JPH0987389A - 熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体 - Google Patents
熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体Info
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- JPH0987389A JPH0987389A JP24014595A JP24014595A JPH0987389A JP H0987389 A JPH0987389 A JP H0987389A JP 24014595 A JP24014595 A JP 24014595A JP 24014595 A JP24014595 A JP 24014595A JP H0987389 A JPH0987389 A JP H0987389A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 適切な温度範囲でガラス転移点を有すること
により熱融着が可能であり、押出加工性に優れ、フィル
ム、チューブ、Oリング、その他成形品に容易に加工す
ることができ、また、充分な機械強度を発揮するために
高い粘度を有し、かつ耐放熱線性、柔軟性、接着性に優
れ、かつ低吸水率と優れた誘電特性を有する新規な共重
合体粉粒体を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 及び一般式(2) (式中、R1 ,R2 は2価の有機基、R3 は、水素、メ
チル基、フェニル基から選択される有機基を示し、nは
1〜4の整数である。また、Xは、3価の結合基であ
る。)で表されるブロック単位の双方又は少なくとも一
方からなる熱可塑性樹脂共重合体粉粒体。
により熱融着が可能であり、押出加工性に優れ、フィル
ム、チューブ、Oリング、その他成形品に容易に加工す
ることができ、また、充分な機械強度を発揮するために
高い粘度を有し、かつ耐放熱線性、柔軟性、接着性に優
れ、かつ低吸水率と優れた誘電特性を有する新規な共重
合体粉粒体を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 及び一般式(2) (式中、R1 ,R2 は2価の有機基、R3 は、水素、メ
チル基、フェニル基から選択される有機基を示し、nは
1〜4の整数である。また、Xは、3価の結合基であ
る。)で表されるブロック単位の双方又は少なくとも一
方からなる熱可塑性樹脂共重合体粉粒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱融着性を有する新
規な共重合体粉粒体に関する。詳しくは、適切な温度範
囲でガラス転移点を有することにより熱融着が可能であ
り、押出加工性に優れ、フィルム、チューブ、Oリン
グ、その他成形品に容易に加工することができ、また、
充分な機械強度を発揮するために高い粘度を有し、かつ
耐放射線性、柔軟性、接着性に優れた特徴を併せ持つ新
規な共重合体粉粒体であり、さらに詳しくは、これら記
載の特徴と共に、さらに、低い吸水率と誘電特性をも同
時に満足できることを特徴とする新規な共重合体粉粒体
に関する。
規な共重合体粉粒体に関する。詳しくは、適切な温度範
囲でガラス転移点を有することにより熱融着が可能であ
り、押出加工性に優れ、フィルム、チューブ、Oリン
グ、その他成形品に容易に加工することができ、また、
充分な機械強度を発揮するために高い粘度を有し、かつ
耐放射線性、柔軟性、接着性に優れた特徴を併せ持つ新
規な共重合体粉粒体であり、さらに詳しくは、これら記
載の特徴と共に、さらに、低い吸水率と誘電特性をも同
時に満足できることを特徴とする新規な共重合体粉粒体
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
芳香族ポリイミドはその優れた機械強度、耐放射線性、
耐薬品性、低温特性、耐熱性等により電気、電子材料に
広く用いられている。しかし、一般に芳香族ポリイミド
は、不溶、不融のためにポリアミド酸の状態で加工し、
それを熱的、化学的に環化させポリイミドを得るという
方法が必要であり、加工性が悪く、さらにそれ以上の加
工は困難である。そのため従来はフィルム状で使用する
ことが多く、また、その高い吸水性のため、成形体とし
ては用途が限られてきた。
芳香族ポリイミドはその優れた機械強度、耐放射線性、
耐薬品性、低温特性、耐熱性等により電気、電子材料に
広く用いられている。しかし、一般に芳香族ポリイミド
は、不溶、不融のためにポリアミド酸の状態で加工し、
それを熱的、化学的に環化させポリイミドを得るという
方法が必要であり、加工性が悪く、さらにそれ以上の加
