JPH0996314A - 焼結軸受およびその製造方法 - Google Patents
焼結軸受およびその製造方法Info
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Abstract
の軸受本体で回転軸の高い支持力が得られ、低コストで
容易に製造することができ、かつ位置ズレを生じ難くす
るとともに、高い強度を得ることを課題とする。 【解決手段】 焼結合金により円筒状に形成された軸受
本体と、該軸受本体が圧入状態で嵌着される軸受本体挿
入孔を有する一体構造のハウジングとを備え、前記軸受
本体挿入孔の長さ方向の途中位置に、周方向に沿う円環
状凹部が形成され、前記軸受本体は、外周部に前記円環
状凹部内に膨出した円環状突条部が形成されるととも
に、該円環状突条部の内側に相当する内周部に円環状に
凹んで前記回転軸と非接触状態とされる逃げ部が形成さ
れている技術が採用される。
Description
の製造方法に関するものである。
油を含浸させた筒状焼結体(以下、軸受本体という)を
用いた焼結含油軸受は、無給油で長時間使用することが
でき、高温での耐久性に優れ、低騒音であることから、
ボールベアリングに代わる回転軸の軸受として広く使用
されている。
の内部に形成されている気孔内に潤滑油を含浸させ該潤
滑油を保持することにより、軸受本体の内面に摺動状態
に貫通された回転軸との間に油膜を形成して、長期にわ
たり潤滑状態を維持することができるようになってい
る。
軸方向に離間した2カ所の摺動面により回転軸を支持す
るいわゆるツインベアリング方式の軸受が用いられてい
る。このツインベアリング方式の軸受は、特に、回転軸
を片持ち状態で支持する際の回転振れを防ぐ場合等に用
いられ、例えば、図2に示すような焼結含油軸受Aや特
開昭58−84222号公報に開示されている軸受本
体、すなわち長く形成された円筒状焼結体の軸受孔の中
央部に逃げ部が設けられているものを用いた焼結含油軸
受等が知られている。
に、ハウジング1に形成された軸受本体挿入孔1aの内
部に、円筒状の2つの軸受本体2,2が同一の軸線を有
して互いに軸方向に離間状態に配され、これら軸受本体
2,2に回転軸Rをそれぞれ貫通させて用いるものであ
る。この焼結含油軸受Aは、2つの軸受本体2,2の2
点で回転軸Rを支持することにより、回転軸Rの回転振
れ等を防止することができる。
の軸受本体挿入孔に、長い円筒状に形成された軸受本体
が一つだけ挿入して取り付けられ、該軸受本体の内面に
おいて、逃げ部によって2つに離間分割された摺動面で
回転軸を支持することにより、焼結含油軸受Aと同様
に、回転軸の回転振れ等を防止することができるととも
に、逃げ部を形成することにより、回転軸との接触面積
を少なくして摩擦抵抗を低減させている。
来の焼結含油軸受には、以下のような課題が残されてい
る。前者の焼結含油軸受Aは、回転軸Rの高い支持力を
得るために、軸受本体挿入孔1aに、少なくとも2つの
軸受本体2を設けなければならず、部品点数が増大する
とともに、高コストとなってしまう。また、軸受本体
2,2は、それぞれ短い円筒状に形成されているので、
該軸受本体2,2の外周面と軸受本体挿入孔1aの内面
との接触面積が少なく、軸方向に対して位置ズレが生じ
易い
本体で回転軸を支持することができるが、摩擦抵抗を低
減させるために逃げ部を形成しなければならない。該逃
げ部の形成方法として、例えば、円筒状に成形した後の
円筒状焼結体の内面に、機械加工による旋削を施して逃
げ部を形成する工程や前記公報に記載された製造方法に
よって逃げ部を形成する方法等がある。前者の形成方法
では、製造工程数が増大して、焼結含油軸受Aと同様
に、高コスト化を招いてしまうとともに、軸受本体の内
面に切粉が残存するおそれがあり、回転軸の回転に摩擦
等の悪影響を及ぼす場合がある。また、後者の形成方法
により製造した軸受本体をハウジング内に取り付ける場
合には、軸受本体の外径中央部が膨出しているので、こ
の部分を削ってハウジングに挿入するか、ハウジング自
体を2以上の分割構造として、軸受本体をはめ込む必要
がある。したがって、軸受本体の切削工程の追加、もし
くは、分割されたハウジングによる部品点数の増加およ
び軸受全体の強度の低下を招いてしまう。
ので、一つの軸受本体で回転軸の高い支持力が得られ、
低コストで容易に製造することができ、かつ位置ズレが
生じ難いとともに、高い強度を有する焼結軸受およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載の焼結軸受では、焼結合金により円筒状に形成さ
れた軸受本体と、該軸受本体が圧入状態で嵌着される軸
受本体挿入孔を有する一体構造のハウジングとを備え、
前記軸受本体挿入孔の長さ方向の途中位置に、周方向に
沿う円環状凹部が形成され、前記軸受本体は、外周部に
前記円環状凹部内に膨出した円環状突条部が形成される
とともに、該円環状突条部の内側に相当する内周部に円
環状に凹んで回転軸と非接触状態とされる逃げ部が形成
されている技術が採用される。この焼結軸受では、逃げ
部によって軸受本体の内面が2つに離間分割された摺動
面が形成され、これら摺動面によって回転軸が支持され
るとともに、回転軸との接触面積が少なくなり、摩擦抵
