JPH099573A - 全閉外扇形回転電機 - Google Patents

全閉外扇形回転電機

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JPH099573A
JPH099573A JP15302395A JP15302395A JPH099573A JP H099573 A JPH099573 A JP H099573A JP 15302395 A JP15302395 A JP 15302395A JP 15302395 A JP15302395 A JP 15302395A JP H099573 A JPH099573 A JP H099573A
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JP
Japan
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fan
outer fan
blade
electric machine
blades
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Application number
JP15302395A
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English (en)
Inventor
Haruo Yamanishi
晴男 山西
Akihiko Douzaka
明彦 銅坂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却流体の渦による騒音増大や、送風性能の
低下を招来することなく、外扇の翼枚数を低減して周波
数低下による騒音の低減を図ると共に、流体の渦を伴う
流れによる騒音の低減を併せて図る。 【構成】 全閉外扇形の誘導電動機本体は、主板23
と、この主板23に突設された円弧状の複数枚の翼24
と、側板25とからなる外扇21を備える。外扇21の
風量をQ0 、圧ヘッドをH0 、回転数をN0 、翼24の
内径をD1 、内径幅をb1 、外径をD2 、外径幅をb2
、翼枚数をZ、出口角をβ2 としたとき、N0 ・Q0
1/2/H0 3/4で定義される比速度を900〜11
00[ m/min3/4に設定し、D1 ・b1 =D2 ・
b2 、Q0 /(π・D2 ・b2 ・N0 )=0.25
〜0.32及びD1 /D2 が略0.8の関係を有すると
共に、翼24の出口角β2を30〜35°に設定し、翼
24の枚数ZをZ=β2 /3により求めた整数枚数に定
めて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低騒音化を図った全閉
外扇形回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の全閉外扇形回転電機、例えば全閉
外扇形電動機を図14及び図15に示す。図14におい
て、電動機本体1は固定子枠2及び軸受ブラケット3,
3から構成されている。固定子枠2の内周面には固定子
鉄心4が固着され、その固定子鉄心4には固定子巻線5
が巻装されている。軸受ブラケット3,3には、軸受
6,6を介して回転子7の回転軸8が支承されている。
固定子枠2の外面には回転軸7に沿った方向に冷却フィ
ン9が形成されており、これら冷却フィン9間に通風路
10が形成される。
【0003】上記回転軸8の反負荷側端部である図示左
端部は軸受ブラケット3から突出するように設けられて
おり、その左端部には、ターボファンからなる外扇11
が固定され、回転軸8と一体に回転するようになってい
る。そして、左側の軸受ブラケット3には外扇カバー1
2が外扇11を覆うように取付けられている。この場
合、外扇11が回転されると、その送風作用により、外
扇カバー12に形成された吸気口12aから吸引された
外気を前記冷却フィン9間の通風路10に送風すること
により、電動機本体1が冷却されるようになっている。
【0004】図15にも示すように、外扇11は回転軸
8の左端部に取り付けられる主板11aと、この主板1
1aの左側面に突設された複数枚の翼11bと、これら
複数枚の翼11bの左端面に設けられた側板11cとか
ら構成されている。ここで、各翼11bは、回転軸8側
