JPH10109554A - 歩行型管理機の変速機構 - Google Patents

歩行型管理機の変速機構

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JPH10109554A
JPH10109554A JP26417096A JP26417096A JPH10109554A JP H10109554 A JPH10109554 A JP H10109554A JP 26417096 A JP26417096 A JP 26417096A JP 26417096 A JP26417096 A JP 26417096A JP H10109554 A JPH10109554 A JP H10109554A
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traveling
speed
speed range
shift
hst
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Application number
JP26417096A
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English (en)
Inventor
Etsuro Onishi
悦郎 大西
Yohei Kanao
洋平 金尾
Koji Kamikubo
宏治 上久保
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Yanmar Agribusiness Co Ltd
Original Assignee
Seirei Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の歩行型管理機では、高速域と低速域
で、走行変速レバーの操作量に対する速度増減比を変更
するには、複雑な機械的構造を必要とし、その結果低速
・高速全域で変速操作量に対する速度増減比を一定にせ
ざるを得ず、多くの作業が行われる低速域で速度の微調
整が困難であり、走行変速装置としてHST式変速装置
を採用しても、充分にその無段変速特性を生かせなかっ
た。 【解決手段】 走行変速コントローラーCにおいて、走
行変速レバー10の設定位置を検出する設定用ポテンシ
ョメーターPM1における検出値の変化量に対するHS
T出力軸の回転数増減比を、高速域Hに比べて、低速域
Lにおいて少なく設定する出力軸制御マップを採用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドルを水平方
向に回動して機体の前後に振替可能とし、走行変速装置
としてHST式変速装置を採用した歩行型管理機におけ
る変速機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歩行型管理機において、走行変速
装置としてHST式変速装置を採用したものも公知とな
っており、例えば特開平7−223451号公報等に開
示されている。また、ハンドル台に対してハンドル基部
が水平回動自在であり、ハンドルを機体の前後に振替可
能とした構成は公知となっている。そして、従来、前後
進速度の設定操作手段として、レバー(走行変速レバ
ー)をハンドルの手元部分に配設しているが、走行変速
装置がHST式変速装置の場合であっても、レバーと走
行変速装置(HST式変速装置の場合は油圧ポンプのト
ラニオン)との間はワイヤで連結されている。従って、
ハンドルを前後振替可能としたタイプにおいては、ハン
ドルの前後振替の際に、ワイヤの連結端子を切り換え
て、前後進方向を切り換えるという機構が設けられてい
た。また、走行変速レバーの操作量(回動量)に対する
車軸の変速量(HST式変速装置においてはモーター軸
の変速量)は一定に設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】歩行型管理機において
は、低速域にて作業する場合が殆どであり、更に、前向
きの場合と後向きの場合で、求められる作業速度が違
う。例えば、ハンドルを後向きにして作業する場合は、
約0.5〜1.0km/sで、前向きの場合には約0.
