JPH10107438A - 低温焼成セラミック回路基板 - Google Patents

低温焼成セラミック回路基板

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JPH10107438A
JPH10107438A JP25591496A JP25591496A JPH10107438A JP H10107438 A JPH10107438 A JP H10107438A JP 25591496 A JP25591496 A JP 25591496A JP 25591496 A JP25591496 A JP 25591496A JP H10107438 A JPH10107438 A JP H10107438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温焼成セラミック基板の表層に形成した抵
抗体層の抵抗値の経時変化を少なくする。 【解決手段】 抵抗体層26を形成する最上層の低温焼
成セラミックのグリーンシート22に印刷する配線導体
層25の面積Aと最下層のグリーンシート24の裏面に
印刷する配線導体層25の面積Bとの関係をA≧Bとな
るように設定する。印刷工程終了後、各層のグリーンシ
ート22〜24を積層し、これを800〜1000℃で
焼成した後、基板21の上面にRuO2 系の抵抗体層2
8を印刷し、その上にオーバーコート層29を印刷して
焼成した後、抵抗体層28をレーザトリミングして抵抗
値を調整する。基板両面の導体面積A,Bの関係をA≧
Bとすることで、焼成後の抵抗体層28に圧縮力が作用
し、トリミング時に抵抗体層28に生じたマイクロクラ
ックの進行が抑えられ、抵抗体層28の抵抗値の経時変
化が少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温焼成セラミッ
ク基板の表裏いずれか一方の基板面に抵抗体層を有する
低温焼成セラミック回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】800℃〜1000℃で焼成する低温焼
成セラミック基板は、1600℃前後で焼成するアルミ
ナ基板と比較して、誘電率が低く、信号処理の高速化
が可能であると共に、セラミックと同時焼成する配線
導体として導通抵抗の小さいAg系導体、Cu等の低融
点金属を用いることができる等の利点があり、近年益々
需要が増大しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2に示す
ように、低温焼成セラミック基板11の両面に配線導体
層12,13を印刷して焼成した後に、その基板11の
片面に抵抗体層14を印刷し、その上にオーバーコート
層15を印刷して焼成したものがある。この場合、抵抗
体層14を焼成する過程で、低温焼成セラミック基板1
1に含まれるガラスの転移点以上に加熱されている時に
は、低温焼成セラミック基板11が柔らかくなり、その
状態で、基板11の両面の配線導体層12,13が熱膨
張する。この配線導体層12,13に用いられるAg系
導体、Cu等の低融点金属は、熱膨張係数が低温焼成セ
ラミックと比較してかなり大きいため、配線導体層1
2,13の膨張力によって低温焼成セラミック基板11
の両面が引っ張られる。このとき、面積が大きい方の配
線導体層13の膨張力が小さい方の配線導体層12の膨
張力に打ち勝って、図2(b)に示すように、低温焼成
セラミック基板11が反った状態となり、その後の放冷
過程で、ガラス転移点以下に温度低下するに従って、基
板両面の配線導体層12,13が収縮し、面積が大きい
方の配線導体層13の収縮力が勝って、図2(c)に示
すように、低温焼成セラミック基板11の反りが戻され
る。
【0004】一般に、焼成後の抵抗体層14は、抵抗値
がばらついているので、焼成後に抵抗体層14をレーザ
トリミング法等でトリミングして抵抗値を調整するよう
にしているが、トリミング時の熱歪により抵抗体層14
にマイクロクラックが入ることがあり、このマイクロク
ラックが実使用環境下で徐々に進行して抵抗値が経時変
化し、回路の信頼性を低下させる原因となっていた。こ
のマイクロクラックの進行は、抵抗体層14に引張応力
が作用している状態で発生しやすい。従って、マイクロ
