JPH0997858A - 窒化ケイ素配線基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素配線基板およびその製造方法

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JPH0997858A
JPH0997858A JP7252817A JP25281795A JPH0997858A JP H0997858 A JPH0997858 A JP H0997858A JP 7252817 A JP7252817 A JP 7252817A JP 25281795 A JP25281795 A JP 25281795A JP H0997858 A JPH0997858 A JP H0997858A
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JP
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silicon nitride
substrate
oxide
tungsten
wiring layer
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JP7252817A
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Jun Monma
旬 門馬
Norio Nakayama
憲隆 中山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0306Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • H05K3/4673Application methods or materials of intermediate insulating layers not specially adapted to any one of the previous methods of adding a circuit layer
    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同時焼成による窒化ケイ素配線基板において
は、窒化ケイ素基板と金属配線層とを同時焼成する際
に、金属配線層の炭化による配線抵抗の増大を抑制する
ことが課題とされている。 【解決手段】 例えば多層構造の窒化ケイ素基板2と、
この窒化ケイ素基板2の表面や内部に設けられた金属配
線層3とを具備する窒化ケイ素配線基板1である。窒化
ケイ素基板2は、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタ
ンおよびタングステン単体から選ばれる少なくとも 1種
を含有している。これら炭化タンタル、炭化ニオブ、窒
化チタンおよびタングステン単体は、窒化ケイ素基板2
の原料中に添加された酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化
チタンおよび酸化タングステンが基板焼成時に炭素を含
む還元物質により還元されて生成した還元生成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同時焼成による金
属配線層を有する窒化ケイ素配線基板およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パワーIC、高周波トランジスタ
等の大電流を必要とする半導体素子の発展に伴って、セ
ラミックス基板の需要は年々増加している。特に、窒化
アルミニウム基板は、熱伝導率が高く、放熱性に優れる
等の特徴を有することから、増大傾向にある半導体素子
からの放熱量に対応し得る基板として、その使用が検討
されている。
【0003】しかしながら、窒化アルミニウム基板は機
械的強度や破壊靭性値等が低いことから、アッセンブリ
工程での締め付けによって割れが発生したり、また熱サ
イクルが付加された際にクラックが発生しやすい等、半
導体素子搭載用セラミックス基板としての信頼性に劣る
という材料特性に基く難点を有している。
【0004】そこで、窒化アルミニウム基板より熱伝導
率は劣るものの、熱膨張率がSiに近似すると共に、機械
的強度や破壊靭性値に優れる窒化ケイ素焼結体からなる
基板が注目されている。窒化ケイ素基板においても、原
料となる窒化ケイ素粉末の粒径や焼結助剤組成等を制御
することによって、アルミナ基板を超える40W/m K 以上