工は困難である。そのため従来はフィルム状で使用する
ことが多く、また、その高い吸水性のため、成形体とし
ては用途が限られてきた。
【0003】また、最近は熱可塑性のポリイミドも開発
されてきたが、例えばポリエーテルイミド(日本GE社
製、商標ウルテム)はその成形温度が340〜425℃
と非常に高く、現在一般的に使用されている成型機では
使用温度が300℃程度まで、高くても350℃程度と
いうものが多いため、成形できず、加工温度の高い特殊
な成型機が必要であるという問題を有していた。
されてきたが、例えばポリエーテルイミド(日本GE社
製、商標ウルテム)はその成形温度が340〜425℃
と非常に高く、現在一般的に使用されている成型機では
使用温度が300℃程度まで、高くても350℃程度と
いうものが多いため、成形できず、加工温度の高い特殊
な成型機が必要であるという問題を有していた。
【0004】一方、従来の汎用性熱可塑性樹脂は、その
加工性から多岐にわたる分野で使用されてきたが、近年
技術の進歩に伴い、高い耐熱性等さらに高性能な樹脂が
求められている。
加工性から多岐にわたる分野で使用されてきたが、近年
技術の進歩に伴い、高い耐熱性等さらに高性能な樹脂が
求められている。
【0005】そこで、本発明者らは、上記従来の問題点
を解決し、機械強度、耐放射線性、耐薬品性、低温特
性、耐熱性に優れ、かつ低吸水率と優れた誘電特性を有
し、加工性に優れた共重合体粉粒体を提供することを目
的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
を解決し、機械強度、耐放射線性、耐薬品性、低温特
性、耐熱性に優れ、かつ低吸水率と優れた誘電特性を有
し、加工性に優れた共重合体粉粒体を提供することを目
的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱融着性を
有する新規な共重合体粉粒体の要旨とするところは、ガ
ラス転移温度が150℃〜250℃であり、更に1%以
下の吸水率と3%の誘電率とを併せ持つ熱可塑性樹脂か
らなることにある。
有する新規な共重合体粉粒体の要旨とするところは、ガ
ラス転移温度が150℃〜250℃であり、更に1%以
下の吸水率と3%の誘電率とを併せ持つ熱可塑性樹脂か
らなることにある。
【0007】また、かかる熱融着性を有する新規共重合
体粉粒体において、前記熱可塑性樹脂が、一般式(1)
化6
体粉粒体において、前記熱可塑性樹脂が、一般式(1)
化6
【0008】
【化6】
【0009】及び一般式(2)化7
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1 、R2 は2価の有機基、R3
は、水素、メチル基、フェニル基から選択される有機基
を示し、nは1〜4の整数である。またXは、化8
は、水素、メチル基、フェニル基から選択される有機基
を示し、nは1〜4の整数である。またXは、化8
【0012】
【化8】
【0013】から選択される3価の結合基である。)で
表されるブロック単位の双方又は少なくとも一方からな
ることにある。
表されるブロック単位の双方又は少なくとも一方からな
ることにある。
【0014】また、前記一般式(1)(2)中のR1 が
化9
化9
【0015】
【化9】
【0016】に示す2価の有機基の群から選択される少
なくとも1種であることにある。
なくとも1種であることにある。
【0017】さらに、前記一般式(1)中のR2 が化1
0
0
【0018】
【化10】
【0019】に示す2価の有機基の群から選択される少
なくとも1種であることにある。
なくとも1種であることにある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る熱融着性を有する新
規な共重合体粉粒体は、優れた耐熱性、加工性、低吸水
率、及び誘電特性を併せ有している。また、この共重合
体粉粒体は、その組成により150℃から250℃の間
で明確なガラス転移点を有し、ガラス転移点に近い温度
で加工することによりフィルムやチューブ等成形体を容
易に作製することができるもので、加工性に優れてお
り、同時に優れた耐熱性をも有している。
規な共重合体粉粒体は、優れた耐熱性、加工性、低吸水
率、及び誘電特性を併せ有している。また、この共重合
体粉粒体は、その組成により150℃から250℃の間
で明確なガラス転移点を有し、ガラス転移点に近い温度
で加工することによりフィルムやチューブ等成形体を容
易に作製することができるもので、加工性に優れてお
り、同時に優れた耐熱性をも有している。
【0021】また、優れた低吸水率を示し、従来の芳香
族ポリイミド(鐘淵化学工業株式会社製、商標アピカル
AH)が、2.5%であるのに対し、本発明の共重合体
