JPH0994962A - インク噴射型プリンター用ヘッドの製造方法 - Google Patents

インク噴射型プリンター用ヘッドの製造方法

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JPH0994962A
JPH0994962A JP25274095A JP25274095A JPH0994962A JP H0994962 A JPH0994962 A JP H0994962A JP 25274095 A JP25274095 A JP 25274095A JP 25274095 A JP25274095 A JP 25274095A JP H0994962 A JPH0994962 A JP H0994962A
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JP
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treatment
ink
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JP25274095A
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Tatsuya Hiwatari
竜也 樋渡
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク噴射型プリンター用ヘッドの、電極が
形成されているヘッドチップと樹脂シートの剥離により
発生する印字不良を改善し、インクの吐出が長期にわた
って安定するインク噴射型プリンター用ヘッドの製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 ヘッドチップに形成された絶縁膜18表面
を、低温プラズマ処理又は溶剤処理の方法を用いて清浄
粗化し、その後に絶縁膜18上に樹脂シートの接着を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射型プリンタ
ーに用いられ、インク滴を飛翔させてプリンター紙に記
録させるインク噴射型プリンター用ヘッドの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの高性能化、小型
化、低価格化等に伴い、プリンターもコンピューターと
同様な特性が求められ、従来使用されていたドットプリ
ンターから、レーザープリンター、インク噴射型プリン
ターへと印字方法が切り換えられようとしている。
【0003】インク噴射型プリンターとしては、ピエゾ
圧電素子の変形によりインクを押し出すタイプ、直流通
電方式による熱抵抗加熱でインクを沸騰させインクを吐
出させるタイプ、また交互通電による高周波加熱方式
(交互通電加熱方式)でインクを沸騰させインクを吐出
させるタイプ等がある。
【0004】以下に従来の交互通電加熱方式によるイン
ク噴射型プリンター用ヘッドについて、図面を参照して
説明する。
【0005】図3は従来のインク噴射型プリンター用ヘ
ッドの要部断面図であり、図4は図3のA−A線断面図
である。
【0006】図3及び図4において、1はインク室、2
はインク室1上面に形成されたノズル孔、3はインク室
1の底面に配設された電極、4はインク室1の上面を形
成する樹脂シート、5は電極3の上面に積層された絶縁
膜、6はインク室1の底面を形成し電極3が配設されて
いる基板、7は配線9を介して電極3と配線されている
制御部である。また8は制御部7に配線されている電
源、10はノズル孔上方に配されているプリンター用
紙、11はインク室1に充満しているインク、12はノ
ズル孔2から吐出したインク滴、13はインク滴12が
プリンター用紙10に付着した印字、14は電極3間に
発生した気泡である。
【0007】以上のように構成された従来の交互通電加
熱方式によるインク噴射型プリンターヘッドについて、
以下にその製造方法について説明する。
【0008】まず、ガラス、シリコン、セラミックス等
からなる非導電性の基板6上に、Ti、Au、Pt、N
i等の導電性の金属膜を、蒸着法、スパッタ法などの物
理成膜法あるいはメッキ法等により積層する。この金属
膜を積層した基板6にフォトリソグラフィー法により電
極3のパターンを形成し、電極3以外の部分をイオンミ
ーリングまたはケミカルエッチングにより除去する。次
いで、電極3のインク室1に露出している以外の部分と
基板6上に有機高分子等の絶縁膜5を形成する。さら
に、この絶縁膜5と電極3とを積層した基板6上に、エ
キシマレーザー加工機により形成されたノズル孔2を有
する樹脂シート4を、ノズル孔2が二つの電極3の中心
部に位置するように接着する。
【0009】次に、以上のように構成されたインク噴射
型プリンター用ヘッドについて、以下、その動作につい
て説明する。図5はインク吐出時のインクへの印加電圧
