JPH10107680A - データキャリア・システム - Google Patents

データキャリア・システム

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JPH10107680A
JPH10107680A JP8256484A JP25648496A JPH10107680A JP H10107680 A JPH10107680 A JP H10107680A JP 8256484 A JP8256484 A JP 8256484A JP 25648496 A JP25648496 A JP 25648496A JP H10107680 A JPH10107680 A JP H10107680A
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JP
Japan
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data
signal
phase
circuit
carrier
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JP8256484A
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Inventor
Mitsuhiro Murata
充裕 村田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、位相変調方式による通信を行うデ
ータキャリア・システムにおいて、簡単な構成で、信頼
性の高い受信復調回路を実現するものである。 【解決手段】 送信側では、電力搬送波の周波数信号を
分周して送信用搬送波を生成するとともに、受信側で
は、同じく電力搬送波の周波数信号を分周することによ
り、予め複数種類の位相のデータ復調用分周信号を形成
しておき、該分周信号の中から位相判定用信号や位相検
波基準信号を適正に選択することにより、安定した復調
動作が行われるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ記憶手段と
して、EEP−ROMやF−RAM等の不揮発性半導体
メモリを備えたデータキャリアと、該データキャリアに
アクセスするためのアクセス装置とから成るデータキャ
リア・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】データキャリアは、無電池化および薄型
化が急速に進みつつあり、データキャリア側で動作上、
必要となる電力については、電磁誘導結合を利用してア
クセス装置側から供給するように構成された、いわゆる
無電池型のデータキャリアが既に一般化されている。ま
た、そのサイズについても、携帯性が要求され、いわゆ
る磁気ストライプ型カードと全く同じ平面形状や厚さを
有するものから、さらにはもっと薄いものへと、サイズ
に関する要求も拡大されつつある。一方、データ通信に
おける変・復調方式に関しては、従来より振幅変調(A
SK)、位相変調(PSK)、周波数変調(FSK)、
スペクトラム拡散変調等、様々な方式が実用化されてい
るが、近年においては、専有帯域幅が比較的小さいこ
と、ノイズ耐性に優れていること等より、位相変調方式
を採用しているデータキャリア・システムが増えてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】位相変調方式によって
データの通信を行なう場合、受信側においては受信デー
タ復調のための検波基準信号を得る手段が問題となる
が、一般的には受信側にPLL回路等を利用したコスタ
ス・ループを設けることにより、受信されたデータ搬送
波に基づいて、適正な周波数と位相とを有する検波基準
信号を再生するという方式が採用されてきた。しかしコ
スタス・ループを設けることは、回路構成が複雑化され
ること、特にデータキャリアについては、非接触で電力
を受けているために、受け取っている電力の電圧等も不
安定となりやすく、その結果、コスタス・ループを構成
するPLL回路の動作も不安定となって、受信復調の信
頼性が低下しやすいこと、等の欠点が生ずる。
【0004】本発明の目的は、所定の周波数の電力用搬
送波を放射するための電力供給用アンテナを含むアクセ
ス装置と、電力受信用アンテナを介して受信される前記
電力用搬送波を整流することにより、動作用電力となる
直流電源を生成するための整流回路を含むデータキャリ
アとから成るデータキャリア・システムにおいて、上記
従来技術の欠点を解消し、簡単な回路構成で信頼性の高
い通信を行なうことのできるデータキャリア・システム
を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、アクセス装置およびデータキャリアの少
なくとも一方をデータ送信側とし、その他方をデータ受
信側としたときに、前記データ送信側は、電力用搬送波
の周波数信号を1/N(Nは整数)分周することにより
データ通信用搬送波の周波数信号を形成するデータ通信
用搬送波形成手段と、データ送信時にシリアル送信デー
タに応じて前記データ通信用搬送波を位相変調する送信
変調手段と、該位相変調されたデータ通信用搬送波を放
射するデータ送信用アンテナとを有するとともに、前記
データ受信側は、前記データ通信用搬送波を受信するデ
ータ受信用アンテナと、該アンテナを介して受信された
前記データ通信用搬送波に基づいて受信データを復調す
る受信データ復調回路とを有して成り、該受信データ復
調回路は、前記電力用搬送波の周波数信号を1/N分周
することにより、互いに異なる位相を有する複数種類の
データ復調用分周信号を実質的に形成するデータ復調用
信号形成手段と、前記複数種類のデータ復調用分周信号
の1つを位相判定用対象信号として選択する位相判定用
信号選択手段と、前記位相判定用対象信号と前記受信し
たデータ通信用搬送波とを実質的にミキシングする乗算
回路と、該乗算回路の出力からデータ通信速度に対応す
る周波数帯成分を抽出するフィルター回路と、該フィル
