JPH10100107A - 木質系仕上材料 - Google Patents

木質系仕上材料

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JPH10100107A
JPH10100107A JP6268897A JP6268897A JPH10100107A JP H10100107 A JPH10100107 A JP H10100107A JP 6268897 A JP6268897 A JP 6268897A JP 6268897 A JP6268897 A JP 6268897A JP H10100107 A JPH10100107 A JP H10100107A
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wood
surface layer
printing
finishing material
plywood
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Seishi Mishina
晴司 三品
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FUAMUSU KK
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FUAMUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷工程を簡素化し且つ化粧合板又は建築部
材等の製造コストを低廉化するとともに、格別の付加的
手段を要さずに基材表面の印刷保護対策を実現すること
ができ、しかも、近年のエコロジー対策又は環境保護対
策に好適に適応し得る新規な構造の木質系仕上材料を提
供する。 【解決手段】 木質系仕上材料1は、天然木突板からな
る基材2と、基材2の表面を全体的に被覆する表層3と
を備え、該表層3は、木目調整模様等の印刷を裏面又は
貼着面に印刷してなる焼却廃棄処分可能な材質の透明シ
ート材料又は透明フィルム材料からなる。基材2の表面
の「照り」や、木理、肌目又は杢目等、或いは、色合い
等は、表層3の印刷4にて調整された上で、透明な表層
3を通して視認され、材料表面に顕在化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質系仕上材料に
関するものであり、より詳細には、印刷工程の簡素化及
び製造コストの低廉化を図るとともに、表層印刷の保護
手段を備え、しかも、エコロジー対策又は環境保護対策
に好適に適応し得る新規な構造の木質系仕上材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】工業生産された木材(エンジニアリング
ウッド)として、突板等の単板又は基材を積層してなる
木製合板が、主に各種建築物の内装仕上材料、家具仕上
材料、或いは、型枠又は構造材料等の用途において、広
く実用に供されている。この種の木製合板において、建
築物の内装工事、建具工事又は家具等の施工、加工又は
製作に使用される天然木化粧合板や、合成樹脂オーバー
レイ合板、塗装合板、ランバーコア合板、或いは、ハニ
カム型軽量合板等の所謂特殊合板が、一般に知られてい
る。このような特殊合板において、PVC(ポリ塩化ビ
ニル)樹脂のフィルム又はシートを合板等の表面に圧着
又は接着し、表面をPVC樹脂フィルム等にて被覆して
なる特殊合板が、現在広く普及している。PVC樹脂フ
ィルム又はPVC樹脂シートは、意匠性、加工性又は印
刷容易性、或いは、経済性等において優れていることか
ら、杢目又は柾目や、或いは、中板目等の各種木目模様
を表面に印刷したPVC樹脂フィルムを表層基材面に貼
着してなる所謂化粧合板又は各種プリント合板等が、各
種建築物の内装仕上工事等の用途において広く使用され
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成の化粧合板
においては、重厚又は自然な木目模様を表出すべく、合
板の基材ないし単板を構成する突板等の表層を被覆する
樹脂フィルムに対して、ベタ印刷、複数段階の柄印刷及
び導管印刷等を含む多段印刷工程により各種木目模様を
印刷したり、天然木特有の所謂木の「照り」又は「照か
り」を表出すべく、高価な金粉等を樹脂に混入し、或い
は、着色材等を樹脂フィルムに混入したり、着色ベタ刷
り印刷等を施すことにより素材(基板)の木目又は肌目
等を完全に視認不能にする不透光性表層を基材表面に形