の波形図である。図5において、印字周期はドットを吐
出する間隔を示し、電圧変化周期は交互電圧通電の頻度
を示す。印字周期は、インク沸騰が発生するために必要
な最大時間よりも長く設定されている。
【0010】まず、電源8から制御部7を通じて、電極
3間に5kHzの印字周期及び3MHzの電圧変化周期
で、0Vと25Vとの間で変化する交互電圧が印加され
る。電圧がインク11に印加されると、インク11中の
電解質が振動運動を行い、ジュール熱が発生してインク
11が加熱される。
【0011】インク11が加熱されると、インク11中
に沸騰が起こり、電極3の間に気泡14が形成される。
さらに、この気泡14が膨張するにつれ、インク室1の
内側に充満するインク11が押し上げられ、ノズル孔2
からインク滴12となって吐出し、プリンター用紙10
にこのインク滴12が飛翔する。インク滴12がプリン
ター用紙10に付着することにより、印字13となる。
ここで、インク吐出の繰り返し寿命は、記録ヘッドとイ
ンク容器とが一体型のカートリッジタイプでは数千万
回、また記録ヘッドをプリンター本体に据え付けたパー
マネントタイプでは数億回を通常保証している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示す従来のインク噴射型プリンター用ヘッドにおいて
は、インク吐出の繰り返しにより、樹脂シート4と、電
極パターンが形成されているヘッドチップとの剥離が生
じるという問題点がある。樹脂シート4の剥離により、
正常な樹脂シートの接着で確保されていた電極上のイン
ク室の容積に変化が生じ、インク沸騰によりノズル孔2
から吐出するインク液滴の飛翔速度が低下する。この速
度低下により印字不良が生じることとなる。
【0013】さらに樹脂シート4の剥離が進行した場合
には、正常な接着の場合に確保されている隣接するイン
ク室との隔絶ができなくなる。このインク室の隔絶が保
たれなくなることにより、通電開始からインク沸騰まで
の時間にばらつきが生じ、印字不良が発生する。さらに
は、インク室の隔絶が保たれなくなることでインクの沸
騰自体ができなくなる場合も生じる。
【0014】このように従来のインク噴射型プリンター
用ヘッドにおいては、インク吐出の繰り返しによって、
樹脂シートと電極パターンが形成されているヘッドチッ
プとが剥離し、印字不良が発生するという問題点を有し
ていた。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、比較的簡単な手段で樹脂シートの剥離を抑え、イン
クの吐出が長期に渡って安定したインク噴射型プリンタ
ー用ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した絶
縁膜と樹脂シートの剥離の原因について研究する中で、
絶縁膜と樹脂シートの剥離は、樹脂シート接着時におけ
る絶縁膜表面の汚れ、あるいは絶縁膜表面の表面粗さが
小さいため有効な接着面積が確保できないことがその原
因の一つであることを知見し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至ったものである。
【0017】すなわち、本発明は、電極上に積層された
絶縁膜に表面清浄粗化処理を施した後、前記絶縁膜表面
に前記樹脂シートを接着することによって絶縁膜表面と
樹脂シートとの密着力を向上させ、上記課題を解決した
ものである。ここで、表面清浄粗化処理とは、絶縁膜表
面に形成されている有機付着物等の汚染物質を除去する
と共に、除去を行う際に同時に絶縁膜の表面粗さを大き
くする処理を言う。
【0018】また、前記絶縁膜をポリイミド材料とし、
この絶縁膜の表面清浄粗化処理方法として低温プラズマ
処理を用いることができる。プラズマ表面処理技術は、
そのメカニズム自体未だ完全に解明されていないもの
の、従来より主として金属表面の清浄技術として知られ
ている。そこで、絶縁膜と樹脂シートとの密着性を向上
させ、剥離を有効に防止するためには、絶縁膜と樹脂シ
ートの密着不良の障害となる絶縁膜表面の異物の除去は
無論のこと、ポリイミド材料からなる絶縁膜に機能障害
となるような損傷を与えることなく、且つ接着力を向上
させるためにその表面を粗化することが望ましい。
【0019】ここで、低温プラズマ処理のプラズマガス
として、N2ガスやO2ガス、またArガス、さらにこれ
らの混合ガス等を使用することができるが、密着性をよ
り向上させるためには、特にN2ガスやO2ガスが望まし
い。なお、Arガスは不活性ガスであり、絶縁膜の表面
粗化が他のガスに比べ抑制される傾向があるため望まし
くない。
【0020】また、低温プラズマ処理の条件は、ポリイ
ミド材料の硬化条件や材料種によっても異なるが、投入
電圧が高い場合や、電圧が低い場合でも長時間処理した
ときは絶縁膜の表面温度が400℃以上となり好ましく
ない。一方、投入電圧が低く処理時間も短く絶縁膜の表
面温度が70℃未満の場合は絶縁膜表面の清浄化及び粗
