JPH10106597A - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

固体電解質型燃料電池

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JPH10106597A
JPH10106597A JP8274097A JP27409796A JPH10106597A JP H10106597 A JPH10106597 A JP H10106597A JP 8274097 A JP8274097 A JP 8274097A JP 27409796 A JP27409796 A JP 27409796A JP H10106597 A JPH10106597 A JP H10106597A
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JP
Japan
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cell
gas
fuel cell
solid oxide
oxide fuel
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JP8274097A
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English (en)
Inventor
Shunji Takenoiri
俊司 竹野入
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】セルからのガス漏洩が効果的に防止され、効率
の低下やガスクロスを生じることなく長期にわたり安定
して運転できるものとする。 【解決手段】耐熱金属のHA230からなる多孔質の基
板に燃料ガス入口マニホールド7,酸化剤ガス入口マニ
ホールド8,燃料ガス出口マニホールド9,酸化剤ガス
出口マニホールド10の穴加工を行ってセル基板5を形
成し、その外側面、ならびに酸化剤ガス入口マニホール
ド8および酸化剤ガス出口マニホールド10の内部に位
置する表面に、プラズマ溶射法によってHA230を溶
射してガスシール層5a,5b,5cを形成する。次い
でアノード4、電解質層2、カソード3を順次形成し
て、セルを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体電解質を用
い電気化学反応によってそのギブスの自由エネルギーを
電気エネルギーに変換する固体電解質型燃料電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イットリア安定化ジルコニア(YSZ)
等の酸化物固体電解質を用いる燃料電池は、作動温度が
800〜1000℃という高温であるため発電効率が高く、ま
た燃料ガスの改質の簡素化が期待されるという利点を有
する。さらに、電解質が固体であるため取扱いが容易
で、かつ長期的安定性に優れるという利点も有すること
から、次世代の燃料電池として期待され、官民を問わず
様々な機関においてその開発が進められている。
【0003】図6は、支持膜方式の固体電解質型燃料電
池(Solid Oxide Fuel Cell ,以下SOFCと略記す
る)の基本構成を示す模式断面図である。SOFCは、
本図のように、電解質層2の両面にアノード1(本図の
場合はセル基板を兼ねる)とカソード3を配して構成さ
れ、 800〜1000℃の温度において、アノード1側に水素
あるいは改質ガスを、カソード3側に酸素または空気を
供給することにより電気エネルギーを得るものである。
【0004】SOFCは、円筒型と平板型とに大別さ
れ、平板型はさらにセルの構造上大きく2種類に分類さ
れる。一つは、焼結法等により作製した自立した電解質
の両側にアノードとカソードとを作製してセルを構成す
る自立膜方式のSOFCであり、もう一つは、基板上に
アノード、電解質層、カソードを形成することによりセ
ルを構成する支持膜方式のSOFCである。なお、例え
ば図6の構成のように、アノードあるいはカソードが基
板を兼ねる場合には、別途基板を備える必要はない。円
筒型のSOFCは、ガスシールを特に必要とせず、スタ