クラックの進行を防ぐには、抵抗体層14に圧縮力が加
わるように、低温焼成セラミック基板11の熱膨張係数
>抵抗体層14の熱膨張係数、或は、低温焼成セラミッ
ク基板11の熱膨張係数>オーバーコート層15の熱膨
張係数、という組み合わせで用いる必要がある。
【0005】しかし、上記従来の焼成法では、面積が小
さい方の配線導体層12に形成された抵抗体層14は、
図2(b)に示すように、凹状に反った状態で焼成さ
れ、その後の放冷過程で、図2(c)に示すように、面
積が大きい方の配線導体層13の収縮力によって低温焼
成セラミック基板11の反りが戻されることで、抵抗体
層14に引張力が作用するようになる。この引張力が抵
抗体層14に残留引張応力として常時作用し、トリミン
グ時に生じたマイクロクラックが残留引張応力により進
行して抵抗値が経時変化し、信頼性を低下させる原因と
なっていた。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、低温焼成セラミック
基板の片面に形成した抵抗体層の抵抗値の経時変化を少
なくすることができて、信頼性を向上させることができ
る低温焼成セラミック回路基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の低温焼成セラミック回路基板
は、低温焼成セラミック基板の表裏いずれか一方の基板
面に抵抗体層を有すると共に、該基板の両面に配線導体
層を有したものにおいて、前記抵抗体層が存在する基板
面の配線導体層の面積をA、その反対側の基板面の配線
導体層の面積をBとすると、A≧Bとなるように各基板
面の配線導体層を形成したものである。
【0008】この構成では、抵抗体層焼成時の放冷過程
で発生する基板両面の配線導体層の収縮力の大小関係
は、抵抗体層が存在する基板面の配線導体層の収縮力F
A がその反対側の基板面の配線導体層の収縮力FB と同
一又はそれよりも大きくなり(FA ≧FB )、その結
果、抵抗体層が存在する基板面には圧縮力が作用するよ
うになる。この場合、FA =FB のときでも、配線導体
層の熱膨張係数が低温焼成セラミックと比較して大きい
ため、抵抗体層が存在する基板面には圧縮力が作用す
る。従って、A≧B(つまりFA ≧FB )とすること
で、焼成後の抵抗体層に圧縮力が作用し、抵抗体層のト
リミング時に抵抗体層に生じたマイクロクラックの進行
が抑えられ、抵抗値の経時変化が少なくなる。
【0009】ここで、低温焼成セラミック基板は、請求
項2のように、CaO−Al2 3−SiO2 −B2
3 系又はMgO−Al2 3 −SiO2 −B2 3 系の
ガラス粉末とAl2 3 粉末との混合物より成る低温焼
成セラミック材料により形成することが好ましい。この
ような組成にすると、焼成過程においてアノーサイト若
しくはアノーサイト+ケイ酸カルシウムないしはコージ
ェライトの部分結晶化を起こさせて、酸化雰囲気(空
気)中で800〜1000℃の低温焼成を可能にするだ
けでなく、焼成過程における微細パターンのずれを上述
した部分結晶化により抑えながら、焼成時間の短時間化
が可能となる。
【0010】また、請求項3のように、前記配線導体層
は、Ag、Ag/Pd、Ag/Pt、Cu、Auのいず
れかにより形成すると良い。これらの導体は、焼結温度
がいずれもおよそ1000℃以下であるので、低温焼成
セラミック基板と同時焼成できると共に、抵抗値が小さ
く、電気的特性も良い。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、図1に基づいて本発明を具
体化した低温焼成セラミック回路基板の構成例を説明す
る。低温焼成セラミック基板21は、複数枚の低温焼成
セラミックのグリーンシート22を積層・熱圧着して8
00〜1000℃で焼成したものである。この場合、低
温焼成セラミックのグリーンシート22は、次のような
手順で製造される。まず、CaO:10〜55重量%、
SiO2 :45〜70重量%、Al2 3 :0〜30重
量%、不純物:0〜10重量%及び外掛けでB2 3
5〜20重量%を含む混合物を1450℃で溶融してガ
ラス化した後、水中で急冷し、これを粉砕してCaO−
Al2 3 −SiO2 −B2 3 系ガラス粉末を作製す
