JPH0999723A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH0999723A
JPH0999723A JP26109895A JP26109895A JPH0999723A JP H0999723 A JPH0999723 A JP H0999723A JP 26109895 A JP26109895 A JP 26109895A JP 26109895 A JP26109895 A JP 26109895A JP H0999723 A JPH0999723 A JP H0999723A
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Katsuya Iwasaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パンク等によりタイヤ空気圧が低下した車輪
のタイヤおよびホイールの損傷を防止することができる
車両懸架装置の提供。 【解決手段】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
減衰力特性変更手段aにより減衰力特性を変更可能なシ
ョックアブソーバbと、ばね上上下方向状態量検出手段
cで検出されたばね上上下方向状態量に基づいて各ショ
ックアブソーバbの減衰力特性を可変制御する基本制御
部dを有する減衰力特性制御手段eと、各車輪のタイヤ
空気圧の異常を検知するタイヤ空気圧異常検知手段f
と、減衰力特性制御手段eに設けられていて、タイヤ空
気圧異常検知手段fによりタイヤ空気圧の異常が検知さ
れた時は、異常が検知された車輪位置のショックアブソ
ーバbの減衰力特性をソフト特性側に固定すると共にそ
れ以外の車輪位置のショックアブソーバの減衰力特性を
ハード特性側に固定するタイヤ空気圧異常時補正制御部
gと、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両懸架装置に関
し、特に、車両走行中におけるタイヤ空気圧の異常の検
知およびその処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両走行中におけるタイヤ空気圧
の異常を検知するようにしたものとしては、例えば、特
開平5−330322号公報に記載された「タイヤ空気
圧検知装置」が知られている。
【0003】この従来の「タイヤ空気圧検知装置」は、
各車輪に設けられた車輪速センサからの車輪速信号に基
づき、車両のばね下における上下方向および前後方向の
共振周波数を算出し、この共振周波数に基づき、タイヤ
空気圧状態を検知するようにしたものであった。これ
は、タイヤの空気圧が変化すると、タイヤゴム部のばね
定数が変化するため、車両のばね下における上下方向お
よび前後方向の共振周波数も共に変化する現象を利用し
たものである。
【0004】そして、従来例では、その異常が検知され
ると、車室内に備えた表示部に警告表示することによ
り、その異常発生を乗員に知らせるようにしたものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置にあっては、上述のように、パンク等によりタイヤ空
気圧に異常(低下)が発生した場合に、乗員は車室内に
備えた表示部による警告表示により、その異常発生を知
ることができるが、そのまま走行を継続すると、タイヤ
にかかる荷重によって異常が発生した車輪のタイヤやホ
イールを損傷させる恐れがあるため、車両の走行を直ち
に停止させる必要があるという問題点があった。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、パンク等によりタイヤ空気圧が低下し
た車輪のタイヤおよびホイールの損傷を防止することが
できる車両懸架装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在されていて減衰力特性変更手段aにより減衰力特性を
変更可能なショックアブソーバbと、車両のばね上上下
方向状態量を検出するばね上上下方向状態量検出手段c
と、該ばね上上下方向状態量検出手段cで検出されたば
ね上上下方向状態量に基づいて前記各ショックアブソー
バbの減衰力特性を可変制御する基本制御部dを有する
減衰力特性制御手段eと、各車輪のタイヤ空気圧の異常
を検知するタイヤ空気圧異常検知手段fと、前記減衰力
特性制御手段eに設けられていて、前記タイヤ空気圧異
常検知手段fによりタイヤ空気圧の異常が検知された時
は、該異常が検知された車輪位置のショックアブソーバ
bの減衰力特性をソフト特性側に固定すると共にそれ以
外の車輪位置のショックアブソーバの減衰力特性をハー
ド特性側に固定するタイヤ空気圧異常時補正制御部g
と、を備えている手段とした。
【0008】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
前記各ばね上上下方向状態量検出手段cが各車輪位置の
ばね上上下速度を求めるばね上上下速度検出手段hで構
成され 前記ショックアブソーバbの減衰力特性変更手
段aが、伸行程側および圧行程側の減衰力特性が共にソ
フト特性となるソフト領域(SS)を中心とし、圧行程
側はソフト特性に保持されたままで伸行程側の減衰力特
性だけをハード特性側に可変制御可能な伸側ハード領域
(HS)と、伸行程側はソフト特性に保持されたままで
圧行程側の減衰力特性だけをハード特性側に可変制御可
能な圧側ハード領域(SH)とを備え、前記減衰力特性
制御手段eの基本制御部dが、前記ばね上上下速度検出
手段hで検出されたばね上上下速度信号の方向判別符号
が0付近である時はショックアブソーバbをソフト領域
(SS)に制御し、上向きの正である時は伸側ハード領
域(HS)側において伸行程側の減衰力特性を、また下
向きの負である時は圧側ハード領域(SH)側において
圧行程側の減衰力特性をそれぞれその時のばね上上下速
度に応じたハード特性に可変制御するように構成され、
