JPH0998671A - 生分解性育苗ポット - Google Patents

生分解性育苗ポット

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JPH0998671A
JPH0998671A JP7279903A JP27990395A JPH0998671A JP H0998671 A JPH0998671 A JP H0998671A JP 7279903 A JP7279903 A JP 7279903A JP 27990395 A JP27990395 A JP 27990395A JP H0998671 A JPH0998671 A JP H0998671A
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paper
pot
biodegradable plastic
laminated sheet
biodegradable
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JP7279903A
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Hirotaka Tsuchiya
博隆 土屋
Fumiko Nakamura
文子 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、野菜、果実、鑑賞植物、庭木、植
林用樹木等の苗木を育成するための育苗ポットの材料と
して、紙及び生分解性プラスチックを使用することによ
り、廃棄物処理問題及び環境汚染問題の解決を図る。 【解決手段】 育苗ポット1の胴部2及び底部3を構成
する材質として、内面に分解性の遅い生分解性プラスチ
ック11、中間層に紙12、表面層に分解性の速い生分
解性プラスチック13を用いて、カップ形状に成形して
育苗ポットを作製する。この育苗ポットを用いて苗を成
育した場合、育苗時には育苗ポットとしての耐久性を保
持し、苗を育成して土壌に埋設後は分解して土となる。
また、使用済み後廃棄された場合も、分解して土に帰る
ので廃棄物処理問題がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果実、鑑賞
植物、庭木、植林用樹木等の苗木を育成するための育苗
ポットに関するもので、その育苗ポットの材料として、
生分解性プラスチックを使用することにより、廃棄物処
理問題を解決し、環境保護に役立つ育苗ポットの改良品
を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、育苗ポットはポリエチレン製が多
く使用されており、これらの育苗ポットは使用後、ゴミ
として焼却又は埋め立て処理される。プラスチックは焼
却処理する場合は発熱カロリーが高すぎて焼却炉を傷め
たりする等の問題がある。焼却処理せずに埋め立て処分
する場合でも、プラスチックは他の廃棄物に比べて単位
重量当たりの容積比が高い上、何時までも腐敗しないで
残るため、埋め立て後の地盤を弱くし、埋め立て地の跡
地利用を困難にする等の問題がある。また、使用後放置
された場合、地上に散乱して、周辺の環境を損なう場合
があり、環境保護の点でも大きな問題となっている。
【0003】これらの問題を解決する目的で紙製ポット
も使用されているが、紙の欠点である耐水性を付与する
ために、紙の内外面に非分解性樹脂をラミネートされて
いるので、焼却時の発熱カロリーは低下するが、腐敗し
ないで残るため、埋め立て処理及び環境保護の点では殆
ど問題解決になっていない。更に、生分解性プラスチッ
クを紙に貼り合わせたカップ状成形品も提案されている
が、育苗時に内面のプラスチックが分解してしまい、育
苗ポットとしての目的が十分達成されないという欠点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、育苗ポ
ットとして、既存のプラスチック製成形品を使用した場
合、使用後の育苗ポットの廃棄処理が大きな問題とな
り、その解決方法が望まれていた。こうした観点から、
