JPH10110659A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JPH10110659A
JPH10110659A JP8263070A JP26307096A JPH10110659A JP H10110659 A JPH10110659 A JP H10110659A JP 8263070 A JP8263070 A JP 8263070A JP 26307096 A JP26307096 A JP 26307096A JP H10110659 A JPH10110659 A JP H10110659A
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弘昭 塚原
Yuji Kobashi
雄二 小橋
Shinobu Sakuma
忍 佐久間
Yuji Shiba
裕二 芝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボッシュ式燃料噴射ポンプにおいて、配管盤
を利用して燃料ギャラリーからの空気抜きができる構造
とし、燃料ギャラリー内における配管盤に対する燃料供
給用及び戻し用の両連絡路間の短絡を防止し、プランジ
ャバレルとデリベリバルブホルダーとの間の漏油を除去
する構造を要する。燃料噴射弁においてはスプリング押
えの位置決めを容易化する。 【解決手段】 燃料噴射ポンプ付設の配管盤4内に、燃
料供給用主管Aを下方、燃料戻し用主管Bを上方に並設
し、燃料ギャラリーG内にて、燃料供給用連絡路1aと
燃料戻し用連絡路1bとの間に遮閉部材15を介設し、
デリベリバルブホルダー3の下面にオイルシール部材1
8を内嵌する漏油溜め用溝3bを形成し、吐出口3dと
の間に漏油回収用孔3cを穿設する。燃料噴射弁の噴射
圧調整用バー36底面にスプリング押え35嵌入用の位
置決め用スリット36aを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル式内燃
機関用の燃料噴射装置であって、直列ボッシュ式燃料噴
射ポンプの各プランジャに連設するデリベリバルブと各
気筒に配設する燃料噴射弁との間を高圧管にて連結した
構造のものにおける、燃料噴射ポンプと燃料噴射弁の改
良構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中・低速の舶用ディーゼル機関等
には、燃料噴射ポンプとして、直列ボッシュ式燃料噴射
ポンプを採用し、機関の各気筒におけるシリンダヘッド
に取り付けた燃料噴射弁に対し、ポンプの各プランジャ
に連設するデリベリバルブより高圧管を連結して、高圧
燃料を噴射供給する構造となっている。
【0003】この中で、燃料噴射ポンプにおいては、ま
ず、燃料ギャラリーが、プランジャを内嵌するプランジ
ャバレルの外周に設けられているが、これに対して燃料
を供給する燃料供給用の管と、該燃料ギャラリーからの
戻し油を抽出する戻し燃料用の管とを、各プランジャの
燃料ギャラリー毎に配管していた。また、燃料ギャラリ
ー内の気泡抜きのため、従来は、ポンプハウジングにエ
アーブリーダスクリュー(気泡抜き用ボルト)を嵌入し
ていた。更に、昨今の高圧化の要望に対応すべくデリベ
リバルブの吐出圧が高圧化する分、デリベリバルブホル
ダーの支持構造が問題となってきており、プランジャを
内嵌するプランジャバレルをハンガー型とし、その上端
面に、デリベリバルブホルダーの下端面を密着させてボ
ルト締止し、該デリベリバルブホルダーの面圧を受ける
ようにした構造が採用されるようになっている。
【0004】更に、燃料噴射弁に関しては、本出願人よ
り、特願平7−287469号にて噴射圧の調整機構に
ついて出願している。これは、針弁を下方付勢するスプ
リングの上端を押さえるスプリング押えの上下位置を、
噴射圧調整用バーの上下動にて調整可能としたものであ
る。このような構成とすることで、燃料噴射弁の上下高
さを縮小できるとともに、スプリング押えの上下位置調
整機構は、シリンダヘッド内に配設されるので、弁腕室
と隔絶され、潤滑油と燃料とが混じってしまうという自
体を回避できるのである。この構成に関しては、噴射圧
調整バーに対するスプリング押えの位置決めが重要であ
るが、従来は、球型のスプリング押えの頭部を円筒型と
し、噴射圧調整バーの下面に円筒型の嵌入溝を形成し
て、該スプリング押えの頭部を嵌入して位置決めしてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の燃
料噴射装置において、まず、燃料噴射ポンプに関しては
従来、各プランジャに対して燃料供給用、及び燃料戻し
用の配管を施す手間を必要としていた。また、燃料戻し
用の配管により、燃料ギャラリーから余分の燃料を戻す
が、燃料ギャラリー内に発生する気泡を有効に取り除く
構成とはなっておらず、該気泡の有効除去方策がないた
めに、燃料噴射圧が安定しないという問題があった。
【0006】配管の手間を省く上で、有効な方策とし
て、燃料供給用管と燃料戻し用管とを内装した配管盤を
各燃料噴射ポンプ毎に取り付け、各配管盤の各管同士を
連結する構造が考えられる。この際、燃料戻し用管を利
用して有効に燃料ギャラリー内の気泡を除去できるよう
にすると、従来、燃料ギャラリーからの空気抜きのため
に燃料噴射ポンプに取り付けていたエアブリーダスクリ
ューを廃止できる点で、望ましい。しかし、配管盤を燃
料噴射ポンプの一側に取り付けると、燃料ギャラリーに
おいて、燃料が供給される側と燃料を戻す側とが同一側
にあるため、燃料ギャラリー内に供給された燃料が、プ
