JPH10101669A - 新規ベタイン化合物、重合体および高分子非線形光学材料 - Google Patents

新規ベタイン化合物、重合体および高分子非線形光学材料

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JPH10101669A
JPH10101669A JP25408796A JP25408796A JPH10101669A JP H10101669 A JPH10101669 A JP H10101669A JP 25408796 A JP25408796 A JP 25408796A JP 25408796 A JP25408796 A JP 25408796A JP H10101669 A JPH10101669 A JP H10101669A
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JP
Japan
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compound
group
single bond
lower alkyl
atom
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Application number
JP25408796A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Nagakatsu Nemoto
修克 根本
Fusae Miyata
房枝 宮田
Jiro Abe
二朗 阿部
Yasuo Shirai
靖男 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた2次の非線形光学特性を有し、加工性
および安定性に優れた高分子の非線形光学材料、および
その原料化合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるベタイン化
合物、該化合物から誘導される重合体および該重合体か
らなる高分子非線形光学材料に関する。 【化1】 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
子またはシアノ基、R2およびR3は水素原子、低級アル
キル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体と
なって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に置
換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、Yは
窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結
合、メチレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数で
ある。ただし、mが0の場合にはAは単結合である。ま
た、Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基で
ある。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なベタイン化
合物、該化合物から誘導される重合体および該重合体か
らなる高分子非線形光学材料に関する。すなわち、良好
な2次の非線形光学特性を発現する高分子材料、および
その原料化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光エレクトロニクス分野における
新素子として、非線形光学素子の実現を目指した材料の
探索研究が広く行なわれている。一般に、非線形光学材
料とは光の電界の二乗あるいはそれ以上の累乗に比例す
る非線形応答を示す材料であって、光高調波発生、光整
流、光混合、光パラメトリック増幅、ポッケルス効果な
ど様々な効果をもたらすことが知られている新素材であ
る。
【0003】従来、非線形光学材料としては、KH2PO4
NH4H2PO4、LiNbO3、KNbO3、LiIO3等の無機化合物の結晶
が用いられてきた。しかしながら、最近では、尿素や4-
ニトロアニリン、2-メチル-4-ニトロアニリン(MN
A)、4-(N,N-ジメチルアミノ)-4'-ニトロスチルベン
(DANS)等の有機化合物が比較的高い分子分極率を
有し、その結果ある程度の非線形光学特性を示すことが
見出され、様々な有機非線形光学材料の開発研究が活発
に行なわれている。これまでに知られている有機非線形
光学材料の分子構造上の特徴としては、ベンゼン環など
のπ電子系分子の両端に電子供与性基および電子受容性
基を結合させた点にある。また、有機非線形光学材料
は、非線形性の起源が分子内π電子であるため、光応答
に対して格子振動を伴わず、従って、無機材料に比べて
応答が速く、非線形光学定数が大きいものや吸収波長の
領域が異なるもの等を合成することが可能である。しか
も、材料を素子化する際にも、単結晶を用いる方法だけ
ではなく、蒸着法、LB膜化、液晶化あるいは高分子マ
トリックス中に分散させる等の各種の方法が考えられる
等の利点を有している。(例えば、加藤政雄、中西八郎
編、「有機非線形光学材料」、シーエムシー(1985
年);日本化学会編、「非線形光学のための有機材
料」、学会出版センター(1992年);Seth R. Marder他
編、"Materials for Nonlinear Optics", ACS Symposiu
m Series 455, American Chemical Society, (1991
年)等参照)
【0004】しかしながら、従来の有機非線形光学材料
は必ずしも高い2次の分子分極率(β値)を示すもので
はなく、また大きなβ値を発現させる目的で、π電子共
役系を有する有機化合物に強い電子供与性基および強い
電子受容性基を導入した有機化合物においては、結晶化
が困難なことや、結晶ができても、基底状態での電気双
極子の存在により結晶化に際して中心対称の構造を取り
やすく、分子1個が示す大きな非線形性が結晶全体とし
ては相殺されやすいこと、また高分子マトリックス中に
分散させて用いる場合にも中心対称の構造を取りやすい
ために第2高調波強度の低下が著しいことなどの問題が
あった。また、π電子の共役長を延ばすことにより非線
形性は増大するが、分子自身の吸収波長帯が長波長側へ
シフトし、その結果、基本波や発生する高調波の吸収を
引き起こし出力が低下するといった問題が生じた。
【0005】一方、本発明者らは、優れた2次の分子分
極率(β値)を有し、高分子マトリックスに分散させる
ことが可能で、かつ吸収波長端の短い、すなわち基本波
や発生した高調波の吸収を引き起こしにくい新しい非線
形光学材料を得ることを目的として検討を加えた結果、
特定の構造を有するベタイン化合物が高い2次の分子分
極率(β値)を示し、該化合物を高分子マトリックス中
に分散させることによってある程度の第2高調波を発生
できることを既に見出している。(第45回高分子討論
会講演予稿集参照)しかしながら、得られたベタイン化
合物は高いβ値を示すものの、該化合物を高分子マトリ
ックス中に分散させた系においては、ベタイン化合物の
溶解性が低く導入率に限界があること、および会合性が
強いために電場配向の効果が現れにくいなどの理由で、