成する等の各種印刷技法が採用されており、この結果、
印刷工程が極めて複雑化又は煩雑化するとともに、化粧
合板の製造コストが高額化している。これに対し、単板
シートの基材に対して直接に木目模様を印刷する所謂ダ
イレクト印刷法が開発されているが、このようなダイレ
クト印刷法により製造された単板シートにおいては、事
実上極めて煩雑且つ困難な印刷の着色管理又は配色管理
等を要する結果、均一且つ安定した製品生産及び製品供
給が非常に困難な事情がある。しかも、かかる単板シー
トは、木の割裂又は剪断亀裂等を生起し易いドア枠、廻
り縁又は巾木等の部位にて所望の如く合板として使用し
難く、従って、この種の部位に合板として好適に使用す
べく、不織布等の補強材又は補強シートを単板裏面に貼
着せざるを得ず、結果的に製造コストが高騰してしま
う。
【0004】また、従来のダイレクト印刷法により製造
された合板においては、表面の損耗、損傷又は擦り傷等
が、合板の表面に施された印刷の剥離又は損傷として顕
れてしまうことから、何らかの合板表面の印刷保護対策
が要望されている。更に、近年におけるエコロジー対
策、或いは、地球環境の保護対策の重要視傾向に伴っ
て、廃棄物焼却時に生じる黒煙又はばい煙の規制や、産
業廃棄物の処理規制等に対する対策、或いは、焼却時の
高温発熱に対する焼却炉自体の保護策等が、望まれてい
る。殊に、建築物解体時に多量に発生する上記特殊合板
の廃材は、産業廃棄物として多量に処分せざるを得ず、
従って、今後施工される建築物の内装材料等は、殊に廃
棄処分の可能性を考慮した上で選択しなければならな
い。しかしながら、PVC樹脂フィルム等にて被覆した
従来の特殊合板は、塩素ガス又はばい煙の多量発生、或
いは、焼却処分時の高燃焼温度等の問題を生じさせ、し
かも、かかるPVC樹脂被覆の特殊合板については、産
業廃棄物規制の強化により、焼却後の残材又は残灰等の
処分についてすら困難になりつつあり、従って、エコロ
ジー対策又は環境保護対策に将来的に適応し得る新規な
構造の特殊合板の開発が、強く要望されている。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、印刷工程を簡素化
し且つ化粧合板又は建築部材等の製造コストを低廉化す
るとともに、格別の付加的手段を要さずに基材表面の印
刷保護対策を実現することができ、しかも、近年のエコ
ロジー対策又は環境保護対策に好適に適応し得る新規な
構造の木質系仕上材料を提供することにある。本発明は
更に、簡単な製造工程及び低廉な製造コストにて製造し
得るとともに、格別の付加的手段を要さずに合板表面の
印刷保護対策を実現することができ、しかも、エコロジ
ー対策又は環境保護対策に対して所望の如く適合し得る
特殊化粧合板ないし化粧建築部材を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、天然木素材からなる基材と、該
基材の表面を全体的に被覆する表層とを備え、該表層
は、前記基材の木目模様を調整する印刷を基材側貼着面
に施した透明又は半透明のシート材料又はフィルム材料
からなることを特徴とする木質系仕上材料を提供する。
【0007】本発明の上記構成によれば、上記基材の表
面に存在する天然木独特の「照り」や、天然木素材の木
理、肌目又は杢目、或いは、色合い等は、表層の印刷に
て調整された上で、透明又は半透明な表層を通して視認
され、仕上材表面に顕在化する。従って、基材として、
比較的安価な素材を採用し、木質系仕上材料の製造コス
トを全体的に低廉化することができる。また、上記印刷
は、基材のテクスュア及び色合い等を調整する程度の印
刷工程により実施し得るので、印刷工程を簡素化し得
る。しかも、上記表層は、木の割裂又は剪断亀裂等を防
止する補強層として機能するともに、印刷模様又は印刷
トーン等を保護する保護層として機能するので、補強を
要する部位において上記木質系仕上材料を備えた合板等
を好適に使用し得るとともに、該木質系仕上材料を備え
た合板等における表面の損耗、損傷又は擦り傷等による
印刷の剥離又は損傷を確実に防止することができる。ま
た、上記シート材料又はフィルム材料は、産業廃棄物と
して焼却処分ないし廃棄処分可能な材質に設定又は選定
され、これにより、エコロジー対策又は環境保護対策に
将来的に対応し得る木質系仕上材料を確実に製造するこ
とが可能となる。
【0008】本発明は又、上記構成の木質系仕上材料
と、突板等の単板又は単板の積層体からなる基板とを積
層し、前記木質系仕上材料を表層に配置してなる化粧合
板を提供する。このように上記木質系仕上材料を表層に