粉粒体は、20℃の純水に24時間浸漬する条件におい
て、その吸水率は1%以下である。更に、優れた誘電特
性を示し、Qメーター法における1MHzの誘電率は3
以下である。なお、Qメーター法とは、JISC648
1に準拠することによる誘電率の測定方法を意味する。
族ポリイミド(鐘淵化学工業株式会社製、商標アピカル
AH)が、2.5%であるのに対し、本発明の共重合体
粉粒体は、20℃の純水に24時間浸漬する条件におい
て、その吸水率は1%以下である。更に、優れた誘電特
性を示し、Qメーター法における1MHzの誘電率は3
以下である。なお、Qメーター法とは、JISC648
1に準拠することによる誘電率の測定方法を意味する。
【0022】詳しくは、本発明は、一般式(1)及び
(2)で表されるブロック単位の双方または少なくとも
一方からなることを特徴とするものであり、以下、本発
明に係る新規な共重合体粉粒体の製造方法について述べ
る。かかる共重合体粉粒体は、前駆体としてポリアミド
酸共重合体を経て生成される。そこで、まず、前駆体で
あるポリアミド酸共重合体の製造方法を説明する。
(2)で表されるブロック単位の双方または少なくとも
一方からなることを特徴とするものであり、以下、本発
明に係る新規な共重合体粉粒体の製造方法について述べ
る。かかる共重合体粉粒体は、前駆体としてポリアミド
酸共重合体を経て生成される。そこで、まず、前駆体で
あるポリアミド酸共重合体の製造方法を説明する。
【0023】ポリアミド酸共重合体は酸二無水物とジア
ミン成分とを有機溶媒中で反応させることにより得られ
るが、本発明においては、まず、アルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気中において、一般式(3) H2 N−R2 −NH2 (式中、R2 は2価の有機基を示す。)で表される少な
くとも1種のジアミンと一般式(4)化11
ミン成分とを有機溶媒中で反応させることにより得られ
るが、本発明においては、まず、アルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気中において、一般式(3) H2 N−R2 −NH2 (式中、R2 は2価の有機基を示す。)で表される少な
くとも1種のジアミンと一般式(4)化11
【0024】
【化11】
【0025】(式中、R3 は水素、メチル基、フェニル
基を示す。また、nは1〜4の整数である。)で表され
る少なくとも1種のジアミンの混合物を、または一般式
(3)あるいは一般式(4)で表されるジアミンのいず
れか一方を、有機溶媒中に溶解、または拡散させる。こ
の溶液に一般式(5)化12
基を示す。また、nは1〜4の整数である。)で表され
る少なくとも1種のジアミンの混合物を、または一般式
(3)あるいは一般式(4)で表されるジアミンのいず
れか一方を、有機溶媒中に溶解、または拡散させる。こ
の溶液に一般式(5)化12
【0026】
【化12】
【0027】(式中、R1 は2価の有機基を示す。)で
表される1種のエステル酸二無水物を固体の状態または
有機溶媒溶液の状態で添加し、ポリアミド酸共重合体の
溶液を得る。
表される1種のエステル酸二無水物を固体の状態または
有機溶媒溶液の状態で添加し、ポリアミド酸共重合体の
溶液を得る。
【0028】また、この反応において、上記添加手順と
は逆に、まずエステル酸二無水物を有機溶媒中に溶解ま
たは拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体もしく
は有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加してもよ
い。
は逆に、まずエステル酸二無水物を有機溶媒中に溶解ま
たは拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体もしく
は有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加してもよ
い。
【0029】この時の反応温度は−10℃〜50℃が好
ましく、さらに好ましくは−5℃〜20℃である。反応
時間は30分〜6時間である。かかる反応により、本発
明の熱可塑性ポリイミド共重合体粉粒体の前駆体である
ポリアミド酸共重合体の溶液を得ることができる。
ましく、さらに好ましくは−5℃〜20℃である。反応
時間は30分〜6時間である。かかる反応により、本発
明の熱可塑性ポリイミド共重合体粉粒体の前駆体である
ポリアミド酸共重合体の溶液を得ることができる。
【0030】次に、この前駆体であるポリアミド酸溶液
からポリイミド共重合体粉粒体を得るためには、例え
ば、かかるポリアミド酸共重合体溶液をフィルム状に形
