JPH0987438A - 閉蓋具または密封要素の成形材料 - Google Patents

閉蓋具または密封要素の成形材料

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JPH0987438A
JPH0987438A JP8205382A JP20538296A JPH0987438A JP H0987438 A JPH0987438 A JP H0987438A JP 8205382 A JP8205382 A JP 8205382A JP 20538296 A JP20538296 A JP 20538296A JP H0987438 A JPH0987438 A JP H0987438A
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広 林原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度の柔軟性と優れた耐熱性、ガスバリヤー
性および耐油性とを併せ持つ、容器用の閉蓋具または密
封要素の成形材料を提供する。 【解決手段】 本発明は、特定の樹脂組成物からなる容
器用の閉蓋具または密封要素の成形材料である。この樹
脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(A)および芳香族
ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体
ブロックとのブロック共重合体(B)からなり、(A)
/(B)の重量比は100/5〜100/100の範囲
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器用の閉蓋具ま
たは該閉蓋具における密封要素を製造するための成形材
料に関する。さらに、本発明は該閉蓋具および該密封要
素に関する。本発明の成形材料は適度の柔軟性を有し、
さらに、耐熱性、ガスバリヤー性および耐油性にも優れ
る。そのため、該成形材料からなる閉蓋具および密封要
素では、これらの優れた性質が有効に発揮され、取り付
け性および密閉性が良好となり、内容物の長期保存性に
も優れる。
【0002】
【従来の技術】従来、容器用の閉蓋具(キャップ、栓
等)および該部材における密封要素(パッキング要素)
を製造するための成形材料としては、一般に、塩化ビニ
ル樹脂、低密度ポリエチレン等の適度の柔軟性を有する
樹脂が使用されている。また、該成形材料として、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂にエラストマーや軟化剤の配合により柔軟性を付与
した樹脂組成物も使用されている。また、特開平5−2
95053号公報には、芳香族ビニル化合物系重合体ブ
ロックとイソブチレン系重合体ブロックとを含有するブ
ロック共重合体100重量部および他の配合剤0〜80
重量部からなるシール材用組成物が、該ブロック共重合
体に由来して、高度のガスバリヤー性と柔軟性とを具備
することが記載され、その用途の一つとして密封瓶の蓋
部材が挙げられている。さらに、特開平5−21210
4号公報には、医薬品用ゴム栓、採血管用ゴム栓、薬液
充填容器兼用シリンジ用キャップ等の、従来、ゴム材料
で製造されている医薬・医療用シール性物品を、芳香族
ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体
ブロックとを含有するブロック共重合体を用いて形成す
ることが提案されている。同公報では、該ブロック共重
合体を用いて形成された医薬・医療用シール性物品が柔
軟性、ガスバリヤー性、非溶出性等に優れていること、
および該ブロック共重合体に、エチレンとプロピレンと
のブロック共重合体などの熱可塑性重合体を混合するこ
とも可能であることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
塩化ビニル樹脂からなる閉蓋具および密封要素では、内
容物、使用環境等の条件によっては、残存モノマーや可
塑剤のブリードアウトによる内容物の汚染が危惧され
る。上記の低密度ポリエチレンからなる閉蓋具等では、
耐熱性およびガスバリアー性に劣るために、充填・密封
後の熱処理によって劣化する可能性があり、さらに、長
期保存性に劣る。上記のポリオレフィン系樹脂に軟化剤
を配合した樹脂組成物からなる閉蓋具等では、内容物、
使用環境等の条件によっては、軟化剤のブリードアウト
による内容物の汚染が危惧される。また、上記のポリオ
レフィン系樹脂にエラストマーを配合した樹脂組成物か
らなる閉蓋具等では、一般に、エラストマーの配合によ
ってガスバリアー性が大幅に低下するために長期保存性
に劣り、さらに、エラストマー単独の配合では柔軟性が
不足することも多く、その場合には軟化剤を併用するこ
とになるので、さらに上記の汚染の問題を伴うことにな
る。一方、上記特開平5−295053号公報および特