ター回路からの出力によって前記位相判定用対象信号の
位相の適性を判定し、位相不適正と判定したときには前
記位相判定用信号選択手段に対して、別の位相の前記デ
ータ復調用分周信号を新たな位相判定用対象信号として
選択し直させるための位相判定用信号切り換え信号を出
力する位相判定手段と、前記位相判定用対象信号に対し
て所定の位相関係にある前記データ復調用分周信号を位
相検波基準信号として、前記受信したデータ通信用搬送
波を実質的に位相検波することにより、受信データの復
調を行なう位相検波手段を含むように構成したことを特
徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図8は、本発明による第1
の実施の形態によるデータキャリア・システムを示して
おり、図1および図2は、それぞれデータキャリアおよ
びアクセス装置の構成を示すブロック図である。
【0007】図2に示されるアクセス装置において、発
振回路51の出力は、分周回路52にて電力搬送波の周
波数信号(以下、電力キャリア信号と称する)fpまで
分周される。該電力キャリア信号fpは、波形整形回路
53にてサイン波に整形された後、電力供給用駆動回路
54に入力されて、コイル型の電力供給用アンテナ55
を直列共振駆動するように構成されている。従って、上
記のように電力供給用アンテナ55から放射される電力
搬送波は、無変調である。なおコンデンサC3は、電力
供給用アンテナ55とともに、直列共振回路を構成して
いる。
【0008】前記電力キャリア信号fpは、受信データ
復調回路56およびデータ通信用搬送波形成回路67に
も入力され、分周回路より成る前記搬送波形成回路67
においては、1/4の周波数まで分周されて、データ通
信用搬送波の周波数信号(以下、通信キャリア信号と称
する)ftとして出力される。アクセス装置側からのデ
ータ送信時には、送信データ処理回路65からの調歩同
期式シリアル送信データATの内容に応じて、送信変調
回路68にて前記通信キャリア信号ftを位相変調し、
その出力を送信駆動回路69に供給することにより、コ
イル型のデータ送・受信用アンテナ70を直列共振駆動
するように構成されている。またデータ送信に先立っ
て、プリアンブル信号形成回路66からは、後述のプリ
アンブル信号(予備信号)PSが出力されるが、このプ
リアンブル信号PSも、前記送信データATと同様に、
送信変調回路68に入力されて、前記通信キャリア信号
ftを位相変調するように構成されている。これらの場
合の位相変調については、いわゆるπ−BPSK変調
(π−2相変調)でよいために、送信変調回路68は基
本的には、前記送信データATあるいはプリアンブル信
号PSと通信キャリア信号ftとを入力とするEX−O
R回路によって構成することができる。なおコンデンサ
C4は、上記のようにして位相変調されたデータ通信用
搬送波を放射するためのデータ送・受信用アンテナ70
とともに、直列共振回路を構成している。
【0009】またアクセス装置側での受信時には、前記
送・受信用アンテナ70から入力される受信信号は、デ
ータ通信用搬送波の周波数帯を通過させるバンドパス・
フィルター(以下BPS)71を介して増幅回路72に
入力され、ここで増幅された後、復調対象の受信信号
(受信されたデータ通信用搬送波)AXとして、受信デ
ータ復調回路56に入力される。該受信データ復調回路
56は、電力キャリア信号fpと前記増幅回路72を介
して入力される復調対象の受信信号AXとに基づいて、
受信データの復調を行い、ここで復調されたシリアル受
信データARは、受信データ処理回路63に取り込まれ
る。なおデータ送・受信制御回路64は、送・受信に関
する動作シーケンスの制御や動作タイミング信号形成の
機能を果たしているものである。
【0010】一方、データキャリア側においては、図1
に示されるように、アクセス装置側から送られてくる電
力用搬送波を受けるためのプリントコイル型電力受信用
アンテナ1は、コンデンサC1とともに並列共振回路を
構成している。該並列共振回路は、整流回路2およびク
ロック信号形成回路4に接続されており、さらに整流回
路3による整流電源は、定電圧回路4にてレギュレート
され、VDD系電源としてデータキャリア内の回路の各部
に対して供給される。またクロック信号形成回路4にお
いて前述の電力キャリア信号fpと同じ周波数信号に復
元されて成るクロック信号FPも、同様に受信データ復
調回路5やデータ通信用搬送波形成回路16等、データ
キャリア内の回路の各部に対して供給されている。
【0011】分周回路より成る前記搬送波形成回路16
は、前記クロック信号FPを1/4の周波数まで分周し
て、データ通信用搬送波信号FTとして出力する。すな
わちデータキャリア側からのデータ送信時には、送信デ
ータ処理回路14から出力される調歩同期式シリアル送
信データDTの内容に応じて、送信変調回路16にて前
記搬送波信号FTを位相変調(π−BPSK変調)し、
その出力を送信駆動回路17に供給することにより、プ
リントコイル型のデータ送・受信用アンテナ18を並列
共振駆動するように構成されている。なおコンデンサC
2は、前記アンテナ18とともに、並列共振回路を構成
しているものである。また実際のデータ送信に先立っ
て、適当な時間幅のアイドリング出力状態(調歩同期式
通信上におけるアイドリング期間で、データ“1”のス
トップ・ビットが続いている状態)があり、それに引き
続く実際のデータ送信時には、EEP−ROMやF−R
AM等の不揮発性メモリ21から読み出されたデータ等
が、データ送・受信制御回路13を介して送信データ処
理回路14に取り込まれ、ここでパラレル/シリアル変
換されて、前記送信データDTとして出力される。
【0012】一方、データキャリア側での受信時には、
前記送・受信用アンテナ18およびコンデンサC2より
成る並列共振回路からの受信信号は、データ通信用搬送
波の周波数帯を通過させるバンドパス・フィルター(以
下BPS)19を介して増幅回路20に入力され、ここ
でロジック・レベルに飽和増幅されてから、復調対象の
