JP4344762B2 - 掘削方法および掘削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤における掘削方法と掘削装置に関し、特にケーソン(PCウエルを含む)の圧入沈設による立て坑の構築に際して、そのケーソンの刃先下を拡底または拡径するような形態で掘削するのに好適な掘削方法と掘削装置に関するものである。
大深度地下の有効利用を目的に国土交通省にて「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が平成13年4月1日より施行されている。
上記特別措置法における大深度地下とは少なくとも40メートル以深の地下のことを指しており、そのために大深度地下空間と地上とを連絡させる立て坑の構築ニーズが増大し、より大きい径にて、より深く、且つ安全に構築できる技術を目標に各種の工法が開発されている。これらの立て坑の構築にはケーソン沈設工法により構築されるケースが多い。
その一方、硬質地盤(軟岩、中硬岩を指す)を掘削しながらケーソンを圧入・沈設しようとする場合において、ハンマーグラブ等の既存設備による掘削ではケーソンの刃先下の掘削ができず、そのために例えば特許文献1〜4に記載のようにケーソン刃先下の掘削を可能とする各種拡径掘削装置が提案されている。
これらの掘削装置は、ケーシングパイプの外周に掘削翼を取り付けた拡径掘削装置となっていて、掘削翼で掘削した土砂をケーシングパイプ内に取り込んだ上でグラブバケット等により排土するようにしている。
より具体的には、上記特許文献1〜4に記載に代表されるような従来の技術では、ケーシングを把持してこれを回転させながら地中に押し込む回転押し込み装置と、上記ケーシングに装着された拡径掘削翼とを備えているとともに、その拡径掘削翼には掘削刃が植設されていて、上記回転押し込み装置にてケーシングを回転させながら押し込むことにより硬質地盤の掘削を可能としている。この場合、掘削された土砂はケーシングの周囲に開口形成した土砂取り込み口からケーシング内部に取り込まれるようになっていて、ケーシング内に取り込んだ土砂をハンマーグラブまたはグラブバケット等にて掴んで排土している。
特許第2674731号公報 特許第3031876号公報 特開2005−98048号公報 特開2004−176530号公報
しかしながら、上記のような各種の従来の技術では、掘削対象地盤が硬質地盤であってその地質が粘性質土系の場合には、掘削された後に土砂と水が掘削翼にてかき混ぜ合わされることにより、粘着性の高い泥土へと変化する(いわゆるヘドロ化現象)。ヘドロ化した土砂は、拡径掘削翼とケーシングの交点付近(ケーシングに対する拡径掘削翼の根元付近)にて滞留したり、あるいはその滞留により再度締め固め状態となって掘削翼全体に付着することになる。その結果、ケーシング内への掘削土砂の取り込み効率が悪くなるともに、掘削翼に付着した土砂重量の増加に伴いケーシングを把持している回転押し込み装置の把持能力が限界に達し、様々な二次的不具合の発生が余儀なくされる。
その一方、ケーシングの周囲に開口形成してある土砂取り込み口の拡大化はケーシングそのものの強度の上で自ずと限界があり、そのために掘削土砂のケーシング内への取り込み効率向上のために拡径掘削翼をケーシングとともに間歇的に上下動させることも一部で行われているが、この場合には掘削効率を犠牲にすることで初めて成り立つ手法であり、工期の延長やコストアップを招く要因となって好ましくない。
このようなことから、掘削土砂をスムーズにケーシング内に取り込むことにより、掘削工程あるいは工期の短縮を可能とし、コストダウンに繋がるような掘削土砂の効率的な取り込み方法についての開発要請があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけ先行掘削孔を拡径するようにして所定口径の立て坑に仕上げる拡径掘削工程を含んでなる工法を前提として、少なくとも拡径掘削によって発生した土砂をケーシング内に取り込み易くした掘削方法と掘削装置を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、ケーシングチューブの外周に装着された先行掘削翼にて地盤に孔を掘削してケーシングチューブ径よりも大径の先行掘削孔とする先行掘削工程と、上記先行掘削と並行して、ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも上方位置に装着された拡径掘削翼にて先行掘削孔を拡径するように掘削して立て坑とする拡径掘削工程と、上記ケーシングチューブ内の土砂を排土する排土工程と、を含んでいる。そして、上記拡径掘削工程では、当該拡径掘削によって発生した土砂を、先行掘削孔とケーシングチューブとの隙間を通して先行掘削孔の底部に落下させるとともに、ケーシングチューブのうち拡径掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した拡径掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込む一方、上記先行掘削工程では、当該先行掘削によって発生した土砂を上記拡径掘削翼側から落下してきた土砂とともにケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した先行掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込むことを特徴とする。