開平5−212104号公報に記載されているような芳
香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重
合体ブロックとを含有するブロック共重合体を主成分と
するシール材料は、優れたガスバリヤー性を有するとと
もに、高い柔軟性を有している。本発明者らは、該シー
ル材料から閉蓋具および閉蓋具用密封要素を成形し、そ
れらを用いて容器の密封を試みた。しかしながら、該シ
ール材料から一体成形したねじ付きキャップを、容器に
取り付ける際、キャップが柔軟すぎることもあって、容
器との接触部分における滑りが悪く、取り付けに過度の
力を要することが判明した。また、該シール材料から成
形したパッキング要素を取り付けたねじ付きキャップを
容器に取り付ける際にも、パッキング要素が柔軟すぎ容
器との接触時に滑りが悪いために、戻りが生じやすく、
完全に密封することが容易ではないことが判明した。さ
らに、該シール材料の耐油性は、あまり高くない。以上
の点から、上記のブロック共重合体を主体とする材料か
らなる閉蓋具および密封要素は、実用上、適用可能な範
囲が狭く、あくまで特殊な用途に限られることが判明し
た。
【0004】しかして、本発明の第1の目的は、容器用
の閉蓋具を製造するための成形材料であって、適度な柔
軟性と優れた耐熱性、ガスバリヤー性および耐油性を、
ブリードアウトの危惧される成分を配合することなく具
備する成形材料を提供することにある。本発明の第2の
目的は、容器用の閉蓋具における密封要素を製造するた
めの成形材料であって、適度な柔軟性と優れた耐熱性、
ガスバリヤー性および耐油性を、ブリードアウトの危惧
される成分を配合することなく具備する成形材料を提供
することにある。本発明の第3の目的は、適度な柔軟性
と優れた耐熱性、ガスバリヤー性および耐油性を、ブリ
ードアウトの危惧される成分を配合することなく具備す
る樹脂素材からなる密封要素を有する容器用の閉蓋具、
とりわけ、ねじ等の回転による固定手段を有する閉蓋
具、を提供することにある。また、本発明の第4の目的
は、適度な柔軟性と優れた耐熱性、ガスバリヤー性およ
び耐油性を、ブリードアウトの危惧される成分を配合す
ることなく具備する樹脂素材からなる容器用の閉蓋具に
おける密封要素を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
第1の目的は、容器用の閉蓋具の成形材料であって、
(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部および(B)
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系
重合体ブロックとを含有するブロック共重合体5〜10
0重量部を主成分とする樹脂組成物からなることを特徴
とする成形材料を提供することによって達成される。本
発明によれば、上記の第2の目的は、容器用の閉蓋具に
おける密封要素の成形材料であって、上記樹脂組成物か
らなることを特徴とする成形材料を提供することによっ
て達成される。本発明によれば、上記の第3の目的は、
容器用の閉蓋具であって、少なくとも密封要素が上記樹
脂組成物からなることを特徴とする閉蓋具を提供するこ
とによって達成される。また本発明によれば、上記の第
4の目的は、容器用の閉蓋具における密封要素であっ
て、上記樹脂組成物からなることを特徴とする密封要素
を提供することによって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において(A)成分として用いられるポリオレフ
ィン系樹脂は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等に代表されるオレフィンモノマー
の単独重合体;エチレン−プロピレンランダムコポリマ
ー、エチレン−プロピレンブロックコポリマー、エチレ
ン−1−ブテンコポリマー、エチレン−1−ヘキセンコ
ポリマー、エチレン−1−オクテンコポリマー等の2種
以上のモノマーの共重合体などが挙げられる。なお、ポ
リオレフィン系樹脂(A)としては、1種類のポリオレ
フィン系樹脂の使用に限定されず、目的とする用途に応
じて、2種類以上のポリオレフィン系樹脂を併用しても
差し支えない。
【0007】本発明において(B)成分として用いられ
るブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物系重合体ブ
ロック(a)とイソブチレン系重合体ブロック(b)と
を含有する。ここで、ブロック(a)は、主として芳香
族ビニル化合物からなるモノマーから誘導される重合体
ブロックである。該芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等を、
単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。ブロック(a)は、数平均分子量が3000
