JPH10108797A - 半身入浴用椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来の浴槽を改造することなく全身入浴がで
き、必要な時のみ浴槽内に着脱自在の椅子を装着して半
身入浴が自由に行える半身入浴用椅子を提供するもので
ある。 【解決手段】 必要な時に浴槽内に設置する半身入浴の
ための半身入浴用椅子１０であって、この半身入浴用椅
子１０が、間隔をおいて立設された２本の支柱３と、こ
の支柱３の頂部間にほぼ水平方向に架け渡された枕６
と、支柱３の下方寄りに支柱３より水平方向に回動自在
に軸着された座面シート２とにより構成され、前記座面
シート２には、折りたたみ時の位置とほぼ水平状態での
使用時の位置とを規制するスライドリンク５を備えてい
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、半身入浴のため浴
槽内へ設置して用いられる半身入浴用椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、半身入浴による疲労回復や、高齢
者や子供が浴槽内で腰掛けることを可能にした浴槽用の
椅子がある。このように浴槽に何らかの手段により椅子
を設け、湯温が中温（３８°〜４０°）程度で、且つ、
椅子に座って上半身の入浴を比較的長時間に亘って行う
と、基礎代謝が促進され、神経が休まるためにストレス
の解消に効果があり、又、保温効果により冷え性や肩こ
りの解消に対する効果や、血圧を降下させるといった効
果が期待される。

【０００３】上記のこのような半身入浴を提供するため
の椅子を付帯させた浴槽の例としては、例えば、特開平
７−１６１６４号公報に、浴槽内に腰掛け可能な腰掛部
を有するとともに、この腰掛部の後方に、浴槽のフラン
ジ面より上方に延出する背もたれ部を有する半身入浴用
椅子が記載されており、又、この類似例には実公平２−
１９０９９号公報に記載された浴槽が挙げられる。

【０００４】又、実開平２−１４１２８５号公報には、
浴槽を形成する側壁の内面に凹部を設け、この凹部に起
倒自在な椅子を蝶設するとともに、この椅子を上記凹部
内に収納させるようにした椅子付浴槽が記載されてお
り、又、この類似例として、実公平６−３７７４７号公
報に記載された浴槽内のいす装置が挙げられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の特開平７−１６１６４号公報や、実公平２−１９０
９９号公報に記載された半身入浴用椅子においては、半
身入浴を専用とするためのものであり、全身の入浴には
不適であるといった問題がある。

【０００６】又、後者の実開平２−１４１２８５号公報
や、実公平６−３７７４７号公報に記載された椅子付浴
槽は、全身の入浴に邪魔となったり、浴槽の側壁に凹部
を設けたり、浴槽の改造を必要とするなど高度の加工を
伴うものであり、コスト面が割高となるなどの問題があ
る。

【０００７】本発明は、上記のこのような問題点に着眼
してなされたものであり、その目的とするところは、こ
れらの問題点を解消し、本来の浴槽を改造することなく
全身入浴ができ、必要な時のみ浴槽内に椅子を設置して
半身入浴が自由に行える半身入浴用椅子を提供するもの
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
必要な時に浴槽内に設置する半身入浴のための半身入浴
用椅子であって、この半身入浴用椅子が、間隔をおいて
立設された２本の支柱と、この支柱の頂部間にほぼ水平
方向に架け渡された枕と、支柱の下方寄りに支柱より水
平方向に回動自在に軸着された座面シートとにより構成
され、前記座面シートには、折りたたみ時の位置とほぼ
水平状態での使用時の位置とを規制する手段を備えてい
ることを特徴とする。

【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１記載の半
身入浴用椅子において、長手方向に長孔がくり抜かれた
板体と、一端が前記長孔に摺動可能に連結された連結杆
とよりなるスライドリンクの板体が、座面シートの裏面
長手方向に沿って垂直に取り付けられ、連結杆の他端が
支柱より水平方向に回動自在に軸着され、座面シートの
折りたたみ時の位置を規制する手段が、座面シートの先
端部を持ち上げて支柱とほぼ平行状態になるように回動
しながら、前記連結杆の一端を板体の長孔に沿って摺動
させ、連結杆の一端を長孔の一端側に当接することによ
りなされるものであり、座面シートのほぼ水平状態での
使用時の位置を規制する手段が、座面シートをほぼ水平
状態になるように回動しながら、前記連結杆の一端を板
体の長孔に沿って摺動させ、連結杆の一端を長孔の他端
側に当接することによりなされるものである。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項１または２
のいずれか１項記載の本発明の半身浴用椅子の支柱を中
空とし、この支柱の下端に水中ポンプが装着され、支柱
内を給送された浴槽の湯が上記枕より前面方向に吐出さ
れるようになされていることを特徴とする。

