JPH10104451A - 光導波路用基板及びその作製方法 - Google Patents

光導波路用基板及びその作製方法

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JPH10104451A
JPH10104451A JP27885896A JP27885896A JPH10104451A JP H10104451 A JPH10104451 A JP H10104451A JP 27885896 A JP27885896 A JP 27885896A JP 27885896 A JP27885896 A JP 27885896A JP H10104451 A JPH10104451 A JP H10104451A
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繁 小西
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜
にガラスウエハを貼着した後、熱処理を行い、次いでガ
ラスウエハを研磨してガラスウエハの厚さを所定の値に
調整して、シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜上に
ガラスウエハを貼着してなる光導波路用基板を得る。 【効果】 本発明によれば、ガラス基板と熱酸化膜を形
成したシリコン基板を貼り合わせた基板を利用すること
により、アンダークラッド層の形成プロセスを省くこと
ができ、工程の短縮化を行うことができる。また、貼り
合わせる前に各々の基板について平坦性を出すことによ
り、その上に形成するコア層との界面の乱れを抑制でき
る。しかも、熱酸化膜を設けたシリコン基板を貼り合わ
せる基板に用いることにより、貼り合わせ後の加熱処理
時にしばしば発生した基板間の剥離やガラス層の割れを
抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路を作製す
るための光導波路用基板及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光導波
路はアンダークラッド層、コア層、オーバークラッド層
を積層した構造をとっており、光導波路を形成する基板
にはシリコン(Si)もしくは石英が用いられている。
今後は、光加入者系において、各家庭にはSi基板の上
に光信号の分波/合波の機能を持つ光導波路や、LD,
PDなどを集積化したONU(Optical Net
work Unit)が導入されることが予想され、例
えば、“Application of planar
lightwave circuit platfo
rm to hybrid integratedop
tical WDM transmitter/rec
eiver module”(Y.Yamada et
al.,Electron.Lett.31(1
6),1366−1367(1995))に示されてい
るように既に開発が進められているが、この場合、光導
波路を作製する基板には一般にSiが用いられている。
【0003】Si基板上に光導波路を作製するには、ま
ずアンダークラッドとなる厚さ約20μmのガラス層を
形成し、その上に光が導波するコア層を形成し、このコ
ア層をリソグラフィー及び異方性エッチングにより光の
導波パターンに加工した後、オーバークラッドとなる厚
さ30μm以上のガラス層を形成することによって行わ
れている。これらのガラス層の形成手段としては、火炎
堆積法や電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、プラズ
マCVD法などが知られているが、厚さ数十μmのガラ
ス膜の作製には一般に火炎堆積法が用いられている。
【0004】火炎堆積法とは、例えば“Silica
waveguides on silicon and
their application to int
egrated−optic components”
(M.Kawachi,Optical and Qu
antum Electronics 22,391−
416(1990))に示されているように、SiやG
e,Br,Pなどのハロゲン化合物を酸水素バーナーに
供給してガラス微粒子を生成し、これをテーブルの上に
置かれた基板上に堆積して多孔質のガラス微粒子膜を形
成し、これを電気炉中1200〜1400℃の温度で焼
結することによって透明なガラス膜を作製する方法であ
る。
【0005】以上のように、一層のガラス膜を形成する
にはガラス微粒子層の堆積工程と高温下での焼結工程を
必要とし、それを数層積層するため、光導波路デバイス
の作製には多くのプロセスを必要とする。そのため、光
導波路デバイス単体のコストの低下にはプロセスの簡略
化が不可欠である。更に、火炎堆積法では多孔質のガラ
ス微粒子膜から透明ガラス膜を得るため、その界面には
凹凸がしばしばみられるが、例えば火炎堆積法によって
アンダークラッド層を形成し、その上にコア層を形成す
る場合、その界面に凹凸があると、これが導波する光の
散乱要因となり伝搬損失の原因となる。従って、各層の
ガラス膜の界面は平坦であることが好ましい。
【0006】以上の観点より、本発明者らは、半導体技
術において用いられているSOI(Silicon O
n Insulator)構造を形成する方法の一つで
あるSiウエハ同士の貼り合わせ法を光導波路構造とし
て利用することを既に提案している(特願平8−194
889号)。Siウエハ同士を貼り合わせてSOI用基
板を形成する技術については、例えば「ULSIのため
の貼り合わせSOI技術」(阿部孝夫他,応用物理63
(11),1080(1994))などに述べられてお
り、Siウエハとガラス(SiO2)ウエハのような異
種ウエハの貼り合わせに関しても“Fabricati
on and bonding strength o
f bonded silicon−quartz w
afers”(T.Abe et al.,Jap.