β値から期待される程の高い第2高調波を発生しなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、高いβ値を有するベタイン化合物を共有結合を介し
て高分子側鎖に導入した重合体、およびその原料化合物
を得ることにある。すなわち、ベタイン化合物に重合基
を化学結合させることにより、高分子化が可能で高い導
入率を達成でき、また他のモノマーと共重合を行うこと
でベタイン成分の会合を抑えることも可能な原料化合物
を得、さらに該化合物から誘導されるベタイン残基を側
鎖に有する重合体を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の原
料化合物を得るべく鋭意検討を加えた。その結果、特定
の構造を有するベタイン化合物に重合基を化学結合させ
た化合物を合成できること、さらには該化合物を原料と
して他のモノマー化合物と共重合を行うことにより重合
体が得られ、得られた重合体が良好な2次の非線形光学
特性を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は下記一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子またはシアノ基、R2およびR3は水素
原子、低級アルキル基またはそれぞれが結合している炭
素原子と一体となって芳香環を形成しても良く、またそ
の芳香環上に置換基を有しても良く、Aは単結合または
酸素原子、Yは窒素原子または置換基Rを有する炭素原
子、Zは単結合、メチレン基またはビニレン基、mは0
〜6の整数である。ただし、mが0の場合にはAは単結
合である。また、Rは水素原子、低級アルキル基または
フェニル基である。)で表されるベタイン化合物、該ベ
タイン化合物と他のモノマー化合物とを1/99から9
0/10のモル比で混合し共重合を行うことにより得ら
れる、重量平均分子量が2,000以上の重合体、およ
び該重合体からなる高分子非線形光学材料に関するもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)中のR1、R2
3およびRで表される低級アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基および
ヘキシル基等の炭素数1〜6のものを例示できる。ま
た、R2およびR3がそれぞれが結合している炭素原子と
一体となって形成する芳香環としては、ベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等を例
示できる。また、これらの芳香環上に置換していても良
い置換基としては、ハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチ
ル基、tert-ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基等
の炭素数1〜6の低級アルキル基、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、
sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基
およびヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の低級アルコ
キシ基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基等を例示でき
る。
【0012】本発明の前記一般式(I)で表されるベタ
イン化合物は、例えば、以下に示す合成方法により製造
することができる。すなわち、下記一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R2およびR3は水素原子、低級ア
ルキル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体
となって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に
置換基を有しても良く、X1はフッ素以外のハロゲン原
子、Yは窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Z
は単結合、メチレン基またはビニレン基である。また、
Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基であ
る。)で表される化合物と、下記一般式(III)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、Aは単結合または酸素原子、mは
0〜6の整数である。ただし、mが0の場合にはAは単
結合である。)で表されるスチルバゾール化合物とを反
応させ、下記一般式(IV)
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R2およびR3は水素原子、低級ア
ルキル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体
となって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に
置換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、X
1はフッ素以外のハロゲン原子、Yは窒素原子または置
換基Rを有する炭素原子、Zは単結合、メチレン基また
はビニレン基、mは0〜6の整数である。ただし、mが
0の場合にはAは単結合である。また、Rは水素原子、
低級アルキル基またはフェニル基である。)で表される
四級塩化合物を合成し、さらにこの化合物に塩基を作用
させることにより下記一般式(V)
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R2およびR3は水素原子、低級ア
ルキル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体
となって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に
置換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、Y
は窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結
合、メチレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数で
ある。ただし、mが0の場合にはAは単結合である。ま
た、Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基で
ある。)で表されるベタイン化合物を合成し、次にこの
化合物と下記一般式(VI)
【0021】
【化9】
【0022】(式中、R1は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子またはシアノ基、X2はフッ素以外の
ハロゲン原子である。)で表されるアクリル酸誘導体と
縮合させることにより、前記一般式(I)で表されるベ
タイン化合物を製造できる。
【0023】また、先に前記一般式(III)で表され
るスチルバゾール化合物と前記一般式(VI)で表され
るアクリル酸誘導体と縮合させ、下記一般式(VII)
