JPH10101501A - 徐放性農薬 - Google Patents

徐放性農薬

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JPH10101501A
JPH10101501A JP25351196A JP25351196A JPH10101501A JP H10101501 A JPH10101501 A JP H10101501A JP 25351196 A JP25351196 A JP 25351196A JP 25351196 A JP25351196 A JP 25351196A JP H10101501 A JPH10101501 A JP H10101501A
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ester
sustained
starch
release
biodegradable polymer
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JP25351196A
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Hideyuki Tanaka
秀行 田中
Masato Takahara
正人 高原
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Nihon Cornstarch Corp
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Nihon Cornstarch Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出速度を任意に制御でき、かつ、環境を汚
染せず、更には、水に流され難い徐放性農薬を提供する
こと。 【解決手段】 固形状の徐放性農薬。農薬成分が、水難
溶性ないし耐水性の生分解性ポリマーからなる又はそれ
を主体とする母材中に分散されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性徐放シス
テムの徐放性農薬に関する。ここで、徐放性(Controll
ed-Release Property)とは、緩効性、遅効性を含む広い
意味で使用する。
【0002】また、本明細書で水難溶性とは、実質的に
水に溶解しないことを、耐水性とは、水中で、化学的に
も物理的にも安定であることをそれぞれ意味する。
【0003】
【従来の技術】作物が収穫されるまでは様々な農薬が使
用されるが、その散布回数が多いため多大な手間を必要
とし、生物への悪影響を与えるおそれがある。
【0004】かかる問題の対策として徐放性農薬を用い
ることにより、施用回数の低減及び生物への安全性が可
能とされ、現在までに各種の徐放性農薬が提案されてい
る。(「農薬の製剤技術と基礎」日本植物防疫協会編、
昭和63年度発行、82〜97頁) しかし、これらのうちポリ塩化ビニル、エチレン−プロ
ピレン共重合体、メラミン樹脂等の合成樹脂で農薬成分
を含む組成物を表面被覆したり、均一に混合したもの
は、これらの合成樹脂は分解されずに環境中に残存し、
土壌、水系の汚染の原因となる。
【0005】さらに、これらの問題を解決するために、
生分解性ポリマーを用いて徐放性を達成する方法が、い
くつか提案されている。(特開昭54−4248・60
−202801号、特開平7−252102号公報等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】生分解性ポリエステル
・ポリアミド等の水難溶性の生分解性ポリマーを用いた
ものは、高価な樹脂を多量に使用する必要があること、
生分解性ポリマーの比重が小さいために水に浮き易い、
また流水に流され易い等の欠点を有する。また、被覆
の場合、農薬成分が被覆されるため、初期の農薬放出量
が有効濃度に達しないことが多く、また、樹脂を混合
成形したものでは、実際の施用環境下では、分解速度の
変動が大きいため安定した溶出速度が得難かった。
【0007】本発明は、上記にかんがみて、溶出速度を
任意に制御でき、かつ、環境を汚染しない徐放性農薬を
提供することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、上記目的に加えて、
水に流され難い徐放性農薬を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
にかんがみ、鋭意開発に努力を重ねた結果、農薬成分を
生分解性ポリマーと混合して、場合により、さらに鉱物
成分を加えて、生分解性ポリマーを溶解又は加熱により
可塑化させることにより、下記構成の徐放性農薬に想到
し得た。
【0010】第一発明は、農薬成分が、水難溶性ないし