〜80000の範囲にあることが好ましい。一方、ブロ
ック(b)は、主としてイソブチレンからなるモノマー
から誘導される重合体ブロックである。ブロック共重合
体(B)の溶融流動性が良好となり、ポリオレフィン系
樹脂(A)との混合およびその後の成形が容易となるこ
とから、ブロック(b)の数平均分子量は20000〜
200000の範囲であることが好ましく、また、ブロ
ック共重合体(B)中のブロック(a)の重量の和は、
ブロック共重合体(B)中のブロック(a)とブロック
(b)との重量の総和に対して10〜60%の範囲であ
ることが好ましい。ブロック共重合体(B)としては、
1種類のブロック共重合体の使用に限定されず、目的と
する用途に応じて、2種類以上のブロック共重合体を併
用しても差し支えない。
【0008】ブロック共重合体(B)の製造法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサン、
塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルイス酸およびこれ
と組み合わせてカチオン重合活性種を形成する有機化合
物から構成される開始剤系の存在下に、芳香族ビニル化
合物を主体とするモノマーとイソブチレンを主体とする
モノマーとを逐次的に重合する方法などを採用すること
ができる。ここで、ルイス酸としては、例えば、四塩化
チタン、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズ
等が挙げられる。また、カチオン重合活性種を形成する
有機化合物とは、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲ
ン原子等の官能基を有する有機化合物であって、例え
ば、ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビ
ス(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス
(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン等が挙げられ
る。さらに、上記の重合方法においては、必要に応じ
て、重合反応系に、ピリジン;ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド等のアミド類などを添加してもよ
い。上記の重合方法によれば、ブロック(a)−ブロッ
ク(b)−ブロック(a)のトリブロック共重合体は、
例えば、ルイス酸と2個の官能基を有する有機化合物か
ら構成される開始剤系を使用してイソブチレンを主体と
するモノマーを重合させ、その重合反応が実質的に終了
した時点で、重合反応系内に芳香族ビニル化合物を主体
とするモノマーを添加して重合反応を継続させることに
よって製造することができる。
【0009】本発明において、樹脂組成物はポリオレフ
ィン系樹脂(A)およびブロック共重合体(B)を主た
る構成成分とし、そのポリオレフィン系樹脂(A)とブ
ロック共重合体(B)との混合割合は、(A)/(B)
の重量比において、100/5〜100/100の範囲
である。ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対
してブロック共重合体(B)が5重量部より少ない場合
には、樹脂組成物の柔軟性が不足し、閉蓋具または密封
要素としたときに容器との密封性が悪くなる。また、ポ
リオレフィン系樹脂(A)100重量部に対してブロッ
ク共重合体(B)が100重量部を越える場合には、樹
脂組成物の柔軟性が高すぎる。このため、かかるブロッ
ク共重合体(B)を過剰に含有する樹脂組成物を、ねじ
などの回転による固定手段を有する閉蓋具としたときに
は、容器との接触部分の滑りが悪くなり、回転による容
器への取り付けが難しくなる。また、該樹脂組成物から
成形した密封要素を、回転による固定手段を有する閉蓋
具に取り付けて使用する場合、容器の口部にねじを締め
込んだときに戻りが生じるなど完全な密封が難しくなる
という欠点が生ずる。さらに、ブロック共重合体(B)
を過剰に含有する樹脂組成物では、耐油性が低いため
に、閉蓋具または密封要素としたときの適用範囲が制限
される。閉蓋具または密封要素としたときにおける上記
の問題が解消され、容器への取り付け性および密閉性の
両方が良好となるような適度の柔軟性が発揮され、かつ
耐油性にも優れる点において、ポリオレフィン系樹脂
(A)とブロック共重合体(B)との混合割合は、
(A)/(B)の重量比において、100/20〜10
0/100の範囲であることがより好ましい。
【0010】なお本発明において、樹脂組成物には、本
発明の効果を喪失しない範囲において、必要に応じて、
ポリオレフィン系樹脂(A)およびブロック共重合体
(B)に加えて、他の成分が配合されていてもよい。例
