JPH0993859A - 高効率な偏平コアレス振動モータ - Google Patents

高効率な偏平コアレス振動モータ

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JPH0993859A
JPH0993859A JP26483195A JP26483195A JPH0993859A JP H0993859 A JPH0993859 A JP H0993859A JP 26483195 A JP26483195 A JP 26483195A JP 26483195 A JP26483195 A JP 26483195A JP H0993859 A JPH0993859 A JP H0993859A
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JP
Japan
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commutator
rotor
vibration motor
flat coreless
eccentric rotor
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Application number
JP26483195A
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Inventor
Tadao Yamaguchi
忠男 山口
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Tokyo Parts Ind Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Parts Ind Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 空心電機子コイルのマグネットから磁界を受
ける有効導体辺を多くして起動トルクを高め、ブラシの
摺接圧力をできるだけ片寄らないようにすると共に、ブ
ラシ損を軽減させ、且つ、ロータの傾きを減らし、しか
も振動量を十分に得るようにする。 【解決手段】 3個の空心電機子コイルL1,L2,L
3を印刷配線板からなる平板コミュテータCに配置ピッ
チ60゜で片側に偏倚させて高比重樹脂Jで一体化す
る。平板コミュテータは12極のセグメントC1,C2
C〜12からなり、各セグメントのうち、C1,C4,
C7およびC10と、C2,C5、C8およびC11
と、C3,C6,C9およびC12をそれぞれ短絡する
ための導体を外周のみに配したスルホール孔H1,H2
〜H12を介して接続させる。この偏心ロータRにN,
Sの交互に等しい着磁開角で磁化させた8極のマグネッ
トMにより磁界を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポケットベル(商品
名)やパーソナルハンディホンシステム(呼称PHS)
の無音報手段として用いられる偏平コアレス振動モータ
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏平コアレス振動モータとして本出願人
は先に実願昭63−111868号(特願平4−295
503号に出願変更、USP5036239)を提案し
ている、すなわち、図5に示すように、3個の空心電機
子コイル9a,9b及び9cを片側に偏倚して配し、樹
脂11で一体成形し、全体として拡開した扇形になる偏
心ロータを備えN,S交互に着磁された4極のマグネッ
トと組み合わせてなるものであって、偏心ウエイトを特
別に配備することなく、偏心したロータ自体で回転時に
遠心力を生じさせ振動を発生することができるので、サ
イズ的に直径14〜20ミリ程度の偏平コアレス型にし
て市場で好評を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポケットベル、PHS
共益々小型、薄型志向がつよく、搭載される振動源とし
ての直流モータも超小型にならざるを得ず、偏平型では
直径12ミリ以下のサイズのものが要求されている。こ
のような超小型になると、偏心ロータの半径も5ミリ程
度となるため、強力なネオジムマグネットを用いても有
効導体辺が短く起動トルクも非常に小さなものとなり、
ブラシ圧のブレーキにより起動電圧が大となってしま
う。したがって、前述の従来のような、片側に偏倚させ
た3個の空心電機子コイルと、4極の着磁磁極からなる
マグネットを組み合わせてなるものでは、磁界中におけ
る各電機子コイルの有効導体辺が少なくなり、特に電気
的中性点を設定しやすい配置開角60゜にしたもので
