JPH0997101A - 周期性信号の適応制御方法 - Google Patents

周期性信号の適応制御方法

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JPH0997101A
JPH0997101A JP25285895A JP25285895A JPH0997101A JP H0997101 A JPH0997101 A JP H0997101A JP 25285895 A JP25285895 A JP 25285895A JP 25285895 A JP25285895 A JP 25285895A JP H0997101 A JPH0997101 A JP H0997101A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象の外的条件の変化等に適正に対処
し、収束安定性の高い周期性信号の適応制御方法を提供
する 【解決手段】 周波数検出部10では、制御対象信号の
対象周波数成分ωを検出し、周波数ω/2の周波数補償
前の信号xとして出力する。周波数補償部11では、周
波数ω/2に周波数q/2を付加して信号x′として出
力する。適応フィルタW13は、振幅補償項a、位相補
償項φの2つの変数により構成されている。信号x′
は、適応フィルタにより振幅補償及び位相補償され、信
号yとして出力され、倍周部13においては、制御信号
yが自乗され、伝達系14において、ゲインAω、位相
遅れΦωの伝達関数Gωが適用され、信号zとして出力
される。作用点15aにて外力fが加算され、作用点1
5bにて目標d=0との差がエラー信号として適応フィ
ルタに戻され、適応フィルタWが勾配法により逐次更新
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、能動的振動等の周期性信
号の適応制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種騒音や振動等に対するアクテ
ィブキャンセルシステムとして適応デジタルフィルタ技
術が利用されており、例えば時間領域において畳み込み
演算に基づき制御信号を演算し、模擬伝達関数を考慮し
て適応フィルタへの入力信号を計算し設定するFilt
eredーX LMSアルゴリズム(以下、FXーLM
Sアルゴリズムと記す)や、これの演算量を削減する目
的で開発され、仮想入力信号をプロセッサ内部で生成す
ることにより、畳み込み演算を不要とした同期式適応ア
ルゴリズム(SFX)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記アルゴリ
ズムの安定制御のための収束条件に対し、現実にはこれ
を満たし得ない場合がある。例えば、制御系の出力し得
る加振力が、対象となる振動や騒音を相殺するに十分な
大きさであっても、出力を逆位相とするための位相調整
が適切に行われなければ、振動や騒音を十分に低減させ
ることはできない。従来のアルゴリズムは、予め信号伝
達系の伝達特性を推定伝達特性として演算上で考慮する
ことにより、本来の制御特性を発揮するものである。特
に、推定伝達特性に含まれる位相情報は重要であり、そ
の値が実際の伝達位相特性に対し−90゜〜+90゜の
範囲を越えると、適応フィルタはこれに適応することが
できず適正制御状態に収束しないばかりか、むしろ発散
状態になって振動や騒音を悪化させることもある。実際
の伝達特性と推定伝達特性とは、例えば車両等において
は、短期間であればそれほど大きな差異を生じることは
ないが、車体の径時変化、環境温度、乗員数等の種々の
外的条件を考慮すると、これら外的条件により適応範囲
を越えた誤差が含まれてくることがある。本発明は、上
記した問題を解決しようとするもので、制御対象の外的
条件の変化等に適正に対処し、収束安定性の高い周期性
信号の適応制御方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、周期性
信号の特定周波数成分を除去する適応制御方法であっ
て、制御周波数の1/2の周波数を有する制御信号を、
振幅補償係数及び位相補償係数の関数であるフィルタ係
数を有する適応フィルタにより振幅及び位相調整し、調
整信号を倍周処理し、伝達系により振幅及び位相処理し
たことにより得られた出力信号と外力の差である誤差信
号を用い、誤差信号の二乗で表される評価関数を、フィ
ルタ係数によって偏微分することにより第1勾配ベクト
ルを求め、第1勾配ベクトルに一定数を掛け合わせたも
のをフィルタ係数から減算することにより時刻の経過毎
のフィルタ係数を更新し、更新されたフィルタ係数の振
幅補償係数及び位相補償係数により、出力信号の振幅と
