JPH10109287A - ロボットの移動制御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久試験装置、及びロボットの負荷生成装置 - Google Patents

ロボットの移動制御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久試験装置、及びロボットの負荷生成装置

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JPH10109287A
JPH10109287A JP21652997A JP21652997A JPH10109287A JP H10109287 A JPH10109287 A JP H10109287A JP 21652997 A JP21652997 A JP 21652997A JP 21652997 A JP21652997 A JP 21652997A JP H10109287 A JPH10109287 A JP H10109287A
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JP
Japan
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robot
force
trajectory
unit
load
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JP21652997A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Nakada
康之 中田
Mitsuru Shiraishi
満 白石
Yoshinori Sudo
嘉規 須藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軌道又は任意の軌道を移動可能なロボッ
トの移動制御装置に関し、ロボット自身が回転機構を操
作するための軌道を取得し、かつその際、可動方向の誤
差を低減する。 【解決手段】 (1)ロボットの把持部に所定の方向を
有する力を加え、ロボットの把持部が動きはじめたら、
動きはじめの力の方向を保持して該ロボットが把持する
移動操作対象を移動させ、(2)動きはじめの力の方向
と移動操作対象の可動方向がずれてロボットの把持部が
停止したとき、動きはじめの力の方向を基準として予め
設定した刻み角度でロボットの把持部に付与する力の方
向を変えて移動操作対象に力を加え、(3)ロボットの
把持部が動きはじめたら、動きはじめの力の方向を保持
してロボットの把持部を移動させ、(4)その後、
(2)乃至(3)の動作を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットの移動制
御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久試験
装置、及びロボットの負荷生成装置に関し、より詳しく
は、回転軌道又は任意の軌道を移動可能なロボットの移
動制御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久
試験装置、及びロボットの負荷生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】耐久性試験の測定対象となる製品には、
回転機構が多く用いられている。また、パソコンやター
ミナル製品に代表される情報機器では、製品の軽量化、
小型化に伴い、機構部の構成材料にプラスチックが用い
られ軽量化、薄肉化される傾向にある。従って、設計、
試作段階での製品の耐久性の調査の要求が強くなってき
ている。
【0003】従来、試作された製品の耐久性試験は人手
あるいは専用機で行われていた。しかし、耐久試験は数
千〜数万回行われるため、人手で試験するときには大き
な負担となっていた。また、専用機で試験する時には、
機構の回転がスムーズに行われるように設置位置を調整
する必要があり、操作が煩雑であった。以上のような背
景から、様々な形状の製品の耐久性を汎用的に試験する
ための装置として、ロボットを使用することが考えられ
る。回転機構の耐久試験においてロボットを用いる場
合、ロボットに回転軌跡を教示する必要がある。回転軌
道を教示するために、従来、次の方法が取られてきた。
即ち、(1)ユーザがロボットを直接操作して軌道を教
示する直接教示機能による方法、(2)ロボットが自律
的(ユーザの教示無し)に回転中心を獲得し、回転機構
の回転動作を行う方法、(3)ロボットが円軌道を探索
する際、往路では粗い周期で軌道探索を行い、復路では
往路で得た軌跡を基に、細かい周期で軌道探索を行い、
回転機構の回転軌道を得る方法、また、教示した軌跡を
再生する方法としては、次の方法があった。即ち、
(1)教示した軌跡をそのまま再生する方法、(2)教
示した軌跡のサンプリング数を調整し、高速再生する方
法、(3)教示した軌跡をスムージングし、適当な再生
速度を持つ軌跡に置き換えて再生する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
回転軌道を教示する方法では、次の問題点があった。即
ち、(1)のユーザが教示する方法では、再生用の円軌
道が教示するユーザによってばらつくこと、教示時のユ
ーザへの負担が大きいこと等の問題があった。また、
(2)で示した例では、初期の探索方向が回転軌道の接
線方向と一致しないため実際の軌道からの誤差が大きい
こと、教示を行う際には復路の動作指令も必要だが具体
的な方法が示されていないこと等の問題があった。
【0005】更に、(3)の方法では、探索方向が軌道
円の接線方向に限られているため、回転機構の摩擦が大
きい場合など、接線方向以外の方向の探索が必要な場合
に対応できないという問題があった。一方、従来の教示
した軌跡を再生する上記の(1)〜(3)の方法では、
教示した軌跡を忠実に再現できるが、ユーザが実際に製
品を操作する際に製品に与える負荷をシミュレートでき
ないという問題があった。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、ロボット自身が回転機構を操作するため
の軌道を取得し、かつその際、可動方向の誤差を低減す
ることができるロボットの移動制御装置、ロボットの移
動制御方法及び回転機構の耐久試験装置を提供すること
を目的とする。また、本発明の他の目的は、教示時に得
た軌跡に特定パターンを重畳させて、再生軌跡を生成
し、ユーザが製品を操作するときに与える負荷と同等の
負荷を加えながら繰り返し動作を行うロボットの負荷生
成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1の発明
である、(1)ロボットの把持部に所定の方向を有する
力を加え、前記ロボットの把持部が動きはじめたら、前
記動きはじめの力の方向を保持して該ロボットが把持す
る移動操作対象を移動させ、(2)前記動きはじめの力
の方向と前記移動操作対象の可動方向がずれて前記ロボ
ットの把持部が停止したとき、前記動きはじめの力の方
向を基準として予め設定した刻み角度で前記ロボットの
把持部に付与する力の方向を変えて前記移動操作対象に
該力を加え、(3)前記ロボットの把持部が動きはじめ
たら、前記動きはじめの力の方向を保持して前記ロボッ
トの把持部を移動させ、(4)その後、前記(2)乃至
(3)の動作を繰り返すことを特徴とするロボットの移
動制御方法によって解決され、第2の発明である、
(1)第1の発明に記載のロボットの移動制御方法にお
いて、前記ロボットの把持部が停止した位置と、該各停
止位置での前記動きはじめの力の方向を時系列で取得し
て、前記ロボットの把持部が動く軌道の中心位置を前記
時系列の各停止位置から求め、(2)該中心位置と前記
各停止位置とから該各停止位置の回転角を求め、(3)
前記時系列の順に従って、相互に隣接する前方の停止位
置と後方の停止位置とを取り出し、前方の停止位置で前
記動きはじめの力の方向に力を加えて、前記ロボットの
把持部を前記前方の停止位置と前記後方の停止位置との
間へ移動させ、(4)前記移動後の前記ロボットの把持
部の位置と前記中心位置とから回転角を求め、(5)該
移動後の回転角と、前記前方の停止位置と後方の停止位
置にそれぞれ対応する2つの回転角と、前記前方の停止
位置と前記後方の停止位置での動きはじめの力の方向を
示す2つの振り角とから、直線近似により前記移動後の