抗が低減する。また、軸受本体挿入孔の円環状凹部に軸
受本体の円環状突条部が嵌まっているので、軸方向への
位置ズレが生じ難い。さらに、一体構造のハウジングに
上記構造の軸受本体が内挿されているので、軸受全体の
強度が高くなる。
焼結合金により円筒状に形成された軸受本体をハウジン
グの軸受本体挿入孔に圧入して、焼結軸受を製造する方
法において、軸受本体挿入孔の長さ方向の途中位置に、
周方向に沿う円環状凹部を形成しておき、該軸受本体挿
入孔に圧入した軸受本体をその両端部から軸方向に押圧
して、軸受本体の外面に前記円環状凹部内に膨出した円
環状突条部を形成するとともに、該円環状突条部の内側
に円環状に凹んだ逃げ部を形成する技術が採用される。
この焼結軸受では、特別な加工を施していない単なる円
筒状の軸受本体を用いるので、軸受本体の加工にかかる
製造工程の増加がなく、軸受本体の圧入および逃げ部形
成が連続して行われ、組立と同時に逃げ部が形成され
る。
1を参照しながら説明する。この図にあって、符号11
は軸受本体、12はハウジング、13はプレス台部、1
4はコアロッド、15は上プレスを示している。
ように、多孔質状の焼結合金により成形され潤滑油を含
浸させた円筒状の焼結体であり、回転軸に外嵌状態に配
される円筒内面を有している。また、ハウジング12
は、一体構造であり、軸受本体11を圧入させる軸受本
体挿入孔12bを有し、該軸受本体挿入孔12bの長さ
方向の途中位置には、周方向に沿う円環状凹部12aが
形成されている。また、軸受本体挿入孔12bの開口径
は、軸受本体11を圧入させるために、軸受本体11の
外径より僅かに小さく設定されている。
1をハウジング12に組み込んで焼結含油軸受Bを製造
する方法について説明する。
示すように、プレス台部13の上部に形成された円筒状
の嵌合突部13aに、軸受本体挿入孔12bを嵌合状態
として載置する。さらに、嵌合突部13aおよび軸受本
体挿入孔12bにコアロッド14を挿入する。該コアロ
ッド14は、その外径が軸受本体11の内径と同じに設
定されている。この状態で、軸受本体挿入孔12bの内
径と同じ外径を有する円筒状の上プレス15によって軸
受本体11の上端を押圧して、該軸受本体11を軸受本
体挿入孔12bの上開口部から内部に圧入する。このと
き、軸受本体11は、その円筒内面をコアロッド14に
支持されながら、下端が嵌合突部13aに達するまで圧
入される。
に上プレス15によって軸受本体11を下方に一定の力
で押圧すると、軸受本体11の下端が嵌合突部13aで
止められているため、軸受本体11にはその軸方向に両
端部から圧縮力が加わる。このとき、軸受本体11に座
屈が生じようとするが、その内周面はコアロッド14に
当接状態に支持されているため、軸受本体11の外周部
に前記円環状凹部12a内に膨出した円環状突条部11
aが形成されるとともに、該円環状突条部11aの内側
に相当する内周部に円環状に凹んだ逃げ部11bが形成
され、焼結含油軸受Bが製作される。
法では、特別な加工を施していない単なる円筒状の軸受
本体11を用いるので、軸受本体11の加工にかかる製
造工程の増加がなく、また、軸受本体11の圧入および
逃げ部11bの形成が連続して行われるので、組立と同
時に逃げ部11bを形成することができる。さらに、嵌
合突部13aによって、圧入される軸受本体11が位置
決めされ、軸方向の位置調整工程が不要となる。
回転軸と非接触状態とされる逃げ部11bによって2つ
に離間分割された摺動面11c,11cが形成され、こ
れら摺動面11c,11cによって、挿入される回転軸
が支持されるとともに、回転軸との接触面積が少なくな
り、摩擦抵抗が低減する。また、軸受本体挿入孔12b
の円環状凹部12aに軸受本体11の円環状突条部11
aが嵌まっているので、軸方向への位置ズレが生じ難
い。さらに、一体構造のハウジング12に軸受本体11
が内挿されているので、焼結含油軸受B全体の強度が高
くなる。
円環状凹部12aの幅および凹み量によって変更・設定
することができる。すなわち、円環状凹部12aの幅お
よび凹み量を大きく設定するほど、形成される逃げ部1
1bの幅および凹み量も大きくなり、逃げ部11bの両
側に形成される摺動面11c,11cをより離間させる
ことができる。
て2つに分割形成された摺動面で回転軸を支持すること
により、該回転軸の回転振れ等が抑制できるとともに、
回転軸との接触面積が少なくなり、摩擦抵抗を低減させ
ることができる。そして、軸受本体挿入孔の円環状凹部
に軸受本体の円環状突条部が嵌まった状態とされるの
で、軸方向への位置ズレが生じ難く、長期間の使用にも
安定した支持力を得ることができる。また、一体構造と
されたハウジングに軸受本体を内挿するので、軸受全体
で高い強度が得られ、信頼性の向上を図ることができ
る。 (2)請求項2記載の焼結軸受の製造方法によれば、単
なる円筒状の軸受本体を用いるので、加工にかかる製造
工程の増加がなく、低コストで製造できるとともに、軸
受本体の圧入および逃げ部形成を連続して行い、組立と
同時に逃げ部を形成することにより、組立工程に要する
時間が短縮化され、組立コストを大幅に低減させること
ができる。