受信信号(受信されたデータ通信用搬送波)DXとし
て、受信データ復調回路5に入力される。受信データ復
調回路5は、電力供給キャリア周波数信号FPと前記復
調対象の受信信号DXとに基づいて、受信データの復調
を行い、ここで復調されたシリアル受信データDRは、
受信データ処理回路12に取り込まれる。なおデータ送
・受信制御回路13は、送・受信に関する動作シーケン
スの制御、動作タイミング信号形成機能、不揮発性メモ
リ21へのアクセス制御機能等を果たしているものであ
る。
【0013】次に図3は、図1に示されるデータキャリ
アの受信データ復調回路5の構成を示す回路図であり、
図4〜図6は、その要部の信号を示す波形図である。こ
こでデータキャリア側の受信復調動作について説明す
る。
【0014】前述のクロック信号FPは、受信データ復
調回路5のデータ復調用信号形成回路6に入力され、こ
こでF1、F2、F3、F4の4種類のデータ復調用分
周信号に1/4分周される。すなわち図3に示される実
施の形態では、データ復調用信号形成回路6は、インバ
ータ30および6個のトグル型フリップ・フロップ回路
(以下FF回路と称する)31〜36より構成されてい
る。従ってデータ復調用分周信号F1、F2、F3、F
4は、図4に示されるように、いずれもクロック信号F
Pの1/4の周波数を有するが、インバータ30の介在
により、前記クロック信号FPの立ち上がりと立ち下が
りのそれぞれに同期して分周されているために、それぞ
れπ/4ずつ位相がずれた信号となる。前記データ復調
用分周信号F1〜F4は、位相判定用信号選択回路7に
入力され、ここでいずれか1個の信号が位相判定用対象
信号APとして選択されて、乗算回路8に入力される。
なお位相判定用対象信号APは、初期状態では4個のデ
ータ復調用分周信号F1〜F4のうちのいずれが選択さ
れてもよい。また乗算回路8は、復調対象の受信信号D
Xと位相判定用対象信号APとを実質的にミキシングす
る機能を果たしているが、前記受信信号DXも飽和増幅
されてデジタル信号となっているために、この場合の乗
算回路8としては、EX−OR回路をそのまま用いるこ
とができる。
【0015】ここでアクセス装置側は、前述のように実
際のデータの送信に先立って、プリアンブル信号PSに
よって位相変調を行うように構成されているが、これは
データキャリア側が受信復調を行う際に、前記4個のデ
ータ復調用分周信号F1〜F4のうち、復調対象の受信
信号DXに対して、好適な位相関係を有する信号を、位
相検波用の基準信号として選択するための手順である。
【0016】図4における復調対象の受信信号DXは、
アクセス装置側にて上記のプリアンブル信号PSによっ
て位相変調され送信されたデータ通信用搬送波を、デー
タキャリア側で受信した結果の一部分を示すもので、図
示の区間では、プリアンブル信号PSがデータ“0”の
区間からデータ“1”の区間に移り変わる前後の状態が
示されており、その両区間では前記受信信号DXは、上
記データ“0”からデータ“1”への変化に伴って、π
(または−π)だけ位相がシフトしている。この状態で仮
に今、位相判定用信号選択回路7がデータ復調用分周信
号F1を位相判定用対象信号DPとして選択しているも
のとすると、該位相判定用対象信号DPと前記受信信号
DXは、EX−OR回路より成る乗算回路8によってミ
キシングされるために、このときの乗算回路9からの出
力信号DMは、図4に示されるように、プリアンブル信
号PSがデータ“0”の区間では、ほぼ“L”レベル
に、また前記データ信号PSがデータ“1”の区間で
は、ほぼ“H”レベルになる。また乗算回路9からの出
力は、実質的にデータ通信速度に対応する周波数成分を
抽出するように構成されたフィルター回路9に入力され
ているために、このときのフィルター回路9からの出力
信号DFは、図4に示されるように、ほぼグランド(以
下GNDと称する)レベルの状態から、ほぼVDDレベル
の状態へと変化する。なお本実施の形態においては、前
記フィルター回路9は、CR型ロウ・パス・フィルター
を2段接続した構成となっているが、乗算回路9の出力
からデータ通信用搬送波の周波数以上の高周波数成分を
カットして、プリアンブル信号PSのデータ通信速度
(データ変化速度)に対応する周波数成分を実質的に抽出
できるものであれば、CR型のバンド・パス・フィルタ
ーやループ・フィルターを用いることも可能である。
【0017】ここでフィルター回路9の出力は、位相判
定回路10を構成するシュミット・トリガー型インバー
タ38に入力されているが、上述のようにフィルター回
路9の出力信号が、ほぼGNDレベルの状態からほぼV
DDレベルの状態へと変化するということは、シュミット
・トリガー型インバータ37のヒステリシス幅HBを超
えた入力変化があるということになる。この結果、前記
インバータ37の出力は、“1”レベルから“0”レベ
ルへと論理レベルが反転することになるために、位相判
定回路10を構成する2個のトグル型FF回路38、3
9のいずれか一方の出力信号が“H”となり、シングル
ショット回路40の出力側からは、1個の位相判定用信
号切り換え信号DCが出力される。すなわち、ここでは
位相判定回路10は、位相判定用対象信号DPとしてデ
ータ復調用分周信号F1が選択されている状態を、位相
不適正と判定(その理由については後述)したことにな
り、この結果、位相判定用信号選択回路7は、前記切り
換え信号DCに応答して、データ復調用分周信号F1に
代えて、今度はデータ復調用分周信号F2を位相判定用
対象信号DPとして選択する。
【0018】なお前記切り換え信号DCは、前記FF回
路38、39のリセット端子にも入力されているため
に、上記のように位相判定用対象信号DPの切り換えが
済んだ時点では、前記FF回路38、39の出力はリセ
ット状態に復帰している。すなわち、次に再びシュミッ
ト・トリガー型インバータ37の出力の論理レベルの反
転があった場合には、また2個のトグル型FF回路3
8、39のいずれか一方の出力側が“H”レベルとな
り、シングルショット回路40の出力側から、1個の位