振り角を求め、(6)該移動後の振り角の方向に力を加
えて前記ロボットの把持部を移動させ、(7)その後、
前記(4)乃至(6)の動作を繰り返し、(8)前記移
動後の回転角が前記後方の停止位置の回転角と等しくな
ったときに、該後方の停止位置を新たな前方の停止位置
とし、前記後方の停止位置の次の停止位置を新たな後方
の停止位置として前記(3)乃至(7)の動作を繰り返
すことを特徴とするロボットの移動制御方法によって解
決され、第3の発明である、ロボットの把持部の位置を
検出する位置検出部と、前記ロボットの把持部が把持す
る移動操作対象から前記ロボットの把持部が受ける力を
検出する力検出部と、設定した目標力の方向に移動させ
た前記ロボットの把持部が停止したとき前記目標力の方
向を基準として所定の刻み角度で力の方向を切り替えて
新たな目標力を生成する可動方向探索部と、前記目標力
の信号を受けて、前記ロボットの把持部に付与する力の
方向を前記目標力の方向に向ける信号を生成する力制御
部と、前記目標力の方向に向ける信号を受けて、前記ロ
ボットの把持部に前記目標力の方向の力を付与する操作
部とを有するロボットの移動制御装置によって解決さ
れ、第4の発明である、第3の発明に記載のロボットの
移動制御装置は、さらに、前記目標力の方向の切替え位
置及び該切替え位置での目標力の方向を表す振り角を格
納する探索データ記憶部と、前記ロボットの把持部の位
置を時系列で記憶する軌跡記憶部と、該軌跡記憶部に記
憶された時系列のロボットの把持部の位置から前記ロボ
ットの把持部が動く軌道の中心位置を算出する軌道パラ
メータ算出部と、前記探索データ記憶部に保存された隣
り合う2つの切替え位置での前記目標力の振り角、及び
前記軌道の中心位置と前記ロボットの把持部の移動開始
位置と前記切替え位置とから算出された前記2つの切替
え位置の回転角に基づいて直線近似で、前記2つの切替
え位置の中間の位置での前記目標力の振り角を算出し、
該目標力を生成する他の可動方向探索部とを有すること
を特徴とするロボットの移動制御装置によって解決さ
れ、第5の発明である、第3又は第4の発明に記載のロ
ボットの移動制御装置と、該移動制御装置により制御さ
れるロボットとを備えた回転機構の耐久試験装置によっ
て解決され、第6の発明である、教示操作で得たロボッ
トの先端位置の時系列で表される軌跡が格納されている
教示軌跡格納部と、試験対象に負荷を与えるための軌跡
を生成する負荷軌跡生成部と、前記教示軌跡格納部に格
納されている教示軌跡に前記負荷軌跡生成部が生成する
負荷軌跡を重畳して前記ロボットが実際に動作する軌跡
を与える再生軌跡生成部と、前記再生軌跡生成部が生成
する前記ロボットが実際に動作する軌跡に基づき、前記
ロボットの位置制御を行う位置制御部とを有することを
特徴とするロボットの負荷生成装置によって解決され、
第7の発明である、請求項6記載のロボットの負荷生成
装置は、負荷パターンとして数式で与えられる定型パタ
ーンを生成し、該定型パターンに応じた負荷を試験対象
に加えながら繰り返し動作を行うことを特徴とするロボ
ットの負荷生成装置によって解決され、第8の発明であ
る、請求項6記載のロボットの負荷生成装置は、ユーザ
が実際に製品へ加える力に基づく負荷軌跡を前記試験対
象に加えながら繰り返し動作を行うロボットの負荷生成
装置によって解決され、第9の発明である、請求項6記
載のロボットの負荷生成装置は、負荷軌跡をランダムに
与えることにより、前記試験対象の全体へほぼ均一な負
荷を加えることを特徴とするロボットの負荷生成装置に
よって解決される。
【0008】本発明に係るロボットの移動制御方法及び
移動制御装置においては、第1に、位置検出部、力検出
部、可動方向探索部及び力制御部を備えている。位置検
出部では、ロボットの把持部の位置を検出する。力検出
部では、ロボットの把持部の把持する移動操作対象から
ロボットの把持部が受ける力を検出する。
【0009】可動方向探索部では、設定した目標力の方
向に移動させたロボットの把持部が停止したとき、直前
の操作で得た可動方向、即ち直前に設定した目標力の方
向を基準として所定の刻み角度で力の方向を変えて新た
な目標力を生成する。力制御部では、目標力の信号を受
けて、ロボットの把持部に付与する力の方向を目標力の
方向に向ける信号を生成する。
【0010】第1回目の探索動作では、位置検出部、力
検出部、可動方向探索部及び力制御部の組み合わせによ
って、目標力の方向が移動操作対象の可動方向からずれ
てロボットが停止した時点で、目標力の方向を適当な角
度だけ振り、目標力の方向が可動方向に一致するように
探索を進める。これにより、ロボットによる操作対象の
可動方向が円の接線方向から外れるような場合でも、実
際の可動方向に忠実に追随できるので、可動方向の誤差
を最小限にすることができる。
【0011】なお、移動制御装置に探索データ記憶部及
び軌跡記憶部を設け、第1回目の探索で得た目標力の方
向の切替え位置、及びその切替え位置での目標力の方向
を表す振り角を探索データ記憶部に格納し、また軌道の
軌跡を軌跡記憶部に格納しておく。そして、これらのデ
ータを第2回目の探索に利用することができる。即ち、
本発明では、第2に、上記の他、探索データ記憶部、軌
跡記憶部、円パラメータ算出部及び他の可動方向探索部
を備えている。
【0012】探索データ記憶部では、可動方向探索部で
探索した可動方向の切替え位置と目標力の振り角等を記
憶する。軌跡記憶部では、第1回目の可動方向の探索で
得られたロボットの把持部の位置を時系列で記憶する。
円パラメータ算出部では、軌跡記憶部に記憶された、第
1回目の可動方向の探索で得られたロボットの把持部の
位置の動作点列から、軌道の中心位置等を算出する。
【0013】他の可動方向探索部では、2回目の探索動
作を行う際、1回目の探索動作で探索データ記憶部に保
存された隣り合う2つの切替え位置での可動方向の振り
角、及び円の中心位置とロボットの移動開始位置と隣り
合う2つの切替え位置とから算出された2つの切替え位
置の回転角に基づいて直線近似で、隣り合う2つの切替
え位置の中間の位置での目標力の振り角を算出し、新た
な目標力を生成する機能を有する。
【0014】第2回目の探索動作では、探索データ記憶
部に記憶されている目標力の方向の切替え位置およびそ
の切替え位置での目標力の方向(振り角)と、円パラメ
ータ算出部において第1回目の回転軌道から算出した軌
道の中心位置とから、他の可動方向探索部及び力制御部
の組み合わせによって、移動後の回転角を算出するとと
もに、その回転角の位置における目標力の方向(振り
角)を算出する。
【0015】そして、目標力の方向と可動方向のずれに
よってロボットの把持部が停止する前にそれらのパラメ
ータを連続的に切り換えることによって、滑らかな軌道
の軌跡を獲得することができる。また、単に円軌道の接
線方向を目標力の方向とせずに、第1回目で得られた振
り角、又は第1回目で得られた振り角から直線近似によ
り求めた振り角を目標力の方向としているので、ロボッ
トによる操作対象の可動方向が円軌道の接線方向から外
れるような場合でも、可動方向の誤差を最小限にするこ
とができる。
【0016】さらに、獲得した回転軌道の軌跡をロボッ
トの目標再生軌道として与えるとともに、位置検出部及
び位置制御部の組み合わせによって、可動方向の誤差を
低減し、耐久試験のための繰り返し動作を実行すること
ができる。本発明に係るロボットの負荷生成装置におい
ては、教示軌跡格納部、負荷軌跡生成部、再生軌跡生成
部、位置制御部を備えている。
【0017】教示軌跡格納部には、教示操作で得たロボ
ットの先端位置の時系列で表される軌跡が格納されてい
る。負荷軌跡生成部では、試験対象に負荷を与えるため
の軌跡を生成する。例えば、ある時刻における負荷軌跡
の位置を[qx ,qy ,qz ],ロボットと試験対象と
の間の剛性をkq とおくと、試験対象に加わる負荷Fq
は、 Fq =kq ・(qx 2 ,qy 2 ,qz 2 1/2 となる。従って、負荷軌跡のパターンを調整することに
より、負荷パターンをユーザが製品を操作する場合と同
等にすることが可能となる。
【0018】再生軌跡生成部では、教示軌跡に負荷軌跡
を重畳してロボットが実際に動作する軌跡を与える。ま
た、再生動作中にサンプリング毎の目標位置を位置制御
部へ指令する。位置制御部では、再生軌跡生成部から指
令された目標位置と位置検出部で検出されたロボットの
位置との偏差をゼロにするような信号を操作部へ送る。
操作部では、信号に応じたロボットの駆動信号を発生し
てロボットを動作させる。
