JPH10102378A - 消臭難燃ポリエステル繊維構造物 - Google Patents
消臭難燃ポリエステル繊維構造物Info
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- JPH10102378A JPH10102378A JP8274005A JP27400596A JPH10102378A JP H10102378 A JPH10102378 A JP H10102378A JP 8274005 A JP8274005 A JP 8274005A JP 27400596 A JP27400596 A JP 27400596A JP H10102378 A JPH10102378 A JP H10102378A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難燃性と耐久性のある消臭難燃ポリエステル
繊維構造物を提供すること。 【解決手段】 主として難燃ポリエステル繊維から構成
される難燃繊維構造物であって、該難燃ポリエステル繊
維には、消臭剤がポリウレタン樹脂バインダーを介して
付与されており、かつ該ポリウレタン樹脂バインダー中
に、ポリエステル樹脂が該ポリウレタン樹脂バインダー
基準で、10〜40重量%含有されている消臭難燃ポリ
エステル繊維構造物。
繊維構造物を提供すること。 【解決手段】 主として難燃ポリエステル繊維から構成
される難燃繊維構造物であって、該難燃ポリエステル繊
維には、消臭剤がポリウレタン樹脂バインダーを介して
付与されており、かつ該ポリウレタン樹脂バインダー中
に、ポリエステル樹脂が該ポリウレタン樹脂バインダー
基準で、10〜40重量%含有されている消臭難燃ポリ
エステル繊維構造物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭難燃ポリエス
テル繊維構造物に関し、さらに詳細には、カーペット、
カーテン、病院用シーツなど悪臭のある環境で好適に使
用できる優れた消臭性と難燃性を有する耐久性のよいポ
リエステル繊維構造物に関する。
テル繊維構造物に関し、さらに詳細には、カーペット、
カーテン、病院用シーツなど悪臭のある環境で好適に使
用できる優れた消臭性と難燃性を有する耐久性のよいポ
リエステル繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】快適生活を目指した生活環境の多様化に
伴い、匂いに対する人間の関心が非常に高まっている。
悪臭を繊維構造物で取り除くという目的の下に、繊維形
成能を有する熱可塑性高分子化合物と臭気を吸着する吸
着剤を主成分とする繊維原料を溶融紡糸するもの(特開
平2−157040号公報)や、後加工において消臭剤
をポリウレタン系樹脂組成物を介して付与するもの(特
開平7−216751号公報など)が開発されている。
伴い、匂いに対する人間の関心が非常に高まっている。
悪臭を繊維構造物で取り除くという目的の下に、繊維形
成能を有する熱可塑性高分子化合物と臭気を吸着する吸
着剤を主成分とする繊維原料を溶融紡糸するもの(特開
平2−157040号公報)や、後加工において消臭剤
をポリウレタン系樹脂組成物を介して付与するもの(特
開平7−216751号公報など)が開発されている。
【0003】しかしながら、ポリウレタン樹脂バインダ
ーを用いた場合、これを素材難燃ポリエステル繊維に適
用すると、難燃ポリエステル繊維が持つ本来のドリップ
性の良さが阻害され、難燃性を低下させるという問題が
あるので、リン、臭素、塩素原子などを含む化合物を難
燃剤としてバインダー中に含有させたり、バインダーで
あるポリウレタン樹脂のポリウレタン分子中に上記難燃
性原子を含むものを選定する必要があり、コスト面で不
利である。さらに、消臭作用の耐久性を上げようとし
て、バインダー量を増加すると、風合いが硬くなるた
め、風合いと耐久性を両立して付与することが大変困難
である。また、柔軟剤の併用は、難燃効果を阻害するた
め、採用することができない。
ーを用いた場合、これを素材難燃ポリエステル繊維に適
用すると、難燃ポリエステル繊維が持つ本来のドリップ
性の良さが阻害され、難燃性を低下させるという問題が
あるので、リン、臭素、塩素原子などを含む化合物を難
燃剤としてバインダー中に含有させたり、バインダーで
あるポリウレタン樹脂のポリウレタン分子中に上記難燃
性原子を含むものを選定する必要があり、コスト面で不
利である。さらに、消臭作用の耐久性を上げようとし
て、バインダー量を増加すると、風合いが硬くなるた
め、風合いと耐久性を両立して付与することが大変困難
である。また、柔軟剤の併用は、難燃効果を阻害するた