前記タイヤ空気圧異常時補正制御部gが、前記タイヤ空
気圧異常検知手段fによりタイヤ空気圧の異常が検知さ
れた時は、該異常が検知された車輪位置のショックアブ
ソーバの減衰力特性を圧側ソフトの伸側ハード領域(H
S)に固定すると共にそれ以外の車輪位置のショックア
ブソーバbの減衰力特性を圧側ハードの圧側ハード領域
(SH)に固定するように構成されている手段とした。
【0009】また、請求項3記載の車両懸架装置では、
前記各タイヤ空気圧異常検知手段fが、前記ばね上上下
方向状態量検出手段cで検出されたばね上上下方向状態
量からばね下共振周波数帯成分を抽出するばね下共振周
波数帯成分抽出手段を備え、該ばね下共振周波数帯成分
抽出手段で検出されたばね上上下方向状態量のばね下共
振周波数帯成分のレベルからタイヤの空気圧異常を検知
するように構成されている手段とした。
【0010】また、請求項4記載の車両懸架装置では、
前記各タイヤ空気圧異常検知手段fが、前記ばね下共振
周波数帯成分抽出手段で検出されたばね上上下方向状態
量のばね下共振周波数帯成分のレベルを、タイヤの空気
圧が正常である時のばね下共振周波数帯成分のレベルと
比較することにより、タイヤの空気圧の異常を検知する
ように構成されている手段とした。
【0011】また、請求項5記載の車両懸架装置では、
前記ばね下共振周波数帯成分抽出手段が、ばね上上下方
向状態量から所定の伝達関数に基づいてばね下上下方向
状態量を推定するばね下上下方向状態量推定手段を備
え、該ばね下上下方向状態量推定手段で推定されたばね
下上下方向状態量からばね下共振周波数帯成分を抽出す
るように構成されている手段とした。
【0012】また、請求項6記載の車両懸架装置では、
前記ばね上上下方向状態量検出手段cで検出されるばね
上上下方向状態量を、ばね上上下加速度とした。
【0013】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置では、上述
のように、タイヤ空気圧異常検知手段fによりタイヤ空
気圧の異常が検知された時は、タイヤ空気圧異常時補正
制御部gにおいて、異常が検知された車輪位置のショッ
クアブソーバbの減衰力特性をソフト特性側に固定する
と共にそれ以外の車輪位置のショックアブソーバの減衰
力特性をハード特性側に固定する処理が行なわれるもの
で、これにより、パンク等によりタイヤ空気圧が低下し
た車輪のタイヤおよびホイールの損傷を防止することが
できる。
【0014】また、ばね上に備えたばね上上下方向状態
量検出手段で得られたばね上上下方向状態量信号に基づ
いてタイヤ空気圧の検知を行なうことができるため、同
じくばね上側に設けられる電子制御装置までの配線が容
易かつ簡略化され、これにより、車載性が向上すると共
に、各ショックアブソーバの減衰力特性制御用信号の共
用が可能で、システム原価を低減することができるよう
になる。
【0015】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
タイヤ空気圧の正常時においては、減衰力特性制御手段
eの基本制御部dにおいて、ばね上上下速度検出手段h
で検出された各車輪位置のばね上上下速度信号の方向判
別符号が、0付近である時はショックアブソーバbがソ
フト領域(SS)に制御され、上向きの正である時は伸
行程側の減衰力特性が、また下向きの負である時は圧行
程側の減衰力特性が、その時のばね上上下速度に応じた
ハード特性に可変制御される一方で、その逆行程側の減
衰力特性はそれぞれソフト特性に固定制御された状態と
なるものであり、このため、ばね上上下速度とばね上−
ばね下間相対速度の方向判別符号が一致する制振域にお
いては、その時のショックアブソーバbの行程側の減衰
力特性をハード特性側で可変制御することで車両の制振
力を高めると共に、両者の方向判別符号が不一致となる
加振域においては、その時のショックアブソーバbの行
程側の減衰力特性をソフト特性にすることで車両の加振
力を弱める、といったスカイフック制御理論に基づいた
基本的な減衰力特性の切り換え制御が行なわれることに
なる。
【0016】また、タイヤ空気圧の異常発生時において
は、異常が検知された車輪位置のショックアブソーバの
減衰力特性を圧側がソフトとなる伸側ハード領域(H
S)に固定すると共にそれ以外の車輪位置のショックア
ブソーバbの減衰力特性を圧側がハードとなる圧側ハー
ド領域(SH)に固定するもので、これにより、前記請
求項1と同様に、パンク等によりタイヤ空気圧が低下し
た車輪のタイヤおよびホイールの損傷を防止することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施の形態)図2は、本発明第1実施の形態の車
両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪
との間に介在されて、4つのショックアブソーバS
FL,SAFR,SARL,SARR(なお、ショックアブソ
ーバを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場
合、およびこれらの共通の構成を説明する時にはただ単
にSAと表示する。また、右下の符号は車輪位置を示す
もので、FLは前輪左,FRは前輪右,RLは後輪左,RRは後
輪右をそれぞれ示している。)が設けられている。そし
て、各ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,S
RRの近傍位置(以後、各車輪位置という)の車体に
は、ばね上の上下加速度Gを検出するばね上上下加速度
センサ(以後、上下Gセンサという)1(1FL,1FR
RL,1RR)が設けられ、さらに、運転席の近傍位置に
は、各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)から
の信号に基づき、各ショックアブソーバSAのパルスモ
ータ3に駆動制御信号を出力するコントロールユニット
