JPH10108412A - 電装部品の保護装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、材料を大幅に削減してコストを低
減でき、しかも、圧縮機のタイプに対応した汎用性を持
ち、装着作業性、絶縁性、防水性に優れた電装部品の保
護装置を提供することを目的としたものである。 【解決手段】 本発明は、電装部品を収納したターミナ
ルカバー５を、圧縮機の外壁にガスケット４を介して取
付けた保護装置において、前記ターミナルカバー５の開
口端部５ａには凹溝２５が形成されている一方、ガスケ
ット４には前記凹溝２５に嵌合する凸部２６が形成され
ている構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は電装部品の保護装
置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電装部品の保護装置は例えば実公
昭５７−２６３９１号公報に示されているように構成さ
れている。ここで、この公報を参考に従来例を説明す
る。図４において、５０は密閉型圧縮機の外被を形成す
る密閉容器、５１はこの密閉容器の外面上部に突出し主
に圧縮機を支持することを目的として設けられたロッ
ド、５２はこのロッドに近接して密閉容器５０に一部分
を埋設するとともに、他の部分を密閉容器５０の外部に
突出する密封ターミナルで、この密封ターミナルには複
数の接続端子５３が突出して設けられている。

【０００３】５４は密封ターミナル５２を収納するター
ミナル室５５を設けたターミナルカバーで、このターミ
ナルカバーはゴム等の電気絶縁性を有し、かつ、弾力性
を有する材料で形成されている。５６はターミナルカバ
ー５４に形成され上下方向に貫通する孔で、この孔の上
端部の内径はロッド５１の外径よりも若干小さく形成さ
れている。

【０００４】５７はターミナルカバー５４に一体に形成
されてオーバーロードリレー（図示せず）を収納するプ
ロテクタ室で、このプロテクタ室の下端部にはオーバー
ロードリレーを押え込んで密閉容器５０の外面に密着さ
せる段部６０が設けられている。

【０００５】６１はオーバーロードリレーの端子に接続
したリード線や密封ターミナル５２の接続端子５３に接
続したリード線を引出す引出口であり、ターミナルカバ
ー５４の下端に形成されている。６３は前記ターミナル
カバー５４と密閉容器５０との間に介在されるガスケッ
ト、６４は前記ロッド５１に螺合するナットである。

【０００６】この構造の電装部品の保護装置ではガスケ
ット６３の孔６５とターミナルカバー５４の孔５６をロ
ッド５１に挿入し、このターミナルカバー５４をナット
６４で締め付けることにより、このターミナルカバーが
密閉容器５０に気密に固定され、ターミナルカバー５４
内に水分等が浸入しないようにされているものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスケ
ット６３は密封ターミナル５２やオーバーロードリレー
を挿入するための大きな孔６６、６７が形成されてお
り、ガスケット６３全体形状が大きくなって材料を多く
必要とするばかりでなく、インターナルプロテクタを使
用するタイプや外づけのオーバーロードリレーを使用す
るタイプの圧縮機では、前記孔６６、６７は不要なもの
であるため、汎用性に欠けるという問題があった。

【０００８】加えて、ガスケット６３を装着する際には
上記孔６６、６７に密封ターミナル５２やオーバーロー
ドリレーを確実挿入セットしなければならず、装着作業
性が悪いと共に絶縁性も考慮されてないという問題があ
った。

【０００９】更に、ターミナルカバー５４を装着する場
合に該カバーの開口端部は引出口６１の箇所を除いて一
様なフラット形状であるため、該カバーの装着位置がず
れ易く、ガスケット６３に均一な締め付け応力が作用せ
ずに防水機能を損なう懸念があるという問題があった。

【００１０】この発明は上記の問題を解決するもので、
材料を大幅に削減してコストを低減でき、しかも、圧縮
機のタイプに対応した汎用性を持ち、装着作業性、絶縁
性、防水性に優れた電装部品の保護装置を提供すること
を目的としたものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明は、請求項１に
記載の如く、電装部品を収納したターミナルカバーを、
圧縮機の外壁にガスケットを介して取付けた保護装置に
おいて、前記ターミナルカバーの開口端部には凹溝或い
は凸部が形成されている一方、ガスケットには前記凹溝
或いは凸部に嵌合する凸部或いは凹溝が形成されている
構成としたものである。