から周縁部側に向かって回転軸8の回転方向(矢印Aで
示す)と反対方向側に一定の角度で傾斜した平板材から
形成されており、翼枚数は16枚乃至18枚、この場合
16枚に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記電動機において
は、構造上、外扇11で発生する騒音はそのまま外部に
放出されるため、この騒音が電動機で発生する騒音の原
因の多くを占めている。外扇11で発生する騒音は、大
きく分けて2種類あり、一方は、翼11bの回転により
発生するものであり、他方は、流体(この場合、空気)
の渦などを伴う流れにより発生するものである。このう
ち、翼11bの回転により発生する騒音の周波数は、翼
枚数と回転数の積から求まり、一般的な回転数である3
0rps 及び60rps での騒音の周波数は480 〜540 Hz及
び960 〜1080Hzの範囲となる。
【0006】ところで、人の耳には、周波数が1000Hz以
下であれば、同じエネルギーの音でも周波数が低いほど
小さく聞こえることは良く知られている。この観点か
ら、従来より、翼枚数を減らすことにより騒音を低減す
る試みが行われている。
【0007】しかし、翼枚数を減らすと、外扇の風量が
低下して冷却性能が低下するおそれがあり、しかも、流
体(この場合、空気)の渦が発生して、低騒音化の効果
は少なくなる。
【0008】これに対して、実開昭56−7464号公
報に示される冷却ファンのように、複数枚の翼を各翼の
間隔が不均等になるよう配置することにより、翼枚数を
削減することなく翼の回転により発生する周波数を低下
させたものが提案されている。この場合、低周波数化に
よる騒音の低減は期待できるが、流体の渦を伴う流れに
より発生する騒音については何ら改善がされず、また、
外扇の風量が低下して冷却性能が悪くなるおそれがあっ
た。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、送風性能の低下を招来することなく、
外扇の翼枚数を低減して周波数低下による騒音の低減を
図ると共に、流体の渦を伴う流れによる騒音の低減を併
せて図ることができる全閉外扇形回転電機を提供するに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の全閉外扇形回転
電機は、回転軸に取付けられた主板と、この主板に突設
された複数枚の翼と、これら複数枚の翼の前記主板側と
反対側の端面に設けられた側板とから構成される外扇を
備えると共に、この外扇を覆う外扇カバーを備え、前記
外扇は、翼が入口から出口に向かって回転軸の回転方向
と反対方向側に傾斜し、且つ回転方向側に凸となるよう
に湾曲するターボファンから成り、吐出風量をQ0 [m
/min]、吐出圧力ヘッドをH0[m]、回転数をN0 [rpm]
、前記翼の内径をD1 [m] 、内径幅をb1 [m] 、外径
をD2 [m] 、外径幅をb2 [m] としたとき、N0 ・Q0
1/2/H0 3/4で定義される比速度を900〜11
00[ m/min3/4に設定し、D1 ・b1 =D2 ・
b2 、Q0 /(π・D2 ・b2 ・N0 )=0.25
〜0.32及びD1 /D2 がほぼ0.8の関係を有する
と共に、翼の出口角β2 を30〜35°に設定し、翼の
枚数ZをZ=β2 /3により求めた整数枚数に定めて構
成したところに特徴を有する(請求項1)。
【0011】この場合、翼は、入口側から出口側に向か
って厚さが薄くなる断面流線形に形成されていると良い
(請求項2)。また、外扇は、翼が入口から出口に向か
って厚さが薄くなる断面流線形をなしているときには、
主板のうち翼が設けられている部分であって出口側に対
応位置して湯口部が設けられた鋳型を用いて鋳造により
一体形成されていることが望ましい(請求項3)。そし
て、外扇は、翼の両側面のうち回転軸の回転方向側の側
面の出口付近に駄肉部を有して鋳造により形成し、この
駄肉部を削り取ることにより形成すると良い(請求項
4)。
【0012】また、外扇カバーの吸入口には側板の内側
に向かって漸次径小となるテーパ状の案内部材が取り付
けられ、この案内部材の先端部は、外扇の側板の内周部
内側に挿入配置されて当該側板の内周面と軸方向に略1
0mmの重なり量で径方向に略5mmの小間隙をもって
対向するよう構成されていることが望ましい(請求項
