JPH0996946A - 帯電ロール - Google Patents

帯電ロール

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JPH0996946A
JPH0996946A JP34090895A JP34090895A JPH0996946A JP H0996946 A JPH0996946 A JP H0996946A JP 34090895 A JP34090895 A JP 34090895A JP 34090895 A JP34090895 A JP 34090895A JP H0996946 A JPH0996946 A JP H0996946A
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JP
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coating layer
coating
foam
charging roll
layer
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JP34090895A
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Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光ドラムを帯電させる接触帯電ロールとし
て、柔軟性に富む発泡体の表面に被覆層を形成しても、
発泡体内部の空孔に侵み込んで発泡体を固くさせること
がない被覆層を形成した帯電ロールを提供する。 【構成】 本発明の帯電ロールは、芯材の外周面に発泡
体層と、該発泡体の表面に被覆層を備えた電子写真用帯
電ロールにおいて、被覆層が水性エマルジョン系樹脂材
料を用いて形成されたものであることを特徴とする。ま
た、その水性エマルジョン系樹脂材料には、レベリング
剤または界面活性剤を含有することが好ましい。さら
に、被覆層は、酸化錫系の導電性粉体を分散させた水性
エマルジョン系樹脂材料を用いて形成することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光体ドラム等に帯電
性を付与するための電子写真用帯電ロールに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体ドラム等に帯電性
を付与するためには、コロナ帯電器を用いる方法が一般
的であった。ところが、コロナ帯電器を作動させると、
有害なオゾンの発生を伴ったり、感光体ドラムの表面を
劣化させるという問題があった。これらを改善する帯電
方法として、これまでに種々のものが提案されており、
例えば、特開昭63−167380号公報等に開示され
ているように、金属製の芯材の上に、弾性導電材層を形
成した帯電ロールを用いることが知られている。また、
その弾性導電材層をより柔軟なものとするために、スポ
ンジ状の発泡体を用いることが特開平5−210281
号公報に記載されている。
【0003】一方、これらの帯電ロールにおいて、帯電
性を調整したり、感光体ドラムとの接触状態を改善する
ために、例えば、特開昭64−66674号公報及び特
開平1−211779号公報等に記載されているよう
に、弾性導電材層の表面に被覆層または抵抗層を設ける
ことも知られている。この被覆層は、弾性導電材層の表
面に塗布液を塗布することによって形成されるものであ
るが、上記発泡体の表面に塗布液を塗布する際に、塗布
液が発泡体の空孔内に浸み込んで正常に形成できなくな
ったり、また、その発泡体の表面に凹凸が発生すること
により、均一な帯電性が得られないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の技術における上記のような問題点に鑑みてなされた
ものである。すなわち、本発明の目的は、空孔を有する
発泡体を用いて作製する帯電ロールにおいて、発泡体層
の表面に塗布欠陥のない均一な被覆層を形成した帯電ロ
ールを提供することにある。また、柔軟性に富む発泡体
の表面に被覆層を形成しても、発泡体内部の空孔に侵み
込んで発泡体を固くさせることがないような被覆層を形
成した帯電ロールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電ロールは、
芯材の外周面に発泡体層と、該発泡体層の表面に被覆層
を備えた電子写真用帯電ロールにおいて、被覆層が水性
