JPH0999820A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents

電気自動車の制動装置

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JPH0999820A
JPH0999820A JP25665495A JP25665495A JPH0999820A JP H0999820 A JPH0999820 A JP H0999820A JP 25665495 A JP25665495 A JP 25665495A JP 25665495 A JP25665495 A JP 25665495A JP H0999820 A JPH0999820 A JP H0999820A
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speed
brake pressure
brake
vehicle
controller
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Kenichi Saga
賢一 嵯峨
Hiroaki Yoshida
裕明 吉田
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電気自動車の制動装置に関し、後
輪ブレーキ力抑制で制動時の車体の姿勢を安定させるこ
とができるようにしながら、回生制動時のブレーキフィ
ーリングの悪化を回避できるようにする。 【解決手段】 車載のバッテリ1の電力で駆動輪4を駆
動する電動機2と、駆動輪4及び従動輪7に制動力を与
える制動装置11と、アクセルペダル9及びブレーキペ
ダル13の操作状態に基づいて電動機2を力行状態と回
生状態とのいずれかに切り換え回生状態の場合の回生度
合を制御する電動機コントローラ6とをそなえ、制動装
置11が、マスタシリンダ12と、マスタシリンダ12
からのブレーキ圧を駆動輪側及び従動輪側へ供給するブ
レーキ圧供給系14,15と、従動輪側へ供給するブレ
ーキ圧を減少側へ調整するブレーキ圧減圧調整手段16
と、電動機2の回生状態に応じてブレーキ圧減圧調整手
段16によるブレーキ圧の減圧度合を制御するブレーキ
圧減圧コントローラ8とをそなえるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機によって車
輪を駆動し走行する力行状態及び車輪に生じた回転エネ
ルギを電気エネルギに回生しながら制動する回生制動状
態とを行ないうる電気自動車の制動装置に関し、特に、
回生状態に応じて制動装置による前後輪の制動力割合を
制御する、電気自動車の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気汚染の防止や車両による騒音
低減の観点から、電気自動車が注目されつつあるが、こ
のような電気自動車では、いわゆる回生制動を容易に行
なうことができる。この回生制動は、走行用電動機(以
下、モータという)への電力供給を規制してこのモータ
を発電状態に切り換えることで行なうことができ、回生
制動時には、駆動輪に負荷を与えてこれを制動しつつこ
の駆動輪の回転エネルギを電気エネルギとして回収する
ことができる。
【0003】このような回生制動は、一般には、ブレー
キペダルを踏み込んだ時やアクセルペダルの踏み込みを
解除した時にこれに連動して制動力が発生するように制
御される。特に、ブレーキペダルを踏み込みに対して
は、ブレーキペダルが踏み込まれるほど回生制動力を強
めるような制御が行なわれている。もちろん、電気自動
車においても、ブレーキペダルを踏み込むと、当然、車
輪の回転を拘束する通常のブレーキ装置も作動する。こ
のような電気自動車に搭載されたブレーキ装置について
は、一般に、ガソリン車等の内燃機関による自動車(以
下、ガソリン車等という)と同様のものが用いられてい
る。
【0004】ところで、一般的な自動車のブレーキ装置
として、流体圧(一般的には、油圧と呼ばれるブレーキ
液圧)を利用したブレーキ装置があるが、このようなブ
レーキ装置では、プレッシャコントロールバルブ(PC
V)の一種であるプロポーショニングバルブを通じてブ
レーキ液圧を減圧制御して、後輪のブレーキ力を前輪の
ブレーキ力よりも常に小さく保つようにして、急制動時
等の後輪のロックを回避して後輪ロックによる車体のス
キッドを防止するようにしたものがある。
【0005】つまり、図6に示すように、油圧式ブレー
キ装置の油圧回路11は、ブレーキペダル13の踏み込
みに応じてブレーキ液圧を放出するマスタシリンダ12
と、フロント側ブレーキ液圧供給路14と、リヤ側ブレ
ーキ液圧供給路15とをそなえ、リヤ側ブレーキ液圧供
給路15の途中に、プロポーショニングバルブ(PC
V)20が介装されている。
【0006】なお、フロント側ブレーキ液圧供給路14
は、マスタシリンダ12から図示しないフロント側ブレ
ーキ装置(例えばディスクブレーキ装置のフロントキャ
リパ)へブレーキ液圧を供給するためのブレーキ液圧供
給路であり、リヤ側ブレーキ液圧供給路15は、マスタ
シリンダ12から図示しないリヤ側ブレーキ装置(例え
ばディスクブレーキ装置のリヤキャリパ)へブレーキ液
圧を供給するためのブレーキ液圧供給路である。
【0007】プロポーショニングバルブ20は、マスタ
シリンダ12からのブレーキ液圧(入力圧)Pが所定圧
P1未満のときには、この入力圧Pに対して一定の減圧
比kで減圧して出力圧P′(=k×P)で出力し、入力
圧Pが所定圧P1以上のときには、この入力圧Pに対し
て一定の圧力差ΔPだけ減圧して出力圧P′(=P−Δ
P)で出力する減圧バルブである。
【0008】また、マスタシリンダ12から送出される
ブレーキ液圧Pは、ブレーキペダルの操作量(即ち、ブ
レーキペダルの踏力)に比例するが、一般には、マスタ
シリンダ12からのブレーキ液圧Pが所定圧P1以上に
なったら、ブレーキ踏力の増加に対するブレーキ液圧の