ック化が比較的容易なため開発が進んでいるが、平板型
と比較して電池の単位体積当たりの出力密度が低くなる
という点が指摘されている。これに対して平板型支持膜
方式のSOFCは、出力密度が高く、かつセルの大面積
化が可能なものとして期待されている。
【0005】図7は、従来の平板型支持膜方式のSOF
Cのスタックの基本構成例を示す分解斜視図である。図
に見られるように、本構成のSOFCにおいては、多孔
質の平板状のセル基板5の上に、アノード4、電解質層
2を形成し、さらにその上部の中心部にカソード3を形
成してセルが構成されている。さらに、このように構成
されたセルを、ガラス材よりなるシール部材12A,1
2Bを介在させて、ガス不透過性材料よりなるセパレー
タ6と順次積層することによりスタックが構成されてい
る。セルのカソード3の外側に位置する外縁部には、積
層方向に貫通する4個のマニホールド、すなわち、燃料
ガス入口マニホールド7、酸化剤ガス入口マニホールド
8、燃料ガス出口マニホールド9、および酸化剤ガス出
口マニホールド10が備えられている。セパレータ6に
は、上記のマニホールドに連通する4個のマニホールド
のほか、セル基板5を介してアノード4に面する一方の
主面に、燃料ガス入口マニホールド7から燃料ガス出口
マニホールド9へと連通する複数の燃料ガス通流溝11
が、また、カソード3に面するもう一方の主面に、酸化
剤ガス入口マニホールド8から酸化剤ガス出口マニホー
ルド10へと連通する図示しない複数の酸化剤ガス通流
溝が形成されている。したがって、燃料ガス入口マニホ
ールド7に燃料ガスとして水素あるいは改質ガスを供給
し、酸化剤ガス入口マニホールド8に酸化剤ガスとして
酸素あるいは空気を供給すると、水素あるいは改質ガス
は多孔質のセル基板5を拡散してアノードへ、また酸素
あるいは空気はカソード3へと達し、電気化学反応を生
じて電気エネルギーが得られることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき構成の平
板型支持膜方式のSOFCにおいては、セルを多孔質の
セル基板5により支持する構成であるため、セル基板5
の内部を拡散する水素あるいは改質ガスが外部へ漏洩す
ることにより生じる効率の低下を防止し、また、酸化剤
ガス入口マニホールド8や酸化剤ガス出口マニホールド
10へ酸素あるいは空気が漏洩して直接反応が生じるの
を防止するために、セル基板5の外側面、ならびに酸化
剤ガス入口マニホールド8および酸化剤ガス出口マニホ
ールド10の内部に位置するセル基板5の表面を気密に
形成することが必要である。
【0007】このため、従来の平板型支持膜方式のSO
FCにおいては、上記の部位にガラスペーストを塗布し
て気密を保持する方式が採られている。しかしながら本
方式においては、ガラスペーストの塗布作業が手作業で
行われることとなるため、シール部の均一性や信頼性に
欠けるという難点があり、またシール部の形成面が積層
方向に広がっているので、燃料電池の運転温度で軟化し
たガラスが重力により流れ落ちてしまう等の問題点があ
った。
【0008】また、セルとセパレータ6との間を気密に
保持して燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスリークおよび
外部への漏洩を防止するために、ガラス材よりなるシー
ル部材12A,12Bが用いられているが、板状のガラ
ス材を用いる場合にはスタック積層時に破損する可能性
があり、またペースト状のガラス材を用いる場合には手
作業で行う必要があるので均一性よく形成することが極
めて困難であるという問題点がある。
【0009】この発明の目的は、上記のごとき従来技術
の難点を解消し、多孔質のセル基板を支持体として用い
る平板型支持膜方式にあっても、セル基板からのガス漏
洩、さらにはセル基板とセパレータとの間のガス漏洩が
効果的に防止され、ガスクロスがなく、かつ効率が低下
することなく長期にわたり安定して運転できる固体電解
質型燃料電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、 (1)多孔質金属あるいは多孔質セラミックスからなる
平板状のセル基板の上にアノード層、固体電解質層、お
よびカソード層を積層し、酸化剤ガスを供給するマニホ