5)。
【0013】
【作用】本発明の全閉外扇形回転電機において、請求項
1に記載された構成の外扇は、図5において実線Aで示
すような圧力ヘッド(水頭)−流量特性(以下、Q−H
特性と称する)を有しており、破線Bで示す従来構成の
外扇に比べて低圧力高風量特性となることが分かった。
そして、固定子枠の外周部に軸方向に伸びる複数の冷却
フィンを有するタイプの全閉外扇形回転電機では、冷却
風の通風抵抗は圧力ヘッドで数[mm]と比較的小さ
い。例えば通常の全閉外扇形電動機の通風抵抗−流量特
性(R−Q曲線)を図5に二点鎖線Cで示すが、これに
よれば本発明の外扇は、従来構成の外扇に比べて高風量
領域で動作するようになり(図5に、動作点a,bにて
示す)、冷却性能が高くなる。
【0014】また、本発明の外扇は、翼枚数Z=β2 /
3であり、一方、出口角β2 は30〜35°であること
から、翼枚数は10枚ないし12枚となり、従来の外扇
の翼枚数に比して翼枚数が削減されるので、周波数低下
による騒音の低減効果を得ることができる。しかも、上
記したように、本発明の外扇の特性が、従来の外扇に比
べ低圧力高風量特性となること、流体の流れが改善され
ること等により、流体の渦等を伴う騒音も低減できる。
【0015】請求項2記載の全閉外扇形回転電機の場
合、翼が入口側から出口側に向かって厚さが薄くなる断
面流線形に形成されているので、主板と側板の間であっ
て、翼に仕切られた空間に空気が流れ込む際、入口側は
丸みを帯びた滑らかな形状であるため入口損失が小さく
なる。また、出口側に向かって厚さが徐々に薄くなって
いることにより出口損失も小さくなるので、一層、送風
量が多くなり、冷却性能が高くなる。また、翼を流線形
にすることにより、翼表面を流れる流体の渦の発生も低
減できるので、さらに騒音低下を図ることができる。
【0016】請求項3記載の全閉外扇形回転電機の場
合、外扇を鋳造により製作する際に用いる鋳型の湯口部
が、断面流線形をなす翼の厚さが薄い部分に対応して設
けられているので、厚さが薄いために溶融金属が行き渡
りにくい部分にも均等に溶融金属を流し込むことができ
る。
【0017】請求項4記載の全閉外扇形回転電機の場
合、鋳造時に、翼に厚さの薄い部分がないため、溶融金
属が均等に鋳型に流し込まれる。そして、鋳造後に、駄
肉部を削り取ることにより、翼を、入口側から出口側に
向かって厚さが薄くなる形状例えば断面流線形に形成す
ることができる。しかも、その厚さを非常に薄くするこ
とができるので外扇の出口側から送風される空気の圧力
損失をより一層低減できると共に渦の発生も低減でき、
効率良く低騒音化及び冷却性能の向上を図ることができ
る。
【0018】請求項5記載の全閉外扇形回転電機の場
合、外扇の回転に伴い外扇カバーの吸気口から吸気され
た空気は、案内部材により外扇側に案内される。このと
き、案内部材の先端部は外扇の側板の内周部内側に挿入
配置されているので、空気は側板と主板との間に確実に
案内され、しかも、案内部材の先端部と側板との径方向
の間隙は軸方向に略10mmの長さをもった極めて狭い
ものであるために、この間隙を通じて外扇カバー内の空
気を吸引してしまうことがなく、送風量を増大させるこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を全閉外扇形の誘導電動機に適
用した場合の第1実施例について、図1ないし図6を参
照しながら説明する。なお、従来構成と同一部分には、
同一符号を付している。
【0020】全体構成を示す図2において、電動機本体
1は固定子枠2及び軸受ブラケット3,3から構成され
ている。固定子枠2の内周面には固定子鉄心4が固着さ
れ、その固定子鉄心4には固定子巻線5が巻装されてい
る。軸受ブラケット3,3には、軸受6,6を介して回
転子7の回転軸8が支承されている。固定子枠2の外周
面には回転軸7に沿った方向に冷却フィン9が形成され
ており、これら冷却フィン9間に通風路10が形成され
る。
【0021】上記回転軸8の反負荷側端部である図示左
端部は軸受ブラケット3から突出するように設けられて
おり、その左端部には、ターボファンからなる外扇21
が固定され、回転軸8と一体に回転するようになってい
る。そして、左側の軸受ブラケット3には外扇カバー2
2が外扇21を覆うように例えばねじ止めされて取付け
られている。
