JPH10102974A - 立坑築造方法 - Google Patents

立坑築造方法

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JPH10102974A
JPH10102974A JP25959396A JP25959396A JPH10102974A JP H10102974 A JPH10102974 A JP H10102974A JP 25959396 A JP25959396 A JP 25959396A JP 25959396 A JP25959396 A JP 25959396A JP H10102974 A JPH10102974 A JP H10102974A
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JP
Japan
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tubular body
shaft
corrugating
erected
ground
Prior art date
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JP25959396A
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English (en)
Inventor
Kaoru Miyazaki
薫 宮崎
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KOPUROSU KK
Original Assignee
KOPUROSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚肉鋼管を使用せずに短時間で高強度の立坑
を築造することができ、安全性にも優れた立坑築造方法
を提供する。 【解決手段】 クラブバケット30で地中を掘削して形
成した上部立坑31内に第1管状体41を立設し、第1
管状体31内に波付成形機10を装入して第1管状体4
1に波付け加工を施し、次に、第1管状体41の下方を
掘削して下部立坑32を形成した後、地上から第1管状
体41内を通過させて第2管状体42を下部立坑32内
に立設し、第2管状体42内に波付成形機10を装入し
て第2管状体42に波付け加工を施し、以下、前記工程
を繰り返して立坑を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水道工事の推進
用立坑、ポンプマンホール、地下タンク、鉄柱基礎など
を築造するための立坑構築技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、地中に立坑を構築する方法の
一つとして、素堀り立坑の内面に枠付の曲面波状鋼板の
セグメントをボルト、ナットで結合して作業空間を形成
する、いわゆるライナープレート工法が採用されてき
た。この工法の場合、構築する立坑が浅い場合には特に
問題はないが、立坑が深くなると、地下水の噴出、周壁
の崩壊、有毒ガスの発生などが増加するため、作業時の
危険性も増大する。
【0003】これに対処するため、断面が円形の厚肉鋼
管を地中に揺動圧入した後、その内部をバケットで掘削
して立坑を構築する工法も広く採用されている。この工
法は、ライナープレート工法の危険性を解消し、掘削能
力を画期的に向上することができるため歓迎されている
が、地中に厚肉鋼管を埋設してしまうため、工事費が高
い。
【0004】そこで、本出願人は、これらの工法の問題
点を解決するため、立坑構築装置を開発し、特願平8−
85867号などで開示している。この立坑構築装置を
使用した工法では、厚肉鋼管で築いた立坑内部に薄肉鋼
管を挿入し、その底部にセットした立坑構築装置によっ
て、薄肉鋼管の底部から上部に向かって順次波付け成形
していき、それと並行して徐々に厚肉鋼管を地上に引き
抜いていくことにより、立坑を構築する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特願平8−85867
号などで開示している工法の場合、地中を掘削していく
際に、地山の崩落を防止するため厚肉鋼管などを地中に
挿入していく必要があり、また、最終的には、この厚肉
鋼管を地上に引き抜いて撤去する必要があるため、これ
らの作業に多くの手間を要している。また、この工法
は、立坑掘削が完了した後、地中に薄肉鋼管を挿入し、
この薄肉鋼管の底部から上部に向かって順次波付け成形
していくものであるため、立坑掘削が完了するまでは波
付け成形を開始することができない。このため、波付け
成形の開始が遅れがちであり、工事全体の延滞を招いて
いる。この傾向は立坑が深くなるほど顕著である。
【0006】また、掘削工事は、通常、地上から地下に