エマルジョン系樹脂材料を用いて形成されたものである
ことを特徴とする。このエマルジョン系樹脂材料には、
レベリング剤または界面活性剤を含有することが好まし
く、また、被覆層には、導電性材料を分散させること、
特に、酸化錫系の導電性粉体を分散させることが好まし
い。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の電子写真用帯電ロールは、
ロール芯材の外周面に設けた発泡体層の表面に、エマル
ジョン系樹脂材料からなる被覆層を形成させるものであ
る。このエマルジョン系樹脂材料として使用するものと
しては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、酢酸ビニル樹脂、イソプレンゴムラテックス、
ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンラテックス等
が挙げられる。また、このエマルジョン系樹脂材料は、
単量体を水媒体に分散させて懸濁重合させる従来公知の
方法によって得ることができる。
【0007】図1は、本発明の帯電ロールの概略の構成
を示す断面図である。1は芯材であり、通常はステンレ
ス等の金属製シャフトからなるものが用いられる。2は
空孔3を多数有する発泡体層、3は発泡体中の空孔及び
4は被覆層である。本発明において使用する発泡体層2
としては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレンプロピレンジ
エンゴム(EPDM)及びエピクロロヒドリンゴム等の
発泡性材料に、カーボン、酸化錫、過酸化塩素酸塩等の
導電性材料を配合して成型したもの等が挙げられる。そ
の発泡体層の厚さは、5〜20mmの範囲にあることが
好ましく、また、その抵抗値は、105 〜108 Ωcm
の範囲のものが好ましい。発泡体の空孔3の大きさは、
200μm以下であることが好ましく、これより大きく
なると樹脂エマルジョンを塗布しても、表面の凹凸を防
止することができない。
【0008】本発明における被覆層4は、その厚さが1
0〜500μmの範囲にあることが好ましく、また、そ
の抵抗値は107 〜1014Ωcmの範囲にあることが好
ましい。被覆層を形成する際に、発泡体の表面に空孔が
存在すると、エマルジョンは、その空孔の中には入り込
むが、さらに内部まで浸入することはない。ところが、
有機溶剤に溶解された樹脂は、空孔内部にまで浸入する
結果、発泡体中の空孔が樹脂で埋められてしまい、発泡
体としての本来の機能を消失して固くなるので不適当で
ある。
【0009】本発明において、エマルジョン溶液が樹脂
材料によっては発泡体の空孔内に一部浸入するために、
被覆層が形成されない場合があり、このような場合に
は、複数回繰返し塗布することにより被覆層を形成させ
ることが好ましい。すなわち、1回目の塗布は、主に発
泡体表面に存在する空孔を埋める、いわゆる目止めとな
り、2回目以降の塗布により被膜として被覆層を形成さ
せることができる。
【0010】本発明の帯電ロールには、被覆層の抵抗を
調整し、また、過大な電流の流れを抑制するために、被
覆層に上記した導電性材料を適宜配合することができ
る。その導電性材料の中では、エマルジョン樹脂材料の
中に、特に、酸化錫系の導電性粉体を分散させることが
好適である。これは、数多く知られている導電性材料の
中で、酸化錫系の導電性粉体が、過大な電流の流れを抑
制するのに極めて有効であることに基づくものである。
【0011】以下、図2を用いて、帯電ロールにおける
被覆層の過大電流抑制効果について説明する。図2は、
各種の導電性材料を配合した抵抗膜について、加える印
加電圧を変更し、それぞれの体積抵抗率を測定した結果
を示したものである。一般に、抵抗率が低い膜は、印加
電圧を変えても抵抗率は一定であるが、抵抗率が高い膜
になるにつれてオームの法則から外れた電圧−電流特性
を示すことが知られている(1985年発行、「日本ゴ
ム協会誌」第58巻、第561頁)。本発明者の実験結
果によれば、図2に示すように、抵抗率が107 Ωcm
を越えたところでは、電圧が高いほど抵抗率が低くなる
という負特性抵抗率を示す導電性材料の多いことが判明
した。
【0012】ところで、酸化錫系の導電性粉体を分散し
て形成された抵抗膜の場合は、電圧が高くなると抵抗が
高くなるという正特性抵抗率を示している。このような
正特性抵抗率を示す被覆層が、帯電ロールの表面に形成
されていると、被帯電体である感光ドラムにピンホール
