JPH10105554A - 機械翻訳システム - Google Patents

機械翻訳システム

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JPH10105554A
JPH10105554A JP8252848A JP25284896A JPH10105554A JP H10105554 A JPH10105554 A JP H10105554A JP 8252848 A JP8252848 A JP 8252848A JP 25284896 A JP25284896 A JP 25284896A JP H10105554 A JPH10105554 A JP H10105554A
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preposition
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JP8252848A
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Tadayuki Tsunashima
督之 綱島
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前置詞を含む原言語文に対して、利用者が所
望する訳し分けを行なうことができるようにする。 【解決手段】 前置詞を含むことがある原言語文を目的
言語文に翻訳する機械翻訳システムに関する。任意の前
置詞の見出しに対してその前置詞の目的語、前置詞句の
機能を指定し、これに対応する訳語を1又は複数組登録
している前置詞情報記憶手段と、この前置詞情報記憶手
段に利用者から指示された情報を登録させる前置詞情報
登録手段とを有する。また、前置詞情報記憶手段に登録
されている前置詞見出し、目的語及び前置詞句機能に合
致する原言語文中の前置詞を検索し、その前置詞の訳語
を、前置詞情報記憶手段に登録されている訳語にするよ
うに、前置詞情報記憶手段に登録されている情報を翻訳
処理に反映させる前置詞情報処理手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前置詞を含む原言
語文を翻訳する機械翻訳システムに関し、例えば、入力
された英文を適切な日本文に自動的に翻訳して出力する
英日機械翻訳システムに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、一つの単語が複数の意味をもっ
ていたり、同じ意味を表す他の言語における単語が複数
存在することが普通である。人間(翻訳者)が翻訳する
場合には、前後の状況(文脈)や文章の種類等によっ
て、複数の意味や訳語の中から最適なものを選択する訳
し分けを行なっている。
【0003】これに対して、機械翻訳システムにおいて
は、「状況による訳し分け」ということは十分に行なえ
る状況になく、利用者の指示を受けることにより、足り
ない機能を補うようにしている。多くの機械翻訳システ
ムでは、このような利用者による補完機能は、自立語
(名詞、動詞等の独自の意味を持った単語)に対するも
のに限定されていた。
【0004】しかしながら、文章は自立語だけで構成さ
れているのではなく、前置詞、接続詞、助詞等の機能語
と呼ばれる単語を含んで構成されている。従って、自立
語だけに利用者による補完機能を持たせても、訳文の質
が不十分なことも生じる。そのため、機能語について
も、利用者による補完を受けられるようにした機械翻訳
システムも既に提案されている。
【0005】例えば、特開平5−257973号公報に
記載の機械翻訳システムを挙げることができる。この機
械翻訳システムは、前置詞を含む機能語に関して原文を
解析した解析情報並びに機能語の表し得る意味関係及び
訳語のリストを利用者に提示し、利用者の指定により、
その中から機能語の意味関係及び訳語について優先的に
使用すべきものを、原文を解析する処理部及び訳文を生
成する処理部に指令する情報受け入れ部を備え、機能語
についても利用者により指定を行なうことができるよう
にしたものであり、また、利用者からの機能語について
の訳語選択情報を直接翻訳部に働きかけることにより、
利用者の訳語選択指定を訳文に反映させ、以後の翻訳に
おいて、利用者の指示した意味、訳語を優先的に採用さ
せるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、英語等のい
ずれかのヨーロッパ系言語の任意の文章を翻訳していく
際に、任意の前置詞が文章中に複数出現し、それらの前
置詞がそれぞれ単独に見た場合に数種の訳語を有してい
ることが多い。
