JPH10105203A - フィードフォワード制御システム - Google Patents

フィードフォワード制御システム

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JPH10105203A
JPH10105203A JP26080996A JP26080996A JPH10105203A JP H10105203 A JPH10105203 A JP H10105203A JP 26080996 A JP26080996 A JP 26080996A JP 26080996 A JP26080996 A JP 26080996A JP H10105203 A JPH10105203 A JP H10105203A
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Takao Ono
孝雄 尾野
Yasunori Katayama
恭紀 片山
Susumu Kitani
進 木谷
Yutaka Saito
裕 斉藤
Satoru Hattori
哲 服部
Naganori Hatanaka
長則 畑中
Masahiro Senhoku
正洋 仙北
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、制御応答の遅れの少ない制御
システムを提供するにある。 【解決手段】制御対象システム1は、線形系の制御対象
と、この制御対象の動作状態を変化させるアクチュエー
タと、上記制御対象の動作状態を検出するセンサとから
構成されている。DDC制御系6の状態予見・制御機構
4は、制御対象の動作状態から状態変化を予見し、その
予見状態に基づく指令をアクチュエータに供給して、制
御対象をフィードフォワード制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィードフォワー
ド制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制御対象のシステムが所定の動作
をするように制御する方式としては、一般に、例えば、
特開平6−274201号公報に記載のように、制御対
象システムの出力をセンサにより検出して、この出力値
と目標値の偏差をフィードバックして、偏差が零になる
ように制御するフィードバック制御方式が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフィードバック
制御方式においては、制御対象の状態量に偏差が発生し
たことを検出してから、電子計算機を用いたサンプリン
グ制御でフィードバックするため、サンプリング時間及
び、アクチュエータの時定数に関する時間遅れが発生
し、偏差を低減するのに時間を要するものである。従っ
て、制御応答に遅れが生じるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、制御応答の遅れの少ない
制御システムを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、線形系の制御対象と、この制御対象の動
作状態を変化させるアクチュエータと、上記制御対象の
動作状態を検出するセンサとから構成される制御対象シ
ステムと、上記制御対象の動作状態に応じて、上記アク
チュエータへの指令を変化させる制御装置とを備えた制
御システムにおいて、上記制御装置は、上記制御対象の
動作状態から状態変化を予見し、その予見状態に基づく
指令を上記アクチュエータに供給して、上記制御対象を
フィードフォワード制御する状態予見・制御手段を備え
るようにしたものであり、かかる構成により、線形系の
制御対象の制御遅れを低減し得るものとなる。
【0006】上記フィードフォワード制御システムにお
いて、好ましくは、上記状態予見・制御手段は、上記制
御対象の動作状態及び上記制御対象システムのパラメー
タ関数及び将来の最適指令に基づいて、上記制御対象シ
ステムの将来の状態量を計算するシュミレーション手段
と、上記シュミレーション手段により求められた上記制
御対象システムの将来の状態量及び将来の目標状態に基
づいて、最適指令を計算し直す制御方策決定手段を備え
るようにしたものである。
【0007】上記フィードフォワード制御システムにお
いて、好ましくは、上記制御方策決定手段は、上記制御
対象システムの将来の状態量及び将来の目標状態に基づ
いて、予測誤差を求め、この予測誤差に基づいて、評価
関数を計算する予測誤差評価手段と、上記予測誤差の収
束を判定する収束判定手段とを備え、上記収束判定手段
により収束と判定されるときの指令を最適指令とするよ
うにしたものである。
【0008】上記フィードフォワード制御システムにお
いて、好ましくは、上記制御装置は、さらに、上記制御
対象の動作状態に基づいて、可観測であるが直接計測で
きない状態を推定するオブザーバ手段を備え、上記状態
予見・制御手段は、上記制御対象の動作状態及び上記オ
ブザーバ手段によって推定された推定状態に基づいて、
状態変化を予見するようにしたものである。
【0009】上記フィードフォワード制御システムにお
いて、好ましくは、上記オブザーバ手段は、上記制御対
象の動作状態に基づいて、上記制御対象システムの未知
のパラメータを同定する未知パラメータ同定手段と、こ
の未知パラメータ同定手段が同定する上記未知のパラメ
ータ及び上記制御対象の動作状態に基づいて、上記制御
対象システムの直接計測が不可能な状態について推定し
て推定状態量を出力する同一次元オブザーバ手段を備え
るようにしたものである。
【0010】上記フィードフォワード制御システムにお
いて、好ましくは、上記オブザーバ手段は、上記制御対
象の動作状態及び推定出力誤差に基づいて、上記制御対
象システムの未知のパラメータを同定する未知パラメー
タ同定手段と、この未知パラメータ同定手段が同定する
上記未知のパラメータ及び上記制御対象システムに対す
る指令に基づいて、上記制御対象システムの出力を推定
する出力推定手段と、この出力推定手段が推定する出力
と、上記制御対象システムの制御量の差分を上記推定出
力誤差として、上記未知パラメータ同定手段に出力する
比較手段と、上記未知パラメータ同定手段が同定する上
記未知のパラメータ及び上記制御対象システムに対する
指令に基づいて、上記制御対象システムの状態を推定す
る状態推定手段とを備えるようにしたものである。
【0011】上記目的を達成するために、本発明は、非
線形系の制御対象と、この制御対象の動作状態を変化さ
せるアクチュエータと、上記制御対象の動作状態を検出
するセンサとから構成される制御対象システムと、上記
制御対象の動作状態に応じて、上記アクチュエータへの
指令を変化させる制御装置とを備えた制御システムにお
いて、さらに、上記制御対象システムの指令,目標状態
量及び制御目標値を出力するセットアップ制御手段を備
え、上記制御装置は、上記制御対象の状態量と上記セッ
トアップ制御手段が出力する上記目標状態量の差である
制御変数,上記制御対象の制御量と上記セットアップ制
御手段が出力する上記目標値との差である制御変数,及
び上記セットアップ制御手段が出力する上記目標状態に
基づいて状態変化を予見し、その予見状態に基づく指令
偏差を上記セットアップ機構が出力する上記指令に加え
て上記アクチュエータに供給して、上記制御対象をフィ
ードフォワード制御する状態予見・制御手段を備えるよ
うにしたものであり、かかる構成により、非線形系の制
御対象の制御遅れを低減し得るものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて、本発明の一
実施形態による線形系の制御対象に適用するフィードフ
ォワード制御システムについて説明する。図1は、本発
明の一実施形態によるフィードフォワード制御システム
の全体構成を説明するブロック図である。
【0013】制御システムは、制御対象システム1と、
DDC制御系6から構成されている。制御対象システム
1は、動作状態を変化させるアクチュエータと動作状態
を検出するセンサを持つ制御対象である。センサは、制
御対象システム1の状態量及び制御量を検出し、出力す
る。ここで、制御量及び状態量の具体例については、図
2を用いて後述するが、制御量とは、制御対象システム