えば、耐熱性、耐候性の向上または増量等を目的とし
て、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化
チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム等の無機充填剤を配合することができる。成形され
た閉蓋具または密封要素の滑り性をさらに向上させるた
めに、ポリオレフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系
滑剤、高級脂肪族系アルコール、高級脂肪酸系滑剤、高
級脂肪酸のアミドまたはビスアミドなどの脂肪酸アミド
系滑剤、ステアリン酸カルシウムなどの金属セッケン系
滑剤等を配合することができる。その他に、熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤等の配合も可能である。
【0011】本発明における樹脂組成物を構成するため
の各成分の混合方法としては、特に制限されることな
く、通常のポリオレフィン系樹脂組成物の製造における
と同様の方法を採用することができる。例えば、押出
機、ニーダー等の溶融混練機によって、ポリオレフィン
系樹脂(A)とブロック共重合体(B)とを溶融状態で
混合することによって、所望の樹脂組成物を製造するこ
とができる。この溶融状態で混合する場合には、各成分
が溶融流動する温度以上で、かつ、熱劣化を起こさない
範囲の温度に加熱すればよく、一般的には、150〜3
00℃の範囲、より好適には180〜280℃の範囲の
温度が採用される。
【0012】上記の樹脂組成物からなる本発明の成形材
料は、公知の方法に準じて、所望の形状・寸法の閉蓋具
または密封要素に成形することができる。例えば、密封
要素と一体の閉蓋具は、本発明の成形材料を所定の形状
に射出成形することによって製造することができる。閉
蓋具本体から独立した密封要素は、押出成形等の成形法
で得られた本発明の成形材料からなるシートまたはフィ
ルムを型刃により打ち抜く方法などで製造することがで
きる。このようにして得られた密封要素は、熱融着法な
どの方法で閉蓋具本体に取り付けて使用することができ
る。また、本発明の密封要素は、異種材料(例えば、金
属)からなる閉蓋具本体上に本発明の成形材料を溶融押
出ししプレス成形することによって製造することもでき
る。
【0013】本発明の閉蓋具は、上記樹脂組成物が少な
くとも密封要素を構成しているものであり、該樹脂組成
物の一体成形品のみならず、該樹脂組成物の密封要素を
構成部品の一部として有する閉蓋具をも包含する。本発
明の閉蓋具としては、キャップ、栓等の各種形態のもの
が包含され、ねじなどの回転による固定手段を有するも
のでは上記樹脂組成物の適度な柔軟性が特に効果的に発
揮される。また、本発明の密封要素(パッキング要素)
としては、円板、リング等の各種形態のものが包含され
る。
【0014】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、各実施例における「部」は「重量部」を表
す。
【0015】樹脂組成物の物性評価は、次に示す方法
(1)〜(4)によって行った。
【0016】(1)柔軟性の評価 樹脂組成物を用いて、溶融温度より20℃高い温度条件
下にプレス成形して厚さ6mmのシートを作製した。こ
れを使用して、JIS K7215に準拠して硬度(シ
ョアD)を測定し、これを柔軟性の指標とした。
【0017】(2)成形品の耐熱性 樹脂組成物をプレス成形して縦20cm、横20cm、
厚さ2mmのシート状試験片を作製し、この試験片を1
50℃のエアーオーブン中に24時間置いた後、室温に
冷却し、指で触れることによって試験片表面のベタツキ
感を調べた。加熱前と同じくべたつきが全くない場合を
「良好」(◎)、ほとんどべたつきがない場合を「普
通」(○)、ややべたつく場合を「やや劣る」(△)、
激しくべたつく場合を「劣る」(×)の4段階で、熱劣
化の程度を評価した。
【0018】(3)ガスバリアー性 樹脂組成物を用いて、溶融温度より20℃高い温度条件
下にプレス成形して、厚さ200μmのフィルムを作製
した。このフィルムについて、ガス透過率測定装置(柳
本製作所製「GTR−10」)を用いて、酸素圧2.5
kg/cm2、温度35℃の条件における酸素透過係数
Po2を測定し、これをガスバリアー性の指標とした。
【0019】(4)耐油性 樹脂組成物を用いて、溶融温度より20℃高い温度条件
下にプレス成形して厚さ6mm、直径50mmの円板状
の試験片を作製した。この試験片を植物油に7日間浸漬
した後、取り出して外観上の変化の有無を判定した。表
面に外観上の変化が認められない場合を「良好」
(○)、表面に荒れが生じる場合を「不良」(×)の2
段階で、耐油性を評価した。
【0020】実施例において使用したポリオレフィン系
樹脂は、以下の略号で示す。 ポリオレフィン系樹脂(A−1):高密度ポリエチレン