相判定用信号切り換え信号DCが出力され得る状態に戻
っている。また前記位相判定用信号選択回路7は、例え
ば前記切り換え信号DCの入力個数をカウントし、その
カウント値に応じて、前記データ復調用分周信号F1〜
F4のうちのいずれか1個を順次切り換え選択していく
ような、マルチプレクサー・タイプのセレクター回路に
よって、構成することが可能である。
【0019】次に図5は、位相判定用対象信号DPとし
てデータ復調用分周信号F2が選択されているときの各
信号を示すもので、ここでは前述の図4の状態に引き続
き、今度はプリアンブル信号PSがデータ“1”の区間
からデータ“0”の区間に移り変わる前後の状態が示さ
れており、従って前記受信信号DXは、上記データ
“1”からデータ“0”への変化に伴って、−π(また
はπ)だけ位相がシフトしている。このとき図5に示さ
れるように、プリアンブル信号PSがデータ“1”の区
間においては、乗算回路9の出力信号DMは、やや
“1”レベルの期間が大きく(ややデューティが大き
く)、従ってフィルター回路9からの出力信号DFは、
ややVDDレベルに近いものとなる。またプリアンブル信
号PSがデータ“0”の区間になると、乗算回路9の出
力信号DMは、やや“0”レベルの期間が大きく(やや
プリアンブル信号PS小さく)、従ってフィルター回路
9からの出力信号DFは、ややGNDレベルに近いもの
となる。この結果、フィルター回路9からの出力信号D
Fは、やはりシュミット・トリガー型インバータ37の
入力ヒステリシス幅HBをやや超えた変化を示すことに
なり、該インバータ38の出力の論理レベルも反転する
ことになる。これに応じて位相判定回路10を構成する
2個のトグル型FF回路38、39のいずれか一方の出
力信号が“H”となり、シングルショット回路40の出
力側からは、1個の位相判定用信号切り換え信号DCが
出力される。すなわち位相判定回路10は、位相判定用
対象信号DPとしてデータ復調用分周信号F2が選択さ
れている状態についても、位相判定用対象信号の位相は
不適正と判定したことになり、位相判定用信号選択回路
7は、前記切り換え信号DCに応答して、今度はデータ
復調用分周信号F3を位相判定用対象信号DPとして選
択することになる。
【0020】さらに図6は、位相判定用対象信号DPと
してデータ復調用分周信号F3が選択されているときの
各信号を示すもので、ここでは前述の図5の状態に続い
て、プリアンブル信号PSがデータ“0”の区間からデ
ータ“1”の区間に移り変わる前後の状態が示されてお
り、従って前記受信信号DXは、上記のデータ変化に伴
って、π(または−π)だけ位相がシフトしている。こ
のときには図示のように、プリアンブル信号PSがデー
タ“1”となっている区間とデータ“0”となっている
区間のいずれにおいても、乗算回路9の出力信号DM
は、“1”レベルの期間と“0”レベルの期間とがほぼ
等しい(デューティがほぼ1/2)状態となり、この結
果、フィルター回路9の出力信号は、ほぼVDD/2程度
の電圧レベルとなる。従って、この場合にはフィルター
回路9の出力信号DFが、シュミット・トリガー型イン
バータ37の入力ヒステリシス幅HBを超えることはな
いために、FF回路38、39の出力側のいずれも
“H”レベルとなることはなく、シングルショット回路
40の出力側から位相判定用信号切り換え信号DCが出
力されることもない。すなわち、今度は位相判定回路1
0は、位相判定用対象信号DPの位相を適正と判定した
ことになり、この状態よりさらに引き続いてプリアンブ
ル信号PSがデータ“1”とデータ“0”との間で変化
していったとしても、上記の状態は基本的に変わらず、
複数種類のデータ復調用分周信号F1〜4のうち、デー
タ復調用分周信号F3が選択された状態に維持される。
また前記プリアンブル信号PSが終了し、続いて実際の
データの受信が開始されれば、上記のように、位相判定
用対象信号DPとしてデータ復調用分周信号F3が選択
されている状態で、受信データの復調が行われることに
なる。
【0021】ここで本実施の形態においては、位相検波
回路11は、いわゆるダイレクト・コンバージョン方式
で位相検波を行うD−FF回路より構成されており、該
D−FF回路のデータ入力側には、前記復調対象の受信
信号DXが入力されるとともに、そのクロック入力側に
は、複数種類のデータ復調用分周信号F1〜4のうち、
位相判定用対象信号DPとして選択されている信号と同
じ信号(同じ位相の信号)が、位相検波基準信号DBと
して入力されている。このようなダイレクト・コンバー
ジョン方式においては、D−FF回路のクロック入力で
ある位相検波基準信号DBの立ち下がり(または立ち上
がり)に同期して、データ入力である前記受信信号DX
をサンプリングすることにより、シリアル受信データD
Rを直接的に復調するように構成されている。従って実
際の受信動作では、受信信号に波形歪みや波形なまり、
デューティの変動等がつきまとうことを考慮すると、上
記のサンプリングのタイミングは、前記受信信号DXの
立ち上がりと立ち下がりの中間点に近いほど好適である
ことは明らかである。すなわち位相検波基準信号DBと
しては、前記受信信号DXに対してπ/2(または−π
/2)だけ位相がずれている状態が最も好適な状態とい
うことになる。このために、本実施の形態においては、
プリアンブル信号PSが与えられている間に、複数種類
のデータ復調用分周信号F1〜4のうち、前記受信信号
DXに対してπ/2(あるいは−π/2)だけ位相がず
れている信号をまず、位相判定用対象信号DPとして捜
し出しておき、この位相判定用対象信号DPと同じ信号
(同じ位相の信号)を、位相検波基準信号DBとして用
いることにより、実際の受信復調を行うように構成され
ている。
【0022】以上のように本実施の形態のデータキャリ
アでは、位相判定用対象信号DPと復調対象の受信信号
DXとの間の位相関係を判定するに当たって、これらの
両信号を乗算回路8にてミキシングし、さらにフィルタ
ー回路9にてデータ通信搬送波の周波数以上の高周波成
分をカットしてなる結果が、VDD/2付近の電圧レベル
