JPH1010382A - 繊維強化光ファイバコードおよびその製造方法 - Google Patents
繊維強化光ファイバコードおよびその製造方法Info
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Abstract
化光ファイバ単心コードにおいては、マイクロベント等
による伝送損失が増加するとともに、製造加工性が劣る
という課題があった。 【解決手段】 光ファイバ素線3の外周に縦添えされる
補強繊維が、引張弾性率が6000kg/mm2 以上
で、かつフィラメント径が光ファイバ素線径の1/20
〜1/3である複数の有機繊維を、熱硬化性樹脂の硬化
により1〜5層の同心円状に結着した補強繊維束5であ
る。
Description
に関し、とりわけ石英ガラス等からなるコアおよびクラ
ッドの外周にバッファ層を一次被覆した光ファイバ素線
に補強繊維と熱硬化性樹脂とでさらに被覆した繊維強化
光ファイバコードおよびその製造方法に関する。
その製造方法として、本出願人が開発し既に特許され
た、特公平5−59056号公報および特公平5−17
853号公報に記載されたものがある。
ンゴムのバッファ層で一次被覆した光ファイバ素線の外
周に、縦添えした繊維をアリル系及び/又はメタクリル
酸系単量体含有不飽和ポリエステル樹脂の硬化により結
着した内殻層、スチレン系単量体含有不飽和ポリエステ
ル樹脂を繊維に含有させた繊維強化硬化性樹脂を硬化し
てなる外殻層、および熱可塑性樹脂からなる表面層を順
次積層してなる二次被覆を有し、外殻層と表面層とがア
ンカー接着されている強化光ファイバ単心コードであ
る。
覆光ファイバ心線の製造方法に関するものであって、フ
ッ素系熱可塑性樹脂を溶融被覆することにより、真円性
を保持した寸法制度の良好な直径5mm程度以下の繊維強
化連続棒状成型物の連続成形法である。
をウレタンアクリレート等のバッファ層で囲んだ光ファ
イバ素線を繊維強化硬化性樹脂で被覆してなるFRP被
覆光ファイバ心線は公知である。
いて、光ファイバケーブルが、幹線、中継、さらには末
端系へと整備されようとしているなかで、ケーブル本体
については細径化の検討が積極的に進められている。
ファイバ単心コードについても細径化が望まれている。
ここで、従来から使用されている光ファイバ単心コード
とは、外径0.4mmのシリコン緩衝層を有する光ファイ
バ素線に、アラミド繊維等の高強度・高弾性繊維を縦添
えし、軟質PVC等の熱可塑性樹脂で被覆したものがよ
く知られているが、外径が2.0mm程度あり、一度に多
数の光配線を必要とするエリアにおいては、それら単心
コードの束が占有する面積はきわめて大きなものとな
り、接続装置の容積も大きなものとなる。また、光ケー
ブルに使用される光テープを構成する光ファイバ素線の
外径は250μmが標準であるため、標準サイズのコネ
クターが使用できないといった点も問題である。
は、繊維補強されていないことから引張性能が不十分で
あり、また取扱い性(一定の曲げ剛性がないとコネクタ
ー部分での伝送損失が大きくなってしまう)からも単心
コードとして使用するには問題を有する。したがって、
光ファイバ素線の外径を150〜180μmに細径化
し、その外周にFRP被覆をし、引張性能、取扱い性を
向上した強化光ファイバが提案されている。
層が薄肉化されているため、側圧に対して容易に伝送特
性の劣化が招かれる。また、FRP被覆の厚さについて
も、35〜50μmときわめて薄いため、単糸切れやフ
ィブリル化が生じて取扱いの難しい細番手の補強繊維が
必要となってくる。
定の変動幅を有しており、この光ファイバ素線にFRP
被覆を行うと、この素線の外径変動によっても伝送損失
が増加してしまう。特に、素線の緩衝層厚さが、薄肉化
された光ファイバ素線については、この傾向が著しい。
添えして強化した光ファイバ心線が知られているが、繊
維が剛直であるため、細径化された光ファイバ素線に対
して、伝送損失を著しく増加させてしまう。また、細番
手の繊維を使用する必要から、FRP被覆加工段階での
ノズル通過性が低下し、工業的に安定した製造が困難で
ある。
素線を用いた繊維強化光ファイバ単心コードにおいて、
マイクロベント等による伝送損失を低減するとともに、
製造加工性に優れた細径の繊維強化光ファイバコードお
よびその製造方法を提供することにある。
め、本発明のうち請求項1に記載された繊維強化光ファ
イバコードは、光ファイバ素線の外周に補強繊維が縦添
えされてなる繊維強化光ファイバコードであって、前記
補強繊維は、引張弾性率が6000kg/mm2以上で、
かつフィラメント径が光ファイバ素線径の1/20〜1
/3である複数の有機繊維を、熱硬化性樹脂の硬化によ
り1〜5層の同心円状に結着した補強繊維束であること
を特徴とするものである。
繊維強化光ファイバコードの製造方法は、中央に光ファ
イバ素線を配し、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させてい
ない有機繊維束を該光ファイバ素線の外周囲に縦添え
し、該有機繊維束を案内板の透孔に挿通させて所定形状
に成形した後、未硬化の熱硬化性樹脂を外周面から浸透
させてさらに成形および硬化させることを特徴とするも
のである。
た繊維強化光ファイバコードの製造方法は、前記有機繊