ールドおよび酸化剤ガスを排出するマニホールドを積層
方向に貫通して備えるセルを用いて構成される固体電解
質型燃料電池において、セル基板の外側面の表面、なら
びに酸化剤ガスを供給するマニホールドおよび酸化剤ガ
スを排出するマニホールドの内部に位置するセル基板の
表面に、溶射法を用いて形成されたガスシール層、例え
ば、耐熱金属を溶射することにより形成されたガスシー
ル層、あるいはセラミックスを溶射することにより形成
されたガスシール層、あるいは固体電解質型燃料電池の
運転温度より高い温度で溶融する自溶性合金を溶射し、
溶融して緻密化することにより形成されたガスシール層
を備えることとする。
【0011】(2)また、多孔質金属あるいは多孔質セ
ラミックスからなる平板状のセル基板の上にアノード
層、固体電解質層、およびカソード層を積層してなるセ
ルを、ガス不透過性材料よりなるセパレータを介して積
層して構成される固体電解質型燃料電池において、セパ
レータに面するセルの表面、あるいはセルに面するセパ
レータの表面に、固体電解質型燃料電池の運転温度より
低い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射した
のち運転とともに溶融させ緻密化させたガスシール部
材、あるいは、固体電解質型燃料電池の運転温度より高
い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射したの
ち温度を上げて溶融させ緻密化させたガスシール部材を
備えることとする。
【0012】上記の(1)のごとく、セル基板の外側面
の表面、ならびに酸化剤ガスを供給するマニホールドお
よび酸化剤ガスを排出するマニホールドの内部に位置す
るセル基板の表面に、耐熱金属あるいはセラミックスを
溶射してガスシール層を形成すれば、信頼性の高い緻密
なガスシール層が均一性良く得られる。また、固体電解
質型燃料電池の運転温度より高い温度で溶融する自溶性
合金を溶射し、溶融して緻密化することによりガスシー
ル層を形成すれば、より緻密で、セル基板との付着力が
強固なガスシール層が得られ、燃料電池の昇温中、降温
中、運転中のいずれにおいても割れや剥離を起こすこと
のない、より信頼性の高いガスシール層が得られること
となる。また、形成されたガスシール層は、従来のガラ
ス材のように軟化して流れることがないため、シール部
が積層方向、すなわち重力方向に面していても流れ落ち
てしまう危険性はない。したがって、このようなガスシ
ール層を用いれば、セル基板を支持体として用いる平板
型支持膜方式にあっても、多孔質のセル基板を流れる燃
料ガスの外側面からの漏洩、ならびに酸化剤ガスが通流
するマニホールドへの漏洩が効果的に防止されることと
なる。
【0013】また(2)のごとく、セパレータに面する
セルの表面、あるいはセルに面するセパレータの表面
に、運転温度より低い温度で溶融する自溶性合金からな
り、かつ溶射したのち運転とともに溶融させ緻密化させ
たガスシール部材を備えることとすれば、運転温度にお
いて粘度の高い流体となってガスを効果的にシールする
ので、セルとセパレータの間のクリアランスの精密な調
整を行わずとも、容易にガスシールを行うことができ
る。また、固体電解質型燃料電池の運転温度より高い温
度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射したのち温
度を上げて溶融させ緻密化させたガスシール部材を備え
ることとすれば、ガスシール部材とセルあるいはセパレ
ータとの付着力が高くなり、信頼性の高いシール部材と
なる。したがって、このようなシール部材を用いれば、
セル基板とセパレータとの間のガス漏洩が効果的に防止
されることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固体電解質型燃料
電池の実施の形態を例を挙げて説明する。 <第1実施例>図1は、本発明の固体電解質型燃料電池
の第1実施例におけるセルの基本構成を示す斜視図であ
る。図において、5は、Ni−Cr系耐熱合金であるHA2
30を用いて形成された多孔質のセル基板、4は、セル
基板5の上にプラズマ溶射法により作製された NiO−Y
SZからなるアノード、2は、さらにその上に同じくプ