め、採用することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、難燃性、耐久性に優れた消臭難燃ポ
リエステル繊維構造物を提供することにある。
の問題点を解決し、難燃性、耐久性に優れた消臭難燃ポ
リエステル繊維構造物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、主として難燃
ポリエステル繊維から構成される難燃繊維構造物であっ
て、該難燃性ポリエステル繊維には、消臭剤がポリウレ
タン樹脂バインダーを介して付与されており、かつ該ポ
リウレタン樹脂バインダー中に、ポリエステル樹脂が該
ポリウレタン樹脂バインダー基準で、10〜40重量%
含有されていることを特徴とする消臭難燃ポリエステル
繊維構造物である。
ポリエステル繊維から構成される難燃繊維構造物であっ
て、該難燃性ポリエステル繊維には、消臭剤がポリウレ
タン樹脂バインダーを介して付与されており、かつ該ポ
リウレタン樹脂バインダー中に、ポリエステル樹脂が該
ポリウレタン樹脂バインダー基準で、10〜40重量%
含有されていることを特徴とする消臭難燃ポリエステル
繊維構造物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとし
ては、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、少
なくとも1種のグリコール、好ましくは、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コールなどから選ばれた少なくとも1種のアルキレング
リコールを主たるグリコール成分とするポリエステルで
ある。上記ポリエステルは、必要に応じて第3成分が共
重合および/またはブレンドによって変性されていても
よい。
ては、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、少
なくとも1種のグリコール、好ましくは、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コールなどから選ばれた少なくとも1種のアルキレング
リコールを主たるグリコール成分とするポリエステルで
ある。上記ポリエステルは、必要に応じて第3成分が共
重合および/またはブレンドによって変性されていても
よい。
【0007】なお、かかるポリエステルは、必要に応じ
て任意の添加剤、例えば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、
難燃剤、酸化防止剤、無機微粒子などが含まれていても
差し支えない。本発明において、繊維構造物とは、糸
条、綿、ロープ、織物、編物、不織布などをいい、該繊
維構造物にはポリエステル繊維に加えて、木綿、羊毛な
どの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、
ポリエステル繊維以外の合成繊維が混紡、交織、交編な
どにより使用されていても差し支えない。しかして、本
発明において、主として難燃ポリエステル繊維から構成
される難燃繊維構造物は、上記繊維構造物の構成繊維と
して前記ポリエステルから製造される難燃ポリエステル
繊維を使用するものである。
て任意の添加剤、例えば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、
難燃剤、酸化防止剤、無機微粒子などが含まれていても
差し支えない。本発明において、繊維構造物とは、糸
条、綿、ロープ、織物、編物、不織布などをいい、該繊
維構造物にはポリエステル繊維に加えて、木綿、羊毛な
どの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、
ポリエステル繊維以外の合成繊維が混紡、交織、交編な
どにより使用されていても差し支えない。しかして、本
発明において、主として難燃ポリエステル繊維から構成
される難燃繊維構造物は、上記繊維構造物の構成繊維と
して前記ポリエステルから製造される難燃ポリエステル
繊維を使用するものである。
【0008】本発明の難燃繊維構造物を構成する難燃ポ
リエステル繊維としては、アルカリ減量した難燃ポリエ
ステル繊維であっても使用することが可能であり、この
ようにすることは、バインダーと難燃ポリエステル繊維
の接触面積を増大させることができるので好ましいこと
である。
リエステル繊維としては、アルカリ減量した難燃ポリエ
ステル繊維であっても使用することが可能であり、この
ようにすることは、バインダーと難燃ポリエステル繊維
の接触面積を増大させることができるので好ましいこと