備えた化粧合板ないし建築部材によれば、上記の如く、
印刷工程を簡素化し且つ合板又は建築部材の製造コスト
を低廉化することができ、しかも、格別の付加的手段を
要さずに合板表面ないし建築部材表面の印刷保護対策を
実現することができる。しかも、上記化粧合板ないし建
築部材は、上記シート材料又はフィルム材料の適切な設
定ないし選択により、所望の如く、エコロジー対策又は
環境保護対策に将来的に適応することができる。従っ
て、本発明の化粧合板は、一般建築又は住宅建築等の構
成部材、資材又は製品として実用的に極めて有利であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態におい
て、上記基材は、スライス法、ロータリー法、ハーフラ
ウンドロータリー法又は逆ハーフラウンドロータリー法
等の各種切削方法にて製造された天然木化粧単板等の突
板からなる。或る実施形態において、かくして製造され
た突板は、好ましくは、0.18乃至0.4mmの板厚
(薄突き)の長尺シート材、或いは、0.5乃至1mmの
板厚(厚突き)の長尺シート材を構成し、かかる長尺の
突板の表面に対して、所定の印刷を裏面に施した長尺の
上記シート材料又はフィルム材料が積層される。かかる
長尺の木質系仕上材料は、所定の寸法に裁断され、所望
の用途、例えば、合板表層材料、ドア枠、廻り縁又は巾
木等の化粧材、或いは、軽量ドア又は軽量パネルの化粧
材等の用途に適宜使用される。
【0010】本発明の好適な実施形態によれば、上記基
材は、経済性、意匠性、供給安定性及び加工性等に優れ
た輸入木材等、例えば、スプルース又はベイマツ等の天
然木の単板、或いは、長尺シート状の天然木突板等から
なり、また、上記表層として、産業廃棄物規制に対して
比較的容易に適合し得るフィルム材料又はシート材料、
例えば、アクリル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィル
ム、ポリエチレン樹脂フィルム、ナイロン繊維シート又
は透明紙等の印刷可能な透明フィルム又は透明シートが
使用される。更に好ましくは、上記表層の厚さは、0.
1乃至0.03mmに設定される。本発明の他の好適な実
施形態によれば、上記表層は、着色材料を含有する半透
明な表層シート又は表層フィルムにて形成される。本発
明の更に他の実施形態によれば、均一なベタ刷り印刷が
上記表層に施される。本発明の或る実施形態において、
上記表層印刷は、一般的な製版印刷工程にて使用される
印刷ロールにより、長尺のシート材料又は長尺のフィル
ム材料に対して連続的に印刷される。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
に係る木質系仕上材料について、詳細に説明する。図1
は、本発明の実施例に係る木質系仕上材料の断面構造を
示す概略部分断面図であり、図2は、図1に示す木質系
仕上材料の部分拡大縦断面図である。また、図3は、図
1に示す木質系仕上材料を部分的に拡大して示す分解縦
断面図である。
【0012】図1に示す如く、木質系仕上材料1は、基
体ないし支持体(キャリヤ)を構成する基材2と、基材
2の表層に貼着された透明な表層シート、表層フィルム
又はクリヤーフィルム3(以下、「表層3」という)と
から構成される。基材2は、経済性、意匠性、供給安定
性及び加工性等に優れた輸入木材等、例えば、スプルー
ス又はベイマツ等の天然木の単板ないし天然木突板から
なる。基材2の素材として、天然木独特の所謂「照り」
又は「照かり」を比較的強く有し、比較的大柄の淡い板
目又は杢等の表面模様ないしテクスチュアを有し、しか
も、加工性に優れ、安価に入手可能な木種の天然木単板
又は突板、例えば、上記スプルース又はベイマツ、或い
は、ツガ材等の天然木材の単板又突板を好適に使用し得
る。本例において、基材2は、ロータリー法等の切削方
法にて製造された薄突き種別の長尺シート材からなる。
かかる長尺の突板(基材2)の表面に対して、所定の印
刷を施した長尺の上記シート材料又はフィルム材料が表
層3として積層される。表層3の素材として、産業廃棄
物規制に対して比較的容易に適合し得るフィルム又はシ
ート材料、例えば、透明又は半透明なアルリル樹脂フィ
ルム、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等
を含むオレフィン樹脂フィルム、更には、ポリエチレン
樹脂フィルム、ナイロン繊維シート又は透明紙等からな
る印刷可能な透明フィルム又は透明シートを好ましく使
用し得る。表層3の厚さは、好適には、0.1乃至0.