ラズマ溶射法により作製されたYSZからなる電解質
層、3は電解質層2の上にフレーム溶射法により作製さ
れたカソードである。また、5aは、セル基板5の外側
面の表面に溶射により形成されたHA230からなるガ
スシール層、5b、5cは、それぞれ酸化剤ガス入口マ
ニホールド8、酸化剤ガス出口マニホールド10の内部
に位置するセル基板5の表面に溶射により形成されたH
A230からなるガスシール層である。
【0015】これらのうちセル基板5は、HA230粉
末を成形し、真空焼結することによって厚さ約 2.5 mm
の多孔質の金属板を作製し、次いで放電加工等の方法を
用いて、燃料ガス入口マニホールド7、酸化剤ガス入口
マニホールド8、燃料ガス出口マニホールド9、酸化剤
ガス出口マニホールド10の穴明け加工を行って形成さ
れている。また、ガスシール層5a、5b、5cは、上
記のごとく形成されたセル基板5の所定箇所に、プラズ
マ溶射法により表1のごとき溶射条件によってHA23
0を溶射して形成されたものである。
【0016】
【表1】 図2は、多孔質のHA230基板の側面にHA230を
溶射した試料の断面の金属組織のSEM写真である。図
に見られるように、多孔質のセル基板(A)の部分には
空隙が認められるのに対して、ガスシール層(B)は比
較的緻密に形成されている。ガスシール層(B)のガス
透過係数の測定値は表1の最下欄に示したごとくであ
り、図2のごとく、約 200μm の厚さのガスシール層を
形成することによって十分なガス透過阻止性能が得られ
ることが明らかとなった。
【0017】したがって図1に示した構成においては、
HA230からなるガスシール層5aによって、セル基
板5の外側面からの燃料ガスの漏洩が防止され、効率の
低下が抑えられる。また、同じくHA230から形成さ
れたガスシール層5b,5cによって、酸化剤ガス入口
マニホールド8と酸化剤ガス出口マニホールド10への
燃料ガスの漏洩が防止され、酸化剤ガスとの直接反応が
回避されるので安定して運転できることとなる。
【0018】なお、本実施例においてはガスシール層5
a,5b,5cをセル基板5と同一のHA230を用い
て形成しているが、HA230に限らず、例えばHA2
30とほぼ同等の熱膨張係数を有する耐熱合金のSUS
430等を用い、これを溶射して形成することとしても
同様のガス透過阻止性能が得られることは形成工程から
みて容易に理解される。
【0019】<第2実施例>図3は、本発明の固体電解
質型燃料電池の第2実施例におけるセルの基本構成を示
す斜視図である。図1に示した第1実施例との差異は、
セル基板5Aが NiO−YSZ焼結体を用いて形成された
多孔質のセラミックスからなり、その外側面、および酸
化剤ガス入口マニホールド8と酸化剤ガス出口マニホー
ルド10の内部に位置する面に形成されたガスシール層
5d,5e,5fがセラミックスのYSZを溶射して形
成されている点にある。すなわち、本構成では、NiO と
YSZの粉末およびバインダーを混合、乾燥し、プレス
を用いてグリーン体を形成し、さらにこのグリーン体を
大気中で焼結することにより厚さ約4mmの多孔質のセラ
ミックス板を作製したのち、機械加工により燃料ガス入
口マニホールド7、酸化剤ガス入口マニホールド8、燃
料ガス出口マニホールド9、酸化剤ガス出口マニホール
ド10の穴明け加工を行うことによりセル基板5を形成
している。また、ガスシール層5d,5e,5fは、高
温酸化、還元雰囲気で安定なYSZをプラズマ溶射法に
よって溶射することによって形成されている。表2は、
このときの溶射条件、ならびに得られたガスシール層の
ガス透過係数の実測値を示したものである。
【0020】
【表2】 得られたガス透過係数の値から判るように、ガスシール
層5d,5e,5fは比較的緻密に形成されており、 2
00μm の厚さで十分なガス透過阻止性能が得られる。し
たがって、本実施例の構成においても、第1実施例の場
合と同様に、セル基板5の外側面からの燃料ガスの漏
洩、ならびに酸化剤ガス入口マニホールド8と酸化剤ガ
ス出口マニホールド10への燃料ガスの漏洩が防止さ
れ、効率良く、かつ安定して運転できることとなる。
【0021】なお、本実施例ではYSZを用いてガスシ
ール層5d,5e,5fを形成しているが、YSZに替