である。
【0009】本発明の消臭難燃ポリエステル繊維構造物
を構成する難燃ポリエステル繊維としては、例えば、下
記一般式(I)で表されるリン化合物が、リン元素とし
て対ポリマー重量で0.3〜1.5重量%共重合した難
燃ポリエステルからなる難燃ポリエステル繊維が挙げら
れる。
を構成する難燃ポリエステル繊維としては、例えば、下
記一般式(I)で表されるリン化合物が、リン元素とし
て対ポリマー重量で0.3〜1.5重量%共重合した難
燃ポリエステルからなる難燃ポリエステル繊維が挙げら
れる。
【0010】
【化1】
【0011】〔一般式(I)中、Rは鎖状もしくは環状
アルキレン、アリレンまたはアルアルキレン残基、R1
は炭素数6までのアルキル基、アリール基またはアルア
ルキル基を示し、また、Rおよび/またはR1 は1個ま
たは多数個のヘテロ原子、特にF,Cl,Br,Oまた
はSを含有していてもよく、R2 〜R3 は炭素数1〜1
8のアルキル基、アリール基または水素原子を表す。)
アルキレン、アリレンまたはアルアルキレン残基、R1
は炭素数6までのアルキル基、アリール基またはアルア
ルキル基を示し、また、Rおよび/またはR1 は1個ま
たは多数個のヘテロ原子、特にF,Cl,Br,Oまた
はSを含有していてもよく、R2 〜R3 は炭素数1〜1
8のアルキル基、アリール基または水素原子を表す。)
【0012】上記一般式(I)で表されるリン化合物の
具体例としては、例えば、下記(II)式で表される2−
カルボキシエチルメチルホスフィン酸、およびその環状
無水物などを挙げることができる。
具体例としては、例えば、下記(II)式で表される2−
カルボキシエチルメチルホスフィン酸、およびその環状
無水物などを挙げることができる。
【0013】
【化2】
【0014】上記リン化合物は、リン元素として、0.
3〜1.5重量%共重合する必要がある。0.3重量%
未満では、充分な難燃性が得られず、一方、1.5重量
%を超えると、ポリマーが着色したり、強力、嵩性、染
色堅牢度などの物性が低下する。
3〜1.5重量%共重合する必要がある。0.3重量%
未満では、充分な難燃性が得られず、一方、1.5重量
%を超えると、ポリマーが着色したり、強力、嵩性、染
色堅牢度などの物性が低下する。
【0015】また、本発明の消臭難燃ポリエステル繊維
構造物を構成する難燃ポリエステル繊維としては、上記
リン化合物はを含まないポリエステル繊維に、染色時な
どの後加工工程で、ハロゲン化脂肪族化合物を難燃剤と
し添加することにより得られる難燃性を付与したポリエ
ステル繊維であってもよい。
構造物を構成する難燃ポリエステル繊維としては、上記
リン化合物はを含まないポリエステル繊維に、染色時な
どの後加工工程で、ハロゲン化脂肪族化合物を難燃剤と
し添加することにより得られる難燃性を付与したポリエ
ステル繊維であってもよい。
【0016】かかる難燃剤として使用するハロゲン化脂
肪族化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモシ
クロドデカンなどが挙げられる。
肪族化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモシ
クロドデカンなどが挙げられる。
【0017】上記ハロゲン化脂肪族化合物の使用量は、
難燃繊維構造物に対して、好ましくは、5〜25重量
%、さらに好ましくは、10〜20重量%である。5重
量%未満では、難燃効果が発現せず、一方、25重量%
を超えると、風合いが硬くなる。
難燃繊維構造物に対して、好ましくは、5〜25重量
%、さらに好ましくは、10〜20重量%である。5重
量%未満では、難燃効果が発現せず、一方、25重量%
を超えると、風合いが硬くなる。
【0018】次に、本発明において使用する消臭剤とし
ては、特に制限はなく、無機系、有機系、天然物のいず
れの消臭剤も用いることができる。なかでも、熱的に安
定な、Zn,Si,Ti,Fe,AlおよびZrの群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素の、酸化物、あるいは
複合酸化物、より好ましくは、複合酸化物であって、B
ET比表面積が100m2 /g以上、かつ、平均粒径5
μm以下である無機系の消臭剤が特に好ましい。上記消
臭剤の具体例としては、例えば、Si:Zn=50:5
0の複合酸化物〔大和化学(株)製、商品名「ザオバタ
ックPSB」、BET比表面積が105m2 /g、平均
粒径1μm〕が挙げられる。
ては、特に制限はなく、無機系、有機系、天然物のいず
れの消臭剤も用いることができる。なかでも、熱的に安