ランジャバレルのポート付近を流れることなく、燃料戻
し口へと短絡してしまうおそれがある。この問題をクリ
アしなければ、前記の構成を採用しても有効性が薄い。
【0007】また、デリベリバルブの吐出圧高圧化に伴
うハンガー型プランジャバレルに対するデリベリバルブ
ホルダーの取り付け構造に関し、吐出圧が高圧化する
分、デリベリバルブホルダーの下面とプランジャバレル
上面との間への漏油の可能性はかなり高くなる。これを
有効にシールするとともに回収する構造が必要となる。
【0008】更に、前記の噴射圧調整機構を採用する燃
料噴射弁の中で、スプリング押えの頭部の噴射圧調整バ
ーに対する位置決め構造に関して、従来のように、スプ
リング押えの頭部形状に略一致するように噴射圧調整用
バーの下面に円筒型の切欠を形成するのは、加工上煩雑
である。また、この場合、スプリング押えの頭部は、噴
射圧調整用バー下面の円筒形状の切欠に対して、略隙間
なく嵌入され、量部材間のわずかな隙間に浸入する燃料
は固着して、スプリング押えの頭部が噴射圧調整用バー
より抜けなくなるという事態を生じるおそれもあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。まず
第一に、ボッシュ式燃料噴射ポンプに、燃料供給用通路
と燃料戻し用通路とを形成した配管盤を付設し、両通路
を該燃料噴射ポンプにおける燃料ギャラリーへの連絡路
に連通させる構造において、該配管盤内の、該燃料戻し
用通路における主管部分が、該燃料供給用通路における
主管部分の上方になるよう、両主管部分を並設する。
【0010】第二に、ボッシュ式燃料噴射ポンプのポン
プハウジング内に、燃料供給用通路と燃料戻し用通路と
を隣接状に形成し、両通路を該燃料噴射ポンプにおける
燃料ギャラリーへの連絡路に連通させるとともに、該燃
料噴射ポンプ内における該燃料供給用通路に連通する連
絡路と該燃料戻し用通路に連通する連絡路との間に遮閉
部材を配設し、該燃料ギャラリーにおける両連絡路間の
燃料の短絡路を遮閉する。
【0011】第三に、ボッシュ式燃料噴射ポンプのハン
ガー型プランジャバレル上面にデリベリバルブホルダー
の下面を密着させる構造であって、該デリベリバルブホ
ルダーの下面に、外周をシールした漏油溜め用の環状溝
を設けた構造において、該デリベリバルブホルダー内に
て、該環状溝と高圧管継手との間に、漏油回収用連絡路
を介設する。
【0012】第四に、針弁を下方付勢するスプリングの
上端を押さえるスプリング押えの上下位置を、噴射圧調
整用バーの上下動にて調整可能とした燃料噴射弁におい
て、該噴射圧調整用バーの下面にスリットを設け、ノズ
ルホルダーにてガイドした該スプリング押えの頭部を該
スリット内に嵌入して位置決め可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の燃料噴射装置の実施の形
態を添付の図面より説明する。図1は配管盤4を付設し
た燃料噴射ポンプの側面断面図、図2は同じく配管盤4
と燃料ギャラリーGとの燃料の流通を示す側面断面図、
図3は燃料ギャラリーGへの水平方向の燃料供給通路を
燃料戻し通路と同一高さとした場合の燃料供給通路を示
す側面断面図、図4は同じく燃料戻し通路の側面断面
図、図5は燃料ギャラリーGへの水平方向の燃料戻し通
路を燃料供給通路より上方とした場合の燃料供給通路を
示す側面断面図、図6は同じく燃料戻し通路の側面断面
図、図7は遮閉部材15の配設構造を示す側面断面図、
図8は同じく平面断面図、図9は遮閉ピース16を付設
した遮閉部材15の配設構造を示す側面断面図、図10
は同じく平面断面図、図11はデリベリバルブホルダー
3部分の正面断面図、図12は同じく側面断面図、図1
3はプランジャ6周囲の漏油回収機構を示す側面断面
図、図14は図13中X−X線断面図、図15は図13
中Y−Y線断面図、図16は駆動台本体26の内部構造
を示す正面断面図、図17は同じく側面断面図、図18
は燃料噴射弁の正面断面図、図19は同じく側面部分断
面図、図20は同じく平面図、図図21は図19中円Z
内部分の拡大側面断面図、図22はスプリング押え35
の正面図、図23は同じく底面図、図24は噴射圧調整
用バー36の正面図、図25は同じく側面図、図26は
同じく底面図、図27はスプリング押え35の噴射圧調
整用バー36への位置決めの様子を示す側面図、図28
は同じく底面図、図29は本実施例の長孔31dとネジ
部31eとの位置関係を示す燃料噴射弁の部分正面図、
図30は同じく部分正面断面図、図31は長孔31dと
ネジ部31eとを重合させた場合の燃料噴射弁の部分正
面図、図32は同じく部分正面断面図である。
【0014】まず、燃料噴射ポンプについて、図1乃至
図17より説明する。本実施例の燃料噴射ポンプは、単
筒のボッシュ式燃料噴射ポンプ毎に配管盤を取り付け、
気筒分の燃料噴射ポンプ単体を並列配設し、配管盤同士
を燃料供給主管及び燃料戻し主管にて連結して燃料噴射
ポンプを形成するものであり、添付の図面には、その単
体の燃料噴射ポンプについて図示している。
【0015】単筒の燃料噴射ポンプの構成について、図
1、図2等にて説明する。ポンプハウジング1内に、上
方よりプランジャバレル2が内嵌されており、該プラン
ジャバレル2は、側面視T型、即ちハンガー型になって
いて、上端が平面状になっており、該上端面にデリベリ
バルブホルダー3の下端面を密着させている。ポンプハ
ウジング1とプランジャバレル2とは、ボルト19・2
0で、プランジャバレル2とデリベリバルブホルダー3
とは、ボルト21及びピン22にて締結されている。
