JPH10102990A - トンネル用セグメントの連結構造 - Google Patents

トンネル用セグメントの連結構造

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JPH10102990A
JPH10102990A JP8256609A JP25660996A JPH10102990A JP H10102990 A JPH10102990 A JP H10102990A JP 8256609 A JP8256609 A JP 8256609A JP 25660996 A JP25660996 A JP 25660996A JP H10102990 A JPH10102990 A JP H10102990A
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勝彦 向野
Kazunori Tsujimoto
和則 辻本
Hideki Higashihara
英樹 東原
Junichi Miyatake
順一 宮武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル周方向に連結する二つの前記セグメ
ント本体夫々の連結作業を効率化でき、連結部分の信頼
性を向上させ得るトンネル用セグメントの連結構造を提
供する。 【解決手段】 トンネル周方向に連接する第1,第2セ
グメント本体S1,S2の各突合せ部に、第1,第2ア
リ溝部M1,M2を個別に設け、トンネル軸芯方向端部
から第1,第2アリ溝部M1,M2に各別に嵌入自在で
あって互いの間隔が嵌入方向前方側ほど広く構成してあ
る二つの拡大縁部1,1を両側に備えた連結具Rを第
1,第2アリ溝部M1,M2に挿入して、第1,第2セ
グメント本体S1,S2を引付けるトンネル用セグメン
トの連結構造であって、連結具Rの一方の拡大縁部1
を、第1セグメント本体S1と第2セグメント本体S2
との組付け前に、予め第1アリ溝部M1に抜止部材4で
抜止め保持してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル周方向に
隣接させて組付けられる第1セグメント本体及び第2セ
グメント本体の夫々の突合せ部に、当該夫々の突合せ部
を突合わせた状態で対向するよう第1アリ溝部および第
2アリ溝部を個別に設けると共に、トンネル軸芯方向端
部から前記第1アリ溝部および第2アリ溝部に各別に嵌
入自在な二つの拡大縁部を両側に備え、且つ、夫々の拡
大縁部どうしの間隔が嵌入方向前方側ほど広く構成して
ある連結具を前記第1アリ溝部および第2アリ溝部に挿
入することで、前記二つの拡大縁部が前記夫々の突合せ
部を相対的に近接させるトンネル用セグメントの連結構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトンネル用セグメントの
連結構造(以下「セグメント連結構造」という)は、ト
ンネル周方向に隣接するトンネル用セグメント本体どう
しを連結する際に用いる。今、既に構築されたセグメン
トを既設セグメント本体と称し、当該既設セグメント本
体に対してトンネルの長手方向に連設する二つのトンネ
ル用セグメント本体を第1セグメント本体および第2セ
グメント本体と称する。前記第1セグメント本体と第2
セグメント本体とはトンネル周方向に互いに隣接し、前
記既設セグメント本体に対しては前記第1セグメント本
体を先に取り付けるものとする。従来においては、前記
第1セグメント本体と第2セグメント本体とに夫々設け
たアリ溝部に対して、一対の拡大縁部を有する楔形の連
結具を挿入し、双方のセグメント本体を互いに引き付け
て連結する構造のものがある。この場合には、前記連結
具を前記第1セグメント本体のアリ溝部に予め挿入した
状態で当該第1セグメント本体を前記既設セグメント本
体に取付け、その後、前記第1セグメント本体および前
記連結具に対して前記第2セグメント本体を取付ける、
いわゆる先付方式を採用することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の先
