JPH0999088A - カテーテル及びガイディングカテーテル - Google Patents

カテーテル及びガイディングカテーテル

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JPH0999088A
JPH0999088A JP7286565A JP28656595A JPH0999088A JP H0999088 A JPH0999088 A JP H0999088A JP 7286565 A JP7286565 A JP 7286565A JP 28656595 A JP28656595 A JP 28656595A JP H0999088 A JPH0999088 A JP H0999088A
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JP
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catheter
rigidity
bending
tube
bending rigidity
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JP7286565A
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Inventor
Koichi Sakai
康一 酒井
Akira Sekido
章 関戸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】体腔内へ挿入する際に体腔壁や体腔分岐部へ引
っ掛かりにくいカテーテルを提供すること、及び、バル
ーンカテーテルが狭窄部へ侵入することを案内する際
に、狭窄部へのバルーンカテーテルの挿入時の反力を良
好に受けとめて、バルーンカテーテルの侵入を容易にす
ることができるガイディングカテーテルを提供するこ
と。 【解決手段】体腔内へ挿入するカテーテルであって、該
カテーテルの先端部の手元側では特定方向に対する曲げ
剛性が特定方向以外の方向に対する曲げ剛性より高く、
先端部の先端側では前記特定方向とは異なる方向に対す
る曲げ剛性が該異なる方向以外の方向に対する曲げ剛性
より高いことを特徴とするカテーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルに関す
る。さらに詳しくは、本発明は、体腔壁へ引っ掛かりに
くいカテーテル、及び、バルーンカテーテルが狭窄部へ
侵入することを案内する際に、狭窄部へのバルーンカテ
ーテルの挿入時の反力を良好に受けとめて、バルーンカ
テーテルの侵入を容易にすることができるガイディング
カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】心臓、肝臓、脳などの血管の造影に用い
るカテーテルでは、先端部を柔軟な材質で形成し、血管
壁に傷をつけずに細い血管内に挿入できるような工夫が
されている。しかし、該カテーテルの先端部は全方向に
同程度の曲がりやすさを有するので、体腔が分岐する部
分において目的とする侵入方向にカテーテルの先端部を
誘導するには、カテーテルを軸方向に揺り動かして先端
部が目的とする侵入方向に向くようにしなければならな
い。そのため、カテーテル自体の挿入に際して先端が体
腔の曲がりに沿って押し進めやすく、体腔壁に引っ掛か
るおそれのないカテーテルが求められている。 また、経皮経管冠動脈拡張術(PTCA)においては、
血管内の狭窄部を治療するために血管内に挿入して、バ
ルーンを膨らますことにより狭窄部を拡張し、狭窄部末
梢側における血流の改善を図るために、バルーンカテー
テルが使用される。バルーンカテーテルの狭窄部への侵
入を案内するために、先にガイディングカテーテルを狭
窄部の手前の冠動脈入口に位置させ、次いでバルーンカ
テーテルを狭窄部まで挿入し、バルーンを膨らますこと
により狭窄部を拡張する。ガイディングカテーテルは、
その先端部が冠動脈入口に位置し、先端部からバルーン
カテーテルを冠動脈内に侵入させるので、狭窄部へのバ
ルーンカテーテルの挿入時の反力を受ける。そのため、
ガイディングカテーテルには、通常、大動脈の血管形状
に合わせて、少なくとも1カ所に屈曲部が形成されてい
る。しかし、ガイディングカテーテルの先端部から突き
出すように進むバルーンカテーテルの先端部が容易に狭
窄部を通過しない場合には、その反力によりガイディン
グカテーテルが押し戻され、ガイディングカテーテルの
屈曲部が伸ばされてしまう場合がある。ガイディングカ
テーテルの屈曲部が伸ばされると、ガイディングカテー
テルの先端部が冠動脈入口から外れ、狭窄部へのバルー
ンカテーテルの挿入時の反力をガイディングカテーテル
で受けとめることができなくなって、その結果、バルー