【0019】上記構成によって、ユーザが製品を操作す
るときに加える負荷と同等の負荷を与える軌跡を生成し
て、耐久性試験のための繰り返し動作を実行することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1に、ロボット1
02と、移動操作対象103と、ロボットの移動制御装
置101とを含む耐久試験装置の概略構成図を示す。ロ
ボット102の先端には、力の大きさと方向を検出する
ための力覚センサ2と移動操作対象103を把持するた
めのハンド(把持部)1とが取り付けられている。ま
た、ロボット102の関節部には不図示のモータとモー
タの回転角を検出する不図示の位置センサが取り付けら
れている。
【0021】回転動作を実行する際、ロボット102
は、移動操作対象103をハンド1で把持し、移動制御
装置101から与えられる目標力を発生するための駆動
信号に従って動作する。上記の移動制御装置101のブ
ロック図を図2〜図4に示す。図2はロボット102が
第1回目の探索動作を行うときの装置構成を示し、図3
は第2回目の探索動作を行うときの装置構成を示す。ま
た、図4は軌跡再生動作を行うときの装置構成を示す。
この場合、位置検出部11はロボット本体の関節部に取
り付けられた位置センサを含み、力検出部16は力覚セ
ンサ2を含む。
【0022】移動制御装置101を構成する各部の処理
概要を以下に示す。 (位置検出部、位置記憶部、軌跡記憶部)回転軌跡は、
位置検出部11でロボット102の先端の把持部1の位
置が検出され、位置記憶部12で検出された位置データ
が一定の時間毎に取得され、軌跡記憶部13にそれらの
位置データが時系列で保存される。
【0023】位置検出部11は、制御対象であるロボッ
ト102の関節部のモータの回転角を検出するエンコー
ダおよびカウンタと、モータの回転角からロボット10
2の座標系へ座標値を変換する座標変換部からなり基準
座標系でのロボット102の把持部1の位置を検出す
る。位置記憶部12は、検出したロボット102の把持
部1の位置を適当なサンプリング時間間隔で、移動制御
装置101のメモリに記憶する。位置取得のサンプリン
グ時間は、動作軌跡上の軌跡を一定の周期で記憶装置に
記憶するときの時間の間隔である。サンプリング時間は
移動制御装置のサンプリング時間と異なる値を用いても
良い。
【0024】軌跡記憶部13では、位置記憶部12に記
憶されているロボット102の把持部1の位置をディス
ク装置などの記憶装置に逐次記憶する。取得する軌跡
は、絶対軌跡あるいは相対軌跡のどちらでもよい。絶対
軌跡はロボット102先端の位置の基準座標系上での絶
対位置のパターンを表し、相対軌跡は、ロボット102
の把持部1の位置のパターン獲得動作の開始点からの相
対移動量のパターンを表す。基準座標系で表現されたロ
ボット102の把持部1の位置が、
【0025】
【数1】
【0026】い表されるとする。ただし、添え字のx,
y,z,δ,η,νは、基準座標系のX軸、Y軸、Z
軸、X軸回りの回転軸、Y軸回りの回転軸、Z軸回りの
回転軸を表す。ロボットの初期位置、t秒後の位置が、
それぞれ、
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】のように表されるとき、絶対軌跡は、Par
(t) の時系列データで与えられ、相対軌跡は、Par(t)
−Par(0) の時系列データで与えられる。サンプリング
時間毎に記憶される位置データは、離散値であり、絶対
軌跡を取り込むときの第iサンプリング時のデータは、 Pi =[Xi ,Yi ,Zi ,δi ,ηi ,νi ] で与えられ、相対軌跡を取り込むときの第iサンプリン
グ時のデータは、 Pi =[Xi −X0 ,Yi −Y0 ,Zi −Z0 ,δi
δ0 ,ηi −η0 ,νi −ν0 ] で与えられる。ただし、P0 =[X0 ,Y0 ,Z0 ,δ
0 ,η0 ,ν0 ]は、探索動作開始時の初期位置であ
る。
【0030】(可動方向探索部)可動方向探索部15で
は、次のように探索動作を行う。まず、第1回目の探索
動作では、目標力ベクトルの方向が移動操作対象103
の可動方向からずれて停止した時に、直前に設定した目
標力ベクトルの方向を基準にその方向を予め設定した刻
み角度で、ロボット102が動くまで走査する。ロボッ
ト102が動き始めたら、動き始めの位置と、目標力ベ
クトルの方向を保存する。
【0031】次に、第2回目の探索動作では、第1回目
に得た可動方向の切替え情報を基に、ロボット102が
停止する前に目標力ベクトルの方向を連続的に切り換え
る。第1回目の探索動作で得た、第i番目の目標力ベク
トルの方向の切替え位置(前方の停止位置)の位置ベク
トルをPi ,第1番目の目標力ベクトルに対するi番目
の目標力ベクトルの角度をθi とし、更に、Pi に隣り
合う第i+1番目の目標力ベクトルの方向の切替え位置
(後方の停止位置)の位置ベクトルをPi+1,第1番目
の目標力ベクトルに対する第i+1番目の目標力ベクト
ルの角度をθ i+1 とする。このとき、ロボット102の
把持部1の位置がPi とPi+1 の間の位置Pにあるとき
の目標力ベクトルの角度θを直線近似で求める。
【0032】 θ=(θi+1 −θi )/(Pi+1 −Pi )×P+θi (1) 目標力ベクトルの方向を上式にしたがって連続的に切り
替えることによって、滑らかな回転軌跡を得ることがで
きる。以下に、第1回目及び第2回目の探索動作の詳細
について説明する。第1回目の探索動作時の目標力ベク
トルの方向の走査は、次のような手順で行う。図2,図
5(a),(b)及び図6を参照しながら説明する。
【0033】図5(a)に示すように、現在のロボット
102の把持部1の位置をPi ,求める目標力ベクトル
の単位ベクトルをri ,前回の可動方向の切替え位置を
i- 1 ,前回の可動方向の切替え時の目標力ベクトルの
単位ベクトルをri-1 ,前回の目標力ベクトルの振り角
をαi-1 とする。現在の目標力ベクトルの振り角の、前
回の振り角αi-1 からの増加分をγij,予め設定した振
り角の刻み角度をγst epと置き、走査する目標力ベクト
ルの振り角の増加分γij+1を、 γij+1=γij+γstep (2) のように求める。
【0034】このとき、目標力ベクトルの単位ベクトル
i を、前回の目標力ベクトルの単位ベクトルr
i-1 と、回転軸ベクトルa,走査する目標力ベクトルの
振り角γij +1を用いて次のようにして求める。即ち、図
5(b)に示すように、ベクトルr i-1 をX軸、ベクト
ルの外積a×ri-1 をY軸、回転軸ベクトルaをZ軸と
する直交座標系を考える。求めるベクトルri は、X軸
をZ軸回りにγij+1だけ回転したベクトルである。
【0035】 ri =cosγij+1・ri-1 +sinγij+1・a×ri-1 (3) 目標力ベクトルFi は、予め設定する力の大きさをF0P
とおくと、 Fi =F0P・ri (4) で与えられる。このときの、探索動作開始時の可動方向
ベクトルr0 に対する目標力ベクトルの単位ベクトルr
i の振り角αi を求める。図6に示すように、初期の可
動方向ベクトルr0 と回転軸ベクトルaが作る平面上で
回転軸ベクトルと直交する方向をX軸、X軸と回転軸ベ
クトルaに共に垂直な方向をY軸、回転軸ベクトルaを
Z軸とし、各軸の単位ベクトルを、ux ,uy ,uz
おくと、 uy =a×r0 /|a×r0 | uz =a/|a| ux =uy ×uz (5) となる。単位ベクトルri を上記座標系のXY面へ射影
したときの座標値(x,y)は、 x=ux ・ri y=uy ・ri (6) である。逆正接関数tan-1を一意に与える関数ata
n2を用いると、求める振り角αi は、 αi =atan2(x,y) (7) によって算出される。
【0036】目標力ベクトルの方向が可動方向に一致
し、ロボット102の先端が移動を開始すると、ロボッ
ト102の先端位置の位置ベクトルPi ,目標力ベクト
ルの単位ベクトルri ,初期の可動方向ベクトルr0
対する目標力ベクトルの振り角αi が、可動方向探索部
15から、探索データ記憶部14に転送される。次に、
第2回目の探索動作時には、次の手順で目標力ベクトル
の方向を算出する。図3及び図7を参照しながら説明す
る。なお、下の説明で、Pi とPi+1 はそれぞれ第1回
目の探索動作で得た隣り合う可動方向の切替え位置を表
す位置ベクトルであり、Pi で表される位置が前方の停
止位置、Pi+1 で表される位置が後方の停止位置に相当
する。