成してイミド化させてフィルム状のポリイミド共重合体
を得て、その後粉砕するという方法で得ることができ
る。イミド化させる方法としては、熱的及び/又は化学
的に脱水閉環(イミド化)する方法を用いればよい。
からポリイミド共重合体粉粒体を得るためには、例え
ば、かかるポリアミド酸共重合体溶液をフィルム状に形
成してイミド化させてフィルム状のポリイミド共重合体
を得て、その後粉砕するという方法で得ることができ
る。イミド化させる方法としては、熱的及び/又は化学
的に脱水閉環(イミド化)する方法を用いればよい。
【0031】このフィルム状のポリイミド共重合体粉粒
体を得る方法について例をあげて説明する。熱的に脱水
閉環(イミド化)する方法ではまず、上記ポリアミド酸
共重合体の溶液を支持板、PET等の有機フィルム、ド
ラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延または塗
布して膜状となし、乾燥後自己支持性の膜を得る。乾燥
は150℃以下の温度で約5〜90分間行うのが好まし
い。次いで、これを加熱し、乾燥イミド化すると、本発
明に係る熱可塑性ポリイミド共重合体からなるポリイミ
ド膜が得られる。加熱の際の温度は150〜350℃の
範囲の温度が好ましく、特には、200〜250℃が好
ましい。加熱の際の昇温速度には制限はないが、除々に
加熱して最高温度が上記温度になるようにするのが好ま
しい。加熱時間は、フィルム厚みや最高温度によって異
なるが、一般には最高温度に達してから10秒〜10分
の範囲が好ましい。
体を得る方法について例をあげて説明する。熱的に脱水
閉環(イミド化)する方法ではまず、上記ポリアミド酸
共重合体の溶液を支持板、PET等の有機フィルム、ド
ラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延または塗
布して膜状となし、乾燥後自己支持性の膜を得る。乾燥
は150℃以下の温度で約5〜90分間行うのが好まし
い。次いで、これを加熱し、乾燥イミド化すると、本発
明に係る熱可塑性ポリイミド共重合体からなるポリイミ
ド膜が得られる。加熱の際の温度は150〜350℃の
範囲の温度が好ましく、特には、200〜250℃が好
ましい。加熱の際の昇温速度には制限はないが、除々に
加熱して最高温度が上記温度になるようにするのが好ま
しい。加熱時間は、フィルム厚みや最高温度によって異
なるが、一般には最高温度に達してから10秒〜10分
の範囲が好ましい。
【0032】化学的に脱水閉環(イミド化)する方法で
は、上記ポリアミド酸共重合体の溶液に化学量論以上の
脱水剤と触媒量の第3級アミンを加え、熱的に脱水する
場合と同様の方法で処理すると、ポリイミド膜が得られ
る。化学的方法は熱を加えなくてもイミド化する方法で
あるが、イミド化が完結するまでに室温では数時間を要
するため、通常化学的方法を用いる場合には、熱的方法
を同時に併用する方法が用いられる。この場合、自己支
持膜を得るための乾燥時間、及びイミド化を完結させる
ための加熱時間が熱的方法のみの場合に比べて短くてす
む。
は、上記ポリアミド酸共重合体の溶液に化学量論以上の
脱水剤と触媒量の第3級アミンを加え、熱的に脱水する
場合と同様の方法で処理すると、ポリイミド膜が得られ
る。化学的方法は熱を加えなくてもイミド化する方法で
あるが、イミド化が完結するまでに室温では数時間を要
するため、通常化学的方法を用いる場合には、熱的方法
を同時に併用する方法が用いられる。この場合、自己支
持膜を得るための乾燥時間、及びイミド化を完結させる
ための加熱時間が熱的方法のみの場合に比べて短くてす
む。
【0033】これらの方法で作製したポリイミド膜を粉
砕することにより、所望のポリイミド粉粒体が得られる
のである。
砕することにより、所望のポリイミド粉粒体が得られる
のである。
【0034】また、本発明に係る新規な共重合体粉粒体
の他の製造方法として、上記ポリアミド酸共重合体の溶
液の状態で、イミド化させる方法を用いることもでき
る。かかる方法につき例をあげて説明する。熱的イミド
化では、化学量論以上の脱水剤を加え、溶液の温度を上
げて攪拌しながら放置すると、粉末が析出してくる。従
って、この粉末を乾燥させ、必要に応じてさらに加熱す
ることにより所望のポリイミド粉粒体が得られる。この
溶液の温度は150℃から300℃の範囲が好ましい。
また、攪拌時間は30分から6時間の範囲が好ましい。
また、化学的イミド化では、上記ポリアミド酸共重合体
の溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量の第3級アミン
を加え、室温で数時間攪拌した後、該反応溶液を、メタ
ノール、水等の貧溶媒に滴下し、糸状もしくは塊状に現
出させた後、乾燥、粉砕すれば所望のポリイミド粉粒体