の熱伝導率が実現されるようになってきており、基板材
料としての実用性が認められつつある。例えば、特開昭
4-219371号公報には、電子回路用基板材料等として用い
られる窒化ケイ素焼結体が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような窒化ケ
イ素基板を、半導体用パッケージや回路基板等として使
用する場合には、金属配線層の形成が不可欠である。こ
のような金属配線層の形成方法としては、例えば従来の
アルミナ基板や窒化アルミニウム基板と同様に、窒化ケ
イ素基板と金属配線層とを同時焼成により一括して作製
することが検討されているが、難焼結性の窒化ケイ素基
板に由来する新たな問題が生じている。
【0006】例えば通常の同時焼成基板の製造工程を適
用した場合、まず窒化ケイ素グリーンシート上に金属配
線層形成用ペーストを所望の配線形状に塗布する。ここ
で、窒化ケイ素グリーンシートの主原料となる窒化ケイ
素粉末には、窒化ケイ素が難焼結性であるために、緻密
化焼結を促進し得る例えば平均粒径 0.5μm というよう
な微粉末が使用されており、これに伴って有機バインダ
を窒化アルミニウム基板等に比べて多量に添加する必要
が生じる。また、配線層形成金属としてはタングステン
の使用が考えられる。
【0007】次に、上記金属配線層形成用ペーストを塗
布した窒化ケイ素グリーンシートを1層または所望の形
状となるように複数層積層して、窒化ケイ素成形体を作
製する。この後、窒化ケイ素成形体に脱脂処理を施した
後、所定の温度で焼成することによって、窒化ケイ素基
材と配線層形成金属とを同時に焼結させる。この際、脱
脂処理は配線層形成金属の酸化を防ぐために、窒素雰囲
気のような非酸化性雰囲気中で行われる。
【0008】このような製造工程により作製される窒化
ケイ素配線基板(同時焼成基板)においては、グリーン
シート中の有機バインダ量が多いことと、脱脂処理を窒
素雰囲気のような非酸化性雰囲気中で行うこと等に起因
して、有機バインダ中の炭素分の除去率が低く、この残
留炭素により金属配線層を構成するタングステン等が炭
化され、配線抵抗が上昇してしまうという問題が生じて
いる。
【0009】上記したような問題は、従来の窒化アルミ
ニウム配線基板では顕著には見られなかった問題であ
り、同時焼成による窒化ケイ素配線基板特有の問題であ
る。なお、上述した特開昭4-219371号公報においては、
金属配線層の形成に関しては何等配慮されていないのみ
ならず、窒化ケイ素焼結体に金属配線層を形成すること
に関しても何等記載されていない。
【0010】このようなことから、同時焼成による窒化
ケイ素配線基板においては、窒化ケイ素基板と金属配線
層とを同時焼成する際に、金属配線層の炭化による配線
抵抗の増大を抑制することが課題とされている。
【0011】本発明は、このような課題に対処してなさ
れたもので、金属配線層の炭化による高抵抗化を有効に
抑制することを可能にした同時焼成による窒化ケイ素配
線基板およびその製造方法を提供することを目的として
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化ケイ素配線
基板は、請求項1に記載したように、窒化ケイ素基板
と、前記窒化ケイ素基板の表面および内部の少なくとも
一方に前記窒化ケイ素基板との同時焼成により形成され
た金属配線層とを具備する窒化ケイ素配線基板におい
て、前記窒化ケイ素基板は炭化タンタル、炭化ニオブ、
窒化チタンおよびタングステン単体から選ばれる少なく
とも 1種を含有することを特徴としている。本発明の窒
化ケイ素配線基板は、より具体的には請求項2に記載し
たように、前記炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタン
およびタングステン単体は、前記窒化ケイ素基板の原料
中に添加された酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン
および酸化タングステンが基板焼成時に炭素を含む還元
性物質により還元されて生成した還元生成物であること
を特徴としている。
【0013】また、本発明の窒化ケイ素配線基板の製造
方法は、請求項4に記載したように、窒化ケイ素焼結体
原料粉末に、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタンお
よび酸化タングステンから選ばれる少なくとも 1種を添
加、混合し、この混合粉末を所望の基板形状に成形し