増加割合を減少させて線型に増加するように設定されて
いる。
【0009】ブレーキ力は、このように供給されるブレ
ーキ液圧に対応するので、前輪側のフロントブレーキ力
及び後輪側のリヤブレーキ力は、ブレーキ踏力に対し
て、図7に示すような特性になる。このように、リヤブ
レーキ力がフロントブレーキ力に対して、一定の減圧比
で、又は、一定の圧力差だけ減圧されることで、後輪の
ブレーキ力が前輪のブレーキ力よりも常に小さく保たれ
ることになり、この結果、後輪に過剰な制動力が発生し
なくなり、後輪のロックを回避することができ、後輪ロ
ックによる車体のスキッドを防止することができるので
ある。
【0010】このような、プロポーショニングバルブに
よる後輪ブレーキ力抑制によっての後輪ロック回避は、
電気自動車においてもその適用が考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電気自動車
の回生制動は、回転エネルギを回収して電気エネルギに
変換しながら制動を行なうので、この回生制動を利用す
ることでエネルギ効率を高めることができる。特に、電
気自動車では、1回の外部充電による航続距離をいかに
伸ばすかという課題があるので、制動時にできるだけこ
の回生制動を利用できるように、回生率を高めるように
したい。
【0012】一般には、ブレーキ踏込時には、回生制動
力がブレーキ踏込量(又はブレーキ踏力)に応じて増減
するように制御されるので、通常の機械的な制動力(即
ち、機械的な摩擦力で車輪の回転を拘束するブレーキ)
にこの回生制動力が加わったたかちで各車輪の制動力が
発揮される。したがって、例えば前輪駆動の電気自動車
では、駆動輪である前輪に回生制動力が加わることにな
り、それだけ前輪の制動力分担比は高くなり、逆に、後
輪の制動力分担比は低くなる。特に、上述のように、回
生率を高めると、前輪の制動力分担比は極端に高くな
り、逆に、後輪の制動力分担比は極端に低くなる。ま
た、全輪駆動車(4輪駆動車)等の場合にも、回生率の
前後配分によっては、後輪の制動力分担比が極端に低く
なることも考えられる。
【0013】このような状況下で、プロポーショニング
バルブにより後輪ブレーキ力抑制を行なうと、ドライバ
や乗員にダイブ感を与えたりしてブレーキフィーリング
が損なわれてしまうという課題が発生する。もちろん、
回生制動力の小さい領域や高速走行時等には、制動時の
車体の姿勢を安定させるために、プロポーショニングバ
ルブによる十分な後輪ブレーキ力抑制が必要である。
【0014】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、プロポーショニングバルブによる後輪ブレーキ力
抑制で制動時の車体の姿勢を安定させることができるよ
うにしながら、回生制動力が大きく発揮される場合のブ
レーキフィーリングの悪化を回避できるようにした、電
気自動車の制動装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の電気自動車の制動装置は、車両に搭載されて
いるバッテリと、該バッテリに電気的に接続されるとと
もに出力軸を該車両の駆動輪に連結された電動機と、該
車両の駆動輪及び従動輪に制動力を与える制動装置と、
該車両に設けられて該電動機の出力状態を操作するアク
セルペダルと、該制動装置の作動状態を操作するブレー
キペダルと、該バッテリと該電動機との間の電気回路内
に設けられて、該アクセルペダル及び該ブレーキペダル
の操作状態に基づいて該電動機の作動を力行状態と回生
状態とのいずれかに切り換えるとともに該回生状態の場
合の回生度合を制御する電動機コントローラとをそな
え、該制動装置が、該ブレーキペダルの操作状態に応じ
たブレーキ圧を発生させうるマスタシリンダと、該マス
タシリンダからの該ブレーキ圧を該駆動輪側及び該従動
輪側へ供給する駆動輪側ブレーキ圧供給系及び従動輪側
ブレーキ圧供給系と、該従動輪側ブレーキ圧供給系に装
備されて該従動輪側へ供給する該ブレーキ圧を減少側へ
調整するブレーキ圧減圧調整手段と、該電動機の回生作
動の状態に応じて該ブレーキ圧減圧調整手段による該ブ
レーキ圧の減圧度合を制御するブレーキ圧減圧コントロ
ーラとを有していることを特徴としている。
【0016】請求項2記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項1記載の装置において、該ブレーキ圧減
圧コントローラが、該回生度合が高まるほど該ブレーキ
圧の減圧度合を減少させるように制御することを特徴と
している。請求項3記載の本発明の電気自動車の制動装
置は、請求項1記載の装置において、該ブレーキ圧減圧
調整手段が、該マスタシリンダへ接続された入力ポート
と複数の出力ポートとを有する電磁弁と、上記の複数の
出力ポートにそれぞれ接続され、該従動輪側へ供給する
該ブレーキ圧の減圧割合の互いに異なる複数のプロポー
ショニングバルブとをそなえ、該ブレーキ圧減圧コント
ローラが、上記の複数の出力ポートの何れか一つが択一
的に選択されるように該電磁弁の作動を制御することを
特徴としている。
【0017】請求項4記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項3記載の装置において、上記の複数の出
力ポートの一つから該ブレーキ圧の減圧を行なわずに該
従動輪側へ該ブレーキ圧を供給しうるように、該一つの
出力ポートには該プロポーショニングバルブが省略され
ていることを特徴としている。請求項5記載の本発明の
電気自動車の制動装置は、請求項4記載の装置におい
て、該ブレーキ圧減圧コントローラが、該電動機の回生
度合が大きくなるのに応じて次第に該ブレーキ圧の減圧
割合の低いプロポーショニングバルブが使用されていく
ように該電磁弁の作動を制御することを特徴としてい
る。
【0018】請求項6記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項2〜5のいずれかに記載の装置におい