ンカテーテルの狭窄部への挿入が極めて困難になるおそ
れがある。ガイディングカテーテルの剛性を高め、ガイ
ディングカテーテルが押し戻されないようにすることも
考えられるが、その場合には、冠動脈起始部を傷つける
おそれが高まるとともに、ガイディングカテーテルを血
管内に誘導し留置するまでに、血管内腔を傷つける危険
性が増す。そのため、血管内を円滑に誘導することがで
き、しかもバルーンカテーテルの狭窄部への挿入時の反
力を好適に受けとめることができるガイディングカテー
テルが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、体腔内へ挿
入する際に体腔壁や体腔分岐部へ引っ掛かりにくいカテ
ーテルを提供すること、及び、バルーンカテーテルが狭
窄部へ侵入することを案内する際に、狭窄部へのバルー
ンカテーテルの挿入時の反力を良好に受けとめて、バル
ーンカテーテルの侵入を容易にすることができるガイデ
ィングカテーテルを提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カテーテルの先
端部の手元側では特定方向に対する曲げ剛性を高く、先
端部の先端側では前記特定方向とは異なる方向に対する
曲げ剛性を高くすることにより、カテーテル自体を体腔
内へ挿入する際に体腔壁へ引っ掛かりにくくなることを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)体腔内へ挿入するカテ
ーテルであって、該カテーテルの先端部の手元側では特
定方向に対する曲げ剛性が特定方向以外の方向に対する
曲げ剛性より高く、先端部の先端側では前記特定方向と
は異なる方向に対する曲げ剛性が該異なる方向以外の方
向に対する曲げ剛性より高いことを特徴とするカテーテ
ル、及び、(2)バルーンカテーテルが挿通され、バル
ーンカテーテルが体腔内へ侵入することを案内するよう
に屈曲部が形成されてなるガイディングカテーテルであ
って、屈曲部の手元側では屈曲面に平行な方向に対する
曲げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛性より高
く、屈曲部の先端側では屈曲面に平行な方向に対する曲
げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛性より低い
ことを特徴とするガイディングカテーテル、を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に
説明する。図1(a)は、本発明のカテーテルの一態様の
先端部の軸方向の断面図であり、図1(b)はA−A線断
面図であり、図1(c)はB−B線断面図である。本図の
カテーテルは、内部に断面が円形の挿通孔1を有する円
筒状の本体チューブ2の先端が真っすぐに形成されてい
る。先端部の手元側3において、図1(b)に示すよう
に、円弧部分5及び6と、円弧部分7及び8に4分割さ
れ、円弧部分5及び6に対応するチューブの側面を構成
する材料は剛性が高く、円弧部分7及び8に対応するチ
ューブの側面を構成する材料は剛性が低く、その結果、
先端部の手元側においては、円弧部分5及び6にほぼ平
行な方向に対する曲げ剛性が、円弧部分7及び8にほぼ
平行な方向に対する曲げ剛性より高く、したがって、円
弧部分7及び8にほぼ平行な方向に曲がりやすくなって
いる。先端部の先端側4において、図1(c)に示すよう
に、チューブ断面を円弧部分9及び10と、円弧部分1
1及び12に4分割したとき、円弧部分9及び10に対
応するチューブの側面を構成する材料は剛性が低く、円
弧部分11及び12に対応するチューブの側面を構成す
る材料は剛性が高く、その結果、先端部の先端側におい
ては、円弧部分11及び12にほぼ平行な方向に対する
曲げ剛性が、円弧部分9及び10にほぼ平行な方向に対
する曲げ剛性より高く、したがって、円弧部分9及び1
0にほぼ平行な方向に曲がりやすくなっている。本発明
のカテーテルにおいて、先端部の先端側とは、カテーテ
ルの先端から、通常、3〜20mm離れた部分、先端部の
手元側とはカテーテルの先端から、通常、20〜100
mm離れた部分をいう。本発明のカテーテルにおいて、先
端部の手元側の曲げ剛性の高い方向と、先端部の先端側
の曲げ剛性高い方向は、異なる方向であって、異なる方
向は通常相互に30度〜90度の角度をなす。本発明の
カテーテルにおいて、本体チューブの全長は、少なくと
も患者の血管の挿入口から治療部までの長さが必要であ
り、通常は500〜2,000mmであることが好まし
く、700〜1,500であることがより好ましい。本
体チューブの外径は、患者の血管内に挿入されることを
考慮して決定され、通常は0.5〜4.0mmである。本体
チューブの内径、すなわち挿通孔の直径は、通常は0.