耐水性の生分解性ポリマーからなる又はそれを主体とす
る母材中に分散されてなる固形状の徐放性農薬にある。
【0011】第二発明は、農薬成分が、水難溶性ないし
耐水性の生分解性ポリマー及び鉱物成分からなる又はそ
れを主体とする複合母材中に分散されてなる徐放性農薬
にある。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明の徐放性農薬は、上記構成
により下記のような作用・効果を奏する。
【0013】(1) 第一発明:基本的作用は、生分解性ポ
リマーを含む母材中に水が浸透することにより発生す
る。ここで、生分解性ポリマーは、特に、澱粉起源のも
のは、水難溶性ないし耐水性であるが適度の親水性を備
えているため、水の浸透速度は、澱粉の変性方法・レベ
ルを固定すれば一定である。従って、施用初期において
は、農薬成分の溶出速度は略一定レベルに保持される。
【0014】そして、表面側に存在する農薬成分の大半
が溶出した後に、該生分解性ポリマーの分解とともに母
材中心部から表面側にかけて多くの導通隙間が発生し、
最終的には、崩壊し消失する。従って、中心部の農薬成
分も溶出するとともに環境を汚染することもない。
【0015】また、溶出速度の制御は、生分解性ポリマ
ーの種類、及び、可塑剤を加える場合は、その配合比率
によって可能となる。
【0016】さらに必要に応じて、農薬固形体の体積/
表面積比の調節、緩遅効性農薬成分の使用等の既知の溶
出制御技術と組み合わせることも可能であり、任意の溶
出速度を持つ固形徐放性農薬を容易に得ることができ
る。従って、複数種の異なった溶出速度及び農薬成分を
有する徐放性農薬も調製可能となり、該徐放性農薬の施
用により、作物に対する最適条件での施用効果を最小限
の労力で得ることも可能となる。
【0017】(2) 第二発明:複合母材は生分解性ポリマ
ーとともに鉱物成分を含むため、上記作用に加えて下記
作用が相乗される。
【0018】農薬成分の溶出が、鉱物成分と生分解性ポ
リマーとの界面から優先的に水が浸透して、農薬成分の
溶出が誘因されることにある。
【0019】施用初期においてはこの隙間は小さく、溶
出速度は一定レベルに制限される。そして、時間経過に
伴う生分解性ポリマーの分解により上記界面隙間が拡大
するとともに、より内部の農薬成分が溶出してゆく。
【0020】さらに生分解性ポリマーの大部分が消失し
ても、鉱物成分の農薬成分吸着効果及び結合剤効果によ
り徐放性が残存し、最終的にすべての農薬成分が溶出す
るまで徐放性は維持される。
【0021】この時点まで鉱物成分もバインダーとして
の機能を保ち、農薬の固体形状の崩壊に伴う溶出率の急
激な変化を防ぎ、最終的に消失した後は本来土壌成分た
る鉱物成分のみが崩壊残留するため、環境を汚染するこ
とはない。
【0022】また、本発明の徐放性農薬の溶出速度は、
鉱物成分の種類、粒径及び鉱物成分の比率によって、上
記第一発明に比して、より細かい制御が可能となる。従
って、施用環境の相違による生分解性ポリマーの分解速
度の変動の影響を最小限に止め得る。
【0023】また、鉱物成分を混合することにより、固
形化徐放性農薬を、かさ密度を水より大きくして水中に
沈降させることができ、流され難いものとすることがで
きる。さらには、より安価な配合物を製造可能となる。
【0024】
【手段の詳細な説明】
A.本発明の、徐放性農薬は、農薬成分が、難水溶性な
いし耐水性の生分解性ポリマーからなる又はそれを主体
とする母材中またはそれに鉱物成分を加えた複合母材中
に分散されたものである。
【0025】以下に、本発明で使用する農薬成分、鉱物
成分、生分解性ポリマー及び可塑剤について詳述する。
これら本発明の構成成分は、施用対象たる植物及び環境
に無害な物質より選択され、及び/又は害を及ぼさない
範囲の量で使用される。
【0026】(1) 農薬成分としては、ダイアジノン、ベ
ンゾエピン、BPMC(バッサ)、NAC(セビン)、
アセフェート(オルトラン)、フェンチオン(バイジッ
ト)、トリシクラゾール、メタスルホカルブ、2,4−
D(2,4−PA)、MCPB、CNP、エスプロカル
ブ、ピラゾレート、ブロモチド、ブタクロール、フェノ
チオール等の各種殺虫剤、殺菌剤、除草剤を挙げること
ができるが、これらに限定されるものではなく、1種又
は2種以上を混合して使用することが可能である。
【0027】そして、農薬成分の形態は、粉末状、粒
状、糊状、スラリー状、溶液状等、固体又は液体として
提供されるいかなる形態のものも使用可能である。
【0028】(2) 鉱物成分としては、特に限定されない
が、農薬成分に対する吸着性等の見地から活性白土(粘
土)、酸性白土(粘土)、セッコウあるいは珪酸質原料
が望ましい。これらを1種又は2種以上を混合して使用
することが可能である。珪酸質原料としては、白珪石、