位相を更新させるようにしたことにある。
【0005】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の周期性信号の適応制御方
法において、制御周波数に補償周波数を付加した周波数
の出力信号を含む関数の二乗で表される評価関数を、補
償周波数によって偏微分することにより第2勾配ベクト
ルを求め、第2勾配ベクトルに一定数を掛け合わせたも
のを補償周波数から減算することにより時刻の経過毎の
補償周波数を更新し、更新された補償周波数により、出
力信号の周波数を更新させるようにしたことにある。
【0006】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の周期性信号の適応制御方
法において、予め定めた振幅情報及び位相情報に基づい
て、出力信号の振幅及び位相を更新させるようにしたこ
とにある。
【0007】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載
の周期性信号の適応制御方法において、更新された位相
をさらに1/2倍の大きさに更新させるようにしたこと
にある。
【0008】また、上記請求項5に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載
の周期性信号の適応制御方法において、フィルタ係数の
振幅補償係数の更新量と位相補償係数の更新量とを独立
に設定したことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明すると、図1は、第1の実施形態に係る車の
能動振動を示す周期性信号の適応制御系のブロック線図
を示したものである。この適応制御系は、周波数検出部
10、周波数補償部11、適応フィルタ(ADF)W1
2、倍周部13、伝達系14、2つの作用点15a,1
5bを有し、作用点15bからの誤差信号が適応フィル
タ12に戻されるようになっている。
【0010】周波数検出部10では、制御対象信号の対
象周波数成分ωを検出し、その1/2の周波数ω/2で
ある周波数補償前の信号xとして出力する。信号xは、
下記数1に示す。信号xは、演算過程で数値として生成
・処理される信号であり、外部から得られる信号ではな
く、制御対象信号の同期信号となる外部入力信号例えば
エンジンのクランク角信号、イグニッションパルス信号
等より算出されるものである。
【0011】
【数1】 x=Xexp(jωt/2)
【0012】ここで、jは虚数単位を表し、tは時刻を
表すものとし、以下同じである。周波数補償部11で
は、信号xの周波数ω/2に周波数補償として周波数q
/2を付加して下記数2に示すように、信号x′として
出力するものである。周波数qも、制御対象信号の同期
信号となる外部入力信号例えばエンジンのクランク角信
号、イグニッションパルス信号等より逐次適応的に算出
・決定される。上記制御信号xを決定するに当り、振動
の周波数を検出するためにクランク角信号やイグニッシ
ョンパルス信号等の同期信号を、例えばパルス間隔の時
間計測あるいは高速フーリエ変換により解析して求め
る。このとき得られる検出周波数と制御対象とする真の
信号周波数との間に誤差のある場合、アルゴリズムに不
安定状態が生じるため、その誤差を解消するため、周波
数補償qが導入された。
【0013】
【数2】 x′=Xexp{j(ω+q)/2}t
【0014】適応フィルタW12においては、1つの周
波数成分に対して1つが用意され、振幅補償項a、位相
補償項φの2つの変数により構成されている。信号x′
は、適応フィルタにより振幅補償及び位相補償され、下
記数3に示す信号yとして出力される。
【0015】
【数3】 y=aXexp[j{(ω+q)t/2+
φ}]
【0016】倍周部13においては、制御信号yが自乗
され、さらに、振動伝達系14において、ゲインAω、
位相遅れΦωの伝達関数Gωが適用され、下記数4に示
す信号zとして出力される。伝達関数Gωは、予めイン
パルス応答測定か、周波数掃引加振試験等で得られたも
のである
【0017】
【数4】 z=a2AX2exp[j{(ω+q)t+2
φ+Ф}]
【0018】そして、作用点15aにて外力fが加算さ
れ、作用点15bにて目標d=0との差がエラー信号と
して適応フィルタ12に戻され、係数を修正し無制御状
態に適応フィルタを収束させないようにして、適応フィ
ルタWが勾配法により逐次更新される。勾配▽は下記数
5によって表される。
【0019】
【数5】
【0020】なお、数5で、μはステップサイズパラメ
ータで、適応システムの性能を決定するパラメータであ
る。そして、ゲインA及び位相遅れФの上部に付した
「^」は、推定値であることを意味するものである。こ