使用後は埋め立て処理されたり、そのまま放置しても、
自然環境の中で、微生物によって分解され、生態系の循
環サイクルに還元される容器の開発が大きな課題となっ
ている。また、容器が焼却処理されても、焼却炉を傷め
たり、有害ガスを発生することがないように、従来のプ
ラスチック製容器の問題点を解消する必要がある。
【0005】本発明は、育苗ポットの材料として、分解
の速さの異なる少なくとも二種類の生分解性プラスチッ
クからなる積層体を用いた。また、紙の両面に生分解性
プラスチックをラミネートして紙に耐水性を付与し、且
つ、育苗時にはポットに入れた土(土壌微生物)によっ
て容易に分解しないように、内面には分解性の遅い生分
解性プラスチックを使用した。更に、表面には分解性の
速い生分解性プラスチックを使用することにより、苗が
成育して土壌に埋設した場合や廃棄処理した場合、表面
から速やかに分解が進むようにして上記問題の解決を図
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、育苗ポットの構成を以下のようにした。分解性が
異なる少なくとも二種類の生分解性プラスチックからな
る多層の育苗ポットであって、分解性の遅い方の生分解
性プラスチック層を内側にしたことを特徴とする育苗ポ
ットとした。また、紙及び生分解性プラスチックからな
るカップ形状の育苗ポットであって、紙の一方の面に分
解性の速い生分解性プラスチックを貼り合わせ、もう一
方の面には分解性の遅い生分解性プラスチックを貼り合
わせた積層シートを用いて、少なくとも胴部は、分解性
の遅い生分解性プラスチック面を内側にしてカップ状に
形成したことを特徴とする育苗ポットとした。そして、
前記分解性の速い生分解性プラスチックが、微生物によ
り生成されたポリエステル、又はポリカプロラクトン、
又はこれらの混合物であり、分解性の遅い生分解性プラ
スチックが、脂肪族の二塩基酸と二価アルコールの縮合
体を主体とするポリエステル、又は乳酸を主体とするポ
リマーであることを特徴とする育苗ポットとした。ま
た、前記積層シートの紙が未晒であることを特徴とする
育苗ポットとした。更に、前記積層シートを用いてカッ
プ状に形成する場合、紙の断面が内容物に接触しないよ
うに胴貼り部を形成したことを特徴とする育苗ポットと
した。
【0007】育苗ポットを上記の構成としたことは以下
の理由によるものである。育苗ポットの内面に、分解性
の速い生分解性プラスチックを使用し、且つ薄い層にし
た場合、育苗ポットの内面には苗を成育させるための土
壌が接触しているために、育苗時に分解が進み育苗ポッ
トとしての耐久性がなくなり使用に耐えられなくなる。
そのため、育苗ポットの内面には分解性の遅い生分解性
プラスチックを使用し、育苗時には中に入れた土壌によ
り分解しないようにして、育苗ポットの耐久性を確保し
た。更に、表面に分解性の速い生分解性プラスチックを
使用することにより、苗を成育して土壌に埋設後は、表
面から速やかに分解が進むようにし、最終的には生態系
の循環サイクルに還元されるようにした。
【0008】また、紙を中心層にし、その両面に生分解
性プラスチックを積層した積層体を用いて育苗ポットを
作製する場合、成形加工性が良く、且つ、使用に耐え得
る剛性が必要である。生分解性プラスチックだけで育苗
ポットとしての剛性を得ようとすると、一定の厚さを必
要とし、価格の高い生分解性プラスチックを使用する場
合は非常にコスト高となり、経済的負担が大きい。その
ため、剛性があり且つ生分解性のある紙を中心層にして
育苗ポットとしての剛性を確保し、紙の両面に生分解性
プラスチック層を設けることで、生分解性プラスチック
層を薄くして、育苗ポットのコストを低下させることが
できた。更に、紙を使用することにより、種々の印刷が
従来の印刷方式で可能であり、育苗ポットの商品価値を
高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、紙を中心層とし、その
両面に生分解性プラスチック層を貼り合わせた積層シー
トを用いて、紙カップ状に成形したもので、生分解性を
有し、廃棄処理が容易な育苗ポットである。そして、そ