軟珪石、炉材珪石、ケイソウ土、パーライト(真珠
岩)、ゼオライト、シリカ等を、それぞれ挙げることが
できる。
【0029】これらの鉱物成分の形態は、粉末、球、鱗
片状、板状、薄片、繊維等、問わず、粉砕片等であって
もよい。通常、平均粒径0.5〜150μmとする。粒
径が大き過ぎると、農薬成分の溶出が早過ぎて、十分な
徐放効果を得難いとともに、固形体である農薬が崩壊し
易くなる。なお、鉱物成分の粒径は、溶出速度と関連す
るため、速い溶出速度を所望する場合は大きく、非常に
遅い溶出速度を所望する場合は小さく、上記範囲内で適
宜設定して溶出速度を制御する。
【0030】(3) 水難溶性ないし耐水性生分解性ポリマ
ーとしては、低置換度エステル化及び/又はエーテル
化澱粉、デキストリン、アルファ化澱粉等の低度化学的
及び/又は物理的変性澱粉、耐水性高置換度エステル
化及び/又はエーテル化澱粉、グラフト重合澱粉(重
合末端封鎖型及び非封鎖型)等、を好適に使用可能であ
る。
【0031】なお、他の、生分解性ポリマー、例えば、
化学・発酵合成ポリエステル及びその生分解性共重合
体、生分解性ポリアミド及びその生分解性共重合体、セ
ルロース誘導体、生物高分子及びその誘導体であって
も、水難溶性ないし耐水性ならば、上記〜の生分解
性ポリマーと併用して、または単独使用可能なことは勿
論である。当該単独使用の場合は、鉱物成分を含む配合
処方とする。
【0032】特に上記生分解性変性澱粉のうち、炭素数
2から18のエステル構成基を有し、エステル置換度が
1.0から2.9の範囲にある澱粉エステルが、水難溶
性ないし耐水性を得易く望ましい。エステル置換度が
1.0未満では所要の水難溶性を得難く、2.9を越え
ると、良好な生分解性を得難い。
【0033】該澱粉エステルは、種々の公知の方法で得
られるが、特に特開平8−188601号公報に記載さ
れる、ビニルエステルをエステル化試薬として用い、非
水溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させる
方法で得られた澱粉エステルが、前記物性を低コストで
満足させるものとして良好な効果を与える。
【0034】更に、高度の耐水性が要求される場合に
は、重合末端がエステル封鎖されていない、あるいは部
分的または完全にエステル封鎖されている、ビニルエス
テル及び/又はポリエステルグラフト重合澱粉であるこ
とが望ましい。
【0035】上記グラフト重合澱粉としては、本願出願
人が先に特願平7−44487号(特開平 −
号)および特願平7−133873号(特開平−
号)においてそれぞれ開示している、下記
エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉およびエ
ステル化ポリエステルグラフト化重合澱粉を、好適に使
用できる(いずれも「請求項1」を引用)。
【0036】「エステル化とともに、ポリビニルエス
テルのグラフト化がなされている澱粉であって、前記エ
ステル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂
肪酸類、芳香族カルボン酸類の1種または2種以上から
選択され、前記ポリビニルエステルの対応酸が、炭素数
2〜18の飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸の1
種または2種以上から選択されている。」 「エステル化とともに、ポリエステルのグラフト化が
なされている澱粉であって、前記エステル化の対応酸
が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸類、芳香族カ
ルボン酸類の1種または2種以上から選択され、前記ポ
リエステルが、環員数4〜12の1種または2種以上か
ら選択されるラクトンの開環重合体であり、末端水酸基
が略エステル封鎖されている。」 本発明の目的を十分に達成するため、少なくとも1種は
水に難溶性もしくは不溶性の物質を使用するか、及び/
又は、既知の耐水化剤を生分解性ポリマーの生分解性を
損なわない範囲で使用することが望ましい。
【0037】(4) なお、上記生分解性ポリマーは、必要
に応じて、即ち、生分解性ポリマーの可塑化を促進する
見地から、生分解性ポリマーの可塑剤とともに使用する
ことが可能である。その可塑剤の生分解性ポリマーに対
する配合比は、通常、生分解性ポリマー100部に対し
て、0〜100部とする。
【0038】上記可塑剤としては、発明の目的からも生
分解性を有することが望ましく、下記例示のものを一種
ないし二種以上複合して使用することが可能である。
【0039】(a) ポリオール化合物…エチレングリコー
ル、グリセリン、ポリグリセリン等 (b) フタル酸エステル…ジメチル・ジエチル・ジブチル
・ジヘプチル・ジ(2−エチルヘキシル)・ジ(n−オ
