JPH0995492A - 含フッ素有機ケイ素化合物およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素有機ケイ素化合物およびその製造方法

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JPH0995492A
JPH0995492A JP25523195A JP25523195A JPH0995492A JP H0995492 A JPH0995492 A JP H0995492A JP 25523195 A JP25523195 A JP 25523195A JP 25523195 A JP25523195 A JP 25523195A JP H0995492 A JPH0995492 A JP H0995492A
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organosilicon compound
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Masami Kodera
真美 小寺
Yutaka Furukawa
豊 古川
Seisaku Kumai
清作 熊井
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】界面活性剤として有用な含フッ素有機ケイ素化
合物を製造する。 【解決手段】テトラメチルジシロキサン等の有機ケイ素
化合物とアリル化ポリフルオロアルカンおよびアリル化
ポリエーテルを、触媒の存在下でヒドロシリル化を行う
ことにより、下記の含フッ素有機ケイ素化合物を合成す
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含フッ素有機ケイ素
化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】疎水性の含フッ素有機基と親水性部分を
有する化合物とを反応させて界面活性剤を得る方法およ
び界面活性剤としては、従来より以下のものが知られて
いる。 (1)電解フッ素化により得られるパーフルオロアルキ
ルスルホニルフルオライド(C817SO3 F)および
パーフルオロアルキルカルボニルフルオライド(C7
15COF)などを原料とし、これらにアミド結合やエス
テル結合を介してポリエーテル基を結合させる方法。 (2)パーフルオロアルキル基を有するカルボン酸のエ
ステル(C715COOR)。 (3)ヘキサフルオロプロペン(HFP)の2〜4量体
とポリエーテルの末端基とを塩基の存在下で反応させる
方法(特公昭59−1319号公報参照)。
【0003】(4)含フッ素有機基を有するエポキシド
と末端に水酸基を有するポリエーテルとを反応させる方
法(特開昭61−133244号公報参照)。 (5)シロキサン化合物にポリエーテル基を介しパーフ
ルオロアルキル基を付加した構造の化合物(特公平7−
8875号公報参照)。 (6)低刺激性界面活性剤としてパーフルオロアルキル
基を有するシロキサンポリマーの末端あるいは側鎖にポ
リエーテル基を付加させる方法(特開平6−24614
4公報参照)。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)の方法では、界面活性剤として有用な炭素数6以
上のパーフルオロアルキル誘導体の収率が低いという問
題がある。 (2)の化合物は、加水分解されやすく不安定であると
いう問題がある。 (3)の方法では、HFPオリゴマーの数種の異性体の
混在で、反応効率が低いという問題がある。 (4)の方法では、出発原料が高価であることに加え
て、エポキシドのエポキシ環が不安定であり、反応効率
の点からいっても不利である。 (5)の化合物では、原料である含フッ素有機ケイ素化
合物を合成するには、特にRf 基が特許記載のパーフル
オロアルキル基(Rf CH2 CH2 −)の場合におい
て、ジメチルクロロシラン等のクロロシラン化合物に付
加させてから金属水素化物等により塩素の還元を行うた
め、繁雑で、しかも低効率であるという問題がある。
【0005】(6)の方法では、パーフルオロアルキル
含有三量体およびハイドロジェンシロキサンの環状四量
体を開環重合させた後、あるいは縮合重合によりパーフ
ルオロアルキル基含有ハイドロジェンポリシロキサンを
得た後、ポリエーテル鎖を付加するという方法を用いた
り、またハイドロジェンポリシロキサンに触媒存在下、
817CH=CH2 およびポリエーテル鎖を付加させ