が得られる。
の他の製造方法として、上記ポリアミド酸共重合体の溶
液の状態で、イミド化させる方法を用いることもでき
る。かかる方法につき例をあげて説明する。熱的イミド
化では、化学量論以上の脱水剤を加え、溶液の温度を上
げて攪拌しながら放置すると、粉末が析出してくる。従
って、この粉末を乾燥させ、必要に応じてさらに加熱す
ることにより所望のポリイミド粉粒体が得られる。この
溶液の温度は150℃から300℃の範囲が好ましい。
また、攪拌時間は30分から6時間の範囲が好ましい。
また、化学的イミド化では、上記ポリアミド酸共重合体
の溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量の第3級アミン
を加え、室温で数時間攪拌した後、該反応溶液を、メタ
ノール、水等の貧溶媒に滴下し、糸状もしくは塊状に現
出させた後、乾燥、粉砕すれば所望のポリイミド粉粒体
が得られる。
【0035】また、ポリイソイミド共重合体粉粒体を得
るためには、上述したポリイミド生成における反応物
質、即ち、ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物をジ
クロロカルボジイミド(DCC)等のジイミド及びトリ
フルオロ酢酸等のカルボン酸に置き換えた上で、前記ポ
リイミド共重合体粉粒体を得る場合と同様の反応を行え
ばよい。
るためには、上述したポリイミド生成における反応物
質、即ち、ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物をジ
クロロカルボジイミド(DCC)等のジイミド及びトリ
フルオロ酢酸等のカルボン酸に置き換えた上で、前記ポ
リイミド共重合体粉粒体を得る場合と同様の反応を行え
ばよい。
【0036】ここで、本発明に用いられる上記一般式
(3)で表されるジアミン化合物としては、本質的には
種々のジアミンが使用可能であるが、より具体的には、
諸特性のバランス面から一般式(3)中のR2 が、化1
3
(3)で表されるジアミン化合物としては、本質的には
種々のジアミンが使用可能であるが、より具体的には、
諸特性のバランス面から一般式(3)中のR2 が、化1
3
【0037】
【化13】
【0038】から選択される2価の有機基であるジアミ
ンを主成分とすることが更に好ましい。これらの置換基
R2 は電気親和力pKaの点から選択されていることは
自明である。なお、上記の置換基R2 によって特定され
るジアミンは、1種類で用いても2種類以上の混合とし
て用いてもよい。
ンを主成分とすることが更に好ましい。これらの置換基
R2 は電気親和力pKaの点から選択されていることは
自明である。なお、上記の置換基R2 によって特定され
るジアミンは、1種類で用いても2種類以上の混合とし
て用いてもよい。
【0039】また、上記一般式(4)で表されるジアミ
ン化合物としては、化14
ン化合物としては、化14
【0040】
【化14】
【0041】に示すように、ニトロフェノール誘導体
からNa塩を合成し、次いでアルキルハライドと反応
させてジニトロ体とし、更にパラジウム活性炭素を用
いて還元させることにより得ることができる。なお、一
般式(4)中のR3 は、水素、メチル基、フェニル基か
ら選択され、アミノ基の位置はオルト、メタ、パラ位の
いずれであってもよい。得られたジアミン化合物は、1
種類で用いても2種類以上の混合物として用いてもよ
い。
からNa塩を合成し、次いでアルキルハライドと反応
させてジニトロ体とし、更にパラジウム活性炭素を用
いて還元させることにより得ることができる。なお、一
般式(4)中のR3 は、水素、メチル基、フェニル基か
ら選択され、アミノ基の位置はオルト、メタ、パラ位の
いずれであってもよい。得られたジアミン化合物は、1
種類で用いても2種類以上の混合物として用いてもよ
い。
【0042】また、上記一般式(5)で表されるエステ
ル酸二無水物としては、本質的にはあらゆる構造のエス
テル酸二無水物を使用可能であるが、より具体的には、
諸特性のバランスから一般式(5)中のR1 が、化15
ル酸二無水物としては、本質的にはあらゆる構造のエス
テル酸二無水物を使用可能であるが、より具体的には、
諸特性のバランスから一般式(5)中のR1 が、化15
【0043】
【化15】
【0044】から選択される2価の有機基であるエステ
ル酸二無水物を主成分とすることが更に望ましい。な
お、上記R1 によって特定されるエステル酸二無水物
は、1種類で用いても2種類以上の混合物として用いて
もよい。
ル酸二無水物を主成分とすることが更に望ましい。な
お、上記R1 によって特定されるエステル酸二無水物
は、1種類で用いても2種類以上の混合物として用いて
もよい。