【0016】プランジャバレル2内にはプランジャ室2
bが設けられていて、プランジャ6が上下摺動自在に内
嵌されている。該プランジャ6の下部分はポンプハウジ
ング1内に形成されるプランジャスプリング室1c内に
突出されており、該プランジャスプリング室1c内に
て、上端にはアッパスプリングシート7が配設されてお
り、また、該プランジャ6下端にはロワスプリングシー
ト9が係合されていて、アッパスプリングシート7とロ
ワスプリングシート9との間にプランジャスプリング8
が介装されて、該プランジャ6を下方付勢している。更
に、該ロワスプリングシート9は、プランジャスプリン
グ室1c内を上下摺動自在のプランジャガイド10に内
嵌されている。
【0017】ポンプハウジング1には、ラックガイドス
クリュー13が螺入され、該ラックガイドスクリュー1
3の内端にコントロールラック12が付設されていて、
該コントロールラック12が、該プランジャバレル2に
摺動自在に外装され、プランジャ6のつば部と係合する
コントロールスリーブ11のピニオン部11aに噛合し
ている。該コントロールラック12は、ガバナ機構等に
て摺動操作され、この摺動とともに噛合するピニオン部
11aが回動することによって、コントロールスリーブ
11とともにプランジャ6が回動し、プランジャ6にお
ける後記斜め溝6bの吸排口2aに対する連通時期が調
整され、これにより、プランジャ6の燃料圧送期間、即
ち、燃料噴射量が調節されるのである。
【0018】ここで、図16及び図17よりプランジャ
の駆動機構について説明する。エンジン本体Eに駆動台
本体26を嵌入固定し、該駆動台本体26上端に、ポン
プハウジング1の下端の四隅を固定ボルト25・25・
・・にて締止している。該駆動台本体26内にはタペッ
ト28が上下摺動自在に内嵌されており、該タペット2
8の上端は、調整ボルト27を介して、ポンプハウジン
グ1内の前記プランジャガイド10の下端に連結され、
該タペット28の下端には、ローラーピン29を介して
タペットローラー30が枢支されていて、該タペットロ
ーラー30下端が、エンジン本体E内に横設されるカム
軸CSのカム部CSaに押接しており、カム軸CSの回
転とともに、カム部CSaの形状に合わせてタペット2
8が上下往復摺動し、この動きにプランジャ6が連動し
て、上下往復摺動するのである。
【0019】なお、図17の如く、駆動台本体26の前
面には噴射時期調整窓26aが開口されており、蓋26
bを外し、内部の調整ボルト27を操作して、タペット
28とプランジャガイド10との距離を調整し、噴射時
期(プランジャ6のプリストローク)を調整できるよう
にしている。また、ポンプハウジング1の下端部付近に
はプランジャガイド10に印した目盛りを確認できるよ
うに、前面に、噴射時期確認窓1fが穿設されている。
ここからポンプハウジング1内を確認しながら、プラン
ジャガイド10の目盛りの高さを該噴射時期確認窓1f
の高さに合わせるべく、前記の如く、噴射時期調整窓2
6aより調整ボルト27を操作し、噴射時期を調整する
ものである。
【0020】再びポンプハウジング1の内部構成の説明
に戻る。図1や図8等の如く、プランジャバレル2内に
おいて、プランジャ6を内嵌するプランジャ室2bより
水平状に吸排口2a・2aが貫通されており、該プラン
ジャバレル2と該ポンプハウジング1との間に形成され
る環状の燃料ギャラリーGに連通している。該ポンプハ
ウジング1の外側よりデフレクタ14・14を螺入し、
燃料ギャラリーGを貫通して、各吸排口2a・2aに対
峙させている。このデフレクタ14は、図1や図8の如
く、燃料ギャラリーG内において、小径部分14bを有
しており、燃料ギャラリーG内における燃料の流動がデ
フレクタ14にて塞がれることのないようにし、燃料通
路を確保している。なお、プランジャ6とプランジャバ
レル2との間の摺動面からの漏油は、リーク戻し孔1g
を介してポンプハウジング1の外部に排出される。
【0021】次に、図1乃至図10にて、燃料噴射ポン
プへの配管盤4の付設による燃料ギャラリーに対する燃
料の供給及び戻し通路構造について説明する。まず、燃
料ギャラリーGに対する燃料の供給手段として、該燃料
噴射ポンプのポンプハウジング1の前面に、配管盤4が
ボルト23・23・・・にて締止されており、該配管盤
4内には、下方に燃料供給用主管A、上方に燃料戻し用
主管Bを、左右方向に貫通するように、上下平行に並設
している。図8等の如く、各主管A・Bの左右開口部に
はそれぞれ燃料主管継手5を取り付け、固定用ナット5
aにて配管盤4に固定する。各主管A・Bの両端より左
右に突出する燃料主管継手5・5が、隣接する燃料噴射
ポンプに付設された配管盤4に取り付けられた燃料主管
継手5・5に連結され、これにより、各燃料噴射ポンプ
単体に取り付けた配管盤4の燃料供給用主管A及び燃料
戻し用主管Bが、それぞれ一体状に連通する。
【0022】各配管盤4には、前記の如く、下方に燃料
供給用主管A、上方に燃料戻し用主管Bを形成してお
り、燃料供給用主管Aからは、垂直上方に燃料供給用垂
直通路Aaを、更にその上端より水平後方に燃料供給用
水平通路Abを穿設しており、一方、燃料戻し用主管B
からは、垂直下方に燃料戻し用垂直通路Baを、更にそ
の下端より水平後方に燃料戻し用水平通路Bbを穿設し
ている。
【0023】一方、ポンプハウジング1内は、燃料ギャ
ラリーGより燃料供給用連絡路1aと燃料戻し用連絡路
1bとを穿設し、それぞれ、ポンプハウジング1前面に
付設された配管盤4の、燃料供給用水平連絡路Abと燃
料戻し用水平連絡路Bbとに連通するようになってい