3〜3.5mmである。
【0006】図2(a)は、本発明のガイディングカテー
テルの一態様の先端部の軸方向の断面図であり、図2
(b)はA−A線断面図であり、図2(c)はB−B線断面
図である。本図のカテーテルは、内部に断面が円形の挿
通孔1を有する円筒状の本体チューブ2の先端部に、2
カ所に屈曲部が形成されている。屈曲部の手元側13に
おいて、図2(b)に示すように、チューブ断面を屈曲面
に対してほぼ平行となる円弧部分15及び16と、屈曲
面に対してほぼ垂直となる円弧部分17及び18に4分
割したとき、屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分に
対応するチューブの側面を構成する材料は剛性が高く、
屈曲面に対してほぼ垂直となる円弧部分に対応するチュ
ーブの側面を構成する材料は剛性が低く、その結果、屈
曲部の手元側においては、チューブの屈曲面に平行な方
向に対する曲げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ
剛性より高くなっている。屈曲部の先端側14におい
て、図2(c)に示すように、チューブ断面を屈曲面に対
してほぼ平行となる円弧部分19及び20と、屈曲面に
対してほぼ垂直となる円弧部分21及び22に4分割し
たとき、屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分に対応
するチューブの側面を構成する材料は剛性が低く、屈曲
面に対してほぼ垂直となる円弧部分に対応するチューブ
の側面を構成する材料は剛性が高く、その結果、屈曲部
の先端側においては、チューブの屈曲面に平行な方向に
対する曲げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛性
より低くなっている。本発明のガイディングカテーテル
において、本体チューブの全長は、少なくとも患者の血
管の挿入口から治療部である心臓の冠動脈入口近傍まで
の長さが必要であり、通常は700〜1,200mmであ
ることが好ましく、800〜1,100mmであることが
より好ましい。本体チューブの外径は、通常は1.8〜
4.0mmであり、好ましくは2.0〜3.0mmである。本
体チューブの内径は、バルーンカテーテルが挿通される
ように決定され、通常は1.5〜3.5mmであることが好
ましく、1.8〜2.8mmであることがより好ましい。
【0007】本発明のカテーテルにおいて、本体チュー
ブの材質は、形状保持性と弾力性を有する材質であれば
特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ
イミドなどを使用することができるが、これらの中で、
ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドが特に好まし
い。本体チューブは、JIS硬度が62〜72であるこ
とが好ましく、この硬度範囲に設定することにより、形
状保持性と弾力性を保持することができる。本発明のカ
テーテルにおいて、特定方向及び特定方向以外の方向の
剛性を調整する方法には特に制限はなく、任意の公知の
方法によって剛性を調整することができる。このような
方法としては、例えば、板ばねを埋め込み又は張り付け
る方法、金属線などを編み上げたチューブの一部を切り
欠いたもの又は金属線の一部を除去したものを埋め込み
又は被せる方法、チューブの壁厚を部分的に変化させる
方法、チューブの材料を部分的に架橋させることにより
剛性を高める方法、剛性の異なる2種の材料から押出成
形により成形された部分的に剛性の異なるチューブを用
いる方法、ワイヤブレードのワイヤーの密度を変化させ
ることによる方法などを挙げることができる。図3は、
板ばねの斜視図である。図3(a)に示す2枚の板ばね
を、図2に示すガイディングカテーテルの屈曲部の手元
側において、屈曲面に対してほぼ平行となるチューブの
両側面に埋め込み又は張り付けることにより、チューブ
の屈曲面に平行な方向に対する曲げ剛性を屈曲面に垂直
な方向に対する曲げ剛性より高くすることができる。ま
た、図3(b)に示す2枚の板ばねを、図2に示すガイデ