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、拡径掘削の際に先行掘削孔とケーシングチューブとの間に常に所定の隙間が確保されることから、拡径掘削によって発生した土砂は、従来のように拡径掘削翼の根元部に滞留することなく、その一部の土砂はケーシングチューブのうち拡径掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した拡径掘削用の土砂取り込み口から直接ケーシングチューブ内に取り込まれることになる一方、残部の土砂は上記隙間を通って落下して先行掘削孔の底部に落下し、先行掘削によって発生した土砂と合流することになる。これらの土砂は、ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した先行掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込まれて、ケーシングチューブ内を昇降するハンマーグラブ等の排土手段にて掴み取ることが可能であることから、この排土手段にてケーシングチューブ外に排土されることになる。
上記工法においては、請求項2に記載のように、拡径掘削翼として拡縮径可能なものを用いることが望ましい。
また、請求項3に記載のように、ケーシングチューブのうち拡径掘削翼と先行掘削翼との間に螺旋状の補助翼を設けておき、上記拡径掘削翼で掘削した土砂を、その拡径掘削翼の掘削回転に伴い補助翼にて先行掘削孔内に押し込むことが掘削土砂の効率的集約化の上で望ましい。その結果、拡径掘削によって発生した土砂を積極的に先行掘削孔の底部側ひいてはケーシングチューブ内に取り込むことが可能となる。
もちろん、上記の各工法は、請求項4に記載のように、ケーソンの内部またはケーソンの刃先下の掘削に用いることが可能である。
ここで、予め定められた深さの立て坑を構築するにあたり、その立て坑の深さの全長にわたって請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の方法にて掘削を行うことができるほか、その立て坑の深さの途中まで掘削が進行したならば、その途中段階から以深の掘削を請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の方法にて行うこともでき、請求項5,6に記載の発明はこれらのことを明確化している。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の技術を実質的に掘削装置として捉えたものであって、先行掘削孔よりも小径のケーシングチューブと、このケーシングチューブの外周に装着され、当該ケーシングチューブよりも大径で且つ拡径掘削径よりも小径の先行掘削孔の掘削が可能な先行掘削翼と、上記ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成された先行掘削用の土砂取り込み口と、上記ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも上方位置に装着された拡径掘削翼と、上記ケーシングチューブのうち拡径掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成された拡径掘削用の土砂取り込み口と、上記ケーシングチューブを把持した上でそのケーシングチューブを拡径掘削翼や先行掘削翼とともに回転させながら地中に押し込む回転押し込み手段と、上記ケーシングチューブ内を昇降動作してそのケーシングチューブ内の土砂を掴んだ上でケーシングチューブ外に排土する排土手段と、を備えたことを特徴とする。
この場合において、請求項2の記載と同様に、上記拡径掘削翼は拡縮径可能なものであることが望ましく、さらに、上記拡径掘削翼は水平方向に相対移動可能な固定翼と可動翼とで拡縮径可能に構成されていることが望ましく、請求項8,9の記載の発明はこれらのことを明確化している。
請求項1,2に記載の発明によれば、拡径掘削翼にて拡径掘削を行う際には、ケーシングチューブと先行掘削孔との間に常に所定の隙間が確保されることになるため、拡径掘削によって発生した土砂が従来のように拡径掘削翼の根元部等に滞留してしまうことがなく、一部の土砂は拡径掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内の直接取り込まれることになる一方、残部の土砂は上記隙間から先行掘削孔の底部に落下して、先行掘削によって発生した土砂と合流した上で先行掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込まれることになり、拡径掘削および先行掘削ごとに独立したそれぞれの土砂取り込み口からケーシングチューブ内への土砂の取り込みが行われることで、土砂の取り込み効率が大幅に向上する。また、先行掘削と拡径掘削とが同時並行的に行われるため、作業性が向上して、掘削工程もしくは工期の大幅な短縮が可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、螺旋状の補助翼のはたらきにより、拡径掘削で発生した土砂の先行掘削孔側への押し込み効果が期待できるため、その先行掘削孔側への土砂の取り込み効率が飛躍的に向上する。
請求項4に記載の発明によれば、上記各工法にてケーソンの内部またはケーソンの刃先下の掘削を行うものであるため、土砂の取り込み効率の向上に伴いケーソンの圧入沈設作業も効率良く行える。