【００１１】上記請求項１記載の発明において、座面シ
ートには、折りたたみ時の位置とほぼ水平状態での使用
時の位置とを規制する手段を備えているものであるが、
この規制する手段としては、請求項２記載のように、座
面シートの裏面側にスライドリンクを設けて前記位置を
規制するものがよいが、例えば、折りたたみ時に座面シ
ートを支柱に掛具等で引掛け、折りたたみ時の位置を規
制するもの、ほぼ水平状態での使用時には、座面シート
の先端部をＬ字形状に折り曲げておき、この座面シート
の先端を浴槽の底面に接地して、ほぼ水平状態での使用
時の位置を規制するもの等であってもよい。

【００１２】上記本発明に用いられる座面シートとして
は、半身入浴に好ましい座面の高さになされればよく、
特に座面の長さが３５０〜５００ｍｍ、座面の高さが１
２０〜２００ｍｍのものが好ましい。

【００１３】上記本発明の半身浴用椅子において設けら
れる小型の水中ポンプの電源は、乾電池等の電池の他、
家庭用の１００Ｖ電源をアダプターにより低圧、直流に
変換して使用することもできる。又、電池の場合には、
防水処理がなされた電池ボックスが設けられた水中ポン
プを使用すればよい。

【００１４】この水中ポンプの電源のＯＮ／ＯＦＦは、
支柱や枕の側面等に防水タイプのスイッチを付設して行
うようにすればよい。

【００１５】椅子の支柱の背面側または側面側に固定具
を設け、浴槽の縁（框）に固定具を嵌め込むようにして
固定するとよい。その他、例えば、吸盤等により表面が
平滑な浴槽の内壁面や框面に吸着させて固定することも
可能である。

【００１６】

【作用】請求項１および２記載の本発明の半身浴用椅子
においては、間隔をおいて立設された２本の支柱と、こ
の支柱の頂部間にほぼ水平方向に架け渡された枕と、支
柱の下方寄りに支柱より水平方向に回動自在に軸着され
た座面シートとにより構成され、前記座面シートには、
折りたたみ時の位置とほぼ水平状態での使用時の位置と
を規制する手段を備えているので、必要な時に椅子を浴
槽内に設置し、浴槽内において座面シートを水平に回動
し、ほぼ水平状態での使用時の位置に規制すると、座面
シートが安定し、安心して半身入浴用椅子に腰掛けるこ
とができる。これにより、半身入浴が自由に行え、又、
本来の浴槽を改造することなく全身入浴も可能である。
また、不要時には、椅子を浴槽内から取り出し、座面シ
ートを水平状態から上方に回動して折りたたみ、折りた
たみ時の位置に規制すると、場所を取らないで収納でき
る。

【００１７】請求項３記載の本発明の半身浴用椅子にお
いては、中空の支柱の下端に水中ポンプが装着され、支
柱内を給送された浴槽の湯が上記枕より前面方向に吐出
されるようになされているので、必要な時に水中ポンプ
を作動させれば、必要なだけ湯を枕から肩を含め上半身
にかけることができる。このため全身入浴に代えて快適
な半身入浴を行うことができる。又、浴室内が低温で寒
く感じる時には、肩から上半身に湯を掛けることにより
快適に暖まることができ、快適な入浴を楽しむこともで
きる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態を図
１〜図４を参照して説明する。図１は、本発明の半身入
浴用椅子の一例を示す斜視図であり、図２は、図１の半
身入浴用椅子の使用態様を示す（透視）側面図であり、
図３は、図１の半身入浴用椅子の使用態様を示す平面図
であり、図４は、図１の半身入浴用椅子が折り畳まれた
態様を示す側面図である。図１〜図４において、１は浴
槽、１０は半身入浴用椅子、２は座面シート、３は支
柱、４は軸、５はスライドリンク、６は枕、７は軸、８
は水中ポンプ、９は吐出口、１１は板体、１２は連結杆
である。