は、回転中における有効導体辺が最大で4箇所となり、
超小型にした場合は十分な起動トルクが得られなくな
る。
【0004】
【発明の目的】この発明の第1の目的は、空心電機子コ
イルのマグネットから磁界を受ける有効導体辺の数を多
くして超小型ながらも起動トルクを十分に得ることがで
きる高効率な偏平コアレス振動モータを提供するにあ
る。この発明の第2の目的は、ブラシの摺接圧力をでき
るだけ片寄らないようにしてロータの傾き量を軽減させ
ようとするものである。この発明の第3の目的は、スル
ホール位置を工夫することによりコミュテータのサイズ
を小にしてブラシ圧による摺接損を軽減させるにある。
この発明の第4の目的は、軸受の投影面積を少なくして
ロスの低減を図ると共に軸と軸受のクリアランスによる
ロータの傾き量を少なくしようとするものである。この
発明の第5の目的は、超小型ながらも振動量を十分に確
保しようとするものである。この発明の第6の目的は、
火花消去素子を特別に用意する必要がないようにしてコ
ストダウンを図ろうとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、請求項1に示す発明のように、3個の空心電
機子コイルを互いに重畳しないように配置ピッチ略60
゜で片側に配して樹脂で扇型に一体成形してなる偏心ロ
ータと、偏心ロータに添設したコミュテータと、このコ
ミュテータに電力を供給する一対のブラシと、前記偏心
ロータに磁界を供給するマグネットと、これらを格納し
て前記偏心ロータを回動自在に支承するハウジングとか
らなり、回転時に偏心ロータの生ずる遠心力を利用して
振動を発生させるようにした偏平コアレス振動モータに
おいて、前記コミュテータのセグメントを12極で構成
し、第1、第4、第7および第10と、第2、第5、第
8および第11と、第3、第6、第9および第12のセ
グメントをそれぞれ短絡する導体を配し、マグネットの
着磁磁極をN,S交互に8極に構成し、且つ、前記コミ
ュテータに摺接するブラシの摺接開角を磁極の幅の3倍
にしたもので達成できる。より具体的には、請求項1に
示す発明のように、前記コミュテータは印刷配線板で形
成され、前記導体を接続するためのスルホール孔を外周
のみに形成させたもので達成できる。上記課題を解決す
るための別の手段は、請求項3に示す発明のように、軸
をハウジングに固定すると共に、この軸に前記偏心ロー
タを回動自在に支承するために中逃げ軸受をロータに一
体化させたもので達成できる。上記課題を解決するため
のさらに別の手段は、請求項4に示す発明のように、前
記偏心ロータを構成する樹脂を比重(密度)7以上の高
比重部材したもので達成できる。上記課題を解決するた
めのまた別の手段は、請求項5に示す発明のように、前
記偏心ロータを構成する樹脂の体積固有抵抗を1000
Ω乃至1000000Ωに設定したもので達成できる。
【0006】
【作用】上記請求項1に示すような上記課題解決手段を
採れば、マグネットの極数を8極にすることにより、各
空心電機子コイルの回転中における有効導体辺が最大6
辺となるため、起動トルクがアップする。しかも、コミ
ュテータを12極にしたので、1回転中における整流が
24回となるため電流リップルが少なくなる。また、ブ
ラシの摺接開角を磁極の幅の3倍(135゜)にしたた
め、従来のような90゜のものに比べてロータの押接に
よる傾き量が軽減される。また、請求項2に示すような
上記課題解決手段にすると、外極(12極)のコミュテ
ータでも量産化でき、スルホール孔を外周のみにしたの
で、コミュテータに摺接するブラシの摺接径を小さくで
きるような上記課題解決手段になり、ブレーキ損が軽減
される。また、請求項3に示すような上記課題解決手段
にすると、中逃げ軸受にしたので軸に対する軸受の回動
部を比較的長くできながらも、軸受投影面積を小にする
ことができるので、ロスの軽減と共に、ロータのクリア
ランスによる傾き量を少なくできる。また、請求項4に
示すような上記課題解決手段にすると、ロータの重量を
大きくできるので、重心の移動が少なくても十分な遠心
力を発生させることができる。さらにまた、請求項5に
示すような上記課題解決手段にすると、樹脂自体が火花
消去機能を持つことになり、印刷抵抗等を削除できる。
【0007】
【第1の実施例】次に、この発明の偏平コアレス振動モ
ータの第1の実施例を説明する。図1(a)は同モータ
におけるロータとマグネットの位置関係を示しており、
同図(b)はブラシの平面図である。図2はこれらを内
部に格納して偏平コアレス振動モータにした要部断面図
である。すなわち、図において、ロータRは印刷配線板
からなる平板コミュテータCに3個の正三角形の内径を
有する空心電機子コイルL1,L2およびL3を配置ピ