る。このガラス粉末50〜65重量%(好ましくは60
重量%)と、不純物が0〜10重量%のアルミナ粉末5
0〜35重量%(好ましくは40重量%)とを混合して
低温焼成セラミック粉末を作製し、この低温焼成セラミ
ック粉末に溶剤(例えばトルエン、キシレン)、バイン
ダー(例えばアクリル樹脂)及び可塑剤(例えばDO
A)を加え、十分に混練してスラリーを作製し、通常の
ドクターブレード法を用いてグリーンシートを作製す
る。
【0012】このグリーンシートを所定寸法に切断し
て、その所定位置にビアホール(図示せず)を打ち抜い
て、各層のグリーンシート22〜24を形成する。そし
て、各層のグリーンシート22〜24のビアホールにA
g系導体ペーストを充填し、これと同じ組成のAg系導
体ペーストを使用して配線導体層25〜27をスクリー
ン印刷する。この際、最下層のグリーンシート24に
は、両面に配線導体層26,27をスクリーン印刷す
る。この例では、配線導体層25〜27を形成する導体
として、Ag、Ag/Pd、Ag/Pt等のAg系導体
を用いているが、Cu、Au等、他の低融点金属を用い
ても良い。
【0013】この印刷工程で、後述する抵抗体層28を
形成する最上層のグリーンシート22に印刷する配線導
体層25の面積Aと、最下層のグリーンシート24の裏
面に印刷する配線導体層27の面積Bとの関係をA≧B
となるように設定する。
【0014】印刷工程終了後、各層のグリーンシート2
2〜24を積層し、これを例えば80〜150℃(好ま
しくは110℃)、50〜250kg/cm2 の条件で
熱圧着して一体化する。そして、この積層体を基板焼成
温度である800〜1000℃(好ましくは900℃)
で、20分ホールドの条件で焼成して低温焼成セラミッ
ク基板21を作る。この際、配線導体層25〜27とし
てCuを用いた場合には、酸化防止のために還元雰囲気
中で焼成する必要があるが、Ag、Ag/Pd、Ag/
Pt、Auを用いた場合には、酸化雰囲気(空気)中で
焼成することが可能である。
【0015】この後、低温焼成セラミック基板21の上
面に、RuO2 系抵抗体ペーストを用いて抵抗体層28
をスクリーン印刷し、その抵抗体層28上に、オーバー
コートペーストを用いてオーバーコート層29をスクリ
ーン印刷する。ここで使用するRuO2 系抵抗体ペース
トは、RuO2 粉末に有機バインダと溶剤を加えて混練
したものであり、オーバーコートペーストは、ガラス粉
末に有機バインダと溶剤を加えて混練したものである。
【0016】次いで、この低温焼成セラミック基板21
を上記基板焼成温度よりも僅かに低い温度(例えば89
0℃)で、10分ホールドの条件で、抵抗体層28とオ
ーバーコート層29を焼成する。この後、抵抗体層28
をレーザトリミング法等でトリミングして抵抗値を調整
すれば、低温焼成セラミック基板21の製造が完了す
る。
【0017】
【実施例】本発明者は、トリミング後の抵抗体層28の
抵抗値の経時変化と低温焼成セラミック基板21両面の
配線導体層25,27の導体面積比(A:B)との関係
を考察する温度サイクル試験を行ったので、その試験結
果を次の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】この表1の実施例1〜3及び比較例1〜3
は、導体面積比A:Bが異なるのみで、焼成方法は、い
ずれも上述した焼成方法で焼成したものである。温度サ
イクル試験の条件は、−55℃〜25℃〜150℃の温
度サイクルを1000サイクル繰り返し、各例について
各々500サンプルの抵抗変化率の平均値と最大値を測
定した。サンプルのサイズは、グリーンシートが100
mm×100mm、抵抗体層が2mm×1mm、抵抗体
層を印刷する基板面の配線導体層の面積(以下単に「導
体面積」という)Aが30mm2 である。
【0020】実施例1〜3は、抵抗体層が存在する基板
面の配線導体層の面積Aがその反対側の基板面の導体面
積Bと同一又はそれより大きく(A≧B)、一方、比較
例1〜3は、いずれもA<Bである。
【0021】実施例1〜3(A≧B)は、トリミング後
の抵抗体層の抵抗値変化率が平均値で0.15%以下
で、最大値でも0.31%以下であり、抵抗値変化率が
小さく、安定した抵抗特性が得られる。
【0022】これに対し、比較例1〜3(A<B)で