【0045】また、ポリアミド酸の生成反応に使用され
る有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド
系溶媒等を挙げることができる。これらを1種類の溶媒
のみで用いることも、2種あるいは3種以上からなる混
合溶媒として用いることもできる。また、これらの極性
溶媒とポリアミド酸の非溶媒とからなる混合溶媒も用い
ることもできる。ポリアミド酸の非溶媒としては、アセ
トン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベ
ンゼン、メチルセロソルブ等を挙げることができる。
る有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド
系溶媒等を挙げることができる。これらを1種類の溶媒
のみで用いることも、2種あるいは3種以上からなる混
合溶媒として用いることもできる。また、これらの極性
溶媒とポリアミド酸の非溶媒とからなる混合溶媒も用い
ることもできる。ポリアミド酸の非溶媒としては、アセ
トン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベ
ンゼン、メチルセロソルブ等を挙げることができる。
【0046】また、触媒として使用される第3級アミン
としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ
−ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イ
ソキノリンなどが好ましい。
としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ
−ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イ
ソキノリンなどが好ましい。
【0047】かかる反応により、前記一般式(1)及び
一般式(2)で表されるブロック単位の双方又はいずれ
か一方からなるポリイミド共重合体粉粒体あるいはポリ
イソイミド共重合粒体を得ることができるのである。
一般式(2)で表されるブロック単位の双方又はいずれ
か一方からなるポリイミド共重合体粉粒体あるいはポリ
イソイミド共重合粒体を得ることができるのである。
【0048】このようにして得られた本発明に係る共重
合体粉粒体において、一般式(1)及び一般式(2)で
表されるブロック単位の繰り返し数は、各々0又は1以
上の整であるが、150〜250℃のガラス転移温度と
1%以下の低吸水率及び3以下の誘電率を発現するため
には、式(1)と(2)で表されるブロック単位の繰り
返し数の和が1以上でなければならない。但し、式
(1)(2)で表されるブロック単位の繰り返し数が各
々15を越えると、共重合比が偏り、共重合すことの効
果が小さくなる。具体的には、ガラス転移点が高くなり
すぎるため、低温接着性が認めにくくなる。従って、式
(1)(2)で表されるブロック単位の繰り返し数は各
々15以下であることが好ましい。
合体粉粒体において、一般式(1)及び一般式(2)で
表されるブロック単位の繰り返し数は、各々0又は1以
上の整であるが、150〜250℃のガラス転移温度と
1%以下の低吸水率及び3以下の誘電率を発現するため
には、式(1)と(2)で表されるブロック単位の繰り
返し数の和が1以上でなければならない。但し、式
(1)(2)で表されるブロック単位の繰り返し数が各
々15を越えると、共重合比が偏り、共重合すことの効
果が小さくなる。具体的には、ガラス転移点が高くなり
すぎるため、低温接着性が認めにくくなる。従って、式
(1)(2)で表されるブロック単位の繰り返し数は各
々15以下であることが好ましい。
【0049】また、分子量については特に制約はない
が、生成されるポリイミド粉粒体及びこれを原料とする
成形体の強度を維持するためには、数平均分子量が5万
以上、更には8万以上、特には10万以上、更には12
万以上が好ましい。
が、生成されるポリイミド粉粒体及びこれを原料とする
成形体の強度を維持するためには、数平均分子量が5万
以上、更には8万以上、特には10万以上、更には12
万以上が好ましい。
【0050】なお、ポリイミド共重合体の分子量を直接
測定することは困難であり、本発明におけるポリイミド
の分子量に関する記述は間接的な方法によって得た測定
値による推測である。即ち、本発明においては、前駆体
であるポリアミド酸の分子量に相当する値をポリイミド
の分子量とする。
測定することは困難であり、本発明におけるポリイミド
の分子量に関する記述は間接的な方法によって得た測定
値による推測である。即ち、本発明においては、前駆体
であるポリアミド酸の分子量に相当する値をポリイミド
の分子量とする。