て、窒化ケイ素グリーンシートを作製する工程と、前記
窒化ケイ素グリーンシートに、金属配線層形成用ペース
トを所望の形状に塗布し、これを 1層または複数層積層
して窒化ケイ素成形体を作製する工程と、前記窒化ケイ
素成形体を非酸化性雰囲気中で脱脂処理した後に窒素雰
囲気中で焼成し、前記酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化
チタンおよび酸化タングステンから選ばれる少なくとも
1種を還元して、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタ
ンおよびタングステン単体から選ばれる少なくとも 1種
を含有する窒化ケイ素基板と金属配線層とを同時焼結す
る工程とを具備することを特徴としている。
【0014】本発明の同時焼成による窒化ケイ素配線基
板における窒化ケイ素基板は、一般的な焼結助剤による
副構成相の他に、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタ
ンおよびタングステン単体から選ばれる少なくとも 1種
を含有している。これらは、窒化ケイ素基板の原料中に
添加された酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタンおよ
び酸化タングステンが基板焼成時に炭素を含む還元物質
により還元されて生成した還元生成物である。すなわ
ち、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタンおよび酸化
タングステンは、いずれも窒化ケイ素配線基板の同時焼
成工程時に脱炭剤として有効に機能するため、窒化ケイ
素基板内に残留する炭素が除去され、金属配線層が炭化
されて高抵抗化することが抑制できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0016】図1は、本発明の窒化ケイ素配線基板の一
実施形態を示す断面図である。同図に示す多層窒化ケイ
素配線基板1は、複数の窒化ケイ素層2aを多層一体化
することにより構成された多層窒化ケイ素基板2を有し
ており、この多層窒化ケイ素基板2の内部には所定の配
線パターン状の内部金属配線層3が設けられている。こ
の内部金属配線層3はスルーホール内に充填された金属
配線層3aを含んでいる。このような多層窒化ケイ素配
線基板1は、窒化ケイ素基材(多層窒化ケイ素基板2)
と内部金属配線層3となる金属配線層形成用材料(具体
的には金属配線層形成用ペースト)とを同時焼成するこ
とにより作製されたものである。
【0017】内部金属配線層3を主として構成する金属
としては、タングステン、モリブデン等の高融点金属が
例示される。これら高融点金属は単体で用いてもよい
し、あるいはチタンやジルコニア等の活性金属もしくは
窒化チタン等の活性金属化合物との混合物として用いて
もよい。特に、本発明においては、窒化ケイ素と熱膨張
率等が近似するタングステンを主成分として用いること
が好ましい。
【0018】そして、多層窒化ケイ素基板2は一般的な
焼結助剤による副構成相の他に、炭化タンタル、炭化ニ
オブ、窒化チタンおよびタングステン単体から選ばれる
少なくとも 1種を含有するものである。これらは、多層
窒化ケイ素基板2の原料中に添加された酸化タンタル、
酸化ニオブ、酸化チタンおよび酸化タングステンが基板
焼成時に炭素を含む還元物質により還元されて生成した
還元生成物である。
【0019】すなわち、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸
化チタンおよび酸化タングステンは、いずれも多層窒化
ケイ素配線基板1の同時焼成工程時に、以下に示す各式
に従って脱炭剤として有効に機能する。
【0020】 酸化タンタル :Ta2 5 + 7C→ 2TaC+ 5CO↑ ……(1) 酸化ニオブ :Nb2 3 + 5C→ 2NbC+ 3CO↑ ……(2) 酸化チタン :TiO2 + 2C+N→TiN+ 2CO↑ ……(3) 酸化タングステン:WO3 + 3C→W+ 3CO↑ ……(4) 従って、多層窒化ケイ素基板2内に残留する炭素は、上
記酸化物により除去され、内部金属配線層3が炭化され
て高抵抗化することが抑制できる。言い換えると、多層
窒化ケイ素基板2内に炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化
チタンおよびタングステン単体から選ばれる少なくとも
1種を存在させることによって、低抵抗の内部金属配線
層3を得ることができる。