ィングカテーテルの屈曲部の先端側において、屈曲面に
対してほぼ垂直となるチューブの両側面に埋め込み又は
張り付けることにより、チューブの屈曲面に平行な方向
に対する曲げ剛性を屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛
性より低くすることができる。
【0008】図4(a)は、一部に切り欠きを入れた金属
線を編み上げたチューブの斜視図であり、図4(b)は、
金属線の一部を除去した金属線を編み上げたチューブの
斜視図である。本図に示すチューブを、曲げ剛性を高く
する方向に編み上げた金属線部分が位置し、曲げ剛性を
低くする方向に切り欠き部分が位置するよう、あるい
は、曲げ剛性を高くする方向に金属線を除去しない部分
が位置し、曲げ剛性を低くする方向に金属線を除去した
部分が位置するように埋め込み、あるいは被せて接着す
ることにより、曲げ剛性を調整することができる。板ば
ね又は金属線を編み上げたチューブを埋め込む方法には
特に制限はなく、例えば、チューブ用の金型の所定の位
置に板ばね又は金属線を編み上げたチューブを設置し、
インサート成形することにより、板ばね又は金属線を編
み上げたチューブを埋め込むことができる。図5は、部
分的に壁厚の異なるチューブの断面図である。図5(a)
のチューブは、断面の外周が楕円形で内周が円形であ
り、図5(b)のチューブは、断面の外周が円形で内周が
楕円形である。このような部分的に壁厚の異なるチュー
ブは、異形押出成形によって得ることができる。曲げ剛
性を高くする方向に壁厚の厚い部分が位置し、曲げ剛性
を低くする方向に壁厚の薄い部分が位置することによ
り、曲げ剛性を調整することができる。図6は、部分的
に剛性の異なるチューブの断面図である。本図におい
て、高剛性部分23と低剛性部分24が2個ずつ円形断
面上において相対している。このような部分的に剛性の
異なるチューブは、2基の押出機と1個のサーキュラダ
イを用いて、高剛性材料と低剛性材料より1本のチュー
ブを押出成形することによって得ることができる。曲げ
剛性を高くする方向に高剛性の部分が位置し、曲げ剛性
を低くする方向に低剛性の部分が位置することにより、
曲げ剛性を調整することができる。
【0009】図7は、部分的に架橋したチューブの断面
図である。本図において、架橋部分25と非架橋部分2
6が2個ずつ円形断面上において相対している。このよ
うに部分的に架橋したチューブは、例えば、チューブに
部分的に一方向より高エネルギー線を放射することによ
って得ることができる。あるいは、架橋性材料と非架橋
性材料を用いて図6のようなチューブを成形し、加熱な
どによって架橋性材料を架橋することによって得ること
ができる。架橋部分は非架橋部分より剛性が高いので、
曲げ剛性を高くする方向に架橋部分が位置し、曲げ剛性
を低くする方向に非架橋部分が位置することにより、曲
げ剛性を調整することができる。本発明のカテーテルに
おいては、ワイヤブレードにより曲げ剛性を調整するこ
とができる。ワイヤブレードの密度を変える方法やワイ
ヤブレードのある部分とない部分とを円周方向に形成す
る方法によって曲げ剛性を調整することができる。本発
明のカテーテルにおいて、先端部の手元側のチューブ及
び先端部の先端側のチューブの作製方法には特に制限は
なく、本体チューブの端部を加工して先端部とすること
ができ、あるいは先端部の手元側のチューブ及び先端側
のチューブを別々に又は一体に成形し、本体チューブに
接着剤により接着し又は熱融着することにより作製する
ことができる。本発明のカテーテルは、必要に応じて先
端部付近に放射線を透過しないマーカーを設けることが
できる。マーカーの材質は放射線不透過性のものであれ
ば特に制限はなく、例えば、金、白金、タングステン、
イリジウム又はこれらの合金などで構成される金属チュ
ーブ、金属スプリングなどを使用することができる。カ
テーテルの先端部付近にマーカーを設けることにより、
カテーテルの使用時に、X線透視などによりカテーテル
の位置を検出することができる。本発明のガイディング
カテーテルにおいては、屈曲部の先端側のチューブは、
剛性の低い材料を使用し、あるいはチューブの壁厚を薄