て、該車両にそなえられた変速機の使用変速段を検出す
る変速段検出手段をそなえ、該変速段検出手段で検出さ
れた該使用変速段が予め設定された低速段域である場合
において、該ブレーキ圧減圧コントローラが、該ブレー
キ圧の減圧度合を減少させる制御を行なうように構成さ
れていることを特徴としている。
【0019】請求項7記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項2〜6のいずれかに記載の装置におい
て、該車両の走行速度を検出する車速検出手段をそな
え、該車速検出手段で検出された該走行速度が予め設定
された低速域にある場合において、該ブレーキ圧減圧コ
ントローラが、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させる制
御を行なうように構成されていることを特徴としてい
る。
【0020】請求項8記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項7記載の装置において、該車速検出手段
で検出された該走行速度が、該低速域よりも低い速度域
である予め設定された極低速域にある場合において、該
ブレーキ圧減圧コントローラが、該ブレーキ圧の減圧度
合を増加させる制御を行なうように構成されていること
を特徴としている。
【0021】請求項9記載の本発明の電気自動車の制動
装置は、請求項1記載の装置において、該ブレーキ液圧
コントローラが、回生ブレーキ力が略一定のときに、該
ブレーキ圧の減圧度合を減少させる制御を行なうように
構成されていることを特徴としている。請求項10記載
の本発明の電気自動車の制動装置は、請求項1記載の装
置において、該車両の走行速度を検出する車速検出手段
をそなえ、該電動機コントローラが、該車速検出手段に
よる検出結果に基づいて、該走行速度が第1設定速度よ
りも高い速度域にあるときには走行速度の減速に応じて
回生ブレーキ力を増加させ、該走行速度が該第1設定速
度よりも小さい第2設定速度に関してこれよりも高く且
つ該第1設定速度以下の速度域にあるときには走行速度
の減速に係わらず回生ブレーキ力を一定とし、該走行速
度が該第2設定速度以下の速度域にあるときには走行速
度の減速に応じて回生ブレーキ力を減少させる制御を行
なうように構成され、該ブレーキ液圧コントローラが、
該走行速度が該第1設定速度よりも高い速度域にあると
き、及び、該走行速度が該第2設定速度以下の速度域に
あるときは、該ブレーキ圧の減圧度合を増大させ、該走
行速度が該第1設定速度以下で且つ該第2設定速度より
も高い速度域にあるときは、該ブレーキ圧の減圧度合を
減少させるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0022】請求項11記載の本発明の電気自動車の制
動装置は、請求項1〜10のいずれかに記載の装置にお
いて、該駆動輪が前輪であって、該従動輪が後輪である
ことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1,図2は本発明の第1
実施形態としての電気自動車の制動装置を示すもので、
図1はその構成図、図2はそのブレーキ力特性を示す図
である。この電気自動車の構成を説明すると、図1にお
いて、1はバッテリであり、このバッテリ1は車両に装
備されない外部充電器により繰り返し充電することがで
きる。2はバッテリ1から電力を供給される電動機(走
行用モータ)であり、このモータ2の出力軸に変速機3
を介して駆動輪4が連結されている。ここでは、前輪が
駆動輪4に、後輪が従動輪7になっている。
【0024】そして、バッテリ1とモータ2との間には
電力変換回路5が設けられており、バッテリ1からの電
力はこの電力変換回路5を通じて所要の大きさに調整さ
れてモータ2へ供給されるようになっている。また、電
力変換回路5は、モータコントローラ(電動機コントロ
ーラ)6を通じて制御されるようになっている。このモ
ータコントローラ6では、力行時には、図示しないアク
セルペダルの踏込量に応じて電力変換回路5を通じてモ
ータ2の出力を制御するようになっている。
【0025】また、モータコントローラ6内では、アク
セルペダルが踏み込まれていない場合には、ブレーキペ
ダル13の踏込量に応じて電力変換回路5を通じてモー
タ2の回生量を制御するようになっている。なお、この
回生制動自体は、周知のようにモータ2への電力供給を
規制してモータ2を発電状態に切り換えることで駆動輪
に負荷を与え、逆に駆動輪の運動エネルギを回収してこ
れを電気エネルギとしてバッテリ1に充電する制動であ
る。
【0026】この回生制御では、モータ2への電力供給
を抑制制御しながら所要の回生制動力を得られるように
なっており、例えばモータ2への電力供給を完全に遮断
すると最大の回生制動力が得られ、モータ2への電力供
給を規制するとその規制に応じた回生制動力が得られる
ようになっている。また、この電気自動車の機械式ブレ
ーキ装置11は、流体圧を利用したもので、このブレー
キ装置11には、ブレーキ圧減圧調整手段としてのプロ
ポーショニングバルブ装置16を通じて後輪側のブレー
キ液圧を減圧制御して、後輪のブレーキ力を前輪のブレ
ーキ力よりも常に小さく保つようにすることで、急制動
時等の後輪のロックを回避して後輪ロックによる車体の
スキッドを防止するようになっている。
【0027】つまり、図1に示すように、油圧式ブレー
キ装置の油圧回路11は、ブレーキペダル13の踏み込
みに応じてブレーキ液圧を放出するマスタシリンダ12
と、フロント側ブレーキ液圧供給路(駆動輪側ブレーキ
圧供給系)14と、リヤ側ブレーキ液圧供給路(従動輪
側ブレーキ圧供給系)15とをそなえ、リヤ側ブレーキ
液圧供給路15の途中にプロポーショニングバルブ装置
16が介装されている。
【0028】プロポーショニングバルブ装置16は、2
つの出力ポート17B,17Cを択一的に選択しうる電
磁弁17と、2つのプロポーショニングバルブ(PC