ッチ60゜で片側に偏倚させて配し、タングステン合金
粉末をポリアミドに配合して高比重化(密度7〜8)し
た樹脂Jで一体成形してなり、N、S交互に等しい着磁
開角(45゜)で磁化させた8極のマグネットMから磁
界を受けるようになっている。前記、平板コミュテータ
Cは、30゜開角で印刷配線されたパターンを金メッキ
してなる12極のセグメントC1,C2‥‥C12から
なり、各セグメントの外周に配したスルホールH1,H
2,H3‥‥H12を介してセグメントC1,C4,C
7およびC10と、C2,C5,C8およびC11と、
C3,C6,C9およびC12がそれぞれ導体パターン
D1,D2およびD3で短絡されている。図中、P1,
P2およびP3は各空心電機子コイルL1,L2および
L3の巻終わり端末を一括半田結線するパターンであ
り、P4,P5およびP6は巻始め端末を結線するパタ
ーンである。これらのパターンのうちP4には、導体パ
ターンD1が、P5にはD3が,そしてP6にはD2が
それぞれ結線されている。一方、このようなコミュテー
タCに摺接するブラシB,Bは同図(b)に示すように
平面からみて基端B1,B1から円弧状に形成され内径
に折りかえされた摺接辺B2,B2は135゜(磁極の
3倍)の位置に摺接部B3,B3がくるようにスイッチ
バック式で軸方向から前記コミュテータCに摺接されて
いる。
【0008】このようなロータRは図2に示すように、
浅い有底円筒ケース1と、この円筒ケース1の開口縁に
取り付けられたブラケット2からなるハウジング12に
格納され、ブラケット2の中心に配した固定軸Sに一体
成形した中逃げ含油軸受3を介して回動自在に支承さ
れ、前記の薄いドーナツ型ネオジムマグネットMから空
隙を介して磁界を与えられている。このマグネットMの
内方には、フレキシブル基板Fに前述のような一対のブ
ラシB,Bが植設され、前記平板コミュテータCにマグ
ネットの磁極の開角(45゜)の3倍(135゜)の摺
接開角で押接されている。このように構成したロータR
は、偏心しているため、回転時に遠心力を生じ、外部に
振動を発生させる。このロータRの重量は、樹脂の比重
が7〜8あるため、あたかも、半月型の銅板が回転する
のと同様となり、強力な遠心力を生ずる。
【0009】次にこの回転原理を図3に示す動作説明図
に基づき説明する。同図(a)はロータRが0゜の位置
のときを示し、順に(b)は22.5゜、(c)は60
゜、そして(d)は120゜まで回転した位置のときの
電流の流れる方向と回転トルクFの発生具合を示してい
る。いま、ロータRが0゜の位置のとき図3(a)によ
り、ブラシB(+)はセグメントC7,C8をまたいで
おり、正の給電端子T1から通電された電流は、空心電
機子コイルL3にはそのままダイレクトに、空心電機子
コイルL1には導体D1、セグメントC4を介してそれ
ぞれ矢印の方向に流れる。空心電機子コイルL2には、
同コイルL3,L1に流れた電流が集まり、セグメント
C6と導体D3を介し、セグメントC3を経てブラシB
(−)から負の給電端子T2に至る。したがって各空心
電機子コイルL1,L2およびL3の電流の向きは、マ
グネットのN、Sと巧みに組み合わせていずれもフレミ
ング左手の法則に従い同一の矢印Fの方向の回転トルク
を発生させることができる。このとき、有効導体辺は全
コイルの6本となるためきわめて高い効率となる。この
全コイルの有効導体辺がトルク発生に寄与するのは45
゜の6分の1の偶数倍(15゜、30゜、45゜‥‥)
の位置となり、3個の空心電機子コイルのうち、1個だ
け通電しない位置、すなわち、残りの2個の有効導体辺
4本にトルクが発生するのは、同奇数倍(7.5゜、2
2.5゜、37.5゜‥‥)の位置となることがわか
る。このように各空心電機子コイルL1,L2およびL
3には、マグネットMの各磁極(N1、S2,N2,S
2,N3,S3およびN4,S4)のから発生又は吸収
する磁束を受けてフレミング左手の法則に従い、いずれ
もたくみにサイクリックに電流の向きが変わり同一方向
の回転トルクFを発生している。いずれの場合において
も反トルクの発生は全くない。トルクFの発生に寄与す
る有効導体辺は上記のように45゜の6分の1である
7.5゜の奇数倍づつ4本で偶数倍づつ6本と全コイル
の有効導体辺におよぶ。したがって非常に高効率となる
ことが判る。すなわち、空心電機子コイルを片側に寄せ
た偏心ロータであって高効率を得ることができる。
【0010】この実施例では、さらに特筆すべきこと
は、タングステン粉末によりロータの重量を大にするこ
とができると共に、金属粉末配合による体積固有抵抗を
1000〜1000000Ωに選定することにより、通
常印刷配線板からなる平板コミュテータCに配さねばな