【００１９】図１において、本実施例の半身浴用椅子１
０は、浴槽内へ着脱可能に装着できる半身入浴のための
ものであり、間隔をおいて立設された２本の中空の支柱
３、３と、この支柱３の頂部間にほぼ水平方向に架け渡
された枕６と、支柱３、３の下方寄りに軸４により支柱
３より水平方向に回動自在に軸着された座面シート２と
により構成されている。

【００２０】また、本実施例の半身入浴用椅子１０は、
折りたたみ時の位置とほぼ水平状態での使用時の位置と
を規制する手段を備えている。

【００２１】上記位置規制する手段は、座面シート２に
取り付けられたスライドリンク５によりなされるもので
ある。スライドリンク５は、長手方向に長孔がくり抜か
れた板体１１と、連結杆１２とによりなり、この連結杆
１２の一端は前記長孔に摺動可能に連結されている。こ
のスライドリンク５の板体１１は、座面シート２の裏面
長手方向に沿って垂直に取り付けられ、連結杆１２の他
端が支柱３に水平方向に取り付けられた軸７に回動自在
に軸着されている。

【００２２】座面シート２の折りたたみ時の位置を規制
する手段は、図４に示すように、座面シート２の先端部
を持ち上げて支柱３とほぼ平行状態になるように回動し
ながら、前記連結杆１２の一端を板体１１の長孔に沿っ
て摺動させ、連結杆１２の一端を長孔の一端側に当接す
ることによりなされるものである。即ち、半身入浴用椅
子１０の座面シート２が支柱３側に回動され、折りたた
み時の位置を規制されるので、折りたたみ状態に維持さ
れ、狭い場所であっても収納できるようになされる。

【００２３】座面シート２のほぼ水平状態での使用時の
位置を規制する手段は、図２に示すように、座面シート
２をほぼ水平状態になるように回動しながら、前記連結
杆１２の一端を板体１１の長孔に沿って摺動させ、連結
杆１２の一端を長孔の他端側に当接することによりなさ
れるものである。このようにして座面シート２が組み立
てられた状態の半身入浴用椅子１０を浴槽内１に入れ、
その先端を浴槽１の底に着地させることにより、安定し
た状態で使用可能な状態とすることができる。なお、座
面シート１３の座面は長さが３５０ｍｍ〜５００ｍｍに
なされ、座面の高さは１２０ｍｍ〜２００ｍｍが好まし
い。

【００２４】更に、上記２本の支柱３、３１１間に装着
された枕６の前面の両端寄りには、湯を吐出させるため
の吐出口９、９が設けられ、この吐出口９は、それぞれ
支柱３の中空の内部と連通されている。

【００２５】２本の支柱３の下端には、電池室を有する
水中ポンプ８が装着され、この水中ポンプ８の吐出口
は、支柱３の中空の内部と連通され、上記説明のよう
に、浴槽１の湯を枕６の両側の吐出口９より吐出できる
ようになっている。 又、この水中ポンプ８の電源の入
切りは、枕６の側面に設けたスイッチ（図示しない）に
より行うことができる。

【００２６】本実施例の半身入浴用椅子１０の使用態様
は、図２に示すように、半身入浴用椅子１０の支柱３が
浴槽１の内壁面に沿うように設置し、座面シート２の下
端部を浴槽１の底面に接地し、座面シート２をほぼ水平
状態の位置に規制して設置すると、設置された半身入浴
用椅子１０には、人が下半身を浴槽１の湯に浸し、浴槽
１の内壁面に沿わせ、後頭部を枕６に凭れさせた状態で
楽な姿勢で、安定して座った状態を保持することができ
る。

【００２７】又、この状態で、水中ポンプ８のスイッチ
を入れて作動させると、浴槽１の湯は、水中ポンプ８に
より吸引され、支柱３の中空の内部を流動し、枕６の吐
出口９より吐出されるので、寒い時などに湯に浸かって
いない上半身も温めることができる。