【0021】多層窒化ケイ素基板2内に存在させる還元
生成物は、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタンおよ
びタングステン単体のいずれでもよいが、特に優れた脱
炭効果が得られる炭化タンタルや炭化ニオブが好まし
い。すなわち、多層窒化ケイ素基板の原料中に酸化タン
タルや酸化ニオブを添加することが好ましい。炭化タン
タルや炭化ニオブ(酸化タンタルや酸化ニオブ)は、優
れた脱炭効果を有するだけでなく、硬度の高い柱状結晶
を作ることから、多層窒化ケイ素基板2の破壊靭性値の
向上にも寄与する。
【0022】なお、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チ
タンおよびタングステン単体は、いずれも多層窒化ケイ
素基板2を安定して黒色化し、配線基板としての特性の
向上に寄与する。すなわち、可視光の透過による半導体
素子等の誤動作を防止することができる。
【0023】炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタンお
よびタングステン単体から選ばれる少なくとも 1種の還
元生成物は、それらの生成原料となる酸化タンタル、酸
化ニオブ、酸化チタンおよび酸化タングステンの添加量
換算で 1〜15重量% の範囲で多層窒化ケイ素基板2中に
含有されていることが好ましい。還元生成物の含有量が
生成原料となる酸化物の添加量換算で 1重量% 未満であ
ると、脱炭効果が不十分となるおそれがあり、一方15重
量% を超えると酸素量が過剰となり、熱伝導率が低下す
るおそれがある。還元生成物の含有量は、生成原料とな
る酸化物の添加量換算で 1.5〜10重量% の範囲とするこ
とがさらに好ましい。
【0024】上述した多層窒化ケイ素基板2は、窒化ケ
イ素粉末に焼結助剤として酸化イットリウムのような希
土類酸化物粉末や酸化アルミニウム粉末等と共に、酸化
タンタル、酸化ニオブ、酸化チタンおよび酸化タングス
テンから選ばれる少なくとも1種を添加、混合し、この
ような混合粉末を焼結させたものであればよいが、特に
50W/m K 以上の熱伝導率を有するものが好ましい。
【0025】多層窒化ケイ素基板2を構成する窒化ケイ
素焼結体は、高強度・高靭性のセラミックス焼結体とし
てよく知られているが、例えば原料となる窒化ケイ素粉
末の微粒子化、焼結助剤組成等の組成制御、高純度化等
を行うことによって、本来の高強度・高靭性という機械
的特性を損うことなく、熱伝導率が50W/m K 以上という
ように、比較的熱伝導性に優れた窒化ケイ素焼結体を得
ることができる。本発明では、このような比較的熱伝導
性に優れた多層窒化ケイ素基板2を用いることが好まし
い。
【0026】上述した実施形態の多層窒化ケイ素配線基
板1は、例えば以下のようにして製造される。
【0027】まず、窒化ケイ素粉末に希土類酸化物粉末
や酸化アルミニウム粉末等の通常の焼結助剤を添加した
窒化ケイ素焼結体原料粉末に、酸化タンタル、酸化ニオ
ブ、酸化チタンおよび酸化タングステンから選ばれる少
なくとも 1種を添加、混合する。これら酸化物の添加量
は前述した通りである。ここで、用いる窒化ケイ素粉末
としては平均粒径が 0.5μm 以下の微粉末が好ましく、
これにより緻密質で機械特性に優れると共に、熱伝導率
の高い窒化ケイ素焼結体、すなわち多層窒化ケイ素基板
2が得られる。
【0028】次いで、上記した混合粉末に適量の有機バ
インダおよび分散媒を添加、混合してペースト化し、こ
のペーストをドクターブレード法等の通常の成形法でシ
ート状に成形して窒化ケイ素グリーンシートを作製す
る。添加する有機バインダ量は特に限定されるものでは
ないが、上述したような微粉末状の窒化ケイ素の緻密化
焼結を促進する上で、上記混合粉末に対して10〜30重量
% 程度というように、比較的多量に添加することが好ま
しい。これら窒化ケイ素グリーンシートには、内部配線
形状に応じてスルーホールを形成する。
【0029】次に、上記窒化ケイ素グリーンシートに金
属配線層形成用ペーストを所望の配線形状に塗布する。
また、スルーホール内に金属配線層形成用ペーストを充
填する。この金属配線層形成用ペーストは、タングステ
ンのような高融点金属粉末にバインダや溶剤を添加、混
合して流動性を付与したものである。そして、金属配線
層形成用ペーストを塗布した窒化ケイ素グリーンシート
を、必要枚数積層して窒化ケイ素成形体を作製する。
【0030】この後、上記窒化ケイ素成形体を窒素雰囲