図1は本発明に係る掘削方法および掘削装置での前提となる工法の基本概念を示す説明図である。
この基本工程では、図1の(B)に示す直径D3の所定深度の立て坑H2を構築するにあたり、同図(A)に示すように直径D2の先行掘削孔H1を先行掘削する先行掘削工程と、同図(B)に示すようにその先行掘削孔H1を直径D3まで拡径しながら同径の立て坑H2に仕上げる拡径掘削工程とに分けて施工を行うものとする。
図1の(A)の先行掘削工程では、掘削すべき先行掘削孔H1の直径D2と同等の直径のパイプ状の先行掘削用ケーシングチューブ1と、この先行掘削用ケーシングチューブ1の駆動装置として機能する回転押し込み装置2と、排土手段であるハンマーグラブ3を併用して施工を行うものであり、先行掘削用ケーシングチューブ1の先端には複数の掘削刃4を植設してある。上記回転押し込み装置2は全旋回式オールケーシング掘削機の駆動部と同等の機能を有するものであり、先行掘削用ケーシングチューブ1をチャッキング(把持)した上でこれを回転駆動させる機能と、その先行掘用ケーシングチューブ1の回転駆動と並行して先行掘削用ケーシングチューブ1に推力を付与して地中に圧入する機能とを有している。
したがって、図1の(A)の先行掘削工程では、先に述べたように回転押し込み装置2のチャック部でチャッキングした先行掘削用ケーシングチューブ1を回転駆動しながら地中に圧入し、それと並行して先行掘削用ケーシングチューブ1内においてハンマーグラブ3を昇降動作させて、掘削中の先行掘削孔H1の底部に相当する先行掘削用ケーシングチューブ1内の土砂、すなわち先行掘削用ケーシングチューブ1の先端部が切り出した土砂をハンマーグラブ3で掘削しつつ掴んでは先行掘削用ケーシングチューブ1外に排土する。
なお、掘削深度の増大に伴い、その先行掘削用ケーシングチューブ1を構成しているところの単位要素であるケーシングピース1aを既設の先行掘削用ケーシングチューブ1の上端に順次継ぎ足しながら施工を行うものとする。そして、所定深度に達したならば先行掘削用ケーシングチューブ1を抜き上げることにより、上記先行掘削用ケーシングチューブ1の径D2と同等径の先行掘削孔H1が形成されることになる。
この先行掘削に続く図1の(B)の拡径掘削工程では、拡径掘削機5と、同図(A)に示したものと同様の回転押し込み装置2Aと、排土手段であるハンマーグラブ6を併用して施工を行うものとする。
拡径掘削機5は、同図(B)のほか図2に示すように、図1の(A)の先行掘削用ケーシングチューブ1よりも小径のパイプ状のケーシングチューブ7の周囲に例えば3組の略ブレード状の拡径掘削翼8を等ピッチで装着したものであり、これらの拡径掘削翼8の先端である最大直径部が描く軌跡の直径は先の構築すべき立て坑H2の直径D3と同じ大きさに設定されている。これにより、上記ケーシングチューブ7の直径D1と先行掘削孔H1の直径D2および立て坑H2の直径D3との相互関係は、D1<D2<D3となるように予め設定されている。
また、ケーシングチューブ7のうち拡径掘削翼8の下側根元部と同等高さ位置であってあって且つそれらの拡径掘削翼8と干渉しない位置には、ケーシングチューブ7の内外を連通するべく略矩形状の土砂取り込み口9を開口形成してあるとともに、拡径掘削翼8の下面、および拡径掘削翼8よりも下側に残されたケーシングチューブ7の一般部の先端には、先行掘削用ケーシングチューブ1と同様に複数の掘削刃4を植設してある。そして、各拡径掘削翼8の下面はテーパ状に形成してあり、したがって拡径掘削翼8の下面がその回転によって描く軌跡は略円錐形状のものとなるように設定してある。
なお、上記の各拡径掘削翼8は、図11に示すように固定翼8aとこれに重合するように配置された可動翼8bとで形成されていて、直動型アクチュエータ等により可動翼8bを固定翼8aに沿ってスライド変位させることで拡縮径可能となっているものであるが、この構造の詳細については後述する。
したがって、図1の(B)に示した拡径掘削工程では、回転押し込み装置2Aが把持したケーシングチューブ7の先端部を先行掘削孔H1の内部に同心状に挿入する一方、そのケーシングチューブ7に付帯してる拡径掘削翼8を拡径状態とした上でケーシングチューブ7とともに回転駆動しながら地中に圧入して、先行掘削孔H1を拡径するように掘削して所定口径D3の立て坑H2に仕上げることになる。これと並行して、ケーシングチューブ7内においてハンマーグラブ6を昇降動作させて、上方から順に拡径されることになる先行掘削孔H1の底部に相当する位置に溜まった土砂をハンマーグラブ6で掘削しつつ掴んではケーシングチューブ7外に排土する。
この拡径掘削の過程においては、先行掘削孔H1の直径D2とケーシングチューブ7の直径D1とがD1<D2の関係にあるため、ケーシングチューブ7と先行掘削孔H1の内周面との間にはD1とD2との差に相当する隙間Aが常時確保されていることになる。そのため、拡径掘削翼8によって掘削された土砂はその拡径掘削翼8の回転に伴いケーシングチューブ7に近い部分、すなわちケーシングチューブ7に対する拡径掘削翼8の根元部近くに集められた上で上記隙間Aを通って先行掘削孔H1の底部に集められることになる。同時に、一部の土砂はケーシングチューブ7に開口形成されている土砂取り込み口9からケーシングチューブ7内に取り込まれた上で先行掘削孔H1の底部に落下することになる。