こで、収束値よりa=0となる解を除くよう、数5をa
で割って変形し、得られた勾配▽を用いれば、適応フィ
ルタWは、下記数6に示すように更新される。
【0021】
【数6】
【0022】ここで、nは離散化された時間を表し、μ
pは位相についてのステップサイズパラメータを表し、
μaは振幅についてのステップサイズパラメータを表す
ものとする。なお、適応フィルタWは、数6の形で適応
更新式としての良好な動作が確認されているが、ここ
で、数6中の位相関連項の大きさを1/2倍にすればさ
らに良好な動作が得られることが分かった。すなわち、
下記数7となる。
【0023】
【数7】
【0024】この数7に示す適応フィルタWによれば、
推定伝達系位相誤差が従来の制御アルゴリズムでは収束
不能とされるほど大きくなっても、効果的な適応制御を
行うことができる。従って、位相に関する推定伝達特性
をあえて考慮する必要はなくなる。しかし、これを無視
した場合、周波数変動に対する適応速度が落ちることも
あるため、好ましくは推定伝達特性を考慮しておくべき
である。この推定伝達系位相誤差許容性は、例えば、車
両の振動制御における伝達系変化(例えば、温度、乗車
人数、ゴム材料等の径時特性変化による)に伴う制御不
能状態の発生等の問題に有効であり、実質的に有効な特
性である。
【0025】また、上記数7の代わりに、下記数8に示
すように、位相補償係数φの更新時に、振幅補償係数a
の絶対値の影響を除いた更新式を用いても有効な制御特
性が得られる。
【0026】
【数8】
【0027】また、本実施形態における制御アルゴリズ
ムでは、振幅補償係数aの更新量と、位相補償係数φの
更新量とは独立に定めることができる。なお、振幅補償
係数aの更新量を位相補償係数φの更新量よりも小さく
した方が制御上安定な場合が多く、そのときはステップ
サイズパラメータμp>μaとすることが好ましい。さら
に、式中には示されていないが、振幅補償係数aの更新
回数を、位相補償係数φの更新回数より少なくした方が
良好な制御特性を得られ易い。例えば、位相補償係数φ
は毎サンプリングで更新し、振幅補償係数aについては
5サンプリング間隔で更新する等である。
【0028】周波数補償項qに関する更新も適応フィル
タWと同様な手続きで、勾配法により逐次的にその解を
求めるものである。周波数補償項qを求めるための評価
関数としては、下記数9に示す。
【0029】
【数9】
【0030】ここで、wi は窓関数のi番目の係数であ
る。窓関数としては、ブラックマン・ハリス窓関数、ハ
ミング窓関数等が好適に使用される。これら窓関数によ
り、評価関数Jωは、変数(ω+q)に関し、連続的か
つ明確な極値を有する分布形状となる。また、ri は、
同期信号等より得られる参照信号である。参照信号ri
の基本波の周波数が制御対象周波数と同一であれば評価
関数Jωは数9のままでよいが、ri の基本波の周波数
が制御対象周波数の定数α倍であることの方が一般的あ
るので、この場合は数9に示した(ω+q)をα・(ω
+q)と置き換えることになる。
【0031】つぎに、評価関数Jωの勾配▽q を下記数
10により求める。
【0032】
【数10】
【0033】つぎに、勾配▽q に基づいて周波数補正項
qを下記数11により逐次的に求める。
【0034】
【数11】
【0035】上記周波数補償の実施には、Nタップの畳
み込み演算が必要になり計算量が増大する。演算能力に
時間的余裕が有れば毎サンプリングごとに更新計算を実
行すればよいが、制御特性上はそれほどの計算頻度は必
要ない。例えば、毎サンプリングで1タップ分の計算を
行い、そこから数えてNサンプリング後に更新式の数1
1を実行する程度でも適応制御は可能である。また、数
11の更新処理を実行する際のサンプリング周期は、上
記数7、数8の更新処理の場合のサンプリング周期と同
一である必要はなく、対象周波数領域を制御するのに十
分短い周期であれば動作上問題はない。
【0036】次に、上記適応制御アルゴリズムによる制
御効果について、図2に示す評価回路を用いて試験した
結果について説明する。評価回路は、信号発生器(ファ
ンクヨンジェネレータ)21を適応制御系20に接続し
たもので、信号発生器21から同期信号と、参照信号を
適応制御系20に入力され、接続された適応制御系20
から制御出力信号が出力される。そして、この制御出力
信号と信号発生器21から出力された消去対象信号とが
合成されてエラー信号として、適応制御系20に戻され
更新処理が行われる。適応制御系としては、本実施形態
に係る適応制御系の他に、参考例として従来のFXーL
MS制御系についても試験した。
【0037】第1の試験は、推定伝達特性に正常値(特
性測定時の値)を用いた場合と、意図的に不正確な値