クチル)フタレート、 (c) フタル酸エステル誘導体…エチルフタリルエチルグ
リコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、 (d) 脂肪族一塩基酸エステル…オレイン酸ブチル、グリ
セリンモノステアレート、グリセリンジアセテート、ト
リアセチン、トリプロピオニン、スクロースオクタアセ
テート等、 (e) 脂肪族一塩基酸エステル誘導体…アセチルリシノー
ル酸メチル、アセチルクエン酸トリエチル等、 (f) 脂肪族二塩基酸エステル…アジピン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジn−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル等、 (g) 芳香族カルボン酸エステル…トリメリット酸トリオ
クチル、ジエチレングリコールベンゾエート、オキシ安
息香酸オクチル等、 (h) リン酸エステル…リン酸トリブチル、リン酸トリク
レジル等、 (i) エポキシ系可塑剤…、エポキシ化大豆油、エポキシ
化ヒマシ油、アルキルエポキシステアレート等、 (j) 高分子系可塑剤…各種液状ゴム、ポリテルペン樹
脂、低〜中分子量直鎖ポリエステル等、 (5) 本発明において鉱物成分を配合する場合、生分解性
ポリマーの配合比(重量比)は、通常、前者/後者=5
/95〜99/1、望ましくは、10/90〜90/1
0の範囲とする。配合比が極端に生分解性ポリマーリッ
チに傾くと、徐放機能を生分解性ポリマーのみに依存す
ることになり、逆に極端に鉱物成分リッチの配合では生
分解性ポリマーによるバインダー効果及び農薬成分の溶
出抑制効果が不足することになるため、いずれの場合も
本発明の目的を十分に達成し難い。
【0040】上記範囲内では、一般に生分解性ポリマー
の配合比を高めることにより、より溶出速度を低下させ
ることが可能となる。
【0041】B.本発明の徐放性農薬の製造方法は、下
記の如く行う。
【0042】上記農薬成分、鉱物成分、生分解性ポリ
マー及び必要に応じて可塑剤その他を、乾燥状態で、あ
るいは水又は有機溶媒を媒体として用い、必要に応じて
加熱及び/又は冷却を伴う条件下で均一に混合混練す
る。
【0043】当該混練物を、押し出し、プレス成形、
流し込み成形、射出成形等の既知の成形技術で成形、な
いしは、流動造粒、転動造粒、破砕造粒等の既知の造粒
技術により造粒して、更には、必要に応じて加熱、乾燥
を経て固形化する。
【0044】本固形化徐放性農薬の形状及び大きさは、
粒状、球状、円柱状、角柱状、円盤状、杭形 等、施用
時の利便、成形物一個当たりの農薬成分含量、及び体積
/表面積比に起因する溶出速度の相違等を勘案して選択
可能であり、特に制限はない。
【0045】また、本農薬組成物の製造条件には、製造
時の温度条件以外特別な規制はない。すなわち、本発明
に使用する農薬成分及び生分解性ポリマーの中には、高
温において熱分解又は熱劣化を受けるものもあるため、
必然的に、混合混練時、成形時及び乾燥時の品温は当該
構成成分の熱分解又は熱劣化温度以下に制御して製造す
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実証するための実施例及び比
較例を示すが、これらは本発明を何等制限するものでは
ない。
【0047】A.生分解性ポリマーの調製 (1) アセチル化澱粉:高アミロースコーンスターチ(ア
ミロース含量:70%)100gを、DMSO 600
gに懸濁後、80℃に昇温し均一な溶液とする。80℃
を維持しながら、炭酸水素ナトリウム5g、酢酸ビニル
150gを順次加えて2時間反応させた。得られた反応
液を、水2Lに注入して生成した沈殿物を、吸引ろ過し
て回収した。該沈殿物を水2Lに懸濁させて脱水ろ過を
3回繰り返して洗浄後、オーブンに入れ60℃で乾燥し
て、粉状のアセチル化澱粉を調製した。このアセチル化
澱粉の置換度は2.4であった。
【0048】(2) アセチル化ポリエステルグラフト重合
澱粉:高アミロースコーンスターチ(アミロース含量:
70%)100gを、DMSO 600gに懸濁後、8
0℃に昇温し均一な溶液とする。80℃を維持しなが
ら、炭酸水素ナトリウム5gを加え、DMSOが還流す
るまで減圧し30分間反応させたあと、減圧状態下でε
−カプロラクトン70.3gを加え、1時間反応させ
る。続いて、常圧に戻して、炭酸水素ナトリウム5g、
酢酸ビニル150gを順次加えて2時間反応させた。得
られた反応液を、水2Lに注入して生成した沈殿物を、
吸引ろ過して回収した。該沈殿物を水2Lに懸濁させて
脱水ろ過を3回繰り返して洗浄後、オーブンに入れ60
℃で乾燥して、粉状のポリカプロラクトングラフト重合
アセチル化澱粉を調製する。このアセチル化ポリエステ