る。燃料は、燃料供給用主管A、燃料供給用垂直通路A
a、燃料供給用水平通路Ab、及び燃料供給用水平連絡
路1aを通過して、燃料ギャラリーGへと導入され、燃
料ギャラリーGからの戻し燃料は、燃料戻し用水平連絡
路1b、燃料戻し用水平通路Bb、燃料戻し用垂直通路
Ba、及び燃料戻し用主管Bを通過して戻されていく。
図2乃至図6、図8、図10内図示の矢印は、燃料の流
動を示す。
【0024】ここで、燃料供給用連絡路1aと燃料戻し
用連絡路1bのうち、少なくとも燃料戻し用連絡路1b
については、図4及び図6の如く、燃料ギャラリーGの
上端部分に連通させる。燃料ギャラリーG内の上方には
気泡が存在するものであり、このように連通させること
で、この気泡が、戻し燃料とともに、燃料戻し用連絡路
1bへと有効に排出されるのである。そして、戻し燃料
とともに燃料戻し用連絡路1b、燃料戻し用水平通路B
bを流動した気泡は、垂直上方向きの燃料戻し用垂直通
路Baを通じ、その上方に配設する燃料戻し用主管Bへ
と排出される。このように、燃料ギャラリーGからの燃
料の戻し通路を利用して、プランジャ室2b内への燃料
の供給量に影響を与える燃料ギャラリーG内の気泡を有
効に排除できるのであり、気泡の除気が、プランジャ等
の近傍に惹起される低圧部のキャビテーションや、ノズ
ル、高圧管等の高圧部に局部的に生じるキャビテーショ
ンを未然に防止する効果をもたらす。また、このように
燃料ギャラリーG内の気泡を排除できることで、従来ポ
ンプハウジング1に取り付けていたエアブリーダスクリ
ューを廃止できる。これは、前記の如く、プランジャバ
レル2をハンガー型とする上でも有効である。即ち、エ
アブリーダスクリューとの干渉を考慮することなく、ポ
ンプハウジング1の上方を覆うような状態にハンガー型
プランジャバレル2を取り付けることができるのであ
る。
【0025】一方、燃料供給用水平通路Abと燃料供給
用連絡路1aに関しては、図3及び図4の実施例のよう
に、燃料戻し用水平通路Bbと燃料戻し用連絡路1bと
同じ高さとすることも考えられるが、燃料ギャラリーG
内の気泡が燃料供給用連絡路1a内に入り込まないよう
にするため、図5及び図6の実施例のように、燃料供給
用連絡路1aを、燃料ギャラリーGの下端部に連通させ
ることも考えられる。即ち、燃料戻し用水平通路Bbと
燃料戻し用連絡路1bに比して、燃料供給用水平通路A
bと燃料戻し用連絡路1aとを低く配設するのである。
なお、図5及び図6の実施例の場合、燃料供給用垂直通
路Aaを除去し、燃料供給用水平通路Abを燃料供給用
主管Aより直接延設している。また、前記の図3及び図
4の実施例の如く、燃料戻し用水平通路Bbと燃料戻し
用連絡路1bと同じ高さにした場合においても、燃料供
給用主管Aは、燃料供給用垂直通路Aaを介して燃料供
給用水平通路Abよりも下方に配設しており、気泡は燃
料の流れに抗して下方には流通しにくいので、この場合
でも、燃料供給用主管Aへの気泡の混入は回避できる。
【0026】なお、燃料供給用連絡路1a及び燃料戻し
用連絡路1bは、図8等の如く、平面視傾斜状に形成さ
れていて、各前端同士の間隔は、各後端同士の間隔より
も狭くなっている。これは、燃料ギャラリーGに連通す
る各後端間の間隔は、各連絡路1a・1b間を燃料が短
絡するのを防ぐため(後記の遮閉部材15を配設するた
め)、ある程度広くする必要がある一方、各前端は、こ
れに連通する配管盤4における水平通路Ab・Bb、そ
して、垂直通路Aa・Bbが、配管盤4両側に嵌入する
燃料主管継手5の内端に干渉しないようにするために、
内寄りに配設する必要があるからである。
【0027】こうして、燃料ギャラリーG内において、
燃料供給用連絡路1aより導入された燃料が、環形状の
燃料ギャラリーGに沿い、デフレクタ14・14及び吸
排口2d・2dの導入口を通過して、燃料戻し用連絡路
1bへと流通するのであるが(図8図示の矢印参
照。)、燃料ギャラリーGにおける燃料供給用連絡路1
aと燃料戻し用連絡路1bとの各連通部分同士の間隔が
短いために、燃料供給用連絡路1aから導入された燃料
が、燃料ギャラリーG全体を流通せずに、燃料戻し用連
絡路1bへと短絡してしまうおそれがある。これを防ぐ
べく、図7及び図8の如く、ポンプハウジング1に遮閉
部材15を嵌入して、燃料ギャラリーG内における燃料
供給用連絡路1aと燃料戻し用連絡路1bとの間の短絡
路を遮閉している。遮閉部材15には螺子部15aが形
成され、ポンプハウジング1より燃料ギャラリーGへと
螺入するようにしており、また、燃料ギャラリーG内に
おいて、図1、図9及び図10の如く、該遮閉部材15
に遮閉ピース16を付設することにより、遮閉面を拡大
し、より確実な遮閉ができるようにしている。
【0028】次に、デリベリバルブの構成を、図11及
び図12等より説明する。プランジャ室2b上端より燃
料通路2cが弁室2dに連通しており、該弁室2d内
と、該プランジャバレル2の上面に締止されるデリベリ
バルブホルダー3内の弁室3a内とを通じて、デリベリ
バルブDVが内嵌されている。該弁室3aの上端からは
垂直上方に燃料通路を介し、デリベリバルブホルダー3
の上端に、漏斗状の吐出口3dを設けている。該吐出口
3dには、図12の如く、高圧管継手17の継手球面1
7dを内嵌し、シール弾性体17cを該継手球面17d
の上方に環設し、該吐出口3dとの隙間をシールするよ
うにしている。こうして、吐出口3dに内嵌した該高圧
管継手17には、高圧用連絡孔17aが内設されてい
て、該高圧管継手17より機関のシリンダヘッドに配設
された燃料噴射弁に対して高圧管を配管し、デリベリバ