1によって制御された制御対象物の制御結果を示す値で
あり、状態量とは、制御対象システム1の制御状態を示
す値である。ここで、制御対象システムは、線形系の制
御対象であるものとする。制御対象が、非線形系の場合
については、図18を用いて後述する。
【0014】DDC制御系6は、制御対象システム1の
複数の指令,複数の状態量,および複数の制御量を入力
し、新たな複数の指令を出力する。DDC制御系6は、
信号処理機構2と、オブザーバ機構3と、状態予見・制
御機構4とから構成されている。
【0015】信号処理機構2は、制御対象システム1か
ら入力される複数の指令,状態量,制御量に対してサン
プリングとフィルタリングを行い、フィルタリングされ
た入力を記憶する機構である。なお、信号処理機構2の
詳細構成については、図3を用いて後述する。
【0016】オブザーバ機構3は、信号処理機構2の出
力を用い、制御対象システム1のセンサで検出できない
動作状態を推定する機構である。ここで、センサで検出
できない動作状態とは、その動作状態を検出するための
適当なセンサが存在しない動作状態のことである。この
ような動作状態については、従来は、検出不可能であっ
たが、本実施形態においては、オブザーバ機構3によ
り、その動作状態を推定するようにしている。なお、オ
ブザーバ機構3の詳細構成については、図4を用いて後
述する。なお、オブザーバ機構3を用いることなく、信
号処理機構2の出力を直接、状態予見・制御機構4に入
力するようにしてもよい。この点については、図4を用
いて後述するように、信号処理機構2の出力は、オブザ
ーバ機構3及び状態予見・制御機構4に入力する。
【0017】状態予見・制御機構4は、信号処理機構2
の出力及びオブザーバ機構3の出力する情報を用いて、
制御対象システム1の将来の状態量を予見して、制御対
象システム1への指令を出力する。オブザーバ機構3を
用いない場合には、状態予見・制御機構4は、信号処理
機構2の出力を用いて、制御対象システム1の将来の状
態量を予見して、制御対象システム1への指令を出力す
る。なお、状態予見・制御機構4の詳細構成について
は、図8を用いて後述する。
【0018】また、マンマシンシンターフェイス9は、
DDC制御系6の中の状態予見・制御機構4に対して、
目標値等の入力をするのに用いられる入力手段である。
【0019】次に、図2を用いて、図1に示した制御対
象システム1の具体的一例について説明する。図2は、
本発明の一実施形態によるフィードフォワード制御シス
テムによって御される制御対象システムの一例のブロッ
ク図である。
【0020】制御対象システム1の一例は、鉄鋼プラン
トの一つである圧延機システムである。制御対象システ
ム1である圧延機システムは、第1段圧延スタンド1
0,第2段圧延スタンド11,及び第3段圧延スタンド
12の3段から構成されているものとする。圧延スタン
ド10,11,12の基本的な構成な同じものである。
【0021】圧延材16は、圧延スタンド10,11,
12によって順次圧延され、第3段圧延スタンド12の
出側でリール17によって巻き取られる。板厚計154
は、入側の圧延材16の板厚を測定し、板厚計156
は、出側の圧延材16の板厚を測定する。張力計155
は、入側の圧延材16にかかる張力を測定し、張力計1
57は、出側の圧延材16にかかる張力を測定する。
【0022】次に、第1段圧延スタンド10の基本的な
構成について説明する。圧延スタンド10は、制御対象
である圧延機13と、圧延機13を駆動するアクチュエ
ータ14と、圧延機13とアクチュエータ14から複数
の状態量,複数の制御量を測定するためのセンサ15と
から構成される。圧延スタンド11,12は、それぞ
れ、圧延スタンド10と同様の構成をとる。
【0023】圧延機13は、例えば、圧延材16を圧下
するロール130,131から構成される。
【0024】アクチュエータ14は、例えば、電動機1
40と、油圧圧下装置141と、速度制御装置142
と、圧下制御装置143とから構成される。電動機14
0は、圧延機13のロール130,131を回転させ
る。油圧圧下装置141は、ロール130,131のギ
ャップ位置を制御することで、圧延材16の板厚と張力
を制御する。速度制御装置142は、状態予見・制御機
構4が出力する指令をもとに、電動機140の回転速度
を制御する。圧下制御装置143は、状態予見・制御機
構4が出力する指令をもとに、油圧圧下装置141の位
置を制御する。
【0025】センサ15は、例えば、速度計150と、
ロードセル151と、板厚計152と、張力計153と
から構成される。速度計150は、電動機140に直結
して回転速度を測定する。ロードセル151は、ロール
130,131から圧延圧力を測定する。板厚計152
は、圧延材16の板厚を測定する。張力計153は、圧
延材16にかかる張力を測定する。
【0026】センサ15の出力信号である制御対象シス
テム1の状態量及び制御量は、信号処理機構2に入力す
る。ここで、制御量は、制御対象システム1によって制
御された制御対象物の制御結果を示す値であり、図示の
例では、板厚計152によって測定される圧延材16の
板厚値が相当する。状態量は、制御対象システム1の制
御状態を示す値であり、速度計150によって測定され
る電動機140の回転速度,ロードセル151によって
測定される圧延圧力,張力計153によって測定される
張力が相当する。
【0027】なお、図中で用いられている2本線の矢印
は、複数の種類の情報が流れていることを示すものであ
る。
【0028】信号処理機構2は、制御対象システム1で
ある圧延機システムのセンサ15によって検出される状
態量,制御量を入力し、記憶し、状態予見・制御機構4
は、信号処理機構2に記憶された制御対象システム1の
状態量,制御量に基づいて、制御対象システム1の将来
の状態を予見して、指令を制御対象システム1のアクチ
ュエータ14に出力する。なお、オブザーバ機構につい
ては、図示していないが、必要に応じて、信号処理機構
2の出力を受けて、動作状態を推定し、この推定値を状
態予見・制御機構4に出力するようにすることもでき
る。
【0029】次に、図3〜図17を用いて、図1に示し
たDDC制御系6の中の信号処理機構2,オブザーバ機
構3及び状態予見・制御機構4の詳細な構成および動作
について説明する。最初に、図3を用いて、信号処理機
構2の構成について説明する。図3は、本発明の一実施
形態によるフィードフォワード制御システムを採用する
DDC制御系の信号処理機構のブロック図である。
【0030】信号処理機構2は、サンプル/ホールド回
路およびアナログ/デジタル変換回路20,21と、フ
ィルタ22,23と、メモリ24とから構成される。サ
ンプル/ホールド回路およびアナログ/デジタル変換回
路20は、状態予見・制御機構4からアクチュエータ1
4へ出力される指令値uをサンプル/ホールドし、さら
に、計算機での処理を可能にするために、デジタル値に
変換する。サンプル/ホールド回路およびアナログ/デ
ジタル変換回路21は、センサ15が出力する制御対象
システム1の状態量xと制御量yをデジタル値に変換す
る。
【0031】フィルタ22,23は、それぞれ、サンプ
ル/ホールド回路およびアナログ/デジタル変換回路2
0,21のそれぞれのデジタル値を入力し、値に含まれ
る雑音を除去するためにフィルタリングを行う。メモリ
24は、フィルタ22,23のそれぞれが出力する指令
u、及び直接観測可能な状態量xと制御量yを合わせた
拡大状態量Xを入力し、両者の最新のデータから過去の
データ(l+1)個分を格納しておく。
【0032】なお、メモリ24の中に図示したu
(k), X(k)は、複数の要素からなるベクトル量
であり、k番目のサンプリング周期での値を示してい
る。なお、kは特に断らない場合には省略する。指令u
及び拡大情報量Xは、それぞれ、複数の指令値u及び拡
大情報量Xであり、図示の状態では、指令uは、m個あ
り、拡大情報量Xは、n個ある場合を図示している。
【0033】メモリ24の出力は、オブザーバ機構3に
出力される。また、状態予見・制御機構4に直接出力さ
れる場合もある。
【0034】次に、図4を用いて、オブザーバ機構3の
構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に