したがって、拡径掘削によって発生した土砂が従来のように拡径掘削翼8の根元部付近に滞留したり、あるいはその滞留により再度締め固め状態となって拡径掘削翼8全体に付着することもなくなり、先行掘削孔H1の底部側への掘削土砂の取り込み効率がきわめて良好なものとなる。そして、先行掘削孔H1の底部に集められた土砂は先に述べたようにケーシングチューブ7内を昇降動作するハンマーグラブ6にて排土されることになる。
ここで、先行掘削用ケーシングチューブ1の直径すなわち先行掘削孔H1の直径D2とケーシングチューブ7の直径D1との差に基づいて両者の間に積極的に隙間Aを確保し、その隙間Aを利用して拡径掘削時に発生した土砂の落下ひいてはその取り込みの効率化を図るものであるから、上記先行掘削孔H1の直径D2はケーシングチューブ7の直径D1の少なくとも1.1倍以上とすることが望ましい。
この基本工法では、先にも述べたように、回転押し込み装置2,2Aのほか、先行掘削用ケーシングチューブ1およびケーシングチューブ7をその都度使い分ける必要があるため、必ずしも施工の作業性の上で効率的でない。
そこで、この点を改良した本発明に係る掘削方法および掘削装置の第1の実施の形態を図3,4に示す。なお、先に図1,2に示した基本工法と共通する部分には同一符号を付してある。
この第1の実施の形態では、直径D2の先行掘削孔H1の掘削を目的とした先行掘削と、その先行掘削孔H1を拡径させて所定口径D3の立て坑H2に仕上げる拡径掘削とを実質的に同時並行的に行うようにしたものである。
図3に示すように、直径D1のケーシングチューブ7の先端にはそのケーシングチューブ7の一部を形成することになるほぼ同径の先行掘削翼用ケーシングアタッチメント10が着脱可能に装着されていて、そのケーシングアタッチメント10の外周には図4に示すように平面視にて略くの字状に屈曲した例えば3枚の先行掘削翼11が装着されている。
この先行掘削翼11は、図5に拡大して示すように、平面視にて略くの字状に屈曲したブレード12の下端に複数の掘削刃13を植設するとともに、背面側を補強プレート14にて補強したものであり、同時にケーシングアタッチメント10の円筒胴部には各先行掘削翼11に近接するようにして、すなわち同先行掘削翼11と同等高さ位置であって且つ先行掘削翼11よりも掘削方向前方側に矩形状の先行掘削用の土砂取り込み口15を開口形成してある。そして、各先行掘削翼11の先端(最大直径部)が描く軌跡の直径は掘削すべき先行掘削孔H1の直径D2と同等寸法に設定してある。また、ケーシングアタッチメント10の下端には図1に示したものと同様に複数の掘削刃4を植設してある。さらに、ケーシングアタッチメント10が連結されたケーシングチューブ7は拡径掘削翼8と先行掘削翼11とに共用化されていることになる。
したがって、この第1の実施の形態によれば、回転押し込み装置2Aで把持したケーシングチューブ7を回転駆動させながら地中に圧入することにより、先行掘削翼11による直径D2の先行掘削孔H1の先行掘削と、その先行掘削孔H1を拡径掘削翼8にて拡径するようにして直径D3の立て坑H2に仕上げる拡径掘削とが同時並行的に行われることになる。
この場合、同時回転する先行掘削翼11と拡径掘削翼8との上下方向での位置関係は常に不変であり、先行掘削翼11にて掘削されたばかりの先行掘削孔H1のその上方から追いかけるようにして拡径掘削翼8にて拡径掘削することになる。
そして、拡径掘削翼8の下方には常に所定深さの先行掘削孔H1が確保されていることから、拡径掘削孔H2の掘削に伴って発生した土砂は、その一部がケーシングチューブ7側の拡径掘削用の土砂取り込み口9からケーシングチューブ7内に取り込まれて先行掘削孔H1の最深部(ケーシングアタッチメント10の先端が位置している部分)に集められる一方、拡径掘削によって発生した多くの土砂は直ちに先行掘削孔H1とケーシングチューブ7との隙間Aを通してその下方に落下して、先行掘削翼11が位置している先行掘削孔H1の底部に溜まることになる。この先行掘削翼11のレベル位置に溜まった土砂は、先行掘削翼11自体にて掘削された土砂とともにケーシングアタッチメント10側の先行掘削用の土砂取り込み口15からケーシングアタッチメント10の内部、すなわち上記と同様に先行掘削孔H1の最深部(ケーシングアタッチメント10の先端が位置している部分)に集められることになる。
その後、こうしてケーシングアタッチメント10の内部に取り込まれた土砂は、先の基本工法の場合と同様にケーシングチューブ7内を昇降動作するハンマーグラブ6にて排土されることになる。
図6〜13は図3に示した上記拡径掘削翼8の要部の詳細を示しており、図6,7に示すように、複数のケーシングアタッチメントを接続してなるケーシングチューブ7の先端部には、上段から順にケーシングチューブ7と同径の拡径掘削翼用ケーシングタッチメント17および先行掘削翼用ケーシングアタッチメント10を図示外のボルト・ナット等にて順次着脱可能に直列にて連結してあり、これらの各ケーシングアタッチメント10,17もまたケーシングチューブ7の一部を形成している。そして、拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17には後述するように固定翼8aと可動翼8bとからなるそれ自体で拡縮径可能な複数の拡径掘削翼8を装着してある。なお、先行掘削翼用ケーシングアタッチメント10は、図5に示したように複数の先行掘削翼11を有しているものである。