ルブDVにて該吐出口3dより吐出された高圧燃料は、
該高圧用連絡孔17aより高圧管を経て、燃料噴射弁へ
と供給される。
【0029】以上のような構成の燃料噴射ポンプにおい
ては、様々なオイルシール機構と、漏油の回収機構が採
用されている。まず、特に漏油のおそれがあるのは、吐
出圧が高圧であるデリベリバルブ部分であって、デリベ
リバルブホルダー3の弁室3aの周囲は、高圧シール面
3eとなっているが、該高圧シール面3eとプランジャ
バレル2上面との隙間に漏油が発生する傾向がある。ボ
ルト21やピン22の締めつけが弱い場合には、最悪の
場合、この隙間から燃料が飛散するおそれがある。ま
ず、この部分のオイルシール構造として、デリベリバル
ブホルダー3の下面において、弁室3aを囲む高圧シー
ル面3eの外周部分に、環状の漏油溜め用溝3bを形成
し、更に、該漏油溜め用溝3b内の外周に沿って、弾性
体である環状のオイルシール部材18を内嵌している。
【0030】漏油溜め用の溝をプランジャバレル2側に
設けなかったのは、プランジャバレル2には、デリベリ
バルブホルダー3を締止するボルト21を介して、上方
への引っ張り力がかかるからであり、もし、該プランジ
ャバレル2上面に漏油溜め用の溝を設けた場合、この溝
部に引張力がかかって破損のおそれがあるからである。
対して、デリベリバルブホルダー3内におけるボルト2
1の螺装長さが長いので、デリベリバルブホルダー3と
ボルト21とは略一体状になり、引張力がかかっても、
デリベリバルブホルダー3が漏油溜め用溝3bの形成に
よって破損するようなことはない。また、オイルシール
部材18のシール代もそこそこ確保しなければならない
ので、溝部の幅及び深さもある程度の大きさを要する。
この中で、オイルシール部材18に対する面圧を確保す
るには、デリベリバルブホルダー3の下面に漏油溜め用
溝3bを形成する方が望ましいのである。
【0031】次に、漏油溜め用溝3bに溜まる漏油を回
収する機構であるが、該デリベリバルブホルダー3にお
いて、図11及び図12の如く、前記の吐出口3dと漏
油溜め用溝3bとの間に漏油回収用連絡路3cを穿設し
ている。該漏油回収用連絡路3cの上端は、吐出口3d
の内壁面と、該吐出口3d内に嵌入した継手球面17d
との間の隙間に連通している(シール弾性体17cにて
シールされている。)。一方、高圧管継手17内には、
高圧用連絡孔17aと平行して燃料戻し用連絡孔17b
を並設しており、該吐出管3dと該継手球面17dとの
間の隙間に該燃料戻し用連絡孔17bが連通している。
従って、漏油溜め用溝3bに溜まる漏油は、漏油回収用
連絡路3c、吐出口3dを介して、燃料戻し用連絡孔1
7bへと流出し、高圧管内へと回収されるものである。
【0032】次に、プランジャ室2bからの燃料回収構
造について、図13乃至図17等より説明する。プラン
ジャ6は、下死点位置にてその上端が吸排口2aより下
方になり、プランジャ6上方のプランジャ室2b内に燃
料ギャラリーGより吸排口2aを介して燃料が吸入さ
れ、プランジャ6の上昇とともにデリベリバルブDVへ
と圧送される。そして、斜め溝6bが吸排口2aに連通
すると、縦溝6aより斜め溝6bにプランジャ6上方の
プランジャ室2b内の燃料が吸入され、吸排口2aを介
して燃料ギャラリーGに排出される。このようにプラン
ジャ6がプランジャ室2bを摺動する過程で、プランジ
ャバレル2の内周(プランジャ室2bの壁面)とプラン
ジャ6外周との間に漏油が発生する。
【0033】この漏油回収のため、まず、図13の如
く、プランジャバレル2の内周部に、上下に環状の第一
〜第四漏油溜め用溝2e・2f・2g・2hを形成して
いる。図13や図8等の如く、最上部の第一漏油溜め用
溝2eからは、上方傾斜状に第一リーク孔2iを燃料ギ
ャラリーGに連通させて、燃料ギャラリーGに漏油を回
収するようにしている。第二漏油溜め用溝2fからは、
第二リーク孔2j・1cを燃料回収ポート24に対して
穿設している。
【0034】更に、図13乃至図15の如く、第三漏油
溜め用溝2g、第四漏油溜め用溝2hより、プランジャ
バレル2に穿設する第三リーク孔2k・2m、及びポン
プハウジング1の後部に穿設する第三リーク孔1d・1
eを介して、駆動台本体26に燃料を回収させるように
している。即ち、図17の如く、駆動台本体26の後部
に、第三リーク孔1eに連通する、垂直状の第三リーク
孔26cを穿設している。該駆動台本体26は、前部に
噴射時期調整窓26aを有し、左右側にはポンプハウジ
ング1に締止するボルト25を螺装するためのボルト座
があるので、これらとの干渉を回避すべく、ポンプハウ
ジング1及び駆動台本体26の後部に第三リーク孔1d
・1e・26cを形成したのである。
【0035】以上のように燃料戻し用の通路を設けるこ
とにより、燃料戻し用の外部配管を省略することができ
る。また、燃料としてC重油を使用する場合、従来の外
部配管構造においては、配管内のC重油が外気にて配管
途中で冷えて高粘度化した固着状態を呈する等、流動不
足に陥ることがあったが、本構造では、配管盤が燃料噴
射ポンプに接合しており、燃料噴射ポンプからの熱伝導
の影響で、配管内のC重油が保温され、このような不具
合を回避できる。
【0036】燃料噴射ポンプの構造に関しては以上であ
り、次に、燃料噴射弁の構成について図18乃至図32
より説明する。まず、燃料噴射弁の配設されるシリンダ
ヘッドの内部構成であるが、図18の如く、シリンダヘ
ッドCH内において、後記ノズルホルダー31を嵌入す
るホルダー室CHaが形成されており、その下端より下
方に、後記ノズルナット41を内嵌するノズルスリーブ