付方式によれば次のような問題があった。例えば、前記
第1セグメント本体を前記既設セグメント本体に取り付
ける際に、前記第1セグメント本体の姿勢によっては前
記連結具が前記アリ溝から脱落することがあり、前記第
1セグメント本体の取付作業に支障をきたす場合があっ
た。また、前記第2セグメント本体を取り付ける際に
は、前記第2セグメント本体が前記連結具に当接する
と、前記連結具が前記第1セグメント本体および前記第
2セグメント本体を引付けるだけの力を発揮する以前
に、前記連結具は前記既設セグメント本体の側に押し込
まれてしまう。つまり、前記第2セグメント本体の取付
けが終了した状態では、殆どの場合、前記連結具は前記
既設セグメント本体に当接する位置にあることとなる。
この場合には、前記第1セグメント本体のアリ溝部と前
記第2セグメント本体のアリ溝部との間隔と、前記連結
具の拡大縁部どうしの間隔とが適合していることが望ま
しいが、通常、幾分の誤差が生じる。例えば、拡大縁部
どうしの間隔が広過ぎる場合には、前記第1セグメント
本体と前記第2セグメント本体とを十分に引き付けるこ
とができなくなる。逆に前記拡大縁部どうしの間隔が狭
過ぎる場合には、後から取付ける前記第2セグメント本
体が前記既設セグメント本体に当接できなくなったり、
前記連結具がトンネル周方向に過大な引張力を受けて破
損したりする不都合が生じる。このように、前記先付方
式の場合には、適切な連結状態を得ることが困難な場合
があり、さらには、前記第2セグメント本体を取付けた
後の連結部材による引付け力を測定することも困難であ
った。以上のごとく、上記従来の連結具を用いた連結方
式においては種々の不都合があり、未だ改善の余地があ
った。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、トンネル周方向に連結する二つの前記セグ
メント本体夫々の連結作業を効率化でき、連結部分の信
頼性を向上させ得るトンネル用セグメントの連結構造を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成1)この目的を達成するための本発明に係るセグ
メント連結構造は、請求項1に記載したごとく、前記連
結具の一方の前記拡大縁部を、前記第1セグメント本体
と前記第2セグメント本体との組付けに先立ち、予め前
記第1アリ溝部に抜止部材を用いて抜止め保持した点に
特徴を有する。 (作用・効果)本構成であれば、前記第1セグメント本
体を前記既設セグメント本体に取り付ける際に、前記第
1セグメント本体の搬入姿勢あるいは取付姿勢などに起
因して前記連結具が前記アリ溝から脱落するのを防止で
き、前記第1セグメント本体の取付作業を円滑に行うこ
とができる。
【0006】(構成2)本発明のセグメント連結構造
は、請求項2に記載したごとく、発泡体を前記第1アリ
溝部に嵌入することで前記抜止部材とすることができ
る。 (作用・効果)一般に発泡体は大幅な体積収縮が可能で
ある。よって、発泡体で構成した抜止部材を前記第1ア
リ溝部に嵌入した場合でも、後に前記連結部材が既設セ
グメント本体の側に押し込まれる際に何ら障害とはなら
ない。また、変形自在な発泡体で抜止部材を形成するの
であれば、当該抜止部材を前記第1アリ溝部に嵌入取付
けする作業が容易となるばかりでなく、前記抜止部材を
前記第1アリ溝部の内部形状と厳密に一致させて形成し
ておく必要もなくなって抜止部材の生産性および抜止部
材の取付けに係る作業性が向上する。
【0007】(構成3)さらに、本発明のセグメント連
結構造は請求項3に記載したごとく、前記連結具の嵌入
方向後端に、トンネル軸芯方向に隣接する既設セグメン
ト本体に接当可能であって、前記第1セグメント本体及
び第2セグメント本体を前記既設セグメント本体に押し
付ける際に前記既設セグメント本体から一定以上の荷重
を受けた場合に変形可能な突出部材を設けて構成するこ
とができる。 (作用・効果)本構成のごとく、前記突出部材を備えた