らない火花消去用印刷抵抗を削除することができるよう
になる。このような構成にすると、直径12ミリ程度の
偏平コアレス振動モータに用いて特に効果的なものとな
る。なお、上記実施例では、中逃げした軸受の構造とし
て1個の中逃げ軸受からなるものを示したが2個のスリ
ーブ状軸受を少しはなして一体化したものでもよく、そ
のうち、1個を樹脂軸受にしたり、あるいはロータRを
成形する樹脂自体で構成してもよい。
【0011】
【第2の実施例】図4は、この発明の第2の実施例とし
て直径10ミリ程度の偏平コアレス振動モータの要部断
面図を示したものである。すなわち、直径が小さくなる
ことによる重心の移動量の不足を銅タングンステン合金
からなる密度18.4クラスのウエイトWをロータR1
に添設してカバーしたものでこのウエイトは非磁性にし
てマグネットからの磁界の影響が出ないようにして樹脂
透過孔を介して一体に樹脂モールドしてなるもので、こ
の樹脂は直径10ミリ程度であれば前述の実施例と同様
に高比重ナイロン樹脂にするのがよく、直径を多少大に
することができれば通常にポリブチレンテレフタレート
樹脂にしてもよい。その他の部材については、前述の実
施例と同じであるのでその説明を省略する。なお、空心
電機子コイルL1,L2およびL3の結線方式は巻終わ
り端末を一括半田結線するスター方式で説明したがデル
タ方式にすることもできる。
【0012】
【発明の効果】この発明は、上述のように、空心電機子
コイルの配置開角をほぼ60゜にすると共に、マグネッ
トの着磁磁極を8極にし、平板コミュテータのセグメン
トを12極にし各セグメントを2つおきに短絡する導体
を配し、ブラシの摺接角を135゜にしたので反トルク
を生じることなく、有効導体辺の数が従来のタイプに比
べ1.67倍〜2倍となるため、高効率で起動トルクを
大となる。従来の90゜摺接角のブラシに対して摺接を
135゜にしたので、より180゜に近くなるためブラ
シの押接によるロータ傾きが出しにくくなる。しかも、
平板コミュテータのセグメント外周のみに導体と結線す
るスルホール孔を配したので、ブラシの摺接軌跡を小に
できるのでブレーキ損が軽減できる。また、ロータを回
転自在に支承する軸受を1ヶの中空軸受を用いたので、
軸受投影面積を小にしながらもクリアランスによるロー
タの傾きを軽減できる。さらにまた、ロータを構成する
樹脂を高比重8にしたので、ロータのサイズを小にしな
がらも重量を維持でき、振動量を大きく得ることができ
る。また、ロータの樹脂を体積固有抵抗が1000〜1
000000Ωになるようにしたので火花消去用印刷抵
抗が削除できるなど高効率、高振動、低コストの利点を
有する偏平コアレス振動モータを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の偏平コアレス振動モー
タのロータとマグネットの位置関係を示す説明図であ
る。
【図2】図2は本発明の第1の実施例の偏平コアレス振
動モータを示す要部断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の偏平コアレス振動モー
タの回転原理を示す動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例の偏平コアレス振動モー
タの要部断面図である。
【図5】従来の偏平コアレス振動モータのロータとマグ
ネットの位置関係説明図である。
【符号の説明】
R,R1 ロータ C 平板コミュテータ L1,L2およびL3 空心電機子コイル J 樹脂 M マグネット C1,C2,C3‥‥C12 セグメント H1,H2,H3‥‥H12 スルホール孔 D1,D2およびD3 導体パターン 1 ケース 2 ブラケット 12 ハウジング B ブラシ W ウエイト 3,3a,3b 軸受
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図4】
【図5】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】偏平コアレス振動モータとして本出願人
は先に実願昭63−111868号(特願平4−295
503号に出願変更、USP5036239)を提案し
ている、すなわち、図6に示すように、3個の空心電機
子コイル9a,9b及び9cを片側に偏倚して配し、樹
脂11で一体成形し、全体として拡開した扇形になる偏
心ロータを備えN,S交互に着磁された4極のマグネッ
トと組み合わせてなるものであって、偏心ウエイトを特
別に配備することなく、偏心したロータ自体で回転時に
遠心力を生じさせ振動を発生することができるので、サ
イズ的に直径14〜20ミリ程度の偏平コアレス型にし