定な、Zn,Si,Ti,Fe,AlおよびZrの群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素の、酸化物、あるいは
複合酸化物、より好ましくは、複合酸化物であって、B
ET比表面積が100m2 /g以上、かつ、平均粒径5
μm以下である無機系の消臭剤が特に好ましい。上記消
臭剤の具体例としては、例えば、Si:Zn=50:5
0の複合酸化物〔大和化学(株)製、商品名「ザオバタ
ックPSB」、BET比表面積が105m2 /g、平均
粒径1μm〕が挙げられる。
【0019】本発明で使用する消臭剤の量は、難燃繊維
構造物に対して、好ましくは、0.5〜10重量%、さ
らに好ましくは、0.5〜5重量%、特に好ましくは、
1〜3重量%である。0.5重量%未満では、消臭効果
が発現せず、一方、10重量%を超えると、消臭作用の
耐久性が低下する。
構造物に対して、好ましくは、0.5〜10重量%、さ
らに好ましくは、0.5〜5重量%、特に好ましくは、
1〜3重量%である。0.5重量%未満では、消臭効果
が発現せず、一方、10重量%を超えると、消臭作用の
耐久性が低下する。
【0020】本発明において、バインダーとして使用す
るポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネートとポリオ
ールを主成分とし、重付加反応で合成されたポリウレタ
ン化合物をベースとするものである。該ポリイソシアネ
ートとしては、例えば、トリレンジイソシアネートなど
に代表される芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートのような脂肪族イソシアネートおよび脂
環族イソシアネートなどが挙げられる。また、ポリオー
ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコールなどが挙げられる。
るポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネートとポリオ
ールを主成分とし、重付加反応で合成されたポリウレタ
ン化合物をベースとするものである。該ポリイソシアネ
ートとしては、例えば、トリレンジイソシアネートなど
に代表される芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートのような脂肪族イソシアネートおよび脂
環族イソシアネートなどが挙げられる。また、ポリオー
ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコールなどが挙げられる。
【0021】本発明においては、上記ポリイソシアネー
トおよびポリオールとともに、アミンなどを鎖伸長剤と
して用いることによって得られる、平均分子量500〜
30,000のポリウレタン化合物を、ポリウレタン樹
脂バインダーとして好適に使用することができる。平均
分子量が500未満のものは、消臭作用の耐久性が低下
し、一方、30,000を超えると、風合いが硬くな
る。
トおよびポリオールとともに、アミンなどを鎖伸長剤と
して用いることによって得られる、平均分子量500〜
30,000のポリウレタン化合物を、ポリウレタン樹
脂バインダーとして好適に使用することができる。平均
分子量が500未満のものは、消臭作用の耐久性が低下
し、一方、30,000を超えると、風合いが硬くな
る。
【0022】また、イソシアネート成分の末端を適当な
ブロック剤を用いてプレポリマーとし、後加工の熱工程
中において、重合させることも可能である。
ブロック剤を用いてプレポリマーとし、後加工の熱工程
中において、重合させることも可能である。
【0023】ポリウレタン樹脂のドリップ促進剤として
使用するポリエステル樹脂は、エチレングリコール、
1,4−ブタンヂオールなどのグリコール成分とテレフ
タル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、などのジ
カルボン酸成分との重縮合体、グリコール成分またはジ
カルボン酸成分の一部として、他の第三成分を共重合さ
せたポリエステル共重合体などである。
使用するポリエステル樹脂は、エチレングリコール、
1,4−ブタンヂオールなどのグリコール成分とテレフ
タル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、などのジ
カルボン酸成分との重縮合体、グリコール成分またはジ
カルボン酸成分の一部として、他の第三成分を共重合さ
せたポリエステル共重合体などである。
【0024】かかるポリエステル樹脂の使用量は、ポリ
ウレタン樹脂に対して、10〜40重量%、好ましく