【0024】
【化10】
【0025】(式中、R1は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子またはシアノ基、Aは単結合または酸
素原子、mは0〜6の整数である。ただし、mが0の場
合にはAは単結合である。)で表される化合物を合成
し、この化合物と前記一般式(II)で表される化合物
とを反応させて下記一般式(VIII)
【0026】
【化11】
【0027】(式中、R1は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子またはシアノ基、R2およびR3は水素
原子、低級アルキル基またはそれぞれが結合している炭
素原子と一体となって芳香環を形成しても良く、またそ
の芳香環上に置換基を有しても良く、Aは単結合または
酸素原子、X1はフッ素以外のハロゲン原子、Yは窒素
原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結合、メ
チレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数である。
ただし、mが0の場合にはAは単結合である。また、R
は水素原子、低級アルキル基またはフェニル基であ
る。)で表される化合物を合成した後、同様に塩基を作
用させることにより前記一般式(I)で表されるベタイ
ン化合物を製造できる。
【0028】ここで用いられる前記一般式(II)で表
される化合物の一部は公知化合物であり、それ以外の化
合物も既知の方法により合成することが可能である。
(例えば、D. Harrisonら、Journal of Chemical Socie
ty、p.2930(1963年)等参照)また、前記一般式(II
I)で表されるスチルバゾール化合物も既知の方法によ
り合成することができる。(例えば、T. Katoら、Macro
molecules、第25巻、p.6836(1992年)および D.W.Bruc
eら、Liquid Crystals、第3巻、p.385(1988年)等参
照)
【0029】前記一般式(II)で表される化合物と前
記一般式(III)あるいは(VII)で表される化合
物との反応は、無溶媒で、あるいは有機溶媒中で行うこ
とができ、50℃〜150℃程度の加熱下において好適
に反応が進行する。有機溶媒中で行う場合には、アルコ
ール、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、テト
ラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン(NM
P)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルアセトアミド
等の有機溶媒が好適に用いられる。また、前記一般式
(IV)または(VIII)で表される化合物から本発
明の前記一般式(I)で表されるベタイン化合物へ導く
際に用いられる塩基としては、アンモニア、水酸化リチ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アル
ミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機塩基が
好適に用いられ、一般にそれらの水溶液を作用させるこ
とにより好適に反応が進行する。(反応条件について
は、例えば、E. Alcaldeら、Advances in Heterocyclic
Chemistry、第60巻、p.197(1994年);Journal of Org
anic Chemistry、第52巻、p.5009(1987年)等参照)
【0030】また、上記の製造方法において、前記一般
式(III)または(V)で表される化合物に対して前
記一般式(VI)で表されるアクリル酸誘導体を少なく
とも1当量以上用いることが好ましく、1.2当量以上
用いることが収率を高める点ではより好ましい。また、
この反応は、無溶媒で、あるいは有機溶媒中で行うこと
ができ、有機溶媒中で行う場合には、ヘキサン、ヘプタ
ン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、アセトン、THF、NMP、D
MF、DMSO、N,N-ジメチルアセトアミド等の有機溶
媒が好適に用いられるが、これらに限定されるものでは
ない。この反応においては塩化水素が発生するので、そ
の捕捉剤としてトリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリ
ン、ピリジン等の有機塩基を存在させることにより好適
に反応が進行する。また、反応温度は0℃〜80℃の範
囲で好適に反応が進行する。
【0031】前記一般式(VI)で表されるアクリル酸
誘導体としては、アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロ
ミド、アクリル酸ヨージド、メタクリル酸クロリド、メ
タクリル酸ブロミド、メタクリル酸ヨージド、α-エチ
ルアクリル酸クロリド、α-プロピルアクリル酸クロリ
ド、α-イソプロピルアクリル酸クロリド、α-ブチルア
クリル酸クロリド、α-ペンチルアクリル酸クロリド、
α-ヘキシルアクリル酸クロリド、α-クロロアクリル酸
クロリド、α-ブロモアクリル酸クロリド、α-フルオロ
アクリル酸クロリド、α-シアノアクリル酸クロリド等
を例示することができる。
【0032】以上述べた製造方法により得られる前記一
般式(I)で表されるベタイン化合物を他のモノマーと
混合し共重合を行うことにより、ベタイン残基を側鎖に
有する本発明の重合体を得ることができる。共重合し得
る他のモノマーとしては、非線形光学材料としての安定
性を高められることから、得られる重合体のガラス転移
温度を比較的高くできるものが好ましく、例えば、エチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、3-メチル-1-ペンテンなどの不飽和炭化水素、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロ
ゲン化不飽和炭化水素、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソ
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸 t-ブチ
ル、メタクリル酸 t-アミル、メタクリル酸 2-エチルヘ
キシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘ
キシルなどのメタクリル酸のアルキルエステル、メタク
リル酸 2,2,2-トリフルオロエチル、メタクリル酸 2,2,
3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸 2,2,3,3,3
-ペンタフルオロプロピルなどのメタクリル酸のフッ素
置換アルキルエステル、スチレン、α-メチルスチレン
などのビニル芳香族化合物、酢酸ビニルなどの脂肪族カ
ルボン酸のビニルエステル、イタコン酸メチル、クロト
ン酸メチルなどのイタコン酸またはクロトン酸のアルキ
ルエステル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジプロピル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸
ジブチル、フマル酸ジ t-ブチルなどのフマル酸のアル
キルエステル、無水マレイン酸、N-メチルマレイミド、
N-フェニルマレイミドなどのマレイン酸誘導体、N,N-ジ
メチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、
N,N-ジイソプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミ
ド誘導体、あるいはアクリロニトリルなどを挙げること
ができ、これらのうちから1種または2種以上を混合し
て使用しても良い。
【0033】本発明の重合体を作製する際に、前記一般
式(I)で表されるベタイン化合物を全モノマー成分の
うち1〜90モル%の範囲で含有させることが必須であ
るが、優れた2次の非線形光学特性を示す重合体を得る
ためには5〜50モル%の範囲で混合し共重合を行うこ
とがより好ましい。すなわち、共重合に際して上記の範
囲より該ベタイン化合物の量が少ないと得られる重合体
の非線形光学活性は充分でなく、また多いと得られる重
合体の溶解性や配向性に問題が生じる。
【0034】共重合に際しては、ラジカル重合、アニオ
ン重合、カチオン重合など公知の付加重合法を用いるこ
とができる。ただし、この場合にはラジカル重合法が最
も簡便な方法として好適に用いられる。ラジカル重合法
で行なう場合は、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の
公知の方法を用いることができる。ラジカル重合反応
は、単に加熱するか、可視光または紫外線の照射または
ラジカル開始剤の添加により開始される。反応に好適に
用いられるラジカル開始剤としては、ジラウロイルペル
オキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ベンゾイルペル
オキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド等の有機過酸化物あるいはアゾビスイソブ
チロニトリルやアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル
等のアゾ化合物などを例示することができる。この場合
のラジカル重合反応に使用できる有機溶媒としては、例
えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム、メチルエチルケトン、フル
オロベンゼン、メタノール、エタノール、1-プロパノー
ル、2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジメチルアセトアミド等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。反応は、通常40℃〜1
00℃の範囲で円滑に進行する。
【0035】本発明の重合体の重量平均分子量は2,0
00以上であり、さらに5,000以上であることが製
膜性や非線形光学材料としての安定性の点で好ましい。
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、
蒸気圧測定法、浸透圧法、光散乱法、粘度法等の公知の
方法により測定される。
【0036】本発明のベタイン化合物をモノマーとして
得られる重合体を高分子非線形光学材料として用いる場
合には、例えば、該重合体をクロロホルム、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、
THF、NMP、DMF、DMSO、ジメチルアセトア
ミド、ピリジン等の有機溶媒に溶解し、スピンコート法
やキャスト法等の方法によりガラス基板、ITO蒸着基
板またはシリコンウェーハー等の基板上に、膜厚が好ま
しくは0.1〜10μmになるように製膜し、乾燥した
後、該重合体のガラス転移温度近傍の温度に保持しつつ
好ましくは1kV/cm以上の電圧でポーリング処理を
行ない側鎖のベタイン残基を配向させることにより目的
とする材料が得られる。
【0037】
【発明の効果】本発明のベタイン化合物をモノマーとし
て得られる重合体からなる高分子非線形光学材料は、良
好な成型加工性を有すると共に優れた2次の非線形光学
強度を示す。また、ガラス状(非晶質)のポリマーであ
るため、結晶性ポリマーに見られる光散乱も少なく透明
性に優れた材料である。したがって、非線形光学効果を
利用した波長変換素子、導波路、光シャッター、光スイ
ッチ、光偏光素子、位相変調素子等の光制御デバイス、
非線形光学デバイス、電気光学デバイス等の材料として
有用である。
【0038】
【実施例】以下、参考例、実施例および使用例により本
発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明がこれら
に限定されるものではないことはもちろんである。
【0039】参考例1
【0040】
【化12】
【0041】アルゴン雰囲気下、4-ヒドロキシベンズア
ルデヒド12.2 g (100 mmol) に対し、30 mL の無水酢酸
を加え、120℃において1時間攪拌した。この混合物に
対し、4-ピコリン 10.2 g (110 mmol) を加え、150℃に
おいて72時間攪拌した。放冷後、1 L の飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液中に注ぎ、生成した沈殿物をろ過により
回収した。得られた沈殿物に対し、50 mL の水に溶解さ
せた水酸化ナトリウム10.0 g (40.0 mmol) および 200
mL のメタノールを加え2時間加熱還流した。放冷後、10
0 mL の水を加えた後、濃塩酸を加えることにより中和
した。生成した沈殿物をろ過により回収し、水、メタノ
ールの順で洗浄した後、メタノールから再結晶すると上
記構造式(1)で表される4-[2-(4-ヒドロキシフェニ
ル)エテニル]ピリジンが 8.83 g (収率:45 %) の収量
で淡黄色結晶として得られた。なお、生成物が上記の構
造であることは以下に示す1H−NMR、IR、Mas
sスペクトルおよび元素分析から確認した。
【0042】1H NMR (90 MHz, (CD3)2SO, δ/ppm): 6.7
-7.0 (m, 3H), 7.3-7.8 (m, 6H), 8.48 (d, J=6.0 Hz,
2H). IR (KBr, cm-1): 3075, 3030, 3000, 2895, 2805, 267
5, 2605, 1635, 1580, 1510, 1470, 1420, 1395, 1330,
1275, 1255, 1215, 1190, 1175, 1105, 1065, 1005, 9
75, 945, 875, 830, 805, 790, 735, 670, 640, 625, 5
50, 500. Mass (m/e): 197 (M+), 180, 168, 139, 115, 89, 6
3, 51. 元素分析 (C13H11NO, 分子量 197.2) 計算値 C: 79.17 % H: 5.62 % N: 7.10 % 実測値 C: 79.28 % H: 5.65 % N: 7.02 %
【0043】参考例2
【0044】
【化13】
【0045】アルゴン雰囲気下、参考例1で得られた4-
[2-(4-ヒドロキシフェニル)エテニル]ピリジン(1)4.