向かって行うのに対し、従来工法における波付け成形作
業は立坑の底部から地上に向かって行うものであるた
め、従来工法による波付け成形作業を、掘削工事などと
並行または連動させて実施しようしても、うまく連携が
とれず実施が困難である。特に、立坑が深い場合には、
掘削工事などと並行または連動して波付け成形作業を行
うことはほとんど不可能である。
【0007】さらに、図6(a)に示す拡径掘削機50
を使用して立坑を構築する場合、掘削作業が所定距離だ
け進むごとに土留めを行う必要があるため、特願平8−
85867号などで開示している工法と連携して工事を
進めることができない。
【0008】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、厚肉鋼管を使用せずに短時間で高強度の立坑を築造
することができ、安全性にも優れた立坑築造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明の立坑築造方法は、地中を掘削して形成した上部
立坑内に第1管状体を立設し、第1管状体内に拡管機能
を有する波付成形機を装入して第1管状体に波付け加工
を施し、次に、第1管状体の下方を掘削して下部立坑を
形成した後、地上から第1管状体内を通過させて第2管
状体を下部立坑内に立設し、第2管状体内に波付成形機
を装入して第2管状体に波付け加工を施して立坑を築造
することを特徴とする。
【0010】地中を掘削して形成した上部立坑内に第1
管状体を立設し、第1管状体内に拡管機能を有する波付
成形機を装入して波付け加工を施すと、第1管状体は波
形に成形されるとともに、その内径が増大するため、未
加工の第2管状体は第1管状体内を通過することができ
るようになる。
【0011】したがって、波付け加工が完了した第1管
状体の下方を掘削して下部立坑を形成すれば、地上にあ
る第2管状体を第1管状体内を通過させて下部立坑内ま
で運び込み、そこに立設することができる。そして、第
2管状体内に波付成形機を装入して波付け加工を施す
と、第2管状体は波形に成形される。
【0012】このように、上部立坑内に立設した第1管
状体に波付け加工を施すとその内径が増大するので、地
上にある未加工の第2管状体を、第1管状体内を通過さ
せて下部立坑内に運び込み波付け加工を施すことによ
り、立坑を築造することができる。立坑の掘削が、所定
距離(立設予定の管状体の長さ程度)進んだ時点で立坑
内に管状体を立設して波付け加工を施すので、地山の崩
落を防止するための厚肉鋼管などを使用する必要がな
い。また、管状体は波形に加工されることにより地山に
固定されるため、高強度の立坑を構築することができ
る。さらに、地上から地下に向かって立坑を築造するの
で、他の掘削工事などと連携して作業を進めることがで
きる。
【0013】また、本発明の立坑築造方法では、前記第
2管状体に波付け加工を施した後、前記工程と同様の工
程を繰り返すことにより、必要な深さの立坑を築造する
ことができる。すなわち、立坑の掘削が、所定距離(立
設予定の管状体の長さ程度)進むごとに、立坑内に管状
体を立設して波付け加工を施せば、その内径が増大する
ので、順次未加工の管状体を地上から立坑内に運び込ん
で波付け加工していくことにより必要な深さの立坑を築
造することができる。この場合も地山の崩落を防止する
ための厚肉鋼管などを使用する必要がなく、管状体は波
形に加工されることにより地山に固定されるため、高強
度の立坑を構築することができる。また、立坑全体を、
地上から地下に向かって築造していくことができるの
で、他の掘削工事などと連携して作業を進めることがで
きる。
【0014】本発明の立坑築造方法では、立坑内に立設
した未加工の管状体の上部を、波付け加工が完了した管
状体の下部に重ね合わせて波付け加工を施すこともでき
る。このように、未加工の管状体の上部を、波付け加工
が完了した管状体の下部に重ね合わせて波付け加工を施
すことにより、上下方向に隣接する管状体の端部付近が
互いに密着した状態で波形に成形されるため、強固な接
合が得られ、接合部分で管状体が分離することがない。
なお、強度を確保するため、接合部分では管状体の波形
が1山以上重なり合った状態とすることが望ましい。
【0015】さらに、本発明の立坑築造方法では、前記
方法により形成された管状体の重ね合わせ部分に水密性
を有するパッキン材を介在させてもよい。水密性を有す
るパッキン材を介在させることにより、重ね合わせ部分
の水密性が向上するため、立坑完成後の地下水の浸入を
防止することができる。
【0016】一方、本発明の立坑築造方法において、波
付成形機によって管状体に波付け加工を施す場合、管状
体の上部から下部に向かって作業を進めることができ
る。通常、管状体に波付け加工を施すと軸方向の長さが
収縮するため、立坑内の最上部に設置した管状体につい
てその上部から下部に向かって作業を進めることによ