【００１２】また、請求項２に記載の如く、電装部品を
収納したターミナルカバーを、圧縮機の外壁にガスケッ
トを介して取付けた保護装置において、前記ガスケット
はターミナルカバーの開口端部の形状と同様な帯形状に
成形されると共に、前記ターミナルカバーの開口端部に
は凹溝或いは凸部が形成されている一方、ガスケットに
は前記凹溝或いは凸部に嵌合する凸部或いは凹溝が形成
されている構成としたものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下この発明を図１に示す実施例
に基いて説明する。１は内部に電動圧縮機本体（図示せ
ず）を収納した円筒状の密閉容器で、この容器の上壁に
は平坦面２が設けられている。３は密閉容器１の平坦面
２に取付けられた保護装置で、この保護装置は密閉容器
１の平坦面２に設置されたガスケット４と、このガスケ
ットの上に載せられたターミナルカバー５と、このター
ミナルカバーをガスケット４に押付けながら密閉容器１
に固定するロッド６ａ及びナット６ｂとで構成されてい
る。ターミナルカバー５内には密閉容器１の平坦面２を
貫通して取付けられた密封ターミナル７と、図示しない
オーバーロードリレーとが収納されている。

【００１４】密封ターミナル７には複数の接続端子９が
突出して設けられている。また、オーバーロードリレー
にも複数の端子が設けられている。

【００１５】１１はターミナルカバー５に設けられた取
出部で、この取出部は密封ターミナル７の接続端子９と
オーバーロードリレーの端子とに夫々接続された図示し
ないリード線を案内するガイド１３と、このガイドの先
端に設けられた引出口１４とで形成されている。即ち、
リード線を引出す取出部１１は該カバー５の高さ方向に
おける下側の開口端部５ａの一カ所に形成されており、
ガイド１３の先端に引出口１４が突出形成されている。

【００１６】また、ガイド１３は側壁１５を内側に向か
って広くするとともに、上壁１６を外側に向かって低く
なるように傾斜させて形成されている。密封ターミナル
７の接続端子９とオーバーロードリレーの端子とはター
ミナルカバー５内でリード線によって接続される。

【００１７】ガスケット４はターミナルカバー５の開口
端部５ａの形状と同様な帯形状に成形されており、ター
ミナルカバー５の引出口１４に対向する位置に開口２３
が形成されている。

【００１８】また、前記ターミナルカバー５の開口端部
５ａには凹溝２５が形成されている一方、ガスケット４
には前記凹溝２５に嵌合する凸部２６が形成されてい
る。

【００１９】また、ガスケット４にはリード線の引出口
１４に対向して成形された開口２７と、密封ターミナル
７、オーバーロードリレー及びロッド６ａを貫通する大
きな開口部２１、２２が設けられており、ターミナルカ
バー５にも同様に密封ターミナル７、オーバーロードリ
レーを収容する開口部２１、２２と、ロッド６ａを貫通
する孔２４が設けられている。

【００２０】このように構成された電装部品の保護装置
において、保護装置３の組立順序を説明すると、まずガ
スケット４の凸部２６をターミルカバー５の開口端部５
ａの凹溝２５に全周に亘って嵌合させて一体化してお
く。そして、オーバーロードリレーを密閉容器１の平坦
面２の所定位置にセットし、このオーバーロードリレー
の端子及び密封ターミナル７の接続端子９に夫々リード
線を接続する。次に、リード線を束ねてターミナルカバ
ー５の取出部１１の引出口１４から該リード線を通して
カバー外へ引き出せるようにセットした後、ガスケット
４を一体的に装着したターミナルカバー５を覆せ、ロッ
ド６ａにナット６ｂを螺合させて固定し保護装置３は組
立てられる。