V)16A,16Bとをそなえ、電磁弁17の入力ポー
ト17Aは、マスタシリンダ12へ接続され、電磁弁1
7の第1出力ポート17B及び第2出力ポート17Cに
は、各プロポーショニングバルブ18,19の入力ポー
ト18A,19Aが接続され、各プロポーショニングバ
ルブ18,19の出力ポート18B,19Bはリヤ側ブ
レーキ液圧供給路15に接続されている。
【0029】なお、フロント側ブレーキ液圧供給路14
は、マスタシリンダ12からフロント側ブレーキ装置
(例えばディスクブレーキ装置のフロントキャリパ)2
1へブレーキ液圧を供給するためのブレーキ液圧供給路
であり、リヤ側ブレーキ液圧供給路15は、マスタシリ
ンダ12からリヤ側ブレーキ装置(例えばディスクブレ
ーキ装置のリヤキャリパ)22へブレーキ液圧を供給す
るためのブレーキ液圧供給路である。
【0030】そして、マスタシリンダ12からのブレー
キ液圧が所定圧P1よりも低い領域では、2つのプロポ
ーショニングバルブ18,19のうちの一方(PCV
1)18の減圧比k1は高く、他方(PCV2)19の
減圧比k2は低く設定され、マスタシリンダ12からの
ブレーキ液圧が所定圧P1よりも高い領域では、一方
(PCV1)18の減圧量(圧力差)P1は大きく、他
方(PCV2)19は減圧量(圧力差)P2は小さく設
定されている。
【0031】つまり、プロポーショニングバルブ(PC
V1)18の減圧比k1はプロポーショニングバルブ
(PCV2)19の減圧比k2よりも大きく設定され、
プロポーショニングバルブ(PCV1)18の減圧量
(圧力差)P1はプロポーショニングバルブ(PCV
2)19の減圧量(圧力差)P2よりも小さく設定され
ている。
【0032】そして、電磁弁17は、ブレーキ圧減圧コ
ントローラ8により切換制御されるが、ブレーキ圧減圧
コントローラ8は、回生量(又は回生率)と、車速検出
手段23で検出された車速Vとに応じて、電磁弁17を
切換制御する。つまり、車速Vが所定車速V0よりも低
い低車速領域にあって、回生量(回生率)が所定量(所
定率)以上になったら、減圧度合の小さいプロポーショ
ニングバルブ(PCV2)19の方を使用するように電
磁弁17を切り換え、これ以外の状態では、減圧度合の
大きいプロポーショニングバルブ(PCV1)18の方
を使用するように電磁弁17を切り換える。
【0033】このように車速が低いことを減圧低減制御
の前提としているのは、車速が低いほど前後輪の制動力
分担比が大きく偏った場合のダイブ感が大きくなるの
で、ダイブ感の低減が必要なのは低車速域に限定するこ
とができるためである。なお、回生量(回生率)は、電
動機コントローラ6 により、ブレーキ踏力やモータ回転
数に応じて目標値が設定され、この目標回生量(目標回
生率)に基づいた指令により、電力変換回路5を通じて
制御されるが、ブレーキ圧減圧コントローラ8ではこの
電動機コントローラ6 で設定された目標回生量(目標回
生率)に基づいて電磁弁17の切換制御を行なうように
することができる。
【0034】本発明の第1実施形態としての電気自動車
の制動装置は、上述のように構成されているので、通常
時には、減圧度合の大きいプロポーショニングバルブ
(PCV1)18を通じて、図2に示すように、後輪側
のリヤブレーキ力(特性線RB1参照)は、前輪側のフ
ロントブレーキ力(特性線FB参照)に対して、一定の
減圧比で、又は、一定の圧力差に応じて低減されるよう
になる。これにより、後輪のブレーキ力が前輪のブレー
キ力よりも常に小さく保たれることになり、この結果、
後輪に過剰な制動力が発生しなくなり、後輪のロックを
回避することができ、後輪ロックによる車体のスキッド
を防止することができるのである。
【0035】一方、車速Vが低車速領域にあって、回生
量(回生率)が所定量(所定率)以上になると、減圧度
合の小さいプロポーショニングバルブ(PCV2)19
を通じて、図2に示すように、後輪側のリヤブレーキ力
(特性線RB2参照)は、前輪側のフロントブレーキ力
(特性線FB参照)に対して、低減されるが、この低減
の程度は僅かなものになる。
【0036】したがって、駆動輪である前輪に加わった
回生制動力が大きくなった場合に、それだけ前輪の制動
力分担比は高くなり、逆に、後輪の制動力分担比は低く
なるが、減圧度合の小さいプロポーショニングバルブ
(PCV2)19により後輪の制動力低減が弱められる
ので、回生率を高めても、後輪の制動力分担比が極端に
低くなることはない。
【0037】このため、前後輪の制動力分担比の大きな
偏りに起因してドライバや乗員に与えるおそれのあるダ
イブ感の招来を回避することができ、後輪ブレーキ力抑
制による後輪ロック回避を実現して制動時の車体の姿勢
を安定させながら、ブレーキフィーリングを良好なもの
に保持することができる利点がある。次に、第2実施形
態を説明すると、図3に示すように、この実施形態で
は、第1実施形態における減圧度合の小さいプロポーシ
ョニングバルブ(PCV2)19が省略されている。し
たがって、電磁弁17の第2出力ポート17Cを選択す
ると、リヤ側ブレーキ装置22へのブレーキ液圧は、フ
ロント側ブレーキ装置21へのブレーキ液圧と同様に、
特に減圧されることなく、供給されるようになってい
る。
【0038】この他の構成は、第1実施例と同様であ
り、ブレーキ圧減圧コントローラ8は、回生量(又は回
生率)と車速Vとに応じて、車速Vが所定車速V0より
も低い低車速領域にあって回生量(回生率)が所定量
(所定率)以上になったら、減圧を特に行なわない第2
出力ポート17Cの方を開通させ、これ以外の状態で
は、減圧を行なうプロポーショニングバルブ(PCV
1)18側の第1出力ポート17Bの方を開通させるよ
うになっている。
【0039】また、プロポーショニングバルブ(PCV
1)18の減圧比等の特性や、回生量(回生率)や車速
の判定閾値等は、第1実施形態とは同等でなくてもよ
い。特に、本実施形態の電気自動車は、回生量(回生
率)が所定量(所定率)以上になったら、リヤ側のブレ