り、上部が最初に地山に固定されるため、波付け加工の
進行に伴って上端部が下降していくのを防止することが
できる。また、管状体の上部の波付け加工を行っている
とき、管状体の下方空間において掘削工事を行うことも
可能となる。
【0017】さらに、波付け加工後の管状体の下部に未
加工の管状体の上部を重ね合わせて波付け加工を施す場
合、まだ拘束を受けていない未加工の管状体の上部から
波付け加工を開始することにより、未加工の管状体は、
波付け加工後の管状体の下部の波形に完全密着した状態
に変形するため、強固な接合が得られる。
【0018】また、本発明の立坑築造方法においては、
波付成形機によって管状体に波付け加工を施す場合、立
坑内に立設した管状体の下部から上部に向かって作業を
進めてもよい。管状体の下部から上部に向かって波付け
加工を施すことにより、加工作業の最初の段階で管状体
の下部が地山に固定されるため、下端部の上昇が阻止さ
れ、管状体下部のめくれ上がりや地山の露出を防止する
ことができる。また、この場合、予め管状体の長さに余
裕をもたせて立設した後、下部から上部に向かって波付
け加工を施せば、管状体下方の地山露出部分をより少な
くすることができる。
【0019】ここで、本発明の立坑築造方法において
は、立坑内の最下部に立設した管状体に波付け加工を施
す場合、管状体の下部から上部に向かって波付け加工を
施してもよい。前記したように、波付け加工を施すと管
状体の軸方向の長さが収縮するため、特に、立坑の最下
部に立設した管状体に対し、その上部から下部に向かっ
て波付け加工を施していくと、作業進行に伴い管状体の
下端部が徐々に上昇していき、波付け加工完了後は立坑
の底部付近の地山が露出したままになることがある。そ
こで、立坑の最下部に立設した管状体については、下部
から上部に向かって波付け加工を施すことにより、露出
した地山の残存を防止することができる。なお、最下部
に立設する管状体についても、波付け加工による収縮量
を見込んで長めのものを使用することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は実施の形態で使用する波付
成形機を示す平面図、図2は図1のA−A線断面図であ
る。
【0021】図1,2に示すように、波付成形機10は
上下2段に配置した上段成形機11と下段成形機12と
を備え、上段成形機11および下段成形機12にはそれ
ぞれ、拡縮自在な8台の成形シリンダ13,14を放射
状に配置し、各々の先端には円弧状の押し型16,17
を取付けている。また、上段成形機11の中心部に上下
動シリンダ18を設けることにより、上段成形機11と
下段成形機12との間隔を拡縮できるようにしている。
【0022】また、成形シリンダ13,14内の成形ピ
ストン19は、回り止めバー9により回転しないように
規制されているため、押し型16,17が傾斜すること
はない。なお、成形シリンダ13,14および上下動シ
リンダ18は、地上にある駆動機などから油圧を供給す
ることにより作動する。
【0023】ここで、図3を参照して、波付成形機10
によって管状体に波付加工を施す方法について説明す
る。まず、波付成形機10の成形シリンダ13,14を
収縮させて押し型16,17を引き込んだ状態にして、
波付成形機10を管状体20内の上部に装入する。そし
て、成形シリンダ13,14を伸展させることにより押
し型16,17を管状体20の内面に押し当て、波形に
成形する。
【0024】最初の部分の成形が終わったら、上段成形
機11はそのままにして、下段成形機12の成形シリン
ダ14を収縮させ押し型17を引き込んだ後、上下動シ
リンダ18を作動させて、下段成形機12を所定位置ま
で下降させる。
【0025】次に、下段成形機12の成形シリンダ14
を再び伸展させることにより押し型17を管状体20の
内面に押し当て、波形に成形する。このあと、下段成形
機12はそのままにして、上段成形機11の成形シリン
ダ13を収縮させ押し型16を引き込んだ後、上下動シ
リンダ18を作動させて上段成形機11を、先に下段成
形機12で波付加工した位置まで下降させ、成形シリン
ダ13を伸展させて押し型16を波形部分に当接させ
る。
【0026】そして、次に、上段成形機11はそのまま
にして、下段成形機12の成形シリンダ14を収縮させ
押し型17を引き込んだ後、上下動シリンダ18を作動
させて、下段成形機12を所定位置まで下降させた後、
下段成形機12の成形シリンダ14を再び伸展させるこ
とにより押し型17を管状体20の内面に押し当て、波
形に成形する。このように、波付成形機10の成形シリ
ンダ13,14および上下動シリンダ18を交互に作動
させることにより、波付成形機10を尺取り虫状に下降
させていき、管状体20全体に波付け加工を施す。
【0027】波付成形機10を使用して管状体20に波
付け加工を施した場合、図4に示すように、未加工の管
状体20bの内径よりも、波付け加工後の管状体20a