【0037】後に説明する円パラメータ算出部で求めた
第1回目の回転軌跡の中心位置の位置ベクトルをPC
探索開始時のロボット先端の把持部の位置ベクトルをP
0 として、ロボットの現在の先端位置の位置ベクトルが
Pであるとき、P0 ,PC ,Pの3点がなす角度βは、 β=cos-1((P−PC )・(P0 −PC ))/(|P−PC |・|P0 −PC |) (8) から求まる。同様に、現在位置Pに最も近い、可動方向
の切替え位置の位置ベクトルをそれぞれPi ,Pi+1
すると、3点P0 ,PC ,Pi のなす角度(回転角)β
i および3点P0 ,PC ,Pi+1 のなす角度βi+1 は、
それぞれ、 βi =cos-1((Pi −PC )・(P0 −PC ))/(|Pi −PC |・ |P0 −PC |) (9) βi+1 =cos-1((Pi+1 −PC )・(P0 −PC ))/(|Pi+1 − PC |・|P0 −PC |) (10) のように算出される。このとき、角度β,βi ,βi+1
は次の関係を満たす。
【0038】 βi <β<βi+1 (11) 探索データ記憶部14に格納されている可動方式の切替
え位置の位置ベクトルPi ,Pi+1 に対応する目標力ベ
クトルの振り角αi ,αi+1 を用いて、現在のロボット
の先端位置Pにおける目標力ベクトルの振り角αを直線
近似によって求める。式(1)の関係を用いると、 α=(αi+1 −αi )/(βi+1 −βi )×(β−βi )+αi (12) のように算出される。以上から、位置Pにおける目標力
ベクトルの単位ベクトルrは、 r=cosα・r0 +sinα・a×r0 (13) となる。ただし、r0 は、初期の可動方向ベクトル、a
は回転軸ベクトルである。目標力ベクトルFは、発生す
る力の大きさをF0Pとおくと、 F=F0P・r (14) で与えられる。
【0039】(力制御部、操作部)図2及び図3の力制
御部17では、可動方向探索部15で算出された探索方
向へ目標力を発生するための駆動信号を生成する。力制
御部17では、まず、力覚センサ2で検出した信号をロ
ボットの基準座標系で記述された力に変換する。6軸力
覚センサ2の各軸の電気信号Ef は、アンプ及びA/D
変換器(ゲインGA )によってディジタル信号に変換さ
れる。変換したディジタル信号を力覚センサ座標系表現
とするため、力覚センサ2の各軸間の干渉を較正する較
正行列KS を作用させる。更に、算出した力を基準座標
系で表すために、較正後の力に座標変換行列を作用させ
る。座標変換行列には、基準座標系上で記述された力覚
センサ座標系の各座標軸の単位ベクトルが用いられる。
力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の単位ベクトルを
それぞれn,o,aとおくと、力覚センサ座標系表現の
ベクトルを基準座標系へ変換する座標変換行列 o
S は、
【0040】
【数4】
【0041】で表される。以上から、基準座標系の力ベ
クトルFarは、 Far oS ・KS ・GA ・Ef (16) で与えられる。力制御部17では、更に、目標力と力覚
センサ2に作用する力の偏差がゼロになるような指令値
を算出する。可動方向探索部15で求めた目標力ベクト
ルをF i とおくと、検出力ベクトルFarとの偏差ベクト
ルdF は、 dF =Fi −Far (17) で求まる。図8にこの関係を示す。力制御のゲインをG
f (s)とおくと、操作部18へ指令する速度指令ベク
トルvf は、 vf =Gf (s)・dF (18) となる。
【0042】操作部18は、速度指令ベクトルvf が最
大速度を越えないようにする補償器、D/Aコンバー
タ、パワーアンプ、サーボ・モータで構成され、力制御
部17で生成された速度指令に追従するように、ロボッ
ト102の関節部を駆動する。(円パラメータ算出部)
図3の軌跡記憶部13に格納されている第1回目の回転
軌跡から、円軌道の中心及び半径を算出する。
【0043】軌跡記憶部13の軌跡が、点列 Pj =(Xj ,Yj ,Zj ) ただし、j=1,・・・,n で表されるものとする。nは、サンプリング点の総数で
ある。このとき、各サンプリング点との距離の和の2乗
が最小となるような平面Sを求める。平面Sの式を次式
のようにおく。
【0044】 c1 X+c2 Y+c3 Z+c4 =0 c3 =1 (19) (ただし、XY平面に平行でないとする。) 定数c1 ,c2 ,c4 は、線形多項式 Z=−c4 −c1 X−c2 Y (20) に多重線形回帰分析を適用することによって得られる。
【0045】点列Pj の各座標値の関係を次式で表す。
【0046】
【数5】
【0047】但し、Xj =x1 (j) ,Yj =x2 (j) ,
j =y(j) とする。また、各サンプリング点の重み係
数を、wj とする。このとき、重み係数の総和Sw は、
【0048】
【数6】
【0049】である。重みを考慮したy,xi の平均値
は、
【0050】
【数7】
【0051】
【数8】
【0052】で与えられる。重み係数を重み係数の平均
で割った値を、wwj とおく。 wwj =wj /(Sw /n) (25) 自由度をf=n−1とおいて、y(j),xi (j)の
標準偏差を求める。
【0053】
【数9】
【0054】
【数10】
【0055】となる。式(30)を用いて、 σxx(p,q)=f・(σxp・σxq) (31) とおく。また、式(27),(28)のxxi (j),
wxi (j)を要素にもつ行列の積をWXXとする。 WXX=WX・XXT (32) ただし、WX(p,q)=wxp (q),XX(p,
q)=xxp (q) WXXの要素を、wxx(p,q)とおいて、次の行列A
を得る。
【0056】 A(p,q)=wxx(p,q)/σxx(p,q) (33) 行列Aの逆行列Bの要素を、B(p,q)とすると、係
数ap は、次式で与えられる。
【0057】
【数11】
【0058】
【数12】
【0059】式(16)の係数c1 ,c2 ,c4 は、 c1 =−a1 ,c2 =−a2 ,c4 =−a0 (36) のように算出される。平面Sにサンプリング点から垂線
を下ろしたときの、垂線の足(射影点)の座標値を求め
る。サンプリング点を、 Pi =(Xi ,Yi ,Zi ) とおき、前節で求めた平面Sを、 c1 x+c2 y+c3 z+c4 =0 とおくと、垂線Lの式は、次のように与えられる。
【0060】 (x−Xi )/c1 =(y−Yi )/c2 =(z−Zi )/c3 (37) このとき、射影点pi (xi ,yi ,zi )は、 xi =Xi −c1 ・ρ yi =Yi −c2 ・ρ zi =Zi −c3 ・ρ (38) ただし、ρ=(c1 i +c2 i +c3 i +c4 )/(c1 2 +c2 2 +c3 2 ) となる。
【0061】平面S上で適当なxy座標を定め、射影点
i のxy座標系での座標値を求める。平面S上のxy
座標の各軸の単位ベクトルxS ,yS を次のようにして
求める。平面Sの法線ベクトルnは、平面Sの式の係数
1 ,c2 ,c3 を用いて、 n=(c1 ,c2 ,c3 )/(c1 2 +c2 2 +c3 2 1/2 (39) で表される。n⊥xS ,n⊥yS の関係を利用して、 xS =(−c2 ,c1 ,0)/(c1 2 +c2 2 1/2 (40) yS =n×xS /|n×xS | (41) と定める。
【0062】射影点pi の平面S上のxy座標系上での
座標値(xSi,ySi)は、位置ベクトルpi と、単位ベ
クトルxS ,yS の内積を求めることで得られる。 xSi=xS ・pi (42) ySi=yS ・pi (43) 点列(xSi,ySi)から、円の中心(cx ,cy )およ
び半径Rを最小2乗法を用いて算出する。
【0063】円の中心(cx ,cy )が定まれば、半径
Rは次式で求まる。
【0064】
【数13】
【0065】このとき、半径Rの二乗と、各点列
(xSi,ySi)と円の中心(cx ,cy )間の距離の二
乗との偏差は、 Ei =R2 −{(xSi−cx 2 +(ySi−cy 2 } (45) である。偏差の2乗の総和は、
【0066】
【数14】
【0067】となる。偏差を最小にするには、∂ε/∂
x =0,∂ε/∂cy =0を満たせばよい。
【0068】
【数15】
【0069】
【数16】
【0070】ここで、
【0071】
【数17】
【0072】とおくと、式(47),(48)は次のよ
うな連立方程式となる。
【0073】
【数18】