化が達成されない。このため、前記プラズマ処理は、絶
縁膜の表面温度が70〜400℃の範囲内に維持される
ような条件で行うことが望ましい。
【0021】これを達成するプラズマ処理の条件として
は、投入電力(W)と処理時間(min)との積が20
0〜600の範囲であることが望ましい。
【0022】またポリイミド材料絶縁膜の表面清浄粗化
処理方法として、溶剤処理を用いることもできる。この
場合、溶剤処理に使用する溶剤としては、ポリイミド材
料に対するエッチング性のある溶剤を用いることができ
るが、特に、ポリイミド材料に対するエッチング性が高
いという理由により、ヒドラジン水和物とエチレンジア
ミンの混合溶液が望ましい。
【0023】また、ヒドラジン水和物とエチレンジアミ
ンの混合溶液を使用する場合の溶剤処理の条件は、ポリ
イミド材料の硬化条件や材料種によっても異なるが、高
い溶剤温度で長時間処理した場合は良好な結果が得られ
ない。一方、溶剤温度が低く処理時間も短い場合は絶縁
膜表面の清浄化及び粗化が達成されない。
【0024】これを達成するために、前記混合溶液の温
度(℃)と処理時間(min)との積が30〜150の
範囲となるように、溶剤温度と処理時間を設定して溶剤
処理を行うことが望ましい。
【0025】
【作用】絶縁膜の表面を清浄化することにより、絶縁膜
と樹脂シートの密着不良の原因となる絶縁膜表面の異物
が除去され、また、絶縁膜の表面を粗化することにより
接着に有効な表面積が増大し、これらの相乗効果によっ
て、絶縁膜と樹脂シートとの良好な密着性が長期間にわ
たって維持できる。
【0026】また、ポリイミド材料からなる絶縁膜の表
面清浄粗化処理の方法として、低温プラズマ処理を用い
ることができる。低温プラズマ処理は、使用ガス、ガス
圧力、投入電力、処理時間等の各種条件を適切に選定す
ることにより、絶縁膜表面の清浄化と、機能障害を起こ
さない範囲での絶縁膜表面の粗化が可能であり、絶縁膜
と樹脂シートとの良好な密着性を長期間維持できる。
【0027】さらに、ポリイミド材料からなる絶縁膜の
表面清浄粗化処理の方法として溶剤処理を用いることが
できる。この場合、溶剤の種類、溶剤温度、処理時間等
の各種条件を適切に選定することにより、絶縁膜の清浄
化と、機能障害を起こさない範囲での絶縁膜表面の粗化
が可能であり、絶縁膜と樹脂シートとの密着性を長期間
にわたり保持することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0029】図1(a)は本発明の実施例におけるイン
ク噴射型プリンター用ヘッドの第1製造工程の平面図、
同(b)は(a)のB−B線断面図である。
【0030】まず、ガラス基板15上に厚み2μmのT
i膜16を形成し、このTi膜16を形成した基板15
にフォトリソグラフィ法により、電極パターン17を形
成する。なお、図1に示す電極パターン17は、ヘッド
チップの中の1つの電極パターンを示したものであり、
実際のヘッドチップには複数の電極パターンが形成され
る。
【0031】次に、電極パターン17以外の部分のTi
膜16をケミカルエッチングにより除去する。本実施例
では、Ti膜16の除去方法として、エッチング条件が
制御しやすいという長所を有するケミカルエッチング法
を用いたが、イオンミリング法等を用いてもTi膜16
の除去を行うことは可能である。
【0032】次に、本発明の実施例におけるインク噴射
型プリンター用ヘッドの第2製造工程の平面図である図
2(a)及び図2(a)のC−C線断面図である図2
(b)に示すように、電極パターン17を形成した基板
15上に、電極先端部を除き、感光性ポリイミド材料を
用いて絶縁膜18を形成する。この後、絶縁膜18上に
樹脂シートを積層する前処理として、絶縁膜18の表面
清浄粗化処理を施す。
【0033】ここで、第1実施例として、絶縁膜18の
表面清浄粗化処理方法として、N2ガス使用の低温プラ
ズマ処理を行った結果について説明する。この低温プラ
ズマ処理では、表面処理装置として東京応化社製TCE
−2400を使用した。
【0034】この場合、N2ガス圧力を20mTorr
に固定し、投入電力及び処理時間をそれぞれ100〜5
00W、1〜3minの範囲内で変化させて絶縁膜18
の低温プラズマ処理を行った。
【0035】このようにして低温プラズマ処理を施した
絶縁膜18に、従来例で説明したように、エキシマレー
ザー加工機により形成されたノズル孔を有する樹脂シー
トを、ノズル孔の中心が対向する2つの電極の中心部に
位置するように接着しヘッドを形成した。
【0036】そして、絶縁膜18と樹脂シートとの密着
性をテストするため、これらのインク噴射型プリンター
用ヘッドで実際に印字を行い、インクが吐出するまでに
要した時間が50マイクロ秒を越えた時の通電回数を計
測して寿命とした。(表1)はこの場合の計測結果を示
している。なお、比較のため、絶縁膜形成後、絶縁膜の
表面処理を全く行わず樹脂シートの接着を行っている従