にあるか否かをチェックすることにより、π/2(また
は−π/2)に近い位相関係にあるか否かを判定するよ
うに構成されている。すなわちフィルター回路9の出力
信号DFが、シュミット・トリガー型インバータ37の
入力ヒステリシス幅HB内(言い換えればVDD/2付近
の電圧レベル)にあるか否かによって、位相判定用対象
信号DPの位相が、受信信号DXに対してπ/2(また
は−π/2)に近いかどうかを判定し、ここでπ/2
(または−π/2)に充分近いと判定された場合には、
位相判定用対象信号DPと同じ信号(同じ位相の信号)
を、ダイレクト・コンバージョン方式における位相検波
基準信号DBとして用いるように構成されている。前記
プリアンブル信号PSが、ビット・データ“0”の区間
とビット・データ“1”の区間を有しているのは、前述
のπ/2(または−π/2)に近い位相関係にない状態
において、ビット・データ“0”と“1”との間の変化
があれば、シュミット・トリガー型インバータ37の出
力の論理レベルが反転するが、π/2に近い位相関係に
ある状態においては、上記の論理レベルの反転は起こら
ないということにより、非常に簡単な回路構成にもかか
わらず、極めて容易に位相の判定ができるということに
よる。
【0023】従ってデータキャリア側の受信復調回路5
については、上記のように、ロジック回路、コンデン
サ、抵抗のみで構成することが可能であるために、低消
費電力のC−MOS型のICに容易に内蔵することがで
きる。これに対して、受信復調回路が、OPアンプ等の
複雑な構成のアナログ回路を必要とする場合には、その
応答性の問題で通信速度を下げる必要が生じたり、ある
いはC−MOS型のICに内蔵することが困難となっ
て、コストの高いバイポーラ/C−MOS混在ICを用
いたりする必要が生ずる。
【0024】なおデータ復調用分周信号F1〜F4のう
ち、いずれが位相判定用対象信号や位相検波基準信号と
して好適であるかは、データキャリアがアクセス装置に
近づいてデータキャリア側の電源が立ち上がったタイミ
ングによる偶然性や、データキャリアのアクセス装置に
対する裏/表の方向等によって異なるために、何回の選
択信号の切り換え(何個の位相判定用信号切り換え信号
DCの発生)によって適正な位相の信号に到達するかは
予め不明であり、従って前述のプリアンブル信号PSと
しては、データ“0”とデータ“1”の間の変化を、少
なくとも4回以上は含んでいることが望ましい。また実
際の受信復調に当たっては、前述の受信信号DXと位相
検波基準信号DBとの間の位相の問題の他に、π変調の
場合には受信側は、いずれの状態をデータ“1”に振り
当て、いずれの状態を“0”に振り当てるかを、別途決
定しなければならないという問題もある。すなわちπ変
調の場合には、実は位相がπ進んでいる状態とπ遅れて
いる状態とは、波形的に同じ状態であり、データ“1”
の状態と“0”の状態との関係も相対的なものとなるた
めに、受信側から見ると、データ“1”と“0”との間
の区別はできるが、いずれの状態がデータ“1”であ
り、データ“0”であるかは、送信側との約束ごとに依
存しなければ決定できない。ただし、この問題は、例え
ば送信側がプリアンブル信号PSの終了後、実際のデー
タの送信の最先頭部に10ビット以上のストップ・ビッ
ト(データ“1”のアイドリング状態)を介在させるとい
うような方法で容易に解決することが可能である(すな
わち、この場合には10ビット以上に渡って同じ復調デ
ータが続いたら、その状態をデータ“1”に割り当てれ
ばよい)ために、詳しい説明は省略する。なお位相検波
回路11については、D−FF回路の出力側にロウ・パ
ス・フィルターと飽和増幅用の増幅回路とを接続し、こ
れらを介してシリアル受信データDRを取り出すように
構成してもよい。
【0025】次に、アクセス装置側の受信復調動作につ
いて説明する。図7は、アクセス装置側の受信データ復
調回路56の構成例を示す回路図であり、図8は、その
要部の信号を示す波形図である。ただし位相判定用信号
選択回路58、乗算回路59およびフィルター回路60
については、前述のデータキャリア側の場合と同様な構
成および動作と考えることができるために、詳しい説明
は省略する。なおアクセス装置側においては、回路構成
要素のコストやサイズに関する制約も、データキャリア
側の場合ほどは大きくはないために、OPアンプ等のア
ナログ・ディスクリート回路部品の採用も可能であり、
本実施の形態においては、位相判定回路61は、高速型
のコンパレータ80、AND回路81、シングルショッ
ト回路82、タイマー回路83によって構成されてい
る。またデータキャリア側では、前述のように、実際の
送信データの先頭で適当な時間幅のアイドリング出力状
態(調歩同期式データ通信上におけるアイドリング期間
で、データ“1”のストップ・ビットが続く状態)を有
しているが、これはアクセス装置側が受信復調を行う際
に、前記8個のデータ復調用分周信号f1〜f8のう
ち、復調対象の受信信号AXに対して、好適な位相関係
を有する信号を、位相検波用の基準信号として選択する
ための手順である。
【0026】まずデータ復調用信号形成回路57は、前
述の電力キャリア信号fpを1/4分周することによ
り、f1〜f8より成る8相のデータ復調用分周信号を
形成している。すなわちデータ復調用信号形成回路57
は、基本的な4種類の位相の信号f1〜f4の他に、こ
れらのそれぞれの反転信号f5〜f8も、位相判定用信
号選択回路58に対して供給している。また位相判定用
信号選択回路58では、これらのうちの1個の信号が位
相判定用対象信号APとして選択されて、乗算回路59
で復調対象の受信信号AXとミキシングされ、さらに乗
算回路59からの出力信号AMは、フィルター回路60
に入力される。
【0027】フィルター回路60の出力信号AFは、位
相判定回路61を構成するコンパレータ80のマイナス
入力側に与えられており、またタイマー回路83の出力
は、通常“H”レベルとなるように構成されている。従
ってフィルター回路60の出力信号AFが、比較基準電
圧レベルVRFよりも低い場合には、コンパレータ80の