J.Appl.Phys.32,224(1993))
などにおいて述べられている。しかしながら、この文献
で述べられているのはSiO2層は厚く、Si層を薄く
する方法であり、光導波路への適用を目的とした厚いS
i層の上に薄いSiO2層を残す方法については述べら
れていない。これを実現するために、本発明者らは貼り
合わせるSiO2ウエハを所望の厚さにした後、Si基
板に室温で貼り合わせ加熱処理を施すことも提案した
(特願平8−194888号)。この場合、貼り合わせ
るSiO2ウエハの厚みとしては100μm程度として
いるが、厚さ100μmのSiO2ウエハとSiウエハ
を室温で貼り合わせた後、ウエハ間の貼り合わせ強度を
持たせるために加熱処理を行っている途中、しばしばウ
エハの剥離やSiO2ウエハの割れがみられた。
【0007】本発明は、上記事情を改善するためになさ
れたもので、加熱処理時の剥離、割れの低減したシリコ
ン/ガラス系の光導波路用基板及びその作製方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、シリコンウエハにガラスウエハを貼着する場合、
シリコンウエハに予め熱酸化膜を形成し、この熱酸化膜
にガラスウエハを貼着することにより、ガラスウエハの
剥離、割れが防止されることを知見した。即ち、ガラス
ウエハとシリコンウエハを貼り合わせて光導波路用基板
を作製する際、室温で貼り合わせた後、貼り合わせ強度
を持たせるため加熱処理を行う必要があるが、シリコン
とガラスとの熱膨張率が異なるため加熱処理中にボイド
の発生や剥離、SiO2層の割れなどがしばしばみられ
た。これはシリコンとガラスとの熱膨張率が異なるため
と考えられ、こうした熱膨張率の差を緩和するために、
貼り合わせるシリコンウエハを予め熱酸化し、表面に酸
化膜を設けておくことにより、シリコンウエハとガラス
ウエハ間の熱膨張率差を緩和でき、貼り合わせ後の加熱
処理における割れや剥離を抑制できることを知見し、本
発明をなすに至ったものである。
【0009】従って、本発明は、 (1)シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜上にガラ
スウエハを貼着してなることを特徴とする光導波路用基
板 (2)シリコンウエハ表面に熱酸化膜を形成した後、こ
の熱酸化膜にガラスウエハを貼着することを特徴とする
光導波路用基板の作製方法 (3)シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜にガラス
ウエハを貼着した後、熱処理を行い、次いでガラスウエ
ハを研磨してガラスウエハの厚さを所定の値に調整する
ようにした上記(2)記載の作製方法 (4)熱酸化膜に貼着されるガラスウエハの厚さが20
0μm以下であり、該貼着後の熱処理温度が200〜5
00℃であり、熱処理後ガラスウエハを厚さ10〜50
μmになるまで研磨し、次いで1200〜1350℃で
熱処理するようにした上記(3)記載の作製方法 を提供する。
【0010】本発明によれば、シリコンウエハに熱酸化
膜を介してガラスウエハを貼着するので、両ウエハの接
着性が良好であり、上記(3),(4)に示したよう
に、貼着後、熱処理、研磨を行っても剥離、割れが低減
し、最後の1200〜1350℃の熱処理においても剥
離、割れが生じ難いものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の光導波路用基板は、シリコンウエハにガラ
スウエハを貼着してなるものであるが、この場合、本発
明にあっては、シリコンウエハに熱酸化膜を形成し、こ
の熱酸化膜にガラスウエハを貼着したものである。
【0012】ここで、シリコンウエハに熱酸化膜を形成
する方法は、半導体プロセスにおいて熱酸化膜を形成す
るときと同様であり、O2雰囲気のドライ酸化、H2O雰
囲気のウエット酸化、又はH2とO2を炉内導入するパイ
ロジェニック酸化などにより、1000〜1200℃の