【0007】上述した従来の機械翻訳システムにおいて
は、利用者が一度指定した機能語についての訳語は以後
の翻訳において優先的に採用されるため、上述のよう
に、最適な訳語が文章の状況によって種々変化する多く
の前置詞を含む場合に、訳語が変化する毎に指定し直す
ことを頻繁に実行しなければならない。すなわち、利用
者の訳語選択指定機能を機能語について設けても、前置
詞の場合、最適訳語がその都度代わるために、訳語の変
更動作を頻繁に実行しなければならず、利用者の翻訳作
業の負担を大きくしていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は、前置詞を含むことがある原言語文を目的
言語文に翻訳する機械翻訳システムにおいて、(1) 任意
の前置詞の見出しに対してその前置詞の目的語、前置詞
句の機能を指定し、これに対応する訳語を1又は複数組
登録している前置詞情報記憶手段と、(2) この前置詞情
報記憶手段に利用者から指示された情報を登録させる前
置詞情報登録手段と、(3) 前置詞情報記憶手段に登録さ
れている前置詞見出し、目的語及び前置詞句機能に合致
する原言語文中の前置詞を検索し、その前置詞の訳語
を、前置詞情報記憶手段に登録されている訳語にするよ
うに、前置詞情報記憶手段に登録されている情報を翻訳
処理に反映させる前置詞情報処理手段とを有することを
特徴とする。
【0009】これにより、前置詞を含む原言語文に対し
て、利用者が所望する訳し分けを行なうことができるよ
うになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明を英日機械翻訳システムに適用した第1の
実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0011】この第1の実施形態の英日機械翻訳システ
ムは、以下のような前置詞の性質に着目してなされたも
のである。
【0012】前置詞は、代名詞、名詞及びこれに準ずる
語を前置詞の目的語として、それと共に形容詞句、副詞
句、名詞句といった前置詞句を構成する語であり、機械
翻訳システムが実用的に用いられることの多い技術マニ
ュアル等の文章においては、前置詞句の目的語及び前置
詞句の機能の用いられ方に偏りを生じており、特定の目
的語及び前置詞句の機能を持つ前置詞表現が多く使われ
ている。そして、この特定の前置詞の目的語及び前置詞
句の機能を持つ前置詞表現は同一の訳語になるものが多
い。
【0013】そこで、前置詞の訳語を指定する際に、前
置詞の目的語及び前置詞句の機能を、複数の中から指定
し訳し分けができるようにすれば、同一の前置詞の目的
語及び前置詞句の機能を持つ前置詞表現は同一の訳語を
持つことが多いので、個々の前置詞の訳語を指定する作
業を軽減でき、全体として利用者による翻訳作業の負担
を軽減させることが可能になる。
【0014】この第1の実施形態の英日機械翻訳システ
ムは、以上のような前置詞の性質に着目し、利用者の負
担を高めることなく、前置詞の訳語として最適な訳語を
得られるように、前置詞の目的語及び前置詞句の機能
を、複数の中から指定できるようにしたものである。
【0015】この第1の実施形態の英日機械翻訳システ
ムは、例えば、入力装置や処理装置や記憶装置(補助記
憶装置を含む)や出力装置を備えたワークステーション
等の情報処理装置上に構築されるが、機能的には図1に
示す構成を有する。
【0016】図1において、この英日機械翻訳システム
は、機能的には、入力部5、形態素解析部6、形態素解
析辞書7、解析部8、解析辞書9、変換部10、変換辞
書11、生成部12、生成辞書13、形態素生成部1
4、形態素生成辞書15及び出力部16から構成されて
いる翻訳部1を備えている。
【0017】また、この第1の実施形態の特徴をなす前
置詞情報表示部2、前置詞情報登録部3及び前置詞情報
処理部4を備えている。
【0018】上述した翻訳部1は、生成部12における
一部機能の追加を除けば従来のものと同様であるが、各
部の機能を簡単に説明すると、以下の通りである。
【0019】入力部5は翻訳対象の英文を読み込むもの
である。形態素解析部6は、読み込まれた英文について
形態素解析辞書7を用いて、単語の分割、及び、分割し
た単語の品詞、用法、訳等の情報を付与する処理を行な
うものである。解析部8は、形態素解析結果に基づい
て、解析辞書9を用いて構文の解析を行なうものであ
る。変換部10は、その解析結果に基づき、変換辞書1
1を用いて英文を日本語に変換するものである。生成部
12は、変換部10による変換結果に基づき、生成辞書
13を用いて、生成すべき日本語の単語、活用形態及び
その語順を決定するものである。なお、生成部12の前