93 g (25.0 mmol) およびヒドロキノン 0.028 g (0.25
mmol) に 100 mL のTHFおよびトリエチルアミン 5.0
5 g (50.0 mmol) を加え、室温において攪拌した。この
混合物に対し、メタクリル酸クロリド 2.87 g (25.0 mm
ol) を加え、室温において2時間攪拌した。反応混合物
を 500 mL の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、
クロロホルムを用いて抽出した。得られたクロロホルム
溶液に無水硫酸ナトリウムを加え脱水した後、濃縮し、
アセトン・ジエチルエーテル混合溶媒から再結晶すると
上記構造式(2)で表される4-{2-[4-(メタクリロイル
オキシ)フェニル]エテニル}ピリジンが 6.63 g (収率:
94 %)の収量で白色結晶として得られた。なお、生成物
が上記の構造であることは以下に示す1H−NMR、I
R、Massスペクトルおよび元素分析から確認した。
【0046】1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 2.07
(dd, J=1.0, 1.5 Hz, 3H), 5.78 (m,1H), 6.37 (m, 1
H), 6.98 (d, J=16.3 Hz, 1H), 7.16 (dt, J=2.0, 8.6
Hz, 2H), 7.29 (d, J=16.3 Hz, 1H), 7.36 (dd, J=1.
5, 4.6 Hz, 2H), 7.57 (dt, J=2.0, 8.6 Hz, 2H), 8.58
(dd, J=1.5, 4.6 Hz, 2H). IR (cm-1): 3030, 3005, 2930, 1725, 1685, 1635, 159
5, 1550, 1510, 1450, 1415, 1375, 1320, 1290, 1240,
1215, 1200, 1170, 1135, 1105, 1015, 990, 975, 95
5, 885, 875, 865, 820, 640, 600, 545. Mass (m/e): 265 (M+), 197, 167, 139, 115, 69 [H2
C=C(CH3)CO+], 41 [H2C=C(CH3)+], 28. 元素分析 (C17H15NO2, 分子量 265.3) 計算値 C: 76.96 % H: 5.70 % N: 5.28 % 実測値 C: 76.90 % H: 5.76 % N: 5.09 %
【0047】実施例1
【0048】
【化14】
【0049】アルゴン雰囲気下、2-クロロベンズイミダ
ゾール2.08 g (13.6 mmol)、参考例2で得られた4-{2-
[4-(メタクリロイルオキシ)フェニル]エテニル}ピリジ
ン(2)3.62 g (13.6 mmol) およびヒドロキノン 0.07
5 g (0.136 mmol) の混合物に3 mL の乾燥DMFを加
え、120℃において1時間攪拌した。反応混合物を放冷
後、400 mL のジエチルエーテル中に注ぎ、生成した沈
殿物をろ過により回収した。沈殿物に 300 mL のメタノ
ールを加え溶液とした後、10 mL のアンモニア水および
100 mL の水を加えた。溶液を濃縮した後、クロロホル
ムにより抽出した。得られたクロロホルム溶液を濃縮
し、メタノール・アセトン混合溶媒から再結晶すると上
記構造式(3)で表される2-[1-(4-{2-[4-(メタクリロ
イルオキシ)フェニル]エテニル}ピリジニオ)]ベンズイ
ミダゾレートが 0.312 g (収率:6.0 %)の収量で橙色結
晶として得られた。なお、生成物が上記の構造であるこ
とは以下に示す1H−NMR、IR、Massスペクト
ルおよび元素分析から確認した。
【0050】1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 2.09
(dd, J=1.0, 1.5 Hz, 3H), 5.82 (m,1H), 6.39 (m, 1
H), 7.12 (d, J=16.2 Hz, 1H), 7.15 (dd, J=3.2, 6.2
Hz, 2H), 7.26 (dt, J=2.3, 8.5 Hz, 2H), 7.63 (d, J=
16.3 Hz, 1H), 7.65-7.72 (m, 4H), 7.81 (d, J=7.2 H
z, 2H), 9.87 (d, J=7.2 Hz, 2H). IR (KBr, cm-1): 3115, 3075, 3040, 2925, 1735 (este
ric -C=O), 1685, 1635,1615, 1595, 1550, 1505, 146
5, 1450, 1415, 1395, 1375, 1320, 1295, 1265,1230,
1205, 1165, 1130, 1050, 1010, 950, 875, 835, 805,