【0022】上記外扇21は、図1および図2に示すよ
うに、回転軸8の左端部に嵌合して取り付けられるボス
部23aを有した主板23と、この主板23に、回転軸
8の回転方向(矢印Aで示す)に対して後方に傾斜する
と共に、回転方向側に凸となるように湾曲し且つ等間隔
に突設された複数枚の翼24と、これら複数枚の翼24
の左端面に設けられた環状の側板25とから構成されて
いる。
【0023】また、外扇カバー22には、左端面に外扇
21と対向して多数の貫通孔からなる吸気口22aが形
成され、この吸気口22aの周縁部から側板25の内側
に向かって漸次径小となるテーパ状の案内部材26が溶
接等により取り付けられている。この構成の場合、回転
子7が回転駆動されて外扇21が回転されると、その送
風作用により、外扇カバー22の吸気口22aから吸引
された外気は、案内部材26により外扇21の入口側に
案内され、通風路10へ送風することにより電動機本体
1を冷却する構成となっている。
【0024】さて、上記外扇21の各諸元は次の通り設
定されている。まず、外扇21を設計する上で、その性
能を決定しなければならない。一般に、送風機の性能を
表すには、比速度Nsが用いられる。比速度Nsとは、
外扇21の吐出風量をQ0 [m/min]、吐出圧力
ヘッド(水頭)をH0 [m]、回転数をN0 [rpm]
としたとき、次の式(1)で定義される。 Ns=N0 ・Q0 1/2/H0 3/4[m/min3/4……(1)
【0025】比速度Nsは、外扇21が大きさに関係な
く幾何学的に相似であれば、回転数が変わっても同一の
値をとる。このため、外扇21を比例設計すれば、比速
度は同一になるし、回転数を変えても同じ比速度を得る
ことができる。
【0026】一方、外扇21の通風路は圧力損失が非常
に小さく、電動機の冷却のためには高風量のものが望ま
しいので、外扇21としては、低圧力高風量タイプとす
ることが好ましい。本実施例で対象とする外扇は、外径
280〜610mmで、比例設計により各種の大きさの
ものを設計製作する。代表例として、外径400mmの
外扇21を使用する電動機を例にとると、風量50[m
/min]、圧力ヘッド30[m]、回転数1800
rpmで良好なる冷却性能が得られることが経験上分か
っており、この場合の外扇21の比速度Nsは、上記
(1)式から約992.9となる。ところが、ボス部2
3aの径寸法は外扇21の外径が2倍になっても、これ
に伴って2倍にする必要はないので完全に比例設計する
ことは不可能である。このため、比速度Nsは、多少ず
れることを考慮する必要があり、このずれを見込んで外
扇21の比速度Nsを900〜1100[m/mi
3/4に設定する。
【0027】そして、図3に示すように、翼24の内径
(入口の径)をD1 [m]、外径(出口の径)をD2
[m]、内径幅をb1 [m]、外径幅をb2 [m]とし
たとき、外扇21の入口から吸入する空気量と出口から
吐出する空気量とは同一で、その入口の面積と出口の面
積とは等しくする必要があることから、D1 ・b1 =D
2 ・b2 として、Q0 /(π・D2 ・b2 ・N0 )
=0.25〜0.32及びD1 /D2 が略0.8の関係
を有するようにD1 、D2 、b1 、b2 の関係を設定す
る。
【0028】また、図4に示すように、翼24の入口角
をβ1 、出口角をβ2 としたとき、翼の枚数ZをZ=β
2 /3の関係式から求めるようにする。そして、β2 を
30〜35°に設定する。
【0029】上記した関係式は、外扇の各諸元と送風性
能及び騒音との関係を表す種々の理論式や実験等から導
き出されたものであり、特に外扇の回転に伴う騒音の低
下に主眼をおいて実験を行った結果、得られたものであ
る。
【0030】即ち、D1 /D2 、b1 、b2 、β1 、β
2 は、複雑に絡み合ってQ−H特性に影響を与える。こ
れらに関しては理論式が整備されている。そして、実験
に基づいた特性線図のうち、上記した式Z=β2 /3に
基づいた特性線図から、電動機に要求される低圧力高流
量特性にあった主要の諸元に的を絞り、理論式から各諸
元を求めることにし、D1 /D2 を略0.8にした結
果、狙った特性が得られ、また、この過程において、β
2 =30〜35°が得られた。尚、翼枚数Zについては
理論的に求めることは不可能で、実験に基づいた算出式