【0074】上式を解くと、円の中心(cx ,cy )お
よび半径Rは、
【0075】
【数19】
【0076】のように求まる。円の中心の位置ベクトル
C を、ロボットの基準座標系で表すと、 PC =cx S +cy S =(xC ,yC ,zC ) (52) である。
【0077】(第2〜第4の実施の形態)以下に、本発
明の第2乃至第4の実施の形態に係る処理の流れについ
て説明する。 (第1回目の探索動作)図9は、本発明の第2の実施の
形態に係る第1回目の探索動作時の処理フローについて
示すフローチャートである。図2に移動制御装置の装置
構成を示す。
【0078】まず、初期動作パラメータ、例えば、パラ
メータとして目標力の方向の初期値、目標力、回転軸ベ
クトル等を設定する。次いで、探索開始時の目標力ベク
トルFi (i=0)を算出する。次に、ロボット102
の現在位置Pi (i=0)を位置検出部16により取得
する。
【0079】次いで、目標力ベクトルFi の方向へ力制
御動作を開始する。このとき、ロボット102が移動可
能であれば、Fi の方向に動き、次に回転機構(移動操
作対象)の可動方向からずれたときその位置Pi+1 で再
び停止する。次に、ロボット102の現在位置P(=P
i+1 )を検出する。このとき、直前の可動方向の切替え
位置Pi ,可動方向の振り角αi ,目標力ベクトルの単
位ベクトルri を探索データ記憶部14に保存する。
【0080】次いで、この位置Pi+1 での目標力ベクト
ルFi+1 を算出し、再び力制御動作を開始する。一方、
力制御動作時に振り角の増加分γijが不十分であった場
合、ロボットは停止したままである。このとき、目標力
ベクトルの振り角の増加分γijをさらにγstepだけ増加
させる(γij+1=γij+γstep)。さらにそのときの目
標力ベクトルFi を算出した上で、再び力制御動作を行
う。これをロボットが動くまで繰り返す。或いは振り角
が設定角度を越えるまで繰り返す。
【0081】この工程の繰り返しによりロボットが動い
た場合は上記説明した工程に移る。この様にして、探索
が終了したとき、時系列で並んでいる移動軌跡の動作点
列を取り込む。なお、上記の第1回目の探索では、ロボ
ット102が停止する度に可動方向を探索するため、動
作時間が長く、得られる軌道も滑らかな軌跡とならず、
誤差を含んだものとなる。
【0082】以上のように、第1回目の探索では、振り
角を変えてロボットの可動方向を探索しているので、設
定した目標力ベクトルの方向が円軌道の接線方向にない
場合でも対応することができる。このため、回転機構の
摩擦が大きい場合など、接線方向以外の方向の探索が必
要な場合にも対応できる。従って、移動操作対象が円軌
道を動く場合だけでなく、任意の軌道上を動く場合にも
対応することができる。さらに、ロボットによる移動操
作対象の可動方向が円軌道から外れるような場合でも、
実際の可動方向に忠実に追随できるので、可動方向の誤
差を最小限にすることができる。
【0083】(第2回目の探索動作)図10は、本発明
の第3の実施の形態に係る第2回目の探索動作時の処理
フローについて示すフローチャートである。図3に移動
制御装置の装置構成を示す。まず、切替え位置で目標力
を継続して印加する時間である設定時間を可動方向探索
部15に入力する。
【0084】次いで、一回目の動作で得た回転軌跡から
円パラメータ、例えば円軌道の中心位置を算出する。次
に、動作開始位置P0 と目標力ベクトルF0 を可動方向
探索部15に読み込む。次いで、ロボットの現在位置が
動作開始位置の近傍にあるか否かをチェックする。
【0085】次に、軌跡データの取得を開始する。第1
回目の切替え位置Pi (i=1),及びその位置での目
標力ベクトルFi (i=1)を読み込む。続いて、
C ,P 0 ,P1 から(9),(10)式を用いてβ0
(=0),β1 を算出する。次いで、目標力ベクトルF
0 に従って設定時間だけロボットの先端位置を動かす。
このときのロボットの位置Pを検出するとともに、βを
算出する。
【0086】βとβ1 とを比較し、βがβ1 よりも小さ
ければ、次に、パラメータα0 ,α 1 を読み込む。
α0 ,α1 ,β0 (=0),β1 ,βを直線近似式(1
2)に入れて角度βでの目標力ベクトルFの振り角αを
算出する。なお、このときの目標力ベクトルの方向の切
替え位置はP0 とP1 の間の位置にくる。ロボットは速
度指令ベクトルvf に追随するように動くので、その移
動軌跡は円周と一致する。
【0087】次いで、目標力ベクトルFを加え、振り角
αの方向に力制御動作を開始する。このとき、目標力ベ
クトルF0 の方向から目標力ベクトルFの方向に切り替
えられて、ロボットの先端位置が動き始める。次に、設
定時間が経過した後にそのときのロボットの位置Pを検
出するとともに、βを算出する。βとβ1 とを比較し、
βがβ1 よりも小さければ、上記と同じようにしてさら
に目標力ベクトルの振り角αを切り替える。
【0088】これを次の切り替え位置P1 ,角度β1
で繰り返す。切り替え位置P1 ,角度β1 を越えたら、
現在のロボットの先端位置Pを検出する。このとき、ロ
ボット先端の位置PはP1 とP2 の間にある。P1 とP
2 の間のロボット先端の位置Pにおける回転角βを算出
する。次に、α2 ,β2 を読み込む。α1 ,α2
β1 ,β2 ,βから直線近似式(12)によって、P1
とP2 の間のロボット先端の位置Pにおける目標力ベク
トルFの振り角αを算出し、振り角αの方向に力制御動
作を開始する。
【0089】このようにして、ロボットが軌道の最終位
置に到達するまで、次々に振り角αを切り替えて上記の
動作を繰り返す。以上のように、第2回目の探索では、
予め算出した軌道の中心位置を設定し、探索方向の切り
換えを連続的に行うため、比較的滑らかな回転軌跡が得
られる。また、ロボットによる操作対象である回転機構
が摩擦を有している場合、可動方向が円軌道の接線方向
から外れてくるため、可動方向の誤差が大きくなり、ロ
ボットが動かなくなる場合も出てくるが、本発明では、
単に円軌道の接線方向を目標力ベクトルの方向とせず
に、第1回目で得られた振り角αi を目標力ベクトルの
方向としているので、そのような場合でも、可動方向の
誤差を最小限に抑制することができる。
【0090】(軌跡再生動作)図11は、本発明の第4
の実施の形態に係る軌跡再生動作時の処理フローについ
て示すフローチャートである。図4に移動制御装置の装
置構成を示す。軌跡を再生するときは、2回目の探索動
作で取得した回転軌跡を用いる。軌跡の再生は次のよう
に行う。
【0091】軌跡の再生動作を実行するときは、軌跡記
憶部13にある回転軌跡の動作点列を移動制御装置10
1内のメモリ(一時記憶装置)20にセットする。軌跡
の値を移動制御装置101内のメモリ20上にセットす
るのは、位置サーボ系(位置制御部)21が動作してい
る最中に軌跡記憶部13を直接アクセスすると、データ
を転送する時間を要するため、1サイクルの処理がサン
プリング時間内に終了しない場合があるためである。
【0092】軌跡が軌跡記憶部13から読み込まれると
きに、以下に挙げる項目についてデータをチェックす
る。 軌跡の種類 軌跡が絶対位置表現であるか相対位置表現であるかによ
ってメモリ20にセットする値を変える。軌跡が絶対位
置であれば、軌跡記憶部13のデータをそのままメモリ
20にセットする。また、軌跡が相対位置であれば、ロ
ボットの現在位置を読み込み、読み込んだ位置と軌跡記
憶部13の軌跡の和をメモリ20にセットする。
【0093】ロボットの現在位置とパターンの先頭デ
ータとの比較 ロボットの現在位置が、軌跡の先頭データの位置と一致
しているかどうかをチェックする。 軌跡による動作範囲 軌跡で辿る動作軌跡が可動範囲内にあるかどうかをチェ
ックする。これは、軌跡が相対位置のときに問題とな
る。
【0094】軌跡再生動作の処理プログラムでは、メモ
リ20に格納されている動作点列の中から各サンプリン
グ時の目標位置を読み込んで速度指令を生成し、位置サ
ーボ系21へ指令する。速度指令は、次のように算出さ
れる。先頭から第i番目にある軌跡の位置ベクトルをp
Ii,軌跡取得サンプリング時間をtS とおく。軌跡再生
動作中の第iサイクルでの速度指令ベクトルvoa(i)
は、 voa(i) =(pIi+1−pIi)/tS (53) で求められる。尚、位置サーボ系21のサンプリング時
間と、軌跡を取得したときのサンプリング時間が異なる
ときには、上式の計算を時間tS 間隔で行う。
【0095】軌跡再生動作を行うときは、目標軌跡が基