よるフィードフォワード制御システムを採用するDDC
制御系のオブザーバ機構のブロック図である。
【0035】オブザーバ機構3は、信号処理機構2と状
態予見・制御機構4の間に接続されているが、図中に2
本線の矢印で示すように、信号処理機構2から状態予見
・制御機構4に直接入力する信号もある。
【0036】オブザーバ機構3は、未知パラメータ同定
機構30と、同一次元オブザーバ31とから構成され
る。未知パラメータ同定機構30は、信号処理機構2を
通して入力される制御対象システム1の複数の指令u,
複数の状態量x,複数の制御量yをもとに、制御対象シ
ステム1において未知の複数の同定パラメータ値pを同
定するものであり、その詳細構成については、図5を用
いて後述する。同一次元オブザーバ31は、複数の指令
u,複数の制御量y,および未知パラメータ同定機構3
0の出力する同定パラメータ値pをもとに、制御対象シ
ステム1の直接計測不可能な状態についての推定状態量
320を出力するものであり、その詳細構成について
は、図6を用いて後述する。
【0037】次に、図5を用いて、オブザーバ機構3の
中の未知パラメータ同定機構30の構成について説明す
る。図5は、本発明の一実施形態によるフィードフォワ
ード制御システムを採用するDDC制御系のオブザーバ
機構の中の未知パラメータ同定機構のブロック図であ
る。
【0038】未知パラメータ同定機構30は、ARMA
モデル構造決定機構300と、モデルパラメータ同定機
構301と、正規形状態離散方程式変換機構302とか
ら構成される。
【0039】ARMAモデル構造決定機構300は、マ
ンマシンインタフェース9からその次数を受け取り、制
御対象システム1のARMAモデルの形式を決定する。
ここで、ARMAモデルについては、例えば、中溝高好
著、「信号解析とシステム同定」(昭和63年3月)、
コロナ社、p.49〜53に記載されているものを用い
ることができる。
【0040】モデルパラメータ同定機構301は、AR
MAモデル構造決定機構300の出力と、信号処理機構
2を通して得た複数の指令u,状態量x,制御量yをも
とに、制御対象システム1のARMAモデルのパラメー
タの値を最小2乗近似を用いて同定する。ここで、最小
2乗近似については、例えば、中溝高好著、「信号解析
とシステム同定」(昭和63年3月)、コロナ社、p.
150〜161に記載されているものを用いることがで
きる。
【0041】正規形状態離散方程式変換機構302は、
モデルパラメータ同定機構301によって求められたモ
デルを、正規形の状態離散方程式に変換するものであ
る。
【0042】次に、最小2乗近似によるARMAモデル
のパラメータ値の同定方法について、以下に説明する。
なお、ここでは1入力1出力のシステムのモデルについ
て説明するが、多入力多出力のシステムのモデルについ
ても最小2乗近似による同定は可能である。
【0043】システムの伝達関数が、Z変換の形式を用
いて、(数1)のように表されているものとする。
【0044】
【数1】
【0045】但し、ここで、v(k)は出力に加えられ
る外乱とする。
【0046】ここで、A(Z-1)は、(数2)で表さ
れ、B(Z-1)は、(数3)で表され
【0047】
【数2】
【0048】
【数3】
【0049】次に、(数1)に、(数2)及び(数3)
を代入すると、(数4)となる。
【0050】
【数4】
【0051】但し、e(k)は、(数5)に示すとおり
である。
【0052】
【数5】
【0053】このとき、(数6)を最小にするように、
係数ai,biを決定する。
【0054】
【数6】
【0055】ここで、yを(数7)とし、aを(数8)
とし、Ωを(数9)とし、eを(数10)とする。
【0056】
【数7】
【0057】
【数8】
【0058】
【数9】
【0059】
【数10】
【0060】その結果、(数7)は、(数11)とな
り、(数6)は、(数12)となる。
【0061】
【数11】
【0062】
【数12】
【0063】次に、係数行列aの最小2乗推定値を、
(数13)のように求める。
【0064】
【数13】
【0065】ここで、
【0066】
【数14】
【0067】となる。但し、αiは係数行列aのi番目
の要素を表す。
【0068】ここで、(数15)で表される。
【0069】
【数15】
【0070】但し、ωiは行列Ωのi列を表す。
【0071】(数15)をさらに微分すると、(数1
6)となる。
【0072】
【数16】
【0073】ゆえに、システムの伝達関数の係数行列a
は、(数13)を元にして、(数14),(数15),
(数16)を用いて、(数17)のようになる。
【0074】
【数17】
【0075】また、このときの推定誤差εaは、(数1
8)となる。
【0076】
【数18】
【0077】次に、伝達関数から正規形の離散状態方程
式に変換する方法について、以下に説明する。また、こ
こでも1入力1出力として説明するが、多入力多出力の
場合でも同様の変換は可能である。
【0078】システムの伝達関数は、Z変換を用いて、
(数19)のように表されているものとする。
【0079】
【数19】
【0080】但し、ここで、T(z)は、(数20)と
する。
【0081】
【数20】
【0082】このとき、X1(z)を(数21)とお
き、Y(z)を(数22)とおく。
【0083】
【数21】
【0084】
【数22】
【0085】(数21)を逆Z変換すると、(数23)
とできる。
【0086】
【数23】
【0087】(数23)式を変形して、(数24)とす
る。
【0088】
【数24】
【0089】但し、xn(k+1)は、(数25)で表
される。
【0090】
【数25】
【0091】また、(数22)を逆Z変換すると、(数
26)とできる。
【0092】
【数26】
【0093】したがって、このシステムの離散状態方程
式は、(数27),(数28)のように表される。
【0094】
【数27】
【0095】
【数28】
【0096】正規形状態離散方程式変換機構は、(数2
7),(数28)によって表される離散状態変換方程式
に変換して、同定パラメータpを出力する。
【0097】次に、図6を用いて、オブザーバ機構3の
中の同一次元オブザーバ31の構成について説明する。
図6は、本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系のオブザーバ機構
の中の同一次元オブザーバのブロック図である。
【0098】同一次元オブザーバ31は、パラメータ行
列J310と、パラメータ行列E311と、パラメータ
行列D312と、時間シフトオペレータ313と、パラ
メータ行列決定機構314とから構成される。
【0099】パラメータ行列J310,パラメータ行列
E311及びパラメータ行列D312は、信号処理機構
2を通して得た複数の指令u、複数の制御量yをもとに
状態予見・制御機構4に推定状態320を出力するため
のパラメータ行列である。
【0100】時間シフトオペレータ313は、時間をシ
フトするオペレーションを行う。
【0101】パラメータ行列決定機構314は、未知パ
ラメータ同定機構30の出力した複数の同定パラメータ
pをもとに、パラメータ行列J310,パラメータ行列
E311,パラメータ行列D312の値を求める。
【0102】同一次元オブザーバ31は、(数29)で
示される計算を行い、推定状態320を求める。この計
算については、例えば、Gene H.Hostett
er著、「Digital Control Syst
em Design、Holt(1988年)」,Ri
nehart and Winston社刊,p.26
0〜265に記載されているものを使用する。
【0103】
【数29】
【0104】また、パラメータ行列J310,パラメー
タ行列E311,パラメータ行列D312は、(数3
0)のようにして、求められる。
【0105】
【数30】
【0106】なお、ここで、Aは、(数27)の右辺第
1項の左側の行列であり、Bは、(数27)の右辺第2
項の行列であり、Cは、(数28)の右辺の左側の行列
である。
【0107】なお、図7を用いて、図4に示したオブザ
ーバ機構の同一次元オブザーバを適応オブザーバに変え
たときの適応オブザーバの構成について説明する。図7