は、10〜30重量%、さらに好ましくは、10〜20
重量%である。10重量%未満では、ドリップが促進さ
れないので、難燃効果が発現せず、一方、40重量%を
超えると、風合いが硬くなる。
ウレタン樹脂に対して、10〜40重量%、好ましく
は、10〜30重量%、さらに好ましくは、10〜20
重量%である。10重量%未満では、ドリップが促進さ
れないので、難燃効果が発現せず、一方、40重量%を
超えると、風合いが硬くなる。
【0025】これら、消臭剤、ポリウレタン樹脂もしく
はそのプレポリマー、ポリエステル樹脂は、例えば、ヘ
プタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミネラルターペ
ン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤に溶解して
処理液を調製し、使用してもよいし、そのまま自己乳化
するか、または適当な乳化剤、例えば、高級アルコール
の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高
級アルコールポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸
ポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸ソルビタンエ
ステルにより乳化して使用する。
はそのプレポリマー、ポリエステル樹脂は、例えば、ヘ
プタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミネラルターペ
ン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤に溶解して
処理液を調製し、使用してもよいし、そのまま自己乳化
するか、または適当な乳化剤、例えば、高級アルコール
の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高
級アルコールポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸
ポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸ソルビタンエ
ステルにより乳化して使用する。
【0026】上記消臭剤とポリウレタン樹脂バインダー
との配合割合(重量比)は、好ましくは、0.5/1〜
10/1、さらに好ましくは、2/1〜5/1である。
0.5/1未満では、消臭剤がバインダーに覆われてし
まうため、消臭効果が発現せず、一方、10/1を超え
ると、消臭作用の耐久性が低下する。
との配合割合(重量比)は、好ましくは、0.5/1〜
10/1、さらに好ましくは、2/1〜5/1である。
0.5/1未満では、消臭剤がバインダーに覆われてし
まうため、消臭効果が発現せず、一方、10/1を超え
ると、消臭作用の耐久性が低下する。
【0027】本発明における加工は、原綿、糸、織編物
いずれの段階においても行うことができる。加工法につ
いては、浸漬法、パッドドライ法、スプレー法、コーテ
ィング法、ラミネート法などいずれの方法によっても行
うことができ、難燃繊維構造物の形態、樹脂、溶液の種
類によって、適宜選択することができる。また、難燃繊
維構造物に対し、消臭剤およびバインダー樹脂を付与
後、通常、常温〜180℃で、1〜120分程度、熱処
理することにより、難燃性ポリエステル繊維に対する消
臭剤の付着状態が好適に固定される。
いずれの段階においても行うことができる。加工法につ
いては、浸漬法、パッドドライ法、スプレー法、コーテ
ィング法、ラミネート法などいずれの方法によっても行
うことができ、難燃繊維構造物の形態、樹脂、溶液の種
類によって、適宜選択することができる。また、難燃繊
維構造物に対し、消臭剤およびバインダー樹脂を付与
後、通常、常温〜180℃で、1〜120分程度、熱処
理することにより、難燃性ポリエステル繊維に対する消
臭剤の付着状態が好適に固定される。
【0028】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例および比較例における%は、
特に断らない限り重量基準であり、また、物性の評価
は、以下の測定法に拠った。難燃性 消防法45°ミクロバーナー法、コイル法により行っ
た。 消防法45°ミクロバーナー法:残炎が3秒以下の場合
を、〇と評価した。 消防法コイル法 :着火回数4回以上の場
合を、〇と評価した。
に説明する。なお、実施例および比較例における%は、
特に断らない限り重量基準であり、また、物性の評価
は、以下の測定法に拠った。難燃性 消防法45°ミクロバーナー法、コイル法により行っ