セグメント連結構造によれば、前記第2セグメント本体
を、前記既設セグメント本体の側に押しつけていく際
に、当該第2セグメント本体と前記連結具との当接開始
位置を、前記第2セグメント本体の挿入方向手前側に設
定することができる。つまり、前記当接開始位置を、前
記第1セグメント本体に係るアリ溝の挿入方向奥側に設
定することができる。このことは、例えば、前記連結具
の双方の拡大縁部どうしの間隔に比べて挟持すべき前記
第1セグメント本体および前記第2セグメント本体に係
るアリ溝部の合計幅が小さい場合に有効である。この場
合、前記連結具は、前記第2セグメント本体に押される
際に、前記突出部材が前記既設セグメント本体に当接す
る位置で一旦停止する。この状態で、前記第2セグメン
ト本体は未だ前記既設セグメント本体に当接していな
い。さらに前記第2セグメント本体が押込まれ、当該第
2セグメント本体による押付け力が前記突出部材の変形
に必要な力を上回ると、前記連結具は双方のアリ溝部間
の寸法誤差を吸収すべく、前記既設セグメントの側に移
動する。この時、前記連結具は略一定の引張力で前記第
1セグメント本体と前記第2セグメント本体とを引き付
けることができる。以上のごとく、本発明のセグメント
連結構造によれば、前記アリ溝部あるいは前記連結具自
身の製作誤差を一定範囲まで許容しながら、前記セグメ
ント本体どうしを略一定の締結力で連結することができ
るから、連結部分の信頼性を向上させることができる。
【0008】(構成4)本発明のセグメント連結構造
は、請求項4に記載したごとく、前記突出部材を中空の
略円筒形状を有する部材で構成すると共に前記拡大縁部
の端部に設けることができる。 (作用・効果)本構成であれば、前記突出部材を極めて
簡単に構成できながら、圧縮変形する際には変形過程の
大部分に亘って略一定の圧縮抵抗力を発生させ得るとい
う変形特性を有する。この結果、前記突出部材の圧縮ス
トロークを大きく設定できることができ、前記連結具の
製作誤差等を比較的大きな範囲まで許容することができ
る。また、前記突出部材の構成が簡単であるから、当該
部材の設計・製作が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (連結具およびアリ溝部)本発明のトンネル用セグメン
トの連結構造の概要を図1に示すと共に、本発明に用い
る連結具Rの外観を図2および図3に示す。前記連結具
Rは略矩形状であって、当該連結具Rの挿入方向に沿っ
た両縁部には拡大縁部1が形成されていると共に、双方
の拡大縁部1は平板状の胴部2で連接されている。二つ
の前記拡大縁部1は、夫々第1セグメント本体S1およ
び第2セグメント本体S2に挿入されて双方のセグメン
ト本体S1,S2どうしを引付け連結できるよう前記連
結具Rの挿入方向奥側ほど広がったテーパー状に形成し
てある。
【0010】本発明に係る連結具Rは、既設セグメント
本体Sに接当可能な突出部材Tをその嵌入方向後端に備
えている。図2に示すごとく、前記突出部材Tは、例え
ば中空の円筒部材で構成する。この突出部材Tを、一方
の拡大縁部1の両端部のうち前記連結具Rの嵌入方向後
端側端部に取付ける。この取付けは、図2のごとく前記
拡大縁部1の後端に凹部3を形成して前記突出部材Tを
嵌入固定するものであってもよいし、接着剤を用いて行
ってもよい。前記突出部材Tは、前記連結具Rが所定の
押圧力で前記既設セグメント本体Sに押し付けられる際
に図3に示すごとく圧縮変形可能である。つまり、当該
突出部材Tが圧縮変形することで前記連結具Rは前記既
設セグメント本体Sの側に移動し、後述するごとく、前
記第1セグメント本体S1と前記第2セグメント本体S
2とを略一定力で引付け連結する。
【0011】(連結操作)前記既設セグメント本体Sに
対して前記第1セグメント本体S1および前記第2セグ
メント本体S2を取り付ける際には、前記連結具Rを予
め前記第1セグメント本体S1に取り付けておく先付方
式を用いる。前記第1セグメント本体S1に前記連結具
Rを取付ける際には、図4に示すごとく、前記突出部材