(日本ポリオレフィン製J−レックスHD F6200
V)。 ポリオレフィン系樹脂(A−2):プロピレン−エチレ
ンブロックコポリマー(三菱化学製三菱ポリプロBC
3)。
【0021】次に、実施例において使用したブロック共
重合体(B)の製造法を示す。
【0022】(合成例1:ブロック共重合体(B−1)
の製造)攪拌機付き反応器中にモレキュラーシーブス4
Aで脱水精製した塩化メチレン1060部およびメチル
シクロヘキサン924部を仕込み、1,4−ビス(2−
クロロ−2−プロピル)ベンゼン2.0部、2,6−ジ
メチルピリジン0.98部、ピリジン1.38部および
イソブチレン210部をそれぞれ加えた。この混合液
に、−78℃で四塩化チタン12.3部を加えて重合を
開始させ、同温度で3時間重合した後、2,6−ジメチ
ルピリジン0.5部およびスチレン90部を添加し、さ
らに2時間重合を行うことにより、熱可塑性のスチレン
−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(B−
1)を得た。得られたブロック共重合体の数平均分子量
は34000、分子量分布(Mw/Mn)は1.23、
ポリスチレンブロック含有量は30重量%であった。
【0023】(合成例2:ブロック共重合体(B−2)
の製造)攪拌機付き反応器中にモレキュラーシーブス4
Aで脱水精製した塩化メチレン1060部およびメチル
シクロヘキサン924部を仕込み、1,4−ビス(2−
クロロ−2−プロピル)ベンゼン1.0部、2,6−ジ
−t−ブチルピリジン1.74部、ピリジン0.68部
およびイソブチレン210部をそれぞれ加えた。この混
合液に、−78℃で四塩化チタン12.3部を加えて重
合を開始させ、4時間重合した後、2,6−ジ−t−ブ
チルピリジン0.90部およびスチレン52.5部を添
加し、さらに4時間重合を行うことにより、熱可塑性の
スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合
体(B−2)を得た。得られたブロック共重合体の数平
均分子量は75000、分子量分布(Mw/Mn)は
1.20、ポリスチレンブロック含有量は20重量%で
あった。
【0024】(実施例1〜5、比較例1)ポリオレフィ
ン系樹脂(A−1)または(A−2)とブロック共重合
体(B−1)または(B−2)とを、それぞれ表1に示
す割合で予備混合した後、二軸押出機を用いて溶融条件
下で混練することにより、樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物の評価結果を、表1に示す。
【0025】(比較例2〜4)ブロック共重合体(B−
1)または(B−2)の代わりに、他のエラストマーを
表1に示す割合で使用する以外は、実施例1〜5と同様
にして樹脂組成物を得た。なお、使用したエラストマー
は、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレントリブ
ロック共重合体(C−1)(数平均分子量:4500
0、分子量分布(Mw/Mn):1.13、ポリスチレ
ンブロック含有量:20重量%)またはスチレン−エチ
レン・ブチレン−スチレントリブロック共重合体(C−
2)(数平均分子量:45000、分子量分布(Mw/
Mn):1.13、ポリスチレンブロック含有量:20
重量%)である。得られた樹脂組成物の評価結果を、表
1に示す。
【0026】(参考例1)ブロック共重合体を配合する
ことなく、ポリオレフィン系樹脂(A−1)単独につい
て評価した。評価結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1から、本発明の成形材料に該当す
る実施例1〜5で得られた樹脂組成物では、ショアD硬
度で35〜55程度の適度な柔軟性、酸素透過係数が6
000 cc・20μm/m2・day・atm以下の優れたガスバリヤー
性、耐熱劣化性評価で「普通」の良好な耐熱性、耐油性
評価で「良好」な耐油性を有することが判る。ポリオレ
フィン系樹脂(A)/ブロック共重合体(B)の重量比
が80/100、すなわち100/125である点で本
発明の成形材料とは相違する比較例1で得られた樹脂組
成物では、ショアD硬度が32であることから柔軟性が
高すぎ、また、耐油性評価が「不良」の結果であること
から耐油性が不十分であることが判る。ブロック共重合
体(B)の代わりに他のエラストマーを使用した点で本
発明の成形材料とは相違する比較例2〜4で得られた樹
脂組成物では、酸素透過係数が50000 cc・20μm/m2
・day・atm以上でありガスバリヤー性が不十分であるこ
と、および耐熱劣化性評価で「やや劣る」であり耐熱性
にも劣ることが判る。比較例4では、さらに、ショアD
硬度が60という高い値であり、柔軟性が不十分である
ことも判る。また、ブロック共重合体(B)を使用せず
ポリオレフィン系樹脂(A)のみである点で本発明の成