上記拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17には、図8に示すように、円筒外周面の三等分位置に後述する拡径掘削翼8の着座面19aを有する偏平ボックス状のブラケット19を固定してある。このブラケット19は着座面19aが拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17の接線方向と平行となるように設定してあり、その着座面19aには多数の取付穴20を規則性をもって形成してある。
一方、図9,10に示すように、拡径掘削翼8は平板状の固定翼8aとこれよりも小さな平板状の可動翼8bとをスライド可能に重ね合わせることで形成してあり、その固定翼8aには先に述べた拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17側のブラケット19と同様に多数の取付穴22を規則性をもって形成してある。そして、同図から明らかなように、固定翼8aをブラケット19の着座面19aに着座させつつブラケット19側と固定翼8a側のそれぞれ複数の取付穴20,22同士を合致させた上で、ボルト・ナット29により拡径掘削翼8をブラケット19に対して着脱可能に固定してある。つまり、拡径掘削翼8は、平面視にてケーシング7の接線方向もしくはそれと平行な方向に大きく張り出すようにブラケット19に着脱可能に固定してある。
ここで、上記のようにブラケット19および固定翼8aに形成してある多数の取付穴20,22はその全てが同時使用されるものではなく、拡径掘削翼8の長手方向において取付穴20,22同士の合致位置を変えることにより、図9,10に示すように拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17の中心から可動翼8bの先端までの距離a、すなわち拡径掘削翼8の回転半径を適宜段階的に調整可能となっている。
拡径掘削翼8は、図9,10のほか図11,12に示すように、その回転方向を時計回り方向とした場合に、固定翼8aの回転方向側の面に可動翼8bを重ね合わせるように配置してあり、可動翼8bは固定翼8aに沿って動くように該固定翼8aに設けた翼ガイド23にスライド可能に案内支持させてある。また、回転方向に向かって固定翼8aの背面側すなわち固定翼8aの反回転方向側の面にはブラケット24を介して直動型のアクチュエータとして拡縮径用シリンダ(油圧シリンダ)25を装着してある。この拡縮径用シリンダ25のピストンロッド26は同じく固定翼8aの反回転方向側に位置するスライダ27の一端に連結してあるととともに、さらにスライダ27の他端は固定翼8aをはさんで反対側の可動翼8bに連結してあり、結果として拡縮径用シリンダ25は固定翼8aと可動翼8bにまたがるように架橋的に配置してある。したがって、拡縮径用シリンダ25を伸縮作動させることによりその拡縮径用シリンダ25のストローク分だけ可動翼8bが固定翼8aに対してスライドし、結果としてケーシング7の接線方向もしくはそれと平行な方向で拡径掘削翼8が拡縮径可能な構造となっている。
なお、拡径掘削翼8を形成している固定翼8aおよび可動翼8bの下端には、複数の掘削刃(ビット)4を装着してある。
ここで、拡縮径用シリンダ25を固定翼8aの反回転方向側の面に装着してあるのは、掘削時に拡径掘削翼8が向かっていくことになる土砂や岩盤等から拡縮径用シリンダ25を保護するためである。また、図10と図13を比較すると明らかなように、可動翼8bの拡径スライド方向に対して拡縮径用シリンダ25の伸長方向を逆向きとなるように設定し、もって拡縮径用シリンダ25の収縮状態において拡径掘削翼8が拡径状態となり、逆に拡縮径用シリンダ25の伸長状態において拡径掘削翼8が縮径状態となるように設定してある。
また、図9,11に示すように、拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17のうち隣り合うブラケット19,19同士の間には、それぞれに略矩形状の拡径掘削用の土砂取り込み口9を開口形成してある。これよって、拡径掘削翼8が拡径状態にあるか縮径状態にあるかにかかわらずその拡径掘削翼8にて掘削した土砂の一部を拡径掘削用の土砂取り込み口9を通してケーシングチューブ7(拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント17)の内部に取り込むことが可能となっている。
なお、拡径掘削翼8が拡径状態にあるか縮径状態にあるかにかかわらず、拡縮径用シリンダシリンダ25の油圧供給経路をいわゆる油圧的にロックすることで、その拡径または縮径状態が自己保持されることになる。
図14〜18は本発明の第2の実施の形態を示し、この第2の実施の形態では、ケーソン30の圧入沈設に際して図3と同様の回転押し込み装置2Aおよび先行掘削翼11を有する拡径掘削機5をもってケーソン30のいわゆる刃先(刃口)下を掘削する場合の例を示している。
上記ケーソン30の圧入沈設は、周知のように先行圧入した既設ケーソン30の内部の土砂を掘削しながらその圧入と掘削とを繰り返す一方、既設ケーソン30の上にはいわゆる輪切り状のセグメント(リフトと呼ばれる)30aを継ぎ足しながら圧入沈設を行うことになる。
ここでは、例えば硬質地盤内に内径5.0m、外径6.0mの立て坑を地下40m程度まで構築する場合を想定し、地面から地下30m程度までは普通土であるのに対して、地下30m付近以深では例えば5000〜7000kN/m 2 程度の強度を有する泥岩等の硬質地盤で地盤構成されているものとする。