Tを設けていない側の拡大縁部1を前記第1セグメント
本体S1の第1アリ溝部に挿入し、前記突出部材Tを設
けた側は露出させておく。つまり、当該押付け側の拡大
縁部1に前記突出部材Tを設けておく方が、後で第2セ
グメント本体S2を押し付ける際に、前記第2セグメン
ト本体S2の押付力が作用する方向の略延長上に前記突
出部材Tを位置させることができ、前記第2セグメント
本体S2の押付けによって前記連結具Rに回転が生じ難
くなって都合がよいからである。
【0012】先付方式を用いる場合には、前記第1セグ
メント本体S1を前記既設セグメント本体Sに取り付け
る際に、前記第1セグメント本体S1の搬入姿勢あるい
は取付姿勢などに起因して前記連結具Rが前記第1アリ
溝部M1から脱落する場合がある。本発明のセグメント
連結構造においては、これを防止するために抜止部材4
を用いて前記連結具Rを前記第1アリ溝部M1に固定し
ておく。当該抜止部材4は例えば発泡体を用いて形成
し、前記第1アリ溝部M1を構成する筒溝部M1aと平
溝部M1bのうち特に筒溝部M1aに嵌入させる。一般
に発泡体は大幅な体積収縮が可能である。よって、抜止
部材4を発泡体で構成しておけば、前記第2セグメント
本体S2の押込みに際して前記連結具Rが既設セグメン
ト本体Sの側に押し込まれる際にも前記抜止部材4の存
在は何ら障害とはならない。また、変形自在な発泡体で
抜止部材4を形成するのであれば、当該抜止部材4を前
記第1アリ溝部M1に嵌入取付けする作業が容易となる
ばかりでなく、前記抜止部材4を前記第1アリ溝部M1
の内部形状と厳密に一致させて形成しておく必要もなく
なって抜止部材4の生産性および抜止部材4の取付けに
係る作業性が向上する。当該抜止部材4は、前記連結具
Rが前記第1アリ溝部M1の内部でスライド移動するの
を防止するために前記連結具Rの両側に配置するのが好
ましい。
【0013】前記連結具Rを用いた前記第1セグメント
本体S1と前記第2セグメント本体S2との連結過程を
図5(イ)〜(ニ)に示す。図5(イ)は、既に構築が
終了した前記第1セグメント本体S1と、当該第1セグ
メント本体S1の第1アリ溝部M1に挿入されている前
記連結具Rとに対し、前記第2セグメント本体S2を近
接させる過程を示している。この過程においては、前記
連結具Rと前記第2セグメント本体S2とは未だ当接し
ていない。また、前記連結具Rは前記抜止部材4によっ
て前記第1アリ溝部M1の内部に移動不可能な状態で位
置固定されている。前記第2セグメント本体S2の押付
けが進み、前記第2アリ溝部M2が、前記連結具Rの拡
大縁部1に当接した状態を示したのが図5(ロ)であ
る。さらに前記第2セグメント本体S2を前記既設セグ
メント本体Sの側に押込むと、前記第1アリ溝部M1と
前記拡大縁部1との間で滑りが生じ、前記連結具Rは、
その突出部材Tの先端部が前記既設セグメント本体Sに
当接するまで前記第1アリ溝部M1に沿って摺動する。
この摺動に伴い、前記連結具Rの胴部2のうち前記第1
セグメント本体S1から突出した部分の幅に余裕が生じ
るから、前記第2セグメント本体S2はさらに前記既設
セグメント本体Sの側に侵入可能となる。図5(ハ)
は、摺動してきた前記連結具Rの前記突出部材Tの先端
が前記既設セグメント本体Sに当接した状態である。こ
の摺動に伴い、前記抜止部材4は圧縮変形する。ただ
し、当該抜止部材4は発泡体などで構成してあるから圧
縮変形は容易に行われる。引続き前記第2セグメント本
体S2を押込むと、前記第2セグメント本体S2はさら
に侵入し、前記第1セグメント本体S1と前記第2セグ
メント本体S2との当接力が高まる。ただし、この段階
においては、前記突出部材Tに圧縮変形は生じない。つ
まり、前記双方の拡大縁部1がテーパー状に構成してあ
るから、前記第2セグメント本体S2を前記既設セグメ
ント本体Sの側に押付ける力の大部分は、両セグメント
本体S1,S2どうしを引付けるための分力となる。こ
のため、前記連結具Rを前記既設セグメント本体Sの側
に押付ける分力が、前記突出部材Tを圧縮変形させるの