は、いずれも、トリミング後の抵抗体層の抵抗値変化率
が平均値で0.32%以上で、最大値では1.41%以
上にもなり、抵抗値変化率が大きく、安定した抵抗特性
が得られない。
【0023】次に、導体面積比(A:B)が抵抗体層の
抵抗値変化率を変化させる理由について考察する。ま
ず、低温焼成セラミック基板、配線導体層(Ag使
用)、抵抗体層、オーバーコート層の各々について熱膨
張係数とガラス転移点を下記の表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】この表2から明らかなように、低温焼成セ
ラミック基板、抵抗体層、オーバーコート層は、ガラス
転移点がほぼ等しく、熱膨張係数の差が小さいため、焼
成時の熱膨張・収縮の挙動は類似したものになる。これ
に対し、配線導体層の熱膨張係数は低温焼成セラミック
基板等と比較してかなり大きいため、熱膨張・収縮の挙
動が低温焼成セラミック基板等とは異なってくる。
【0026】これを具体的に説明すると、低温焼成セラ
ミック基板の焼成後に抵抗体層を焼成する過程で、ガラ
ス転移点以上に加熱されている時には、低温焼成セラミ
ック基板が柔らかくなり、その状態で、基板の両面の配
線導体層が熱膨張するため、この配線導体層の膨張力に
よって低温焼成セラミック基板の両面が引っ張られる。
このとき、面積が大きい方の配線導体層の膨張力が小さ
い方の配線導体層の膨張力に打ち勝って、図2(b)に
示すように、低温焼成セラミック基板が反った状態とな
る。
【0027】従って、比較例1〜3のように、抵抗体層
が無い基板下面の導体面積Bの方が大きい場合には、オ
ーバーコート層の熱膨張係数がセラミック基板の熱膨張
係数より小さいために抵抗体層に圧縮力が作用し、抵抗
体層が圧縮されるように凹状に反り、反対に、実施例
2,3のように、抵抗体層が存在する基板上面の導体面
積Aの方が大きい場合には、抵抗体層が引き伸ばされる
ように凸状に反る。また、実施例1のように、基板両面
の導体面積A,Bが同一の場合には、基板両面の配線導
体層の膨張力が均衡して低温焼成セラミック基板は反ら
ない。
【0028】その後の放冷過程で、ガラス転移点以下に
温度低下するに従って、基板両面の配線導体層が収縮
し、面積が大きい方の配線導体層の収縮力が勝って、図
2(c)に示すように、低温焼成セラミック基板の反り
が戻される。
【0029】以上のことから、比較例1〜3では、抵抗
体層が凹状に反った状態で焼成され、その後の放冷過程
で、低温焼成セラミック基板の反りが戻されることで、
抵抗体層に引張力が発生し、この引張力が抵抗体層に残
留応力として常時作用し、トリミング時に抵抗体層に生
じたマイクロクラックが残留引張応力により進行して抵
抗値が経時変化する。一般的に、抵抗体層が存在する基
板上面の導体面積Aに対して、基板下面の導体面積Bが
相対的に大きくなるほど、抵抗体層に作用する残留引張
応力が大きくなり、温度サイクル試験による抵抗体層の
抵抗値変化率が大きくなる傾向を示す。
【0030】これに対し、実施例2,3では、抵抗体層
が凸状に反った状態で焼成され、その後の放冷過程で、
低温焼成セラミック基板の反りが戻されることで、抵抗
体層に圧縮力が発生するため、この圧縮力が抵抗体層に
残留応力として常時作用し、トリミング時に抵抗体層に
生じたマイクロクラックの進行が残留圧縮応力により抑
えられ、抵抗値の経時変化が少なくなる。一般的に、抵
抗体層が無い基板下面の導体面積Bに対して、基板上面
の導体面積Aが相対的に大きくなるほど、抵抗体層に作
用する残留圧縮応力が大きくなり、温度サイクル試験に
よる抵抗体層の抵抗値変化率が小さくなる傾向を示す。
【0031】また、実施例1では、基板両面の導体面積
A,Bが同一であるため、抵抗体層が反らずに焼成さ
れ、その後の放冷過程で、基板両面の配線導体層の収縮
により基板両面に圧縮力が均等に作用する。この場合で
も、抵抗体層に圧縮力が作用し、抵抗体層のトリミング
時に抵抗体層に生じたマイクロクラックの進行が抑えら
れ、抵抗値の経時変化が少なくなる。
【0032】尚、低温焼成セラミック基板と同時焼成す
る内層の配線導体層は、周囲をセラミックで囲まれてい
るため、その熱膨張・収縮が基板に与える影響は基板両
面の配線導体層と比較して遥かに小さく、無視しても良