温度で酸化を行うことができる。形成する酸化膜厚とし
ては貼り合わせ界面にかかる応力を緩和するため厚い方
が好ましいが、膜厚が厚くなると酸化膜形成に要する時
間が長くなるため、膜厚としては0.5〜1μmが適当
である。
【0013】一方、貼り合わせるガラスウエハとして
は、石英基板が使用し得るが、これに限る必要はなく、
予めB,P,Ge,Ti,Fなど通常火炎堆積法に用い
られているドーパントを含んだガラス基板を用いること
もできる。
【0014】シリコンウエハとガラスウエハとを貼り合
わせる場合は、貼り合わせるガラスのウエハ及び熱酸化
を行ったシリコンウエハを洗浄した後、室温下でこれら
のウエハを対向させ貼り合わせることによって形成す
る。ただし、この時点でこのウエハは貼り合わせ強度が
小さいという問題がある。また、使用する貼り合わせウ
エハはその上にコア、オーバークラッド層を形成するた
め1200〜1350℃の熱処理プロセスに耐えなけれ
ばならない。貼り合わせの強度を増すには200〜50
0℃、望ましくは300〜450℃の範囲の温度にアニ
ールしてやれば良いことが知られているが、ガラス基板
の厚さが厚いと割れやクラックが発生する。例えば、ガ
ラスのウエハとして厚さ525μmの石英ウエハを使用
すると、100℃前後に加熱したとき割れてしまう。貼
り合わせた基板が割れる温度はガラス基板の厚さに依存
し、ガラス基板の厚さを薄くすればアニール温度を高く
できる。しかし最初に準備するガラスウエハの厚さが厚
いと300〜450℃に加熱する前に割れ、また室温で
貼り合わせた後、ガラス層を研磨しようとしても貼り合
わせ強度を持たないため、貼り合わせ面で剥離し研磨で
きない。
【0015】従って、最初に準備するガラスウエハとし
ては、厚さが200μm以下、望ましくは50〜200
μm、より望ましくは80〜120μm、特に100μ
m程度のものが必要である。上記要求を満たすガラスウ
エハとシリコンウエハを貼り合わせた後、貼り合わせ強
度を増すため300〜450℃に加熱し、次にガラスウ
エハを研磨し、ガラス層の厚さを薄くする。こうした熱
処理とガラス層の研磨を繰り返すことにより、1200
〜1350℃のプロセスに用いることのできる貼り合わ
せウエハを形成できる。なお、ガラスウエハの研磨はそ
の厚さが10〜50μm程度、望ましくは20〜30μ
m程度、特には20μm程度になるように行うことが推
奨される。
【0016】以上のようにして、光導波路用の貼り合わ
せ基板が得られるが、この基板上に光導波路を形成する
場合は、貼り合わせ基板のガラス層の上に火炎堆積法や
電子ビーム蒸着法など公知の方法によりコア層を形成
し、レジスト塗布後、所望の光導波路回路パターンをリ
ソグラフィーにより描き、反応性異方エッチングにより
矩形状コアを形成し、その上に火炎堆積法やプラズマC
VD法など公知の方法によりオーバークラッドを形成す
る方法が採用される。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス基板と熱酸化膜
を形成したシリコン基板を貼り合わせた基板を利用する
ことにより、アンダークラッド層の形成プロセスを省く
ことができ、工程の短縮化を行うことができる。また、
貼り合わせる前に各々の基板について平坦性を出すこと
により、その上に形成するコア層との界面の乱れを抑制
できる。しかも、熱酸化膜を設けたシリコン基板を貼り
合わせる基板に用いることにより、貼り合わせ後の加熱
処理時にしばしば発生した基板間の剥離やガラス層の割
れを抑制できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0019】〔実施例〕直径10cm、厚さ0.5m
m、<100>方位のシリコンウエハを乾燥酸素中12
00℃で酸化処理し、表面に厚さ0.5μm程度の熱酸
化膜を形成した。
【0020】一方、直径10cm、厚さ0.525mm
の石英のウエハを研磨し、その厚さを0.525mmか
ら0.1mmまで薄くした。