リーク等の異常な低抵抗部分が存在する場合でも、そこ
に電流が集中することはなく、したがって、過大な電流
が流れることはない。これとは逆に、帯電ロールの表面
が負特性抵抗率を示す導電性材料を分散させて形成した
被覆層の場合、感光ドラムにピンホール箇所が存在して
電流が多量に流れ始めると、被覆層の抵抗率がますます
低下して電流がさらに増大し、ついには過大な電流が流
れて焼け焦げを生じる可能性があり、このような状態に
なると、この帯電ロールを用いて形成する複写は、正常
な画像が形成でき難くなる。
【0013】そこで、本発明における被覆層の導電性材
料としては、酸化錫系の導電性粉体を用いることが特に
好ましく、具体的には、酸化錫、酸化錫−インジウム固
溶体(ITO)及び酸化錫−アンチモン固溶体等が好ま
しい材料として挙げられる。本発明に使用する導電性材
料とエマルジョン系樹脂材料の固形分との配合比は、重
量比で1:1〜1:20程度であることが好ましい。導
電性材料が上記配合比より少ないと、樹脂単独の場合と
比べて抵抗率が殆ど低くならないために、導電性材料を
分散させる意味がないし、一方、それより多すぎると、
抵抗率が107 Ωcmより低くなり過ぎて、被覆層とし
ての効果が低下してしまう。また、その導電性材料の分
散には、ボールミル, ロールミル、サンドミル、超音波
等の任意の常法が用いられる。また、被覆層の劣化を防
止するためには、酸化防止剤を含有させてもよい。
【0014】本発明において、被覆層を形成する際の塗
布方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ローラ
ー塗布法、リングカラー塗布法等が採用できる。これら
の塗布法の中で、ロールの長手方向を上下に移動させる
浸漬塗布法で行う場合には、ロールに加わる塗布液の圧
力は上側よりも下側が高いために、ロールの下側におい
ては、エマルジョンが発泡体の空孔に浸入しやすくな
る。そこで、このような場合には、他の塗布法を採る必
要がある。一方、水系溶剤を用いて塗布すると、はじき
等の塗布欠陥が発生し易いが、エマルジョン樹脂に、レ
ベリング剤または界面活性剤を含ませた水性の被覆層形
成用塗布液を使用すると、水を用いた場合の上記塗布欠
陥の発生を防止することができる。
【0015】本発明に使用されるレベリング剤として
は、下記一般式(1)で示されるシリコーン系レベリン
グ剤が挙げられる。
【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭
素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、アルキルフェ
ニル基、オキシエチル基またはオキシプロピル基を示
し、mは0〜2,000の整数、nは0〜2,000の
整数である。)
【0016】上記シリコーン系レベリング剤として使用
するものとしては、具体的には、ジメチルシリコーンオ
イル(SH200、東レシリコーン社製;KF96、信
越化学工業社製;TSF451、東芝シリコーン社
製)、メチルフェニルシリコーンオイル(SH510、
東レシリコーン社製;KF50、信越化学工業社製;R
SF431、東芝シリコーン社製)等が挙げられる。ま
た、上記一般式(1)のRを官能基で変性させた,アル
キル変性シリコーン、アリル変性シリコーン、アルコキ
シ変性シリコーン、オキシアルキル変性シリコーン、フ
ッ素変性シリコーン、グリコール変性シリコーン、ポリ
エーテル変性シリコーン及び脂肪酸エステル変性シリコ
ーン等も使用し得る。
【0017】本発明に用いる界面活性剤としては、アニ
オン系界面活性剤(例えば高級脂肪酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンやα−オレフィン
のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩
等)、カチオン系界面活性剤(例えば第4級アンモニウ
ム塩等)、両性界面活性剤(例えば、高級アルキルアミ
ンから誘導されるアミノ酸およびベタイン型化合物
等)、非イオン系界面活性剤(例えば、ポリエチレング
リコールのアルキルもしくはフェニルエーテルまたは脂
肪酸とのエステル、グリセリンもしくはソルビタン等の
多価アルコール脂肪酸とのエステル等)が挙げられる。
また、各材料中の水素をフッ素で置換したフッ素系界面
活性剤も使用できる。フッ素系界面活性剤の代表的なも
のとしては、次のものが例示される。 C8 17SO2 ・NR1 CH2 COOK、C8 17SO