の育苗ポットは、図1(a)に示すように、前記積層シ
ートから作製された胴部と底部から構成される。更に、
胴部及び底部は、図1(a)〜(c)に示すように、基
本的には、内面が分解性の遅い生分解性プラスチック、
中間層が紙(未晒)、表面が分解性の速い生分解性プラ
スチックの三層からなっている。
【0010】また、紙を使用しないで、分解性が異なる
少なくとも二種類の生分解性プラスチックを用いて多層
押し出しにより積層シートを作製し、この積層シートを
用いて真空・圧空成形等によりカップ状に成形して育苗
ポットとする場合がある。この場合も、分解性の遅い方
の生分解性プラスチック層を内側にしてカップ状に成形
して育苗ポットとする。更に、多層の射出成形機を用い
て、内面を分解性の遅い生分解性プラスチック層にし、
表面を分解性の速い生分解性プラスチック層にした、各
種形状の成形品を作製することもできる。
【0011】図1(a)は本発明の育苗ポットの斜視図
あり、図1(b)は同部の拡大断面図であり、図1
(c)は底部の拡大断面図である。図2は積層シートの
模式断面図であり、図3は積層シートを用いて紙カップ
状に成形し、底部に穴を明けた育苗ポットの模式断面図
である。図4は積層シートを用いて紙カップ状に成形し
たときの胴貼り部の形状を示した図であり、図5はスカ
イブヘミング方式で胴貼りするときの説明図である。図
6は育苗ポットの生分解性を試験するときの説明図であ
る。
【0012】本発明に使用される紙は、坪量が150〜
400g/m2 で、漂白しない未晒のパルプからなるも
のが望ましい。また、リサイクルパルプも使用でき、資
源の再利用の点からも好ましい。紙には必要に応じて、
耐水剤、撥水剤、無機物等を添加してもよい。
【0013】分解性の速い生分解性プラスチックとして
は、微生物が生成するポリエステルが好適である。微生
物により発酵法で生産されるポリエステルとして、3ー
ヒドロキシブチレートと3ーヒドロキシバリレートのラ
ンダム共重合ポリエステルや3ーヒドロキシバリレート
を主体とする3ーヒドロキシブチレートと3ーヒドロキ
シバリレートの共重合ポリエステル等がある。例えば、
英国ゼネカ社では、水素細菌にプロピオン酸とグルコー
スを与えて発酵法で3ーヒドロキシブチレートと3ーヒ
ドロキシバリレートのランダム共重合ポリエステルを生
産し、Biopolの商品名で販売している。
【0014】また、水素細菌に吉草酸を与えると、3ー
ヒドロキシバリレートの比率が95%の共重合ポリエス
テルが得られ、水素細菌に炭素原として吉草酸と共に酪
酸を与えると、3ーヒドロキシバリレートの比率が0〜
95%の組成範囲の共重合ポリエステルが生合成できる
ことが知られている。前記3ーヒドロキシブチレートと
3ーヒドロキシバリレートの共重合ポリエステルには、
必要に応じて可塑剤、安定剤、無機物等を添加して使用
する場合がある。
【0015】また、分解性の速い生分解性プラスチック
として、合成法で作られたプラスチックも使用すること
ができる。例えば、εーカプロラクトンの開環重合によ
り得られるポリカプロラクトンは、分解速度が速く使用
可能である。
【0016】分解性の遅い生分解性プラスチックとし
て、脂肪族二塩基酸と二価アルコールの縮合重合により
合成される各種の脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
例えば、コハク酸、アジピン酸とエチレングリコール、
1,4ブタンジオールの縮合重合により得られるポリエ
チレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリテ
トラメチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル等が使
用される。また、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の脂肪
族ポリエステルを使用することもできる。
【0017】合成法で生産される他の生分解性プラスチ
ックとして、ポリビニルアルコール、ポリーLーグルタ
ミン酸が使用できるが、ポリビニルアルコールの場合、
