞれH
x,Hy,Hzとする。また、点82の(x,y,z)
座標における位置を(xP,yP,zP)とする。
【0023】いま、金属面及びその内部に欠陥や傷割れ
等がないものとすると、HxおよびHyのそれぞれ線
(x,yP,zP)および線(xP,y,zP)上における
分布はxまたはyに対して図1の(B)の実線で示すよ
うに奇関数となる。一方、Hzの線(x,yP,zP)お
よび線(xP,y,zP)上における分布はxまたはyに
対して図1の(C)に示すように偶関数となる。
【0024】ここで、被探傷金属板に欠陥や傷割れが現
われると金属内の渦電流の流れが乱され、その結果とし
て図1の(B)および(C)の実線で示した磁束分布の
対称性がくずれ、同図の点線のように変化する。したが
って、1個又は複数個の磁界センサにより欠陥または傷
割れに基づく磁束変化を検出すれば欠陥または傷割れの
存在を検出することができる。そして、この方法によれ
ば比較用コイルが不要となる。
【0025】すなわち、1個または複数個の磁界センサ
を渦電流探傷プローブ内に内蔵させることにより、金属
管の欠陥または傷割れによる探傷用コイルのインピーダ
ンス変化をモニタするため、図13に示すような別途の
比較用コイルは不要となり、プローブの小型化が可能と
なる。
【0026】(ロ)図1において、金属面及びその内部
に欠陥や傷割れ等がないものとすると、HxおよびHy
のそれぞれ線(x,yP,zP)および線(xP,y,
P)上における分布はxまたはyに対して図1の
(B)の実線に示すように奇関数となる。したがって、
図1の(B)の85に示すように、長さ2aの磁界セン
サを線(x,yP,zP)上にx=−a〜x=aにわたっ
て設置したとすると、磁界センサが検出する磁束総量φ
X は、磁界センサの形状および等価透磁率から定まる定
数をKとすると、
【数4】 となる。同様に、線(xP,y,zP)上のy=−a〜y
=aに設置したときに検出する磁束総量φyも、
【数5】 となる。このような条件下において、被探傷金属板に欠
陥や傷割れが現われると図1の(B)の点線のように磁
束分布の対称性が乱れ、(4)式および(5)式において、φ
x≠0、φy≠0、となる。すなわち、被探傷金属に欠陥
や傷割れがないときには出力がゼロで、欠陥や傷割れが
あるときのみ出力信号が得られるような磁界センサの空
間配置が可能となる。したがって、このような磁界セン
サとその空間配置を行うことによって、別途に比較用コ
イルを採用することなく、磁界センサの出力の有無によ
って金属内の欠陥や傷割れの存在が検出ができる。
【0027】一方、Hzの線(x,yP,zP)および線
(xP,y,zP)上における分布はxまたはyに対して
図1の(C)に示すように偶関数なので、(x=0)ま
たは(y=0)に対して対称な位置(x=−c及びx=
c)または(y=−c及びy=c)にz方向の長さ(b
−a)の磁界センサ87および88を配置し、磁界セン
サ87および88を直列差動接続すると、その出力Δφ
Z は、
【数6】 となる。このような条件下において、被探傷金属板に欠
陥や傷割れが現われると金属内に誘導している渦電流の
流れに乱れが生じ、図1の(C)の点数のように磁束分
布の対称性が乱れ、(6)式において、φZ≠0、となる。
すなわち、被探傷金属に欠陥や傷割れがないときには出
力がゼロで、欠陥や傷割れがあるときのみ出力信号が得
られるような磁界センサの構成と空間配置が可能とな
る。したがって、別途に比較用コイルを採用することな
く、磁界センサの出力の有無から金属内の欠陥や傷割れ
の存在が検出できる。
【0028】すなわち、1個または複数個の磁界センサ
を渦電流探傷プローブに内蔵させ、かつ、欠陥および傷
割れの無い被探傷金属管に渦電流探傷プローブを挿入し
たときに磁界センサの出力がゼロになるように渦電流探
傷プローブ内の磁界センサの構成と幾何学的配置を行う
ことにより、金属管の欠陥または傷割れによる探傷用コ
イルのインピーダンス変化をモニタするための図5に示
すような別途の比較用コイルが不要となり、プローブの
小型化が可能となる。
【0029】(ハ)図2は平面コイル及び直列接続され
た複数個の平面コイルの作用を説明するための図面であ
る。
【0030】図2の(A)において、91は平面コイル
の平面図で図中の矢印はコイル巻線に沿った電流の流れ
方向を示している。91’は平面コイル91の略図で矢
印によってその中の電流の流れ方向を表している。
【0031】図2の(B)は6個の平面コイル(91
a,92a,91b,92b,91c,92c)を横1
列に並べ、相隣合うコイルの電流の方向が互いに逆向き
になるように直列接続した図面である。
【0032】図2の(C)は横1列に並べた6個の平面
コイル(91a〜91f)をそれぞれに流れる電流の方
向が同じになるように直列接続した図面である。