45を垂下させている。燃料噴射弁の外観構成は、大部
分をノズルホルダー31にて形成しており、該ノズルホ
ルダー31の下方にスペーサ39を、該スペーサ39の
下方にノズルボディ40を配設固定してなっている。シ
リンダーヘッドCHへの嵌入においては、まず、針弁3
2を内嵌したノズルボディ40にスペーサ39を介して
ノズルホルダー31を連接し、これらをノズルナット4
1で一体に位置決め結合して、燃料噴射ポンプの仕組体
とし、該仕組体をシリンダヘッドCHに嵌装したノズル
スリーブ45に嵌入する。そして、図18乃至図20の
如く、該ノズルホルダー31の上端より弁押え具44を
螺装し、該弁押え具44をシリンダーヘッドCH上端に
締止して、燃料噴射弁の仕組体をシリンダヘッドCH内
に抑止する。
【0037】燃料噴射弁の内部構造について、図18乃
至図21より説明する。まず、燃料通路に関しては、ノ
ズルホルダー31の上端寄り部分の側方に燃料噴射ポン
プからの圧送燃料を吸入する噴射管継手38を螺入して
いる。該ノズルホルダー31内において、噴射管継手3
8の内端より水平燃料通路31aが穿設され、更に下方
に向けて垂直燃料通路31bが穿設されている。
【0038】垂直燃料通路31bは、スペーサ39内に
穿設した連絡通路39aに連通し、更にノズルボディ4
0内に穿設した燃料通路40aに連通している。該ノズ
ルボディ40の下端にはサック部40dが形成されてい
て、サック部40dに噴孔が穿設されており、該噴孔を
介して、ピストン頭部の燃焼室に向けて燃料が噴射され
る。該ノズルボディ40内において、該サック部40d
の噴孔に対しては、垂直方向に、針弁32を内嵌する針
弁室40cを穿設しており、該針弁室10bの途中部が
燃料溜まり40bとなっていて、該燃料溜まり40bに
前記の燃料通路40aの下端部が連通しているのであ
る。
【0039】燃料の噴射過程について説明する。燃料噴
射タイミングに、燃料噴射ポンプから、燃料が噴射管継
手38を介して、燃料噴射弁内の燃料通路に圧送され、
ノズルボディ40の燃料溜まり40bに達する。針弁室
40cには、後記のノズルスプリング34にて下方付勢
される針弁32が内嵌されているが、燃料溜まり40b
に達した燃料圧にて、針弁32が上方に押され、該燃料
溜まり40bの下方における針弁室40cを介して、下
端サック部40dの噴孔に燃料が送られ、噴射される。
そして、燃料噴射ポンプからの燃料圧送が絶たれると、
燃料溜まり40bにおける燃料圧が下がり、下方付勢さ
れている針弁32が下方摺動して、燃料溜まり40bよ
り下端サック部40dへの連通路を塞ぎ、噴射が終了す
るのである。
【0040】次に、噴射圧の調整機構について説明す
る。噴射圧は、針弁32の下方付勢力に左右される。該
付勢力が強ければ、ノズル開孔時(燃料噴射時)におい
て、針弁32が噴射中の燃料を押圧する力が強いので、
噴射圧が高くなる。この付勢力を強くするのは、ノズル
ホルダー31内の中心部に垂直方向に穿設されたスプリ
ング室31c内において上下伸縮可能に内嵌されて、ス
プリングシート33を介して針弁32を上方より押圧す
るノズルスプリング34の上端位置を下方に移動するこ
とによって可能である。
【0041】そこで、噴射圧調整のためのノズルスプリ
ング34の上端位置の位置決め部材として、噴射圧調整
用バー36を設けている。ノズルスプリング34の上端
は、スプリング押え35に直接当接させており、該スプ
リング押え35の上部を嵌合するようにノズルホルダー
31内に水平方向に嵌挿配設するのが、該噴射圧調整用
バー36である。該ノズルホルダー31には、該噴射圧
調整用バー36を嵌挿すべく、また、その上下位置を調
整可能とするように、上下方向を長径とする長孔31d
を、後記ネジ部31eの下部に形成した該ネジ部31e
よりも小径の段差面部31fにおいて、該スプリング室
31cの上部にて直交するよう水平貫通状に穿設してい
る。
【0042】更に、ノズルホルダー31の長孔31d
(段差面部31f)の直上方における外側面には、段差
面部31fに干渉しない程度に大径のネジ部31eが形
成されていて、該ネジ部31eに、噴射圧調整用バー3
6の上下位置決めをする部材としての噴射圧調整用ナッ
ト37a及び止めナット37bを外嵌螺装する。なお、
ネジ部31e(両ナット37a・37b)の位置は、ノ
ズルホルダー31における噴射管継手38の螺入部の下
方である。また、該ネジ部31eは、該長孔31dと重
合しないようにしている。即ち、図29及び図30のよ
うに、該ネジ部31eの下端より下方に長孔31dが位
置している。図31及び図32のように、該長孔31d
が該ネジ部31eに重合していると、ネジ部31eにカ
エリやバリが生じ、その除去が困難となるからである。
そのため、該ネジ部31eの上下長は、噴射圧調整用ナ
ット37a及び止めナット37bを締結するのに必要最
小限としている。
【0043】噴射圧調整用ナット37aの下端と、噴射
圧調整用バー36のノズルホルダー31からの突出部の
上端との間には、焼入れしたプレート42を介設してい
る。噴射圧調整用ナット37aを回動するのに対し、噴
射圧調整用バー36は回動しないので、このまま両部材
を当接させれば、摩耗が生じ、噴射圧の調整にも悪影響
を及ぼす。噴射圧調整用ナット37aそのものを焼入れ
加工するのは、加工工程を複雑化し、高コストにも繋が
る。そこで、焼入れしたプレート42を介設することに
より、該噴射圧調整用ナット37aが、摩耗することな
く円滑にプレート42上を回動するようにしたものであ
る。なお、調整用ナット37aの下端部は、該ネジ部3