3〜0.7km/sで作業するのが殆どである。このよ
うな低速域、或いはハンドル前向き・後向きの各場合に
おける作業速度においては、走行変速レバーの回動量に
対する変速量を少なくし、即ち、速度の微調整ができる
ようにすることが理想的であり、また、このようにする
ことで、走行変速装置として無段変速が可能なHST式
変速装置を採用する意味もある。しかし、従来のように
変速装置に対して走行変速レバーよりワイヤ機構を設け
る構造では、一定の速度域にて変速操作量に対する変速
量を低減するようにするには、複雑な機械的構造を要す
るので、結果的に、操作量に対する変速量は、低速域で
も高速域でも同一に設定されており、高速域に適合する
ものにすれば、低速域での作業時における速度の微調整
が困難となり、また、作業速度で微調整されるようにす
れば、高速域で思うように速度が上がらないという不具
合がある。
【0004】ところで、走行変速装置をHST式変速装
置とする場合において、走行変速レバーの設定量を電気
信号化して、これに基づき変速装置の出力軸(モーター
軸)を制御する電気的制御構造にすれば、走行変速レバ
ーからのワイヤ機構が不要となり、また、複雑な機械的
構造を必要とずに、操作量に対する変速量を増減するこ
とも容易にできる。本発明は、これを利用して、作業速
度域にて速度の微調整を可能とする構造を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決すべく、次のような手段を用いるものであ
る。即ち、ハンドルを水平方向に回動して機体の前後に
振替可能とし、走行変速装置としてHST式変速装置を
採用した歩行型管理機であって、ハンドルの前後振替に
基づいて、設定される走行変速値による進行方向を前後
逆に切り換える自動前後進切換制御構造を設けたものに
おいて、走行変速値が低速域にて設定される時の変速操
作量に対するHST式変速装置の出力軸の変速量を、高
速域での変速操作量に対するHST式変速装置の出力軸
の変速量よりも少なくする。
【0006】また、ハンドルを水平方向に回動して機体
の前後に振替可能とし、走行変速装置としてHST式変
速装置を採用した歩行型管理機であって、ハンドルの前
後振替に基づいて、設定される走行変速値による進行方
向を前後逆に切り換える自動前後進切換制御構造を設け
たものにおいて、ハンドルの後向き時、前向き時の各場
合において、それぞれ一定の速度領域における変速操作
量に対するHST式変速装置の出力軸の変速量を、他の
速度領域における変速操作量に対するHST式変速装置
の出力軸の変速量よりも少なくする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面より説明する。図1は本発明に係る歩行型管理機の側
面図、図2は走行変速の電気制御システムのブロック
図、図3は低速域にて速度微調整を可能とする走行変速
コントローラーCにおけるHST出力軸制御マップ図、
図4は歩行型管理機による各種作業の適合速度域を示す
表図、図5は図4の各種作業の適合速度域を前提として
ハンドル後向き・前向き各場合にて速度微調整を可能と
する走行変速コントローラーCにおけるHST出力軸制
御マップ図、図6はハンドルを後向きにした時のハンド
ル台1及びハンドル基部の部分側面断面図、図7は同じ
く部分平面略図、図8はハンドルを前向きにした時のハ
ンドル台1及びハンドル基部の部分側面断面図、図9は
同じく部分平面略図、図10はミッションケース13の
後面断面図、図11はHST式変速装置油圧ポンプの斜
板操作用の斜板操作ケース19の内部構造を示す図1中
X線矢視図、図12はハンドルを握りながら指で操作可
能とした走行変速レバー47の配設構造を示す平面一部
断面図、図13は同じく後面一部断面図、図14は走行
変速レバー47のガイド板48の展開図である。
【0008】まず、本発明に係る歩行型管理機の全体概
略構成を図1より説明する。エンジン台フレーム14上
にて、左右中央にエンジン(内燃機関)Eを、その上方
に燃料タンクTを、また、後方にはバッテリーBを搭載
しており、エンジン台フレーム1の後端には、立状に配
設するミッションケース13の前端を固着し、ミッショ