えて Al2O3を用いることとし、これを溶射してガスシー
ル層5d,5e,5fを形成することとしても同等の効
果が得られることは、その特性から容易に理解される。 <第3実施例>図4は、本発明の固体電解質型燃料電池
の第3実施例におけるセルの基本構成を示す斜視図であ
る。本実施例の特徴は、第1実施例と同様にNi−Cr系耐
熱合金であるHA230で形成されたセル基板5の外側
面、および酸化剤ガス入口マニホールド8と酸化剤ガス
出口マニホールド10の内部に位置する面に形成された
ガスシール層5g,5h,5iが、HA230と同等の
熱膨張係数をもつ W,B,Si添加CoCrベース自溶性合金よ
り形成されている点にある。すなわち、本構成のガスシ
ール層5g,5h,5iは、第1実施例と同様の方法で
形成したセル基板5の所定箇所に W,B,Si添加CoCrベー
ス自溶性合金を溶射して空孔を塞ぎ、そののち、fusing
(C2H2/O2 を用いた燃焼炎により自溶性合金を溶融させ
ること)を行って溶射した層を溶融・再凝固させて形成
されており、バルク材と同等の緻密性をもち、かつセル
基板5との密着性に優れたシール層が形成されている。
【0022】図5は、上記のごとく多孔質のHA230
基板の側面に W,B,Si添加CoCrベース自溶性合金を溶射
し、fusingを行った試料のセル基板と自溶性合金からな
るガスシール層の界面の金属組織のSEM写真である。
この写真より、形成されたガスシール層(D)は金属の
バルク材と同様であり、セル基板(C)とガスシール層
(D)の界面(E)は合金化して強固に接着しているこ
とが判る。なお、 W,B,Si添加CoCrベース自溶性合金の
融点は 1150 ℃であり、一般的に用いられているSOF
Cの運転温度(1000℃)において、形成されたガスシー
ル層が溶融することはない。
【0023】<第4実施例>本実施例は、セルとセパレ
ータとを交互に積層してスタックを形成する際、セルと
セパレータとの積層面の気密を保持するガスシール部材
の構成例を示すもので、従来の構成例では図7に示した
ごとくガラス材よりなるシール部材12を介装して積層
面の気密を保持していたのに対して、本実施例のSOF
Cでは、セルならびにセパレータの表面に自溶性合金を
用いたガスシール部材を形成し、気密を保持することが
特徴である。
【0024】すなわち、本実施例においては、 1)まず、第1実施例のごとく、多孔質基板に穴加工を
施してセル基板を形成し、外側面ならびに酸化剤ガス入
口、出口に位置する面に耐熱合金を溶射してガスシール
層を形成し、その後アノード、電解質層、カソードを順
次積層してセルを形成する。
【0025】2)次いで、セルのカソード側の面に、図
7に示したシール部材12Aと同様の形状に、SOFC
の運転温度より低い温度で溶融する自溶性合金、例えば
運転温度が1000℃のSOFCにおいては、融点が 966℃
の Fe,Si, B 添加 NiCr ベース自溶性合金を溶射し、カ
ソード側のガスシール部材を形成する。 3)また、形成したセルのセル基板に面するセパレータ
の表面に、2)と同様に、図7に示したシール部材12
Bと同様の形状に、SOFCの運転温度より低い温度で
溶融する自溶性合金、例えば運転温度が1000℃のSOF
Cにおいては、融点が 966℃の Fe,Si, B 添加 NiCr ベ
ース自溶性合金を溶射し、アノード側のガスシール部材
を形成する。
【0026】4)次いで、上記のごとく形成したセルお
よびセパレータを交互に積層してスタックを構成し、運
転温度まで昇温する。このとき、セルおよびセパレータ
に溶射された自溶性合金よりなるガスシール部材は、溶
融して粘性の高い液体となってセルとセパレータとの間
のギャップに滞留する。 したがって、本構成によれば、スタックのセルとセパレ
ータとの積層面の気密が的確に保持されるので、効率が
低下することなく安定して運転できることとなる。
【0027】<第5実施例>本実施例は、セルとセパレ
ータとを交互に積層してスタックを形成する際、セルと
セパレータとの積層面の気密を保持するガスシール部材
の他の構成例を示すもので、第4実施例ではSOFCの
運転温度より低い温度で溶融する自溶性合金を溶射して
ガスシール部材を構成していたのに対して、本実施例で