て市場で好評を得ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【第1の実施例】次に、この発明の偏平コアレス振動モ
ータの第1の実施例を説明する。図1は同モータにおけ
るロータとマグネットの位置関係を示しており、図2
ブラシの平面図である。図3はこれらを内部に格納して
偏平コアレス振動モータにした要部断面図である。すな
わち、図において、ロータRは印刷配線板からなる平板
コミュテータCに3個の正三角形の内径を有する空心電
機子コイルL1,L2およびL3を配置ピッチ60゜で
片側に偏倚させて配し、タングステン合金粉末をポリア
ミドに配合して高比重化(密度7〜8)した樹脂Jで一
体成形してなり、N、S交互に等しい着磁開角(45
゜)で磁化させた8極のマグネットMから磁界を受ける
ようになっている。前記、平板コミュテータCは、30
゜開角で印刷配線されたパターンを金メッキしてなる1
2極のセグメントC1,C2‥‥C12からなり、各セ
グメントの外周に配したスルホールH1,H2,H3‥
‥H12を介してセグメントC1,C4,C7およびC
10と、C2,C5,C8およびC11と、C3,C
6,C9およびC12がそれぞれ導体パターンD1,D
2およびD3で短絡されている。図中、P1,P2およ
びP3は各空心電機子コイルL1,L2およびL3の巻
終わり端末を一括半田結線するパターンであり、P4,
P5およびP6は巻始め端末を結線するパターンであ
る。これらのパターンのうちP4には、導体パターンD
1が、P5にはD3が,そしてP6にはD2がそれぞれ
結線されている。一方、このようなコミュテータCに摺
接するブラシB,Bは図2に示すように平面からみて基
端B1,B1から円弧状に形成され内径に折りかえされ
た摺接辺B2,B2は135゜(磁極の3倍)の位置に
摺接部B3,B3がくるようにスイッチバック式で軸方
向から前記コミュテータCに摺接されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】このようなロータRは図3に示すように、
浅い有底円筒ケース1と、この円筒ケース1の開口縁に
取り付けられたブラケット2からなるハウジング12に
格納され、ブラケット2の中心に配した固定軸Sに一体
成形した中逃げ含油軸受3を介して回動自在に支承さ
れ、前記の薄いドーナツ型ネオジムマグネットMから空
隙を介して磁界を与えられている。このマグネットMの
内方には、フレキシブル基板Fに前述のような一対のブ
ラシB,Bが植設され、前記平板コミュテータCにマグ
ネットの磁極の開角(45゜)の3倍(135゜)の摺
接開角で押接されている。このように構成したロータR
は、偏心しているため、回転時に遠心力を生じ、外部に
振動を発生させる。このロータRの重量は、樹脂の比重
が7〜8あるため、あたかも、半月型の銅板が回転する
のと同様となり、強力な遠心力を生ずる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次にこの回転原理を図4に示す動作説明図
に基づき説明する。同図(a)はロータRが0゜の位置
のときを示し、順に(b)は22.5゜、(c)は60
゜、そして(d)は120゜まで回転した位置のときの
電流の流れる方向と回転トルクFの発生具合を示してい
る。いま、ロータRが0゜の位置のとき図4(a)によ
り、ブラシB(+)はセグメントC7,C8をまたいで
おり、正の給電端子T1から通電された電流は、空心電
機子コイルL3にはそのままダイレクトに、空心電機子
コイルL1には導体D1、セグメントC4を介してそれ
ぞれ矢印の方向に流れる。空心電機子コイルL2には、
同コイルL3,L1に流れた電流が集まり、セグメント
C6と導体D3を介し、セグメントC3を経てブラシB
(−)から負の給電端子T2に至る。したがって各空心
電機子コイルL1,L2およびL3の電流の向きは、マ
グネットのN、Sと巧みに組み合わせていずれもフレミ
ング左手の法則に従い同一の矢印Fの方向の回転トルク
を発生させることができる。このとき、有効導体辺は全
コイルの6本となるためきわめて高い効率となる。この
全コイルの有効導体辺がトルク発生に寄与するのは45
゜の6分の1の偶数倍(15゜、30゜、45゜‥‥)
の位置となり、3個の空心電機子コイルのうち、1個だ
け通電しない位置、すなわち、残りの2個の有効導体辺
4本にトルクが発生するのは、同奇数倍(7.5゜、2
2.5゜、37.5゜‥‥)の位置となることがわか
る。このように各空心電機子コイルL1,L2およびL
3には、マグネットMの各磁極(N1、S2,N2,S
2,N3,S3およびN4,S4)のから発生又は吸収
する磁束を受けてフレミング左手の法則に従い、いずれ
もたくみにサイクリックに電流の向きが変わり同一方向