ルグラフト重合澱粉の、カプロラクトン重合度は0.9
5、置換度は2.3であった。
【0049】B.徐放性農薬の調製 表1に示す組成の各配合物を下記各方法で製造した。な
お、各変性澱粉は、前記の様にして調製した。
【0050】<実施例1・2、比較例1・2>ビーカ
(200mL)でスパーテルを使用して手で混合混練し
た後、注射筒より押出成形、乾燥し、直径約1mm、長
さ約5mmの固形化徐放性農薬を得た。
【0051】<実施例3・4>上記と同様にして混合混
練した後、注射筒より押出成形、乾燥し、1×3×5m
mの扁平な固形化徐放性農薬を得た。
【0052】<実施例5・6>プラストミル(東洋精機
30C150型)を用いて140℃で混合混練した後、
熱プレスにより140℃で成形し、1×5×5mmの板
状の徐放性農薬を得た。
【0053】(3) 溶出率測定方法 上記で得た各固形化農薬1.0gを、純水50mLに浸
漬し、約25時間おきに水を取り替え、そのときにおけ
る280nmにおける吸光度を測定し、2、4−Dの溶
出量を求めた。
【0054】得られた結果を表2に示す。
【0055】表2に示す結果から、本発明の各実施例
は、日数経過とともに溶出率が漸増し、しかも、飽和値
に達した後も、溶出率が安定していることが分かる。こ
れに対して、混合ポリマーが水溶性高分子のみである比
較例1は、当初から溶出率が高く、徐放性がないことが
わかる。また、比較例2は耐水性に劣る。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形状である徐放性農薬において、 農薬成分が、水難溶性ないし耐水性の生分解性ポリマー
    からなる又はそれを主体とする母材中に分散されてなる
    ものであることを特徴とする徐放性農薬。
  2. 【請求項2】 前記母材が、前記生分解性ポリマーに加
    えて可塑剤を構成成分とすることを特徴とする請求項1
    記載の徐放性農薬。
  3. 【請求項3】 前記生分解性ポリマーが、化学変性澱粉
    または物理変性澱粉の群より選ばれる1種又は2種以上
    からなるものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の徐放性農薬。
  4. 【請求項4】 前記化学変性澱粉が、炭素数2から18
    のエステル構成基を有し、エステル置換度が1.0から
    2.9の範囲にある澱粉エステルであることを特徴とす
    る請求項3記載の徐放性農薬。
  5. 【請求項5】 前記澱粉エステルが、エステル基炭素数
    が2から18のビニルエステルをエステル化試薬として
    用い、非水有機溶媒中でエステル化触媒と共に澱粉と反
    応させて得られたものであることを特徴とする請求項4
    記載の徐放性農薬。
  6. 【請求項6】 前記化学変性澱粉が、重合末端がエステ
    ル封鎖されていない、あるいは部分的または完全にエス
    テル封鎖されている、ビニルエステル及び/又はポリエ
    ステルグラフト重合澱粉であることを特徴とする請求項
    3記載の徐放性農薬。
  7. 【請求項7】 固形状である徐放性農薬において、 農薬成分が、水難溶性ないし耐水性の生分解性ポリマー
    及び鉱物成分からなる又はそれを主体とする複合母材中
    に分散されてなるものであることを特徴とする請求項1
    記載の徐放性農薬。
  8. 【請求項8】 前記複合母材が、前記生分解性ポリマー
    及び鉱物成分に加えて可塑剤を構成成分とすることを特
    徴とする請求項7記載の徐放性農薬。
  9. 【請求項9】 前記生分解性ポリマーが、化学変性澱粉
    または物理変性澱粉の群より選ばれる1種又は2種以上
    からなるものであることを特徴とする請求項7又は8記
    載の徐放性農薬。
  10. 【請求項10】 前記化学変性澱粉が、炭素数2から1
    8のエステル構成基を有し、エステル置換度が1.0か
    ら2.9の範囲にある澱粉エステルであることを特徴と
    する請求項9記載の徐放性農薬。
  11. 【請求項11】 前記澱粉エステルが、エステル基炭素
    数が2から18のビニルエステルをエステル化試薬とし
    て用い、非水有機溶媒中でエステル化触媒と共に澱粉と
    反応させて得られたものであることを特徴とする請求項
    10記載の徐放性農薬。
  12. 【請求項12】 前記化学変性澱粉が、重合末端がエス
    テル封鎖されていない、あるいは部分的または完全にエ
    ステル封鎖されている、ビニルエステル及び/又はポリ
    エステルグラフト重合澱粉であることを特徴とする請求
    項9記載の徐放性農薬。
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