た。 消防法45°ミクロバーナー法:残炎が3秒以下の場合
を、〇と評価した。 消防法コイル法 :着火回数4回以上の場
合を、〇と評価した。
【0029】消臭性 臭気成分の初期濃度をアンモニア200ppm、硫化水
素20ppmと設定し、試料量2g/リットル、総量3
リットル、測定時間60分で容器中の臭気成分残存濃度
を検知管にて測定し、消臭率を算出した。
素20ppmと設定し、試料量2g/リットル、総量3
リットル、測定時間60分で容器中の臭気成分残存濃度
を検知管にて測定し、消臭率を算出した。
【0030】消臭性の耐久性 洗濯 JIS L−1018、ドライクリーニング J
IS L−0860の方法に従い、それぞれ5回洗濯、
あるいは、ドライクリーニングした後の試料を用いて、
上記の評価と同様の方法により行った。
IS L−0860の方法に従い、それぞれ5回洗濯、
あるいは、ドライクリーニングした後の試料を用いて、
上記の評価と同様の方法により行った。
【0031】実施例1〜7 通常ポリエステル繊維100%のカーテン地(目付12
0g/m2 )を染色時、後加工用防炎剤〔第一工業製薬
(株)製、YM88;ヘキサブロモシクロドデカンの4
5%水分散体〕を染浴に15%owf使用した布帛を用
い、ポリウレタン樹脂〔第一工業製薬(株)製、エラス
トロンW−11;イソシアネートブロック型反応ウレタ
ン〕0.8%、ポリエステル樹脂〔呉羽化学(株)製、
Z−3308〕の使用量0.0〜0.8%における7水
準、消臭剤〔大和化学(株)製、ザオバタックPSB〕
1.2%を含む水分散溶液でパッディング処理し、13
0℃で3分間乾燥し、180℃で1分間処理した。この
布帛を用いてアンモニア、硫化水素について消臭性の評
価を行った。
0g/m2 )を染色時、後加工用防炎剤〔第一工業製薬
(株)製、YM88;ヘキサブロモシクロドデカンの4
5%水分散体〕を染浴に15%owf使用した布帛を用
い、ポリウレタン樹脂〔第一工業製薬(株)製、エラス
トロンW−11;イソシアネートブロック型反応ウレタ
ン〕0.8%、ポリエステル樹脂〔呉羽化学(株)製、
Z−3308〕の使用量0.0〜0.8%における7水
準、消臭剤〔大和化学(株)製、ザオバタックPSB〕
1.2%を含む水分散溶液でパッディング処理し、13
0℃で3分間乾燥し、180℃で1分間処理した。この
布帛を用いてアンモニア、硫化水素について消臭性の評
価を行った。
【0032】実施例8 経糸および緯糸ともに2−カルボキシエチル−メチル−
ホスフィン酸をリンとして0.65%共重合した難燃ポ
リエステル繊維100%使いのジャガード織物カーテン
(目付200g/m2 )を用いた以外は、実施例1〜7
と同様の処理を行い、消臭性を評価した。
ホスフィン酸をリンとして0.65%共重合した難燃ポ
リエステル繊維100%使いのジャガード織物カーテン
(目付200g/m2 )を用いた以外は、実施例1〜7
と同様の処理を行い、消臭性を評価した。
【0033】比較例1 実施例1と同様の布帛を用い、ポリウレタン樹脂〔第一
工業製薬(株)製、エラストロンW−11;イソシアネ
ートブロック型反応ウレタン〕1.0%、消臭剤〔大和
化学(株)製、ザオバタックPSB〕1.2%を用いた
以外は、実施例1と同様の処理を行い、消臭性を評価し
た。
工業製薬(株)製、エラストロンW−11;イソシアネ
ートブロック型反応ウレタン〕1.0%、消臭剤〔大和
化学(株)製、ザオバタックPSB〕1.2%を用いた
以外は、実施例1と同様の処理を行い、消臭性を評価し
た。
【0034】比較例2 実施例1と同様の布帛を用い、ポリエステル樹脂〔呉羽
化学(株)製、Z−3308〕1.0%、消臭剤〔大和
化学(株)製、ザオバタックPSB〕1.2%を含む水
分散溶液を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行
い、消臭性を評価した。
化学(株)製、Z−3308〕1.0%、消臭剤〔大和
化学(株)製、ザオバタックPSB〕1.2%を含む水
分散溶液を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行
い、消臭性を評価した。
【0035】比較例3 実施例1と同様の布帛を用い、消臭性加工を行わずに評
価した(ブランク試験)。これら評価結果を表1および
表2に示す。
価した(ブランク試験)。これら評価結果を表1および
表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ポリウレタン樹脂バイ
ンダーの使用によりポリエステル繊維のドリップ性が阻
害されることなく、しかも、難燃性、耐久性に優れた消