【0033】さて、図1の(A)において、ソレノイド
コイル13の代わりに図2の(A)に示した平面コイル
91を金属面に対面させたとき、その作用は上記作用
(イ)及び(ロ)と等しい。すなわち、平面コイルの中
心点を原点とし、この原点よりz0だけ離れた平面コイ
ルの面と平面な面を(x,y,z0)面とすると、この
面上での磁界分布は図1に示した場合と同様に磁界のx
成分Hx及びy成分Hyは奇関数となりz成分Hzは偶
関数となる。
【0034】そこで、図2の(B)に示した直列接続コ
イルを金属管内挿型の円筒状プローブの外周面に取付け
て交流電流を流し、欠陥及び傷割れのない金属管内に挿
入した場合を考える。図3はこのときの作用を説明する
ための図面である。101は円筒状プローブ、91a〜
92cは図2の(B)に示した直列接続コイルである。
また、102a,102b,・・・,103a,103
b,・・・,103f,104a,104b,105は
磁界センサである。
【0035】ここで、座標系を円筒座標(r,θ,z)
とすると、平面コイル周辺の交流磁界の各成分Hr,H
θ,Hzの振幅は共にθに対して120°の周期で繰返
す周期関数となる。また、zに対するHzは奇関数とな
りHθ は偶関数となる。ただし、θ=(30+n6
0)°,n= 0,1,2,3,4,5、においてはHz
=0であり、θ=(n60)°,n= 1,2,3,4,
5、においてはHθ =0である。このような空間的に
磁界が平衡状態にあるとき、直列接続コイルに対面して
いる金属管部の局部に欠陥または傷割れが現われると、
その局部周辺の磁界が乱れ、したがって直列接続コイル
近傍に図3の102a,102b,・・・・,103a,1
03b,・・・・,103f,104a,104b,105
のように磁界センサを配置して欠陥または傷割れによる
磁界の乱れを検出すれば、直列接続された個々の平面コ
イルのインピーダンスを測定することなく、欠陥または
傷割れの存在が検出できる。このとき、上記作用(ロ)
の場合と同様に、被探傷金属管に欠陥や傷割れがないと
きには出力がゼロで欠陥や傷割れがあるときのみ出力信
号が得られるような磁界センサ群の空間配置が可能であ
り、これらの磁界センサ群を直列接続して全体として1
組〜2組の磁界センサとすることが可能であり、信号処
理が容易となる。
【0036】図3において、直列接続コイル91a〜9
2cの代わりに図2の(C)の直列接続コイル91a〜
91fを用いると、θに対する周期性が120°から6
0°へと1/2に変化する。しかし、zに対する対称性
には変化はなく、したがって直列接続コイル91a〜9
2cの代わりに直列接続コイル91a〜91fを採用し
ても、被探傷金属管に欠陥や傷割れがないときには出力
がゼロで欠陥や傷割れがあるときのみ出力信号が得られ
るような磁界センサ群の空間配置が可能であり、しかも
磁界センサで群を直列接続して全体として1組〜2組の
磁界センサ構成となして、信号処理を容易とすることが
可能である。
【0037】すなわち、(イ)で述べたような、1個ま
たは複数個の磁界センサを渦電流探傷プローブに内蔵さ
せる構造、あるいは(ロ)で述べたように、かかる構成
に加えて欠陥および傷割れの無い被探傷金属管に渦電流
探傷プローブを挿入したときに磁界センサの出力がゼロ
になるように渦電流探傷プローブ内の磁界センサの構成
と幾何学的配置を行うようにした構成において、渦電流
探傷プローブのコイルとして直列接続した複数個の平面
コイルを円筒状物体の外周面に並べて配置することによ
り、図15の(B)に示すマルチコイル型プローブで
は、相隣り合うコイル又は相対するコイルを比較用コイ
ルとして、すべてのコイルのインピーダンス変化をモニ
タする必要があり、信号処理に大きな負担がかかり、信
号処理システムが高価なものとなっていたが、そのよう
な高価な信号処理システムが不要となる。
【0038】(ニ)上記の作用(イ)、(ロ)及び
(ハ)において、渦電流探傷プローブのコイルに流す電
流は数10kHz〜数100kHzの高周波電流であ
る。したがって、渦電流探傷プローブのコイルが作る磁
界を検出するための磁界センサとして空心ソレノイドコ
イル又は鉄心入りソレノイドコイルを使用することが可
能となる。したがって、磁界センサの製作コストは安価
となり且つ形状も小型化が容易となり、被探傷金属管に
欠陥や傷割れがないときには出力がゼロで欠陥や傷割れ
があるときのみ出力信号が得られるような磁界センサ群
の空間配置と直列接続が安価に出来て、信号処理も容易
となる。
【0039】すなわち、(イ)で述べたような、1個ま
たは複数個の磁界センサを渦電流探傷プローブに内蔵さ
せる構成、あるいは(ロ)で述べたように、かかる構成
に加えて、欠陥および傷割れの無い被探傷金属管に渦電
流探傷プローブを挿入したときに磁界センサの出力がゼ