来のインク噴射型プリンター用ヘッドに関する通電回数
も計測し、その結果を記載した。
【0037】
【表1】
【0038】(表1)から明らかなように、投入電力
(W)と処理時間(min)との積が200〜600の
範囲にある番号1〜7のインク噴射型プリンター用ヘッ
ドでは寿命が3億回を越えており、樹脂シートの剥離が
防止され、極めて安定したインクの吐出が確保され、耐
久性に優れた効果が得られることがわかった。
【0039】なお、投入電力が高い場合や処理時間が長
い場合で、投入電力(W)と処理時間(min)との積
が600を越えるときは、良好な結果が得られなかっ
た。
【0040】一方、投入電力が低い場合や処理時間が短
い場合で、投入電力(W)と処理時間(min)との積
が200に満たないときは、絶縁膜表面の清浄化や表面
粗化が不十分であるため絶縁膜と樹脂シートとの密着性
が良好でない。
【0041】次に、第2実施例として、絶縁膜18の表
面清浄粗化処理方法として、O2ガス使用の低温プラズ
マ処理を行った場合の結果について説明する。本実施例
では、表面処理装置として第1実施例と同一の東京応化
社製TCE−2400を用いた。
【0042】この場合、O2ガス圧力を20mTorr
に固定し、投入電力及び処理時間をそれぞれ100〜5
00W、1〜3minの範囲内で変化させて絶縁膜18
の低温プラズマ処理を行った。
【0043】このようにして低温プラズマ処理を施した
絶縁膜18に、前記と同様、樹脂シートを接着してヘッ
ドを形成し、絶縁膜18と樹脂シートとの密着性をテス
トするため、実際に印字を行い、インクが吐出するまで
に要した時間が50マイクロ秒を越えた時の通電回数を
計測して寿命とした。(表2)はこの場合の計測結果を
示している。
【0044】
【表2】
【0045】(表2)から明らかなように、投入電力
(W)と処理時間(min)との積が200〜600の
範囲にある番号8〜14のインク噴射型プリンター用ヘ
ッドでは寿命が3億回を越えており、樹脂シートの剥離
が防止され、極めて安定したインクの吐出が確保され、
耐久性に優れた効果が得られることがわかった。
【0046】なお、投入電力が高い場合や処理時間が長
い場合で、投入電力(W)と処理時間(min)との積
が600を越えるときは、良好な結果が得られない。
【0047】一方、投入電力が低い場合や処理時間が短
い場合で、投入電力(W)と処理時間(min)との積
が200に満たないときは、絶縁膜表面の清浄粗化が不
十分であり、絶縁膜と樹脂シートとの良好な密着性が得
られなかった。
【0048】また、絶縁膜18の表面処理方法として低
温プラズマ処理を行う場合、プラズマガスにより樹脂シ
ートの密着性に有意差が生ずる。即ち、第1,2実施例
のようにプラズマガスとしてN2又はO2用いた場合には
絶縁膜18と樹脂シートの優れた密着性を示すが、Ar
ガスを用いた場合は絶縁膜18と樹脂シートの密着性が
良好でない。
【0049】なお第1,2実施例の低温プラズマ処理で
は、東京応化社製TCE−2400を使用して表面処理
を行ったが、この装置以外の低温プラズマ処理装置を用
いた場合には、本実施例と異なる処理条件範囲に最適処
理条件がシフトするが、本実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0050】また、絶縁膜に用いるポリイミド材料の硬
化条件や材料種を変更した場合も最適条件範囲が異なる
結果となるが、この場合も本実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0051】第3実施例として、溶剤処理によって絶縁
膜18の表面清浄粗化処理を行った。この溶剤処理にお
いてはヒドラジン水和物とエチレンジアミンの混合溶液
を使用し、ヒドラジン水和物とエチレンジアミンの混合
比率を3:7(体積比)に固定した。溶剤温度及び処理
時間をそれぞれ20〜50℃、1〜5minの範囲内で
変化させて溶剤処理を行った。
【0052】このようにして溶剤処理を施した絶縁膜1
8に、前記と同様樹脂シートを接着してヘッドを形成
し、絶縁膜18と樹脂シートとの密着性をテストするた
め、実際に印字を行い、インクが吐出するまでに要した
時間が50マイクロ秒を越えた時の通電回数を計測して
寿命とした。(表3)はこの場合の計測結果を示す。
【0053】
【表3】
【0054】(表3)から明らかなように、溶剤温度
(℃)と処理時間(min)との積が30〜150の範
囲にある番号15〜20のインク噴射型プリンター用ヘ
ッドでは、表面処理の方法として溶剤処理を用いても、
低温プラズマ処理を行った場合と同様に、極めて安定し
たインクの吐出が確保され、耐久性に優れた効果が得ら
れることがわかる。
【0055】しかし、溶剤温度が高く処理時間が長い場
合で、溶剤温度(℃)と処理時間(min)との積が1
50を越えるときには、良好な結果が得られない。
【0056】一方、溶剤温度が低く処理時間が短い場合