ーキ力を特別低減しなくても、回生制動による前輪側の
制動力分担によって後輪ロックを回避できることを前提
としている。
【0040】本発明の第2実施形態の電気自動車の制動
装置は、上述のように構成されるので、通常時には、プ
ロポーショニングバルブ(PCV1)18を通じて減圧
制御してリヤブレーキ力を一定の減圧比又は一定の圧力
差で低減する。これにより、後輪のブレーキ力が前輪の
ブレーキ力よりも常に小さく保たれることになり、この
結果、後輪に過剰な制動力が発生しなくなり、後輪のロ
ックを回避することができ、後輪ロックによる車体のス
キッドを防止することができるのである。
【0041】一方、車速Vが低車速領域にあって、回生
量(回生率)が所定量(所定率)以上になると、減圧制
御を行なわない。したがって、駆動輪である前輪に加わ
った回生制動力が大きくなった場合に、それだけ前輪の
制動力分担比は高くなり、逆に、後輪の制動力分担比は
低くなるが、減圧制御を行なわないので、回生率を高め
ても、後輪の制動力分担比が極端に低くなることはな
い。
【0042】このため、前後輪の制動力分担比の大きな
偏りに起因してドライバや乗員に与えるおそれのあるダ
イブ感の招来を回避することができ、後輪ブレーキ力抑
制による後輪ロック回避を実現して制動時の車体の姿勢
を安定させながら、ブレーキフィーリングを良好なもの
に保持することができる利点かえられるのである。次
に、第3実施形態を説明すると、図4に示すように、こ
の実施形態では、第1実施形態における電磁弁17及び
2つのプロポーショニングバルブ18,19に代えて、
減圧比等をリニアに制御できる減圧比可変型のプロポー
ショニングバルブ24がそなえられており、ブレーキ圧
減圧コントローラ8は、このプロポーショニングバルブ
24の減圧比及び減圧量を制御するようになっている。
【0043】つまり、ブレーキ圧減圧コントローラ8
は、車速Vが所低車速以下の低車速領域では、回生量
(又は回生率)に応じて、回生量(又は回生率)が高ま
るほど、プロポーショニングバルブ24の減圧比及び減
圧量を減少させるような制御を行なうようになっている
のである。本発明の第3実施形態の電気自動車の制動装
置は、上述のように構成されるので、通常時には、プロ
ポーショニングバルブ24の減圧比及び減圧量を高めて
リヤブレーキ力を一定の減圧比又は一定の圧力差で低減
する。これにより、後輪のブレーキ力が前輪のブレーキ
力よりも常に小さく保たれることになり、この結果、後
輪に過剰な制動力が発生しなくなり、後輪のロックを回
避することができ、後輪ロックによる車体のスキッドを
防止することができるのである。
【0044】一方、車速Vが低車速領域になると、回生
量(回生率)に応じて、回生量(又は回生率)が高まる
ほど、プロポーショニングバルブ24の減圧比及び減圧
量を減少させる。このため、前輪の回生制動力が増大し
ても、前後輪の制動力分担比の大きな偏りが回避され
て、前後輪の制動力分担比の大きな偏りに起因するダイ
ブ感の招来を回避することができ、後輪ブレーキ力抑制
による後輪ロック回避を実現して制動時の車体の姿勢を
安定させながら、ブレーキフィーリングを良好なものに
保持することができる利点かえられるのである。
【0045】特に、本実施形態では、減圧比等をリニア
に制御するので、前後輪の制動力分担比の調整をよりき
め細かく行なえて、ブレーキフィーリングをより良好な
ものすることができる。なお、上述の各実施形態では、
車速が低いほど前後輪の制動力分担比が大きく偏った場
合のダイブ感が大きくなるので、このように車速が低い
ことを減圧低減制御の前提としているが、車速自体に基
づかなくても、例えばシフト位置に基づいてシフト位置
が低速段であることを減圧低減制御の前提としてもよ
い。
【0046】また、ダイブ感を与える車体のピッチング
を直接検出して、車体のピッチングが一定量以上のとき
に減圧低減制御を行なってもよい。この場合、回生量等
を特に考慮しなくてもよい。さらに、車輪のタイヤにか
かるブレーキ圧を検出して、このブレーキ圧が一定量以
上のときに減圧低減制御を行なってもよい。この場合
も、回生量等を特に考慮しなくてもよい。
【0047】また、第1,2実施例において、減圧特性
の異なるプロポーショニングバルブをさらに適当な数だ
け追加することも考えられる。また、本発明の電気自動
車の電気自動車の制動装置は、前輪駆動車に限らず、全
輪駆動車(4輪駆動車)等の他の駆動方式の電気自動車
に適用することも考えられる。
【0048】次に、本発明の第4実施形態の電気自動車
の制動装置を説明する。回生ブレーキ力は、モータ回転
数に依存するので、モータ回転数が低い、従って車速の
低い領域では、モータ回転数(車速)の増加に応じて回
生ブレーキ力を大きくすることができる。また、高速時
には回生ブレーキ力が効き過ぎてもブレーキフィーリン
グを損なうので、高速時には車速の増加とともに回生ブ
レーキ力を減少させることで、これに対処しうる。
【0049】このような観点から、図5に示すように、
回生ブレーキ力をモータ回転数(車速)に応じて設定す
ることが考えられる。この場合、車速域を、第1設定車
速V1よりも大きい中速域と、第1設定車速以下で且
つ第1設定車速よりも低速の第2設定車速V2よりも大
きい低速域と、第2設定車速V2以下の低速域とに
分け、の極低速域では、車速の増大にしたがって回生
ブレーキ力を増大させ、の低速域では、車速の増大に
対して回生ブレーキ力を一定とし、の中速域では、車
速の増大にしたがって回生ブレーキ力を減少させるよう
にしている。
【0050】制動時を考えると、の極低速域では、車
速の減少にしたがって回生ブレーキ力も減少するが、こ
れは、車両の停止前の車速の極めて低い領域では、減速
とともに回生ブレーキ力を低下させることで、車両の停
止までを円滑なブレーキフィーリングのよいものにでき
るためである。また、の中速域以上では、速度の増加
とともに回生ブレーキ力も減少させる方がブレーキフィ
ーリングがよいので、このように設定しているが、もち