【００２８】従って、湯温を３８°〜４０°程度の中温
に保ち、本実施例の半身入浴用椅子１０に座って上半身
の入浴を比較的長時間に亘って行うと、基礎代謝が促進
され、神経が休まるためにストレスの解消の効果が期待
でき、又、保温効果により冷え性や肩こりの解消に対す
る効果や、血圧を降下させるといった効果が期待され
る。

【００２９】

【発明の効果】請求項１および２記載の本発明の半身浴
用椅子においては、間隔をおいて立設された２本の支柱
と、この支柱の頂部間にほぼ水平方向に架け渡された枕
と、支柱の下方寄りに支柱より水平方向に回動自在に軸
着された座面シートとにより構成され、前記座面シート
には、折りたたみ時の位置とほぼ水平状態での使用時の
位置とを規制する手段を備えているので、必要な時に椅
子を浴槽内に設置し、浴槽内において座面シートを水平
に回動し、ほぼ水平状態での使用時の位置に規制し、座
面シートに腰掛けることができる。これにより、半身入
浴が自由に行え、又、本来の浴槽を改造することなく全
身入浴も可能である。また、不要時には、椅子を浴槽内
から取り出し、座面シートを水平状態から上方に回動し
て折りたたみ、折りたたみ時の位置に規制すると、場所
を取らないで収納できる。

【００３０】請求項３記載の本発明の半身浴用椅子にお
いては、中空の支柱の下端に水中ポンプが装着され、支
柱内を給送された浴槽の湯が上記枕より前面方向に吐出
されるようになされているので、必要な時に水中ポンプ
を作動させれば、必要なだけ湯を枕から肩を含め上半身
にかけることができる。このため全身入浴に代えて快適
な半身入浴を行うことができる。又、浴室内が低温で寒
く感じる時には、肩から上半身に湯を掛けることにより
快適に暖まることができ、快適な入浴を楽しむこともで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の半身入浴用椅子の一例を示す斜視図で
ある。

【図２】図１の半身入浴用椅子の使用態様を示す（透
視）側面図である。

【図３】図１の半身入浴用椅子の使用態様を示す平面図
である。

【図４】図１の半身入浴用椅子が折り畳まれた態様を示
す側面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 １０ 半身入浴用椅子 ２ 座面シート ３ 支柱 ４ 軸 ５ スライドリンク ６ 枕 ７ 軸 ８ 水中ポンプ ９ 吐出口 １１ 板体 １２ 連結杆

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 必要な時に浴槽内に設置する半身入浴の
   ための半身入浴用椅子であって、この半身入浴用椅子
   が、間隔をおいて立設された２本の支柱と、この支柱の
   頂部間にほぼ水平方向に架け渡された枕と、支柱の下方
   寄りに支柱より水平方向に回動自在に軸着された座面シ
   ートとにより構成され、前記座面シートには、折りたた
   み時の位置とほぼ水平状態での使用時の位置とを規制す
   る手段を備えていることを特徴とする半身入浴用椅子。
2. 【請求項２】 長手方向に長孔がくり抜かれた板体と、
   一端が前記長孔に摺動可能に連結された連結杆とよりな
   るスライドリンクの板体が、座面シートの裏面長手方向
   に沿って垂直に取り付けられ、連結杆の他端が支柱より
   水平方向に回動自在に軸着され、 座面シートの折りたたみ時の位置を規制する手段は、座
   面シートの先端部を持ち上げて支柱とほぼ平行状態にな
   るように回動しながら、前記連結杆の一端を板体の長孔
   に沿って摺動させ、連結杆の一端を長孔の一端側に当接
   することによりなされるものであり、 座面シートのほぼ水平状態での使用時の位置を規制する
   手段は、座面シートをほぼ水平状態になるように回動し
   ながら、前記連結杆の一端を板体の長孔に沿って摺動さ
   せ、連結杆の一端を長孔の他端側に当接することにより
   なされるものであることを特徴とする請求項１記載の半
   身入浴用椅子。
3. 【請求項３】 上記支柱を中空とし、この支柱の下端に
   水中ポンプが装着され、支柱内を給送された浴槽の湯が
   上記枕より前面方向に吐出されるようになされているこ
   とを特徴とする請求項１または２のいずれか１項記載の
   半身入浴用椅子。