が数種類、提案されており、前記した、翼の回転による
騒音の減少、即ち翼枚数の減少という本発明の目的を考
慮して式Z=β2 /3を採用したものである。
【0031】そして、入口角β1 については、翼24が
直線翼ではなく、回転方向側に凸となる円弧翼であるか
ら、出口角β2 にそれ程制約を受けることなく、ある程
度任意に設定できる。ただ、入口角β1 は、Q−H特性
に影響を与えるから、最適な値が存在する。この意味か
ら、本実施例では、翼24の入口角β1 を20〜25°
に設定している。
【0032】尚、図4に示す翼24の曲率半径ρ[m]
及び角度Φ,θは、それぞれ下記(2)式及び(3)式
並びに(4)式により求められる。 Φ=tan −1{D1 ・sin(β1 +β2)}/{D2 −D1 ・cos(β1 +β2)} ………(2) θ=2・{90−(Φ+β2 )} ………(3) ρ=(D2 −D1 )/{4・(D2 ・cos β2 −D1 ・cos β1 )} ………(4) ここで、翼弧長L[m]は、次の(5)式により求めら
れる。 L=(π/180)・ρ・θ ………(5)
【0033】さて、以上のようにして得られた各諸元に
基づき製作された本実施例の外扇21のQ−H特性線図
を、図5において実線Aにて示す。本実施例の外扇21
の諸元は、具体的には表1に示す通りで、このとき、翼
24の入口角β1 は21°、出口角β2 は30°となっ
ている。
【0034】
【表1】
【0035】また、従来構成の外扇11(図12及び図
13参照)のQ−H特性線図を、図5において破線Bに
て示し、各諸元の値を表1に示す。また、本実施例及び
従来例のように、固定子枠の外周面に軸方向に伸びる複
数の冷却フィンを突設するタイプの全閉外扇形電動機で
は冷却風の通風抵抗が比較的小さく、その通風抵抗−流
量特性(以下、R−Q曲線と称する)を図5において二
点鎖線Cにて示す。
【0036】図5に示された各Q−H特性を比較する
と、本実施例の外扇21は、従来構成の外扇11に比べ
て低圧力高風量特性となることがわかる。そして、各Q
−H特性線図とR−Q曲線との交点が、各外扇11,2
1の動作点となる。すなわち、本実施例の動作点は、点
aとなり、従来構成の外扇11の動作点bより高風量側
に位置していることが分かる。そして、図6において、
本実施例の外扇21の動作時の音圧レベルを実線Eにて
示し、従来構成の外扇11の動作時の音圧レベルを点線
Fにて示す。
【0037】これら図5及び図6から、本実施例の外扇
21は従来構成の外扇11に比べて低圧力高風量特性を
示し、且ついずれの周波数においても音圧レベルが低
く、低騒音型であることがわかり、この音圧レベルの低
下は、流体の渦の発生の減少によるものと考えられる。
そして、このことは図5に実線Cで示す本実施例の外扇
21の効率−流量特性(以下、η−Q特性と称する)
が、高効率となることからも明らかである(尚、従来構
成の外扇11のη−Q特性を点線Dで示す)。
【0038】このように本実施例では、外扇21の翼枚
数を低減することにより外扇21の回転に伴う騒音を低
減することができる。しかも、外扇21の翼24の形状
を上記構成にすることにより、外扇21の特性が低圧力
高流量特性となることから、送風量が増加して冷却性能
が向上し、また、この低圧力高流量特性であること、送
風空気の流れが改善されること等により、流体の渦等を
伴う騒音も低減できると考えられ、その結果、外扇21
全体として発生する騒音を低減することができる。
【0039】図7は、本発明の第2実施例を示すもので
あり、第1実施例とは次の点が異なっている。即ち、外
扇31に突設された翼32を、入口側から出口側に向か
って厚さが薄くなる流線形、例えばNACA翼型で形成
した。この場合、その形状は矢印Aで示す回転方向側の
膨らみが反回転方向側の膨らみより曲率半径が小さくな
るように形成されている。
【0040】従って、本実施例によれば、外扇31の回
転により吸気口22aから吸気された空気が外扇31内
に流れ込む際に、翼32の入口側の形状が丸みを帯びて
いるため入口損失が小さくなり、また、翼32の厚さが
入口側から出口側に向かって徐々に薄くなっているため
出口損失も小さくなる。しかも、翼32が流線形をなし
ているため、送風空気が翼32の両側面の表面を流れる
際に大きな圧力損失を生じることなく円滑に通風路10