ロになるように渦電流探傷プローブ内の磁界センサの構
成と幾何学的配置を行うようにした構成において、また
は、この後者の構成において、(ハ)で述べたように、
渦電流探傷プローブのコイルとして直列接続した複数個
の平面コイルを円筒状物体の外周面に並べて配置する構
成において、磁界センサを1個または複数個のソレノイ
ドコイルとすることにより、図15の(B)に示すマル
チコイル型プローブでは、相隣り合うコイル又は相対す
るコイルを比較用コイルとして、すべてのコイルのイン
ピーダンス変化をモニタする必要があり、信号処理に大
きな負担がかかり、信号処理システムが高価なものとな
っていたが、そのような高価な信号処理システムが不要
となる。
【0040】図4に本発明の好適実施例を示す。110
は金属管内挿型の渦電流探傷プローブ、111はプロー
ブ110の外周面に取付けた平面コイル、112a〜1
12lは磁界を検出するための空心又は鉄心入りのソレ
ノイドコイルである。
【0041】平面コイル111は図5の(A)又は
(B)に示すような6個の平面コイルが直列接続された
ものである。111に交流電流が供給されると、111
を構成する6個の平面コイルのそれぞれには供給交流電
流のある半周期において図中の矢印で示すような方向の
電流が流れる。
【0042】図6は渦電流探傷プローブ110の平面図
でソレノイドコイル112a〜112lの取付け例を説
明する図面である。すなわち同図の(A)は、ソレノイ
ドコイル112a〜112lのそれぞれを平面コイル1
11の外側に取付けた例、また同図の(B)は内側に取
付けた例である。さらに、同図の(C)は平面コイル1
11と同じ外周位置に取付けた例である。
【0043】ソレノイドコイル112a〜112lのそ
れぞれは平面コイルが作るz方向(図4)の磁界Hzを
検出するが、プローブが欠陥または傷割れのない金属管
に挿入されたときにソレノイドコイルのそれぞれの出力
電圧がゼロ又は最小になるようにソレノイドコイルのそ
れぞれのz方向位置およびθ方向位置(図4)が調整さ
れている。したがって、プローブの平面コイルに対面す
る金属管位置に欠陥又は傷割れが現われると、その欠陥
又は傷割れ付近の磁界分布が乱れ、その近傍のソレノイ
ドコイルに大きな電圧が誘導する。この誘導電圧を検出
測定することによって、金属管の欠陥又は傷割れを検出
する。
【0044】ソレノイドコイル112a〜112lの出
力電圧をマルチプレクサなどを利用してそれぞれ独立に
測定してもよいが、金属管の欠陥又は傷割れのz方向の
位置の同定のみが重要でθ方向の位置の同定が重要でな
いときには、ソレノイドコイル112a〜112lを直
列接続してもよい。
【0045】図7の(A)又は(B)はソレノイドコイ
ル112a〜112lを直列接続して、全体としてそれ
ぞれ1個または2個の磁界センサを構成した実施例であ
る。
【0046】この実施例においては、ソレノイドコイル
112a〜112lのz方向の長さ2aは平面コイル1
11の幅hと同じとしたが、2a≠h、としてもよい。
【0047】図8は本発明の渦電流探傷プローブに接続
する電気回路の例で、従来の技術で構成されている。図
において、150は高周波の交流電源で、これよりプロ
ーブ部の平面コイル111と直列抵抗151に電流が供
給される。この電流値に比例した電圧159はオシロス
コープ160のx入力端子に供給される。磁界検出用の
直列接続されたソレノイドコイル112ak(図7の
(B)のD1−D1')および112bl(図7の(B)の
2−D2')の出力電圧はそれぞれ交流増幅器152お
よび153に供給される。増幅された信号は欠陥・傷割
れ判定回路157に供給され、ここで金属管の欠陥・傷
割れの有無が判定される。欠陥・傷割れ判定回路157
には必要に応じて比較信号電圧156が加えられる。ま
た交流増幅器152及び153の出力のどちらかが切換
えスイッチ158で選択されオシロスコープ160のy
入力端子に供給される。したがって、オシロスコープの
ブラウン管上に従来技術と類似のリサージュ図形が得ら
れる。
【0048】この実施例では、平面コイル111は6個
の直列接続された平面コイルで構成した例を示したが、
直列接続する平面コイルの全体数は6個より少なくても
よく、また多くてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、プローブの回転操作や
比較用コイル等が不要となり、小型で金属管の曲がり部
への挿入が可能な渦電流探傷プローブが供給出来ると共
に、複雑な信号処理操作等が不要となってデータ処理時
間も短縮され、全体システムのコスト低減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するための図であっ
て、交流電流が流れているソレノイドコイルの開口部が
金属面と対面したときに作る磁界について説明するため