分子量の大きいものは分解され難く、分子量5000〜
100000程度でケン化度99モル%以上のものが好
ましい。
【0018】本発明の生分解性育苗ポットは、以上のよ
うな生分解性プラスチック及び紙を用いて積層シートを
作製し、次に、その積層シートでカップ状の成形品を作
製するが、先ず、積層シートの製造方法について説明す
る。紙の表面をコロナ処理、フレーム処理、アンカーコ
ート処理等を行って、その処理面に生分解性プラスチッ
クを押出してラミネートする。この際、押出しラミネー
トの加工安定性を増すために、生分解性プラスチックと
一緒にポリエチレン等の汎用プラスチックを共押出し
し、その後汎用プラスチックフィルムを剥離して紙と生
分解性プラスチックの積層シートを得る方法もある。カ
ップ状の成形品を作製するには、図1に示すように、胴
部と底部が必要であり、通常は、胴部と底部の物性が異
なるので、胴部積層シートと底部積層シートを別々に作
製する。しかし、用途によっては、同じ積層シートで胴
部と底部を構成することもできる。
【0019】次に、前記積層シートを用いてカップ状の
育苗ポットを成形する方法について説明する。先ず、胴
部積層シートの巻取から扇状のブランクを打ち抜き、こ
れを図4に示すように、スカイブヘミング方式によりブ
ランクの一方のサイドを折り曲げて積層シートの断面が
露出しないように保護し、もう一方のサイドを重ね合わ
せてサイドシールして胴貼り部4を形成して円筒状に成
形する。
【0020】スカイブヘミング方式による胴貼りは、積
層シートを扇状に打ち抜いたブランクの一方のサイド
を、図5(a)に示すように機械で切除して折り込み部
14を形成し、この折り込み部14に接着剤を塗布して
折り曲げ、図5(b)に示すように、折り曲げ接着部1
5を形成して、積層シートの断面を内容物に接触しない
ように保護する。次に、図5(c)に示すように、ブラ
ンクのもう一方の端を重ね合せて胴貼り部4を形成して
円筒状にする。この貼り合わせ部分は積層シートの内面
同士、即ち分解性の遅い生分解性プラスチック同士を接
着することになるので、ホットエア等による熱融着がで
きる。
【0021】スカイブヘミング方式による胴貼りは、育
苗ポットの胴部端面が土に直接接触した場合、育苗時に
土の水分が紙に浸透して、紙の強度が低下することを防
止するものであり、これによって、育苗ポットは長期間
の育苗にも耐えることができる。この他に、テープ貼
り、樹脂の含浸等により胴部端面を保護する方法もあ
る。
【0022】一方、底部積層シートは所定の寸法にカッ
ティングされた巻取をカップ成型機に供給し、インライ
ンで円形に打ち抜き、図3に示すように、底部積層シー
ト3は胴部積層シート2に接着されてカップ状に成形さ
れる。育苗ポットの底部が直接土に接触したり、水気の
多い場所で仮置きする場合は、底部積層シートとして、
両面に分解の遅い生分解性プラスチックをラミネートし
た積層シートを使用してもよいが、根の発育を妨げない
程度のものを選択する必要がある。また、育苗ポットに
は、余分の水が溜まらないように、図3に示すように、
底に穴を空ける場合がある。この場合は、底部積層シー
トの巻取を円形に打ち抜くときに、同時に円形の中央に
穴を空け、これを胴部にシールしてカップ状に成形す
る。更に、底部に穴を空けたとき、穴の端面から底部積
層シートの紙に水分が浸透して、強度が低下することを
防止するために、穴の端面に撥水剤を塗布する場合があ
る。しかし、撥水剤を添加した紙を用いて生分解性プラ
スチックとの積層シートを作製した場合は、穴の端面は
無処理とすることもある。
【0023】底部を胴部にシールする方法としては、ホ
ットエアーシール、ヒートシール、インパルスシール、
フレームシール、超音波シール等が使用される。底部を
胴部にシール後、更に、図1に示すように、トップカー
ル6を行ってコップ状育苗ポット1を作製する。
【0024】以上、円形の紙コップ状の成形品について
述べたが、容器形状としては、楕円形、四角形、底が円
形で上部が四角形等種々の変形紙容器とすることもでき
る。また、紙を使用せずに、分解性の異なる二種類の生