03mm程度に設定される。
【0013】図2及び図3に示す如く、淡い印刷模様又
はトーン印刷4(以下、「印刷4」という)が、表層3
の基材側貼着面又は接着面に施される。印刷4は、例え
ば、表層3の裏面に所望のパターン及び色合いの木理及
び肌目等の木目模様を形成するように印刷される。かか
る印刷は、例えば、印刷ロール等の従来の印刷手段によ
り、長尺ロールから繰出される連続透明シート又は透明
フィルム上に所定パターン及び色合い・配合の印刷材料
を塗布又は塗着することにより実施され、上記印刷4を
備えた表層3のシート材料又はフィルム材料は、かかる
印刷工程により好適に製造される。表層3を構成する長
尺シート材料又は長尺フィルム材料は、接着剤による接
着技術、或いは、樹脂の熱接着又は熱溶着技術により、
長尺材として成形された上記基材2の表面に一体的に貼
着され、かくして、木質系仕上材料1は、透明な表層3
にて表層被覆された突板シート又はシート状単板として
製造される。このようにして製造された長尺の木質系仕
上材料1は更に、所望の用途に適応した所定の寸法に裁
断され、建築内装工事又は建具工事等の施工材料として
実用に供される。
【0014】上記構成の木質系仕上材料1において、基
材2の表面に顕れた天然の杢等の木目模様及び天然木素
材の色合い、更には、天然木独特の所謂「照り」等は、
透明な表層3を通じて視認される。従って、高価な金粉
等を要することなく、天然木特有の表情(テクスュア、
照り、高級感又は風合い等)を木質系仕上材料1の表面
に表出することができる。また、表層3のシート材料又
はフィルム材料に対する適当な印刷技術により、柾目、
板目又は杢等の調整、色合いの調整、或いは、所望の木
理及び肌目等の調整を比較的容易になし得るので、基材
2の素材として、比較的安価な輸入木材等の木種を採用
することができる。更に、上記表層3の印刷は、表層3
の裏面又は貼着面に施されており、印刷された木目調整
模様等は、合板表面の損耗、損傷又は擦り傷等から保護
される。従って、木質系仕上材料1は、長期に亘って初
期の木目模様及び色合い等を維持し得る。しかも、表層
3を構成するシート材料又はフィルム材料は、木質系仕
上材料1の耐曲げ強度又は耐剪断強度等を向上させる補
強材又は補強シートとして機能し、基材2と一体化した
補強層を基材2の全面に形成する。従って、格別の補強
手段を付加的に設けずに、木質系仕上材料1を補強する
ことが可能となる。
【0015】以上説明したとおり、本実施例に係る木質
系仕上材料1は、天然木素材からなる基材2と、基材2
の表面を全体的に被覆する表層3とを備え、該表層3
は、木目調整模様等を裏面又は貼着面に印刷してなる焼
却廃棄処分可能なアクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリ
エチレン樹脂又は繊維質等の透明シート材料又は透明フ
ィルム材料からなる。基材2の表面の「照り」や、木
理、肌目又は杢目等、或いは、色合い等は、表層3の印
刷4にて調整された上で、透明な表層3を通して視認さ
れ、材料表面に顕在化する。従って、基材2として、比
較的安価な木種素材を採用し得るので、木質系仕上材料
1の製造コストを全体的に低廉化することができる。ま
た、上記印刷4の印刷又はプリントは、基材2のテクス
ュア及び色合い等を調整する程度の印刷工程により実施
し得るので、印刷工程を簡素化し、木質系仕上材料1の
製造コストを更に低廉化することができる。かくて、上
記木質系仕上材料1によれば、一般に銘木と認識される
木材又は木種を使用することなく、雑木的木材を資材と
して使用して安価に所謂銘木を製造し得るので、実用的
に極めて有益である。
【0016】しかも、上記表層3は、木の割裂又は剪断
亀裂等を防止する補強層として機能するともに、印刷4