ろん、中速域から車速が低下すると、次第に回生ブレー
キ力が高まるので、制動時を考えると、の中速域で
は、車速の減少にしたがって回生ブレーキ力が増加する
ことになっている。
【0051】そして、の低速域では、一定の十分な回
生ブレーキ力を得て減速効果を強められるようにしてい
る。このような回生ブレーキ力制御に応じたブレーキ圧
の減圧度合の制御は、中速域及び極低速域では減圧
度合を増大させ、低速域では減圧度合を減少させるよ
うに設定されいてる。
【0052】本発明の第4実施形態の電気自動車の制動
装置は、上述のように構成されるので、中速域では、
回生ブレーキ力も小さく、後輪の制動分担を減らせるこ
との弊害、即ち、後輪の制動力分担比が極端に低くなる
ことでダイブ感を与えたりしてブレーキフィーリングが
損なわれるような心配がなく、むしろ、車両の安定性の
方を重視して減圧度合を増大させ、後輪のブレーキ力を
抑制することが車両のブレーキフィーリング上も好まし
い。
【0053】また、低速域では、回生ブレーキ力が大
きく、後輪の制動分担を減らせることでダイブ感を与え
たりしてブレーキフィーリングが損なわれるので、減圧
度合を減少させてこれを回避する。そして、極低速域
では、車両の停止前の車速の極めて低い領域なので、後
輪のブレーキ力を減少させる方が車両の停止までを円滑
なブレーキフィーリングのよいものにできる。このた
め、減圧度合を増大させるのである。
【0054】このような第4実施形態の減圧度合の設定
は、前述の第1〜3の各実施形態と組み合わせて行なう
ことが考えられる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の電気自動車の制動装置によれば、車両に搭載され
ているバッテリと、該バッテリに電気的に接続されると
ともに出力軸を該車両の駆動輪に連結された電動機と、
該車両の駆動輪及び従動輪に制動力を与える制動装置
と、該車両に設けられて該電動機の出力状態を操作する
アクセルペダルと、該制動装置の作動状態を操作するブ
レーキペダルと、該バッテリと該電動機との間の電気回
路内に設けられて、該アクセルペダル及び該ブレーキペ
ダルの操作状態に基づいて該電動機の作動を力行状態と
回生状態とのいずれかに切り換えるとともに該回生状態
の場合の回生度合を制御する電動機コントローラとをそ
なえ、該制動装置が、該ブレーキペダルの操作状態に応
じたブレーキ圧を発生させうるマスタシリンダと、該マ
スタシリンダからの該ブレーキ圧を該駆動輪側及び該従
動輪側へ供給する駆動輪側ブレーキ圧供給系及び従動輪
側ブレーキ圧供給系と、該従動輪側ブレーキ圧供給系に
装備されて該従動輪側へ供給する該ブレーキ圧を減少側
へ調整するブレーキ圧減圧調整手段と、該電動機の回生
作動の状態に応じて該ブレーキ圧減圧調整手段による該
ブレーキ圧の減圧度合を制御するブレーキ圧減圧コント
ローラとを有しているという構成により、車輪のロック
を回避して車体のスキッドを防止するようにしながら、
回生制動による制動力分担の大きな偏りを回避すること
により、ブレーキフィーリングの悪化を防止することが
可能になる。
【0056】請求項2記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項1記載の装置において、該ブレー
キ圧減圧コントローラが、該回生度合が高まるほど該ブ
レーキ圧の減圧度合を減少させるように制御するという
構成により、車輪のロック回避による車体のスキッド防
止を行ないながら、回生制動による制動力分担の大きな
偏りを回避することができ、ダイブ感等のブレーキフィ
ーリングの悪化の招来を防止することができる。
【0057】請求項3記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項1記載の装置において、該ブレー
キ圧減圧調整手段が、該マスタシリンダへ接続された入
力ポートと複数の出力ポートとを有する電磁弁と、上記
の複数の出力ポートにそれぞれ接続され、該従動輪側へ
供給する該ブレーキ圧の減圧割合の互いに異なる複数の
プロポーショニングバルブとをそなえ、該ブレーキ圧減
圧コントローラが、上記の複数の出力ポートの何れか一
つが択一的に選択されるように該電磁弁の作動を制御す
るという構成により、プロポーショニングバルブによる
減圧調整を確実に行なうことができる。
【0058】請求項4記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項3記載の装置において、上記の複
数の出力ポートの一つから該ブレーキ圧の減圧を行なわ
ずに該従動輪側へ該ブレーキ圧を供給しうるように、該
一つの出力ポートには該プロポーショニングバルブが省
略されるという構成により、簡素な構成で、車輪のロッ
ク回避による車体のスキッド防止を行ないながら、回生
制動による制動力分担の大きな偏りを回避することがで
き、ダイブ感等のブレーキフィーリングの悪化の招来を
防止することができる。
【0059】請求項5記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項4記載の装置において、該ブレー
キ圧減圧コントローラが、該電動機の回生度合が大きく
なるのに応じて次第に該ブレーキ圧の減圧割合の低いプ
ロポーショニングバルブが使用されていくように該電磁
弁の作動を制御するという構成により、回生制動による
制動力分担の大きな偏りを適切に回避することができ、
ブレーキフィーリングを良好なものにすることができ
る。
【0060】請求項6記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項2〜5のいずれかに記載の装置に
おいて、該車両にそなえられた変速機の使用変速段を検
出する変速段検出手段をそなえ、該変速段検出手段で検
出された該使用変速段が予め設定された低速段域である
場合において、該ブレーキ圧減圧コントローラが、該ブ
レーキ圧の減圧度合を減少させる制御を行なうように構