置詞に関する処理については、この第1の実施形態の特
徴の一部を構成するので、後で詳述する。形態素生成部
14は、その生成結果に基づき、形態素生成辞書15を
用いて日本語(目的言語)の自然な文として整えるもの
である。出力部16は、このようにして整えられた日本
語文を出力するものである。
【0020】次に、この第1の実施形態の特徴をなす前
置詞情報表示部2、前置詞情報登録部3及び前置詞情報
処理部4について機能を簡単に説明する。なお、後述す
る動作説明において、これら各部の機能をより明らかに
する。
【0021】前置詞情報表示部2は、利用者による前置
詞の見出しの指定を取込み、その指定された特定前置詞
の見出しを含む英文を検索して表示するものである。ま
た、前置詞情報表示部2は、指定された特定前置詞の見
出しを含む英文と共に、その英文の翻訳結果を検索表示
するものである。上述した2種類の検索表示機能は、翻
訳が実行される前になされるか、翻訳が実行された後で
なされるかの相違がある。
【0022】前置詞情報登録部3は、後述する図4に示
す前置詞登録テーブル301を備え、前置詞情報登録部
3は、利用者とのインタラクティブな情報授受により、
前置詞登録テーブル301に、特定の前置詞について、
前置詞の見出しに対応して、その前置詞の目的語、前置
詞句の機能及び訳語を1組又は2組以上登録させるもの
である。
【0023】ここで、前置詞登録テーブル301中の前
置詞の目的語を指定する前置詞目的語項目の記述は、前
置詞の目的語の種類毎に予め定義された記号を用いるこ
とに定められている。同様に、前置詞登録テーブル30
1の中で前置詞句の機能を指定する前置詞句機能項目の
記述は、前置詞句の機能の種類毎に予め定義された記号
を用いることに定められている。そのため、前置詞情報
登録部3は、後述する図2に示す前置詞目的語テーブル
101と、後述する前置詞句機能テーブル201とを備
えている。
【0024】前置詞情報処理部4は、前置詞登録テーブ
ル301に登録された前置詞情報を翻訳処理に反映させ
る部分である。
【0025】図2は、上述した前置詞登録テーブル30
1への登録に際し、その中の前置詞の目的語を指定する
前置詞目的語項目の記述に使用する前置詞の種類を記号
化したテーブル(以下、前置詞目的語テーブルと呼ぶ)
101を示している。
【0026】この前置詞目的語テーブル101は、前置
詞登録テーブル301に関連して設けられており、上述
したように、前置詞登録テーブル301中の前置詞目的
語項目の記述は、この記号を用いて行なうように定めら
れている。例えば、前置詞情報登録部3が、利用者との
インタラクティブな情報授受を行なって前置詞の目的語
情報を得る場合に、例えば、図2に示すテーブル情報に
おける前置詞の目的語の種類をメニュー表示して、前置
詞の目的語の種類情報を得、それに対応する記号を前置
詞登録テーブル301に登録するようになされている。
【0027】前置詞目的語テーブル101は、記号項目
102にそのシンボルとなる記号が格納され、前置詞の
目的語の種類項目103にその意味(目的語の種類)が
格納されている。例えば、左欄にある“ON”という記
号は、対応する右欄に「名詞、代名詞」と記載されてあ
るように登録する前置詞の目的語が名詞か代名詞である
場合に用いる記号であることを意味している。
【0028】図3は、上述した前置詞登録テーブル30
1への登録に際し、その中の前置詞句の機能を指定する
前置詞句機能項目の記述に使用する前置詞句の機能の種
類を記号化したテーブル(以下、前置詞句機能テーブル
と呼ぶ)201を示している。
【0029】この前置詞句機能テーブル201も、前置
詞登録テーブル301に関連して設けられており、上述
したように、前置詞登録テーブル301中の前置詞句機
能項目の記述は、この記号を用いて行なうように定めら
れている。例えば、前置詞情報登録部3が、利用者との
インタラクティブな情報授受を行なって前置詞句の機能
情報を得る場合に、例えば、図3に示すテーブル情報を
階層的にメニュー表示して(大項目、小項目、文中での
位置の順に表示する)、前置詞句の機能情報を得て、そ
れに対応した記号を前置詞登録テーブル301に登録す
るようになされている。
【0030】前置詞句機能テーブル201は、記号項目
202にそのシンボルとなる記号が格納され、前置詞句
の機能の種類項目203にその意味(前置詞句の機能の
種類)が格納されている。前置詞句の機能の種類項目2
03は、大項目204、小項目205及び文中での位置
項目206から構成されている。
【0031】大項目204には、前置詞句の機能を「形
容詞的用法」、「副詞的用法」及び「名詞的用法」に分