また、拡径掘削機5におけるケーシング7の直径は2m、拡径掘削翼8を最も縮径させたときの固定翼8aによる掘削径を4.5m、拡径掘削翼8を最も拡径させたときの掘削径を6m、先行掘削翼11による掘削径を3mとする。
図15以下の図面は図14に示した拡径掘削機5による施工手順を示しており、ケーソン30の刃先が硬質地盤に到達する深度(上記の例では地下30m付近)までは、図15の(A)〜(B)に示すようにケーソン30の組立構築と油圧ジャッキ等の圧入沈設装置31による圧入沈設、およびクラムシェル等のバケット系掘削手段32による掘削とを繰り返しながら行う。
上記硬質地盤に届くまでケーソン30を圧入沈設したならば、図15の(C)に示すようにケーソン30の自沈防止のために仮受け台33を設置する。さらに、同図(D)に示すように、ケーソン30の上部に先に述べた回転押し込み装置2のほか先行掘削翼11を備えた拡径掘削機5をセットする。この時、固定翼8aと可動翼8bとからなる拡径掘削翼8は縮径状態とし、当該拡径掘削翼8の縮径状態での掘削径は4.5mにセットされているものとする。
そして、図16の(A),(B)に示すように、一次掘削として先行掘削翼11による先行掘削と拡径掘削翼8の縮径状態での掘削とを同時並行的に行い、拡径掘削翼8がケーソン30の刃先下相当部に達するようになったならば同図(C)に示すように拡径掘削翼8を拡径させて(拡径掘削翼8の拡径状態の掘削径は6mにセットされているものとする)、以深部分の掘削、すなわち同図(D)に示すように深度40m程度まで一気に掘削を行って拡径掘削孔H3とする。この時、先行掘削翼11にて直径3mの先行掘削翼H1が掘削された後に、拡径掘削翼8にて先行掘削孔H1を直径4.5mあるいは6mまで拡径するようにして掘削が行われるほか、先行掘削孔H1の先端部では先行掘削翼11が装着されているケーシングアタッチメント10と先行掘削翼11との径差のために常に段付き状のものとなる。また、拡径掘削翼8が縮径状態から完全なる拡径状態になるまでの過渡状態では、拡径掘削翼8による掘削径が漸次拡大変化することになる。
加えて、図16の(D)に示した状態に至るまでの一次掘削の過程では、並行してケーシングチューブ7内をハンマーグラブ6が昇降動作して、先行掘削孔H1の底部の溜まった土砂、すなわちケーシングアタッチメント10内に溜まった土砂が排土される。この場合、図14に示すように、拡径掘削翼8にて掘削された土砂はその一部がケーシングチューブ7に開口形成された拡径掘削用の土砂取り込み口9からケーシングチューブ7内取り込まれるほか、多くの土砂は先行掘削孔H1とケーシングチューブ7との隙間を通して先行掘削翼11の高さ位置まで自重落下してその先行掘削孔H1の底部付近に集められ、先行掘削翼11にて掘削された土砂とともにケーシングアタッチメント10に開口形成された先行掘削用の土砂取り込み口15からそのケーシングアタッチメント10内に取り込まれることになる。
図16の(D)に示すように所定深度までの掘削および排土を終えたならば、図17の(A)に示すように回転押し込み装置2や拡径掘削機5を撤去した上で、ケーソン30の上部から良質土Gを投入して、先に掘削した拡径掘削孔H3のうちケーソン30の刃先下部分まで埋め戻しを行う。
こうして埋め戻しが完了したならば、ケーソン仮受け台33とケーソン30との連結を解除し、ケーソン仮受け台33を撤去する。この際、ケーソン30が自沈しないことを確認しながらケーソン仮受け台33とケーソン30との連結を解除するものとし、万が一ケーソン30が自沈するようであれば先の良質土Gによる埋め戻し量を多くする。
この後、図17の(B)〜(D)に示すようにケーソン30の構築(セグメントの継ぎ足し)とそのケーソン30の圧入沈設、およびクラムシェル32によるケーソン30内部の掘削を繰り返して、所定深度までケーソン30の圧入沈設を行うものとする。
こうしてケーソン30を所定深度まで圧入沈設したならば、図18の(A),(B)に示すように拡径掘削孔H3の底盤部に堆積したスライムを処理した後に底盤コンクリートCを打設する。これにより、ケーソン30をもって所定の立て坑が構築されたことになる。
ここで、上記実施の形態では拡径掘削孔H3の直径をケーソン30の外径寸法と同じ6.0mとしているが、その拡径掘削孔H3の直径をケーソン30の内径(5.0m)以上であって且つ6.0m未満に設定して、ケーソン30の刃先下にケーソン30の自重に耐え得る未掘削部を残すようにすれば、図17の(A)に示したような良質土Gによる埋め戻し作業は必ずしも必要でなくなり、廃止することが可能である。
すなわち、図19の(A)〜(D)は図16の(A)〜(D)と同じ状態を示しているものの、その拡径掘削孔H3の直径を例えばケーソン30の内径(5.0m)以上であって且つケーソン30の外径の6.0m未満に設定してある点で図16と異なっている。
そして、図20の(A)に示すように、所定深度の拡径掘削孔H3が形成されたならば、続いて同図(B),(C)に示すように良質土にて埋め戻しをすることなくケーソン30の圧入沈設を行う一方、ケーソン30の圧入深度が大きくなったならば、同図(C),(D)に示すようにクラムシェル32等にて適宜拡径掘削孔H3の底部に溜まった土砂Mの掘削および排土を行うものとする。
図21の(A),(B)は図18の(A),(B)と同じ状態であり、図21の(A),(B)に示すように拡径掘削孔H3の底盤部に堆積したスライムを処理した後に底盤コンクリートCを打設する。これにより、ケーソン30をもって所定の立て坑が構築されたことになる。