は、本発明の一実施形態によるフィードフォワード制御
システムを採用するDDC制御系の適応オブザーバ機構
のブロック図である。
【0108】オブザーバ機構35、信号処理機構2と状
態予見・制御機構4の間に接続されているが、図中に2
本線の矢印で示すように、信号処理機構2から状態予見
・制御機構4に直接入力する信号もある。
【0109】適応オブザーバ機構35は、未知パラメー
タ同定器350と、状態推定器351と、出力推定器3
52と、比較機構353とから構成される。
【0110】未知パラメータ同定器350は、信号処理
機構2を通して入力される制御対象システム1の複数の
指令u,複数の状態量x,複数の制御量y、および複数
の推定出力偏差εをもとに、制御対象システム1におい
て複数の未知のパラメータ値pを同定する。
【0111】状態推定器351は、複数の指令uと未知
パラメータ同定器350の複数のパラメータpを入力
し、制御対象システム1の複数の直接計測不可能な状態
量を推定し、推定状態360を出力する。
【0112】出力推定器352は、同様に、複数の指令
uと未知パラメータ同定器350の複数の同定パラメー
タpを入力し、制御対象システム1の複数の制御量yを
推定する。
【0113】比較機構353は、出力推定器352の出
力する推定出力361と信号処理機構2から入力した複
数の制御量yをもとに複数の推定出力偏差εを求める。
【0114】なお、図7に示した適応オブザーバ機構を
用いる場合、具体的な各種係数/パラメータは、制御対
象の状態方程式が決まれば、例えば、岩井善太、井上
昭、川路茂保著、「現代制御シリーズ/オブザーバ(昭
和63年10月)」、コロナ社刊、p.29〜30およ
びp.160〜205に記載の方法にて実現することが
できる。
【0115】次に、図8を用いて、状態予見・制御機構
4の構成について説明する。図8は、本発明の一実施形
態によるフィードフォワード制御システムを採用するD
DC制御系の状態予見・制御機構のブロック図である。
【0116】状態予見・制御機構4は、状態メモリ40
と、パラメータメモリ41と、パラメータ関数化機構4
2と、パラメータ関数43と、状態メモリ予見分44
と、指令メモリ将来分45と、シミュレーション機構4
6と、目標状態メモリ47と、制御方策決定機構48
と、反復計算制御機構49とから構成される。
【0117】状態メモリ40は、オブザーバ機構3の出
力する制御対象システム1の直接計測可能な複数の状態
量と、直接計測不可能な状態についての複数の推定状態
量を格納する。
【0118】パラメータメモリ41は、オブザーバ機構
3の出力する制御対象システム1の複数の同定パラメー
タpを格納する。
【0119】パラメータ関数化機構42は、パラメータ
メモリ41のデータをもとに、例えばLagrange
の補間法によってパラメータ関数43を求める。
【0120】状態メモリ予見分44は、制御対象システ
ム1の将来の予見状態量を格納する。
【0121】指令メモリ将来分45は、制御対象システ
ム1への将来の指令を格納する。
【0122】シミュレーション機構46は、パラメータ
関数43と、状態メモリ40に格納されている複数の状
態量及び推定状態量と、指令メモリ将来分45に格納さ
れている将来の最適指令をもとに、制御対象システム1
の将来の状態量を計算して、状態メモリ予見分44に出
力する。なお、シミュレーション機構46の詳細構成に
ついては、図9を用いて後述する。
【0123】目標状態メモリ47は、セットアップ制御
機構8から入力される目標状態を格納する。
【0124】制御方策決定機構48は、状態メモリ予見
分44に格納されている複数の将来の予見状態量と、目
標状態メモリ47に格納されている複数の将来の目標状
態をもとに、新たに最適指令uを計算し直す。なお、制
御方策決定機構48の詳細構成については、図10を用
いて後述する。
【0125】反復計算制御機構49は、反復計算によっ
て、最適指令uの計算を行なうシミュレーション機構4
6と制御方策決定機構48の両者を制御する。
【0126】シミュレーション機構46及び制御方策決
定機構48は、後述するように、交互に複数回繰り返し
動作した後、制御対象システム1に指令を出力する。
【0127】次に、図9を用いて、状態予見・制御機構
4の中のシミュレーション機構46の構成について説明
する。図9は、本発明の一実施形態によるフィードフォ
ワード制御システムを採用するDDC制御系の状態予見
・制御機構の中のシミュレーション機構のブロック図で
ある。
【0128】シミュレーション機構46は、入力切替ス
イッチ460と、メモリアクセス選択機構461と、メ
モリアクセス選択機構462と、データ制御機構463
と、パラメータ行列A464と、パラメータ行列B46
5と、パラメータ行列計算機構466とから構成され
る。
【0129】入力切替スイッチ460は、状態メモリ4
0に格納されている現在の状態及び推定状態と、状態メ
モリ予見分44に格納されている予見状態とを入力と
し、切り替えていずれかを出力する。
【0130】メモリアクセス選択機構461は、状態メ
モリ予見分44の読み出し・書き込みの際に、何番目の
サンプリング周期のデータの読み出し・書き込みを行う
かを選択する。
【0131】メモリアクセス選択機構462は、指令メ
モリ将来分45の読み出し・書き込みの際に、何番目の
サンプリング周期のデータの読み出し・書き込みを行う
かを選択する。
【0132】データ制御機構463は、反復計算制御機
構49からの命令のよって、入力切替スイッチ460,
メモリアクセス選択機構461,メモリアクセス選択機
構462の制御を行う。
【0133】パラメータ行列A464,パラメータ行列
B465は、入力切替スイッチ460を通して入力され
る状態と推定状態、若しくは予見状態、メモリアクセス
選択機構462を通して入力される将来の指令をもとに
して、新たな予見状態を求める計算に用いられる。
【0134】パラメータ行列計算機構466は、パラメ
ータ関数43をもとに、パラメータ行列A464,パラ
メータ行列B465の要素となるパラメータを計算す
る。
【0135】次に、シミュレーション機構46の動作に
ついて説明する。シミュレーション機構46は、(数3
1)にしたがって計算を行う。データ制御機構463
は、順に、(数31)の計算を行えるように、入力切替
スイッチ460とメモリアクセス選択機構461とメモ
リアクセス選択機構462の制御を行う。
【0136】
【数31】
【0137】但し、ここで、χ’は、(数32)であ
る。
【0138】
【数32】
【0139】次に、図10を用いて、状態予見・制御機
構4の中の制御方策決定機構48の構成について説明す
る。図10は、本発明の一実施形態によるフィードフォ
ワード制御システムを採用するDDC制御系の状態予見
・制御機構の中の制御方策決定機構のブロック図であ
る。
【0140】制御方策決定機構48は、予測誤差評価機
構480と、収束判定機構481と、誤差最適化機構4
82と、制御指令出力機構483とから構成される。
【0141】予測誤差評価機構480は、状態メモリ予
見分44に格納されている予見状態、目標状態メモリ4
7に格納されている目標状態を入力し、(数33)に基
づいて予測誤差εを求める。
【0142】
【数33】
【0143】さらに、予測誤差評価機構480は、(数
34)に基づいて予測誤差εについての評価関数を計算
する。
【0144】
【数34】
【0145】収束判定機構481は、同じサンプリング
周期時点での反復計算の1回前の評価関数の値と比較
し、その差がある一定値より小さくなった場合に、予測
誤差が最小になったと判定し、反復計算制御機構49に
収束したことを通知し、そうでない場合には、予測誤差
は最小ではないと判定し、反復計算制御機構49に収束
していないことを通知する。
【0146】誤差最適化機構482は、反復計算機構4
9に対して収束判定機構481が収束していないと通知
した場合に、例えば、最急降下法を用いて将来の指令を
修正し、指令メモリ将来分45の内容を書き替え,反復
計算制御機構49に対して、シミュレーション機構46
に次の動作をするように通知する。最急降下法について
は、例えば、西川、三宮、茨木著、「岩波講座情報科学
19:最適化」(昭和57年9月)、岩波書店刊、p.