4が設けられている。
【0018】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ
FL,1FR,1RL,1RRからのばね上上下加速度GFL
FR,GRL,GRR信号が入力される。
【0019】そして、前記インタフェース回路4aに
は、図14に示すように、各車輪位置のばね上上下加速
度GFL,GFR,GRL,GRRから、各車輪位置のばね上上
下速度ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRRと、ばね上−ば
ね下間相対速度(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx0
FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RRと、各車
輪におけるタイヤの空気圧判断信号としてのばね下低周
波処理信号Gj-p と、を求めるための信号処理回路が設
けられている。なお、これら信号処理回路の詳細につい
ては後述する。
【0020】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0021】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0022】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0023】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0024】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0025】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0026】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、各車輪位置におけるばね上上下加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)から、各車輪位置における
ばね上上下速度Δxと、ばね上−ばね下間相対速度(Δ
x−Δx0 )と、各車輪におけるタイヤの空気圧判断信
号としてのばね下低周波処理信号Gj-p と、を求めるた
めの信号処理回路の構成を、図14のブロック図に基づ
いて説明する。
【0027】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
前記上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出
された各車輪位置におけるばね上上下加速度G(GFL
FR,GRL,GRR)を、各車輪位置のばね上上下速度信
号に変換する。なお、位相遅れ補償の一般式は、次の伝
達関数式(1) で表わすことができる。 G(S) =(AS+1)/(BS+1)・・・・・・・・(1) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(2) が用いられる。
【0028】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(2) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
実施の形態ではγ=10に設定されている。その結果、
図15の(イ) における実線のゲイン特性、および、図1
5の(ロ) における実線の位相特性に示すように、減衰力
特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz )における
位相特性を悪化させることなく、低周波側のゲインだけ
が低下した状態となる。なお、図15の(イ),(ロ) の点線
は、積分(1/S)により速度変換されたばね上上下速
度信号のゲイン特性および位相特性を示している。
【0029】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次
のハイパスフィルタHPF(0.3 Hz)と2次のローパス
フィルタLPF(3 Hz)とで構成され、車両のばね上共
振周波数帯を目標としたばね上上下速度Δx(ΔxFL
ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号を求める。
【0030】一方、B3では、次式(3) に示すように、
各ばね上上下加速度からばね上−ばね下間相対速度まで
の伝達関数Gu(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出さ
れた上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
から、各車輪位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx−
Δx0 )[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx0FR
(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信号を求め
る。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(3) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションのばね定数、sはラプラス演算
子である。
【0031】一方、B4では、各ばね上上下加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)信号から、図20のタイム
チャートに示すように、高周波のばね下共振周波数帯成
分Gjを得るためのバンドパスフィルタ処理を行なう。
即ち、このバンドパスフィルタとしては2次のバンドパ