の内径の方が増大する。すなわち、波付け加工により増
径Dが生ずる。このため、未加工の管状体20bは、波
付け加工後の管状体20a内を通過して移動することが
できるようになる。
【0028】次に、図5を参照して、本発明の実施形態
である立坑築造方法について説明する。図5において8
は地上にあるクレーン車であり、ワイヤ7で吊り下げた
グラブバケット30により地中を掘削したり、同様にワ
イヤ7で吊り下げた波付け成形機10を立坑に出し入れ
することができる。
【0029】まず、図5(a)に示すように、グラブバ
ケット30で地中を掘削して立設予定の管状体の長さと
同程度の深さの上部立坑31を形成する。上部立坑31
の掘削が終ったらグラブバケット30を引き上げ、同図
(b)に示すように、上部立坑31内に第1管状体41
を立設し、その内部に拡管機能を有する波付成形機10
を装入する。そして、前述した方法により、第1管状体
41の上部から下部に向かって波付け加工を施してい
く。
【0030】第1管状体41の波付け加工が完了したら
波付成形機10を引き上げ、同図(c)に示すように、
再びグラブバケット30を装入し、第1管状体41の下
方を掘削して中部立坑32を形成する。
【0031】中部立坑32の掘削が終ったらグラブバケ
ット30を引き上げ、同図(d)に示すように、波付け
加工により内径が増大した第1管状体41内を通過させ
て第2管状体42を中部立坑32内に立設する。
【0032】そして、第2管状体42内に波付成形機1
0を装入し、第2管状体42の上部から下部に向かって
波付け加工を施していく。なお、このとき、同図(e)
に示すように、波付け加工が完了した第1管状体41の
下部と、未加工の第2管状体42の上部とが重なり合う
ようにして、波付け加工を施すことにより、波形が1山
程度重なり合った接合部28を形成する。接合部28を
形成することによって、第1管状体41と第2管状体4
2とが強く連結されるため、施工完了後に両者が分離す
ることがない。
【0033】さらに、接合部28には、水密性を有する
不乾性パッキンを介在させているため、この部分から地
下水などが浸入することもない。また、接合部28によ
って両者を連結する構造であるため、溶接が困難な薄肉
管であっても容易かつ確実に接合することができる。
【0034】第2管状体42の波付け加工が完了したら
波付成形機10を引き上げ、前記と同じ要領で、再びグ
ラブバケット30を装入し、第2管状体42の下方を掘
削して下部立坑33を形成していく。そして、下部立坑
33の掘削が完了したら、波付け加工により内径が増大
した第1管状体41および第2管状体42内を通過させ
て第3管状体43を下部立坑32内に立設し、前記の要
領で波付成形機10を使用して波付け加工を施すと、同
図(f)に示すような状態となる。このとき、第2管状
体42と第3管状体43とは、接合部28と同様の接合
部29で強固に連結されている。
【0035】このように、立坑内に立設した管状体に波
付け加工を施すと管状体の内径が増大するため、地上に
ある未加工の管状体を、波付け加工が完了した管状体内
を通過させて順次立坑内に運び込んで波付け加工するこ
とができるようになり、これによって、所定深さの立坑
を短時間で築造することができる。また、掘削後の立坑
を保持するための厚肉鋼管などを使用する必要がなく、
管状体は波形に加工されることにより地山に固定される
ため、高強度の立坑を構築することができる。また、立
坑全体を地上から地下に向かって築造していくことがで
きるので、掘削工事などと連携して作業を進めることが
でき、立坑内に人間が入る必要がないため安全である。
【0036】また、所定長さの掘削を行うたびに、管状
体を立設し、波付け加工を施していくため、立坑掘削面
の自立の条件が緩和される。すなわち、立坑の暴露面が
広い場合、あるいは暴露時間が長い場合であっても、自
立状態は良好であり、地山の崩落などが発生することは
ない。
【0037】なお、本実施形態では、立坑内に立設した
管状体の上部から下部に向かって波付け加工を施すこと
により、第1管状体41については、その上部が最初に
地山に固定されるため、管状体の軸方向の収縮によって
下降することはない。また、波付け加工後の管状体の下
部に、未加工の管状体の上部を重ね合わせて波付け加工
するときも、まだ拘束を受けていない未加工の管状体の
上部から波付け加工を開始することにより、完全に密着
する状態まで変形させることができる。
【0038】一方、立坑内に立設した管状体の上部から
下部に向かって波付け加工を施した場合、波付け加工後
の管状体の下端部は未加工のときより上昇するので、例
えば、図5(f)に示すように、最下部にある第3管状
体43下方の底部には、地山が露出した壁面45が残る
ことになる。
【0039】そこで、立坑の最下部に立設する管状体に
ついては、予め収縮量を見込んで長めのものを使用し、