2 ・NR1 CH2 CH2 O(CH2 CH2 O)n H、C
8 17SO2 ・N(CH2 CH2 CH2 OH)2 、C8
171 O(CH2 CH2 O)n H、C1633(R
1 O)n H、C1633(R1 O)n R (式中、R1 は低級アルキレン基を表わし、nは5〜2
0の整数である。)
【0018】レベリング剤または界面活性剤の添加量
は、被覆層形成用塗布液の固形分に対して、0.000
1〜1重量%の範囲にあることが好ましい。被覆層に導
電性材料粉末を分散させる場合には、その分散助剤とし
ての役割を担わせることもできるが、その場合の添加量
は0.001〜10重量%の範囲である。これらの塗布
液を塗布する際、塗布液にレベリング剤または界面活性
剤が添加されていると、表面張力が大巾に低下するの
で、はじき及びむら等の塗工欠陥を防止することができ
る。また、塗布後は適宜乾燥して製膜することができ
る。
【0019】
【作用】本発明においては、表面張力の比較的大きい水
を溶剤とするものであるから、水とともに樹脂が発泡体
の空孔に浸み込み難いので容易に均一な被覆層を形成す
ることができる。従来の被覆層は樹脂塗料の塗布液を塗
布して形成するものであり、その溶剤としている有機溶
剤は表面張力が小さいために、有機溶剤とともに樹脂が
発泡体の空孔に浸み込むことから、均一な被覆層を形成
させることは困難である。しかし、本発明は、発泡体の
空孔に水蒸気が浸み込むことはあっても、樹脂エマルジ
ョン粒子は個々に独立しているので、溶剤とともに侵入
することがなく、したがって、被覆層を良好に形成する
ことができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。 実施例1 図1に示す構造の電子写真用帯電ロールを作製した。芯
材1として、5mmφのステンレス鋼シャフトを使用
し、その外周に、カーボンブラックを50%分散したE
PDM発泡体層2をインジェクション成型により15m
mφになるよう作製した。その発泡体の比重は、0.4
4であり、また、その空孔径の最大のものは約200μ
mであった。その体積抵抗率は、100Vで測定したと
ころ、106 Ωcmであった。次に、発泡体層2の表面
に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:インプ
ラニール43032、バイエル社製)の水性エマルジョ
ン溶液(固形分50重量%)よりなる塗布液を用いて浸
漬塗布法により塗布した。5分間の風乾後、120℃で
20分の加熱乾燥を行うことにより厚さ20μmの被覆
層4を形成させた。この被覆層材料は1013Ωcm程度
の一定の抵抗値を有していたので、導電性材料は配合し
なかった。
【0021】上記帯電ロールを用いて、30mmφの有
機感光体ドラムに帯電を行った。すなわち、帯電ロール
に、直流成分が−600V及び交流成分が1800Vの
直流交流重畳電圧を印加し、上記有機感光体ドラムに帯
電を施した。その結果、表面電位は−600Vになっ
た。次に、ダイオードレーザーを用いて、原稿の黒部
(文字部)が発光し、原稿の白地部が消光するように像
様に変調し、12mJ/m2 の強度で露光を行ったとこ
ろ、露光部の電位は−100Vになった。次いで、負帯
電現像剤を入れた現像器を用いて現像を行い、形成され
た可視像を用紙に転写することによりプリント画像を得
た。得られたプリント画像の画質は、何ら問題のない優
れたものであった。なお、この際の画像のプリント速度
は、4枚/分であった。
【0022】比較例1 実施例1において、被覆層を形成することなく、発泡体
をそのまま帯電ロールとして使用した以外は、実施例1
と同様に行ったところ、帯電後の有機感光体ドラムの表
面電位にむらが発生し、ベタ白画像部には部分的にカブ
リがあった。また、有機感光体ドラムにピンホールによ
る電荷リークがあった場合、黒筋が発生した。
【0023】比較例2 アクリル樹脂10重量部、導電性カーボン0.2重量部
及び酢酸n−ブチル90重量部を混合した溶液をボール
ミルを用いて分散させて被覆層溶液を得た。この溶液を
発泡体層の表面にリング塗布機で塗布したところ、液が
空孔内に浸み込んで、100℃で10分間乾燥させた後
には、発泡体層は弾力性がなくなった。被覆層としての
膜厚は測定不能であった。得られた帯電ロールを使用し
たところ、感光体ドラムとの接触不良が発生し、帯電む
らが大きく、画像濃度が不均一なものであった。
【0024】実施例2 実施例1におけるエマルジョン塗布液に、その固形分に