ているが、開環重合法による方法では原料である含フッ
素三量体が高価であるし、縮合重合法では操作が煩雑で
ある。またC817CH=CH2 のH−Siオイルへの
ヒドロシリル化はほとんど進行せず、目的の構造の物の
収率が低いという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点を解決すべくなされた
ものであり、特定の含フッ素ケイ素化合物、アリル化ポ
リフルオロアルカンおよびアリル化ポリエーテルを触媒
の存在下で反応させることにより、界面活性剤としての
性能を有する新規な含フッ素有機ケイ素化合物を製造で
きることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、下記一般式(1)で
表わされる含フッ素有機ケイ素化合物を提供する。
【0008】
【化5】
【0009】(ただし式(1)において、R1 、R2
およびR3 はそれぞれ同一であっても異なってもよく、
炭素数1以上のアルキル基またはアリール基である。
【0010】nは1以上の整数、mは1、2、または3
である。
【0011】XはRf (CH23 −、または、R−Q
k −O−(CH23 −であり、Xの少なくとも1つは
f (CH23 −であり、かつ、Xの少なくとも1つ
はR−Qk −O−(CH23 −である。
【0012】ここで、Rf は炭素数1〜20のポリフル
オロアルキル基であり、Qは炭素数2〜4のオキシアル
キレン単位から選ばれる1種以上のオキシアルキレン単
位が2個以上連なった2価の連結基であり、kは0また
は1であり、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、またはアリール基である。)
【0013】また本発明は、一般式(2)で表されるア
リル化ポリフルオロアルカンおよび一般式(3)で表さ
れるアリル化ポリエーテルと、一般式(4)で表される
有機ケイ素化合物とを、触媒の存在下でヒドロシリル化
反応させて一般式(1)で表わされる含フッ素有機ケイ
素化合物とすることを特徴とする含フッ素有機ケイ素化
合物の製造方法を提供する。(ただし、式(1)〜式
(4)において、Rf 、Q、k、R、n、m、R1 、R
2 、およびR3 は、前記と同じ意味を示す。)
【0014】
【化6】 CH2 =CHCH2f (2) CH2 =CHCH2 O−Qk −R (3)
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。なお、以
下において、一般式(1)で表わされる含フッ素有機ケ
イ素化合物を含フッ素有機ケイ素化合物(1)と記し、
他の化合物についても同様に記載する。
【0018】含フッ素有機ケイ素化合物(1)およびア
リル化ポリフルオロアルカン(2)におけるRf は、炭
素数1〜20のポリフルオロアルキル基を示す。ポリフ
ルオロアルキル基は、アルキル基の水素原子の2個以上
がフッ素原子に置換された基を示す。なお、以下におい
てポリフルオロアルキル基をRf 基と記す。
【0019】Rf 基の炭素数は、1〜20であり、3〜
12が好ましく、特に6〜12が好ましい。また、Rf
基は、炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入されていても
よい。
【0020】Rf 基中のフッ素原子の割合、すなわち、
[(Rf 基中のフッ素原子数)/(Rf 基に対応する同
一炭素数のアルキル基の水素原子数)]×100(%)
は、60%以上が好ましく、特に80%以上が好まし
く、さらに実質的に100%である場合のパーフルオロ
アルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素
数は、好ましくは2〜18であり、特に好ましくは3〜
12である。
【0021】Rf 基は、直鎖の構造でも分岐の構造でも
よく、直鎖の構造が好ましい。分岐の構造である場合に
は、分岐部分が炭素数1〜3程度の短鎖である場合が好
ましい。
【0022】Rf の具体例としては、以下の構造が挙げ
られるがこれらに限定されない。なお、以下の例におい
ては、同一分子式を有する構造の異なる基である「構造
異性の基」を含むものとする。
【0023】C25 −、C37 −[CF3 (CF
22 −、および(CF32 CF−の両者を含
む。]、C49 −[CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−を含む]、C511−[CF3 (CF
24 −、(CF32 CF(CF22 −、(CF