その管状体の下部から上部に向かって波付け加工を施し
ていくことにより、立坑の底部付近に地山が露出した壁
面が残存するのを防止することができる。
【0040】なお、最下部以外に立設した管状体につい
ても、下部から上部に向かって波付け加工を施すことが
できる。これによって、加工作業の最初の段階で管状体
下部が地山に固定されるため、管状体の下端部の上昇が
阻止され、管状体下部のめくれ上がりや地山の露出を防
止することができるというメリットがある。この場合
も、管状体の長さに予め余裕をもたせて立設し、下部か
ら上部に向かって波付け加工を施すことが望ましい。
【0041】前述したように、本発明の立坑築造方法の
場合、立坑に立設した管状体の上部から下部に向かって
波付け加工を施すことができるため、波付け加工中の管
状体の下方空間において波付け加工と並行して掘削工事
を行うことも可能である。そこで、図6,7を参照し
て、拡径掘削装置を使用した場合の立坑築造方法につい
て説明する。
【0042】拡径掘削装置50は、掘削壁面51をクラ
ンプ手段52でクランプして反力をとり、掘削カッタ5
3を回転させる。掘削カッタ53には、先行掘削カッタ
54が出入りして先行立坑55を削孔する。先行立坑5
5は拡径掘削装置50の方向精度を向上する役目を果た
す。掘削カッタ53や先行掘削カッタ54で掘削した土
砂は真空吸引ホース56を通じて地上に排出される。な
お、57は拡径掘削装置50を作動させるための油圧ホ
ースである。
【0043】本実施形態では、図6に示すように、地中
を掘削する拡径掘削装置50の上方に、ワイヤ7で吊り
下げた波付成形機60を装入し、油圧ホース58で圧送
されるオイルで波付成形機60を作動させる。拡径掘削
装置50によって掘削された立坑の深さが、立設予定の
管状体の長さ程度に達したら、地上から立坑内に第1管
状体61を運び込んで立設し、波付成形機60により波
付け加工を施す。なお、波付け加工中も、拡径掘削装置
50による掘削作業を並行して実施することができる。
【0044】第1管状体61の波付け加工完了後、第1
管状体61の下方において、拡径掘削装置50で掘削中
の立坑の深さが立設予定の管状体の長さ程度に達した
ら、波付け加工によって内径が増大した第1管状体61
内を通過させて第2管状体62を運び込んで立坑内に立
設し、波付成形機60により第2管状体62に波付け加
工を施す。以下、このような操作を繰り返すことにより
立坑を築造する。
【0045】このように、本実施形態の立坑構築方法に
よれば、拡径掘削装置50で掘削された立坑の深さが管
状体の長さ程度に達するごとに、地上から立坑内に順次
管状体を運び込んで立設し、波付成形機60により波付
け加工を施す。すなわち、拡径掘削装置50による掘削
作業と並行して、立坑内への管状体の立設および波付成
形機60による波付け加工を行うことができるため、厚
肉鋼管などを使用する必要がなく、極めて短時間で立坑
を築造することができる。また、作業中、立坑内に人間
が入る必要がないため安全である。
【0046】本実施形態では、地上から拡径掘削装置5
0に連結されている真空吸引ホース56や油圧ホース5
7によって、拡径掘削装置50および波付成形機60に
よる作業が互いに干渉し合うことのないように、図7に
示すように、波付成形機60の成形シリンダ48,49
を外周寄りに配置するとともに、成形シリンダ48,4
9間の距離を変更する上下動シリンダ47も外周寄りに
配置することにより、中心部分に貫通孔46を形成して
いる。
【0047】立坑築造が完了した時点において、管状体
は波付け加工により内径が増大しているため、成形シリ
ンダ48,49を縮径させて波付成形機60を地上に引
き上げた後、クランプ手段52を縮径させて拡径掘削装
置50を地上まで引き上げることができる。なお、拡径
掘削装置50を引き上げた後、立坑の最下部に残る地山
露出部分については、前述と同様、最下部に長めの第3
管状体63を立設し、再び波付成形機60を装入して、
この管状体の下方から上方に向かって波付け加工するこ
とにより、図6(b)に示すように、立坑の最下部に地
山露出部分のない立坑を築造することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0049】(1)請求項1記載の立坑築造方法によれ
ば、立坑の掘削が立設予定の管状体の長さ程度進むごと
に、立坑内に管状体を立設して波付け加工を施していく
ため、厚肉鋼管などを使用せず、高強度の立坑を構築す
ることができる。また、掘削工事と連携して作業を進め
ることができるため、短時間で立坑を築造することがで
き、立坑内に人間が入る必要がないので安全である。
【0050】(2)請求項2記載の立坑築造方法によ
り、必要な深さの立坑を築造することができる。この場
合も厚肉鋼管などは不要で、高強度の立坑を構築するこ
とができ、他の掘削工事などと連携して短時間で立坑を