へ向かい、特に、回転方向側表面を流れる空気は流速を
増して通風路10へ向かうようになるので、送風量が増
し電動機本体1の冷却性能がさらに向上すると共に、一
層、低騒音化を図ることができる。
【0041】図8は、本発明の第3実施例を示すもの
で、前記した第1実施例と異なる点は、外扇41が溶融
金属例えばアルミニウム合金を鋳型に流し込み、冷やし
て凝固させる鋳造によって一体に形成されていることで
ある。そのため、鋼板等で形成した場合と異なり、翼4
2と主板43との境界部分や、側板44の形状或いはボ
ス部43aの角部等、外扇41の各部を滑らかな曲線に
成形できるので、吸気口22aから送られてきた空気が
外扇41の主板43と側板44との間を通過する際の圧
力損失を低減することができると共に、低騒音化を図る
ことができる。
【0042】図9は、本発明の第4実施例を示すもの
で、前記した第2実施例と異なる点は、外扇51が、第
3実施例と同様、溶融金属例えばアルミニウム合金を鋳
型に流し込み、冷やして凝固させる鋳造によって一体に
形成されていることである。そして、その鋳型は、主板
52の内側面のうち翼53が設けられている部分であっ
て出口側に対応位置した部分に湯口部54が設けられて
おり、この湯口部54から溶融金属を流し込むようにな
っている。
【0043】このように外扇51を鋳造により製作する
ことにより、NACA翼形状をなす翼53を、その規定
された寸法に合わせて製作することができ、しかも、湯
口部54が翼53の出口側部分に対応位置して設けらて
いるため、翼53のうち厚さが薄いために溶融金属が行
き渡りにくい出口側の部分にも均等に溶融金属を流し込
むことができ、湯回り不良を防止できる。
【0044】図10は、本発明の第5実施例を示すもの
で、前記した第4実施例と異なる点は、溶融金属を鋳型
に流し込み、冷やして凝固させることより得られた外扇
61の翼62には、該翼62の側面のうち回転方向側の
側面の出口側に駄肉部63が設けられていることであ
る。そして、鋳造後に、前記駄肉部63を削り取ること
により、翼62の厚さが入り口側から出口側に向かって
薄くなる流線形の翼形状、この場合NACA翼型に形成
される。
【0045】従って、鋳造時に翼62に厚さの薄い部分
がないため、湯回り不良を起こすことがない。そして、
鋳造後に駄肉部63を削り取ることによって、出口側の
翼62の厚さを薄くするが、この駄肉部63が翼62の
回転軸8の回転方向側の側面に設けられていることから
加工し易く、より一層、翼62の厚さを薄く、先端を尖
ったものに形成することができるので、翼62の出口側
部分における流体の渦の発生を抑えることができる。従
って、外扇61における騒音を低減でき、また、出口損
失も抑えられるので、送風量が増して冷却性能が向上す
る。
【0046】図11は、本発明の第6実施例を示してお
り、第1実施例と異なる部分は、外扇カバー22に取り
付けられた案内部材71の先端部が、外扇21の側板2
5の内周部内側に挿入配置されて当該側板25の内周面
と軸方向に略10mmの重なり量で径方向に5mm以下
の極めて狭い小間隙δをもって対向するようにしたこと
である。
【0047】従って、本実施例によれば、外扇21の回
転に伴い、外扇カバー22の吸入口22aから吸気され
た空気は、案内部材71により外扇21の側板25と主
板23との間に確実に案内され、しかも、案内部材71
の先端部と側板25とは軸方向に10mm重なって、径
方向の間隙を極めて狭いものとするために、この間隙を
通じて外扇カバー22内の空気を吸引してしまうことが
なく、送風量を増大させることができる。その結果、外
扇21によって通風路10に送風される空気量が増すの
で、電動機本体1の冷却性能がより一層向上し、しか
も、案内部材71と外扇21との間隙を通る空気量を抑
えることができるので、より一層、低騒音化を図ること
ができる。
【0048】ところで、案内部材71と外扇21との径
方向のすきまと、案内部材71と側板25との軸方向の
重なり量とがQ−H特性に及ぼす影響について評価した
結果を、それぞれ図12、図13に示す。
【0049】図12は、案内部材71と側板25との軸
方向の重なり量を10[mm]に設定して、案内部材7
1と外扇21との径方向のすきまを3,5,7,10,
15[mm]に変化させた場合の外扇21のQ−H特性