750, 710, 675,655, 635, 620, 585, 560, 540, 515, 5
00. Mass (m/e): 381 (M+), 352, 314, 312, [M+-(H2C=C(C
H3)CO)], 283, 265, 201, 183, 167, 152, 133, 118, 1
02, 90, 69 [H2C=C(CH3)CO+], 58, 43, 41 [H2C=C(CH3)
+], 28. 元素分析 (C24H19N3O2, 分子量 381.4) 計算値 C: 75.57 % H: 5.02 % N: 11.02 % 実測値 C: 75.14 % H: 4.97 % N: 11.01 %
【0051】参考例3
【0052】
【化15】
【0053】4-ヒドロキシベンズアルデヒド 12.2 g (1
00 mmol) 、2-ブロモエタノール 25.0 g (200 mmol) 、
無水炭酸カリウム 27.6 g (200 mmol) およびヨウ化カ
リウム 3.0 g をアセトン 100 mL 中、40時間加熱還流
した。冷却した後、セライトを用いてろ過し、ろ液を濃
縮した。残さを酢酸エチル溶液とし、5%-水酸化ナトリ
ウム水溶液で洗浄した。有機層を分取し、無水硫酸ナト
リウムを加え脱水した後、この溶液を乾固させた。残さ
に対し、無水酢酸 30 mL および4-(ジメチルアミノ)ピ
リジン(DMAP)1.22 g (10.0 mmol) を加え、室温
において2時間攪拌した。反応溶液を 500 mL の飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、さらに炭酸水素ナト
リウムを加え中和した後、クロロホルムにより抽出し
た。得られたクロロホルム溶液に無水硫酸ナトリウムを
加え脱水した後、この溶液を濃縮した。酢酸エチル/ヘ
キサン(容量比1:3)を流出溶媒とするシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製すると上記構造式
(4)で表される4-[(2-アセトキシエチル)オキシ]ベン
ズアルデヒドが 9.56 g (収率:46 %) の収量で淡黄色
液体として得られた。なお、生成物が上記の構造である
ことは以下に示す1H−NMRおよびIRから確認し
た。
【0054】1H NMR (90 MHz, CDCl3, δ/ppm): 2.10
(s, 3H), 4.2-4.5 (m, 4H), 7.02 (dd,J=2.2, 6.8 Hz,
2H), 7.85 (dd, J=2.2, 6.8 Hz, 2H), 9.89 (s, 1H). IR (KBr, cm-1): 3470, 3075, 2960, 2835, 2745, 1740
(esteric -C=O), 1695(aldehydic -C=O),1600, 1580,
1510, 1455, 1430, 1410, 1375, 1315, 1225, 1165, 11
10, 1055, 1005, 960, 920, 835, 770, 715, 655, 615,
515.
【0055】アルゴン雰囲気下、上記の反応で得られた
4-[(2-アセトキシエチル)オキシ]ベンズアルデヒド
(4)8.33 g (40.0 mmol)、4-ピコリン 4.10 g (44.0
mmol)、無水酢酸 4 mLおよび酢酸 2 mLを混合し、15
0℃において72時間攪拌した。放冷後、500 mL の飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、さらに炭酸水素ナ
トリウムを加え中和した後、クロロホルムにより抽出し
た。得られたクロロホルム溶液に無水硫酸ナトリウムを
加え脱水した後、この溶液を濃縮した。クロロホルム/
メタノール(容量比40:1)を流出溶媒とするシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Rf: 0.29
の成分を単離した。この化合物に対し、4.00g (100 mmo
l) の水酸化ナトリウムを溶解させた 50 mL のメタノー
ルおよび 30mL のTHFを加え1時間加熱還流した。300
mL の水を反応溶液に加えた後、クロロホルムにより抽
出した。溶液を濃縮した後、アセトン・メタノール混合
溶媒から再結晶すると上記構造式(5)で表される4-{2
-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]エテニル}ピリジ
ンが 4.88 g (収率:51 %) の収量で淡黄色結晶として
得られた。なお、生成物が上記の構造であることは以下
に示す1H−NMR、IR、Massスペクトルおよび
元素分析から確認した。
【0056】1H NMR (90 MHz, CDCl3, δ/ppm): 1.7-2.