に必要な力にまで未だ高まっていないのである。前記第
2セグメント本体S2をさらに押込み、前記連結具Rを
前記既設セグメント本体Sの側に押付ける分力が、前記
突出部材Tを圧縮変形させ得るまでに高まると、前記突
出部材Tは圧縮変形を生じさせ、やがて面外変形を生じ
させて、前記連結具Rが前記既設セグメント本体Sの側
に移動する。この結果、前記連結具Rは、前記第1アリ
溝部M1に係る平溝部M1bの幅が狭い側に移動するか
ら、双方の拡大縁部1間の空間に余裕が生じ、前記第2
セグメント本体S2がさらに侵入する。この状態におい
ては、前記第1セグメント本体S1と前記第2セグメン
ト本体S2との引付力は略一定に保たれる。
【0014】ここで、前記突出部材Tが圧縮変形する状
況について説明する。例えば、図6に示した形状の筒部
材5が有する変形特性を図7に示す。前記筒部材5を当
該筒部材5の軸芯X方向に圧縮すると、初期の段階すな
わち原点0からa点までのにおいては、前記筒部材5は
前記軸芯X方向に圧縮変形する。圧縮荷重Pがa点に達
した段階で、当該筒部材5は面外変形を生じ始める。そ
の後は、a点からb点に示すごとくしばらく押圧を続け
ても前記筒部材5に加わる荷重Pは増加せず面外変形の
みが進行する。b点に達すると前記面外変形は座屈に転
じ、前記筒部材5に加わる荷重Pはc点までやや急激に
低下する。c点で前記筒部材5の変形は略終了し、この
後、押圧を続けても圧縮変形は生じず荷重Pのみが増加
する。本発明においては、前記筒部材5が有する変形特
性のうち、a点からb点までの特性を利用する。つま
り、前記第2セグメント本体S2を押込む荷重Pのうち
前記連結具Rを前記既設セグメント本体Sの側に押付け
る分力が上記a点からb点までの間の荷重Pと等しいと
き、前記両セグメント本体S1,S2どうしを引付ける
ための分力が所定の荷重となるように前記拡大縁部1の
テーパー角度等を設定する。ただし、本実施形態におい
ては図3あるいは図4に示すごとく、中央部に鍔部6を
設けた突出部材Tを使用する。本構成であれば、上記筒
部材5を二つ連接した形状となって、一定の変形抵抗を
発生させ得る変形ストロークを長く確保することができ
る。この結果、前記連結具Rが比較的大きな製作誤差を
有する場合でも略一定の引付け力で前記両セグメント本
体S1,S2どうしを連結することができる。尚、前記
突出部材Tは、アルミニウム・銅・鉛、あるいは薄肉の
鋼材など比較的変形しやすい材料を用いて形成すること
ができる。つまり、これらの材料であれば塑性変形能が
安定しているから、所望の変形性状を有する前記突出部
材Tを容易に得ることができる。
【0015】図5(ニ)は、その後、さらに前記既設セ
グメント本体Sの側に押込まれた前記第2セグメント本
体S2が、前記既設セグメント本体Sに当接した状態を
示す。つまり、通常の連結過程が終了した状態である。
【0016】前記第1アリ溝部M1に係る平溝部M1b
の幅と前記第2アリ溝部M2に係る平溝部M2bの幅と
の合計幅が、双方の前記拡大縁部1どうしの間隔に対し
て狭い場合には、前記突出部材Tがそれほど圧縮変形し
ない状態で双方のセグメント本体S1,Sどうしの連結
が終了する。図8は、前記突出部材Tが全く圧縮変形し
ない状態を示す図であり、これは、双方の平溝部M1
b,M2bの合計幅が、双方の拡大縁部1どうしの間隔
に対して狭い場合の許容限界を示すものである。逆に、
前記突出部材Tが完全に圧縮変形して連結が終了する例
を示したのが図9である。これは、双方の平溝部M1
b,M2bの合計幅が、双方の拡大縁部1どうしの間隔
に対して広い場合の許容限界を示すものである。
【0017】従来の先付方式においては、前記双方の平
溝部M1b,M2bの合計幅と前記双方の拡大縁部1ど
うしの間隔とが一致していない場合、双方のセグメント
本体S1,S2どうしを適切に連結することは不可能で
あった。例えば、前記双方の平溝部M1b,M2bの合
計幅が狭い場合には、前記連結具Rは双方の第1・第2
アリ溝部M1,M2の内部でガタついたまま放置される