44〜48に記載されている。
【0147】制御指令出力機構483は、反復計算制御
機構49に対して収束判定機構49が収束したと通知し
た場合に,指令メモリ将来分45の現在入力すべき指令
を制御対象システム1に入力する。
【0148】次に、図11を用いて、図8にて説明した
状態予見・制御機構4の中のシミュレーション機構46
と制御方策決定機構48の働きについて簡単に説明す
る。
【0149】図11は、本発明の一実施形態によるフィ
ードフォワード制御システムを採用するDDC制御系の
状態予見・制御機構の動作説明図である。
【0150】図11(A)は、状態量の時間変化を示し
ており、横軸は時間を示し、縦軸は状態量を示してい
る。縦軸の原点χrefは、目標状態量を示しており、図
中の曲線は、目標状態量χrefに対する状態量の偏差を
示している。また、図11(B)は、指令の時間変化を
示しており、横軸は時間を示し、縦軸は指令を示してい
る。
【0151】DDC制御系6は、時刻kTにおいて、図
11(A)に示すように、対象制御システム1の状態量
x(k)を観測し、図11(B)に示すように、指令u
(k)を出力しようとしているものとする。
【0152】時刻kTより前は、過去の状態量1101
及び過去の指令1102であり、過去の状態量1101
は、図9に示すように、状態メモリ40に格納されてい
る。過去の状態量1101,過去の指令1102に対し
て、図9に示す指令メモリ将来分45は、時刻(k−
1)Tの時点で最適であった将来の指令1103を保持
し、この指令に対してシミュレーション機構46は予見
状態量1104を出力したものとする。予見状態量11
04は、図9に示す状態メモリ予見分44に保持されて
いる。
【0153】ここで、将来の指令1103の代わりに、
将来の指令1106を入力した場合に、予見状態量11
07が得られ、目標状態1105との予測誤差を小さく
できる場合がある。このときに、将来の指令を変化させ
ながら、アクチュエータの応答遅れを考慮した上で予見
状態を計算し、予測誤差を最小にするように動作するの
が、シミュレーション機構46と制御方策決定機構48
の反復計算であり、その計算を制御するのが反復計算制
御機構49である。
【0154】次に、図12を用いて、図1に示した制御
システムの動作について簡単に説明する。図12は、本
発明の一実施形態によるフィードフォワード制御システ
ムを採用する制御システムの動作説明図である。
【0155】なお、多くの工業装置は多変数制御系であ
り、多入力多出力のシステムとして扱われるが、取り扱
いが格段に複雑になるので、煩雑にわたるのをさけ、説
明を簡単にするため、1入力1出力のシステムを仮定し
て話を進めることとする。但し、多変数系であっても、
本発明の基本的な動作の流れは変わらず、制御理論を用
いて容易に推定可能である。
【0156】例えば、制御対象システム1の出力信号と
なる制御量y1には、雑音成分が重畳されて、波形12
01となる。波形1201は、DDC制御系6の中の信
号処理機構2にサンプリングによって入力されて、内部
に持つサンプリング値の履歴から、例えば,移動平均フ
ィルタなどのフィルタ処理を通して、デジタル値データ
1202として、信号処理機構2のメモリ24に格納さ
れる。また、同様にして、制御対象システム1の指令u
1及び状態量χ1,χ2も、信号処理機構2に格納され
る。
【0157】次に、信号処理機構2の結果に基づいて、
オブザーバ機構3は、制御対象システム1の状態方程式
を構成するシステム行列、操作行列、観測行列等の各行
列1203を得る。状態予見・制御機構4は、各行列1
203に基づいて、指令u1を発行し、制御対象システ
ム1の制御誤差を低減させる。制御対象システム1の入
力となる指令についても、雑音成分が重畳して、波形1
204となる。
【0158】次に、図13を用いて、図3に示した信号
処理機構2の動作について簡単に説明する。図13は、
本発明の一実施形態によるフィードフォワード制御シス
テムを採用する制御システムの信号処理機構の動作説明
図である。
【0159】センサ15から出力される制御対象システ
ム1の状態量χ1と制御量y1、アクチュエータ14に対
して出力される状態予見・制御機構4の指令u1は、ア
ナログ値に雑音成分が重畳され、それぞれ信号波形13
01,1302に示すような時間変位をしているものと
する。
【0160】状態量χ1,制御量y1,および指令u1
は、それぞれ、サンプル/ホールド回路およびアナログ
/デジタル変換回路21,20に入力される。サンプル
/ホールド回路およびアナログ/デジタル変換回路2
1,20は、前述のアナログ信号波形をサンプリング、
デジタル変換し、デジタル値1303,1304を出力
する。
【0161】さらに、フィルタ23、22は、前述のノ
イズ成分を取り除き、内部に持つ入力値の履歴から信号
成分となるデジタル値1305,1306を出力する。
デジタル値1306,1306は、メモリ24に状態量
χ1,制御量y1,および指令u1の履歴1307として
格納され、オブザーバ機構3に出力される。
【0162】次に、図14を用いて、図5に示した未知
パラメータ同定機構30の動作について簡単に説明す
る。図14は、本発明の一実施形態によるフィードフォ
ワード制御システムを採用する制御システムの未知パラ
メータ同定機構の動作説明図である。
【0163】マンマシンインタフェース9からARMA
モデルの次数1401を受け取ったARMAモデル構造
決定機構300は、システムのARMAモデルの構造1
402を決定する。モデルパラメータ同定機構301
は、ARMAモデル構造決定機構300が出力するシス
テムのARMAモデルの構造1402及び信号処理機構
2が出力する指令u1,直接計測可能な状態量χ1,制御
量y1の履歴1307をもとに、システムの伝達関数1
403を求める。正規形離散状態方程式変換機構302
は、システムの伝達関数1403に基づいて、制御対象
システム1の離散状態方程式1404を出力する。
【0164】同一次元オブザーバ31は、離散状態方程
式1404によって与えられたパラメータをもとに、前
述の計算式によって、直接計測不可能な状態についての
推定状態量を求める。離散状態方程式1404によって
与えられるパラメータと前述の推定状態は、状態予見・
制御機構4の入力となる。
【0165】次に、図15を用いて、図8に示した状態
予見・制御機構4の動作について簡単に説明する。図1
5は、本発明の一実施形態によるフィードフォワード制
御システムを採用する制御システムの状態予見・制御機
構の動作説明図である。
【0166】オブザーバ機構3から入力される状態量及
び推定状態量は、状態メモリ40に、状態量及び推定状
態量1501として格納される。オブザーバ機構3から
入力されるパラメータは、パラメータメモリ41に、パ
ラメータ1502として格納される。
【0167】パラメータ関数化機構42は、パラメータ
メモリ41に格納されている情報1502をもとに、パ
ラメータを時間の関数1503に変換し、シミュレーシ
ョン機構46に出力する。
【0168】ここで、状態予見・制御機構4は、シミュ
レーション計算を行っているものとする。このとき、反
復計算制御機構49は、シミュレーション機構46に対
して、シミュレーション計算をする指令を発行し、制御
方策決定機構48に対しては、動作待ちの指令を発行す
る。シミュレーション計算機構46は、図16を用いて
詳述するように、状態メモリに格納されている情報15
01のうち、最新のデータ,パラメータ関数1503、
指令メモリ将来分45にすでに格納されている将来の指
令1505をもとに、シミュレーションを行い、予見状
態1504を求め、状態メモリ予見分44に格納する。
【0169】そして、詳細は後述するが、制御方策決定
機構48は、状態メモリ予見分44に格納された情報1
504と、マンマシンインターフェース9から受け取っ
た目標状態を格納している目標状態メモリ47の情報1
506をもとに、誤差評価をして、誤差が最小化されて
いなければ、指令メモリ将来分45に格納されている情
報1505を更新して、反復計算制御機構49を通じ