出力側およびAND回路81の出力側が“H”レベルと
なるために、シングルショット回路82から1個の位相
判定用信号切り換え信号ACが出力される。この結果、
位相判定用信号選択回路59は、次の順番のデータ復調
用分周信号を新たな位相判定用対象信号APとして選択
する。またタイマー回路83は、前記切り換え信号AC
に応答して“L”レベルのリセット信号を出力するよう
に構成されており、この結果、前記切り換え信号ACよ
り所定の期間に渡って、コンパレータ80の出力状態に
かかわらず、AND回路81の出力は“L”レベルに保
持される。ここで前記新しい位相判定用対象信号APが
選択されている状態で、タイマー回路83からのリセッ
ト信号が解除されたときに、フィルター回路60の出力
信号AFが、まだ比較基準電圧レベルVRFよりも低い場
合には、再び上記と同じ動作が繰り返される。
【0028】このようにして、フィルター回路60の出
力信号AFの電圧レベルが、比較基準電圧レベルVRFよ
りも高い状態となるまで、位相判定用対象信号APを選
択する動作が繰り返され、一旦、その状態に到達する
と、実際の受信データの復調を行うために、位相判定用
信号選択回路59の選択動作はロックされて選択動作は
終了する。なお上記のフィルター回路60の出力信号A
Fの電圧レベルは、位相判定用対象信号APの受信信号
AXに対する位相がπ(または−π)に近くなるほど高
くなることは明らかである。
【0029】ここで本実施の形態においては、上記の乗
算回路59およびフィルター回路60が、位相検波回路
62の基本部分をも構成している。すなわちフィルター
回路60の出力信号AFは、増幅回路84を介してシリ
アル受信データARとして出力されているが、増幅回路
84は、単に出力信号AFをロジック・レベルに飽和増
幅しているのみであるために、実質的にはフィルター回
路60の出力信号AF自体を復調データと考えてもよ
い。従って、この場合にも当然ながら、位相判定用対象
信号APと位相検波基準信号ABとは、同じ信号(同じ
位相の信号)でよいということになる。また、このよう
な復調方式の場合には、位相検波基準信号ABの受信信
号AXに対する位相が0またはπ(あるいは−π)に近
くなるほど、受信信号AXが高効率で復調されて、復調
条件が好適になることは明らかである。言い換えれば、
位相判定用対象信号APの受信信号AXに対する位相が
0またはπ(あるいは−π)に近くなるほど、すなわち
フィルター回路60の出力信号AFの電圧レベルが高く
なるほど、より好適な信号の選択状態ということができ
る。図8には、最も理想的な状態として、前記両信号の
位相差がほとんどπとなっているときの各信号の状態が
示されている。
【0030】なお本実施の形態においては、コンパレー
タ80を採用したことによって、前述のアイドリングに
よる連続ストップ・ビット期間中に、上記の位相関係が
π(あるいは−πでも同じ)に近くなり、従って復調デ
ータが“1”となるような選択状態まで到達するように
構成されているために、結局、信号の位相の選択と復調
データの“0”と“1”の間の割り当てとが、同時に行
われることになる。すなわち、この場合には前記アイド
リングによりデータ復調データは“1”になっているは
ずだという送信側との約束ごとによって、本来は好適な
位相0に近い状態は捨てられて、位相π(あるいは−
π)に近い状態のみが選択され、その結果として復調さ
れるシリアル受信データARが“1”となる状態への割
り当てが行われているわけである。
【0031】次に図9は、本発明の別の実施の形態によ
るデータキャリア側の受信データ復調回路の構成を示す
回路図である。ただし本実施の形態において、データ復
調用信号形成回路6、位相判定用信号選択回路7、乗算
回路8、フィルター回路9および位相判定回路10は、
前述の図3に示される実施の形態の場合と、基本的な構
成や動作が同じであるために、説明は省略する。ここで
は位相検波回路22は、乗算回路23、フィルター回路
24および増幅回路25によって構成されているが、こ
の位相検波の回路構成は、前述の図7に示される位相検
波回路62の場合と基本的に同じであるために、位相検
波基準信号DBとしては、受信信号DXに対してπ(ま
たは−π)だけ位相が異なる信号が好適であるというこ
とになる。一方、位相判定用信号選択回路7において
は、前述の図3の場合と同じく、最終的に受信信号DX
に対してπ/2(または−π/2)に近い位相差を有す
る位相判定用信号DPが選択されるように構成されてい
るために、結局、データ復調用分周信号F1〜F4のう
ち、最終的に選択された位相判定用信号DPに対してπ
/2(または−π/2)だけ位相が異なる信号を位相検
波基準信号DBとして、位相検波回路22の乗算回路2
3に供給すればよいということになる。
【0032】なお以上の実施の形態においては、いずれ
の場合にも送信用のデータ通信用搬送波形成回路15あ
るいは67が、独立した回路として説明されているが、
実際には、データ復調用分周信号F1〜F4あるいはf
1〜f8のいずれか任意の1個の信号を、それぞれデー
タ通信用搬送波信号FTあるいはftとして用いること
が可能であるために、特別にデータ通信用搬送波形成回
路15あるいは67を設けることは不要である。また乗
算回路8、23、59は、EX−OR回路より構成され
ているが、トランスミッション・ゲート等を用いること
も可能である。さらにデータ復調用信号形成回路6、5
7については、複数種類の位相のデータ復調用分周信号
を実質的に形成できればよいために、例えばデータ復調
用信号形成回路と位相判定用信号接続回路とを有機的に
結合し、予め複数種類のデータ復調用分周信号を形成し
ておく代わりに、位相判定用信号切り換え信号に応じ
て、分周用のトグル型FF回路間の接続状態等をセレク
ター等でロジック的に切り換えていくことにより、実質
的に複数種類の位相のデータ復調用分周信号を形成して
いくという構成も可能である。また電力搬送波の周波数
信号に基づいて、予め1種類の位相の分周信号を形成し
ておき、これを互いに異なる時定数を有する複数個の遅