を示す。同図より、すきまが大きくなるほどQ−H特性
が低下し、特に、すきまを3[mm]から5[mm]に
変化させたときの低下量に比して、すきまを5[mm]
から7[mm]に変化させたときの低下量が大きくなっ
ていることから、案内部材71と外扇21との径方向の
すきまは5[mm]以下が望ましいことがわかる。ただ
し、余りにもすきまが狭いと、組立調整に長時間を要す
ると共に加工精度も高くなるので、いずれも価格高とな
り、実用では経済性を考慮して5[mm]程度を採用し
ている。
【0050】一方、図13は、案内部材71と外扇21
との径方向のすきまを5[mm]に設定して、案内部材
71と側板25との軸方向の重なり量を5,10,15
[mm]に変化させた場合の外扇21のQ−H特性を示
す。同図より、重なり量が5[mm]から10[mm]
に変化させることによって外扇21のQ−H特性は大幅
に向上するが、10[mm]と15[mm]との間では
余り差がないことが分かる。このことから、案内部材7
1と外扇21との径方向のすきまが5[mm]のときに
は、案内部材71と側板25との軸方向の重なり量は1
0[mm]以上に設定することが望ましい。但し、案内
部材71を、外扇21内の通風路の一部を塞ぐほど延長
させると逆にQ−H特性の悪化を招くので、通風路の一
部を塞がない範囲で10[mm]以上にすることが必要
である。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の全閉外扇形回転電機によれば、以下の効果を奏する。
請求項1のものによれば、従来の外扇に比べて低圧力高
風量特性となることから冷却風の流量が増して冷却性能
が高まり、また、翼枚数が低減されるので、周波数低下
による騒音の低減効果を得ることができる。しかも、外
扇の特性が低圧力高風量特性となること、流体の流れが
改善されること等により、流体の渦等を伴う騒音も低減
できるので、外扇全体において発生する騒音を低減でき
るという優れた効果を奏する。
【0052】請求項2記載のものによれば、空気が外扇
内に流れ込む際の入口損失が低減されると共に、外扇か
ら流出する際の出口損失が低減される。しかも、翼が断
面流線形をなしているため、空気が翼表面を流れる際に
大きい圧力損失を生じることがないので、送風量が増し
て一層、冷却性能が高められると共に、騒音低下を図る
ことができる。
【0053】請求項3記載のものによれば、外扇を鋳造
により製作する際に、厚さが薄いために溶融金属が行き
渡りにくい部分にも均等に溶融金属を流し込むことがで
きるので、湯回り不良を防止できる。
【0054】請求項4記載のものによれば、鋳造時に翼
に厚さの薄い部分がないため、湯回り不良を起こすこと
がない。そして、鋳造後に駄肉部を削り取ることによっ
て、出口側の翼の厚さを薄くするが、この駄肉部が翼の
回転軸の回転方向側の側面に設けられていることから加
工し易く、より一層、翼の厚さを薄く、先端の尖ったも
のに形成することができるので、翼の出口側部分に置け
る流体の渦の発生を抑えることができる。従って、外扇
における騒音を低減でき、また、出口損失も抑えられる
ので、送風量が増して冷却性能が向上する。
【0055】請求項5記載のものによれば、案内部材の
先端部は外扇の側板の内周部内側に挿入配置されている
ので、外扇の回転に伴い外扇カバーの吸入口から吸気さ
れた空気は、側板と主板との間に確実に案内される。し
かも、案内部材の先端部と外扇の側板との径方向の間隙
は軸方向にある長さをもった極めて狭いものであるため
に、この間隙を通じて外扇カバー内の空気を吸引してし
まうことがなく、送風量を増大させることができるの
で、冷却性能がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す外扇の正面図
【図2】上半部を縦断して示す全閉外扇形誘導電動機の
側面図
【図3】外扇の部分縦断側面図
【図4】外扇の翼寸法を説明するための概略的部分正面
【図5】圧力ヘッド−流量特性を示すグラフ
【図6】騒音の音圧レベルを示すグラフ
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】本発明の第3実施例を示す図3相当図