成されることにより、制御を簡素にしながら、回生制動
時のブレーキフィーリングを良好なものにすることがで
きる。
【0061】請求項7記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項2〜6のいずれかに記載の装置に
おいて、該車両の走行速度を検出する車速検出手段をそ
なえ、該車速検出手段で検出された該走行速度が予め設
定された低速域にある場合において、該ブレーキ圧減圧
コントローラが、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させる
制御を行なうように構成されることにより、制御を簡素
にしながら、回生制動時のブレーキフィーリングを良好
なものにすることができる。
【0062】請求項8記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項7記載の装置において、該車速検
出手段で検出された該走行速度が、該低速域よりも低い
速度域である予め設定された極低速域にある場合におい
て、該ブレーキ圧減圧コントローラが、該ブレーキ圧の
減圧度合を増加させる制御を行なうように構成されるこ
とにより、車両停止時前のような極低車速時のブレーキ
フィーリングを良好なものにすることができる。
【0063】請求項9記載の本発明の電気自動車の制動
装置によれば、請求項1記載の装置において、該ブレー
キ液圧コントローラが、回生ブレーキ力が略一定のとき
に、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させる制御を行なう
ように構成されることにより、車輪のロックを回避して
車体のスキッドを防止するようにしながら、回生制動に
よる制動力分担の大きな偏りを回避することにより、ブ
レーキフィーリングの悪化を防止することが可能にな
る。
【0064】請求項10記載の本発明の電気自動車の制
動装置によれば、請求項1記載の装置において、該車両
の走行速度を検出する車速検出手段をそなえ、該電動機
コントローラが、該車速検出手段による検出結果に基づ
いて、該走行速度が第1設定速度よりも高い速度域にあ
るときには走行速度の減速に応じて回生ブレーキ力を増
加させ、該走行速度が該第1設定速度よりも小さい第2
設定速度に関してこれよりも高く且つ該第1設定速度以
下の速度域にあるときには走行速度の減速に係わらず回
生ブレーキ力を一定とし、該走行速度が該第2設定速度
以下の速度域にあるときには走行速度の減速に応じて回
生ブレーキ力を減少させる制御を行なうように構成さ
れ、該ブレーキ液圧コントローラが、該走行速度が該第
1設定速度よりも高い速度域にあるとき、及び、該走行
速度が該第2設定速度以下の速度域にあるときは、該ブ
レーキ圧の減圧度合を増大させ、該走行速度が該第1設
定速度以下で且つ該第2設定速度よりも高い速度域にあ
るときは、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させるように
構成されることにより、第1設定速度よりも高い速度域
では、制動時の車両の安定性が確保されブレーキフィー
リングを良好にでき、第1設定速度と第2設定速度との
間の速度域では、ダイブ感を抑制してブレーキフィーリ
ングを向上でき、第2設定速度以下の速度域では、車両
の停止までのブレーキフィーリングを向上することがで
きる。
【0065】請求項11記載の本発明の電気自動車の制
動装置によれば、請求項1〜10のいずれかに記載の装
置において、該駆動輪が前輪であって、該従動輪が後輪
であるという構成により、プロポーショニングバルブを
通じた後輪ブレーキ力抑制によって後輪ロック回避を実
現しながら、回生制動による後輪制動力分担の急減によ
るブレーキフィーリングの悪化を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての電気自動車の制
動装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての電気自動車の制
動装置のブレーキ力特性を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての電気自動車の制
動装置を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態としての電気自動車の制
動装置を示す構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態としての電気自動車の制
動装置を示す構成図である。
【図6】従来の制動装置のブレーキ力制御を示す構成図
である。
【図7】従来の制動装置のブレーキ力制御によるブレー
キ力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 バッテリ 2 電動機(走行用モータ) 3 変速機 4 駆動輪 5 電力変換回路 6 モータコントローラ(電動機コントローラ) 7 従動輪 11 機械式ブレーキ装置 12 マスタシリンダ 13 ブレーキペダル 14 フロント側ブレーキ液圧供給路(駆動輪側ブレー
キ圧供給系) 15 リヤ側ブレーキ液圧供給路(従動輪側ブレーキ圧
供給系) 16 ブレーキ圧減圧調整手段としてのプロポーショニ
ングバルブ装置 17 電磁弁 17A 電磁弁17の入力ポート 17B,17C 電磁弁17の出力ポート 18,19 プロポーショニングバルブ 18A,19A 入力ポート 18B,19B 出力ポート 21 フロント側ブレーキ装置 22 リヤ側ブレーキ装置 23 車速検出手段 24 減圧比可変型のプロポーショニングバルブ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されているバッテリと、 該バッテリに電気的に接続されるとともに出力軸を該車
    両の駆動輪に連結された電動機と、 該車両の駆動輪及び従動輪に制動力を与える制動装置
    と、 該車両に設けられて該電動機の出力状態を操作するアク