気等の非酸化性雰囲気中で脱脂処理した後、同様に窒素
雰囲気中で焼成して、窒化ケイ素基材と配線層形成金属
とを同時に焼結することによって、目的とする多層窒化
ケイ素配線基板1を得る。
【0031】ここで、多層窒化ケイ素配線基板1は同時
焼成基板であるため、脱脂処理は配線層形成金属が酸化
しないように、窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気中で行わ
なければならず、脱脂体中に炭素分が残留しやすい。こ
れは、微粉末状窒化ケイ素の緻密化焼結を促進するため
に比較的多量の有機バインダを添加することで、さらに
炭素分の残留量が増加する。このような多量の炭素を含
む通常の窒化ケイ素脱脂体を通常の方法で焼成した場
合、配線層形成金属が脱脂体中の残留炭素により炭化さ
れ、内部金属配線層3が高抵抗化してしまう。
【0032】これに対して、本発明では予め脱炭剤とし
て窒化ケイ素焼結体原料粉末に、酸化タンタル、酸化ニ
オブ、酸化チタンおよび酸化タングステンから選ばれる
少なくとも 1種を添加しているため、前述した (1)〜
(4)式のいずれかに従って炭素が除去され、その結果と
して内部金属配線層3の炭化による高抵抗化が抑制され
る。すなわち、窒化ケイ素焼結体原料粉末中に添加した
酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングス
テン等が還元されて残留炭素が除去され、これに応じて
炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタンおよびタングス
テン単体から選ばれる少なくとも 1種を含有する多層窒
化ケイ素基板2と低抵抗の内部金属配線層3とが得られ
る。すなわち、低抵抗の内部金属配線層3を有する多層
窒化ケイ素配線基板1が再現性よく得られる。
【0033】本発明の窒化ケイ素配線基板は、図2に示
すように、窒化ケイ素基板4の表面に金属配線層5を設
けた窒化ケイ素表面配線基板6に適用することも可能で
ある。この場合、前述した多層窒化ケイ素基板2と同様
に、窒化ケイ素基板4は炭化タンタル、炭化ニオブ、窒
化チタンおよびタングステン単体から選ばれる少なくと
も 1種を含有しており、これらは表面金属配線層5の低
抵抗化に寄与する。ただし、炭化による高抵抗化が起こ
りやすい内部金属配線層を有する窒化ケイ素配線基板に
対して、本発明は特に有効である。
【0034】さらに、本発明は内部金属配線層と表面金
属配線層を共に設けた窒化ケイ素配線基板に適用するこ
とも可能であり、いずれの金属配線層についても同様な
低抵抗化効果が得られる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の窒化ケイ素配線基板の具体的
な実施例について説明する。
【0036】実施例1、比較例1 まず、平均粒径 0.5μm の窒化ケイ素(Si3 4 )粉
末に焼結助剤として酸化イットリウム(Y2 3 )粉末
5重量% を添加し、さらに五酸化タンタル(Ta
2 5 )粉末を 3重量% 添加し、適量の界面活性剤と溶
剤を加えてボールミルで24時間混合した。ボールミル中
に有機バインダとしてアクリル樹脂を25重量%添加し、
さらに24時間混合した。得られたグリーンシート成形用
スラリーを、真空脱泡にて10000CPSの粘度に調節し、こ
れをドクターブレード法で厚さ 0.5mmのシート状に成形
した。
【0037】次いで、各窒化ケイ素グリーンシートにス
ルーホールを形成し、このスルーホール内にタングステ
ンペーストを充填した。さらに、窒化ケイ素グリーンシ
ートの表面にタングステンペーストをスクリーン印刷し
た。これら窒化ケイ素グリーンシートを積層し、この積
層成形体を窒素気流中にて脱脂した。脱脂条件は1023K
× 5時間とした。この後、脱脂体を窒素気流中にて 219
3Kで焼成し、窒化ケイ素とタングステンとを同時に焼結
させることによって、多層窒化ケイ素配線基板を得た。
【0038】なお、得られた多層窒化ケイ素配線基板の
窒化ケイ素焼結体部分(各窒化ケイ素層)をX線回折法
により調べたところ、炭化タンタル(TaC)の生成が
認められた。また、焼結体全体が黒色の均一色調となっ
ていた。
【0039】また、本発明との比較例1として、窒化ケ
イ素原料粉末に五酸化タンタル粉末を添加しない以外
は、上記実施例1と同一条件で、窒化ケイ素とタングス
テンとの同時焼成基板(多層窒化ケイ素配線基板)を作
製した。なお、この比較例1の同時焼成基板は、実施例
1と同じ炉内で同時に焼成したものである。