準座標系上で記述されているので、ロボットの作業座標
系を、基準座標系に一致させる。したがって、作業座標
系の各座標軸の単位ベクトルnW ,oW ,aW は、
【0096】
【数20】
【0097】となる。位置サーボ系21では、軌跡再生
処理プログラムで算出された速度指令と、現サンプリン
グ時の目標到達位置と現在位置との位置ずれをゼロにす
るための速度指令の和を計算して、操作部18へ与え
る。軌跡再生動作開始時のロボットの位置ベクトルがP
cr,ロボットの現在位置がParであるとする。位置Pcr
を基準にした相対目標移動量voint(t) は、 voint(t) =∫voa dt (55) で与えられるので、位置の偏差ベクトルdp は、 dp =(Pcr+voint)−Par (56) で求められる。また、位置の積分偏差ベクトルd
int は、 dint =∫dp dt (57) である。したがって、位置の比例ゲインをgpp,積分ゲ
インをgpiとおくと、モータへの速度指令ベクトルvp
は、 vp =gpp・dp +gpi・dint (58) となる。
【0098】操作部18は位置サーボ系21で生成され
た速度指令を追従するように、ロボット102の関節部
のモータを駆動する。この動作を回転軌跡の終了するま
で繰り返し行う。第2回目の探索動作により獲得した回
転軌道を加工、保存し、ロボットの目標再生軌道として
与えることで、上記軌跡再生動作により、耐久試験のた
めの繰り返し動作を容易に行うことが可能となる。
【0099】以上のように、本発明に係る装置によれ
ば、ロボットが一定の条件下で自動的に回転軌跡を取得
するため、人手による直接教示で得る軌跡に比べて、ば
らつきが少ない。また、ロボットが自動的に回転軌跡を
獲得するため、回転動作を伴う作業をロボットに教示す
るときのユーザの負担が軽減される。続いて、本発明に
係るロボットの負荷生成装置の実施の形態について図面
と共に説明する。図12は、ロボット102と、測定対
象103と、移動制御装置101と、ロボットの負荷生
成装置104とを含む耐久試験装置の概略構成図であ
る。尚、図1に示した構成と同一構成については、同一
符号を付してその説明を適宜省略する。
【0100】ロボット102の先端には、負荷を検出す
るための力覚センサ2と移動操作対象(試験対象)10
3を把持するためのハンド1が取り付けられている。再
生動作を実行する際、ロボット102は試験対象103
をハンド1で把持し、移動制御装置101から与えられ
る駆動信号によって動作する。実施例に係わる装置のブ
ロック図を図2に、また実施例に係わる負荷生成装置1
04の動作フローを図14に示す。以下、負荷生成装置
104を構成する各部が実施する処理について、図12
乃至図14を用いて説明する。 (教示軌跡格納部)ロボット102に動作を教示する教
示方法には、人手でロボット102を直接動かして教示
する直接教示と、ロボット102が探索を行って自動的
に軌道を獲得する自己教示がある。これらの方法で獲得
された教示中のロボット102の位置は、位置検出部1
1で取得され、教示軌跡格納部22に保存される。
【0101】位置検出部11は、制御対象であるロボッ
ト102の関節部のモータの回転角を検出するエンコー
ダおよびカウンタと、回転角からロボット102の基準
座標系へ座標値を変換する座標変換部とからなり、基準
座標系でのロボット102の先端位置(把持部1の位
置)を検出する。検出したロボット102の先端位置は
適当なサンプリング時間間隔で教示軌跡格納部22に格
納される。
【0102】教示軌跡格納部22には、絶対位置軌跡あ
るいは相対位置軌跡が保存される。絶対位置軌跡はロボ
ット先端の位置の基準座標系上での絶対位置のパターン
を表し、相対位置軌跡はロボット102の先端位置のパ
ターン獲得動作の開始点からの相対移動量のパターンを
表す。基準座標系で表現されたロボット102の先端位
置が、 PTE (P TEx,PTEy,PTEz,P TE δ, PTEη, PTEν) で表されるとする。ただし、添え字のx,y,z,δ,
η,νは、基準座標系のX軸、Y軸、Z軸、X軸回りの
回転軸、Y軸回りの回転軸、Z軸回りの回転軸を表す。
ロボットの初期位置、t秒後の位置が、それぞれ、
【0103】
【数21】
【0104】のように表されるとき、絶対軌跡は、PTE
(t) の時系列データで与えられ、相対軌跡は、PTE(t)
−PTE(0) の時系列データで与えられる。サンプリング
時間毎に記憶される位置データは、離散値であり、絶対
軌跡を取り込むときの第iサンプリング時のデータは、 PTEi =[ PTExi , PTEyi , PTEzi , PTEi δ, PTEi
η, P TEi ν] で与えられ、相対軌跡を取り込むときの第iサンプリン
グ時のデータは、
【0105】
【数22】
【0106】で与えられる。ただし、PT0=[ PTEx0
PTEy0,P TEz0, PTE0 δ, PTE0 η , PTE0 ν]は、
教示操作開始時の初期位置である。 (負荷軌跡生成部)負荷軌跡生成部23では、試験対象
103に負荷を与えるための軌跡を生成する。ある時刻
iにおける負荷軌跡の位置をQi =[qxi,qyi
zi],ロボット102と試験対象103との間の剛性
をkq とおくと、試験対象103に加わる負荷Fqiは、 Fqi=kq ・(qxi 2 ,qyi 2 ,qzi 2 1/2 (59) となる。通常、試験対象の劣化特性を比較するために、
負荷軌跡パターンとしては、定型パターンを与える。定
型パターンは、数式で与えられるものが選ばれ、正弦波
形、三角波形、台形波形等がある。例えば、正弦波形の
場合、負荷軌跡は次のように与えられる。
【0107】 qxi=Ax ・sin(ωx ・i/T) (60) qyi=Ay ・sin(ωy ・i/T) (61) qzi=Az ・sin(ωz ・i/T) (62) 従って、負荷軌跡Qi は、
【0108】
【数23】
【0109】として求められる。ただし、Ax ,Ay
z は、軌跡パターンの振幅を、ωx,ωy ,ωz は周
期を、Tはサンプリング時間を表す。また、負荷軌跡Q
i にはランダム・パターンも考えられる。 nj =Ra(nmax ) (63) mj =Ra(mmax ) (64) qji=Aj ・sin(ωj ・i/T) (65) Aj =nj /nmax (66) ωj =mj /mmax (67) ただし、Ra(nmax )は、最大値nmax より小さい値
の乱数を与える関数であり、また変数jはj=x,y,
zである。
【0110】一方、ユーザが製品を操作するときに与え
る負荷と、同じパターンの負荷を試験対象103に与え
るには、次のような方法を用いる。図15(A)に、ユ
ーザが実際に製品(試験対象103)を操作するときに
与える負荷を測定する方法を示す。同図に示すように、
作業台26に力覚センサ25を固定し、その上に試験対
象103をセットする。そして、実際にユーザが試験対
象103を操作するときの力パターンを力覚センサ25
により測定する。以下、力パターンの測定方法について
説明する。
【0111】力パターンを測定するには、力覚センサ2
5で検出した信号を基準座標系で記述された力に変換す
る。力覚センサ25は6軸検出可能なセンサであり、各
軸の電気信号Ef はA/D変換器(ゲインGA )によっ
てディジタル信号に変換されると共にアンプにより増幅
される。変換生成されたディジタル信号は、力覚センサ
座標系表現とするため、力覚センサ25の各軸間の干渉
を較正する較正行列K S を作用させる。更に、算出した
力を基準座標系で表すために、較正後の力に座標変換行
列を作用させる。
【0112】座標変換行列には、基準座標系上で記述さ
れた力覚センサ座標系の各座標軸の単位ベクトルが用い
られる。力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の単位ベ
クトルをそれぞれn,o,aとおくと、力覚センサ座標
系表現のベクトルを基準座標系へ変換する座標変換行列
OS は、
【0113】
【数24】
【0114】で表される。以上から、基準座標系の力ベ
クトルFは、 F= OS ・KS ・GA ・Ef で与えられる(図15(B)に一例を示す)。サンプリ
ング時間毎に記憶される力の値は、離散値であり、第i
サンプリング時の力は、 Fi =[fxi,fyi,fzi,fδi ,fηi ,fνi ] となる。このとき、負荷軌跡Qi は、剛性kq を用い