スフィルタBPF(11 Hz )が用いられている。
【0032】続くB5では、ばね下共振周波数帯成分G
j のピーク値の絶対値を演算すると共に、ピーク値の絶
対値を次のピーク値の絶対値が検出されるまでの間は保
持させたばね下低周波処理信号Gj-p を作成する(図2
0参照)。
【0033】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、タイヤ空気圧の正常時における基本制御の内容を図
16のフローチャートに基づいて説明する。なお、この
基本制御は各ショックアブソーバSAFL,SAFR,SA
RL,SARRごとに行なわれる。
【0034】ステップ101では、ばね上上下速度Δx
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハー
ド領域HSに制御し、NOであればステップ103に進
む。
【0035】ステップ103では、ばね上上下速度Δx
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハー
ド領域SHに制御し、NOであればステップ105に進
む。
【0036】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度Δxの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御する。
【0037】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動ののう
ち、タイヤ空気圧の正常時における基本制御の内容を、
図17のタイムチャートにより説明する。
【0038】ばね上上下速度Δxが、この図に示すよう
に変化した場合、図に示すように、ばね上上下速度Δx
の値が0である時には、ショックアブソーバSAをソフ
ト領域SSに制御する。
【0039】また、ばね上上下速度Δxの値が正の値に
なると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減衰力
特性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成する
伸側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションPT
を、次式(4) に基づき、ばね上上下速度Δxに比例させ
て変更する。 PT =α・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) なお、αは、伸側の定数、Ku は、ばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲイン
である。
【0040】また、ばね上上下速度Δxの値が負の値に
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰力特
性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成する圧
側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションPC )を、
次式(5) に基づき、ばね上上下速度Δxに比例させて変
更する。 PC =β・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(5) なお、βは、圧側の定数である。
【0041】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図17のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0042】図17のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxが負の値(下向き)から正の値
(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速
度(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバSA
の行程は圧行程側)となっている領域であるため、この
時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0043】また、領域bは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は負の値から正の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、ばね上上下速度Δxの
値に比例したハード特性となる。
【0044】また、領域cは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )は正の値(ショックアブソーバSAの行程は
伸行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバ
SAは圧側ハード領域SHに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある伸行程側がソフト特性となる。
【0045】また、領域dは、ばね上上下速度Δxが負
の値(下向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は正の値から負の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)になる領域であるため、こ
の時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、ばね上上下速度Δxの値に比
例したハード特性となる。
【0046】以上のように、この実施の形態では、ばね
上上下速度Δxとばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δ