という不都合が生じていた。しかし、図8および図9に
示した例から明らかなごとく、本発明の連結具Rを用い
れば、前記第1・第2アリ溝部M1,M2あるいは前記
連結具R自身の製作誤差を一定範囲まで許容しながら、
前記第1・第2セグメント本体S1,S2どうしを略一
定の締結力で連結することができる。
【0018】尚、以上の説明は、主に、前記第1・第2
セグメント本体S1,S2が有するアリ溝部M1,M2
のうち、既設のセグメントリング側にあるアリ溝部M
1,M2に係る連結過程についてのものであるが、他方
のアリ溝部M1,M2についても締結要領は同じであ
る。即ち、図4に示したごとく、既に構築されたセグメ
ントリングに挿入される前記連結具R1であって、前記
第1セグメント本体S1あるいは前記第2セグメント本
体S2の側面で押込まれる連結具R1についても動作原
理は同じである。
【0019】(連結具等の製作許容誤差)前記連結具R
等が許容し得る製作誤差の範囲は、上述したごとく図8
の例と図9の例とに亘る範囲であると考えられる。説明
を簡単にするために、前記連結具Rの製作誤差はないも
のとし、前記第1セグメント本体S1および前記第2セ
グメント本体S2の夫々のアリ溝部M1,M2のテーパ
ー角度にも誤差はないものとする。つまり、製作誤差
は、前記第1セグメント本体S1および前記第2セグメ
ント本体S2の夫々において、前記平溝部M1b,M2
bの幅のみに生じると仮定する。まず、図8に示した例
のごとく、前記連結具Rの双方の拡大縁部1どうしの間
隔と比較して夫々の平溝部M1b,M2bの合計幅が狭
い場合について検討する。この場合、前記拡大縁部1ど
うしの間隔については、特に、前記突出部材Tが設けら
れた側の端部における間隔をD0 とする。一方、前記平
溝部M1b,M2bどうしの合計幅については、前記既
設セグメント本体Sに当接する端部における合計幅をD
とする。前記合計幅Dと前記間隔D0 との差は、前記突
出部材Tの突出長さHと、一方の拡大縁部1が連結具R
の挿入方向となすテーパー角度とから求めることができ
る。前記テーパー角度をL:1とすると、前記合計幅D
が採り得る最小値Dmin は、 Dmin = D0 − H×(1/L)×2 − である。一方、図9に示した例のごとく、前記合計幅D
が広い場合は、前記突出部材Tが最大に圧縮変形を受け
た場合の押込み方向の長さをhとすると、 Dmax = D0 − h×(1/L)×2 − である。よって、式および式から、前記合計幅Dの
採り得る範囲は、 Dmax − Dmin = (H−h)×2/L − となる。このように、本発明の連結具Rを用いる場合に
は、前記第1アリ溝部M1・前記第2アリ溝部M2の製
作誤差、あるいは、前記連結具R自身の製作誤差を一定
の範囲内で許容することができる。これは、原則として
前記連結具Rの製作誤差が許容されていなかった従来の
連結具Rを用いる場合と比較して、前記第1・第2セグ
メント本体S1,S2の生産性を向上させるものであ
る。以上のごとく、本発明のトンネル用セグメントの連
結構造によれば、トンネル周方向に連結する二つの前記
セグメント本体S1,S2夫々の連結作業を、セグメン
ト本体等の生産性をも含めて大幅に効率化することがで
き、連結部分の信頼性を向上させることができる。
【0020】〔別実施形態〕 〈1〉 上記実施形態では前記抜止部材4を前記第1ア
リ溝部M1のうち筒溝部M1aに設けたが、当該実施形
態に限られるものではなく、図10および図11に示す
ように前記抜止部材4に加えて前記平溝部M1bの内部
に設けるものであってもよい。この場合の抜止部材4A
としては,やはり発泡体を用いることができる。そし
て、当該抜止部材4Aを前記第1セグメント本体S1の
平溝部M1bと前記連結具Rの胴部2との間に取付け
る。この際、前記抜止部材4Aを前記胴部2の両面側に
取付けるか、或いは一面側のみに取付けるかは任意であ
る。ただし、両面側に取付けた方が、前記連結具Rが前
記第1セグメント本体S1の筒溝部M1aを中心に回転
した状態で固定されるのを有効に防止できるから、後の