33 CCF2 −、CF3 CF2 CF(CF3 )CF2
−などの構造異性の基を含む]、C613−[CF3
(CF22 C(CF32 −などの構造異性の基を含
む]、C715、−C817−、C1021−、C1225
−、C1531−、HCt2t−(ここで、tは1〜18
の整数である。)、(CF32 CFCs2s−(ここ
で、sは1〜15の整数である。)など。
【0024】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]s CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]t CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −(ただし、s、t
は1〜10の整数、uは2〜6の整数、vは1〜11の
整数、wは1〜11の整数である。)など。
【0025】含フッ素有機ケイ素化合物(1)および有
機ケイ素化合物(4)におけるR1、R2 およびR3
は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素
数1以上のアルキル基またはアリール基である。アルキ
ル基の炭素数は、1〜18程度が好ましく、特に、1〜
12が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐
状、環状のいずれであってもよい。
【0026】アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペン
チル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘ
キシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n
−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル
基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基、3−メチルヘプチル基、n−ノニル基、
イソノニル基、1−メチルオクチル基、エチルヘプチル
基、n−デシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好
ましくはメチル基である。
【0027】上記アリール基としては、例えばフェニル
基、ナフチル基などのアリール基;4−メチルフェニル
基、3,4−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメ
チルフェニル基、2−エチルフェニル基、n−ブチルフ
ェニル基、t−ブチルフェニル基、アミルフェニル基、
ヘキシルフェニル基、ノニルフェニル基、2−t−ブチ
ル−5−メチルフェニル基、シクロヘキシルフェニル
基、クレジル基、オキシエチルクレジル基、2−メトキ
シ−4−t−ブチルフェニル基、ドデシルフェニル基な
どのアルキルアリール基などが挙げられ、好ましくはフ
ェニル基である。
【0028】R1 、R2 およびR3 は、それぞれアルキ
ル基が好ましい。また、R1 、R2およびR3 は同一で
も異なっていてもよいが、同一の場合が好ましく、すべ
てがメチル基の場合が好ましい。さらに、有機ケイ素化
合物(4)は、入手しやすさ、および、目的とする生成
物が原料の構造に依存しない点から、mが1であり、か
つ、R1 、R2 およびR3 が同一であるのが好ましい。
【0029】含フッ素有機ケイ素化合物(1)および有
機ケイ素化合物(4)において、nは1以上の整数を表
わし、好ましくは1〜10である。mは1、2または3
であり、1または2が好ましく、特に1が好ましい。
【0030】含フッ素有機ケイ素化合物(1)およびア
リル化ポリエーテル(3)において、Qは炭素数2〜4
のオキシアルキレン単位から選ばれる1種以上のオキシ
アルキレン単位が2個以上連なった2価の連結基を示
す。
【0031】炭素数2〜4のオキシアルキレン単位とし
ては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシイソ
ブチレンが好ましい。該オキシアルキレン単位は、1種
のみが2個以上連なっていてもよく、2種以上が2個以
上連なっていてもよく、いずれの場合にも、オキシエチ
レン単位を含むのが好ましい。
【0032】オキシアルキレン単位の1種が2個以上連
なった2価の連結基としては、ポリオキシエチレン、オ
キシポリプロピレン、ポリオキシイソブチレン等が挙げ
られる。
【0033】また、オキシアルキレン単位の2種以上が
2個以上連なった2価の連結基としては、オキシアルキ
レン単位の2〜3種が2個以上連なった2価の連結基が
好ましく、たとえばオキシエチレン2個以上とオキシプ
ロピレンの2個以上がブロック状、またはランダム状に
連なったポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)、
ポリ(オキシエチレン−オキシイソブチレン)、ポリ
(オキシプロピレン−オキシイソブチレン)、ポリ(オ
キシエチレン−オキシプロピレン−オキシイソブチレ
ン)等が挙げられる。
【0034】Qにおけるオキシアルキレン単位の数は、
2個以上であるが、2〜100が好ましく、特に5〜5
0が好ましい。また、アリル化ポリエーテル(3)とし
てQの異なる化合物を用いる場合、例えばQのオキシア
ルキレン単位の数が異なる化合物を用いる場合、オキシ
アルキレン単位の数の平均は、2〜100が好ましく、
5〜50が特に好ましい。
【0035】含フッ素有機ケイ素化合物(1)およびア
リル化ポリエーテル(3)において、kは0または1で
あり、含フッ素有機ケイ素化合物(1)を界面活性剤と
して用いる場合には、kは1が好ましい。kはQの数を
示し、1の場合は、Qが存在することを示し、0の場合
は、O(酸素原子)とRが直接結合していることを意味
する。
【0036】また、含フッ素有機ケイ素化合物(1)お
よびアリル化ポリエーテル(3)におけるRは、水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基、またはアリール基で
ある。炭素数1〜10のアルキル基、アリール基として
は、前記のアルキル基およびアリール基と同様のものが
挙げられ、好ましいものも同様である。
【0037】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物の製造
方法においては、有機ケイ素化合物(4)と、アリル化
ポリフルオロアルカン(2)、およびアリル化ポリエー
テル(3)で表されるアリル化ポリエーテルを触媒の存
在下でヒドロシリル化反応させる。
【0038】Rf CH=CH2 のようなRf 基にビニル
基が直結したフッ素化合物を、ケイ素原子に直接結合し
た水素原子(Si−H)を有するシロキサン化合物へ付
加反応さようとする場合には、ハイドロカーボン系のオ
レフィンとは異なり、該付加反応(以下、ヒドロシリル
化反応と記す。)が進行しづらいことが知られている。
本発明ではアリル化ポリフルオロアルカン(Rf CH2
CH=CH2 )とすることにより、容易にヒドロシリル
化反応が進行する。これにより、親水性基であるポリエ
ーテル鎖と疎水性基であるパーフルオロアルキル基をヒ
ドロシリル化反応させて、容易に産業上有用な目的化合
物を製造できる。
【0039】本発明のアリル化ポリフルオロアルカン
(2)およびアリル化ポリエーテル(3)のヒドロシリ
ル化反応は、いずれのSi−H基においてもほぼ均等に
起こるため、有機ケイ素化合物(4)は、できるだけ対
称構造のものを用いるのが好ましく、特に、mが1であ
り、かつ、R1 、R2 およびR3 が同一であるものを用
いるのが好ましい。
【0040】ヒドロシリル化反応において、有機ケイ素
化合物(4)と、アリル化ポリフルオロアルカン
(2)、およびアリル化ポリエーテル(3)の仕込み比
は、特に制限されず、目的とする含フッ素有機ケイ素化
合物(1)の構造に応じて適宜変更され得るが、反応収
率の点では、有機ケイ素化合物(4)のケイ素原子に結
合した水素原子量に対して、アリル化ポリフルオロアル
カン(2)およびアリル化ポリエーテル(3)の合計量
を等当量以上としてヒドロシリル化反応させるのが好ま
しい。また、含フッ素有機ケイ素化合物(1)における
f (CH23 −およびR−Qk −O−(CH23
−の比は、原料の仕込み比に応じて、適宜変更可能であ
る。
【0041】ヒドロシリル反応に用いる触媒としては、
反応を促進するものであればよく、特に限定されるもの
ではないが、有機過酸化物、紫外線および白金、パラジ
ウム、ロジウム系の遷移金属系物質等が挙げられ、なか
でも白金系の触媒が好ましい。白金系の触媒としては、
例えば塩化白金酸、塩化白金酸のジビニルテトラメチル
ジシロキサン錯体、塩化白金酸のカリウム塩およびアン
モニウム塩、白金の硝酸プラチナ溶液、白金のシクロビ
ニルメチルシロキサン錯体などが挙げられる。触媒の使
用量は、特に制限ないが、白金系触媒の場合その使用量
は、反応原料全体に対して、好ましくは1〜500pp
mであり、特に好ましくは1〜100ppmである。
【0042】また、ヒドロシリル化反応においては、溶
媒を使用してもよい。溶媒としては、イソプロピルアル
コール等のアルコール類、テトラヒドフラン等のエーテ
ル類およびトルエン等の芳香族炭化水素類が挙げられ
る。溶媒の量は、適宜選定すればよいが、通常原料成分
の総量100重量部に対して5〜1000重量部の範囲
で用いればよい。また、反応温度は通常10〜150℃
であり、好ましくは30℃〜120℃である。
【0043】含フッ素有機ケイ素化合物(1)の例とし
ては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定され
ない。
【0044】
【化9】
【0045】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物(1)
は、界面活性剤としての性状、例えば乳化性、分散性、
流動性、撥水撥油性、浸透性、湿潤性、泡安定性などを
有する。従って、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物
は、界面活性剤としての種々の用途に使用できるが、特
に化粧用添加剤、潤滑油助剤、繊維処理用添加剤、重合
用乳化剤などの用途に有用である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例において具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
【0047】(実施例1)500mlオートクレーブ
に、テトラメチルジシロキサン50g(0.37mo
l)とC817CH2 CH=CH2 171g(0.37
mol)、アリル化ポリエーテル(アリル化ポリエーテ
ル(3)におけるQが、平均6.3個のオキシエチレン
単位の連なった2価の連結基、Rはメチル基)を130
g(0.37mol)および塩化白金酸のジビニルテト
ラメチルジシロキサン錯体(白金として20ppm)を
添加した。80℃、15時間加熱撹拌後、赤外分光法に
より2150cm-1のHSi伸縮振動の吸収の消失を確
認した。
【0048】1H−NMRおよび19F−NMRにより、
下式の化合物が生成していることを確認した。1 H−NMR(CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.1(12H,s,CH3 ),0.7〜1.5(8
H,m,SiCH2 CH2 ),1.5〜2.8(2H,
m,CF2 CH2 ),3.2 〜3.5(3H,m,O
CH3 ),3.2〜3.5(m,OCH2 )。
【0049】19F−NMR(CDCl3 ,CF3 COO
H)δ(ppm):−5.1(s,CF3 ),−38.
5(s,CH2 CF2 ),−45.0〜−47.5
(m,CF2 ),−50.1(s,CF3 CF2 )。
【0050】
【化10】C8F17(CH2)3[Si(CH3)2OSi(CH3)2](CH2)3O-(C
H2CH2O)6.3CH3
【0051】(実施例2)ジムロート、温度計滴下ロー
トを取り付けた100ml四つ口フラスコ中に、ヘキサ
メチルトリシロキサン10g(0.05mol)を仕込
み、85℃に加熱撹拌した。これに、平均分子式Cr
2r+1CH2 CH=CH2 (rの平均は8)のアリル化パ
ーフルオロアルカン24.5g(0.05mol)およ
び1%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液を0.1
5g仕込んだ。原料のフッ素化合物の消失をガスクロマ
トグラフィー(GC)にて確認した後、イソプロピルア
ルコール10g、実施例1と同じ構造のアリル化ポリエ
ーテルを16.8g(0.05mol)と1%塩化白金
酸イソプロピルアルコール溶液0.14gを添加した。
85℃、10時間加熱撹拌後、赤外分光法により215
0cm-1のHSi伸縮振動の吸収の消失を確認した。
【0052】1H−NMR および19F−NMRによ
り、下式の化合物が生成していることを確認した。1 H−NMR(CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.0〜0.1(18H,s,CH3 )2,0.8〜
1.6(8H,m,SiCH2 CH2 ),1.4〜2.
9(2H,m,CF2 CH2 ),3.0 〜3.6(3
H,m,OCH3 ),3.0 〜3.6(m,OCH
2 )。
【0053】19F−NMR(CDCl3 ,CF3 COO
H)δ(ppm):−5.2(s,CF3 ),−37.