て、シミュレーション機構46に再計算を指令する。誤
差が最小化されている場合には、指令メモリ将来分45
からその時点で発行すべき指令を受け取り、1507の
ように制御対象システム1に出力する。
【0170】次に、図16を用いて、図10に示したシ
ュミレーション機構46の動作について簡単に説明す
る。図16は、本発明の一実施形態によるフィードフォ
ワード制御システムを採用する制御システムのシュミレ
ーション機構の動作説明図である。
【0171】ここで、一例として、シミュレーション機
構46は、時刻(k+4)Tにおける予見状態を、(数
35)に基づいて、計算しているものとする。
【0172】
【数35】
【0173】データ制御機構463は、反復計算制御機
構49からの予見状態計算指令を受けて、時刻(k+
4)Tでの予見状態を計算するために、時刻(k+3)
Tでのデータを出力するように、入力切替スイッチ46
0,メモリアクセス選択機構461,メモリアクセス選
択機構462に指令を出力する。これによって、状態メ
モリ予見分44,指令メモリ将来分45から、データ1
601,1602が出力される。
【0174】状態メモリ40の出力データ1603は、
現在の計算では必要ないので、入力切替スイッチ460
は、前述のデータ1601を選択、出力する。パラメー
タ関数43は、パラメータ行列決定機構466によっ
て、時刻(k+3)Tにおける値1604を計算すると
ともに、パラメータ行列A464,パラメータ行列B4
65の形に合うように、それぞれパラメータ行列A16
05,パラメータ行列B1606のように変換される。
【0175】前述の式のように計算を行って、時刻(k
+4)Tにおける予見状態1607が求められると、デ
ータ制御機構463は、予見状態1607を状態メモリ
予見分44のしかるべき位置に格納されるように、メモ
リアクセス選択機構461に新たに指令を発行する。
【0176】次に、図17を用いて、図11に示した制
御方策決定機構48の動作について簡単に説明する。図
17は、本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用する制御システムの制御方策決定機
構の動作説明図である。
【0177】ここで、一例として、制御方策決定機構4
8は、シミュレーション機構46の動作を受けて、誤差
を評価した結果、誤差が最小化されていないと判定し、
シミュレーション機構46に、再計算するように指令す
るという状態にあるとする。
【0178】シミュレーション機構46が計算した結
果、状態メモリ予見分44には予見状態データ1701
が格納されており、目標状態メモリ47には前述の予見
状態1701に対する目標状態データ1702が格納さ
れている。予測誤差評価機構480は、これらのデータ
1701,1702をもとに、将来の各時点、各状態に
ついての予測誤差を求め、評価関数1703を計算す
る。
【0179】収束判定機構481は、評価関数1703
を受け取り、この値と同一反復計算中の1回前に、制御
方策決定機構48が動作したときに求めた評価関数値と
の差がある一定値(例えば0.05であるとする)より
も大きいということをもとに、誤差が最小化されていな
いと判断したとする。
【0180】このとき、収束判定機構481は、反復計
算制御機構49に対して、「収束していない」という情
報を送出する。これに対して、反復計算制御機構49
は、誤差最適化機構482に対して、将来の指令を再計
算するように指令を発行する。この指令を受けた誤差最
適化機構482は、将来の指令1705を再計算し、指
令メモリ将来分45に格納し、反復計算制御機構49
に、将来の指令の再計算を完了したという情報を送出す
る。また、このとき、反復計算制御機構49は、制御指
令出力機構483に対して動作待ち指令を発行し、新た
な制御指令を制御対象システム1に出力しないようにす
る。
【0181】この後、反復計算制御機構49は、シミュ
レーション機構46に対して、新たな将来の指令をもと
に、予見状態を再計算するように指令を発行する。
【0182】以上説明したように、フィードフォワード
制御方式を採用する線形系の制御対象に対して、状態予
見に基づいて制御を行うことにより、アクチュエータの
遅れと状態変化を予見できるので、このような遅れを補
償できるようになる。
【0183】また、制御偏差を低減する基準は予見して
いる区間の偏差を加味してあるため、瞬間的な従来の制
御と異なり、大局的な制御指令を発行できる。
【0184】また、制御偏差の増加を予め予見できるた
め、将来にわたって制御偏差を最小にするように、アク
チュエータに対する指令を発行することにより、制御し
ている時間全区間にわたり、制御偏差の低減と応答性の
向上の効果がある。
【0185】本実施形態によれば、線形系の制御対象シ
ステムにおける制御応答の遅れを低減することができ
る。
【0186】次に、図18を用いて、本発明の他の実施
形態による非線形系の制御対象に適用するフィードフォ
ワード制御システムについて説明する。図18は、本発
明の他の実施形態によるフィードフォワード制御システ
ムの全体構成を説明するブロック図である。
【0187】制御システムは、非線形系の制御対象であ
る制御対象システム1と、上位計算機7と、セットアッ
プ制御機構8と、DDC制御系6と、マンマシンインタ
フェース9から構成される。
【0188】上位計算機7は、制御対象システム1の種
々の制御情報を管理する。セットアップ制御機構8は、
上位計算機7からの情報をもとに、制御対象システム1
の複数の指令,目標状態,制御目標値を出力する。
【0189】DDC制御系6は、セットアップ機構8が
出力する複数の目標状態,制御目標値と、制御対象シス
テム1が出力する複数の状態量,制御量のそれぞれの差
である状態変数χ’,制御変数y及びセットアップ機構
8が出力する複数の目標状態を入力とし、新たな指令偏
差を出力する。指令偏差は、セットアップ機構8が出力
する指令に加算されて、制御対象システム1に対する指
令となる。制御対象システム1に対する指令は、指令変
数uとして、DDC制御系6に入力し、指令偏差を求め
るのに用いられる。
【0190】DDC制御系6の構成は、図3,4,5,
6,8,9,10を用いて前述した実施形態の構成と同
様である。前述した実施形態における制御量に代えて、
制御変数がDDC制御系6の各部に入力し、状態量に代
えて、状態変数が入力し、指令に代えて、指令変数が入
力する。図8において説明した目標状態に代えて、セッ
トアップ機構8が出力する目標状態がDDC制御系6に
入力する。
【0191】マンマシンインタフェース9は、DDC制
御系6に対する情報の入力に用いられる。
【0192】一般的には、制御対象システムの特性は非
線形であり、そのままの形での数式モデルによって制御
を行うことは非常に難しいものである。そこで、制御対
象システムが安定である状態、即ち,平衡状態を考え
て、この状態を基準とし、この基準値からのずれについ
て線形近似化を行い、線形の数式モデルを制御に適用す
る。具体的には、このずれを微小なものであると仮定し
て、制御対象システムの数式モデルのテイラー級数展開
の高次の項(2次以上の項)を、誤差とみなして無視す
るようにする。
【0193】即ち、制御対象システムの数式モデルf
(x,u)について、平衡状態を(x0,u0)とし、
平衡状態からのずれを(Δx,Δy)と考えて、テイラ
ー級数展開し、2次以上の項を無視すると、(数36)
で表される。
【0194】
【数36】
【0195】ここで、右辺第2,3項を、(数37)で
置換する。
【0196】
【数37】
【0197】すると、(数36)は、(数38)とする
ことができる。
【0198】
【数38】
【0199】これは、システムの数式モデルが線形近似
化によって、システムの平衡状態に関する数式モデルf
と、ずれに関する数式モデルFの2つに分離して考えら
れることを示している。
【0200】これらの考え方をもとに、(数38)の右
辺第1項が示す制御対象システム1の平衡状態について
は、セットアップ機構8において代数方程式を数値的に
解くことによって求める。DDC制御系6は、制御対象
システム1の複数の状態量および制御量について、この