ンケース13の入力軸16とエンジン出力軸Eaとの間
にベルト伝動機構を介装して、側方よりベルト伝動ケー
ス15にて覆っている。なお、管理機の機体について
は、図1中、矢印Yの向きが前方である。
【0009】ミッションケース13より上方にはハンド
ル台1を立設しており、ハンドル台1上端にハンドル基
部フレーム2の基端が水平回動自在に取り付けられてお
り、ハンドル基部フレーム2の先端よりハンドル3が上
下取付角度を調節可能に延設されている。ハンドル3の
グリップ部付近には、走行変速レバー10、PTOクラ
ッチレバー11等を前後回動可能に取り付けており、ま
た、左右グリップ部3a下方には左右のサイドクラッチ
レバー12を上下回動可能に配設している。
【0010】ミッションケース13上部の後面には、図
11図示の油圧ポンプの可動斜板の操作機構を内蔵する
斜板操作ケース19が配設されており、それより後方に
は、作動油タンク20が延設されている。また、ミッシ
ョンケース13の下部に左右の車軸21L・21R(2
1)が軸支されていて、左右の車輪22を懸架してい
る。更に、ミッションケース13の後端下部には、左右
回動自在に作業機を連結するヒッチ23が固設されてお
り、図1の実施例では、ロータリー耕耘機52を連結し
ている。なお、前記入力軸16は、ミッションケース1
3内にてPTO軸17に連接されており(クラッチにて
係脱自在となっている。)、PTO軸17の回転駆動
は、減速伝動ケース15の反対側に突出して、ロータリ
ー耕耘機51のロータリー耕耘爪54の軸に伝動される
ものであり、該PTO軸17とロータリー耕耘爪54の
軸との間に伝動ケース52・53が介装される。
【0011】以上のような全体構成の歩行型管理機にお
いて、図6乃至図9より、ハンドル前後振替のセンサ検
出機構について説明する。ハンドル台1の上端中央に
は、下菊座4が配設されており、一方、これに係合すべ
く、ハンドル基部フレーム2の基端には上菊座5が配設
されていて、下菊座4に上菊座5が回動可能に係合され
ている。これにより、ハンドル(ハンドル基部フレーム
2及びハンドル3)がハンドル台1に対して水平回動可
能となっている。なお、下菊座4下面とハンドル台1と
の間には、皿バネ6が介設されていて、下菊座4を上方
に付勢しているとともに、上菊座5が下菊座4上を回動
する時には、その菊座形状によって、下方に下菊座4が
押し込まれることを可能とする。また、ハンドル基部フ
レーム1にはロックレバーが回動可能に配設されてい
て、その基端が楕円状のカム7となって、該上菊座5上
に押当しており、ロックレバーをロック状態にすると、
カム7が立状になって、上菊座5を下方に押し込み、そ
れに連れて下菊座4と係合固定されて、ハンドルを、そ
の回動位置にて(例えば斜め方向でも可)固定できる。
【0012】ハンドル基部フレーム2を後方にした場合
において、該上菊座5の後方には、センサブラケット8
を配設し、該センサブラケット8には下端にプッシュス
イッチSaを配するハンドル前後検出センサSを下向き
に配設して取り付けている。なお、ハンドル前後検出セ
ンサSの左右方向の配設位置に関しては、ハンドル台1
の直後方に作動油タンク20が配設されている関係上、
平面視にて、図7のように、ハンドル基部フレーム2の
左右中央部よりやや側方(図7では左側)にずらせて、
作動油タンク20との干渉を回避している。
【0013】一方、ハンドル台1上端においては、下菊
座4の前方に押当板9を配設している。ハンドル(ハン
ドル基部フレーム2)を後方にすると、図6及び図7の
如くハンドル前後検出センサSのスイッチSaはOFF
状態となっており、前方に回動して図8及び図9の如
く、押当板9の配設部分上方にかかると、該押当板9の
上面にて該スイッチSaは上方に押されてON状態とな
る。ON状態になると、走行変速レバーの回動方向に対
して、走行方向が逆方向に切り換わるのである。なお、
押当板9の配設範囲を、図7及び図9の9’の如く拡大
すれば、ハンドル前後検出センサSがONとなる範囲が
拡大される。歩行型管理機では、ハウス等の狭い空間で
の作業や側壁付近での作業等で、ハンドルを斜め状にし
て作業する場合があるが、拡大された押当板9’の場合