延回路や、互いに異なる遅延時間幅を有する複数個のロ
ジック・ディレイ回路を通すことにより、実質的に複数
種類の位相のデータ復調用分周信号を形成したり、さら
には予め複数種類のデータ復調用分周信号を形成してお
く代わりに、位相判定用信号切り換え信号に応じて、上
記のような遅延回路の定数やロジック・ディレイ回路の
接続状態をセレクター等でロジック的に切り換えていく
ことにより、実質的に複数種類の位相のデータ復調用分
周信号を形成したりすることも可能である。すなわち以
上のいずれについても、本発明の実施に当たって採用可
能な構成の範囲であることは明らかである。
【0033】以上の説明で、図4〜図6、図8に示され
る信号の波形図については、シリアル送・受信データが
“0”と“1”との間で変化するときに、受信信号波形
も整合した形で追随して変化しているように図示してい
るが、これは説明のためのモデル化によるものであり、
前述の実施の形態のように、送・受信用のアンテナが共
振回路を構成している場合には、実際には上記のデータ
変化の直後には、共振現象の影響により波形には乱れが
生ずる。しかしシリアル通信においては、受信データ処
理回路へのデータの取り込みは、データのビット期間幅
の中点付近で行われるために、実質的には上記の波形の
乱れが発生するビット期間幅の両端部分(データの変わ
り目の部分)は意味を有さず、復調データに関しては通
信上の問題とはならない。ただし上記の波形の乱れは、
乗算回路からの出力信号に対しては、多少の影響を与え
るために、前述の実施の形態では、フィルター回路9を
ロウ・パス・フィルターの2段接続構成とすることによ
り、その影響をより確実に抑えるようにしている。すな
わちフィルター回路からの出力信号に乱れがある場合に
は、その乱れの分だけシュミット・トリガー回路の入力
ヒステリシス幅が相対的に狭い状態と同じになって、シ
ュミット・トリガー回路の出力が不要な反転を起こす可
能性もあるが、この乱れはビット期間幅の両端部分でだ
け発生するもので、比較的高い周波数成分より成るため
に、例えば上記のように、フィルター回路をロウ・パス
・フィルターの2段接続構成とするというような考慮
で、容易に解消される。実際の実験データでは、電力搬
送波の周波数が13.56MHz、データ通信用搬送波の
周波数がその1/4分周の3.39MHzのときで、例え
ば第1段目のロウ・パス・フィルターがR=30KΩ、
C=30pF程度の組み合わせ、かつ第2段目がR=5
0〜150KΩ、C=30pF程度の組み合わせで、前
述の乱れの影響は、ほとんど抑えられて良好な結果が出
ている。なお大きな通信距離を要しない場合等には、送
・受信用のアンテナは、必ずしも共振回路を構成する必
要もない。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように本発明においては、
従来技術のように、複雑な構成で動作も不安定になり易
いコスタス・ループを設けることなく、受信側で周波数
が全く正確で、しかも位相も好適な位相検波基準信号を
得ることが可能となる。すなわち送信側では、電力搬送
波の周波数信号を1/N分周することによりデータ送信
用搬送波の周波数信号を形成しているのに対して、一方
の受信側では、受信された電力搬送波の周波数信号を1
/N分周することにより、位相検波基準信号を形成して
いるために、受信側の位相検波基準信号の周波数は、受
信復調を行う上で全く正確なものとなる。また位相検波
基準信号の位相についても、本発明に基づく簡単な回路
構成により、適正な位相を安定した状態にて選択できる
ために、低コストで通信の信頼性をより向上させること
が可能となる。
【0035】特にデータキャリア側の受信復調回路につ
いては、本発明によれば、コスタス・ループを構成する
PLL回路等を設けることなく、容易に位相検波基準信
号を得ることができるために、アンテナ部を除く全ての
回路要素をC−MOS型ICに内蔵してしまうことも容
易であり、データキャリア自体の薄型化や低コスト化に
も有効である。またPLL回路の主要部であるVCO回
路は、電源電圧の不安定さの影響を受け易く、従って復
調時の信頼性を低下させる危険性が高いが、本発明の場
合には、電源電圧が比較的不安定になり易いデータキャ
リア側についても、位相検波基準信号は基本的に電力搬
送波の周波数信号に基づいて生成されるために、安定し
た復調動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデータキャリア側の
回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態によるアクセス装置側の回
路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるデータキャリア側
の受信データ復調回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態における要部の信号を示す
波形図である。
【図5】本発明の実施の形態における要部の信号を示す
波形図である。
【図6】本発明の実施の形態における要部の信号を示す
波形図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるアクセス装置側の
受信データ復調回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の実施の形態における要部の信号を示す
波形図である。
【図9】本発明の別の実施の形態におけるデータキャリ
ア側の受信データ復調回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電力受信用アンテナ 2 整流回路 5 受信データ復調回路 6 データ復調用信号形成回路 7 位相判定用信号形成回路 8 乗算回路 9 フィルター回路 10 位相判定回路 11 位相検波回路 15 データ通信用搬送波形成回路 16 送信変調回路 18 データ送・受信用アンテナ 22 位相検波回路 55 電力供給用アンテナ 56 受信データ復調回路 57 データ復調用信号形成回路 58 位相判定用信号形成回路 59 乗算回路 60 フィルター回路 61 位相判定回路 66 プリアンブル信号形成回路 67 データ通信用搬送波形成回路 68 送信変調回路 70 データ送・受信用アンテナ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数の電力用搬送波を放射する