【0040】このようにして得た実施例1および比較例
1による各多層窒化ケイ素配線基板の内部金属配線層
(タングステン層)の電気抵抗を測定したところ、比較
例1による多層窒化ケイ素配線基板は20μΩ・cmであっ
たのに対して、実施例1による多層窒化ケイ素配線基板
は12μΩ・cmと低抵抗を有していた。また、比較例1に
よる多層窒化ケイ素配線基板を粉末X線回折法で調べた
ところ、多量の炭化タングステンが生成していた。
【0041】実施例2〜4 実施例1の五酸化タンタルに代えて、表1に示す各添加
物を用いる以外は、上記実施例1と同一条件で、窒化ケ
イ素とタングステンとの同時焼成基板(多層窒化ケイ素
配線基板)を作製した。これら各多層窒化ケイ素配線基
板の内部金属配線層(タングステン層)についても電気
抵抗を測定した。その結果を表1に合せて示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化ケイ
素配線基板によれば、金属配線層の炭化による高抵抗化
を有効に抑制することができる。従って、窒化ケイ素基
板を用いて、低抵抗の金属配線層を有する同時焼成配線
基板を再現性よく提供することが可能となる。また、本
発明の窒化ケイ素配線基板の製造方法によれば、上述し
たような健全な窒化ケイ素配線基板を安定して作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるセラミックス配線
基板の構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態によるセラミックス配
線基板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1……多層窒化ケイ素配線基板 2……多層窒化ケイ素基板 3……内部金属配線層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素基板と、前記窒化ケイ素基板
    の表面および内部の少なくとも一方に前記窒化ケイ素基
    板との同時焼成により形成された金属配線層とを具備す
    る窒化ケイ素配線基板において、 前記窒化ケイ素基板は、炭化タンタル、炭化ニオブ、窒
    化チタンおよびタングステン単体から選ばれる少なくと
    も 1種を含有することを特徴とする窒化ケイ素配線基
    板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化ケイ素配線基板にお
    いて、 前記炭化タンタル、炭化ニオブ、窒化チタンおよびタン
    グステン単体は、前記窒化ケイ素基板の原料中に添加さ
    れた酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタンおよび酸化
    タングステンが基板焼成時に炭素を含む還元性物質によ
    り還元されて生成した還元生成物であることを特徴とす
    るセラミックス配線基板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の窒化ケイ素配線基板にお
    いて、 前記金属配線層を主として構成する金属はタングステン
    であることを特徴とするセラミックス配線基板。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素焼結体原料粉末に、酸化タン
    タル、酸化ニオブ、酸化チタンおよび酸化タングステン
    から選ばれる少なくとも 1種を添加、混合し、この混合
    粉末を所望の基板形状に成形して、窒化ケイ素グリーン
    シートを作製する工程と、 前記窒化ケイ素グリーンシートに、金属配線層形成用ペ
    ーストを所望の形状に塗布し、これを 1層または複数層
    積層して窒化ケイ素成形体を作製する工程と、 前記窒化ケイ素成形体を非酸化性雰囲気中で脱脂処理し
    た後に窒素雰囲気中で焼成し、前記酸化タンタル、酸化
    ニオブ、酸化チタンおよび酸化タングステンから選ばれ
    る少なくとも 1種を還元して、炭化タンタル、炭化ニオ
    ブ、窒化チタンおよびタングステン単体から選ばれる少
    なくとも 1種を含有する窒化ケイ素基板と金属配線層と
    を同時焼結する工程とを具備することを特徴とする窒化
    ケイ素配線基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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