けて記述している。
【0032】小項目205には、大項目の各分類(3つ
の用法のそれぞれ)についての詳細な機能が記述されて
いる。大項目204で「形容詞的用法」が選択されたと
きには、小項目205では「限定用法」、「叙述用法」
又は「指定なし(小項目205の指定をしないことを意
味する)」が選択可能となり、大項目204で「副詞的
用法」が選択されたときには、小項目205では「述部
修飾」、「文修飾」又は「指定なし」が選択可能とな
り、大項目204で「名詞的用法」が選択されたときに
は、小項目205では「主語」、「動詞の目的語」、
「前置詞の目的語」又は「指定なし」が選択可能とな
る。
【0033】文中での位置206には、大項目204及
び小項目205で選択された機能に対応して前置詞の文
中での位置が決っているものについて、その文中での位
置情報が格納されている。例えば、大項目204で「形
容詞的用法」、小項目205で「限定用法」が選択され
た場合には文中での位置情報は「名詞、代名詞の後」に
自動決定される。大項目204で「形容詞的用法」、小
項目205で「叙述用法」が選択された場合には文中で
の位置情報は「be動詞の後」に自動決定される。大項
目204で「副詞的用法」、小項目205で「述部修
飾」が選択された場合には、文中での位置は「自動詞の
後」、「be動詞+形容詞の後」、「他動詞+目的語の
後」、「文頭」又は「指定なし(文中での位置を指定し
ないことを意味する)」のいずれかが選択可能となる。
大項目204で「副詞的用法」、小項目205で「文修
飾」が選択された場合には、文中での位置は「文頭」、
「文中」、「文尾」又は「指定なし」のいずれかが選択
可能となる。
【0034】例えば、記号項目202に格納されている
“ADV13”という記号は、対応する前置詞句の機能
の種類203は、大項目204が「副詞的用法」であ
り、小項目205が「述部修飾」であり、文中での位置
206が「他動詞+目的語の後」であることを意味す
る。
【0035】図4は、上述した前置詞登録テーブル30
1の構成の一例を示す説明図である。前置詞登録テーブ
ル301は、前置詞見出し項目302、前置詞目的語項
目303、前置詞の機能項目304及び前置詞訳語項目
305から構成されている。
【0036】前置詞見出し項目302には、前置詞登録
テーブル301に登録された前置詞の見出しとなる語句
が格納される。前置詞目的語項目303には、登録され
た前置詞の目的語の種類を表す記号(図2参照)が格納
される。前置詞句機能項目304には、登録された前置
詞句の機能の種類を表す記号(図3参照)が格納され
る。前置詞訳語項目305には、前置詞見出し項目30
2、前置詞目的語項目303、及び、前置詞句機能項目
304に格納された情報に対応する前置詞の訳語が格納
される。
【0037】例えば、前置詞見出しが“for”、前置
詞の目的語が「名詞」、前置詞句の機能が「形容詞的用
法の限定用法」、文中での位置が「名詞の後」で対応す
る前置詞の訳語が「の」である情報を前置詞情報登録部
3が前置詞登録テーブル301に登録した場合には、図
5に示すように、前置詞見出し項目302が“fo
r”、前置詞目的語項目303が“ON”、前置詞句機
能項目304が“ADJ1”、前置詞訳語項目305が
「の」となる。また、例えば、前置詞見出しが“fo
r”、前置詞の目的語が「名詞」、前置詞句の機能が
「副詞的用法の文修飾」、文中での位置が「文頭」で、
対応する前置詞の訳語が「については」である前置詞情
報を、前置詞情報登録部3が上述した図5に示す格納内
容を有する前置詞登録テーブル301に追加して登録し
た場合には、前置詞登録テーブル301の追加情報は、
図6に示すように、前置詞見出し項目302が“fo
r”、前置詞目的語項目303が“ON”、前置詞句機
能項目304が“ADV21”、前置詞訳語項目305
が「については」となる。
【0038】なお、この実施形態の場合、前置詞登録テ
ーブル301の記述自体には特徴はなく、図5及び図6
に示したような前置詞目的語項目303及び前置詞句機
能項目304の情報が一意に決っている記述方法に限定
されるものではない。例えば、前置詞目的語項目303
の一つの情報を「名詞若しくは代名詞、形容詞、又は、
副詞」というように複数に対応するように指定する場合
において、前置詞目的語項目303を“ON,OAD
J,OADV”というように並べて記述することを認め
るようにしても良い。同様に、前置詞句機能項目304
の一つの情報を「形容詞的用法の限定用法、副詞的用法
の述部修飾の自動詞の後、又は、名詞的用法の主語」と
いうように複数に対応するように指定する場合におい
て、前置詞句機能項目304を“ADJ1,ADV1