対して、0.001重量%のメチルフェニルシリコーン
をレベリング剤として添加したものを用いて、実施例1
と同様に塗布した。この場合には、「はじき」(被覆層
が塗布されない部分)の発生は全くなかった。
【0025】実施例3 実施例1と同じ発泡体ロールに、ポリエーテル系ポリウ
レタンエマルジョン(商品名:NeoRez R−96
6、ゼネカ社製)よりなる塗布液を塗布する。このエマ
ルジョン塗布液は、実施例1で用いたエマルジョンに比
べて低粘度であり、浸み込みやすいものであるため、リ
ングカラー塗布法を用いて塗布した。図2は、この塗布
に用いたリングカラー塗布法について説明するための概
略断面図である。図2において、シリコーンゴム製のリ
ング形ガスケット6とリング形容器8によって、帯電ロ
ールの芯材1の外周面に設けた発泡体層2を包囲し、そ
の間にエマルジヨン溶液5を供給し、図示していない昇
降装置により、芯材1を相対的に引き上げるものであ
る。なお、7は塗布装置の支持体を示す。このリングカ
ラー塗布法では、発泡体層とエマルジヨン溶液との接触
時間および接触圧が、上下方向のいずれの部分において
も同一であるから、浸漬塗布方法に比べて、発泡体層の
表面に均一に塗布することができる。
【0026】上記塗布方法において、1回の塗布では、
未だ十分な被覆層が形成できなかったので、100℃に
おいて10分間乾燥させた後、2回目の塗布を行うこと
により膜厚10μmの被覆層を形成することができた。
さらに、120℃において20分間乾燥させた後、その
抵抗を測定すると、1014Ωであった。このようにして
得られた帯電ロールは、実施例1で得たものと同様に使
用することができた。
【0027】実施例4 実施例1で作製した帯電ロールを、プリント速度が10
枚/分の中速プリンターに適用しようとしたところ、感
光体ドラムの表面電位は、−550Vになり、やや低下
する傾向が見られた。これは、被覆層の抵抗値が少し高
いためと考えられる。そこで、実施例1において用いた
ポリエステル系ポリウレタン樹脂の水性エマルジョン溶
液において、その水性エマルジョン溶液中の固形分(水
性エマルジョン溶液の50重量%)に対し、さらに、錫
−インジウム系のITO粉体(粒径0.1μm)10重
量%を、サンドミルを用いて分散させることにより水性
エマルジョン分散液を調整した。次に、この分散液を、
実施例1と同様にして発泡体層の表面に塗布し、厚さ2
0μmの被覆層を形成させることにより帯電ロールを作
製した。得られた帯電ロールを、プリント速度が10枚
/分の中速プリンターに適用しようとしたところ、感光
体ドラムの表面電位は−600Vであった。この帯電ロ
ールを用いて得られたプリント画像は、正常な画質であ
った。
【0028】実施例5 実施例4において、水性エマルジョン溶液中の固形分に
対し、分散させる錫−インジウム系のITO粉体を20
重量%とした水性エマルジョン分散液を用いた以外は、
実施例4と全く同様にして帯電ロールを作製した。得ら
れた帯電ロールを、プリント速度が10枚/分の中速プ
リンターに適用しようとしたところ、感光体ドラムの表
面電位は−600Vであった。この帯電ロールを用いて
得られたプリント画像は、正常な画質であった。また、
この帯電ロールは、さらに高速度のプリンターにも適用
することが可能であった。
【0029】図3は、各種の導電性材料を分散させた水
性エマルジョン分散液を用いて形成した塗膜について、
塗膜の体積抵抗率の電圧依存性を測定した結果を示すグ
ラフである。
【0030】この水性エマルジョンには、実施例1にお
けるポリエステル系ポリウレタン樹脂の水性エマルジョ
ン溶液(固形分50重量%)を用いた。上記体積抵抗率
の測定に使用した塗膜は、各種の導電性材料の分散した
水性エマルジョン分散液を200メッシュのフィルター
で濾過した後、ワイヤーバーによりアルミニウム箔上に
厚さ10μmになるように塗布し、これを110℃で2
0分間乾燥させることにより得たものである。図3に
は、この塗膜に加える印加電圧を変えることにより、そ
れぞれの塗膜の体積抵抗率を測定した結果が示されてい
る。図3において、水性エマルジョン分散液中の導電性
材料として、Aは実施例4におけるITO粉体10重量
%を用いて得られた塗膜、Bは実施例5におけるITO
粉体20重量%を用いて得られた塗膜、Cは導電性カー
ボン10重量%を用いて得られた塗膜、Dは導電性カー
ボン25重量%を用いて得られた塗膜、Eは酸化鉄粉体
25重量%を用いて得られた塗膜、Fは導電性チタンブ
ラック粉体25重量%を用いて得られた塗膜及びGは導