【図9】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図10】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図11】本発明の第6実施例を示す外扇と外扇カバー
の部分縦断側面図
【図12】案内部材と外扇との径方向のすきまとQ−H
特性との関係を示す図
【図13】案内部材と側板との軸方向の重なり寸法とQ
−H特性との関係を示す図
【図14】従来例を示す図2相当図
【図15】図1相当図
【符号の説明】
1は全閉外扇形誘導電動機本体(全閉外扇形回転電機本
体)、8は回転軸、11,21,31,41,51,6
1は外扇、11a,23,43,52は主板、11b,
24,32,42,53,62は翼、11c,25,4
4は側板、12,22は外扇カバー、13,26,71
は案内部材、54は湯口部、63は駄肉部を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に取付けられた主板と、この主板
    に突設された複数枚の翼と、これら複数枚の翼の前記主
    板側と反対側の端面に設けられた側板とから構成される
    外扇を備えると共に、この外扇を覆う外扇カバーを備え
    てなる全閉外扇形回転電機において、 前記外扇は、翼が入口から出口に向かって回転軸の回転
    方向と反対方向側に傾斜し、且つ回転方向側に凸となる
    ように湾曲するターボファンから成り、 吐出風量をQ0 [m/min]、吐出圧力ヘッドをH
    0 [m]、回転数をN0 [rpm]、前記翼の内径をD
    1 [m]、内径幅をb1 [m]、外径をD2[m]、外
    径幅をb2 [m]としたとき、 N0 ・Q0 1/2/H0 3/4で定義される比速度を9
    00〜1100[m/min3/4に設定し、 D1 ・b1 =D2 ・b2 、 Q0 /(π・D2 ・b2 ・N0 )=0.25〜0.
    32及びD1 /D2 がほぼ0.8の関係を有すると共
    に、 翼の出口角β2 を30〜35°に設定し、 翼の枚数ZをZ=β2 /3により求めた整数枚数に定め
    て構成したことを特徴とする全閉外扇形回転電機。
  2. 【請求項2】 翼は、入口側から出口側に向かって厚さ
    が薄くなる断面流線形に形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の全閉外扇形回転電機。
  3. 【請求項3】 外扇は、翼が入口から出口に向かって厚
    さが薄くなる断面流線形をなし、主板のうち翼が設けら
    れている部分であって出口側に対応位置して湯口部が設
    けられた鋳型を用いて鋳造により一体形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の全閉外扇形回転電機。
  4. 【請求項4】 外扇は、翼の両側面のうち回転方向側の
    側面の出口付近に駄肉部を有して鋳造により形成され、
    この駄肉部を削り取ることにより形成されていることを
    特徴とする請求項3または4記載の全閉外扇形回転電
    機。
  5. 【請求項5】 外扇カバーの吸入口には、外扇の側板に
    向かって漸次径小となるテーパ状の案内部材が取り付け
    られ、この案内部材の先端部は、外扇の側板の内周部内
    側に挿入配置されて当該側板の内周面と軸方向に略10
    mmの重なり量で径方向に5mm以下の小間隙をもって
    対向することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の全閉外扇形回転電機。
JP15302395A 1995-06-20 1995-06-20 全閉外扇形回転電機 Pending JPH099573A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005091471A1 (ja) * 2004-03-24 2005-09-29 Daikin Industries, Ltd. モータの冷却装置
WO2005091470A1 (ja) * 2004-03-24 2005-09-29 Daikin Industries, Ltd. モータの冷却装置

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