て、 Qi =[qxi,qyi,qzi]=1/kq ・[fxi,fyi,fzi] (69) で与えられる(図15(C)に一例を示す)。このよう
にして求められた負荷軌跡Qi は、実際にユーザが試験
対象103を操作するときに作用する力のパターンを取
り込んだものとなる。
【0115】更に、定型パターン、ランダム・パター
ン、ユーザの力パターンを適当に組み合わせて、各回の
再生軌跡Qi をランダムに選択し、試験対象103の特
定箇所にのみ負荷が加わらないような試験を行うことも
考えられる。 (再生軌跡生成部)再生軌跡生成部24では、教示軌跡
格納部22に格納されている教示軌跡(図16(A)に
一例を示す)と負荷軌跡生成部23が生成する負荷軌跡
(図16(B)に一例を示す)を重畳してロボット10
2が実際に動作する軌跡(再生軌跡)を生成する。この
再生軌跡は、教示軌跡と負荷軌跡の和で与えられ、第i
回目のサンプリング時の再生軌跡の位置PDiは、教示軌
跡PTiおよび負荷軌跡Qi を用いて、
【0116】
【数25】
【0117】となる(図16(C)に一例を示す)。教
示軌跡PTiと負荷軌跡Qi のパターン長が異なるとき
は、一般的な補間方法を用いて、同一長のパターンへ変
換すると良い。上記処理で生成した再生軌跡は、ロボッ
ト102が実際に追従できるか否かが保証されていない
ので、以下に挙げる項目についてデータをチェックす
る。
【0118】再生軌跡の種類 再生軌跡が絶対位置であるか相対位置であるかによって
メモリにセットする値を変える。再生軌跡が絶対位置で
あれば、記憶装置のデータをそのままメモリにセットす
る。また、再生軌跡が相対位置であれば、ロボットの現
在位置を読み込み、読み込んだ位置と記憶装置の軌跡の
和をメモリにセットする。
【0119】ロボット102の現在位置とパターンの
先頭データとの比較 ロボット102の現在位置が、再生軌跡の先頭データの
位置と一致しているかどうかをチェックする。 再生軌跡による動作範囲 再生軌跡で辿る動作軌跡が可動範囲内にあるかどうかを
チェックする。これは、再生軌跡が相対位置のときに問
題となる。
【0120】速度・加速度 サンプリング毎の位置の差分および2階差分が、ロボッ
ト102の最大速度、最大加速度よりも小さい事を確認
する。 (位置制御部)位置制御部21では、再生軌跡生成部2
4からサンプリング時間毎に送出される目標位置(再生
軌跡の位置PDi)を読み込んで速度指令を生成し、操作
部18へ駆動信号を指令する。速度指令は、次のように
算出される。
【0121】先頭から第i番目にある再生軌跡の位置ベ
クトルをPDi,サンプリング時間をTS とおく。軌跡再
生動作中の第iサイクルでの速度指令ベクトルvi は、 vi =(PDi+1−PDi)/tS (71) で求められる。駆動信号は、現サンプリング時の目標到
達位置と現在位置との位置ずれをゼロにするための速度
指令の和から算出される軌跡再生動作開始時のロボット
102の位置ベクトルがPC0,ロボット102の現在位
置がPCiであるとする。位置P C0を基準にした相対目標
移動量voint(t) は、 voint(t) =∫vi dt (72) で与えられるので、位置の偏差ベクトルdP は、 dP =(PC0+voint)−PCi (73) で求められる。また、位置の積分偏差ベクトルd
Pintは、 dPint=∫dP dt (74) である。したがって、位置の比例ゲインをgpp, 積分ゲ
インをgpiとおくと、モータへの速度指令vk は、 vp =gpp・dP +gpi・dPint (75) となる。(劣化特性の測定)繰り返し動作中の製品への
負荷は、ロボット102の手首部に取り付けられた力覚
センサ2で検出され、力検出部16でロボット102の
基準座標系の力へ変換された後、力の時系列データとし
て保存される。力の検出・保存処理は、ユーザが製品へ
与える負荷を測定する方法と同様の方法で行うため、試
験対象103が劣化したかどうかは、繰り返し動作中で
得られた毎回の力の時系列データを比較する事で行う。
【0122】上記処理を行なうことにより、ユーザが与
える負荷と同等の負荷を加えながらロボット102に繰
り返し動作を行なわせることができるため、試験対象1
03に対しより実態に近い試験を行うことができる。ま
た、様々な負荷パターンを生成することにより、製品設
計する上での耐久性を評価するための定量的なデータを
得ることが可能となる。
【0123】
【発明の効果】本発明に係るロボットの移動制御装置、
移動制御方法回転機構、及び耐久試験装置においては、
振り角を変えてロボットの可動方向を探索しているの
で、設定した目標力ベクトルの方向が円軌道の接線方向
にない場合でも対応することができる。従って、ロボッ
トによる移動操作対象の可動方向が円軌跡の接線方向か
ら外れるような場合でも、実際の可動方向に忠実に追随
できるので、可動方向の誤差を最小限にすることができ
る。
【0124】また、予め算出した軌道の中心位置を設定
し、探索方向の切り換えを連続的に行うため、比較的滑
らかな回転軌跡が得られる。さらに、単に円軌道の接線
方向を目標力ベクトルの方向とせずに、第1回目で得ら
れた振り角αi を目標力ベクトルの方向として、実際の
可動方向に忠実に追随しているので、ロボットによる操
作対象の可動方向が円軌道の接線方向から外れるような
場合でも、可動方向の誤差を最小限に抑制することがで
きる。
【0125】また、ロボットが自動的に回転軌跡を取得
するため、人手による直接教示で得る軌跡に比べて、ば
らつきが少ない。さらに、回転動作を伴う作業をロボッ
トに教示するときのオペレータの負担が軽減される。ま
た、本発明に係るロボットの負荷生成装置においては、
ユーザが与える負荷と同等の負荷を加えながらロボット
に繰り返し動作を行なわせることができるため、より実
態に近い試験を行うことができる。また、様々な負荷パ
ターンを生成することにより、製品設計する上での耐久
性を評価するための定量的なデータを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロボットの移動制御
装置を有する耐久試験装置の全体の概略構成について示
す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るロボットの移
動制御装置の全体構成について示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るロボットの移
動制御装置の全体構成について示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るロボットの移
動制御装置の全体構成について示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るロボットの移動制御
について示す模式図(その1)である。
【図6】本発明の実施の形態に係るロボットの移動制御
について示す模式図(その2)である。
【図7】本発明の実施の形態に係るロボットの移動制御
について示す模式図(その3)である。
【図8】本発明の実施の形態に係るロボットの移動制御
について示す模式図(その4)である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るロボットの移
動制御装置を用いたロボットの移動制御について示すフ
ローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るロボットの
移動制御装置を用いたロボットの移動制御について示す
フローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るロボットの
移動制御装置を用いたロボットの移動制御について示す
フローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るロボットの負荷生
成装置を有する耐久試験装置の全体の概略構成について
示す側面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るロボットの負荷生
成装置の全体構成について示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るロボットの負荷生
成装置を用いたロボットの負荷生成処理について示すフ
ローチャートである。
【図15】ユーザが実際に試験対象を操作するときに与
える負荷を測定する方法を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るロボットの負荷生