1eの下端よりも常に下方に突出し、プレート42とネ
ジ部31eとが当接しないようにしている。即ち、該プ
レート42の内周部は、該ノズルホルダー31の外周面
に摺動自在に当接し、噴射圧調整用バー36の回動に連
れて回動自在となっているのである。
【0044】こうして、該噴射圧調整用ナット37aを
回転操作することで、該噴射圧調整用ナット37a(及
びプレート42)ごと該噴射圧調整用バー36が上下移
動する。位置決めする高さに噴射圧調整用バー36を合
わせたら、噴射圧調整用ナット37aの上方に螺装して
いる止めナット37bを回転操作して、該噴射圧調整用
ナット37aと密着させ、噴射圧調整用バー36及び噴
射圧調整用ナット37aの位置固定を確実にする。
【0045】以上のような構成の燃料噴射弁において、
スプリング押え35の噴射圧調整用バー36に対する位
置決め構造と、燃料戻し構造について、図22乃至図2
8より説明する。図22及び図23の如く、スプリング
押え35は、ノズルホルダー31の内周(スプリング室
31cの側壁面)に沿うように円筒形となっており、下
端にノズルスプリング34に嵌入する嵌入部35aを突
設しており、また、外周部に燃料戻し用スリット35b
・35bを形成して、該スプリング室31cの側壁面と
の間に隙間を設けて、燃料が溜まらないようにしてい
る。
【0046】一方、図24乃至図26の如く、スプリン
グ室31c内における噴射圧調整用バー36の下面に
は、底面視長方形状の位置決め用スリット36aを形成
している。該位置決め用スリット36aの長辺はスプリ
ング押え35の頭部の直径に略一致し、図27及び図2
8の如く、該位置決め用スリット36a内に該スプリン
グ押え35の頭部を嵌入することで、該スプリング押え
35の該噴射圧調整用バー36への位置決めがなされ
る。該噴射圧調整用バー36自体は、その左右端部分が
長孔31dにて位置決めされているので、嵌入したスプ
リング押え35が位置決め用スリット36a内でずれる
ことはない。このように、スプリング押え35の位置決
め構造を、位置決め用スリット36aとすることで、ス
プリング押えの頭部形状に合わせて円筒形状の孔を形成
するよりも加工が容易であり、位置決めも確実である。
また、位置決め用スリット36aと、これに嵌入される
スプリング押え35頭部の側端部とは一部が密着するも
のの、大部分は充分な隙間があり、位置決め用スリット
36aの両端から燃料がホルダー室CHaに戻されるよ
うになっており、位置決め用スリット36aに嵌入した
スプリング押え35が、隙間に溜まる燃料の固着により
抜けなくなるという事態は発生しない。
【0047】なお、スプリング室31c内の燃料は、該
長孔31dと噴射圧調整用バー36との間からホルダー
室CHaへと漏出し、ノズルスリーブ45及びノズルナ
ット41の上に溜まる。これが、ノズルナット41・ノ
ズルスリーブ45間の隙間に流入すると、固着して、ノ
ズルナット41をノズルスリーブ44から取り出せなく
なる事態を発生するおそれがある。これを回避すべく、
図18及び図19の如く、該ノズルナット41の上端付
近の外周部にOリング43を環設している。
【0048】
【発明の効果】本発明の燃料噴射装置は、以上のような
構成とすることで、次のような効果を奏する。まず、燃
料噴射ポンプに関しては、請求項1記載の如く構成する
ことより、配管盤を燃料噴射ポンプに取り付けるだけ
で、燃料供給用及び燃料戻し用の通路が、ポンプ内の燃
料ギャラリーに連通し、燃料供給用及び燃料戻し用の配
管を省略できる。そして、該配管盤において、燃料戻し
用の主管部分を、燃料供給用の主管部分の上方に並設す
ることにより、配管盤の横方向への長さがコンパクトと
なる上、燃料戻し用通路より主管部分に、燃料ギャラリ
ー内に発生する気泡を有効に排出させることができ、従
来、燃料噴射ポンプに取り付けていた、燃料ギャラリー
内の気泡除去用のエアブリーダスクリュー(気泡抜き用
ボルト)を省略することができる。
【0049】また、請求項2の如く構成することによ
り、燃料ギャラリー内にて、燃料供給用通路から燃料戻
し用通路への燃料の短絡が回避され、キャビテーション
の発生を未然に防止して、燃料ギャラリー全体に燃料を
流通させることができ、燃料噴射ポンプのプランジャに
対して、規定量の充分な燃料を供給することができると
ともに、燃料油の温度低減により燃料噴射圧の高圧化を
図ることができ、更に、噴霧燃料を微粒子化した燃焼性
を改善し、燃費、出力、排気エミッション等の機関性能
の向上に寄与するのである。
【0050】更に、燃料噴射ポンプに関して、請求項3
の如く構成することにより、デリベリバルブホルダーと
プランジャバレルとの間の漏油を有効にシールできると
ともにこれを高圧管に対して回収できる。この構成が実
現することにより、ハンガー型プランジャバレルにデリ
ベリバルブホルダーを直付けする構成も実現でき、デリ
ベリバルブの吐出圧の高圧化に対処でき、また、プラン
ジャバレルの形状及びデリベリバルブホルダーの支持構
造が簡素化されて、低コスト化にも繋がるのである。
【0051】そして、燃料噴射弁に関しては、請求項4
の如く構成することにより、噴射圧調整機構における噴
射圧調整用バーに対するスプリング押えの位置決めを容
易かつ確実にでき、噴射圧調整用バーにおけるスプリン
グ押えの頭部嵌入用のスリットの加工が容易なので、低
コスト化にも繋がる。また、スリットとスプリング押え
との隙間が広がり、この間に燃料が固着せず、両部材間
の潤滑性が保持され、スプリング押えが噴射圧調整用バ