はSOFCの運転温度より高い温度で溶融する自溶性合
金を溶射してガスシール部材を構成する点が特徴であ
る。
【0028】すなわち、本実施例においては、 (1)第4実施例の場合と同様にセルを形成する。 (2)次いで、形成したセルのカソード側の面に、図7
に示したシール部材12Aと同様の形状に、SOFCの
運転温度より高い温度で溶融する自溶性合金、例えば運
転温度が1000℃のSOFCにおいては、 W,B,Si 添加 C
oCr ベース合金や、 W,Fe 添加 CoCr ベース合金等の自
溶性合金を溶射してカソード側のガスシール部材を形成
する。
【0029】(3)また、セル基板に面するセパレータ
の表面に、SOFCの運転温度より高い温度で溶融する
同様の自溶性合金を溶射してアノード側のガスシール部
材を形成する。 (4)次いで、形成したセルおよびセパレータを交互に
積層してスタックを構成し、溶射した自溶性合金の溶融
温度、例えば W,B,Si 添加 CoCr ベース合金においては
1150℃に昇温する。このとき、溶射された自溶性合金よ
りなるガスシール部材は、溶融して緻密化される。次い
でSOFCの運転温度まで降温すると、ガスシール部材
は固体金属となってセルとセパレータとの間のギャップ
を埋めることとなる。
【0030】したがって、本構成においても、スタック
のセルとセパレータとの積層面の気密が的確に保持され
るので、効率が低下することなく安定して運転できるこ
ととなる。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、 (1)多孔質金属あるいは多孔質セラミックスからなる
平板状のセル基板の上にアノード層、固体電解質層、お
よびカソード層を積層し、酸化剤ガスを供給するマニホ
ールドおよび酸化剤ガスを排出するマニホールドを積層
方向に貫通して備えるセルを用いて構成される固体電解
質型燃料電池において、セル基板の外側面の表面、なら
びに酸化剤ガスを供給するマニホールドおよび酸化剤ガ
スを排出するマニホールドの内部に位置するセル基板の
表面に、溶射法を用いて形成されたガスシール層、例え
ば、耐熱金属を溶射することにより形成されたガスシー
ル層、あるいはセラミックスを溶射することにより形成
されたガスシール層、あるいは固体電解質型燃料電池の
運転温度より高い温度で溶融する自溶性合金を溶射し、
溶融して緻密化することにより形成されたガスシール層
を備えることとしたので、セル基板を通流する燃料ガス
の酸化剤ガスを供給するマニホールドおよび酸化剤ガス
を排出するマニホールドへの漏洩、ならびに外側面への
漏洩が的確に防止されて、ガスクロスがなく、かつ効率
が低下することなく長期間安定して運転できる固体電解
質型燃料電池が得られることとなった。
【0032】(2)また、多孔質金属あるいは多孔質セ
ラミックスからなる平板状のセル基板の上にアノード
層、固体電解質層、およびカソード層を積層してなるセ
ルを、ガス不透過性材料よりなるセパレータを介して積
層して構成される固体電解質型燃料電池において、セパ
レータに面するセルの表面、あるいはセルに面するセパ
レータの表面に、固体電解質型燃料電池の運転温度より
低い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射した
のち運転とともに溶融させ緻密化させたガスシール部
材、あるいは、固体電解質型燃料電池の運転温度より高
い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射したの
ち温度を上げて溶融させ緻密化させたガスシール部材を
備えることとすれば、セル基板とセパレータとの間のガ
ス漏洩が効果的に防止されるので、ガスクロスがなく、
かつ効率が低下することなく長期にわたり安定して運転
できる固体電解質型燃料電池として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池の第1実施例に
おけるセルの基本構成を示す斜視図
【図2】多孔質のHA230基板の側面にHA230を
溶射した試料の断面の金属組織のSEM写真
【図3】本発明の固体電解質型燃料電池の第2実施例に
おけるセルの基本構成を示す斜視図
【図4】本発明の固体電解質型燃料電池の第3実施例に