だと図9の如く、ハンドルを斜め状にして、ハンドル前
後検出センサSをS’の位置にした場合にもONとな
り、前後走行方向は切り換えられ、操作しやすくなる。
但し、押当板9を9’の如く拡大する上において、ハン
ドル台1の左右に配設されるベルト伝動ケース15等の
部材との干渉回避を考慮しなければならない。
【0014】なお、ハンドル台1にハンドル前後検出セ
ンサSを上向きに設け、ハンドル基部フレーム2に押当
板9を設ける構成としてもよい。この場合は、ハンドル
前後検出センサSを位置固定させておいて、押当板9
を、ハンドルの回動とともに回動させることとなる。い
ずれの構成にしても、ハンドルの前後振替の検出は、ハ
ンドル前後検出センサS一個にて検出できる。
【0015】ここで、ミッションケース13内部におけ
る走行変速装置の構造について、図10より説明する。
まず、ミッションケース13の上部には、左方より入力
軸16が入軸されていて、一方、その反対の右側よりP
TO軸17が入軸されている。両軸16・17の両内端
間には、PTOクラッチ18が介設されており、PTO
クラッチレバー12の入り切り操作にてスライドし、両
軸16・17を係脱するものである。また、ミッション
ケース13左側の入力軸16の突出部分には入力軸プー
リー16aが環設固定されて、前記の如く、ベルト伝動
ケース15内にてエンジン出力軸Eaよりベルトが巻回
される。そして、該ミッションケース13内において
は、ポンプ軸PSとモーター軸MSとが軸支されてい
て、入力軸16とポンプ軸PSとをギア噛合させてい
る。なお、モーター軸MSの左外側突設部分には、モー
ター軸MSを制動可能に駐車ブレーキ用のブレーキドラ
ム24を付設している。
【0016】そして、油圧ポンプPと油圧モーターMと
を油路ブロック25にて連接してなるHST式変速装置
を、図示の如くミッションケース13内に内嵌し、該ポ
ンプ軸PS周囲に油圧ポンプPを、モーター軸MS周囲
に油圧モーターMを係合し、油路ブロック25はミッシ
ョンケース13の右側面に配設して、本管理機の走行変
速装置を形成する。走行変速、停止、及び前後進の切換
操作は、油圧ポンプPの可動斜板操作によるものであ
り、これは、ハンドル3の手元に付設される図1図示の
走行変速レバー10の操作によるものである。
【0017】該モーター軸MSからは、ミッションケー
ス13内に軸支される第一カウンター軸26、第二カウ
ンター軸27とギア噛合している。一方、ミッションケ
ース13内の下部において、左右より左右の車軸21L
・21Rが入軸されていて、両車軸21L・21R間
に、ピン29が配設され、その両側端は各車軸21L・
21Rの内側端に回転自在に内嵌されている。そして、
ピン29には、スプロケット30が回転自在に外嵌され
ており、該第二カウンター軸27に付設するスプロケッ
ト28との間にチェーン31を巻回している。こうし
て、モーター軸MSの回転が、スプロケット30に伝動
される。
【0018】ミッションケース13の左右各側には、各
々ハンドル3に配設した左右のサイドクラッチレバー1
2の操作にて回動するサイドクラッチアーム32L・3
2R(32)が枢支されており、一方、ミッションケー
ス13内において、左右車軸21L・21R上にて、摺
動自在に、また、スプロケット30の各側面に係合・離
脱可能に、サイドクラッチ34L・34R(34)を外
嵌しており、各サイドクラッチ34L・34Rと、該サ
イドクラッチアーム32L・32Rとの間に、それぞれ
リンク33L・33Rを連結している。サイドクラッチ
レバー12を入り操作した場合には、サイドクラッチ3
4がスプロケット30に係合し(図10の実施例では左
サイドクラッチ34Lがスプロケット30と係合してい
る。)、その側の車軸21にスプロケット30の回転が
伝動される。一方、サイドクラッチレバー12を切り操
作すると、サイドクラッチ34がスプロケット30より
離脱して(図10の実施例では、右サイドクラッチ34
Rがスプロケット30より離脱している。)、その側の
車軸21にはスプロケット30の回転が伝動しないよう
になっている。
【0019】本実施例の管理機は、以上のように、ミッ
ションケース13内にHST式変速装置を収納する構造