1,N1”というように並べて記述することを認めるよ
うにしても良い。また、前置詞の目的語又は前置詞句の
機能に関係なく登録した見出しの前置詞の訳語を訳出で
きるように、前置詞目的語項目303及び前置詞句機能
項目304の欄を空白にした登録をも認めるようにして
も良い。
【0039】なお、前置詞登録テーブル301におい
て、前置詞の目的語及び前置詞句の機能を記号登録する
ようにしたのは、メモリ容量を小さく押さえた状態で
も、多くの前置詞情報を登録可能とするためである。
【0040】以下、利用者の前置詞に関する情報の登録
操作、及び、前置詞に関する情報の登録機能を有する上
記実施形態の機械翻訳システムの動作、特に、前置詞の
登録機能に関係する動作を図面を参照しながら説明す
る。ここで、図7は、主として、利用者の操作手順を示
すフローチャートである。また、以下の操作及び動作説
明においては、適宜、具体例をおりまぜることで説明を
補完する。
【0041】手順401 翻訳すべき英語文章を入力部5を介して翻訳部1に入力
させると、登録の必要が求められる特定の前置詞の見出
しを前置詞情報表示部2を用いて指定し、前置詞情報表
示部2によって、その前置詞の見出しを含む英文を検索
表示させる。
【0042】ここでは、例えば、ある入力文章に対し
て、前置詞の見出しとして“for”が指定され、“f
or”を含む英文の検索により、以下の英文が検索され
て表示されたとする。
【0043】第1文 “This is layers for data comm
unications. ” 第2文 “For more information, see chapter 2.” 第3文 “This is a rules for data communication
s.” 第4文 “For a definition, see chapter 3.” 手順402 次に、利用者は、この検索表示された文を確認し、その
中で多く用いられている同一の前置詞の目的語、前置詞
句の機能及び前置詞の訳語を持つ前置詞表現を調べ、そ
の前置詞情報を前置詞情報登録部3を用いて前置詞登録
テーブル301に登録していく。
【0044】上述の具体例の場合、第1文及び第3文
は、前置詞見出しが“for”、前置詞の目的語が「名
詞」、前置詞句の機能が「形容詞的用法の限定用法」、
文中での位置が「名詞の後」であり、2つの文とも前置
詞の訳語は「の」である。また、第2文及び第4文は、
前置詞見出しが“for”、前置詞の目的語が「名
詞」、前置詞句の機能が「副詞的用法の文修飾」、文中
での位置が「文頭」であり、2つの文とも前置詞の訳語
は「については」である。よって、前置詞登録テーブル
301への登録情報は、上述した図6に示すようににな
る。
【0045】前置詞情報登録部3は、このような前置詞
情報の登録を、前置詞情報表示部2と協働して、図8に
示すように行なう。
【0046】前置詞登録処理が起動されると、図8に示
す処理を開始し、まず、利用者が指定した前置詞見出し
を取り込んで前置詞登録テーブル301の前置詞見出し
項目302に格納し(ステップ501)、次に、例え
ば、図2に示した前置詞目的語テーブル101の格納内
容をメニュー表示させて、利用者が指定した前置詞目的
語の情報を取り込んで前置詞登録テーブル301の前置
詞目的語項目303にその記号を格納し(ステップ50
2)、さらに続いて、例えば、図3に示した前置詞句機
能テーブル201の格納内容をメニュー表示させて、利
用者が指定した前置詞句機能の情報を取り込んで前置詞
登録テーブル301の前置詞句機能項目304にその記
号を格納し(ステップ503)、そして最後に、利用者
が指定した前置詞訳語を取り込んで前置詞登録テーブル
301の前置詞訳語項目305に格納する(ステップ5
04)。その後、利用者が登録確定を指示したか否かを
判断し(ステップ505)、指示していなければ他の前
置詞情報の取込みに進み、登録確定を指示したときに登
録動作を終了する。
【0047】手順403 前置詞登録テーブル301への登録作業が完了すると、
翻訳処理を実行させる。この翻訳処理において、前置詞
登録テーブル301にデータが記述されていると、前置
詞情報処理部4が前置詞登録テーブル301の前置詞情
報を翻訳処理に反映する。
【0048】図9は、前置詞情報を翻訳処理に反映させ
る際の前置詞情報処理部4の処理を示すフローチャート
である。
【0049】前置詞情報処理部4は、生成部12に入力
してきたデータ(目的言語である日本語の情報だけでな
く原言語である英語の情報を含む)に対して、前置詞登
録テーブル301中の前置詞見出し項目302の情報を
基に、データ中に品詞が前置詞であり、見出しが登録さ