築造することができる。
【0051】(3)所定の長さの掘削を行うたびに、管
状体を立設して、波付け加工を施していくため、立坑掘
削面の自立の条件が緩和され、立坑の暴露面が広い場
合、あるいは暴露時間が長い場合であっても、自立状態
は良好であり、地山の崩落などが発生しない。
【0052】(4)立坑内に立設した未加工の管状体の
上部を、波付け加工が完了した管状体の下部に重ね合わ
せて波付け加工を施すことにより、上下方向に隣接する
管状体の端部分が互いに密着した状態で波形に成形され
るため、強固な接合が得られ、接合部分での管状体の分
離を防止することができる。
【0053】(5)管状体の重ね合わせ部分に水密性を
有するパッキン材を介在させることにより、重ね合わせ
部分の水密性が向上するため、立坑完成後の地下水の浸
入を防止することができる。
【0054】(6)管状体の上部から下部に向かって波
付け加工を施すことにより、立坑内の最上部に設置した
管状体については上端部の下降を防止することができ、
管状体同士の接合部分においては強固な接合が得られ、
さらに、波付け加工中の管状体の下方空間において掘削
工事を行うことも可能となる。
【0055】(7)管状体の下部から上部に向かって波
付け加工を施すことにより、下端部の上昇が阻止される
ため、管状体の下部のめくれ上がりや地山の露出を防止
することができる。
【0056】(8)立坑内の最下部に立設した管状体に
対して、その下部から上部に向かって波付け加工を施す
ことにより、立坑底部における地山の露出を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波付成形機を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】波付成形機による波付加工状態を示す説明図で
ある。
【図4】管状体の拡管状態を示す説明図である。
【図5】立坑築造方法を示す説明図である。
【図6】拡径掘削機を使用した立坑築造方法を示す説明
図である。
【図7】波付成形機による波付加工状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
7 ワイヤ 8 クレーン車 9 回り止めバー 10,60 波付成形機 11 上段成形機 12 下段成形機 13,14,48,49 成形シリンダ 16,17 押し型 18,47 上下動シリンダ 19 成形ピストン 20 管状体 20a 加工後の管状体 20b 未加工の管状体 28,29 接合部 30 グラブバケット 31 上部立坑 32 中部立坑 33 下部立坑 41,61 第1管状体 42,62 第2管状体 43,63 第3管状体 46 貫通孔 50 拡径掘削装置 51 掘削壁面 52 クランプ手段 53 掘削カッタ 54 先行掘削カッタ 55 先行立坑 56 真空吸引ホース 57 油圧ホース D 増径

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中を掘削して形成した上部立坑内に第
    1管状体を立設し、前記第1管状体内に拡管機能を有す
    る波付成形機を装入して前記第1管状体に波付け加工を
    施し、 次に、前記第1管状体の下方を掘削して下部立坑を形成
    した後、地上から前記第1管状体内を通過させて第2管
    状体を前記下部立坑内に立設し、前記第2管状体内に前
    記波付成形機を装入して前記第2管状体に波付け加工を
    施すことを特徴とする立坑築造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2管状体に波付け加工を施した
    後、請求項1記載の工程と同様の工程を繰り返すことを
    特徴とする立坑築造方法。
  3. 【請求項3】 立坑内に立設した未加工の管状体の上部
    を、波付け加工が完了した管状体の下部に重ね合わせて
    波付け加工を施すことを特徴とする請求項1,2記載の
    立坑築造方法。
  4. 【請求項4】 前記管状体の重ね合わせ部分に水密性を
    有するパッキン材を介在させた請求項3記載の立坑築造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記立坑内に立設した管状体の上部から
    下部に向かって波付け加工を施すことを特徴とする請求
    項1〜4記載の立坑築造方法。
  6. 【請求項6】 前記立坑内に立設した管状体の下部から
    上部に向かって波付け加工を施すことを特徴とする請求
    項1〜4記載の立坑築造方法。
  7. 【請求項7】 前記立坑内の最下部に立設した管状体の
    下部から上部に向かって波付け加工を施すことを特徴と
    する請求項1〜4記載の立坑築造方法。
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