を有している。このようにケース内に収納された場合、
ミッションケース13の側面の外側に取り付ける構造に
比べ、ミッションケース13の側方に配設自由の空間を
有することができ、管理機全体のコンパクト化に有利で
ある。また、無段変速が可能であり、ギア式トランスミ
ッションの場合には、発進時に車軸の回転数を定格に上
げておかなければならない点で、急発進の可能性がある
が、無段変速を可能とする場合、停止状態から漸次速度
を上昇させる運転が可能であり、急発進を回避できる。
【0020】ミッションケース13のHST式変速装置
の内蔵部分の後面には、前記の如く斜板操作ケース19
が配設されており、該斜板操作ケース19よりミッショ
ンケース13内に内装されるHST式変速装置の油圧ポ
ンプPの可動斜板を操作するトラニオン軸35が突設さ
れ、該トラニオン軸35には、一体状にワイヤアーム3
6・37が固設されている。一方、その側方にはトラニ
オン駆動用の電動式モーターとして変速モーター38が
配設されていて、そのモーター軸に取り付けた減速機3
9の出力プーリー39aの他、補助プーリー40・41
が軸支され、斜板操作ワイヤ42の一端がワイヤアーム
36に連結され、途中部は該出力プーリー39a、補助
プーリー40・41に巻回され、他端がワイヤアーム3
7に連結されている。こうして、変速モーター38が駆
動すると、出力プーリー39aが回動し、それに連れて
斜板操作ワイヤ42が移動して、トラニオン軸35を回
動し、油圧ポンプの可動斜板の傾斜状態が切り換えられ
る。なお、図11中において、斜板操作ワイヤ42がf
側に移動すると、即ち、トラニオン軸35が左回りに回
動すると、後進高速段→後進低速→中立→前進低速→前
進高速の向きに斜板が移動し、斜板操作ワイヤ42がr
側に移動する(トラニオン軸35が右回りに回動する)
と、その逆に斜板が移動する。
【0021】走行変速レバー10のガイド板10aに
は、前後に前進段、中立段、後進段が設定されていて、
図1中、Fは前進最高速位置、Nは中立(停止)位置、
Rは後進最高速位置である。走行変速レバー10の基端
には、設定用ポテンショメーターPM1が配設されてお
り、該設定用ポテンショメーターPM1にて、中立位置
Nを介して、一定角度(例えば40°)の前進域(N〜
F)及び一定角度(例えば20°)の後進域(N〜R)
が設定され(図2参照)、走行変速レバー10の回動に
基づき、前後進、走行停止、及び無段変速設定がなされ
る。また、左右ハンドル3・3間に跨設したハンドルカ
バー43内に、設定用ポテンショメーターPM1の設定
値を表す電気信号を入力する走行変速コントローラーC
を内装しており、この箇所に配設することによって、他
物との干渉を回避し、メンテナンスを容易にし、コンパ
クト化を実現できるようにしている。
【0022】以上のような構成により、走行変速レバー
と走行変速装置との間の複雑なワイヤ機構が不要とな
る。ハンドルを前後振替する歩行型管理機の場合、この
ワイヤ機構は更に複雑となるので、該ワイヤ機構を不要
とすることは、低コスト化や組立容易化の点で貢献す
る。なお、走行変速コントローラーCは、他物との干渉
を回避できるよう、、コンパクト化、メンテナンス容易
化にも資するものとなっている。
【0023】更に、ワイヤ連結機構を除去できること
で、レバーの操作荷重を軽減できるので、図12乃至図
14図示の如く、ハンドル3のグリップ部3aを握りな
がら指一本で操作できるような走行変速レバー46を構
成できる。この構成について説明する。(右側の)ハン
ドル3のグリップ部3aの直前部に走行変速レバー取付
板44を取り付け、ハンドル3の内側(左側)にて、該
走行変速レバー取付板44に電圧設定器(ボリューム)
であるポテンショメーター45を固設するとともにその
設定操作軸45aを後方に回動自在に突設し、該設定操
作軸45aに走行変速レバー47の基端をナット46に
て締止する。該ナット46の締付力を調整すれば、走行
変速レバー47の操作荷重を調整できる。
【0024】該走行変速レバー47は、板バネ構造であ
って、前後可撓である。更に走行変速レバー取付板44
の外周部に沿って、ガイド板48を貼設しており、該ガ