維束は、引張弾性率が6000kg/mm2 以上で、かつ
フィラメント径が光ファイバ素線径の1/20〜1/3
である複数の有機繊維を、熱硬化性樹脂の硬化により1
〜5層の同心円状に結着したものであることを特徴とす
るものである。
長繊維状の補強繊維として高強度で低伸度のテンション
メンバ機能を維持するために、引張弾性率が6000k
g/mm2 以上あればよく、例えば芳香族ポリアミド(ア
ラミド)繊維、芳香族ポリエステル液晶(ベクトラン)
繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
(PBO繊維)、超高強度ポリエチレン繊維、ポリパラ
フェニレンベンゾビスチアゾール繊維(PBT繊維)な
どである。これらの有機繊維は、繊維の引張弾性率は高
いが、ガラス繊維のような剛直性を有していないために
光ファイバ素線の緩衝層への圧迫が小さく、伝送損失を
小さくすることができる。
には、例えばポリフェニレンスルフィッド(PPS)繊
維のような摺動性、あるいは耐摩耗性に優れた樹脂をス
キン層に配置した複合繊維や、同じく摺動性あるいは耐
摩耗性に優れたPBO繊維が好適である。
ファイバ素線径の1/3〜1/20の範囲であることが
好ましく、1/20未満の細径繊維では、単糸切れ、フ
ィブリル化等が発生して、FRP被覆加工段階でのノズ
ル通過性が極端に悪化して、安定した製造ができなくな
るとともに、機械的性能の低下や伝送損失の増加につな
がってくる。
補強繊維を同心円状に均一に配置することができず、F
RP厚さが不均一となって側圧耐久性が低下し、伝送損
失が増加する。
繊維が好ましい。撚りのある繊維では、光ファイバ心線
のマイクロベントを招いて伝送損失が大きくなってしま
う。従って、製造方法として、あらかじめ無撚りの繊維
ロービングを用意するか、あるいは繊維に撚りを加えな
い繊維ロービング供給方法(例えば横取り)を採用する
ことが好ましい。また、本発明の有機繊維は、表面荒さ
が1μm以下の平滑性を有していることが好ましい。細
繊化された有機繊維はフィブリル化しやすく、このため
繊維表面が凹凸状となって、光ファイバ素線の緩衝層を
不均一に圧迫し、伝送損失が増加することになるからで
ある。
て、本発明の有機繊維は、ガラス繊維、炭素繊維といっ
た無機繊維と比較して、繊維断面方向の剛直性が小さく
柔軟であることから、光ファイバ素線の外径変動を吸収
することができ、伝送損失を低減できる。
樹脂としては、ベンゼン核を有しない単量体である、ジ
アリルフタレート、トリアリルフタレートなどのアリル
系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレートな
どのアクリル酸エステル系単量体、メチルメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレートなどのメ
タクリル酸エステル系単量体を架橋成分とし、骨格樹脂
成分として、エポキシアクリレート(ノボラック型、も
しくはビスフェノール型)または不飽和ポリエステルが
例示される。
化性樹脂を含浸させていない有機繊維束をあらかじめ光
ファイバ素線に縦添えして成形することにより、光ファ
イバ素線を偏心させることなく、確実に有機繊維束の中
央に配置できるようになる。またその後、未硬化の熱硬
化性樹脂を外周面から浸透させることにより、光ファイ
バ素線の緩衝層近傍の熱硬化性樹脂の含有率が外周面に
比べて低くすることができるため、樹脂の硬化ひずみに
伴う伝送損失を低減できる。
成形および硬化させる方法としては、公知の方法が採用
でき、例えば特公平5−17853号公報に記載されて
いる方法、すなわち、フッ素系熱可塑性樹脂を環状に押
出被覆して、熱硬化性樹脂を硬化させた後、該フッ素系
熱可塑性樹脂による被覆樹脂層を剥離除去して繊維強化
光ファイバコードを得る方法が好適である。
ア径10μm、クラッド径125μmの石英系光ファイ
バの外周をウレタンアクリレートで160μmの外径に
被覆して緩衝層を形成した光ファイバ素線3を供給し、
その外周に補強繊維束5としてフィラメント径22.4
μm(25デニール)の芳香族ポリエステル液晶−PP
S複合繊維(株式会社クラレ製:Vecry-SAF )ロービン
グ7本を案内板7の透孔に挿通させて縦添えして、外径
0.5mmに成形した。その後、樹脂槽入口ガイド9によ
って0.25mmの外径とし、直ちにメタクリル酸エステ
ル系単量体含有ノボラック型ビニルエステル樹脂(三井
東圧化学株式会社製:エスターH2000HV)が入っ
た樹脂槽11に挿通して、補強繊維束5の外周面から該
熱硬化性樹脂を浸透させた。
通して、溶融状の4フッ化エチレン−6フッ化プロピレ
ン共重合体樹脂(三井フロロケミカル株式会社製:FE
P)を環状に押し出して被覆し、冷却水槽15に導いて
冷却固化し、被覆厚み0.1mmで内部が未硬化の繊維強
化光ファイバコードを得た。続いてこれを蒸気圧3.5
kg/cm2 で145℃に加熱された硬化槽17に導いて
内部の熱硬化性材料を硬化させ、鋭利な切断刃をセット
した被覆剥離装置19によってFEP被覆層を切開剥離
してFRP表面を露呈させ、引取装置21を通して、図
示しない製品用ドラムに巻き取った。
バは、図2に示すように、光ファイバ素線3の外周に補
強繊維束5が、熱硬化性樹脂たるメタクリル酸エステル
系単量体含有ノボラック型ビニルエステル樹脂(三井東