れた前置詞見出しである語句が存在するか否かを確認す
る(ステップ601)。存在すれば前置詞見出し情報に
対応する前置詞登録テーブル301中の前置詞目的語項
目303及び前置詞句機能項目304から情報を抽出
し、入力データとの照合を行なう(ステップ602)。
この照合に適合していれば、対応する前置詞訳語項目3
05から情報を抽出し、データ中の前置詞に対して抽出
した前置詞訳語項目の情報を訳語情報として付与する
(ステップ603)。
【0050】生成部12においては、入力データは生成
辞書13を用いて、付与された前置詞の情報以外で、生
成すべき日本語の単語、活用形態及びその語順を決定す
る処理を行ない、以下、形態素生成部14、出力部16
と処理が進んで日本文が生成される。
【0051】手順404 翻訳処理が終了すると、利用者は、登録した前置詞の見
出しを前置詞情報表示部2を用いて指定し、前置詞登録
テーブル301に登録した前置詞の英文と翻訳結果を検
索する。この例では、前置詞の見出し“for”を指定
し、以下のような英文と翻訳結果が検索表示される。
【0052】1.“This is layers for data communic
ations. ” 「これは、データ通信の層です。」 2.“For more information, see chapter 2.” 「より詳細については、2章を参照しなさい。」 3.“This is a rules for data communications.” 「これは、データ通信の規則です。」 4.“Fora definition, see chapter 3. ” 「定義については、3章を参照しなさい。」 手順405 利用者は、翻訳結果を確認し、同一の前置詞の見出し、
前置詞の目的語、前置詞句の機能及び前置詞訳語を持つ
前置詞表現に修正の必要のあるときには、前置詞登録テ
ーブル301に登録した情報を修正し、再度翻訳させて
翻訳結果を確認する。また、修正すべき前置詞が特異な
訳語を持つとき、あるいは意訳したいときには、その翻
訳結果だけを後編集として修正する。
【0053】以上のように、第1の実施形態の機械翻訳
システムによれば、英文中に存在する前置詞に対して任
意の前置詞の見出しを指定することにより英文中に含ま
れるその前置詞の見出しを含む英文又は英文と共にその
英文の翻訳結果を検索できる前置詞情報表示部と、任意
の前置詞の見出しに対し前置詞の目的語、前置詞句の機
能を複数指定し、これに対応する訳語を複数組について
前置詞登録テーブルに登録する前置詞情報登録部と、前
置詞登録テーブルに登録された前置詞情報を翻訳処理に
反映できる前置詞情報処理部とを設けたので、前置詞の
目的語及び前置詞句の機能の種類により前置詞の訳語を
訳し分けできるようになり、文章内の同一の前置詞の目
的語、前置詞句の機能及び前置詞の訳語を持つ前置詞の
訳語を指定する作業を軽減でき、前置詞訳語が変化する
場合に全ての前置詞の訳語を指定直さなければならない
ということがなくなり、利用者による翻訳作業の負担を
軽減させることが可能になる。
【0054】(B)第2の実施形態 次に、本発明を英日機械翻訳システムに適用した第2の
実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に簡単に
説明する。
【0055】第1の実施形態は、英文中に存在する前置
詞に対して、任意の前置詞の見出しに対し前置詞の目的
語、前置詞句の機能を複数指定し、これに対応する訳語
を複数登録できる前置詞登録テーブルを用いて前置詞の
目的及び前置詞句の機能の種類により前置詞の訳語を訳
し分けができるものであった。しかしながら、例えば、
“for”という語句の品詞は「前置詞」だけでなく、
「接続詞」である場合もある。この品詞の判断は、前置
詞登録テーブル301に依存せず、翻訳部1における形
態素解析部6及び解析部8により判断している。このた
め、前置詞登録テーブル301の情報が反映されるのは
翻訳部1における形態素解析部6及び解析部8で「前置
詞」であると判断されたものに限られる。
【0056】そのため、例えば、利用者が前置詞ではな
いが前置詞として機能させたい語句あるいは記号等があ
る場合にも、第1の実施形態の前置詞登録テーブル30
1を用いても訳出できない。
【0057】そこで、この第2の実施形態においては、
図10に示すように、前置詞登録テーブル301Aに品
詞情報項目306を追加し、前置詞の見出しで記述した
語句の品詞を指定することを可能にし、翻訳部1におけ
る形態素解析部6及び解析部8での品詞の判断に依存す
ることなく、指定した語句あるいは記号等が出現した場
合には前置詞であると判断させることが可能となる。よ
って、前置詞ではないが、利用者が前置詞として処理さ