分解性プラスチックを用いて射出成形することにより、
各種形状のものも成形できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)坪量260g/m2 の未晒クラフト紙(以
下単に紙とする)の片面に、図2に示すように、分解性
の速い生分解性プラスチック13として3ーヒドロキシ
ブチレート88モル%と3ーヒドロキシバリレート12
モル%の共重合体(英国セネガ社製「バイオポール:Bi
opol」)を厚さ20μmで押出しラミネートした。前記
未晒クラフト紙のもう一方の面に、分解性の遅い生分解
性プラスチック11として脂肪族ポリエステル(昭和高
分子(株)製 ビオノーレ♯3000)を厚さ30μmで押
出しラミネートして、下記のような胴部積層シートを作
製した。 ・バイオポール20μ/紙 260g/m2 /ビオノーレ30μ
(内面)
【0026】次に、坪量180g/m2 の未晒クラフト
紙を用いて、胴部積層シートと同様にして、バイオポー
ル13とビオノーレ11をラミネートして、下記のよう
な底部積層シートを作製した。 ・バイオポール20μ/紙 180g/m2 /ビオノーレ30μ
(内面)
【0027】胴部積層シートは、扇状のブランクに打ち
抜き、ビオノーレ13が内側になるように、ブランクの
胴貼り部端面はスカイブヘミング方式で処理し、図4に
示すように、カップ成形機にて胴貼り部をヒートシール
し、更に、底部積層シートをカップ成形機に供給し、円
形に打ち抜くと同時に中央に10mmφの穴を空け、直
ちに胴部にヒートシールし、口径:105mm、テー
パ:2°高さ:110mmの丸形カップに成形して、図
3に示すように、底部に10mmφの穴の空いた育苗ポ
ット1を作製した。
【0028】(実施例2)実施例1と同様にして下記仕
様の胴部積層シート及び底部積層シートを作製し、更
に、実施例1と同様に、丸形カップに成形して育苗ポッ
ト1を作製した。 ・胴部積層シート:バイオポール20μ/紙 260g/m2
ポリ乳酸30μ(内面) ・底部積層シート:バイオポール20μ/紙 180g/m2
ポリ乳酸30μ(内面)
【0029】(実施例3)実施例1と同様にして下記仕
様の胴部積層シート及び底部積層シートを作製し、更
に、実施例1と同様に、丸形カップに成形して育苗ポッ
ト1を作製した。 ・胴部積層シート:バイオポールとポリカプロラクトン
の混合物20μ/紙 260g/m2 /ビオノーレ30μ(内面) ・底部積層シート:バイオポールとポリカプロラクトン
の混合物20μ/紙 180g/m2 /ビオノーレ30μ(内面) 尚、バイオポールとポリカプロラクトンの混合物は、バ
イオポール80重量%とポリカプロラクトン20重量%
の混合物を使用した。
【0030】(比較例1)胴部積層シート及び底部積層
シートの表面に分解性の遅い生分解性プラスチックをラ
ミネートした下記仕様の積層シートを用いて、実施例1
と同様に、丸形カップに成形して育苗ポット1を作製し
た。 ・胴部積層シート:ポリ乳酸20μ/紙 260g/m2 /ビオ
ノーレ30μ(内面) ・底部積層シート:ポリ乳酸20μ/紙 180g/m2 /ビオ
ノーレ30μ(内面)
【0031】(比較例2)胴部積層シート及び底部積層
シートの内面に分解性の速い生分解性プラスチックをラ
ミネートした下記仕様の積層シートを用いて、実施例1
と同様に、丸形カップに成形して育苗ポット1を作製し
た。 ・胴部積層シート:ポリ乳酸20μ/紙 260g/m2 /バイ
オポール30μ(内面) ・底部積層シート:ポリ乳酸20μ/紙 180g/m2 /バイ
オポール30μ(内面)
【0032】(耐久性試験)実施例1〜3及び比較例
1、2で作製した育苗ポットに腐葉土を入れ、これを4
0℃、80%RHの条件で3ヵ月保存し、外観検査によ
り育苗ポットの強度及び内面の耐水性が保持されている
か否かを○、×で判定した。
【0033】(生分解性試験)実施例1〜3及び比較例
1、2で作製した育苗ポットに腐葉土を入れ、図6に示
すように、プランターに入れた腐葉土に埋設し、40
℃、80%RHの条件で3ヵ月保存し、外観検査により
育苗ポット表面にクラックが発生しているか否かを○、