で,溶剤温度(℃)と処理時間(min)との積が30
に満たないときには、絶縁膜表面の清浄粗化が不十分で
あり、絶縁膜と樹脂シートとの密着性は良くない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁膜の表面処理によ
りヘッドチップと樹脂シートの密着性が改善されるの
で、樹脂シートがヘッドチップから剥離することが防止
され、長期に渡ってインクの吐出を安定させることがで
き、高耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例におけるインク噴射型
プリンター用ヘッドの第1製造工程の平面図 (b)は(a)のB−B線断面図
【図2】(a)は本発明の実施例におけるインク噴射型
プリンター用ヘッドの第2製造工程の平面図 (b)は(a)のC−C線断面図
【図3】従来のインク噴射型プリンター用ヘッドの要部
断面図
【図4】図3のA−A線断面図
【図5】インク吐出時のインクへの印加電圧の波形図
【符号の説明】
1 インク室 2 ノズル孔 3 電極 4 樹脂シート 5 絶縁膜 6 基板 7 制御部 8 電源 9 配線 10 プリンター用紙 11 インク 12 インク滴 13 印字 14 気泡 15 ガラス基板 16 Ti膜 17 電極パターン 18 絶縁膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に通電用の電極と同電極を絶縁する
    絶縁膜とノズル孔を有する樹脂シートとが積層されたイ
    ンク噴射型プリンター用ヘッドの製造方法であって、前
    記電極上に積層された絶縁膜に表面清浄粗化処理を施し
    た後、前記絶縁膜表面に前記樹脂シートを接着すること
    を特徴とするインク噴射型プリンター用ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記絶縁膜をポリイミド材料とし、絶縁膜
    の表面清浄粗化処理方法として、低温プラズマ処理を用
    いることを特徴とする請求項1記載のインク噴射型プリ
    ンター用ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】低温プラズマ処理のプラズマガスとしてN
    2ガスを用いることを特徴とする請求項2記載のインク
    噴射型プリンター用ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】低温プラズマ処理のプラズマガスとしてO
    2ガスを用いることを特徴とする請求項2記載のインク
    噴射型プリンター用ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記低温プラズマ処理を、投入電力(W)
    と処理時間(min)との積が200〜600の範囲で
    行うことを特徴とする請求項3又は4記載のインク噴射
    型プリンター用ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記絶縁膜をポリイミド材料とし、絶縁膜
    の表面処理方法として溶剤処理を用いることを特徴とす
    る請求項1記載のインク噴射型プリンター用ヘッドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記溶剤処理の溶剤として、ヒドラジン水
    和物とエチレンジアミンの混合溶液を用いることを特徴
    とする請求項6記載のインク噴射型プリンター用ヘッド
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記溶剤処理を、溶剤温度(℃)と処理時
    間(min)との積が30〜150の範囲で行うことを
    特徴とする請求項7記載のインク噴射型プリンター用ヘ
    ッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9982108B2 (en) 2012-07-18 2018-05-29 Industrial Technology Research Institute Polyimide-containing layer and method for etching polyimide-containing layer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9982108B2 (en) 2012-07-18 2018-05-29 Industrial Technology Research Institute Polyimide-containing layer and method for etching polyimide-containing layer

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