ここで、図19〜21では、硬質地盤に所定深度の拡径掘削孔H3を形成した以降はもっぱらケーソン30の圧入を行う場合の例を示しているが、上記硬質地盤においても、拡径掘削孔H3の掘削を所定量ずつ進めながらその都度ケーソン30の圧入を行い、これらの拡径掘削孔H3の掘削とケーソン30の圧入とを交互に繰り返しながら行う工法とすることももちろん可能である。
図22は本発明の第3の実施の形態を示し、先に第1の実施の形態として図3示した部分と共通する部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態では、図22に示すように、拡径掘削翼8が装着されるケーシングチューブ7の一部であって、且つ拡径掘削翼8と先行掘削翼11との間に相当する位置には所定の捻れ角を有する単一且つ螺旋状の補助翼40を装着してある。そして、ケーシングチューブ7が例えば右ねじの締め込み方向と同様の時計回り方向に回転駆動されると仮定した場合に、補助翼40には左ねじと同等の捻れ角を持たせてあるとともに、その直径は先行掘削孔H1の直径D2よりも小さく設定されている。この補助翼40は、共通のケーシングチューブ7に装着されている先行掘削翼11および拡径掘削翼8が共に時計回り方向の回転をもって掘削回転した際に同方向に回転して、少なくとも先行掘削翼11による先行掘削で発生した土砂をその補助翼40よりも下側に押し込める機能を有する。
この第3の実施の形態によれば、先行掘削翼11による先行掘削と拡径掘削翼8による拡径掘削とが同時並行的に行われる場合に、補助翼40はその上方の土砂が当該補助翼40よりも下側に落下するのを許容する一方で、補助翼40よりも下側にある土砂がその補助翼40によって下方に押し込められることから、この土砂の押し込みは先行掘削翼用ケーシングアタッチメント10に開口形成された先行掘削用の土砂取り込み口15からその内部への積極的な土砂の取り込みを促進することとなり、土砂の取り込み効率が一段と良好なものとなる。
図23〜25は本発明の第4の実施の形態を示し、この第4の実施の形態では、ケーソン30の圧入沈設に際して図22と同様の回転押し込み装置2Aおよび先行掘削翼11を有する拡径掘削機5をもってケーソン30の内部のほかそのケーソン30のいわゆる刃先(刃口)下を掘削する場合の例を示している。
この実施の形態では、ケーソン30を圧入するのに先立つそのケーソン30の内部の掘削のほか、圧入したケーソン30の刃先下の掘削までの全ての掘削、すなわちケーソン30の圧入沈設に必要な全ての掘削を図22に示した回転押し込み装置2Aおよび先行掘削翼11を有する拡径掘削機5をもって行うもので、上記ケーソン30の圧入沈設は、先にも述べたように先行圧入した既設ケーソン30の内部の土砂を掘削しながらその圧入と掘削とを繰り返す一方、既設ケーソン30の上にはいわゆる輪切り状のセグメント30aを継ぎ足しながら圧入沈設を行うことになる。
図22の(A)に示すように、ケーソン30や油圧ジャッキ等の圧入沈設装置31のほか、回転押し込み装置2Aおよび拡径掘削機5等を地上にセットしたならば、同図(B)に示すようにケーシング7を回転駆動しながら地中に押し込み、先行掘削翼11と拡径掘削翼8とを併用してケーソン30の内部を掘削する。なお、この段階では拡径掘削翼8は縮径状態にある。
拡径掘削翼8がケーソン30の刃先下に到達したならば、同図(C)に示すように拡径掘削翼8を拡径させた上で、同図(D)に示すように先行掘削翼11および拡径掘削翼8による掘削と圧入沈設装置31によるケーソン30の圧入とを繰り返す。そして、一段目のケーソン30(セグメント30a)が所定深度まで圧入されたならば、図24の(A)に示すようなケーソン30(セグメント30a)の継ぎ足しと、同図(B)に示すような先行掘削翼11および拡径掘削翼8による掘削、同図(C)に示すような圧入沈設装置31によるケーソン30の圧入、および同図(D)に示すようなケーソン30(セグメント30a)と継ぎ足しのほか、図25の(A)に示すような先行掘削翼11および拡径掘削翼8によるさらなる掘削、同図(B)に示すような圧入沈設装置31によるケーソン30の圧入をそれぞれ繰り返すことでケーソン30を圧入沈設することが可能となる。
ケーソン30を圧入沈設完了後には、拡径掘削翼8を縮径状態とした上で先行掘削翼11を含む拡径掘削機5をケーシングチューブ7とともに地上に抜き上げる。これにより、ケーソン30をもって所定深度の立て坑が構築されたことになる。なお、必要に応じ図18と同様に底盤コンクリートCを打設することは言うまでもない。
本発明での前提となる掘削装置の基本概念を示す図で、(A)は先行掘削の説明図、(B)は同図(A)の先行掘削に続く拡径掘削の説明図。 図1の(B)に示す拡径掘削機の拡大平面説明図。 本発明に係る拡径掘削装置の第1の実施の形態を示す説明図。 図3における拡径掘削機の拡大平面説明図。 図3における先行掘削翼の詳細を示す図で、(A)は先行掘削翼用ケーシングアタッチメントの拡大正面図、(B)は同図(A)の平面説明図。 図3に示す拡径掘削装置の要部分解図。 図6に示した拡径掘削機の平面説明図。 図6における拡径掘削翼用ケーシングアタッチメント単体での詳細を示す図で、(A)はその平面説明図、(B)は正面説明図。 図6における拡径掘削翼の拡大説明図。 図9の要部平面図。 図9の左側面図。 図9に示す拡径掘削翼の背面図。 図10の拡径掘削翼を縮径状態とした図で、(A)はその平面説明図、(B)は正面説明図。 本発明に係る拡径掘削システムの第2の実施の形態を示す説明図。 図14のシステムでの施工手順を示す工程説明図。 図15に続く施工手順を示す工程説明図。 図16に続く施工手順を示す工程説明図。 図17に続く施工手順を示す工程説明図。 図15〜18に示した施工手順の変形例を示す工程説明図。 図19に続く施工手順を示す工程説明図。 図20に続く施工手順を示す工程説明図。 本発明に係る拡径掘削システムの第3の実施の形態を示す説明図。 本発明の第4の実施の形態として図22のシステムでのケーソン構築の施工手順を示す工程説明図。 図23に続く施工手順を示す工程説明図。 図24に続く施工手順を示す工程説明図。