せたい語句、記号等がある場合に、品詞情報項目306
を追加した前置詞登録テーブル301Aを利用すること
により、前置詞として機能させ、訳出させることも可能
となる。
【0058】この第2の実施形態によれば、第1の実施
形態と同様な効果を奏するだけでなく、前置詞だけでな
く、他の品詞をとり得る語句に対する利用者が希望する
訳し分けを行なうことができるという効果をも奏する。
【0059】(C)他の実施形態 なお、上記各実施形態においては、英日機械翻訳システ
ムを示したが、前置詞を有する原言語を対象とした機械
翻訳システムに本発明を広く適用することができる。
【0060】また、上記各実施形態においては、前置詞
情報表示部を有するものを示したが、これを省略するよ
うにしても良い。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の機械翻訳システ
ムによれば、(1) 任意の前置詞の見出しに対してその前
置詞の目的語、前置詞句の機能を指定し、これに対応す
る訳語を1又は複数組登録している前置詞情報記憶手段
と、(2) この前置詞情報記憶手段に利用者から指示され
た情報を登録させる前置詞情報登録手段と、(3) 前置詞
情報記憶手段に登録されている前置詞見出し、目的語及
び前置詞句機能に合致する原言語文中の前置詞を検索
し、その前置詞の訳語を、前置詞情報記憶手段に登録さ
れている訳語にするように、前置詞情報記憶手段に登録
されている情報を翻訳処理に反映させる前置詞情報処理
手段とを有するので、利用者が所望する訳し分けを行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】第1の実施形態の前置詞目的語テーブルの構成
を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態の前置詞句機能テーブルの構成
を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の前置詞登録テーブルの構成を
示す説明図である。
【図5】第1の実施形態の前置詞登録テーブルの登録例
(1)を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態の前置詞登録テーブルの登録例
(2)を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態の利用者の操作手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】第1の実施形態の前置詞情報登録時の処理フロ
ーチャートである。
【図9】第1の実施形態の前置詞情報の翻訳処理反映時
の処理フローチャートである。
【図10】第2の実施形態の前置詞登録テーブルの構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
1…翻訳部、2…前置詞情報表示部、3…前置詞情報登
録部、4…前置詞情報処理部、101…前置詞目的語テ
ーブル、201…前置詞句機能テーブル、301…前置
詞登録テーブル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前置詞を含むことがある原言語文を目的
    言語文に翻訳する機械翻訳システムにおいて、 任意の前置詞の見出しに対してその前置詞の目的語、前
    置詞句の機能を指定し、これに対応する訳語を1又は複
    数組登録している前置詞情報記憶手段と、 この前置詞情報記憶手段に利用者から指示された情報を
    登録させる前置詞情報登録手段と、 上記前置詞情報記憶手段に登録されている前置詞見出
    し、目的語及び前置詞句機能に合致する原言語文中の前
    置詞を検索し、その前置詞の訳語を、上記前置詞情報記
    憶手段に登録されている訳語にするように、上記前置詞
    情報記憶手段に登録されている情報を翻訳処理に反映さ
    せる前置詞情報処理手段とを有することを特徴とする機
    能翻訳システム。
  2. 【請求項2】 指定された前置詞見出しを有する原言語
    文、又は、原言語文及びその翻訳後の目的言語文を検索
    表示する前置詞情報表示手段をさらに有することを特徴
    とする請求項1に記載の機械翻訳システム。
  3. 【請求項3】 上記前置詞情報記憶手段に品詞情報をも
    登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の機械
    翻訳システム。
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