(180゜位相進み、またはゲインの符号反転値)を用
いた場合での制御開始直後の応答性を調べた。その応答
性の測定結果を図3に示す。その結果、推定伝達特性に
正常値を用いた場合には、本実施形態に係る適応制御系
と、従来のFXーLMS制御系の間で、収束性の大きな
差異はない。しかし、推定伝達特性に180゜位相進み
の値を用いた場合には、本実施形態に係る適応制御系で
は短時間に収束するのに対し、従来のFXーLMS制御
系では、収束性が非常に悪く、本実施形態に係る適応制
御系の優秀さが明らかにされた。
【0038】第2の試験は、制御状態のままエラー信号
の初期周波数20Hzから200Hzまでの間を10秒
で掃引(スウィープ)したときの時間波形を記録した。
そのスウィープ特性の測定結果を図4に示す。その結
果、本実施形態に係る適応制御系は、従来のFXーLM
S制御系に較べて周波数変動に対する高速応答性が非常
に優れていることが明らかにされた。
【0039】上記実施形態では、1つの周波数成分を制
御対象とする場合について説明したが、同時に複数の周
波数成分を制御対象とする場合でも、基本的な演算方法
に変わりはない。すなわち、複数の周波数成分を制御対
象とする場合には、図5に示すように、周波数成分の数
だけの適応フィルタ30a〜30kと、各適応フィルタ
30a〜30kに入力する各々の周波数成分の調和振動
信号(正弦波信号)x′(1)〜x′(k)を用意し、各々の
適応フィルタ30a〜30kからの出力を合成して、こ
れを伝達系後段へ送信するようにすればよい。ただし、
単純な演算で倍周を実行でき、電磁型アクチュエータ等
の特性にしばしば見られる2乗系を伴う倍周系の制御に
おいては、各々の適応フィルタ出力の単純和を送信して
も正常な動作は期待できない。この場合は、図に示すよ
うに、各適応フィルタ30a〜30kの出力y′′(1)
〜y′′(k)を倍周部31a〜31kで2乗し、その出
力y′(1)〜y′(k)の和に対して、直流成分除去、開平
計算、分周の手続き32を経た後に後段伝達系へ信号y
を送る必要がある。
【0040】また、本発明の適応制御系は、複数のセン
サ、アクチュエータから構成されるマルチチャンネルの
制御系への拡張も可能である。基本的な構成では、1つ
のアクチュエータに対して1組(制御対象周波数成分の
数だけ必要)の適応フィルタが用意され、各1組の適応
フィルタは全エラーセンサからの信号によって毎サンプ
リングにて更新される。例として、1周波数成分ー2倍
周アクチュエーター2センサの構成時のブロック図を、
図6に示す。適応フィルタ40a,40bと、各適応フ
ィルタ40a,40bに対して、各一対の倍周部41a
1 ,41a2 と倍周部41b1 ,41b2 が設けられ、
伝送系42a1 ,42a2 と伝送系42b1 ,42b2
が設けられる。この場合の適応フィルタの更新式は、下
記数12示すようになる。
【0041】
【数12】
【0042】なお、数12において、Wの添え字は、順
に入力信号(周波数成分)、アクチュエータ、離散化さ
れた時刻を表し、μa,μbの添え字もWと同様であ
る。eの添え字は、指定されたエラーセンサを表し、
A,Ф′(推定量を表す^の記載を省略する)の添え字
は、順に指定されたアクチュエータ、エラーセンサ及び
角周波数を表し、a,φの添え字は、順に入力信号(周
波数成分)、アクチュエータ、離散化された時刻を表
す。なお、上記実施形態においては、周期性信号の適応
制御方法を車のエンジンの騒音等の能動振動の除去につ
いて適用しているが、その他、音響エコーキャンセラ、
適応雑音除去、適応指向性制御等にも本発明を適用する
ことができる
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、上記のように請
求項1に係る発明を構成したことにより、制御信号の振
幅及び位相が適正に更新され、その結果、周期性信号に
対する良好な制御性が得られた。また、上記のように請
求項2に係る発明を構成したことにより、制御信号決定
の際の検出周波数と制御対象である真の周波数との間に
誤差が生じても、補償周波数による更新手続きに基づい
て適正な周波数補償が行われる。その結果、制御アルゴ
リズムの不安定状態を回避することができる。また、周
波数補償により、周波数変動追従性も向上させることが
できる。また、上記のように請求項3に係る発明を構成
したことにより、システムに起因する遅延等がある場合
に予め定めた振幅情報及び位相情報に基づいて、出力信
号の振幅及び位相を更新させればよく、参照信号生成の
ための畳み込み演算等の処理が不要になり、演算量を軽
減することができる。また、上記のように請求項4に係
る発明を構成したことにより、適応制御による制御性が
さらに改善され、推定伝達系位相誤差が従来では収束不