    ための電力供給用アンテナを含むアクセス装置と、電力
    受信用アンテナを介して受信される前記電力用搬送波を
    整流することにより、動作用電力となる直流電源を生成
    するための整流回路を含むデータキャリアとから成るデ
    ータキャリア・システムにおいて、前記アクセス装置お
    よび前記データキャリアの少なくとも一方をデータ送信
    側とし、その他方をデータ受信側としたときに、前記デ
    ータ送信側は、前記電力用搬送波の周波数信号を1/N
    (Nは整数)分周することによりデータ通信用搬送波の
    周波数信号を形成するデータ通信用搬送波形成手段と、
    データ送信時にシリアル送信データに応じて前記データ
    通信用搬送波を位相変調する送信変調手段と、該位相変
    調されたデータ通信用搬送波を放射するデータ送信用ア
    ンテナとを有するとともに、前記データ受信側は、前記
    データ通信用搬送波を受信するデータ受信用アンテナ
    と、該アンテナを介して受信された前記データ通信用搬
    送波に基づいて受信データを復調する受信データ復調回
    路とを有して成り、該受信データ復調回路は、前記電力
    用搬送波の周波数信号を1/N分周することにより、互
    いに異なる位相を有する複数種類のデータ復調用分周信
    号を実質的に形成するデータ復調用信号形成手段と、前
    記複数種類のデータ復調用分周信号の1つを位相判定用
    対象信号として選択する位相判定用信号選択手段と、前
    記位相判定用対象信号と前記受信したデータ通信用搬送
    波とを実質的にミキシングする乗算回路と、該乗算回路
    の出力からデータ通信速度に対応する周波数帯成分を抽
    出するフィルター回路と、該フィルター回路からの出力
    によって前記位相判定用対象信号の位相の適性を判定
    し、位相不適正と判定したときには前記位相判定用信号
    選択手段に対して、別の位相の前記データ復調用分周信
    号を新たな位相判定用対象信号として選択し直させるた
    めの位相判定用信号切り換え信号を出力する位相判定手
    段と、前記位相判定用対象信号に対して所定の位相関係
    にある前記データ復調用分周信号を位相検波基準信号と
    して、前記受信したデータ通信用搬送波を実質的に位相
    検波することにより、受信データの復調を行なう位相検
    波手段を含んでいることを特徴とするデータキャリア・
    システム。
  2. 【請求項2】 アクセス装置側がデータ送信側、データ
    キャリア側が受信側であり、前記アクセス装置側は、デ
    ータ送信に先立ってビット・データ“0”の区間とビッ
    ト・データ“1”の区間の両方を含む位相選択用プリア
    ンブル信号を送信変調手段に供給するプリアンブル信号
    形成手段を有するとともに、前記データキャリア側の位
    相判定手段は、フィルター回路からの出力を受けるシュ
    ミット・トリガー回路を含み、該シュミット・トリガー
    回路からの出力の論理レベルの反転を検出すると、位相
    判定用信号切り換え信号を形成するように構成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ
    キャリア・システム。
  3. 【請求項3】 データ送信側であるアクセス装置側の送
    信変調手段による変調が、π−BPSK変調であり、か
    つデータ受信側であるデータキャリア側の位相検波手段
    が、Dタイプ・フリップフロップ(D−FF)回路より
    成り、受信したデータ通信用搬送波を前記D−FF回路
    のデータ入力側に入力するとともに、複数種類のデータ
    復調用分周信号のうち、位相判定用対象信号と同じ位相
    の信号を位相検波基準信号として、前記D−FF回路の
    クロック入力側に入力していることを特徴とする特許請
    求の範囲第2項記載のデータキャリア・システム。
  4. 【請求項4】 データ送信側であるアクセス装置側の送
    信変調手段による変調が、π−BPSK変調であり、か
    つデータ受信側であるデータキャリア側の位相検波手段
    は、複数種類のデータ復調用分周信号のうち、位相判定
    用対象信号とπだけ位相が異なる信号を位相検波基準信
    号として、受信されたデータ通信用搬送波とミキシング
    する乗算回路より成ることを特徴とする特許請求の範囲
    第2項記載のデータキャリア・システム。
  5. 【請求項5】 アクセス装置側がデータ受信側、データ
    キャリア側が送信側であり、前記アクセス装置側の位相
    判定手段は、フィルター回路からの出力を受けるコンパ
    レータを含み、該コンパレータからの出力に従って位相
    判定用信号切り換え信号を形成するように構成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ
    キャリア・システム。
  6. 【請求項6】 N=4で、かつデータ復調用信号形成手
    段は、受信された電力用搬送波を、その立ち上がりおよ
    び立ち下がりのそれぞれに同期して分周することによ
    り、π/4ずつ位相のずれた複数種類のデータ復調用分
    周信号を形成する手段を有していることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のデータキャリア・システム。
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