くすることにより、屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛
性を本体チューブの曲げ剛性とほぼ等しく、屈曲面に平
行な方向に対する曲げ剛性を本体チューブの曲げ剛性よ
り低くすることが好ましい。屈曲部のチューブは、押出
成形によるチューブをヒートセットするなどの方法によ
り、あるいは射出成形や注型などにより屈曲した形状と
することができる。
【0010】図8は、本発明のガイディングカテーテル
の使用状態の説明図である。経皮経管冠動脈拡張術(P
TCA)を施術するには、まず、セルジンガー法などに
より、血管内にガイディングカテーテル用ガイドワイヤ
27を、動脈血管28を通じてその先端が狭窄部29の
形成された冠動脈30の近くまで届くように挿入する。
次いで、ガイディングカテーテル31をガイドワイヤに
沿って、動脈血管内に挿入し、その先端を狭窄部を有す
る心臓の冠動脈入口に位置させる。ガイディングカテー
テルの挿入の際には、ガイディングカテーテルはガイド
ワイヤに沿って血管内に挿入されるが、本発明のガイデ
ィングカテーテルは屈曲部の先端側では屈曲面に平行な
方向に対する曲げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲
げ剛性より低いので、図8(a)に示すように、屈曲部の
先端側14はガイディングカテーテル用ガイドワイヤに
沿って容易に引き伸ばされた状態となり、挿入時に血管
内腔や血管分岐部などに引っ掛かるおそれはない。本発
明のガイディングカテーテルにおいては、ガイディング
カテーテルの先端が冠動脈入口近くに近づくと、図8
(b)に示すように、屈曲部の先端側14が本来の屈曲し
た状態に戻るために、容易に動脈血管から冠動脈入口へ
挿入することができる。また、バルーンカテーテルを狭
窄部内に推し進める際に発生する反力は、ガイディング
カテーテルの屈曲部の手元側13が動脈血管28の内壁
に当接することによって受けとめるが、本発明のガイデ
ィングカテーテルは屈曲部の手元側では屈曲面に平行な
方向に対する曲げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲
げ剛性より高いので、反力によって屈曲部の手元側が変
形することがなく、従来のガイディングカテーテルのよ
うに屈曲部が伸びてしまい、バルーンカテーテルを狭窄
部に侵入させることが困難となるおそれはない。その結
果、ガイドワイヤと狭窄部の間隙が狭い場合、強い狭窄
部、あるいは硬い狭窄部などでも、容易にバルーンカテ
ーテルを押し進めることができる。
【0011】本発明のガイディングカテーテルにおい
て、屈曲部の形状は、治療する患部の形状に応じて、屈
曲部の数、屈曲部の位置、屈曲角度、屈曲半径などを適
宜選定することができる。心臓近くの動脈血管に挿入す
るためには、ガイディングカテーテル先端から屈曲部の
先端側までの距離は10〜50mmであることが好まし
く、屈曲部の先端側と屈曲部の手元側との距離は30〜
60mmであることが好ましい。また、屈曲部の先端側の
屈曲角度は100度〜150度であることが好ましく、
120度程度であることがより好ましい。屈曲部の先端
側の屈曲半径は、5〜30mmであることが好ましく、2
0mm程度であることがより好ましい。屈曲部の手元側の
屈曲角度は100度〜150度であることが好ましく、
120度程度であることがより好ましい。屈曲部の手元
側の屈曲半径は、5〜30mmであることが好ましく、2
0mm程度であることがより好ましい。本発明のガイディ
ングカテーテルは、先端に屈曲部のチューブより軟らか
い材質で構成されたチップチューブを設けることができ
る。チップチューブの外径及び内径は、本体チューブと
ほぼ同じであることが好ましい。チップチューブの長さ
には特に制限はなく、例えば、3〜15mmとすることが
できる。チップチューブの材質には特に制限はなく、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどを使用
することができるが、これらの中で、ポリエチレン、ポ
リウレタン、ポリアミドが特に好ましい。チップチュー
ブは、JIS硬度が50〜70であることが好ましく、