×で判定した。
【0034】試験結果は表1に示すとおり、実施例1、
2、3で作製した育苗ポットはいずれも、耐久性があ
り、且つ分解性も良好であることが分かる。これに対し
て、比較例で作製した表面に分解性の遅い生分解性プラ
スチックを用いた育苗ポットの場合は、分解が進まず、
生分解性育苗ポットとしては問題があり、また、内面に
分解性の速い生分解性プラスチックを使用した場合は、
内面が分解されて紙に水分が浸透して、育苗ポットとし
ての耐久性に問題があった。
【0035】
【表1】 *BIPL:バイオポール PCL:ポリカプロラクトン
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
野菜、果実、鑑賞植物、庭木、植林用樹木等の苗木を育
成するための育苗ポットの材料として、自然環境の中
で、微生物によって分解され、生態系の循環サイクルに
還元できる生分解性プラスチック及び紙を使用するの
で、廃棄物処理問題を解決し、環境保護に役立つ。ま
た、育苗ポットの内面には分解性の遅い生分解性プラス
チックを使用し、表面に分解性の速い生分解性プラスチ
ックを使用することにより、育苗時においては分解せず
に育苗ポットとして耐久性を保持し、苗が成育し土壌に
埋設後は速やかに分解して土となるので、使用後の育苗
ポットの回収の手間が省け、取扱が非常に便利である。
そのため、環境にやさしい育苗ポットとして独自性を持
たせることにより需要拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による育苗ポットの斜視図及び育苗ポッ
ト材質の断面図である。
【図2】積層シートの模式断面図である。
【図3】底部に穴を空けた育苗ポットの模式断面図であ
る。
【図4】積層シートで紙カップ状に成形したときの胴貼
り部の模式断面図である。
【図5】スカイブヘミング方式で胴貼りするときの説明
図である。
【図6】育苗ポットの生分解性試験をしたときの説明図
である。
【符号の説明】
1 育苗ポット 2 胴部(胴部積層シート) 3 底部(底部積層シート) 4 胴貼り部 5 穴 6 トップカール 11 分解性の遅い生分解性プラスチック 12 紙 13 分解性の速い生分解性プラスチック 14 折り込み部 15 折り曲げ部 16 スカイブヘミング方式による胴貼り部 17 プランター 18 腐葉土

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解性が異なる少なくとも二種類の生分
    解性プラスチックからなる多層の育苗ポットであって、
    分解性の遅い方の生分解性プラスチック層を内側にした
    ことを特徴とする育苗ポット。
  2. 【請求項2】 紙及び生分解性プラスチックからなるカ
    ップ形状の育苗ポットであって、紙の一方の面に分解性
    の速い生分解性プラスチックを貼り合わせ、もう一方の
    面には分解性の遅い生分解性プラスチックを貼り合わせ
    た積層シートを用いて、少なくとも胴部は、分解性の遅
    い生分解性プラスチック面を内側にしてカップ状に形成
    したことを特徴とする育苗ポット。
  3. 【請求項3】 前記分解性の速い生分解性プラスチック
    が、微生物により生成されたポリエステル、又はポリカ
    プロラクトン、又はこれらの混合物であり、分解性の遅
    い生分解性プラスチックが、脂肪族の二塩基酸と二価ア
    ルコールの縮合体を主体とするポリエステル、又は乳酸
    を主体とするポリマーであることを特徴とする請求項1
    及び請求項2に記載の育苗ポット。
  4. 【請求項4】 前記積層シートの紙が未晒であることを
    特徴とする請求項2及び請求項3に記載の育苗ポット。
  5. 【請求項5】 前記積層シートを用いてカップ状に形成
    する場合、紙の断面が内容物に接触しないように胴貼り
    部を形成したことを特徴とする請求項2乃至請求項4に
    記載の育苗ポット。
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