を保護する保護層として機能するので、上記木質系仕上
材料1をドア枠、廻り縁又は巾木等の部位に好適に使用
し得るとともに、木質系仕上材料1の表面の損耗、損傷
又は擦り傷等による印刷4の剥離又は損傷を防止するこ
とができる。また、上記構成の木質系仕上材料1は、産
業廃棄処分規制を受けるPVC樹脂フィルム等の被覆層
を備えておらず、産業廃棄物として焼却処分ないし廃棄
処分可能な材質の表層3を備えているので、エコロジー
対策又は環境保護対策に将来的に対応し得る建築部材又
は住宅資材等として、実用的に極めて有利である。
【0017】図4は、上記木質系仕上材料1を備えた特
殊化粧合板を示す縦断面図である。特殊化粧合板を構成
する木製合板5は、図1乃至図3に示す上記構成の木質
系仕上材料1と、単板又は単板の積層体からなる基板6
とからなり、木質系仕上材料1及び基板6は、所望の接
着技術等にて一体的に積層される。木質系仕上材料1
は、木製合板5の表層に位置し、木質系仕上材料1の表
面に顕れた天然の杢等の木目模様及び天然木素材の色合
い、更には、天然木独特の所謂「照り」等を木製合板5
の表面に表出ないし形成する。かかる構成の木製合板5
は、上記木質系仕上材料1を備えたことにより、全体的
に簡単且つ安価な製造工程又は製造手法に従って製造し
得るとともに、格別の付加的手段を要さずに合板表面の
印刷保護手段を具備することができる。しかも、木製合
板5は、産業廃棄物として焼却処分ないし廃棄処分可能
な材質の表層3を備えた木質系仕上材料1により被覆又
は化粧されているので、エコロジー対策又は環境保護対
策に対して所望の如く適合し得る特殊化粧合板として製
造することができる。
【0018】図5は、本発明に係る木質系仕上材料の原
材料を図示する木片集積ブロックの斜視図及び部分縦断
面図であり、図6は、本発明に係る木質系仕上材料の製
造装置系を概略的に示すフィルム積層装置の概略縦断面
図である。図5(A)に示す木片集積ブロック10は、
多数の天然木木片又は板片等を集積し、所定寸法の木質
系集成材として一体的に成形してなる方形の木質系製材
原料である。図5(A)には、多数の板材を集積してな
る木質系集成材が例示的に図示されている。所定の色相
又は色合に調整された顔料又は染料が、圧力下に木片集
積ブロック10に圧入され、或いは、浸漬法又はドブ漬
法により木片集積ブロック10内に含浸している。顔料
又は染料は、木片集積ブロック10の素材が有する「照
り」及び木目模様を表出可能な程度に木片集積ブロック
10を着色するためのものであり、木片集積ブロック1
0の素材が保有する天然木特有の「照り」及び木目模様
の視覚性又は美観を損なうことなく、木片集積ブロック
10の内部域まで全体的且つ均一に無模様且つ単一色に
木片集積ブロック10の素材を着色する。
【0019】図5(B)に示す如く、木片集積ブロック
10は、スライサーのナイフ又はブレードBによりスラ
イス法にて切削加工される。図5(A)(B)には、ブ
レードBによるスライス方向Sが、仮想線で示されてい
る。木片集積ブロック10は、ブレードBによる切削/
切断加工によって平削りされ、多数の所定厚の板材に分
割される。かくして製造された突板材7は、上記基材2
の原材料として、図6に示すフィルム積層装置10に供
給される。フィルム積層装置10は、上記表層3を構成
するシート材料8を巻回してなるシート原料ロール11
と、突板材7を搬送する上位及び下位のベルト式搬送装
置17と、シート材料8及び突板材7を積層し且つシー
ト材料8の表面にエンボス加工を施す上位積層ローラ1
5及び下位積層ローラ16とを備える。裏面に上記印刷
4を印刷した厚さ0.05乃至0.03mm程度のシート
材料は、印刷4を有する面を上面に配向した状態でシー
ト原料ロール11から繰り出され、ガイドローラ14の
案内により糊付けローラ12及び加熱・乾燥装置13を