0 )とが同符号の時(領域b,領域d)は、その時の
ショックアブソーバSAの行程側をハード特性に制御
し、異符号の時(領域a,領域c)は、その時のショッ
クアブソーバSAの行程側をソフト特性に制御するとい
う、スカイフック制御理論に基づいた減衰力特性制御と
同一の制御が、ばね上上下速度Δx信号のみに基づいて
行なわれることになる。そして、さらに、この実施の形
態では、ショックアブソーバSAの行程が切り換わった
時点、即ち、領域aから領域b,および領域cから領域
d(ソフト特性からハード特性)へ移行する時には、切
り換わる行程側の減衰力特性ポジションは前の領域a,
cで既にハード特性側への切り換えが行なわれているた
め、ソフト特性からハード特性への切り換えが時間遅れ
なく行なわれるもので、これにより、高い制御応答性が
得られると共に、ハード特性からソフト特性への切り換
えはパルスモータ3を駆動させることなしに行なわれる
もので、これにより、パルスモータ3の耐久性向上と、
消費電力の節約が成されることになる。
【0047】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、タイヤ空気圧検知作動およびタイヤ空気圧正常
時における基本制御とタイヤ空気圧異常時における補正
制御との切り換え制御の内容を、図19のフローチャー
トおよび図20のタイムチャートに基づいて説明する。
【0048】なお、図18の(イ) は、ばね上上下加速度
の周波数特性図、図18の(ロ) は、ばね下低周波処理信
号Gj-p の周波数特性図であり、この特性図に示すよう
に、タイヤ空気圧正常時よりタイヤ空気圧低下時の方が
ばね下低周波処理信号Gj-pのレベルが低くなる。そこ
で、このレベル変化をしきい値により判断することによ
り、タイヤ空気圧の変動状態を検知することができる。
【0049】そこで、図19のフローチャートのステッ
プ201では、各車輪におけるばね下低周波処理信号G
j-p を所定のしきい値Gj-v と比較し、4輪のうち1輪
のばね下低周波処理信号Gj-p だけが所定のしきい値G
j-v 未満で、その他の輪のばね下低周波処理信号Gj-p
所定のしきい値Gj-v を越えているか否かを判定し、Y
ESである時は、タイヤ空気圧が異常の可能性があるた
め、ステップ202に進んでタイマをスタート(Tt =
Time −Ton)させた後、ステップ204に進む。ま
た、NOである時は、タイヤ空気圧が正常であると判断
してステップ203に進み、タイマカウントTt を0に
リセット(Tt =0)した後、ステップ206に進んで
タイヤ空気圧正常時における基本制御への切り換えを行
なう。
【0050】前記ステップ204では、タイマカウント
Tt が所定時間Δtを経過したか否かを判定し、YES
である時は、タイヤ空気圧が異常であると判断し、ステ
ップ205に進んでタイヤ空気圧異常時補正制御への切
り換えを行なう。また、NOである時は、タイヤ空気圧
が正常であると判断し、前記ステップ206に進んで基
本制御を行なう。
【0051】そして、前記タイヤ空気圧異常時補正制御
では、異常が検知された車輪位置のショックアブソーバ
SAの減衰力特性を圧側ソフトの伸側ハード領域(H
S)に固定する一方で、それ以外の3つの車輪位置のシ
ョックアブソーバSAの減衰力特性を圧側ハードの圧側
ハード領域(SH)に固定する処理が行なわれるもの
で、つまり、正常な3つの車輪位置では圧行程側の荷重
をショックアブソーバSAのハードな減衰力特性で支え
る一方で、異常車輪位置ではショックアブソーバSAの
ソフトな減衰力特性で車輪荷重を低減することにより、
パンク等によりタイヤ空気圧が低下した車輪のタイヤお
よびホイールの損傷を防止するようにしたものである。
以上で一回のフローを終了し、以後は以上のフローを繰
り返すものである。
【0052】なお、前記ステップ205で行なわれるタ
イヤ空気圧異常時補正制御においては、車室内に設けら
れた警報ランプの点滅や、警報音、音声による乗員に対
する異常告知処理が合わせて行なわれ、また、前記ステ
ップ206で行なわれる基本制御においては、前記異常
告知処理のリセット処理や、正常確認処理等が合わせて
行なわれる。
【0053】次に、余分な低周波入力による信号ドリフ
ト防止作用について説明する。車両の制動時において
は、フロント側が沈み込んでリア側が浮き上がるいわゆ
る車体のダイブ現象により車体が傾斜すると共に、この
傾斜状態で車体速度が減速されることで、減速度の分力
分を、上下Gセンサ1が下向き(負)のばね上上下加速
度成分として検出し、この継続的に入力される低周波の
下向きばね上加速度成分により、信号をドリフトさせる
原因となる。
【0054】なお、以上のことは、スカット現象を生じ
させる車両の急加速時や、車両が長い上り坂で加速走行
する時(この場合は、上向きのばね上上下加速度成分を
検出する)、または、長い下り坂で加速走行する時にお
いても生じ、さらには、上下Gセンサ1の信号に低周波
のDC成分が入力されることによっても生じる。
【0055】ところが、この実施の形態では、各上下G
センサ1で検出された各ばね上上下加速度Gを、各車輪
位置のばね上上下速度信号に変換する速度変換手段とし
て、位相遅れ補償式を用いることにより、減衰力特性制
御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz )における位相特
性を悪化させることなしに、低周波側のゲインだけを低
下させたばね上上下速度信号が得られる。
【0056】従って、制動時等のように、上下Gセンサ
1の信号に余分な低周波成分が加算されるような状況に
おいても、低周波側ゲインの低下により、減衰力特性制
御への影響をなくすことができる。
【0057】以上説明してきたように、この実施の形態
の車両懸架装置では、以下に列挙する効果が得られる。 各車輪位置のばね上にそれぞれ備えた上下Gセンサ
1の信号に基づいて各タイヤ空気圧の検知が可能である
と共に、減衰力特性制御のために設置された上下Gセン