イド板48には、図14図示の如き形状のガイド溝48
aが形成されている。Fは前進最高速位置、Nは中立位
置、Rは後進最高速位置である。図13の如く、走行変
速レバー47がやや上方向きになる位置に中立位置Nを
配置し、該中立位置Nより、走行変速レバー47が略側
方を向く(下方に押して操作でき、操作がやりやすい)
位置に前進域を配置し、一方、中立位置Nよりも走行変
速レバー47が上方向きになる位置(上方に引かなけれ
ばならず、操作がしづらい)に後進域を形成しているも
のである。
【0025】また、中立位置Nを介して、前進域・後進
域は前後にずれて形成されており、前進域或いは後進域
の高速段から低速段へと走行変速レバー47を作動せる
場合に、中立位置Nに至ると、必ず中立位置Nで走行変
速レバー47が停止するのでいきなり前後進が切り換わ
ってしまうことがなく、安全性を担保する。また、この
ように前後にレバーの操作位置をずらせる場合には、前
記走行変速レバー10の如き大きさのものでは、レバー
基端部を前後左右に回動可能にする構造が必要である
が、本走行変速レバー47は、板バネ状となっていて、
このような基端部の回動構造は不要であり、例えば前進
域から後進域へと切り換える場合には、前進域から中立
位置Nにて停止した走行変速レバー47を後方に引け
ば、図12の如く、走行変速レバー47が撓んで、後進
域の最低速段に入り、その後は、後進域にて低速位置か
ら最高速位置(R)まで操作可能となる。
【0026】なお、図12及び図13中において、ハン
ドルグリップ部3aの下方には前記の如くサイドクラッ
チレバー12を配設しており、更に、49はエンジン回
転数設定用のアクセルレバーであり、50はハンドル3
の基端のハンドル2先端に対する取付角度を調節するハ
ンドル高さ調整レバーである。
【0027】走行変速の電気制御システムを図2より説
明する。該走行変速コントローラーCには、該走行変速
レバー10にて設定される設定用ポテンショメーターP
M1(図12及び図13図示の走行変速レバー47を採
用する場合、ポテンショメーター45に置き換える。)
の設定値を示す電気信号が入力される他、前記のハンド
ル前後検出センサSのON・OFF信号が入力される。
これらの入力に基づき走行変速コントローラーCから
は、変速モーター38に出力信号が発せられ、これに基
づき、減速機の出力プーリー39aを回動して、前記の
如くトラニオン軸35を回動し、HST式変速装置油圧
ポンプPの可動斜板を移動させる。また、該減速機の出
力プーリー39aの回動量を検出する検出ポテンショメ
ーターPM2が付設されており、この検出信号と前記の
設定用ポテンショメーターPM1及びハンドル前後検出
センサSの入力信号とを照合し、出力プーリー39aを
所定回動位置にする。なお、図2中、Bはバッテリーで
ある。
【0028】以上のような走行変速の電気制御システム
において、走行変速レバー10は、ハンドル3のグリッ
プを持つ作業者から見て、前方が前進側、手前が後進側
になる。しかし、前進は、作業者から見て前方に走行す
るものとするため、ハンドルを図8及び図9の如く前方
に振り替えた時には、走行変速レバー10を前進段にし
た場合に、機体から見れば後進方向(図1中の矢印Yの
反対側)に走行するようにしなければならない。この
時、ハンドル前後検出センサSのONに基づき、走行変
速レバー10が前進段、即ち、ポテンショメーターPM
1が前進域にあると、変速モーター38は、ハンドル前
後検出センサSがOFFの時と逆方向に回転するよう
に、走行変速コントローラーCより出力信号が発せられ
る。
【0029】そして、斜板操作ワイヤ42がf側に移動
するのは、ハンドル前後検出センサSがOFF状態(ハ
ンドルが後方向きの状態)では、走行変速レバー10
を、機体から見て前方に回動した時であり、ハンドル前
後検出センサSがON状態(ハンドルが前向き)の場
合、走行変速レバー10を機体から見て後方に回動した
時である。いずれにしても、ハンドル7を持つ作業者か
ら見れば、自分から見て手前から前方側に走行変速レバ
ー10を回動する操作にて、斜板操作ワイヤ42がf側
に移動し、後進高速段→後進低速→中立→前進低速→前