介して積層ローラ15、16のニップ帯域に給送され
る。シート材料として、UV(紫外線)硬化型塗料に具
合良く適合し且つUV硬化型塗料の所謂塗装のり又は塗
装作業性が良いアクリル樹脂フィルムを好適に使用し得
る。なお、UV硬化型塗料の塗装は、木質仕上材料1を
床材等の耐久性仕上材として使用する際に、表面の耐久
性又は耐磨耗性の向上により、表面の擦過傷等を確実に
防止したり、或いは、木質仕上材料1を高級家具等の表
面材として使用すべく、外観の高級感を表出する等の目
的に応じて、所望により適宜塗装される。糊付けローラ
12は、上記印刷4を有するシート材料8の上面に所定
の糊又は接着剤を塗布し、加熱・乾燥装置13は、シー
ト材料8に塗布された糊又は接着剤を所望の程度まで乾
燥・硬化させる。
【0020】他方、突板材7は、ベルト式搬送装置17
により積層ローラ15、16のニップ帯域に給送され、
突板材7及びシート材料8は、積層ローラ15、16に
て重合され、印刷4を備えたシート材料8の裏面は、上
記糊又は接着剤にて突板材7の上面に圧着される。上位
積層ローラ15は、突板材7及びシート材料8に対して
プレス重合圧力及び接着圧力を付与するのみならず、積
層ローラ15に配設された加熱手段及びローラ表層に形
成されたエンボス加工手段により、シート材料8の表面
に所定のエンボス加工を施す。シート材料8の表面を加
熱するヒーター19が、上位積層ローラ15とガイドロ
ーラ14との間に配置され、シート材料8の表層は、ヒ
ーター19の加熱作用により軟化し、後続する積層ロー
ラ15は、軟化したシート材料8の表面に所定のエンボ
ス模様を刻設する。エンボス加工手段は、僅かに視認し
得る程度の型押し模様をシート材料8の表面に成形する
ように調整され、この結果、天然木に類似した肌触り又
は触感を与える表面がシート材料8に形成される。エン
ボス加工は、天然木の道管模様、梨子地模様又は艶消し
模様を表面に形成し、天然木の自然な風合い及び塗装感
を表面に表出する。しかも、かかる表層3のエンボス加
工より、従来の天然木合板の製造法において必要とされ
た最終段階のクリヤ塗装工程等を省略することが可能と
なる。なお、従来のPVC樹脂シート上に形成される道
管模様においては、黒色インキを均一にベタ刷りした
後、表面に塗着した黒色インキを掻き落とし、凹部内に
残留した黒色インキにて道管模様を形成する加工法が採
用されているが、本例の工程によれば、この種の模様付
け工程ないし型押/印刷工程に係る作業工数を大幅に簡
素化することが可能となる。
【0021】積層ローラ15、16にて積層された突板
材7及びシート材料8は、上位及び下位のベルト式搬送
装置18により給送される。回転式カッター又はスライ
ド式カッターを備えた切断装置20が、搬送装置18の
下流側に配置され、切断装置20は、搬送装置18から
送出されたシート材料部分を切断し、上記基材2及び表
層3を一体化してなる木質系仕上材料1を形成する。フ
ィルム積層装置10は、所要により木質系仕上材料1の
積重ねを形成する載荷/梱包装置を介して、木質仕上材
料1を連続的に送出し、木質仕上材料1は、所望の用途
に供される。
【0022】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲
内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変
更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、いうまでもない。例えば、本発明の変形例におい
て、着色材料を含有する半透明な表層シート又は表層フ
ィルムにて上記表層3を形成することができる。或い
は、本発明の更なる変形例として、上記基材2の天然木