サ1との共用が可能であるため、システムの原価低減と
車載性の向上が可能になるとういう効果が得られる。
【0058】 スカイフック理論に基づいた減衰力特
性制御において、ソフト特性からハード特性への切り換
えが時間遅れなく行なわれるもので、これにより、高い
制御応答性が得られると共に、ハード特性からソフト特
性への切り換えはアクチュエータを駆動させることなし
に行なわれるもので、これにより、パルスモータ3の耐
久性向上と、消費電力の節約が可能になる。
【0059】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、この他の実施の形態の説明にあたって
は、前記第1実施の形態と同様の構成部分には同一の符
号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明
する。
【0060】(第2実施の形態)この第2実施の形態の
車両懸架装置は、ばね下共振周波数帯成分の中で、異な
る2つの周波数(10 Hz ,11 Hz )成分のレベル変動を
見ることにより、タイヤ空気圧の低下を検知するように
したものであり、以下詳細に説明する。
【0061】まず、コントロールユニット4の制御作動
のうち、各車輪位置におけるばね上上下加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)から、2つのタイヤ空気圧
判断信号を求めるための信号処理回路の構成を、図21
のブロック図に基づいて説明する。なお、この信号処理
回路のB4、B5は、前記第1実施の形態の図14に示
す信号処理回路のB4、B5と同様で、11 Hz のばね下
低周波処理信号Gj-H の作成が行なわれる。
【0062】また、この信号処理回路のB6では、各ば
ね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号か
ら、図24のタイムチャートに示すように、10 Hz のば
ね下共振周波数成分GjLを得るためのバンドパスフィル
タ処理を行なう。即ち、このバンドパスフィルタとして
は2次のバンドパスフィルタBPF(10 Hz )が用いら
れている。
【0063】続くB7では、ばね下共振周波数帯成分G
jLのピーク値の絶対値を演算すると共に、ピーク値の絶
対値を次のピーク値の絶対値が検出されるまでの間は保
持させたばね下低周波処理信号Gj-L を作成する(図2
4参照)。
【0064】なお、図22の(イ) は、タイヤ空気圧が正
常状態における両ばね下低周波処理信号Gj-H ,Gj-L
の周波数特性図、図22の(ロ) は、タイヤ空気圧が低下
した状態における両ばね下低周波処理信号Gj-H ,Gj-
L の周波数特性図であり、この特性図に示すように、10
Hz のばね下低周波処理信号Gj-L では、タイヤ空気圧
正常時よりタイヤ空気圧低下時の方が信号レベルが高く
なり、逆に、11 Hz のばね下低周波処理信号Gj-H で
は、タイヤ空気圧正常時よりタイヤ空気圧低下時の方が
信号レベルが低くなる。そこで、この2点のレベル変化
をしきい値により判断することにより、タイヤ空気圧の
変動状態を検知することができる。
【0065】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、タイヤ空気圧検知作動を、図23のフローチャ
ートおよび図11のタイムチャートに基づいて説明す
る。なお、この実施の形態におけるステップ302〜3
06は、前記第1実施の形態の図19に示すブロック図
のステップ202〜206の内容と同様であるため、そ
の詳細な説明を省略する。
【0066】まず、ステップ300では、各車輪におけ
る第1ばね下低周波処理信号Gj-Hが所定のしきい値Gf
H未満であるか否かを判定し、YES(Gj-H <GfH)
である時は、タイヤ空気圧が異常である可能性があるた
め、ステップ301に進み、また、NO(Gj-H ≧Gf
H)である時は、タイヤ空気圧は正常であるため、ステ
ップ303に進む。
【0067】前記ステップ301では、各車輪における
第2ばね下低周波処理信号Gj-L が所定のしきい値GfL
を越えているか否かを判定し、YES(Gj-L >GfL)
である時は、タイヤ空気圧が異常である可能性があるた
め、ステップ302に進み、また、NO(Gj-L ≦Gf
L)である時は、タイヤ空気圧は正常であるため、ステ
ップ303に進む。
【0068】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態の車両懸架装置においても、前記第1実施の形態
と同様に、各車輪位置のばね上にそれぞれ備えた上下G
センサ1の信号に基づいて各タイヤ空気圧の検知が可能
であると共に、減衰力特性制御のために設置された上下
Gセンサ1との共用が可能であるため、システムの原価
低減と車載性の向上が可能になるとういう効果が得られ
る。
【0069】(第3実施の形態)この第3実施の形態の
車両懸架装置は、図25のブロック図に示すように、そ
のB0において、ばね上上下加速度からばね下上下速度
までの伝達関数Ga(S)(次式(6) )に基づいてGセンサ
1で検出されたばね上上下加速度Gからばね下上下速度
を推定すると共に、続くB4において、ばね下上下速度
からばね下共振周波数帯成分を抽出するようにしたもの
である。なお、B4およびB5の処理内容は前記第1実
施の形態における図14のブロック図のB4およびB5
と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】 Ga(S)=(M1・s2 +c1・s+k1 )/(c1・s2 +k1・s)・・・・・・(6) なお、M1 はばね上マス、c1 はサスペンションの減衰
係数、k1 はサスペンションのばね定数である。また、
この式は、運動方程式をラプラス変換することにより得
られる。
【0071】以上のように、この実施の形態の車両懸架
装置においても、前記第1実施の形態と同様の効果が得
られる。