ーから取れなくなるという事態を解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】配管盤4を付設した燃料噴射ポンプの側面断面
図である。
【図2】同じく配管盤4と燃料ギャラリーGとの燃料の
流通を示す側面断面図である。
【図3】燃料ギャラリーGへの水平方向の燃料供給通路
を燃料戻し通路と同一高さとした場合の燃料供給通路を
示す側面断面図である。
【図4】同じく燃料戻し通路の側面断面図である。
【図5】燃料ギャラリーGへの水平方向の燃料戻し通路
を燃料供給通路より上方とした場合の燃料供給通路を示
す側面断面図である。
【図6】同じく燃料戻し通路の側面断面図である。
【図7】遮閉部材15の配設構造を示す側面断面図であ
る。
【図8】同じく平面断面図である。
【図9】遮閉ピース16を付設した遮閉部材15の配設
構造を示す側面断面図である。
【図10】同じく平面断面図である。
【図11】デリベリバルブホルダー3部分の正面断面図
である。
【図12】同じく側面断面図である。
【図13】プランジャ6周囲の漏油回収機構を示す側面
断面図である。
【図14】図13中X−X線断面図である。
【図15】図13中Y−Y線断面図である。
【図16】駆動台本体26の内部構造を示す正面断面図
である。
【図17】同じく側面断面図である。
【図18】燃料噴射弁の正面断面図である。
【図19】同じく側面部分断面図である。
【図20】同じく平面図である。
【図21】図19中円Z内部分の拡大側面断面図であ
る。
【図22】スプリング押え35の正面図である。
【図23】同じく底面図である。
【図24】噴射圧調整用バー36の正面図である。
【図25】同じく側面図である。
【図26】同じく底面図である。
【図27】スプリング押え35の噴射圧調整用バー36
への位置決めの様子を示す側面図である。
【図28】同じく底面図である。
【図29】本実施例の長孔31dとネジ部31eとの位
置関係を示す燃料噴射弁の部分正面図である。
【図30】同じく部分正面断面図である。
【図31】長孔31dとネジ部31eとを重合させた場
合の燃料噴射弁の部分正面図である。
【図32】同じく部分正面断面図である。
【符号の説明】
G 燃料ギャラリー A 燃料供給用主管 Aa 燃料供給用垂直通路 Ab 燃料供給用水平通路 B 燃料戻し用主管 Ba 燃料戻し用垂直通路 Bb 燃料戻し用水平通路 1 ポンプハウジング 1a 燃料供給用連絡路 1b 燃料戻し用連絡路 2 プランジャバレル 3 デリベリバルブホルダー 3b 漏油溜め用溝 3c 漏油回収用孔 3d 吐出口 3e 高圧シール面 4 配管盤 5 燃料主管継手 6 プランジャ 15 遮閉部材 16 遮閉ピース 17 高圧管継手 17a 高圧用連絡孔 17b 燃料戻し用連絡孔 17c シール弾性体 17d 継手球面 18 オイルシール部材 31 ノズルホルダー 31c スプリング室 31d 長孔 31e ネジ部 31b 段差面部 35 スプリング押え 35a 嵌入部 35b 燃料戻し用スリット 36 噴射圧調整用バー 36a 位置決め用スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 59/44 F02M 59/44 T 61/10 61/10 X 61/20 61/20 B (72)発明者 芝 裕二 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボッシュ式燃料噴射ポンプに、燃料供給
    用通路と燃料戻し用通路とを形成した配管盤を付設し、
    両通路を該燃料噴射ポンプにおける燃料ギャラリーへの
    連絡路に連通させる構造において、該配管盤内の、該燃
    料戻し用通路における主管部分が、該燃料供給用通路に
    おける主管部分の上方になるよう、両主管部分を並設し
    たことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 ボッシュ式燃料噴射ポンプのポンプハウ
    ジング内に、燃料供給用通路と燃料戻し用通路とを隣接
    状に形成し、両通路を該燃料噴射ポンプにおける燃料ギ
    ャラリーへの連絡路に連通させるとともに、該燃料噴射
    ポンプ内における該燃料供給用通路に連通する連絡路と
    該燃料戻し用通路に連通する連絡路との間に遮閉部材を
    配設し、該燃料ギャラリーにおける両連絡路間の燃料の
    短絡路を遮閉したことを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 ボッシュ式燃料噴射ポンプのハンガー型
    プランジャバレル上面にデリベリバルブホルダーの下面
    を密着させる構造であって、該デリベリバルブホルダー
    の下面に、外周をシールした漏油溜め用の環状溝を設け
    た構造において、該デリベリバルブホルダー内にて、該
    環状溝と高圧管継手との間に、漏油回収用連絡路を介設
    したことを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 針弁を下方付勢するスプリングの上端を
    押さえるスプリング押えの上下位置を、噴射圧調整用バ
    ーの上下動にて調整可能とした燃料噴射弁において、該
    噴射圧調整用バーの下面にスリットを設け、ノズルホル
    ダーにてガイドした該スプリング押えの頭部を該スリッ
    ト内に嵌入して位置決め可能としたことを特徴とする燃
    料噴射装置。
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