前記第2セグメント本体S2の取付けが容易となってよ
り好ましい。
【0021】〈2〉 上記実施形態では前記突出部材T
は二つの前記拡大縁部1の一方側のみに設けたが、双方
の拡大縁部1の夫々に設けてもよい。この場合には、夫
々の突出部材Tを圧縮変形させるのに必要な荷重の合計
が、上記実施形態における単一の突出部材Tを圧縮変形
させるのに必要な荷重と等しくなるようにする。
【0022】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトンネル用セグメントの連結構造の概
要を示す説明図
【図2】本発明に係る連結具を示す平面図
【図3】変形後の突出部材を示す説明図
【図4】第2セグメント本体を連結する過程を示す説明
【図5】第2セグメント本体を連結する過程の詳細を示
す説明図
【図6】筒部材を示す斜視図
【図7】筒部材を圧縮変形させる際の圧縮変形量と荷重
との関係を示す説明図
【図8】連結部分に製作誤差がある場合の連結状態の一
例を示す説明図
【図9】連結部分に製作誤差がある場合の連結状態の他
の一例を示す説明図
【図10】別実施形態に係る連結具の固定態様を示す平
断面図
【図11】別実施形態に係る連結具の固定態様を示す縦
断面図
【符号の説明】
1 拡大縁部 4 抜止部材 S1 第1セグメント本体 S2 第2セグメント本体 M1 第1アリ溝部 M2 第2アリ溝部 R 連結具 S 既設セグメント本体 T 突出部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮武 順一 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番22 号 株式会社クボタ恩加島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル周方向に隣接させて組付けられ
    る第1セグメント本体(S1)及び第2セグメント本体
    (S2)の夫々の突合せ部に、当該夫々の突合せ部を突
    合わせた状態で対向するよう第1アリ溝部(M1)およ
    び第2アリ溝部(M2)を個別に設けると共に、 トンネル軸芯方向端部から前記第1アリ溝部(M1)お
    よび第2アリ溝部(M2)に各別に嵌入自在な二つの拡
    大縁部(1,1)を両側に備え、且つ、夫々の拡大縁部
    (1)どうしの間隔が嵌入方向前方側ほど広く構成して
    ある連結具(R)を前記第1アリ溝部(M1)および第
    2アリ溝部(M2)に挿入することで、 前記二つの拡大縁部(1,1)が前記夫々の突合せ部を
    相対的に近接させるトンネル用セグメントの連結構造で
    あって、 前記連結具(R)の一方の前記拡大縁部(1)を、前記
    第1セグメント本体(S1)と前記第2セグメント本体
    (S2)との組付けに先立ち、予め前記第1アリ溝部
    (M1)に抜止部材(4)を用いて抜止め保持してある
    トンネル用セグメントの連結構造。
  2. 【請求項2】 前記抜止部材(4)が、前記第1アリ溝
    部(M1)に嵌入した発泡体である請求項1に記載のト
    ンネル用セグメントの連結構造。
  3. 【請求項3】 前記連結具(R)の嵌入方向後端に、ト
    ンネル軸芯方向に隣接する既設セグメント本体(S)に
    接当可能であって、前記第1セグメント本体(S1)及
    び第2セグメント本体(S2)を前記既設セグメント本
    体(S)に押し付ける際に前記既設セグメント本体
    (S)から一定以上の荷重を受けた場合に変形可能な突
    出部材(T)を設けてある請求項1または2に記載のト
    ンネル用セグメントの連結構造。
  4. 【請求項4】 前記突出部材(T)が、前記拡大縁部
    (1)の端部に設けた中空の略円筒形状を有する部材で
    ある請求項3に記載のトンネル用セグメントの連結構
    造。
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