【0072】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られる
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があっても本発明に含まれる。
【0073】例えば、実施の形態では、ばね上上下速度
信号が0の時のみソフト領域SSに制御するようにした
が、0を中心とする所定の不感帯を設けこの不感帯の範
囲内でばね上上下速度が推移している間は減衰力特性を
ソフト領域SSに維持させることにより、制御ハンチン
グを防止することができる。
【0074】また、発明の実施の形態では、伸行程また
は圧行程のうちのいずれか一方の減衰力特性をハード側
で可変制御する時は、その逆工程側の減衰力特性がソフ
トに固定される構造のショックアブソーバを用いる場合
を示したが、伸行程と圧行程の減衰力特性が同時に変化
する構造のショックアブソーバを用いるシステムにも本
発明を適用することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置では、上述のように、各車輪のタイ
ヤ空気圧の異常を検知するタイヤ空気圧異常検知手段
と、減衰力特性制御手段に設けられていて、前記タイヤ
空気圧異常検知手段によりタイヤ空気圧の異常が検知さ
れた時は、該異常が検知された車輪位置のショックアブ
ソーバの減衰力特性をソフト特性側に固定すると共にそ
れ以外の車輪位置のショックアブソーバの減衰力特性を
ハード特性側に固定するタイヤ空気圧異常時補正制御部
と、を備えた構成としたことで、パンク等によりタイヤ
空気圧が低下した車輪のタイヤおよびホイールの損傷を
防止することができるようになるという効果が得られ
る。
【0076】また、ばね上に備えたばね上上下方向状態
量検出手段で得られたばね上上下方向状態量信号に基づ
いてタイヤ空気圧の検知を行なうことができるため、同
じくばね上側に設けられる電子制御装置までの配線が容
易かつ簡略化され、これにより、車載性が向上すると共
に、減衰力特性制御用信号との共用が可能で、システム
原価を低減することができるようになる。
【0077】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
前記各ばね上上下加速度検出手段で検出された各車輪位
置のばね上上下加速度から各車輪位置のばね上上下速度
を求めるばね上上下速度検出手段を備え、前記ショック
アブソーバの減衰力特性変更手段が、伸行程側および圧
行程側の減衰力特性が共にソフト特性となるソフト領域
(SS)を中心とし、圧行程側はソフト特性に保持され
たままで伸行程側の減衰力特性だけをハード特性側に可
変制御可能な伸側ハード領域(HS)と、伸行程側はソ
フト特性に保持されたままで圧行程側の減衰力特性だけ
をハード特性側に可変制御可能な圧側ハード領域(S
H)とを備え、前記減衰力特性制御手段の基本制御部
が、前記ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上
下速度信号の方向判別符号が0付近である時はショック
アブソーバをソフト領域(SS)に制御し、上向きの正
である時は伸側ハード領域(HS)側において伸行程側
の減衰力特性を、また下向きの負である時は圧側ハード
領域(SH)側において圧行程側の減衰力特性をそれぞ
れその時のばね上上下速度に応じたハード特性に可変制
御するように構成されている手段としたことで、タイヤ
空気圧の正常時においては、スカイフック制御理論に基
づいた減衰力特性制御を行なうことができるようにな
る。
【0078】また、タイヤ空気圧の異常発生時において
は、異常が検知された車輪位置のショックアブソーバの
減衰力特性を圧側がソフトとなる伸側ハード領域(H
S)に固定すると共にそれ以外の車輪位置のショックア
ブソーバbの減衰力特性を圧側がハードとなる圧側ハー
ド領域(SH)に固定するようにしたことで、前記請求
項1と同様に、パンク等によりタイヤ空気圧が低下した
車輪のタイヤおよびホイールの損傷を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明第1実施の形態の車両懸架装置を示す構
成説明図である。
【図3】第1実施の形態の車両懸架装置を示すシステム
ブロック図である。
【図4】第1実施の形態に適用したショックアブソーバ
を示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】第1実施の形態におけるばね上上下速度、ば
ね上−ばね下間相対速度およびばね下共振周波数帯成分
を求める信号処理回路を示すブロック図である。
【図15】第1実施の形態における信号処理回路で得ら
れたばね上上下速度信号のゲイン特性(イ) および位相特
性(ロ) を示す図である。
【図16】第1実施の形態におけるコントロールユニッ
トの減衰力特性制御作動のうち、タイヤ空気圧正常時に
おける基本制御の内容を示すフローチャートである。
【図17】第1実施の形態におけるコントロールユニッ
トの減衰力特性制御作動のうち、タイヤ空気圧正常時に
おける基本制御の内容を示すタイムチャートである。
【図18】第1実施の形態におけるばね上上下加速度
(イ) およびばね下低周波処理信号(ロ) の周波数特性図で
ある。
【図19】第1実施の形態におけるタイヤ空気圧検知作
動およびタイヤ空気圧正常時における基本制御とタイヤ
空気圧異常時における補正制御との切り換え制御の内容
を説明するためのフローチャートである。
【図20】第1実施の形態におけるタイヤ空気圧検知作
動およびタイヤ空気圧正常時における基本制御とタイヤ
空気圧異常時における補正制御との切り換え制御の内容
を説明するためのタイムチャートである。
【図21】第2実施の形態の車両懸架装置におけるばね
下低周波処理信号を求める信号処理回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図22】第2実施の形態におけるタイヤ空気圧正常時