臭難燃ポリエステル繊維構造物が得られるので、カーペ
ット、カーテン、病院用シーツなど、特に悪臭のある環
境下に要求される用途で有用である。
ンダーの使用によりポリエステル繊維のドリップ性が阻
害されることなく、しかも、難燃性、耐久性に優れた消
臭難燃ポリエステル繊維構造物が得られるので、カーペ
ット、カーテン、病院用シーツなど、特に悪臭のある環
境下に要求される用途で有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 11/49 15/564
Claims (3)
- 【請求項1】 主として難燃ポリエステル繊維から構成
される難燃繊維構造物であって、該構難燃ポリエステル
繊維には、消臭剤がポリウレタン樹脂バインダーを介し
て付与されており、かつ該ポリウレタン樹脂バインダー
中に、ポリエステル樹脂が該ポリウレタン樹脂バインダ
ー基準で、10〜40重量%含有されていることを特徴
とする消臭難燃ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項2】 難燃ポリエステル繊維が、リン化合物を
共重合された難燃ポリエステル繊維、あるいは、ポリエ
ステル繊維にハロゲン化脂肪族化合物を難燃剤として添
加された難燃ポリエステル繊維である請求項1記載の消
臭難燃ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項3】 消臭剤がZn,Si,Ti,Fe,Al
およびZrの群から選ばれた少なくとも1種の元素の、
酸化物あるいは複合酸化物である請求項1記載の消臭難
燃ポリエステル繊維構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8274005A JPH10102378A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 消臭難燃ポリエステル繊維構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8274005A JPH10102378A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 消臭難燃ポリエステル繊維構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102378A true JPH10102378A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17535630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8274005A Withdrawn JPH10102378A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 消臭難燃ポリエステル繊維構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10102378A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180171542A1 (en) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | Microban Products Company | Odor control composition and treatment method |
-
1996
- 1996-09-26 JP JP8274005A patent/JPH10102378A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180171542A1 (en) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | Microban Products Company | Odor control composition and treatment method |
JP2020502305A (ja) * | 2016-12-15 | 2020-01-23 | マイクロバン プロダクツ カンパニー | 臭気制御組成物及び処理方法 |
US12054879B2 (en) | 2016-12-15 | 2024-08-06 | Microban Products Company | Odor control composition and treatment method |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |