JPH09953A - 精穀機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】装置規模を小型化し装置重量を軽量化する。除
糠機能を備える。 【構成】穀粒Ｒの投入部１１から排出部１３までの穀粒
流通路１の途中に設けられ電気掃除機等の吸引用ホース
Ｈを接続可能な接続筒５と、穀粒流通路１，接続筒５の
間に設けられ穀粒Ｒと糠とを分離するフィルタ部材３
と、家庭用電気掃除機から接続筒５に掛けられた吸引力
に応動して穀粒通路１に収容され穀粒Ｒに流通送りを掛
ける送り部材４を回転させる応動駆動機構７とを備えて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、精穀機に関する。さら
に詳しくは、米，麦等からなる穀粒を主に摩擦力で外皮
（糠層）除去して精白する圧力系の精穀機の装置規模，
装置重量に係る改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から比較的小型の精穀機としては、
例えば、円筒摩擦式からなるものが知られている。

【０００３】この従来式の精穀機は、外周面に螺旋溝が
設けられたロールが内蔵された円筒と、円筒の先端に設
けられた抵抗板とを備え、電動モータによって回転駆動
されたロールにより円筒の内部に送込んだ穀粒に流通送
りを掛け、抵抗板の抵抗力で穀粒を加圧して穀粒同士を
摩擦し精白するものである。なお、この従来の精穀機に
より精白され精白粒となった穀粒は、傾斜金網等からな
る除糠装置によって除糠されることになる。

【０００４】また、最近、精穀の際に精穀機周りが飛散
した糠で汚損されてしまうのを防止するために、小型の
精穀機にも送風機等を利用した除糠装置を組込むことが
試みられている。なお、大型の精穀機では、除糠装置が
組込まれたものが各種提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来の精穀機で
は、電動モータ等の駆動部を備えているために、装置規
模が大型になり装置重量が重くなるという問題点があ
る。また、小型の精穀機に除糠装置を組込むと、やはり
装置規模が大型になり装置重量が重くなるという問題点
がある。

【０００６】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたもので、装置規模が小型化され装置重量が軽量化
され、しかも除糠機能を備えてなる精穀機を提供するこ
とを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明に係る精穀機は、次のような手段を採用す
る。

【０００８】即ち、請求項１では、穀粒の投入部から排
出部までの穀粒流通路の途中に設けられ電気掃除機等の
吸引用ホースを接続可能な接続筒と、穀粒流通路，接続
筒の間に設けられ穀粒と糠とを分離するフィルタ部材
と、電気掃除機尚から接続筒に掛けられた吸引力に応動
して穀粒通路に収容され穀粒に流通送りを行う送り部材
を回転させる応動駆動機構とを備えてなる。吸引用ホー
スを有するものとしては家庭用電気掃除機が選択でき
る。

【０００９】また、請求項２では、請求項１の精穀機に
おいて、応動駆動機構は前記吸引力によって回転するフ
ァンを有していることを特徴とする。請求項３において
は、送り部材がスクリュであることを特徴とする。

【００１０】

【作用】前述の手段によると、請求項１では、接続筒に
家庭用の電気掃除機等の吸引用ホースを接続して吸引駆
動すると、応動駆動機構を介して送り部材が回転駆動さ
れ、穀粒の流通送りが行われて精穀がなされる。この精
穀で生じた糠は、フィルタ部材で穀粒と分離されて家庭
用の電気掃除機等に吸引される。

【００１１】また、請求項２では、前述の請求項１の作
用において、応動駆動機構は吸引力を構成する吸引風を
効率的に受けるファンの回転で応動する。請求項３で
は、請求項１の作用において、応動駆動機構がスクリュ
を回転駆動させて精穀が行われる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る精穀機の実施例を図面に
基いて説明する。

【００１３】図１は、本発明に係る精穀機の第１実施例
を示すものである。

【００１４】この実施例では、精米に好適な竪型からな
るものを示してある。

【００１５】この実施例は、穀粒Ｒを玄米から精白米に
する穀粒流通路１を上方から下方に降下して流れるよう
に設定してなる。この穀粒流通路１は、最上部のホッパ
形の投入部１１と、中央部の円筒形の本体部１２と、最
下部の傾斜樋形の排出部１３とからなる。

【００１６】穀粒通路１の投入部１１には、後述のよう
に家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨの吸引力を作用さ
せやすいように、蓋体２が被せられるようになってい
る。

【００１７】穀粒流通路１の本体部１２の内部には、円
筒形のフィルタ部材としてのステンレス材等からなる金
網３が嵌合されるように収容されている。この金網３
は、糠を通過を許容し穀粒Ｒの通過を阻止する網構造を
備えている。なお、この金網３は、交換，修理等の便宜
のために、蓋体２を外した穀粒流通路１の投入部１１か
ら本体部１２に挿入取付けできるようになっている。

【００１８】また、穀粒流通路１の本体部１２および金
網３の内部には、軸部４１の外周面に螺旋溝４２を設け
た送り部材４が回転可能に収容されている。送り部材４
としては、図示するようにスクリュ４から構成すること
ができ、このスクリュ４の軸部４１の下端部は、回転軸
４３となって穀粒流通路１の本体部１２の下方へ延びて
いる。

【００１９】穀粒流通路１の本体部１２の側部の中央付
近には、家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨを接続可能
な接続筒５が外側に突出して設けられている。なお、前
記金網３は、この接続筒５と穀粒流通路１の本体部１２
との連通口５１をも覆っている。この接続筒５の周囲に
は、家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨの吸引力を作用
させやすいように、金網３との間に空隙部５２が形成さ
れている。

【００２０】穀粒流通路１の本体部１２の側部の下端付
近には、通風口６が開口されている。なお、前記金網３
は、通風口６をも覆っている。この通風口６には、応動
駆動機構７が隣接して設けられている。応動駆動機構７
は、通風口６に連通したファン室７１と、ファン室７１
に開口された吸入口７２と、ファン室７１の内部に回転
可能に支持されたファン７３と、ファン７３に同軸に固
定されファン室７１の外部へ延びた回転軸７４と、回転
軸７４にファン室７１の外部で固定されたウオームギア
７５と、スクリュ４の回転軸４３の下端に固定されウオ
ームギア７５に噛合したウオームホイール７６とからな
る。

【００２１】穀粒流通路１の本体部１２の側部の下端付
近の前記通風口６の反対側には、排出部１３への連通口
に抵抗板８が設けられている。なお、前記金網３は、排
出部１３への連通口周りを覆っていない。この抵抗板８
は、回動可能に支持されて排出部１３への連通口を開閉
するもので、分銅，バネ材等により回動抵抗が調整可能
に付与されている。

【００２２】この実施例を使用するには、穀粒流通路１
の投入部１１に穀粒Ｒを投入して蓋体２を被せ、接続筒
５に家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨを接続して家庭
用電気掃除機を駆動する。従って、特別面倒な操作が要
求されるわけではないため、操作が容易で一般の人でも
簡単に操作使用することができる。

【００２３】家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨから接
続筒５に掛かった吸引力は、通風口６を介して応動駆動
機構７のファン７３を回転させる。応動駆動機構７のフ
ァン７３の回転は、吸入口７２からの空気の吸入によっ
て保証され、回転軸７４，ウオームギア７５，ウオーム
ホイール７６を介して減速されロール４を回転駆動す
る。

【００２４】穀粒流通路１の投入部１１に投入された穀
粒Ｒは、回転駆動されたロール４によって穀粒流通路１
の本体部１２の内部を下方へ旋回降下する。このとき、
通風口６から穀粒流通路１の本体部１２の内部へ通風す
る風Ｗは、穀粒Ｒの間を通過して、微細なゴミとともに
接続筒５から家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨに吸引
される。なお、穀粒Ｒは、金網３に引掛かるため、接続
筒５から家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨに吸引され
ることはない。

【００２５】穀粒流通路１の本体部１２の内部をさらに
下方へ旋回降下した穀粒Ｒは、抵抗板８の回動抵抗によ
り加圧され、穀粒Ｒ同士で摩擦し合って精白される。こ
の精白で発生した糠は、前述の微細なゴミと同様に、接
続筒５から家庭用電気掃除機の吸引用ホースＨに吸引さ
れる。従って、糠が周囲に飛散することはない。なお、
抵抗板８の回動抵抗を調整することにより、精白米とな
る穀粒Ｒの搗度合いを可変することができる。精白米と
なった穀粒Ｒは、抵抗板８を通過して穀粒流通路１の排
出部１３から排出され受け皿Ｂ収容される。

【００２６】この実施例によると、電動モータのような
駆動部を備えず、家庭用電気掃除機の吸引力を駆動源と
している。また、家庭用電気掃除機の吸引力をファンで
受ける応動駆動構造としている。さらに、除糠のための
複雑な送風機構等を備えず、家庭用電気掃除機の吸引力
で除糠を行っている。このため、装置規模が小型化さ
れ，装置重量が軽量化されている。従って、一般家庭で
の使用に好適である。また、構造が簡素であるため、安
価，容易に製造することができる。

【００２７】さらにまた、この実施例によれば、スクリ
ュで穀粒をスムーズに送って精穀することができる。

【００２８】図２は、本発明に係る精穀機の第２実施例
を示すものである。

【００２９】この実施例では、前述の第１実施例の金網
３を省略し、送り部材として中空構造としたロール４の
軸部４１に小孔４１１を穿孔してフィルタ部材としてあ
る。そして、接続筒５０をキャップ形に形成して、ベア
リング１０を介してロール４の軸部４１に嵌合取付けし
てある。なお、ロール４の軸部４１に穿孔した小孔４１
１は、穀粒流通路１の本体部１２の下方で糠が大量に発
生するのに対応して、軸部４１の下部で穿孔密度を高く
してある。また、ロール４の軸部４１の下端部４１２
は、加圧された穀粒Ｒの圧力に対応するため、非中空構
造になっている。また、通風口６には、フィルタ２０が
設けられている。

【００３０】さらに、この実施例では、応動駆動機構７
としてロール４の内周面にインナスパイラルフィン７７
を設け、家庭用電気掃除機の吸引力でロール４の内部に
インナスパイラルフィン７７に案内される旋回流を形成
し、ロール４を直接回転駆動するようにしてある。

【００３１】この実施例によると、前述の第１実施例の
ような金網３がないため、穀粒流通路１の本体部１２の
内部での穀粒Ｒの流通が円滑になり、金網３損傷等が起
こらず耐久性が高くなる。また、前述の第１実施例より
も応動駆動機構７が簡素化されているため、より装置規
模が小型化され装置重量が軽量化される。

【００３２】以上、図示した実施例の外に、穀粒Ｒを水
平方向へ流通させる横型の実施例とすることも可能であ
る。電気掃除機等として家庭用電気掃除機が最も簡便に
用いることができるが、これに限定する趣旨ではなく、
吸引ホースを有する他の吸引機構を用いることを妨げな
いものである。

【００３３】

【発明の効果】以上のように本発明に係る精穀機は、電
気掃除機等として最も簡便な家庭用電気掃除機の吸引力
を利用することができるため、装置規模が小型化され装
置重量が軽量化され、しかも除糠機能を備えることがで
きる効果がある。

【００３４】また、構造が簡素であるため、安価で且つ
容易に製造することができる効果がある。さらに、特別
面倒な操作が要求されないため、操作が容易である効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る精穀機の第１実施例を示す全体の
断面図である。

【図２】本発明に係る精穀機の第２実施例を示す要部の
断面図である。

【符号の説明】

１ 穀粒流通路 ３ 金網（フィルタ部材） ４ スクリュ（ローラ） ５ 接続筒 ７ 応動駆動機構 ７３ ファン Ｈ 家庭用電気掃除機の吸引用ホース Ｒ 穀粒

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀粒の投入部から排出部までの穀粒流通
   路の途中に設けられ電気掃除機等の吸引用ホースを接続
   可能な接続筒と、穀粒流通路，接続筒の間に設けられ穀
   粒と糠とを分離するフィルタ部材と、電気掃除機等から
   接続筒に掛けられた吸引力に応動して穀粒通路に収容さ
   れ穀粒に流通送りを行う送り部材を回転させる応動駆動
   機構とを備えてなる精穀機。
2. 【請求項２】 請求項１の精穀機において、応動駆動機
   構は前記吸引力によって回転するファンを有しているこ
   とを特徴とする精穀機。
3. 【請求項３】 請求項１の精穀機において、送り部材は
   スクリュであることを特徴とする精穀機。