進高速の向きに無段変速及び前後進切換可能となるので
あり、その逆に、自分から見て前方側から手前に走行変
速レバー10を回動すると、斜板操作ワイヤ42はr側
に移動し、前記と逆の向きに無段変速及び前後進切換可
能となる。
【0030】この走行変速コントローラーCにて、記憶
する制御マップにより、変速特性を変化させることがで
きる。即ち、走行変速レバー10(47)による操作量
に対するHST出力軸(モーター軸MS)の増減量を自
由に設定できるのである。まず、図3図示の制御マップ
を用いる場合、前進向きを+、後進向きを−としてい
る。後記の図5においても同様である。なお、この場合
の前進・後進とは、作業者から見た方向であって、ハン
ドルが後向き時には、前進向きは図1中Y向きとなり、
ハンドルが前向きの場合には図1中反Y向きが前進向き
となる。)には、中立位置を含む前後進域に渡る低速域
L(例えば、−0.2m/s〜+0.6m/s、つまり
後進0.2m/s〜前進0.6m/s)において、走行
変速レバー10(47)の位相(ポテンショメーターP
M1または45の検出位相)に対するHST出力回転数
(モーター軸MS)の増減量を、それ以外の車速域(高
速域H)に比して小さくしている。従って、該低速域L
では、従動軸(車軸21)位相も小さく変化し、車速を
微調整できるものである。つまり、低速域Lでは、走行
変速レバー10(47)の回動量に対しての変速量が少
なく、従って、速度の微調整が可能となる。歩行型管理
機の作業は、大凡この低速域Lにて行われるので、作業
時の速度微調整が可能で、HST式変速装置の特性であ
る無段変速を大いに生かすことができる。
【0031】また、図4は、歩行型管理機による各種作
業の適合速度域を示す表である。なお、図4に示す速度
は、全て図1中Y向きの進行を前提にしてのものであ
り、反Y向きの進行は想定していない。また、図4図示
の各種作業の中で、牽引作業や運搬作業は、ロータリー
作業機51に代えて、他の作業機(例えば運搬の場合は
トレーラー)をヒッチ23に連結して行う作業である。
この表図によると、歩行型管理機による作業は、大きく
は、ハンドルを後向き(図6及び図7図示の状態)にし
て行う作業と、ハンドルを前向き(図8及び図9図示の
状態)にして行う作業とで、適合速度域が分かれる。ハ
ンドルを後向きにしての作業は速度域W1(約0.5〜
1.0m/s)にて、ハンドルを前向きにしての作業は
速度域W2(約0.3〜0.7m/s)にて行われる場
合が多い。従って、ハンドルの後向き・前向きの各場合
において、この速度域W1・W2にて速度を微調整でき
るようにすれば、作業が容易化する。
【0032】そこで、このことを前提として、図5の如
く、ハンドル後向き時の変速特性グラフV1とハンドル
前向き時の変速特性グラフV2よりなるHST出力軸
(モーター軸MS)制御マップを作成し、これを走行変
速コントローラーCに読み込ませると、ハンドルの後向
き・前向きの各場合において、それぞれ、速度域W1・
W2にて、走行変速レバー10(47)の操作量に対す
るHST出力軸(モーター軸MS)の変化量が少なく設
定され、この速度域にて速度を微調整できる。そして、
大凡あらゆる作業において、速度微調整が可能となるの
である。なお、ハンドルの後向き・前向きは、勿論、前
記のハンドル前後検出センサSにて検出するものであ
り、このセンサ検出に基づいて、変速特性グラフV1か
V2かを選択する。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次
のような効果を奏する。まず、請求項1記載の如き構成
とすることで、管理機による作業が多く行われる低速域
にて速度微調整が可能となり、HST式変速装置の特性
である無段変速を生かすことができ、最適の作業速度を
引出しやすくなる。
【0034】また、請求項2の如く構成することで、ハ
ンドルを後向きにした場合と前向きにした場合の各場合
において、歩行型管理機による作業が多く行われる一定
の速度領域での速度微調整が可能となり、管理機による
おおよそ全ての作業において速度微調整ができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歩行型管理機の側面図である。