目模様を重視し、上記表層3の裏面に均一なベタ刷り印
刷のみを施しても良い。
【0023】
【発明の効果】請求項1又は請求項2に記載された本発
明の上記構成によれば、印刷工程を簡素化し且つ化粧合
板又は建築部材等の製造コストを低廉化するとともに、
格別の付加的手段を要さずに基材表面の印刷保護対策を
実現することができ、しかも、近年のエコロジー対策又
は環境保護対策に好適に適応し得る新規な構造の木質系
仕上材料を提供することが可能となる。また、請求項3
に記載された本発明の上記構成によれば、簡単な製造工
程及び低廉な製造コストにて製造し得るとともに、格別
の付加的手段を要さずに合板表面の印刷保護対策を実現
することができ、しかも、エコロジー対策又は環境保護
対策に対して所望の如く適合し得る特殊化粧合板ないし
化粧建築部材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る木質系仕上材料の断面構
造を示す概略部分断面図である。
【図2】図1に示す木質系仕上材料の部分拡大縦断面図
である。
【図3】図1に示す木質系仕上材料を部分的に拡大して
示す分解縦断面図である。
【図4】図1乃至図3に示す木質系仕上材料を備えた特
殊化粧合板の縦断面図である。
【図5】本発明に係る木質仕上材料の原材料を図示する
木片集積ブロックの斜視図及び部分縦断面図である。
【図6】本発明に係る木質仕上材料の製造装置系を概略
的に示すフィルム積層装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 木質系仕上材料 2 基材 3 表層 4 印刷 5 木製合板 6 基板 7 突板材 8 シート材料 10 フィルム積層装置 11 シート原料ロール 12 糊付けローラ 13 加熱・乾燥装置 14 ガイドローラ 15、16 積層ローラ 17、18 ベルト式搬送装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然木素材からなる基材(2) と、該基板
    の表面を全体的に被覆する表層(3) とを備え、該表層
    は、前記基材の木目模様を調整する印刷(4) を基板側貼
    着面に施した透明又は半透明のシート材料又はフィルム
    材料からなることを特徴とする木質系仕上材料。
  2. 【請求項2】 前記基材(2) は、天然木突板からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の木質系仕上材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された前記木質系
    仕上材料(1) と、単板又は単板の積層体からなる基板
    (6) とを積層し、前記木質系仕上材料を表層に配置して
    なる化粧合板。
JP6268897A 1996-08-06 1997-03-17 木質系仕上材料 Pending JPH10100107A (ja)

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JP6268897A JPH10100107A (ja) 1996-08-06 1997-03-17 木質系仕上材料

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JP20685496 1996-08-06
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013163389A (ja) * 2013-05-30 2013-08-22 Happo Chemical Co Ltd 艶消し木質調木口材の製造方法

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