形材料とは相違する参考例1の樹脂では、ショアD硬度
が60以上の高い値であり、柔軟性が不十分であること
が判る。
【0029】(実施例6)実施例1〜5で得られた樹脂
組成物を射出成形することによって、それぞれ、直径2
5mm、高さ13mmのねじ付きキャップを作製した。
得られたねじ付きキャップをねじ付きのガラス製容器に
取り付けたところ、いずれの場合も、完全にねじ込むこ
とができた。
【0030】(比較例5)樹脂組成物として比較例1で
得られたものを使用する以外は実施例6におけると同様
にして、ねじ付きキャップを作製した。得られたねじ付
きキャップをねじ付きのガラス製容器に取り付けようと
したが、容器との滑りが悪く、十分に締め付けることが
できなかった。
【0031】(実施例7)実施例1〜5で得られた樹脂
組成物から押出成形により厚さ0.5mmのシートを成
形し、それらを円板状に打ち抜くことによって、それぞ
れ円板状密封要素を作製した。得られた密封要素を、ア
ルミニウム製のねじ付きキャップ本体の内面に熱融着す
ることによって接着した。得られたキャップをねじ付き
のガラス製容器に取り付けたところ、いずれの場合も、
完全にねじ込むことができた。
【0032】(比較例6)樹脂組成物として比較例1で
得られたものを使用する以外は実施例7におけると同様
にして、密封要素を作製しキャップ本体に接着した。得
られたキャップをねじ付きのガラス製容器に取り付けよ
うとしたが、締め付け時にキャップの戻りが生じ、十分
に締め付けることができなかった。
【0033】(実施例8)実施例1〜5で得られた樹脂
組成物をアルミニウム製のねじ付きキャップ本体の内面
上に溶融押出しし、次いでプレス成形することによっ
て、それぞれキャップを得た。得られたキャップをねじ
付きのガラス製容器に取り付けたところ、いずれの場合
も、完全にねじ込むことができた。
【0034】(比較例7)樹脂組成物として比較例1で
得られたものを使用する以外は実施例8におけると同様
にして、キャップを得た。得られたキャップをねじ付き
のガラス製容器に取り付けようとしたが、締め付け時に
キャップの戻りが生じ、十分に締め付けることができな
かった。
【0035】
【発明の効果】本発明の成形材料は、適度の柔軟性を有
し、さらに、耐熱性、ガスバリヤー性および耐油性にも
優れる。そのため、該成形材料からなる閉蓋具および密
封要素は、これらの優れた性質が有効に発揮され、取り
付け性および密閉性が良好であり、内容物の長期保存性
にも優れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器用の閉蓋具の成形材料であって、
    (A)ポリオレフィン系樹脂100重量部および(B)
    芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系
    重合体ブロックとを含有するブロック共重合体5〜10
    0重量部を主成分とする樹脂組成物からなることを特徴
    とする成形材料。
  2. 【請求項2】 容器用の閉蓋具における密封要素の成形
    材料であって、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部および(B)芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと
    イソブチレン系重合体ブロックとを含有するブロック共
    重合体5〜100重量部を主成分とする樹脂組成物から
    なることを特徴とする成形材料。
  3. 【請求項3】 容器用の閉蓋具であって、少なくとも密
    封要素が、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部お
    よび(B)芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソ
    ブチレン系重合体ブロックとを含有するブロック共重合
    体5〜100重量部を主成分とする樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする閉蓋具。
  4. 【請求項4】 回転による固定手段を有する請求項3記
    載の閉蓋具。
  5. 【請求項5】 容器用の閉蓋具における密封要素であっ
    て、(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部および
    (B)芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチ
    レン系重合体ブロックとを含有するブロック共重合体5
    〜100重量部を主成分とする樹脂組成物からなること
    を特徴とする密封要素。
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