【図2】走行変速の電気制御システムのブロック図であ
る。
【図3】低速域にて速度微調整を可能とする走行変速コ
ントローラーCにおけるHST出力軸制御マップ図であ
る。
【図4】歩行型管理機による各種作業の適合速度域を示
す表図である。
【図5】図4の各種作業の適合速度域を前提としてハン
ドル後向き・前向き各場合にて速度微調整を可能とする
走行変速コントローラーCにおけるHST出力軸制御マ
ップ図である。
【図6】ハンドルを後向きにした時のハンドル台1及び
ハンドル基部の部分側面断面図である。
【図7】同じく部分平面略図である。
【図8】ハンドルを前向きにした時のハンドル台1及び
ハンドル基部の部分側面断面図である。
【図9】同じく部分平面略図である。
【図10】ミッションケース13の後面断面図である。
【図11】HST式変速装置油圧ポンプの斜板操作用の
斜板操作ケース19の内部構造を示す図1中X線矢視図
である。
【図12】ハンドルを握りながら指で操作可能とした走
行変速レバー47の配設構造を示す平面一部断面図であ
る。
【図13】同じく後面一部断面図である。
【図14】走行変速レバー47のガイド板48の展開図
である。
【符号の説明】
S ハンドル前後検出センサ PM1 設定用ポテンショメーター PM2 検出用ポテンショメーター P 油圧ポンプ M 油圧モーター C 走行変速コントローラー 1 ハンドル台 2 ハンドル基部フレーム 3 ハンドル 9 押当板 10 走行変速レバー 13 ミッションケース 19 斜板操作ケース 35 トラニオン軸 36 ワイヤアーム 37 ワイヤアーム 38 変速モーター 39 減速機 39a 出力プーリー 42 斜板操作ワイヤ 44 走行変速レバー取付板 45 ポテンショメーター 47 走行変速レバー 48 ガイド板 48a ガイド溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルを水平方向に回動して機体の前
    後に振替可能とし、走行変速装置としてHST式変速装
    置を採用した歩行型管理機であって、ハンドルの前後振
    替に基づいて、設定される走行変速値による進行方向を
    前後逆に切り換える自動前後進切換制御構造を設けたも
    のにおいて、走行変速値が低速域にて設定される時の変
    速操作量に対するHST式変速装置の出力軸の変速量
    を、高速域での変速操作量に対するHST式変速装置の
    出力軸の変速量よりも少なくすることを特徴とする歩行
    型管理機の変速機構。
  2. 【請求項2】 ハンドルを水平方向に回動して機体の前
    後に振替可能とし、走行変速装置としてHST式変速装
    置を採用した歩行型管理機であって、ハンドルの前後振
    替に基づいて、設定される走行変速値による進行方向を
    前後逆に切り換える自動前後進切換制御構造を設けたも
    のにおいて、ハンドルの後向き時、前向き時の各場合に
    おいて、それぞれ一定の速度領域における変速操作量に
    対するHST式変速装置の出力軸の変速量を、他の速度
    領域における変速操作量に対するHST式変速装置の出
    力軸の変速量よりも少なくすることを特徴とする歩行型
    管理機の変速機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013063025A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Kubota Corp 歩行型電動作業機
JP2014138601A (ja) * 2014-02-26 2014-07-31 Kubota Corp 歩行型電動作業機

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013063025A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Kubota Corp 歩行型電動作業機
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