【００２１】ここで、ガスケット４はターミナルカバー
５の開口端部５ａの形状と同様な帯形状に成形されてい
るため、雨水等の浸入を防止する最小限の材料でガスケ
ット４を成形することができると共に、インターナルプ
ロテクタを使用するタイプや外付けのオーバーロードリ
レーを使用するタイプの圧縮機にも簡単に対応すること
ができる。

【００２２】また、ガスケット４には、ターミナルカバ
ー５の開口端部５ａの凹溝２５と嵌合する凸部２６が成
形されているため、ガスケット４を装着する際にはター
ミナルカバー５の開口端部５ａの凹溝２５に該ガスケッ
ト４の凸部２６を嵌合させておくだけで、カバー５とガ
スケット４を一体化させた状態で装着作業を行うことが
でき、従来のような面倒な位置決め作業も不要となるこ
とから、装着作業性及び絶縁性を向上できる。

【００２３】更に、取出部１１のガイド１３は側壁１５
を内側に向かって広くするとともに、上壁１６を外側に
向かって低くなるように傾斜させて形成することによ
り、引出口１４に集められるリード線が密封ターミナル
７の接続端子９やオーバーロードリレーの端子の接続部
から略直線状に引出されるようにし、引出口１４で各リ
ード線が重なり合わないようにすることができる。

【００２４】尚、本実施例では、ターミナルカバー５の
開口端部５ａに凹溝２５を形成し、ガスケット４に前記
凹溝２５に嵌合する凸部２６を形成する構成にて説明し
たが、ターミナルカバー５の開口端部５ａに凸部を形成
し、ガスケット４に前記凸部に嵌合する凹溝を形成する
構成でも同様の作用効果を奏することができる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明は、ガスケットはタ
ーミナルカバーの開口端部の形状と同様な帯形状に成形
されているため、雨水等の浸入を防止する最小限の材料
でガスケットを成形することができ、コストを削減でき
ると共に、インターナルプロテクタを使用するタイプや
外付けのオーバーロードリレーを使用するタイプの圧縮
機にも簡単に対応でき汎用性を向上することができる。

【００２６】また、ターミナルカバーの開口端部には凹
溝或いは凸部が形成される一方、ガスケットには前記タ
ーミナルカバーの凹溝或いは凸部に嵌合する凸部或いは
凹溝が成形されているため、ガスケットを装着する際に
はターミナルカバーの開口端部にガスケットを嵌合させ
ておくだけで、カバーとガスケットを一体化させた状態
で装着作業を行うことができ、従来のような面倒な位置
決め作業も不要となることから、装着作業性及び絶縁性
を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す圧縮機の保護装置の
分解斜視図である。

【図２】ターミナルカバーの平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａセクションにおける断面図。

【図４】ガスケットの平面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂセクションにおける断面図であ
る。

【図６】ターミナルカバーとガスケットの分解斜視図で
ある。

【図７】従来例を示す圧縮機の保護装置の分解斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ３ 保護装置 ４ ガスケット ５ ターミナルカバー ７ 密封ターミナル １１ 取出部 １３ ガイド １４ 引出口 １５ 側壁 １６ 上壁 ２３ 開口 ２５ 凹溝 ２６ 凸部 ２７ 開口

フロントページの続き (72)発明者 原 正之 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電装部品を収納したターミナルカバー
   を、圧縮機の外壁にガスケットを介して取付けた保護装
   置において、前記ターミナルカバーの開口端部には凹溝
   或いは凸部が形成されている一方、ガスケットには前記
   凹溝或いは凸部に嵌合する凸部或いは凹溝が形成されて
   いることを特徴とする電装部品の保護装置。
2. 【請求項２】 電装部品を収納したターミナルカバー
   を、圧縮機の外壁にガスケットを介して取付けた保護装
   置において、前記ガスケットはターミナルカバーの開口
   端部の形状と同様な帯形状に成形されると共に、前記タ
   ーミナルカバーの開口端部には凹溝或いは凸部が形成さ
   れている一方、ガスケットには前記凹溝或いは凸部に嵌
   合する凸部或いは凹溝が形成されていることを特徴とす
   る電装部品の保護装置。