形態を説明するための断面図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 焼結合金により円筒状に形成された軸受
本体と、 該軸受本体が圧入状態で嵌着される軸受本体挿入孔を有
する一体構造のハウジングとを備え、 前記軸受本体挿入孔の長さ方向の途中位置に、周方向に
沿う円環状凹部が形成され、 前記軸受本体は、外周部に前記円環状凹部内に膨出した
円環状突条部が形成されるとともに、該円環状突条部の
内側に相当する内周部に円環状に凹んで回転軸と非接触
状態とされる逃げ部が形成されていることを特徴とする
焼結軸受。 - 【請求項2】 焼結合金により円筒状に形成された軸受
本体をハウジングの軸受本体挿入孔に圧入して、焼結軸
受を製造する方法において、 軸受本体挿入孔の長さ方向の途中位置に、周方向に沿う
円環状凹部を形成しておき、該軸受本体挿入孔に圧入し
た軸受本体をその両端部から軸方向に押圧して、軸受本
体の外面に前記円環状凹部内に膨出した円環状突条部を
形成するとともに、該円環状突条部の内側に円環状に凹
んだ逃げ部を形成することを特徴とする焼結軸受の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25419195A JP3649486B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 焼結軸受およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25419195A JP3649486B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 焼結軸受およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0996314A true JPH0996314A (ja) | 1997-04-08 |
JP3649486B2 JP3649486B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=17261514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25419195A Expired - Lifetime JP3649486B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 焼結軸受およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3649486B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100373937B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2003-02-26 | 삼성전기주식회사 | 소결 함유 베어링 제조장치 및 제조방법 |
CN101855033A (zh) * | 2007-07-20 | 2010-10-06 | 罗伯特·博世有限公司 | 用于电磁阀的形成高压密封连接的方法和装置及相应阀芯 |
US8220153B2 (en) | 2006-05-26 | 2012-07-17 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Production method for complex bearing |
US20130298711A1 (en) * | 2012-05-08 | 2013-11-14 | Vcst Industrial Products Bvba | Idler gear assembly |
CN113059418A (zh) * | 2021-03-17 | 2021-07-02 | 江门市奔力达电路有限公司 | 防卡板的磨板机传动机构及具有其的pcb板磨板机 |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP25419195A patent/JP3649486B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100373937B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2003-02-26 | 삼성전기주식회사 | 소결 함유 베어링 제조장치 및 제조방법 |
US8220153B2 (en) | 2006-05-26 | 2012-07-17 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Production method for complex bearing |
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CN113059418A (zh) * | 2021-03-17 | 2021-07-02 | 江门市奔力达电路有限公司 | 防卡板的磨板机传动机构及具有其的pcb板磨板机 |
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