5(s,CH2 CF2 ),−45.0〜−48(m,C
2),−50.0(s,CF3 CF2 )。
【0054】
【化11】C8F17(CH2)3Si(CH3)2 [OSi(CH3)2]2(CH2)3O-
(CH2CH2O)6.3CH3
【0055】
【発明の効果】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、
新規化合物であり、有機ケイ素化合物とアリル化ポリエ
ーテルおよびアリル化ポリフルオロアルカンを、触媒存
在下でヒドロシリル化を行うことにより容易に合成でき
る。また、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、疎水
性基であるRf 基と親水性基であるエーテル基をシロキ
サン化合物を介して有することから、界面活性剤として
有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる含フッ素有
    機ケイ素化合物。 【化1】 (ただし式(1)において、R1 、R2 、およびR3
    それぞれ同一であっても異なってもよく、炭素数1以上
    のアルキル基またはアリール基である。nは1以上の整
    数、mは1、2、または3である。XはRf (CH2
    3 −、または、R−Qk −O−(CH23 −であり、
    Xの少なくとも1つはRf (CH23 −であり、か
    つ、Xの少なくとも1つはR−Qk −O−(CH23
    −である。ここで、Rf は炭素数1〜20のポリフルオ
    ロアルキル基であり、Qは炭素数2〜4のアルキレンオ
    キシド単位から選ばれる1種以上のオキシアルキレン単
    位が2個以上連なった2価の連結基であり、kは0また
    は1であり、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル
    基、またはアリール基である。)
  2. 【請求項2】Rf が炭素数1〜20のパーフルオロアル
    キル基である請求項1の含フッ素有機ケイ素化合物。
  3. 【請求項3】Rf が炭素数3〜12のパーフルオロアル
    キル基である請求項1または2の含フッ素有機ケイ素化
    合物。
  4. 【請求項4】一般式(2)で表されるアリル化ポリフル
    オロアルカンおよび一般式(3)で表されるアリル化ポ
    リエーテルと、一般式(4)で表される有機ケイ素化合
    物とを、触媒の存在下でヒドロシリル化反応させて一般
    式(1)で表わされる含フッ素有機ケイ素化合物とする
    ことを特徴とする含フッ素有機ケイ素化合物の製造方
    法。(ただし、式(1)〜式(4)において、Rf は炭
    素数1〜20のポリフルオロアルキル基であり、Qは炭
    素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる1種以
    上のオキシアルキレン単位が2個以上連なった2価の連
    結基であり、kは0または1であり、Rは水素原子、炭
    素数1〜10のアルキル基、またはアリール基である。
    nは1以上の整数、mは1、2、または3である。R
    1 、R2 、およびR3 はそれぞれ同一であっても異なっ
    てもよく、炭素数1以上のアルキル基またはアリール基
    である。XはRf (CH23 −、または、R−Qk
    O−(CH23 −であり、Xの少なくとも1つはRf
    (CH23 −であり、かつ、Xの少なくとも1つはR
    −Qk −O−(CH23 −である。) 【化2】 CH2 =CHCH2f (2) CH2 =CHCH2 O−Qk −R (3) 【化3】 【化4】
  5. 【請求項5】一般式(4)で表される有機ケイ素化合物
    のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、一般式
    (2)で表されるアリル化ポリフルオロアルカンおよび
    一般式(3)で表されるアリル化ポリエーテルの合計量
    を等当量以上としてヒドロシリル化反応させて、ケイ素
    原子に結合した水素原子を実質的に含まない含フッ素有
    機ケイ素化合物とすることを特徴とする請求項4の含フ
    ッ素有機ケイ素化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】Rf が炭素数1〜20のパーフルオロアル
    キル基である請求項4または5の含フッ素有機ケイ素化
    合物の製造方法。
  7. 【請求項7】Rf が炭素数3〜12のパーフルオロアル
    キル基である請求項4〜6のいずれかの含フッ素有機ケ
    イ素化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】mが1である請求項4〜7のいずれかの含
    フッ素有機ケイ素化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】R1 、R2 、およびR3 がすべてメチル基
    である請求項4〜8のいずれかの含フッ素有機ケイ素化
    合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012520367A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 新規なポリオルガノシロキサン類およびそれらの使用

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JP2012520367A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 新規なポリオルガノシロキサン類およびそれらの使用

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