    セルペダルと、 該制動装置の作動状態を操作するブレーキペダルと、 該バッテリと該電動機との間の電気回路内に設けられ
    て、該アクセルペダル及び該ブレーキペダルの操作状態
    に基づいて該電動機の作動を力行状態と回生状態とのい
    ずれかに切り換えるとともに該回生状態の場合の回生度
    合を制御する電動機コントローラとをそなえ、 該制動装置が、 該ブレーキペダルの操作状態に応じたブレーキ圧を発生
    させうるマスタシリンダと、 該マスタシリンダからの該ブレーキ圧を該駆動輪側及び
    該従動輪側へ供給する駆動輪側ブレーキ圧供給系及び従
    動輪側ブレーキ圧供給系と、 該従動輪側ブレーキ圧供給系に装備されて該従動輪側へ
    供給する該ブレーキ圧を減少側へ調整するブレーキ圧減
    圧調整手段と、 該電動機の回生作動の状態に応じて該ブレーキ圧減圧調
    整手段による該ブレーキ圧の減圧度合を制御するブレー
    キ圧減圧コントローラとを有していることを特徴とす
    る、電気自動車の制動装置。
  2. 【請求項2】 該ブレーキ圧減圧コントローラが、該回
    生度合が高まるほど該ブレーキ圧の減圧度合を減少させ
    るように制御することを特徴とする、請求項1記載の電
    気自動車の制動装置。
  3. 【請求項3】 該ブレーキ圧減圧調整手段が、 該マスタシリンダへ接続された入力ポートと複数の出力
    ポートとを有する電磁弁と、 上記の複数の出力ポートにそれぞれ接続され、該従動輪
    側へ供給する該ブレーキ圧の減圧割合の互いに異なる複
    数のプロポーショニングバルブとをそなえ、 該ブレーキ圧減圧コントローラが、上記の複数の出力ポ
    ートの何れか一つが択一的に選択されるように該電磁弁
    の作動を制御することを特徴とする、請求項1記載の電
    気自動車の制動装置。
  4. 【請求項4】 上記の複数の出力ポートの一つから該ブ
    レーキ圧の減圧を行なわずに該従動輪側へ該ブレーキ圧
    を供給しうるように、該一つの出力ポートには該プロポ
    ーショニングバルブが省略されていることを特徴とす
    る、請求項3記載の電気自動車の制動装置。
  5. 【請求項5】 該ブレーキ圧減圧コントローラが、該電
    動機の回生度合が大きくなるのに応じて次第に該ブレー
    キ圧の減圧割合の低いプロポーショニングバルブが使用
    されていくように該電磁弁の作動を制御することを特徴
    とする、請求項3又は4記載の電気自動車の制動装置。
  6. 【請求項6】 該車両にそなえられた変速機の使用変速
    段を検出する変速段検出手段をそなえ、 該変速段検出手段で検出された該使用変速段が予め設定
    された低速段域である場合において、該ブレーキ圧減圧
    コントローラが、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させる
    制御を行なうように構成されていることを特徴とする、
    請求項2〜5のいずれかに記載の電気自動車の制動装
    置。
  7. 【請求項7】 該車両の走行速度を検出する車速検出手
    段をそなえ、 該車速検出手段で検出された該走行速度が予め設定され
    た低速域にある場合において、該ブレーキ圧減圧コント
    ローラが、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させる制御を
    行なうように構成されていることを特徴とする、請求項
    2〜6のいずれかに記載の電気自動車の制動装置。
  8. 【請求項8】 該車速検出手段で検出された該走行速度
    が、該低速域よりも低い速度域である予め設定された極
    低速域にある場合において、該ブレーキ圧減圧コントロ
    ーラが、該ブレーキ圧の減圧度合を増加させる制御を行
    なうように構成されていることを特徴とする、請求項7
    記載の電気自動車の制動装置。
  9. 【請求項9】 該ブレーキ液圧コントローラが、回生ブ
    レーキ力が略一定のときに、該ブレーキ圧の減圧度合を
    減少させる制御を行なうように構成されていることを特
    徴とする、請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  10. 【請求項10】 該車両の走行速度を検出する車速検出
    手段をそなえ、 該電動機コントローラが、該車速検出手段による検出結
    果に基づいて、該走行速度が第1設定速度よりも高い速
    度域にあるときには走行速度の減速に応じて回生ブレー
    キ力を増加させ、該走行速度が該第1設定速度よりも小
    さい第2設定速度に関してこれよりも高く且つ該第1設
    定速度以下の速度域にあるときには走行速度の減速に係
    わらず回生ブレーキ力を一定とし、該走行速度が該第2
    設定速度以下の速度域にあるときには走行速度の減速に
    応じて回生ブレーキ力を減少させる制御を行なうように
    構成され、 該ブレーキ液圧コントローラが、該走行速度が該第1設
    定速度よりも高い速度域にあるとき、及び、該走行速度
    が該第2設定速度以下の速度域にあるときは、該ブレー
    キ圧の減圧度合を増大させ、該走行速度が該第1設定速
    度以下で且つ該第2設定速度よりも高い速度域にあると
    きは、該ブレーキ圧の減圧度合を減少させるように構成
    されていることを特徴とする、請求項1記載の電気自動
    車の制動装置。
  11. 【請求項11】 該駆動輪が前輪であって、該従動輪が
    後輪であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれ
    かに記載の電気自動車の制動装置。
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