1 (bs, 1H), 4.0-4.3 (m, 4H), 6.8-7.1 (m, 3H), 7.2-
7.8 (m, 5H), 8.54 (dd, J=1.54, 4.6 Hz, 2H). IR (cm-1): 3235 (br, -OH), 3010, 2935, 2895, 2850,
1630, 1590, 1570, 1550, 1510, 1460, 1420, 1375, 1
350, 1330, 1310, 1285, 1250, 1215, 1195, 1175, 111
5, 1090, 1045, 1000, 975, 945, 915, 895, 875, 835,
775, 720, 700,630, 560, 550. Mass (m/e): 241 (M+), 210, 197, 180, 168, 152, 1
41, 115, 89, 76, 63, 45, 27. 元素分析 (C15H15NO2, 分子量 241.3) 計算値 C: 74.68 % H: 6.27 % N: 5.81 % 実測値 C: 74.63 % H: 6.19 % N: 5.78 %
【0057】参考例4
【0058】
【化16】
【0059】アルゴン雰囲気下、2-クロロベンズイミダ
ゾール0.54 g (3.55 mmol)および参考例3で得られた4-
{2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]エテニル}ピリ
ジン(5)0.857 g (3.55 mmol) の混合物に 2 mL の
乾燥1-ブタノールを加え、100℃において16時間攪拌し
た。反応混合物を放冷後、400 mL のジエチルエーテル
中に注ぎ、生成した沈殿物をろ過により回収した。得ら
れた赤橙色固体に150 mLのメタノールを加え溶液とした
後、60℃において15 mL のアンモニア水および100 mL
の水を加えた。溶液を濃縮した後、生成した沈殿物をろ
過により回収した。得られた橙色固体をメタノール・ク
ロロホルム混合溶媒から再結晶することにより精製した
ところ、上記構造式(6)で表される2-(4-{2-[4-(2-ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]エテニル}-1-ピリジニオ)
ベンズイミダゾレートが橙色結晶として0.786 g (収
率:62 %)の収量で得られた。なお、生成物が上記の構
造であることは以下に示す1H−NMRおよびIRスペ
クトルから確認した。
【0060】1H NMR (400 MHz, CD3OD, δ/ppm): 3.90
(t, J=4.8 Hz, 2H), 4.13 (t, J=4.8Hz, 2H), 7.07 (d,
J=8.6 Hz, 2H), 7.11 (dd, J=3.2, 6.1 Hz, 2H), 7.36
(d,J=16.2 Hz, 1H), 7.58 (dd, J=3.2, 6.1 Hz, 2H),
7.76 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.98 (d, J=16.2 Hz, 1H),
8.20 (d, J=7.2 Hz, 2H), 9.46 (d, J=7.2 Hz, 2H). IR (cm-1): 3300, 3125, 3040, 2935, 2900, 2855, 161
5, 1590, 1510, 1495, 1465, 1455, 1425, 1395, 1340,
1325, 1255, 1190, 1175, 1140, 1115, 1085, 1070, 1
055, 1000, 960, 940, 920, 880, 845, 825, 810, 750,
705, 675, 660,595, 565, 540. 元素分析 (C22H19N3O2, 分子量 357.4) 計算値 C: 73.93 % H: 5.36 % N: 11.76 % 実測値 C: 73.83 % H: 5.34 % N: 11.74 %
【0061】実施例2
【0062】
【化17】
【0063】アルゴン雰囲気下、参考例4で得られた2-
(4-{2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]エテニル}-
1-ピリジニオ)ベンズイミダゾレート 0.536 g (1.50 mm
ol)に 5 ml の乾燥NMPおよび0.455 g (4.50 mmol)
の乾燥トリエチルアミンを加えた。この溶液にメタクリ
ル酸クロリド0.172 g (1.65 mmol)を加え、60℃におい
て1時間攪拌した。次に、この反応混合物を300 mlの飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注いだ。ろ過により回
収した沈殿物にクロロホルム・メタノール混合溶媒(体
積比20:1)を加え溶液とした後、クロロホルム・メ
タノール混合溶媒(体積比20:1)を流出溶媒とする
フロリジルカラムクロマトグラフィーにより精製したと
ころ、上記構造式(7)で表される2-(4-{2-[4-(2-メタ
クリロイロキシエトキシ)フェニル]エテニル}-1-ピリジ
ニオ)ベンズイミダゾレートが橙色結晶として0.154 g
(収率:24 %) の収量で得られた。なお、生成物が上記
の構造であることは以下に示す1H−NMR、IRおよ
びMassスペクトルから確認した。
【0064】1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 1.97
(dd, J=1.0, 1.5 Hz, 3H), 4.30 (t,J=5.0 Hz, 2H), 4.
54 (t, J=5.0 Hz, 2H), 5.62 (m, 1H), 6.16 (m, 1H),
7.02(d, J=15.0 Hz, 1H), 7.02-7.05 (m, 2H), 7.15 (d
d, J=3.2, 6.1 Hz, 2H), 7.59 (d, J=15.2 Hz, 1H), 7.
59-7.61 (m, 2H), 7.68 (dd, J=3.2, 6.1 Hz, 2H), 7.7
6 (d, J=7.2 Hz, 2H), 9.82 (d, J=7.2 Hz, 2H). IR (cm-1): 3125, 3080, 3040, 2955, 2925, 1710 (est
eric -C=O), 1635, 1615, 1595, 1575, 1555, 1510, 14
65, 1425, 1395, 1325, 1295, 1255, 1170, 1115, 107
0, 1045, 1000, 955, 925, 880, 845, 815, 745, 730,
605, 540.
【0065】実施例3
【0066】実施例1で得られたベタイン化合物(3)
とメタクリル酸ブチルを1/6のモル比(0.50 mmol/3.