平衡状態からのずれである制御変数y及び状態変数χを
入力として、制御対象システム1の複数の指令偏差を出
力する。この指令偏差とセットアップ機構8の求めた指
令との和を制御対象システム1に入力する複数の指令と
する。
【0201】ここで、図19を用いて、図18に示した
非線形系の制御対象の制御システムの動作について簡単
に説明する。図19は、本発明の他の実施形態によるフ
ィードフォワード制御システムの動作説明図である。
【0202】多くの工業装置は多変数制御系であり、多
入力多出力のシステムとして扱われるが、取り扱いが格
段に複雑になるので、煩雑にわたるのをさけ、説明を簡
単にするため、1入力1出力のシステムを仮定して話を
進めることとする。但し、多変数系であっても、本発明
の基本的な動作の流れは変わらず、制御理論を用いて容
易に推定可能である。
【0203】ここでは、非線形系の制御対象の制御対象
システムとして、圧延機システムを例にとって説明す
る。
【0204】上位計算機7は、製品の出荷スケジュール
から次に圧延される鋼材の情報1901を出力する。鋼
材の情報1901としては、例えば、鋼種:軟鋼,母材
板厚:2.3mm,最終板厚:0.7mm,板幅:13
50mm,ワークロール(WR)径:530mm等があ
る。
【0205】セットアップ制御機構8は、鋼材の情報1
901を受取り、圧延スケジュール1902を出力す
る。圧延スケジュール1902としては、例えば、第1
スタンド出側目標板厚:1.6mm,第1スタンド出側
目標速度:525mpm,第2スタンド出側目標板厚:
1.2mm,第2スタンド出側目標速度:700mp
m,第3スタンド出側目標板厚:0.9mm,第3スタ
ンド出側目標速度:933mpm,第4スタンド出側目
標板厚:0.75mm,第4スタンド出側目標速度:1
120mpm等がある。
【0206】セットアップ制御機構8が出力する圧延ス
ケジュール1902は、DDC制御系6の出力する指令
偏差1903との和をとって、制御対象システム1の入
力1904となる。例えば、第2スタンドについて見る
ならば、第2スタンド出側目標板厚は1.2mmであ
り、ここで、DDC制御系6の出力する指令偏差(圧下
指令偏差)ΔS2が0.02mmであるならば、制御対
象システム1の入力で圧下指令S2は、1.22mmと
なる。
【0207】制御対象システム1からの出力に相当する
制御量1905は、セットアップ機構8の出力する制御
目標との差を取られ、この制御量偏差1906が、DD
C制御系6に入力される。即ち、例えば、第2スタンド
について見るならば、第2スタンド出側目標板厚は1.
2mmであり、ここで、制御対象システム1からの出力
に相当する制御量である第2スタンド出側板厚が1.2
1mmであるならば、DDC制御系6に入力する第2ス
タンド出側板厚偏差は、0.01mmとなる。
【0208】DDC制御系6は、制御対象システム1の
制御誤差を低減するための新たな指令偏差1907を出
力する。即ち、例えば、第2スタンドについて見るなら
ば、第2スタンドの新しい圧下指令偏差ΔS2は、−
0.02mmとなる。この新しい圧下指令偏差ΔS2
は、セットアップ制御機構8が出力する圧延スケジュー
ルとの和をとられ、制御対象システム1の新しい入力と
なる。DDC制御系6は、内部の状態予見・制御機構に
より、状態を予見して、この状態予見に基づいて新しい
指令偏差を求め、制御を行う。
【0209】ここで、従来のフィードバック制御方式に
おいては、第2スタンド出側板厚偏差が0.01mmで
あるならば、圧下指令偏差に相当するものとして、−
0.01mmを出力するようにしているのに対して、本
実施形態では、状態予見した結果に基づいて、上述した
ように、例えば、圧下指令偏差ΔS2として、−0.0
2mmを出力することにより、制御の応答性を改善する
ことができる。
【0210】以上説明したように、フィードフォワード
制御方式を採用する非線形系の制御システムにおいて、
状態予見に基づいて制御を行うことにより、アクチュエ
ータの遅れと状態変化を予見できるので、このような遅
れを補償できるようになる。
【0211】また、制御偏差を低減する基準は予見して
いる区間の偏差を加味してあるため、瞬間的な従来の制
御と異なり、大局的な制御指令を発行できる。
【0212】また、制御偏差の増加を予め予見できるた
め、将来にわたって制御偏差を最小にするように、アク
チュエータに対する指令を発行することにより、制御し
ている時間全区間にわたり、制御偏差の低減と応答性の
向上の効果がある。
【0213】本実施形態によれば、非線形系の制御シス
テムにおける制御応答の遅れを低減することができる。
【0214】
【発明の効果】本発明によれば、制御応答の遅れを低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムの全体構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムによって制御される制御対象システムの一
例のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系の信号処理機構の
ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系のオブザーバ機構
のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系のオブザーバ機構
の中の未知パラメータ同定機構のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系のオブザーバ機構
の中の同一次元オブザーバのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系の適応オブザーバ
機構のブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系の状態予見・制御
機構のブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態によるフィードフォワード
制御システムを採用するDDC制御系の状態予見・制御
機構の中のシミュレーション機構のブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用するDDC制御系の状態予見・制
御機構の中の制御方策決定機構のブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用するDDC制御系の状態予見・制
御機構の動作説明図である。
【図12】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムの動作説明図で
ある。
【図13】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムの信号処理機構
の動作説明図である。
【図14】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムの未知パラメー
タ同定機構の動作説明図である。
【図15】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムの状態予見・制
御機構の動作説明図である。
【図16】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムのシュミレーシ
ョン機構の動作説明図である。
【図17】本発明の一実施形態によるフィードフォワー
ド制御システムを採用する制御システムの制御方策決定
機構の動作説明図である。
【図18】本発明の他の実施形態によるフィードフォワ
ード制御システムの全体構成を説明するブロック図であ
る。
【図19】本発明の他の実施形態によるフィードフォワ
ード制御システムの動作説明図である。
【符号の説明】
1…制御対象システム 2…信号処理機構 3…オブザーバ機構 4…状態予見・制御機構 6…DDC制御系 7…上位計算機 8…セットアップ制御機構 9…マンマシンインタフェース 10,11,12…圧延スタンド 13…制御対象 14…アクチュエータ 15…センサ 20,21…サンプル/ホールド回路及びアナログ/デ
ジタル変換回路 22,23…フィルタ 24…メモリ 30…未知パラメータ同定機構 31…同一次元オブザーバ 35…適応オブザーバ 40…状態メモリ 41…パラメータメモリ 42…パラメータ関数化機構 43…パラメータ関数 44…状態メモリ予見分 45…指令メモリ将来分 46…シミュレーション機構 47…目標状態メモリ 48…制御方策決定機構 49…反復計算制御機構 300…ARMAモデル構造決定機構 301…モデルパラメータ同定機構 302…正規形状態離散方程式変換機構 310,311,312,464,465…パラメータ
行列 313…時間シフトオペレータ 314,466…パラメータ行列決定機構 350…未知パラメータ同定器 351…状態推定器 352…出力推定器 353…比較機構 460…入力切替スイッチ 461,462…メモリアクセス選択機構 463…データ制御機構 480…予測誤差評価機構 481…収束判定機構 482…誤差最適化機構 483…制御指令出力機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木谷 進 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 斉藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 服部 哲 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 畑中 長則 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 仙北 正洋 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線形系の制御対象と、この制御対象の動
    作状態を変化させるアクチュエータと、上記制御対象の
    動作状態を検出するセンサとから構成される制御対象シ
    ステムと、 上記制御対象の動作状態に応じて、上記アクチュエータ
    への指令を変化させる制御装置とを備えた制御システム
    において、 上記制御装置は、上記制御対象の動作状態から状態変化
    を予見し、その予見状態に基づく指令を上記アクチュエ
    ータに供給して、上記制御対象をフィードフォワード制
    御する状態予見・制御手段を備えたことを特徴とするフ
    ィードフォワード制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィードフォワード制御
    システムにおいて、 上記状態予見・制御手段は、上記制御対象の動作状態及
    び上記制御対象システムのパラメータ関数及び将来の最
    適指令に基づいて、上記制御対象システムの将来の状態
    量を計算するシュミレーション手段と、 上記シュミレーション手段により求められた上記制御対
    象システムの将来の状態量及び将来の目標状態に基づい
    て、最適指令を計算し直す制御方策決定手段を備えるこ
    とを特徴とするフィードフォワード制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のフィードフォワード制御
    システムにおいて、 上記制御方策決定手段は、上記制御対象システムの将来
    の状態量及び将来の目標状態に基づいて、予測誤差を求
    め、この予測誤差に基づいて、評価関数を計算する予測
    誤差評価手段と、 上記予測誤差の収束を判定する収束判定手段とを備え、
    上記収束判定手段により収束と判定されるときの指令を
    最適指令とすることを特徴とするフィードフォワード制
    御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のフィードフォワード制御
    システムにおいて、 上記制御装置は、さらに、上記制御対象の動作状態に基
    づいて、可観測であるが直接計測できない状態を推定す
    るオブザーバ手段を備え、 上記状態予見・制御手段は、上記制御対象の動作状態及
    び上記オブザーバ手段によって推定された推定状態に基
    づいて、状態変化を予見することを特徴とするフィード
    フォワード制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフィードフォワード制御
    システムにおいて、 上記オブザーバ手段は、上記制御対象の動作状態に基づ
    いて、上記制御対象システムの未知のパラメータを同定
    する未知パラメータ同定手段と、 この未知パラメータ同定手段が同定する上記未知のパラ
    メータ及び上記制御対象の動作状態に基づいて、上記制
    御対象システムの直接計測が不可能な状態について推定
    して推定状態量を出力する同一次元オブザーバ手段を備
    えることを特徴とするフィードフォワード制御システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のフィードフォワード制御
    システムにおいて、 上記オブザーバ手段は、上記制御対象の動作状態及び推
    定出力誤差に基づいて、上記制御対象システムの未知の
    パラメータを同定する未知パラメータ同定手段と、 この未知パラメータ同定手段が同定する上記未知のパラ
    メータ及び上記制御対象システムに対する指令に基づい
    て、上記制御対象システムの出力を推定する出力推定手
    段と、 この出力推定手段が推定する出力と、上記制御対象シス
    テムの制御量の差分を上記推定出力誤差として、上記未
    知パラメータ同定手段に出力する比較手段と、 上記未知パラメータ同定手段が同定する上記未知のパラ
    メータ及び上記制御対象システムに対する指令に基づい
    て、上記制御対象システムの状態を推定する状態推定手
    段とを備えることを特徴とするフィードフォワード制御
    システム。
  7. 【請求項7】 非線形系の制御対象と、この制御対象の
    動作状態を変化させるアクチュエータと、上記制御対象
    の動作状態を検出するセンサとから構成される制御対象
    システムと、 上記制御対象の動作状態に応じて、上記アクチュエータ
    への指令を変化させる制御装置とを備えた制御システム
    において、 さらに、上記制御対象システムの指令,目標状態量及び
    制御目標値を出力するセットアップ制御手段を備え、 上記制御装置は、上記制御対象の状態量と上記セットア
    ップ制御手段が出力する上記目標状態量の差である制御
    変数,上記制御対象の制御量と上記セットアップ制御手
    段が出力する上記目標値との差である制御変数,及び上
    記セットアップ制御手段が出力する上記目標状態に基づ
    いて状態変化を予見し、その予見状態に基づく指令偏差
    を上記セットアップ機構が出力する上記指令に加えて上
    記アクチュエータに供給して、上記制御対象をフィード
    フォワード制御する状態予見・制御手段を備えたことを
    特徴とするフィードフォワード制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003225650A (ja) * 2002-02-01 2003-08-12 Toshiba Corp 水処理プロセスハイブリッド水質計測装置及びこれを有する水処理システム
WO2011086709A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 株式会社 東芝 磁気ディスク装置のランプアンロードシーク制御装置
WO2022050426A1 (ja) * 2020-09-07 2022-03-10 株式会社 Preferred Networks 推定装置、推定方法及びプログラム

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