圧化学株式会社製:エスターH2000HV)の硬化に
より、複数層(同図では、2層)の同心円状に結着され
てなるものである。
ント径12μm(100デニール)のPBO繊維ロービ
ング(東洋紡株式会社製)を2本用いたこと以外は、実
施例1と同様にして繊維強化光ファイバコードを得た。
ント径10.7μm(70デニール)の芳香族ポリアミ
ド繊維ロービング(デュポン・東レケブラー株式会社
製:ケブラーK49)を3本用いたこと以外は、実施例1
と同様にして繊維強化光ファイバコードを得た。
ント径5μm(11.2テックス)のTガラス繊維ロー
ビング(日東グラスファイバー工業株式会社製)を3本
用いたこと以外は実施例1と同様にして繊維強化光ファ
イバコードを得た <評価>実施例1ないし3、比較例1の物性を表1に示
す。
波長1.3μmにおける伝送損失値が順に1.04dB/k
m ,0.98dB/km ,1.02dB/km であるのに対し、
比較例1では、測定不能であった。この点から、本発明
では、最終外径が250μm以下の細径でありながら、
伝送損失の増加を極少に抑えられることが分かる。
性に問題が少なく、特に実施例2では単糸切れがし難く
ノズルに蓄積物が無いといった優れた効果が実証され
た。
よれば、緩衝層が薄くなった細径の光ファイバ素線を用
いているにもかかわらず、耐側圧を向上させて伝送損失
の増加を極少に抑え、かつ最終外径が250μm以下の
従来にはない細径の繊維強化光ファイバコードが得られ
る。
ルが少なく、きわめて安定的に製品を得ることができ
る。
0μm以下の細径でありながら、耐側圧が向上して伝送
損失の増加が抑えられる繊維強化光ファイバコードを、
製造上のトラブルが少なく、きわめて安定的に得ること
ができる。
施する製造装置を示す概略図である。
面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 光ファイバ素線の外周に補強繊維が縦添
えされてなる繊維強化光ファイバコードであって、 前記補強繊維は、引張弾性率が6000kg/mm2 以上
で、かつフィラメント径が光ファイバ素線径の1/20
〜1/3である複数の有機繊維を、熱硬化性樹脂の硬化
により1〜5層の同心円状に結着した補強繊維束である
ことを特徴とする繊維強化光ファイバコード。 - 【請求項2】 中央に光ファイバ素線を配し、未硬化の
熱硬化性樹脂を含浸させていない有機繊維束を該光ファ
イバ素線の外周囲に縦添えし、該有機繊維束を案内板の
透孔に挿通させて所定形状に成形した後、未硬化の熱硬
化性樹脂を外周面から浸透させてさらに成形および硬化
させることを特徴とする繊維強化光ファイバコードの製
造方法。 - 【請求項3】 前記有機繊維束は、引張弾性率が600
0kg/mm2 以上で、かつフィラメント径が光ファイバ
素線径の1/20〜1/3である複数の有機繊維を、熱
硬化性樹脂の硬化により1〜5層の同心円状に結着した
ものであることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化
光ファイバコードの製造方法。
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---|---|---|---|
JP16462596A JP3596983B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 繊維強化光ファイバコードおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH1010382A true JPH1010382A (ja) | 1998-01-16 |
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JP16462596A Expired - Lifetime JP3596983B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 繊維強化光ファイバコードおよびその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7171087B2 (en) | 2004-03-29 | 2007-01-30 | Hitachi Cable, Ltd. | Optical fiber cable |
CN105417279A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-03-23 | 天津奥林奥克通信科技有限公司 | 一种自动放线设备 |
CN106873105A (zh) * | 2017-01-25 | 2017-06-20 | 湖北同广和新材料有限公司 | 高性能微预应力热塑型智能光纤棒及其制作方法 |
CN115657242A (zh) * | 2022-12-14 | 2023-01-31 | 江苏中天科技股份有限公司 | 一种细径纤维增强光缆及制造工艺 |
-
1996
- 1996-06-25 JP JP16462596A patent/JP3596983B2/ja not_active Expired - Lifetime
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