1…先行掘削用ケーシングチューブ
2A…回転押し込み装置
3…ハンマーグラブ(排土手段)
5…拡径掘削機
6…ハンマーグラブ(排土手段)
7…ケーシングチューブ
8…拡径掘削翼
9…拡径掘削用の土砂取り込み口
10…先行掘削用ケーシングアタッチメント
11…先行掘削翼
15…先行掘削用の土砂取り込み口
30…ケーソン
40…螺旋状の補助翼
H1…先行掘削孔
H2…拡径掘削孔(立て坑)
H3…拡径掘削孔

Claims (9)

  1. ケーシングチューブの外周に装着された先行掘削翼にて地盤に孔を掘削してケーシングチューブ径よりも大径の先行掘削孔とする先行掘削工程と、
    上記先行掘削と並行して、ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも上方位置に装着された拡径掘削翼にて先行掘削孔を拡径するように掘削して立て坑とする拡径掘削工程と、
    上記ケーシングチューブ内の土砂を排土する排土工程と、
    を含んでいて、
    上記拡径掘削工程では、当該拡径掘削によって発生した土砂を、先行掘削孔とケーシングチューブとの隙間を通して先行掘削孔の底部に落下させるとともに、ケーシングチューブのうち拡径掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した拡径掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込む一方、
    上記先行掘削工程では、当該先行掘削によって発生した土砂を上記拡径掘削翼側から落下してきた土砂とともにケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成した先行掘削用の土砂取り込み口からケーシングチューブ内に取り込むことを特徴とする掘削方法。
  2. 上記拡径掘削翼として拡縮径可能なものを用いることを特徴とする請求項1に記載の掘削方法。
  3. 上記ケーシングチューブのうち拡径掘削翼と先行掘削翼との間に螺旋状の補助翼を設けておき、
    上記拡径掘削翼で掘削した土砂を、その拡径掘削翼の掘削回転に伴い補助翼にて先行掘削孔内に押し込むことを特徴とする請求項1または2に記載の掘削方法。
  4. ケーソンの内部またはケーソンの刃先下の掘削を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の掘削方法。
  5. 予め定められた深さの立て坑を構築するにあたり、
    その立て坑の深さの全長にわたって請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の掘削方法にて掘削を行うことを特徴とする掘削方法。
  6. 予め定められた深さの立て坑を構築するにあたり、
    その立て坑の深さの途中まで掘削が進行したならば、その途中段階から以深の掘削を請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の掘削方法にて掘削を行うことを特徴とする掘削方法。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の掘削方法に用いる掘削装置であって、
    先行掘削孔よりも小径のケーシングチューブと、
    このケーシングチューブの外周に装着され、当該ケーシングチューブよりも大径で且つ拡径掘削径よりも小径の先行掘削孔の掘削が可能な先行掘削翼と、
    上記ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成された先行掘削用の土砂取り込み口と、
    上記ケーシングチューブのうち先行掘削翼よりも上方位置に装着された拡径掘削翼と、
    上記ケーシングチューブのうち拡径掘削翼よりも掘削方向前方側に開口形成された拡径掘削用の土砂取り込み口と、
    上記ケーシングチューブを把持した上でそのケーシングチューブを拡径掘削翼や先行掘削翼とともに回転させながら地中に押し込む回転押し込み手段と、
    上記ケーシングチューブ内を昇降動作してそのケーシングチューブ内の土砂を掴んだ上でケーシングチューブ外に排土する排土手段と、
    を備えたことを特徴とする掘削装置。
  8. 上記拡径掘削翼は拡縮径可能なものであることを特徴とする請求項7に記載の掘削装置。
  9. 上記拡径掘削翼は、水平方向に相対移動可能な固定翼と可動翼とで拡縮径可能に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の掘削装置。
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