おけるセルの基本構成を示す斜視図
【図5】HA230基板の側面に W,B,Si添加CoCrベー
ス自溶性合金を溶射し、fusingを行った試料の基板と自
溶性合金層の界面の金属組織のSEM写真
【図6】支持膜方式の固体電解質型燃料電池の基本構成
を示す模式断面図
【図7】従来の平板型支持膜方式の固体電解質型燃料電
池のスタックの基本構成例を示す分解斜視図
【符号の説明】
2 電解質層 3 カソード 4 アノード 5 セル基板(HA230) 5A セル基板( NiO−YSZ) 5a ガスシール層(HA230) 5b,5c ガスシール層(HA230) 5d ガスシール層(YSZ) 5e,5f ガスシール層(YSZ) 5g ガスシール層(W,B,Si添加CoCr) 5h,5i ガスシール層(W,B,Si添加CoCr) 6 セパレータ 7 燃料ガス入口マニホールド 8 酸化剤ガス入口マニホールド 9 燃料ガス出口マニホールド 10 酸化剤ガス出口マニホールド 12A シール部材(カソード側) 12B シール部材(アノード側)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質金属あるいは多孔質セラミックスか
    らなる平板状のセル基板の上にアノード層、固体電解質
    層、およびカソード層を積層し、酸化剤ガスを供給する
    マニホールドおよび酸化剤ガスを排出するマニホールド
    を積層方向に貫通して備えるセルを用いて構成される固
    体電解質型燃料電池において、 セル基板の外側面の表面、ならびに酸化剤ガスを供給す
    るマニホールドおよび酸化剤ガスを排出するマニホール
    ドの内部に位置するセル基板の表面に、溶射法を用いて
    形成されたガスシール層を備えてなることを特徴とする
    固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】前記ガスシール層が、耐熱金属を溶射する
    ことにより形成されてなることを特徴とする請求項1に
    記載の固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】前記ガスシール層が、セラミックスを溶射
    することにより形成されてなることを特徴とする請求項
    1に記載の固体電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】前記ガスシール層が、固体電解質型燃料電
    池の運転温度より高い温度で溶融する自溶性合金を溶射
    し、溶融して緻密化することにより形成されてなること
    を特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】多孔質金属あるいは多孔質セラミックスか
    らなる平板状のセル基板の上にアノード層、固体電解質
    層ならびにカソード層を積層してなるセルを、ガス不透
    過性材料よりなるセパレータを介して積層して構成され
    る固体電解質型燃料電池において、 セパレータに面するセルの表面、あるいはセルに面する
    セパレータの表面に、固体電解質型燃料電池の運転温度
    より低い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射
    したのち運転とともに溶融させ緻密化させたガスシール
    部材を備えてなることを特徴とする固体電解質型燃料電
    池。
  6. 【請求項6】多孔質金属あるいは多孔質セラミックスか
    らなる平板状のセル基板の上にアノード層、固体電解質
    層ならびにカソード層を積層してなるセルを、ガス不透
    過性材料よりなるセパレータを介して積層して構成され
    る固体電解質型燃料電池において、 セパレータに面するセルの表面、あるいはセルに面する
    セパレータの表面に、固体電解質型燃料電池の運転温度
    より高い温度で溶融する自溶性合金からなり、かつ溶射
    したのち温度を上げて溶融させ緻密化させたガスシール
    部材を備えてなることを特徴とする固体電解質型燃料電
    池。
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