55〜65であることがより好ましい。ガイディングカ
テーテルの先端にチップチューブを設けることにより、
ガイディングカテーテルを体腔内に挿入する際に、体腔
壁や体腔分岐部を傷つけるおそれがさらに少なくなる。
チップチューブと屈曲部のチューブを接合する方法には
特に制限はなく、例えば、チップチューブと屈曲部のチ
ューブを接着剤により接着することができ、あるいは、
熱融着することができる。
【0012】本発明のガイディングカテーテルはバルー
ンカテーテルが挿通され、バルーンカテーテルが狭窄部
へ侵入することを案内する。図9(a)は、バルーンカテ
ーテルの斜視図であり、図9(b)は、軸方向の断面図で
ある。バルーンカテーテルは、バルーン32、カテーテ
ル管33、分岐部34及び内管35を有する。カテーテ
ル管の内側は、バルーンを膨らます圧力流体を送るため
の第1ルーメン36を構成し、内管の内側はガイドワイ
ヤなどを挿通するための第2ルーメン37を構成し、先
端に開口端38を有する。バルーンカテーテルの体腔内
への挿通に先だって、バルーン及び第1ルーメンの内部
に放射線不透過性媒体と生理食塩水との混合溶液などを
充填し、第2ルーメンの内部に生理食塩水などを充填
し、空気を除去し、バルーンを内管の周囲に折り畳んで
おく。図10は、経皮経管冠動脈拡張術(PTCA)の
説明図である。経皮経管冠動脈拡張術を施術するには、
血管内にガイディングカテーテル用ガイドワイヤを、そ
の先端が心臓の近くまで届くように挿入したのち、ガイ
ディングカテーテル31をガイディングカテーテル用ガ
イドワイヤに沿って、動脈血管28内に挿入し、その先
端を狭窄部29を有する心臓39の冠動脈30の入口に
位置させる。ガイディングカテーテルの挿入の際には、
ガイディングカテーテルはガイディングカテーテル用ガ
イドワイヤに沿って血管内に挿入されるので、屈曲部の
先端側は引き伸ばされた状態となり、挿入時に屈曲部の
先端側が血管内腔や血管分岐部などに引っ掛かるおそれ
はない。狭窄部は、例えば、血栓又は動脈硬化などによ
り形成される。次に、ガイディングカテーテル用ガイド
ワイヤのみを抜き取り、それよりも細いバルーンカテー
テル用ガイドワイヤ40をガイディングカテーテルに沿
って挿入し、その先端を狭窄部を通過する位置まで差し
込む。その後、バルーンカテーテル用ガイドワイヤの基
端をバルーンカテーテルの開口端38より第2ルーメン
に差し込み、バルーンが折り畳まれた状態でバルーンカ
テーテルをガイディングカテーテルの挿通孔に通し、バ
ルーン32を狭窄部の手前まで差し込む。
【0013】さらに、バルーンカテーテルの最先端の内
管の開口端を、バルーンカテーテル用ガイドワイヤに沿
って狭窄部に差し込む。バルーンカテーテルを狭窄部内
に推し進める際に発生する反力は、図8(b)に示すよう
に、ガイディングカテーテルの屈曲部の手元側13が動
脈血管28の内壁に当接することによって受けとめる。
本発明のガイディングカテーテルは、屈曲部の手元側で
屈曲面に平行な方向に対する曲げ弾性が屈曲面に垂直な
方向に対する曲げ弾性より高くなっているので、反力に
よって屈曲部が変形することがなく、従来のガイディン
グカテーテルのように屈曲部が伸びてしまい、バルーン
カテーテルを狭窄部に侵入させることが困難となるおそ
れはない。その結果、ガイドワイヤと狭窄部の間隙が狭
い場合、強い狭窄部、あるいは硬い狭窄部などでも、容
易にバルーンカテーテルを押し進めることができる。図
11は、狭窄部の拡張術を示す説明図である。図11
(a)に示すように、狭窄部29に差し込まれたバルーン
カテーテル用ガイドワイヤ40に沿って、バルーンカテ
ーテルの開口端38が狭窄部に押し進められる。X線な
どで観察しながら、図11(b)に示すように、バルーン
32を狭窄部に正確に位置させる。この位置でバルーン
に第1ルーメンを通じて圧力液体を送り、図11(c)に
示すようにバルーンを膨らますことにより、血管の狭窄
部を拡げ、良好な治療を行うことができる。バルーンの
膨張時間は通常1分間程度であり、その後、迅速にバル
ーンから圧力液体を抜いてバルーンを収縮させ、拡張さ
れた狭窄部の血流を確保する。バルーンの膨張は、通常