の両ばね下低周波処理信号の周波数特性図(イ) およびタ
イヤ空気圧異常時の両ばね下低周波処理信号の周波数特
性図(ロ) である。
【図23】第2実施の形態におけるコントロールユニッ
トの制御作動のうち、タイヤ空気圧検知作動を示すフロ
ーチャートである。
【図24】第2実施の形態におけるばね下共振周波数帯
成分およびばね下低周波処理信号に基づくタイヤ空気圧
の異常判断作動を説明するためのタイムチャートであ
る。
【図25】第3実施の形態におけるばね下低周波処理信
号を求める信号処理回路の構成を示すブロック図であ
る。 a 減衰力特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下方向状態量検出手段 d 基本制御部 e 減衰力特性制御手段 f タイヤ空気圧異常検知手段 g タイヤ空気圧異常時補正制御部 h ばね上上下速度検出手段 i ばね下共振周波数帯成分抽出手段 j ばね下上下方向状態量推定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    減衰力特性変更手段により減衰力特性を変更可能なショ
    ックアブソーバと、 車両のばね上上下方向状態量を検出するばね上上下方向
    状態量検出手段と、 前記ばね上上下方向状態量検出手段で検出されたばね上
    上下方向状態量に基づいて前記各ショックアブソーバの
    減衰力特性を可変制御する基本制御部を有する減衰力特
    性制御手段と、 各車輪のタイヤ空気圧の異常を検知するタイヤ空気圧異
    常検知手段と、 前記減衰力特性制御手段に設けられていて、前記タイヤ
    空気圧異常検知手段によりタイヤ空気圧の異常が検知さ
    れた時は、該異常が検知された車輪位置のショックアブ
    ソーバの減衰力特性をソフト特性側に固定すると共にそ
    れ以外の車輪位置のショックアブソーバの減衰力特性を
    ハード特性側に固定するタイヤ空気圧異常時補正制御部
    と、を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記各ばね上上下方向状態量検出手段が
    各車輪位置のばね上上下速度を求めるばね上上下速度検
    出手段で構成され、 前記ショックアブソーバの減衰力特性変更手段が、伸行
    程側および圧行程側の減衰力特性が共にソフト特性とな
    るソフト領域(SS)を中心とし、圧行程側はソフト特
    性に保持されたままで伸行程側の減衰力特性だけをハー
    ド特性側に可変制御可能な伸側ハード領域(HS)と、
    伸行程側はソフト特性に保持されたままで圧行程側の減
    衰力特性だけをハード特性側に可変制御可能な圧側ハー
    ド領域(SH)とを備え、 前記減衰力特性制御手段の基本制御部が、前記ばね上上
    下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信号の方向
    判別符号が0付近である時はショックアブソーバをソフ
    ト領域(SS)に制御し、上向きの正である時は伸側ハ
    ード領域(HS)側において伸行程側の減衰力特性を、
    また下向きの負である時は圧側ハード領域(SH)側に
    おいて圧行程側の減衰力特性をそれぞれその時のばね上
    上下速度に応じたハード特性に可変制御するように構成
    され、 前記タイヤ空気圧異常時補正制御部が、前記タイヤ空気
    圧異常検知手段によりタイヤ空気圧の異常が検知された
    時は、該異常が検知された車輪位置のショックアブソー
    バの減衰力特性を圧側ソフトの伸側ハード領域(HS)
    に固定すると共にそれ以外の車輪位置のショックアブソ
    ーバの減衰力特性を圧側ハードの圧側ハード領域(S
    H)に固定するように構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記各タイヤ空気圧異常検知手段が、前
    記ばね上上下方向状態量検出手段で検出されたばね上上
    下方向状態量からばね下共振周波数帯成分を抽出するば
    ね下共振周波数帯成分抽出手段を備え、該ばね下共振周
    波数帯成分抽出手段で検出されたばね上上下方向状態量
    のばね下共振周波数帯成分のレベルからタイヤの空気圧
    異常を検知するように構成されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の車両懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記各タイヤ空気圧異常検知手段が、前
    記ばね下共振周波数帯成分抽出手段で検出されたばね上
    上下方向状態量のばね下共振周波数帯成分のレベルを、
    タイヤの空気圧が正常である時のばね下共振周波数帯成
    分のレベルと比較することにより、タイヤの空気圧の異
    常を検知するように構成されていることを特徴とする請
    求項3記載の車両懸架装置。
  5. 【請求項5】 前記ばね下共振周波数帯成分抽出手段
    が、ばね上上下方向状態量から所定の伝達関数に基づい
    てばね下上下方向状態量を推定するばね下上下方向状態
    量推定手段を備え、該ばね下上下方向状態量推定手段で
    推定されたばね下上下方向状態量からばね下共振周波数
    帯成分を抽出するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の車両懸架装置。
  6. 【請求項6】 前記ばね上上下方向状態量検出手段で検
    出されるばね上上下方向状態量が、ばね上上下加速度で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    車両懸架装置。
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