電性酸化亜鉛粉体25重量%を用いて得られた塗膜の体
積抵抗率と印加電圧との関係をそれぞれ示すものであ
る。
【0031】図3によれば、A及びBは、ともに印加電
圧が10Vを越えたところから、塗膜の体積抵抗率は急
に高くなった。BはITO粉体の配合量がAよりも多い
ため、Bの体積抵抗率はAのそれよりも低くなってい
た。一方、Cは、印加電圧を増すにつれて体積抵抗率が
低下する現象が見られた。また、Dでは、体積抵抗率は
一定であったが、107 Ωcmより低く5×106 Ωc
mであった。さらに、E〜Gは、いずれも印加電圧を増
すにつれて体積抵抗率が低下する現象が見られた。
【0032】次に、感光体ドラムとして、3万枚の耐久
試験を行った感光体ドラムの中から、ピンホールが1箇
所以上存在するものを検査して集めた。このような使用
済感光体ドラムは、感光層が磨耗して絶縁耐圧が低下し
ているため、ピンホールリークが生じ易いものである。
この使用済感光体ドラムと上記実施例4〜5の帯電ロー
ルを用いて、中速プリンターにて帯電させてプリント画
像を評価した。その結果、実施例4〜5の帯電ロールを
使用した場合には、感光体ドラムのピンホールに対応し
て0.2〜0.3mmの黒点は発生したが、黒線は発生
しなかった。従って、黒点が小さい間は、この帯電ロー
ルと感光体ドラムとを使用することが可能であった。こ
のことは、帯電ロールが感光体ドラムのピンホール箇所
に接触した場合、被覆層に加わる電圧が大きくなって
も、図3に見るように、抵抗が次第に増大するので、過
大な電流が流れることはなく、したがって、帯電ロール
の電圧が低下することはない。そのため、感光体ドラム
のピンホール以外の領域では、正常な帯電が行われ、確
かにピンホール箇所は電位がのらないために黒点となる
としても、それ以外のプリントの画質は正常なものであ
った。
【0033】
【発明の効果】本発明の帯電ロールは、発泡体層の表面
に備える被覆層の形成用塗布液に、水性エマルジョン系
樹脂材料を使用することにより、発泡体内部の空孔に樹
脂が浸み込んで発泡体を固くさせることがなく、かつ、
塗工欠陥の発生を防止する均一な被覆層が形成できる。
したがって、本発明の電子写真用帯電ロールを用いて感
光体ドラムを帯電し、画像を作製した場合には、優れた
画質の画像を得ることができる。さらに、その被覆層に
導電性材料として、酸化錫系の導電性粉体を分散させる
ことにより、被覆層の抵抗を下げて、より高速度のプリ
ンターに通用させることができ、かつ、その抵抗値は電
圧と共に上昇する特性を有しているので、感光体ドラム
にピンホールが存在する場合でも過大な電流が流れるこ
とがないため、画像に黒線のような重大な画質欠陥を生
じさせることがないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用帯電ロールの概略を示す
断面図である。
【図2】 リングカラー塗布法について説明するための
概略断面図である。
【図3】 被覆層材料について、体積抵抗率の電圧依存
性を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…芯材、2…発泡体層、3…空孔、4…被覆層、5…
エマルジョン溶液、6…ガスケット、7…支持体、8…
容器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の外周面に発泡体層と、該発泡体の
    表面に被覆層を備えた電子写真用帯電ロールにおいて、
    被覆層が水性エマルジョン系樹脂材料を用いて形成され
    たものであることを特徴とする電子写真用帯電ロール。
  2. 【請求項2】 水性エマルジョン系樹脂材料が、レベリ
    ング剤または界面活性剤を含有するものであることを特
    徴とする請求項1記載の電子写真用帯電ロール。
  3. 【請求項3】 被覆層が、酸化錫系の導電性粉体を分散
    させた水性エマルジョン系樹脂材料を用いて形成された
    ものであることを特徴とする請求項1または2記載の電
    子写真用帯電ロール。
  4. 【請求項4】 被覆層が、複数回塗布することにより形
    成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の電子写真用帯電ロール。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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