00 mmol)になるように秤量し、2-プロパノール 7.0 mL
に溶解し、この溶液にα,α'-アゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)11.5 mg(0.035 mmol)を加えた。この
溶液を充分に凍結脱気した後、80℃にて24時間重合反応
を行なった。反応液をメタノール300mLに注ぎ込み、得
られた沈澱をろ別し乾燥させて再びTHFに溶解し、過
剰量のメタノールに再沈殿を繰り返したところ、約60 m
gの重合体を得た。得られた重合体をTHFに溶解し、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(移動相:T
HF)により数平均分子量および重量平均分子量を測定
したところ、ポリスチレン換算値でそれぞれ37,000およ
び79,000であった。この重合体の1H−NMRおよびI
Rスペクトルは以下の通りであった。また、1H−NM
Rスペクトルのピーク面積比から求めた、重合体中のベ
タイン化合物(3)の成分とメタクリル酸ブチル成分の
モル組成比は1.7/98.3であった。
【0067】1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 0.8-
1.1 (m), 1.3-1.5 (m), 1.5-1.8 (m),1.8-2.1 (m), 3.9
-4.1 (m), 7.0-7.2 (m), 7.2-7.4 (m), 7.6-7.7 (m),
7.8-7.9(m), 9.8-9.9 (m). IR (cm-1): 2960, 2935, 2875, 1730, 1620, 1600, 155
5, 1540, 1505, 1470, 1390, 1265, 1240, 1175, 1155,
1065, 1020, 1000, 965, 945, 880, 845, 805,745, 54
0, 515.
【0068】得られた重合体をTHFに溶解して10重量
%溶液を作り、これをガラス基板上に1分当たり1000回
転の回転速度でスピンコートすることにより薄膜を得
た。得られた基板を用いて、紫外可視吸収スペクトルを
測定することにより、この薄膜の極大吸収波長および吸
収端波長を求めたところ、それぞれ412 nmおよび590 nm
であった。次に、この基板をアルミニウム製のホットプ
レート上に置き、70℃まで昇温した。2.5cm上方からタ
ングステン針を用いて帯電電圧10kVでコロナ帯電させ
た。この状態で20分以上保持して側鎖部のベタイン残基
を配向させ、その後コロナ帯電を継続しながら室温まで
冷却した。
【0069】次に、メーカーフリンジ法(J. Jerphagno
n et al., J. Appl. Phys. Vol.41,p.1667 (1970)参
照)により、電場配向処理を行った薄膜から発生する第
2高調波(SH波)を測定した。入射基本波は、偏波面
のそろったNd:YAGレーザー(1064nm)を用い、532nmの
SH波を検出した。また、膜厚1mmのy-カット石英結晶
についても同様にメーカーフリンジ法により発生するS
H波を検出した。得られたメーカーフリンジパターンを
図1に示す。この測定結果から、y-カット石英結晶のd
11値(0.46 pm/V)を基準にして、最小二乗法を用いた
カーブフィッティングにより得られた薄膜の2次非線形
光学定数d33値を算出したところ、5.1 pm/Vの値を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた薄膜のメーカーフリンジパ
ターンを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/35 504 G02F 1/35 504

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
    子またはシアノ基、R2およびR3は水素原子、低級アル
    キル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体と
    なって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に置
    換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、Yは
    窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結
    合、メチレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数で
    ある。ただし、mが0の場合にはAは単結合である。ま
    た、Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基で
    ある。)で表されるベタイン化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I) 【化2】 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
    子またはシアノ基、R2およびR3は水素原子、低級アル
    キル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体と
    なって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に置
    換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、Yは
    窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結
    合、メチレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数で
    ある。ただし、mが0の場合にはAは単結合である。ま
    た、Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基で
    ある。)で表されるベタイン化合物と、他のモノマー化
    合物とを1/99から90/10のモル比で混合し共重
    合を行うことにより得られる、重量平均分子量が2,0
    00以上の重合体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(I) 【化3】 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
    子またはシアノ基、R2およびR3は水素原子、低級アル
    キル基またはそれぞれが結合している炭素原子と一体と
    なって芳香環を形成しても良く、またその芳香環上に置
    換基を有しても良く、Aは単結合または酸素原子、Yは
    窒素原子または置換基Rを有する炭素原子、Zは単結
    合、メチレン基またはビニレン基、mは0〜6の整数で
    ある。ただし、mが0の場合にはAは単結合である。ま
    た、Rは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基で
    ある。)で表されるベタイン化合物と、他のモノマー化
    合物とを1/99から90/10のモル比で混合し共重
    合を行うことにより得られる、重量平均分子量が2,0
    00以上の重合体からなる高分子非線形光学材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008184592A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Shinichiro Isobe 重合性蛍光色素及びその製造方法並びにその重合体
JP2009521575A (ja) * 2005-12-23 2009-06-04 イーストマン コダック カンパニー ポリ(ビニルスチルバゾリウム)ポリマーを使用した液晶の光配向

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JP2009521575A (ja) * 2005-12-23 2009-06-04 イーストマン コダック カンパニー ポリ(ビニルスチルバゾリウム)ポリマーを使用した液晶の光配向
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