は同一狭窄部に対して1回行うが、狭窄部の条件によっ
ては複数回行うことができる。
【0014】
【発明の効果】本発明のカテーテルは、体腔内へ挿入す
るときに体腔の分岐部において目的とする侵入方向への
先端の誘導が容易であり、体腔壁や体腔分岐部に引っ掛
かりにくく、さらに、本発明のガイディングカテーテル
は、バルーンカテーテルを狭窄部へ侵入させるときに反
力を屈曲部の手元側で良好に受けとめるので、強い狭窄
部や硬い狭窄部にも容易にバルーンカテーテルを押し進
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカテーテルの一態様の先端部
の断面図である。
【図2】図2は、本発明のガイディングカテーテルの一
態様の先端部の断面図である。
【図3】図3は、板ばねの斜視図である。
【図4】図4は、金属線を編み上げたチューブの斜視図
である。
【図5】図5は、部分的に壁厚の異なるチューブの断面
図である。
【図6】図6は、部分的に剛性の異なるチューブの断面
図である。
【図7】図7は、部分的に架橋したチューブの断面図で
ある。
【図8】図8は、本発明のガイディングカテーテルの使
用状態の説明図である。
【図9】図9は、バルーンカテーテルの斜視図及び断面
図である。
【図10】図10は、経皮経管冠動脈拡張術(PTC
A)の説明図である。
【図11】図11は、狭窄部の拡張術を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 挿通孔 2 本体チューブ 3 先端部の手元側 4 先端部の先端側 5 高剛性円弧部分 6 高剛性円弧部分 7 低剛性円弧部分 8 低剛性円弧部分 9 低剛性円弧部分 10 低剛性円弧部分 11 高剛性円弧部分 12 高剛性円弧部分 13 屈曲部の手元側 14 屈曲部の先端側 15 屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分 16 屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分 17 屈曲面に対してほぼ垂直となる円弧部分 18 屈曲面に対してほぼ垂直となる円弧部分 19 屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分 20 屈曲面に対してほぼ平行となる円弧部分 21 屈曲面に対してほぼ垂直となる円弧部分 22 屈曲面に対してほぼ垂直となる円弧部分 23 高剛性部分 24 低剛性部分 25 架橋部分 26 非架橋部分 27 ガイディングカテーテル用ガイドワイヤ 28 動脈血管 29 狭窄部 30 冠動脈 31 ガイディングカテーテル 32 バルーン 33 カテーテル管 34 分岐部 35 内管 36 第1ルーメン 37 第2ルーメン 38 開口端 39 心臓 40 バルーンカテーテル用ガイドワイヤ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体腔内へ挿入するカテーテルであって、該
    カテーテルの先端部の手元側では特定方向に対する曲げ
    剛性が特定方向以外の方向に対する曲げ剛性より高く、
    先端部の先端側では前記特定方向とは異なる方向に対す
    る曲げ剛性が該異なる方向以外の方向に対する曲げ剛性
    より高いことを特徴とするカテーテル。
  2. 【請求項2】バルーンカテーテルが挿通され、バルーン
    カテーテルが体腔内へ侵入することを案内するように屈
    曲部が形成されてなるガイディングカテーテルであっ
    て、屈曲部の手元側では屈曲面に平行な方向に対する曲
    げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛性より高
    く、屈曲部の先端側では屈曲面に平行な方向に対する曲
    げ剛性が屈曲面に垂直な方向に対する曲げ剛性より低い
    ことを特徴とするガイディングカテーテル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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