成装置に設けられた再生軌跡生成部が実施する再生軌跡
生成処理の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ハンド(把持部) 11 位置検出部 12 位置記憶部 13 軌跡記憶部 14 探索データ記憶部 15 可動方向探索部 16 力検出部 17 力制御部 18 操作部 19 円パラメータ算出部 20 メモリ(一時記憶部) 21 位置サーボ系(位置制御部) 22 教示軌跡格納部 23 負荷軌跡生成部 24 再生軌跡生成部 25 力覚センサ 101 位置制御装置 102 ロボット 104負荷生成装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ロボットの把持部に所定の方向を
    有する力を加え、前記ロボットの把持部が動きはじめた
    ら、前記動きはじめの力の方向を保持して該ロボットが
    把持する移動操作対象を移動させ、 (2)前記動きはじめの力の方向と前記移動操作対象の
    可動方向がずれて前記ロボットの把持部が停止したと
    き、前記動きはじめの力の方向を基準として予め設定し
    た刻み角度で前記ロボットの把持部に付与する力の方向
    を変えて前記移動操作対象に該力を加え、 (3)前記ロボットの把持部が動きはじめたら、前記動
    きはじめの力の方向を保持して前記ロボットの把持部を
    移動させ、 (4)その後、前記(2)乃至(3)の動作を繰り返す
    ことを特徴とするロボットの移動制御方法。
  2. 【請求項2】 (1)請求項1に記載のロボットの移動
    制御方法において、前記ロボットの把持部が停止した位
    置と、該各停止位置での前記動きはじめの力の方向を時
    系列で取得して、前記ロボットの把持部が動く軌道の中
    心位置を前記時系列の各停止位置から求め、 (2)該中心位置と前記各停止位置とから該各停止位置
    の回転角を求め、 (3)前記時系列の順に従って、相互に隣接する前方の
    停止位置と後方の停止位置とを取り出し、前方の停止位
    置で前記動きはじめの力の方向に該力を加えて、前記ロ
    ボットの把持部を前記前方の停止位置と前記後方の停止
    位置との間へ移動させ、 (4)前記移動後の前記ロボットの把持部の位置と前記
    中心位置とから回転角を求め、 (5)該移動後の回転角と、前記前方の停止位置と後方
    の停止位置にそれぞれ対応する2つの回転角と、前記前
    方の停止位置と前記後方の停止位置での動きはじめの力
    の方向を示す2つの振り角とから、直線近似により前記
    移動後の振り角を求め、 (6)該移動後の振り角の方向に力を加えて前記ロボッ
    トの把持部を移動させ、 (7)その後、前記(4)乃至(6)の動作を繰り返
    し、 (8)前記移動後の回転角が前記後方の停止位置の回転
    角と等しくなったときに、該後方の停止位置を新たな前
    方の停止位置とし、前記後方の停止位置の次の停止位置
    を新たな後方の停止位置として前記(3)乃至(7)の
    動作を繰り返すことを特徴とするロボットの移動制御方
    法。
  3. 【請求項3】 ロボットの把持部の位置を検出する位置
    検出部と、 前記ロボットの把持部が把持する移動操作対象から前記
    ロボットの把持部が受ける力を検出する力検出部と、 設定した目標力の方向に移動させた前記ロボットの把持
    部が停止したとき前記目標力の方向を基準として所定の
    刻み角度で力の方向を切り替えて新たな目標力を生成す
    る可動方向探索部と、 前記目標力の信号を受けて、前記ロボットの把持部に付
    与する力の方向を前記目標力の方向に向ける信号を生成
    する力制御部と、 前記目標力の方向に向ける信号を受けて、前記ロボット
    の把持部に前記目標力の方向の力を付与する操作部とを
    有するロボットの移動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のロボットの移動制御装
    置は、さらに、前記目標力の方向の切替え位置及び該切
    替え位置での目標力の方向を表す振り角を格納する探索
    データ記憶部と、前記ロボットの把持部の位置を時系列
    で記憶する軌跡記憶部と、 該軌跡記憶部に記憶された時系列のロボットの把持部の
    位置から前記ロボットの把持部が動く軌道の中心位置を
    算出する軌道パラメータ算出部と、 前記探索データ記憶部に保存された隣り合う2つの切替
    え位置での前記目標力の振り角、及び前記軌道の中心位
    置と前記ロボットの把持部の移動開始位置と前記切替え
    位置とから算出された前記2つの切替え位置の回転角に
    基づいて直線近似で、前記2つの切替え位置の中間の位
    置での前記目標力の振り角を算出し、該目標力を生成す
    る他の可動方向探索部とを有することを特徴とするロボ
    ットの移動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載のロボット
    の移動制御装置と、該移動制御装置により制御されるロ
    ボットとを備えた回転機構の耐久試験装置。
  6. 【請求項6】 教示操作で得たロボットの先端位置の時
    系列で表される軌跡が格納されている教示軌跡格納部
    と、 試験対象に負荷を与えるための軌跡を生成する負荷軌跡
    生成部と、 前記教示軌跡格納部に格納されている教示軌跡に前記負
    荷軌跡生成部が生成する負荷軌跡を重畳して前記ロボッ
    トが実際に動作する軌跡を与える再生軌跡生成部と、 前記再生軌跡生成部が生成する前記ロボットが実際に動
    作する軌跡に基づき、前記ロボットの位置制御を行う位
    置制御部とを有することを特徴とするロボットの負荷生
    成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のロボットの負荷生成装置
    は、負荷パターンとして数式で与えられる定型パターン
    を生成し、該定型パターンに応じた負荷を試験対象に加
    えながら繰り返し動作を行うことを特徴とするロボット
    の負荷生成装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のロボットの負荷生成装置
    は、ユーザが実際に製品へ加える力に基づく負荷軌跡を
    前記試験対象に加えながら繰り返し動作を行うロボット
    の負荷生成装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のロボットの負荷生成装置
    は、負荷軌跡をランダムに与えることにより、前記試験
    対象の全体へほぼ均一な負荷を加えることを特徴とする
    ロボットの負荷生成装置。
JP21652997A 1996-08-13 1997-08-11 ロボットの移動制御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久試験装置、及びロボットの負荷生成装置 Withdrawn JPH10109287A (ja)

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JP21380696 1996-08-13
JP8-213806 1996-08-13
JP21652997A JPH10109287A (ja) 1996-08-13 1997-08-11 ロボットの移動制御装置、ロボットの移動制御方法、回転機構の耐久試験装置、及びロボットの負荷生成装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015089582A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 セイコーエプソン株式会社 ロボットシステム、制御装置、ロボット、駆動方法及びプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015089582A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 セイコーエプソン株式会社 ロボットシステム、制御装置、ロボット、駆動方法及びプログラム

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