の回転トルクFを発生している。いずれの場合において
も反トルクの発生は全くない。トルクFの発生に寄与す
る有効導体辺は上記のように45゜の6分の1である
7.5゜の奇数倍づつ4本で偶数倍づつ6本と全コイル
の有効導体辺におよぶ。したがって非常に高効率となる
ことが判る。すなわち、空心電機子コイルを片側に寄せ
た偏心ロータであって高効率を得ることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【第2の実施例】図5は、この発明の第2の実施例とし
て直径10ミリ程度の偏平コアレス振動モータの要部断
面図を示したものである。すなわち、直径が小さくなる
ことによる重心の移動量の不足を銅タングンステン合金
からなる密度18.4クラスのウエイトWをロータR1
に添設してカバーしたものでこのウエイトは非磁性にし
てマグネットからの磁界の影響が出ないようにして樹脂
透過孔を介して一体に樹脂モールドしてなるもので、こ
の樹脂は直径10ミリ程度であれば前述の実施例と同様
に高比重ナイロン樹脂にするのがよく、直径を多少大に
することができれば通常にポリブチレンテレフタレート
樹脂にしてもよい。その他の部材については、前述の実
施例と同じであるのでその説明を省略する。なお、空心
電機子コイルL1,L2およびL3の結線方式は巻終わ
り端末を一括半田結線するスター方式で説明したがデル
タ方式にすることもできる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の偏平コアレス振動モー
タのロータとマグネットの位置関係を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施例におけるブラシの平面図
である
図3】本発明の第1の実施例の偏平コアレス振動モー
タを示す要部断面図である。
図4】本発明の第1の実施例の偏平コアレス振動モー
タの回転原理を示す動作説明図である。
図5】本発明の第2の実施例の偏平コアレス振動モー
タの要部断面図である。
図6】従来の偏平コアレス振動モータのロータとマグ
ネットの位置関係説明図である。
【符号の説明】 R,R1 ロータ C 平板コミュテータ L1,L2およびL3 空心電機子コイル J 樹脂 M マグネット C1,C2,C3‥‥C12 セグメント H1,H2,H3‥‥H12 スルホール孔 D1,D2およびD3 導体パターン 1 ケース 2 ブラケット 12 ハウジング B ブラシ W ウエイト 3,3a,3b 軸受

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3個の空心電機子コイルを互いに重畳し
    ないように配置ピッチ略60゜で片側に配して樹脂で扇
    型に一体成形してなる偏心ロータと、この偏心ロータに
    添設したコミュテータと、このコミュテータに電力を供
    給する一対のブラシと、前記偏心ロータに磁界を供給す
    るマグネットと、これらを格納して前記偏心ロータを回
    動自在に支承するハウジングとからなり、回転時に偏心
    ロータの生ずる遠心力を利用し振動を発生させるように
    した偏平コアレス振動モータにおいて、前記コミュテー
    タのセグメントを12極で構成し、第1、第4、第7お
    よび第10と、第2、第5、第8および第11と第3、
    第6、第9および第12のセグメントをそれぞれ短絡す
    る導体を配し、マグネットの着磁磁極をN,S交互に8
    極に構成し、且つ、前記コミュテータに摺接するブラシ
    の摺接開角を磁極の幅の3倍にしたことを特徴とする高
    効率な偏平コアレス振動モータ。
  2. 【請求項2】 前記コミュテータは印刷配線板で形成さ
    れ、前記導体を接続するためのスルホール孔を外周のみ
    に形成させた請求項1に記載の高効率な偏平コアレス振
    動モータ。
  3. 【請求項3】 軸をハウジングに固定すると共に、この
    軸に前記偏心ロータを回動自在に支承するために中逃げ
    した軸受をロータに一体化させた請求項1または2に記
    載の高効率な偏平コアレス振動モータ。
  4. 【請求項4】 前記偏心ロータを構成する樹脂を比重
    (密度)7以上の高比重部材にした請求項1乃至3のい
    ずれか一つに記載の高効率な偏平コアレス振動モータ。
  5. 【請求項5】 前記偏心ロータを構成する樹脂の体積固
    有抵抗を1000Ω乃至1000000Ωに設定した請
    求項1乃至4のいずれか一つに記載の高効率な偏平コア
    レス振動モータ。
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