い。
【0033】上記実施形態では、低温焼成セラミック基
板材料として、CaO−Al2 3−SiO2 −B2
3 系ガラス粉末とアルミナ粉末との混合物を用いている
が、これに代えて、MgO−Al2 3 −SiO2 −B
2 3 系ガラス粉末とアルミナ粉末との混合物を用いて
も良い。これらいずれの場合でも、焼成過程においてア
ノーサイト若しくはアノーサイト+ケイ酸カルシウムの
部分結晶化を起こさせて、酸化雰囲気(空気)中で80
0〜1000℃の低温焼成を可能にするだけでなく、焼
成過程における微細パターンのずれを上述した部分結晶
化により抑えることができて、ファインパターンの形成
が容易である。
【0034】この他、低温焼成セラミック基板材料とし
ては、SiO2 −B2 3 系ガラスとAl2 3 系、P
bO−SiO2 −B2 3 系ガラスとAl2 3 系、コ
ージェライト系結晶化ガラス等を用いても良い。
【0035】尚、上述した本発明の実施形態では、全て
の配線導体層の形成をグリーンシート積層体と同時焼成
する例について説明したが、最上層及び/又は最下層の
配線導体層の形成のみは、内層の配線導体層を含むグリ
ーンシート積層体を焼成した後に、スクリーン印刷、焼
成しても良い。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1によれば、基板両面の導体面積の大小関係
を、抵抗体層が存在する基板面の導体面積Aがその反対
側の基板面の導体面積Bと同一又はそれよりも大きくな
るように設定したので、トリミング後の抵抗体層に残留
圧縮応力を常時作用させることができて、トリミング時
に抵抗体層に生じたマイクロクラックの進行を抑えるこ
とができ、抵抗体層の抵抗値の経時変化を少なくするこ
とができ、信頼性を向上させることができる。
【0037】更に、請求項2では、CaO−Al2 3
−SiO2 −B2 3 系又はMgO−Al2 3 −Si
2 −B2 3 系のガラス粉末とAl2 3 粉末との混
合物より成る低温焼成セラミック材料により低温焼成セ
ラミック基板を形成したので、低温焼成セラミック基板
を低誘電率化でき、デジタル信号処理の高速化を実現す
ることができる。
【0038】また、請求項3では、配線導体層は、A
g、Ag/Pd、Ag/Pt、Cu、Auのいずれかに
より形成したので、低抵抗配線化を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における低温焼成セラミッ
ク回路基板の製造工程を説明する工程図
【図2】従来の低温焼成セラミック回路基板の製造工程
を説明する工程図
【符号の説明】
21…低温焼成セラミック基板、22〜24…グリーン
シート、25〜27…配線導体層、28…抵抗体層、2
9…オーバーコート層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 800〜1000℃で焼成された低温焼
    成セラミック基板の表裏いずれか一方の基板面に抵抗体
    層を有すると共に、該基板の両面に配線導体層を有する
    低温焼成セラミック回路基板において、 前記抵抗体層が存在する基板面の配線導体層の面積を
    A、その反対側の基板面の配線導体層の面積をBとする
    と、A≧Bとなるように各基板面の配線導体層を形成し
    たことを特徴とする低温焼成セラミック回路基板。
  2. 【請求項2】 前記低温焼成セラミック基板は、CaO
    −Al2 3 −SiO2 −B2 3 系又はMgO−Al
    2 3 −SiO2 −B2 3 系のガラス粉末とAl2
    3 粉末との混合物より成る低温焼成セラミック材料によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1に記載の低
    温焼成セラミック回路基板。
  3. 【請求項3】 前記配線導体層は、Ag、Ag/Pd、
    Ag/Pt、Cu、Auのいずれかにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温焼成セ
    ラミック回路基板。
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