の図である。
【図2】本発明に係る、平面コイル及び直列接続された
複数個の平面コイルの作用を説明するための図である。
【図3】本発明の基本原理を説明するための図であっ
て、直列接続された平面コイルを金属管内挿型の円筒状
プローブの外周面に取付けて交流電流を流したときの作
用を説明するための図である。
【図4】本発明の渦電流探傷プローブの好適実施例を示
す図である。
【図5】図4に示す渦電流探傷プローブに用いられる平
面コイル111の2種類を示す図である。
【図6】図4に示す渦電流探傷プローブの平面図で、ソ
レノイドコイル112a〜112lの取付け例を説明す
るための図である。
【図7】図4に示す渦電流探傷プローブのソレノイドコ
イル112a〜112lを直列接続して、全体としてそ
れぞれ1個または2個の磁界センサを構成した実施例を
示す図である。
【図8】本発明の渦電流探傷プローブに接続される電気
回路の一実施例を示す図である。
【図9】従来の渦電流探傷法の基本原理を説明するため
の図である。
【図10】金属内の欠陥又は傷割れによる渦電流の流れ
の乱れを説明するための図である。
【図11】渦電流探傷プローブの等価電気回路を示す図
である。
【図12】比較用コイルを用いる従来の渦電流探傷法を
説明するための図である。
【図13】金属管内挿型の渦電流探傷プローブの従来例
を説明するための図である。
【図14】全方位の傷割れに対して有効な金属管内挿型
渦電流探傷プローブの従来例を説明するための図であ
る。
【図15】「回転型プローブ」と称される従来の渦電流
探傷プローブを説明するための図である。
【符号の説明】
13 ソレノイドコイル 87、88 磁界センサ 91 平面コイル 101 円筒状プローブ 91a〜92c 直列接続コイル 102a、102b 磁界センサ 103a、103b、103f 磁界センサ 104a、104b、105 磁界センサ 110 渦電流探傷プローブ 111 平面コイル 112a〜112l 磁界検出用ソレノイドコイル。 112ak、112bl ソレノイドコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老根 典也 茨城県那珂郡東海村白方字白根2番地の4 日本原子力研究所東海研究所内 (72)発明者 竹内 信次郎 福岡県北九州市八幡東区枝光2−1−15 株式会社ミシマタイムインダストリー内 (72)発明者 原 邦彦 福岡県北九州市八幡東区枝光2−1−15 株式会社ミシマタイムインダストリー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個または複数個の磁界センサを渦電流
    探傷プローブ内に内蔵させた渦電流探傷プローブ。
  2. 【請求項2】 欠陥及び傷割れの無い被探傷金属管に渦
    電流探傷プローブを挿入したときに前記磁界センサの出
    力がゼロになるように渦電流探傷プローブ内の磁界セン
    サの構成と幾何学的配置を行った請求項1に記載の渦電
    流探傷プローブ。
  3. 【請求項3】 渦電流探傷プローブのコイルとして直列
    接続した複数個の平面コイルを円筒状物体の外周面に並
    べて配置した請求項1又は2に記載の渦電流探傷プロー
    ブ。
  4. 【請求項4】 前記磁界センサが1個または複数個のソ
    レノイドコイルである請求項1又は2又は3に記載の渦
    電流探傷プローブ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351890A (ja) * 2004-05-27 2005-12-22 General Electric Co <Ge> 全方向性渦電流プローブ及び検査システム
JP2009198314A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 渦電流探傷方法および渦電流探傷装置
US8779762B2 (en) 2009-12-18 2014-07-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Inspection device
CN113777154A (zh) * 2021-09-09 2021-12-10 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 一种增强涡流传感器线圈灵敏度的方法
CN113777154B (zh) * 2021-09-09 2024-06-07 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 一种增强涡流传感器线圈灵敏度的方法

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