能とされる大きさになっても効果的な適応制御が可能に
なった。また、上記のように請求項5に係る発明を構成
したことにより、安定な適応制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る周期性信号の適応制御
系を示すブロック線図である。
【図2】同適応制御系の特性を評価するための評価回路
を示すブロック図である。
【図3】同適応制御系及びFXーLMS制御系につい
て、推定伝達特性に正常値を用いた場合と、180゜位
相進みの値を用いた場合での制御開始直後の応答性を示
すグラフである。
【図4】同適応制御系及びFXーLMS制御系につい
て、制御状態のままエラー信号の初期周波数20Hzか
ら200Hzまでの間を10秒で掃引したときの時間波
形を示すグラフである。
【図5】同時に複数の周波数成分を制御対象とする場合
の適応制御系を示すブロック線図である。
【図6】複数のセンサ、アクチュエータから構成される
マルチチャンネルの制御系へ拡張された適応制御系を示
すブロック線図である。
【符号の説明】
10…周波数検出部、11…周波数補償部、12…適応
フィルタ(ADF)、13…倍周部、14…伝達系、1
5a,15b…作用点、16…適応フィルタ更新アルゴ
リズム、20…適応フィルタ、21…信号発生器、30
a〜30k…適応フィルタ、31a〜31k…倍周部、
40a,40b…適応フィルタ、41a1,41a2 ,
41b1 ,41b2 …倍周部、42a1 ,42a2 ,4
2b1 ,42b2 …伝送系。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期性信号の特定周波数成分を除去する
    適応制御方法であって、 制御周波数の1/2の周波数を有する制御信号を、振幅
    補償係数及び位相補償係数の関数であるフィルタ係数を
    有する適応フィルタにより振幅及び位相調整し、同調整
    信号を倍周処理し、伝達系により振幅及び位相処理した
    ことにより得られた出力信号と外力の差である誤差信号
    を用い、同誤差信号の二乗で表される評価関数を前記フ
    ィルタ係数によって偏微分することにより第1勾配ベク
    トルを求め、同第1勾配ベクトルに一定数を掛け合わせ
    たものを前記フィルタ係数から減算することにより時刻
    の経過毎のフィルタ係数を更新し、更新された前記フィ
    ルタ係数の振幅補償係数及び位相補償係数により、前記
    出力信号の振幅と位相を更新させるようにしたことを特
    徴とする周期性信号の適応制御方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の周期性信号の適応
    制御方法において、 前記制御周波数に補償周波数を付加した周波数の出力信
    号を含む関数の二乗で表される評価関数を、同補償周波
    数によって偏微分することにより第2勾配ベクトルを求
    め、同第2勾配ベクトルに一定数を掛け合わせたものを
    同補償周波数から減算することにより時刻の経過毎の補
    償周波数を更新し、更新された補償周波数により、前記
    出力信号の周波数を更新させるようにしたことを特徴と
    する周期性信号の適応制御方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の周期性信号の適応
    制御方法において、 予め定めた振幅情報及び位相情報に基づいて、前記出力
    信号の振幅及び位相を更新させるようにしたことを特徴
    とする周期性信号の適応制御方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜請求項3のいずれか1つ
    に記載の周期性信号の適応制御方法において、 前記更新された位相をさらに1/2倍の大きさに更新さ
    せるようにしたことを特徴とする周期性信号の適応制御
    方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜請求項4のいずれか1つ
    に記載の周期性信号の適応制御方法において、 前記フィルタ係数の振幅補償係数の更新量と位相補償係
    数の更新量とを独立に設定したことを特徴とする周期性
    信号の適応制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114354409A (zh) * 2021-12-30 2022-04-15 中机试验装备股份有限公司 被控对象周期运动控制方法及装置、疲劳试验设备

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