【0021】上記それぞれのウエハの貼り合わせ面を清
浄にするため、トリクロロエタンで洗浄した後、純水で
5分間洗浄し、更に組成比NH3:H22:H2O=1:
1:10(重量比)の溶液中で80℃において10分間
洗浄し、純水で5分間洗浄した後、乾燥し、両ウエハを
室温で対向させて貼り合わせた。
【0022】次いで、貼り合わせたウエハ(基板)を大
気中300〜450℃の温度で熱処理した。このとき、
基板にはクラックなどは認められなかった。
【0023】熱処理後の貼り合わせウエハ(基板)につ
いて、ガラス層の厚さを20μm程度とするために石英
ウエハ面を研磨し、石英ウエハの厚さを20μm程度と
した。この研磨に際し、基板は上記のように300〜4
50℃の熱処理が施されているため、石英ウエハとシリ
コンウエハとが貼り合わせ面で剥離することはなかっ
た。
【0024】上記研磨後、大気中1300℃で2時間熱
処理し、光導波路用基板を得た。なお、この際基板にク
ラックや割れなどは認められなかった。
【0025】次に、上記のように準備した基板の石英ウ
エハ上に火炎堆積法によってGeをドープした多孔質ガ
ラス膜を形成した後、He:O2=1:1(容量比)の
雰囲気下に1300℃で熱処理を行った。その結果、透
明なガラス膜が形成され、石英ウエハ層にクラック、割
れは認められなかった。
【0026】光導波路パターンをリソグラフィー法によ
り描写した後、異方性エッチングによりコア層を矩形状
にし、その上から火炎堆積法によりB,Pをドープした
多孔質ガラス層を被覆し、1250℃で熱処理し、透明
なオーバークラッド層を形成した。
【0027】以上より、ガラス(石英)と熱酸化膜を形
成したシリコンのウエハを貼り合わせることによって作
成した基板(貼り合わせウエハ)が、その後の1300
℃前後の熱処理にも耐えて使用できることがわかり、光
導波路を作製する基板として使用し得ることが確認され
た。
【0028】〔比較例〕熱酸化膜を形成しないシリコン
ウエハを用いた以外は実施例と同様に操作した。その結
果、貼り合わせウエハ(基板)を大気中300℃で2時
間熱処理すると、石英ウエハ層の割れがしばしば発生
し、シリコンウエハと石英ウエハとを貼り合わせた基板
は用意することが困難であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜
    上にガラスウエハを貼着してなることを特徴とする光導
    波路用基板。
  2. 【請求項2】 シリコンウエハ表面に熱酸化膜を形成し
    た後、この熱酸化膜にガラスウエハを貼着することを特
    徴とする光導波路用基板の作製方法。
  3. 【請求項3】 シリコンウエハ表面に形成した熱酸化膜
    にガラスウエハを貼着した後、熱処理を行い、次いでガ
    ラスウエハを研磨してガラスウエハの厚さを所定の値に
    調整するようにした請求項2記載の作製方法。
  4. 【請求項4】 熱酸化膜に貼着されるガラスウエハの厚
    さが200μm以下であり、該貼着後の熱処理温度が2
    00〜500℃であり、熱処理後ガラスウエハを厚さ1
    0〜50μmになるまで研磨し、次いで1200〜13
    50℃で熱処理するようにした請求項3記載の作製方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003012497A1 (en) * 2001-07-31 2003-02-13 Asahi Optronics, Ltd. Quartz-plane light circuit element and process for producing the same
WO2020138053A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 日本電信電話株式会社 光信号処理装置および光信号処理装置の製造方法

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