【0051】上記製法により得られた本発明に係る新規
な芳香族ポリイミド共重合体粉粒体は、優れた耐熱性、
熱可塑性、接着性、低吸水特性及び低誘電特性とを併せ
有しており、その発現機構は明らかではないが、イミド
五員環に近接するエステル基により、電子の偏りを低減
しているためではないかと推察している。
な芳香族ポリイミド共重合体粉粒体は、優れた耐熱性、
熱可塑性、接着性、低吸水特性及び低誘電特性とを併せ
有しており、その発現機構は明らかではないが、イミド
五員環に近接するエステル基により、電子の偏りを低減
しているためではないかと推察している。
【0052】以上のような方法で得られた新規な共重合
体粉粒体の応用の一例としては、例えば、押出フィルム
が挙げられる。即ち、先述した通常のポリイミドの製膜
方法では、その製法の特性からせいぜい200〜300
μmの厚みが限度であるが、本発明にかかる共重合体粉
粒体を押出成形することにより更に厚いフィルムを簡便
に得ることができる。
体粉粒体の応用の一例としては、例えば、押出フィルム
が挙げられる。即ち、先述した通常のポリイミドの製膜
方法では、その製法の特性からせいぜい200〜300
μmの厚みが限度であるが、本発明にかかる共重合体粉
粒体を押出成形することにより更に厚いフィルムを簡便
に得ることができる。
【0053】このフィルムは通常の製膜方法で得たフィ
ルムと同様に、カバーレイ用接着剤、フレキシブルプリ
ント基板、超電導用線材等の絶縁被覆用積層フィルム、
ボンディングシートとして好適であり、さらに、シール
剤や基材として用いることができる。また、その他の用
途としては、チューブやカテーテル、定着ローラー、O
リング、ベアリング軸の被覆等に好適であるが、機械強
度、耐放射線性、耐薬品性、低温特性、耐熱性、加工
性、接着性、低吸水特性、誘電特性における優れた特性
を発揮する限りにおいては用途は特に限定されない。
ルムと同様に、カバーレイ用接着剤、フレキシブルプリ
ント基板、超電導用線材等の絶縁被覆用積層フィルム、
ボンディングシートとして好適であり、さらに、シール
剤や基材として用いることができる。また、その他の用
途としては、チューブやカテーテル、定着ローラー、O
リング、ベアリング軸の被覆等に好適であるが、機械強
度、耐放射線性、耐薬品性、低温特性、耐熱性、加工
性、接着性、低吸水特性、誘電特性における優れた特性
を発揮する限りにおいては用途は特に限定されない。
【0054】更に、本発明の係る熱融着性を有する新規
な共重合粉粒体に、ナイロン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリ
ル酸メチル等の熱可塑性樹脂、フィラー等を配合するこ
とにより、機械強度、接着性等の諸特性を向上させた樹
脂組成物を得ることもできる。
な共重合粉粒体に、ナイロン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリ
ル酸メチル等の熱可塑性樹脂、フィラー等を配合するこ
とにより、機械強度、接着性等の諸特性を向上させた樹
脂組成物を得ることもできる。
【0055】以上、本発明に係る熱融着性を有する新規
な共重合体粉粒体の有用性を明らかにすべく、応用例の
一つを説明したが、本発明はこれによって限定されるも
のではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で当
業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加え
た態様で実施しうるものである。
な共重合体粉粒体の有用性を明らかにすべく、応用例の
一つを説明したが、本発明はこれによって限定されるも
のではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で当
業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加え
た態様で実施しうるものである。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0057】はじめに、本発明の実施例において用いる
一般式(4)で表されるジアミン化合物のうち、ビス
(2-(4-アミノフェノキシ)エトキシ)エタン(以下、
DA3EGという。)の調整方法を説明し、実施例の参
考に供する。
一般式(4)で表されるジアミン化合物のうち、ビス
(2-(4-アミノフェノキシ)エトキシ)エタン(以下、
DA3EGという。)の調整方法を説明し、実施例の参
考に供する。
【0058】〔p−ニトロフェノールNa塩の合成〕メ
カニカルスターラーを取りつけた1リットル容のセパラ
ブルフラスコに、192.99g(1.39mol)の
p−ニトロフェノールと55.5g(1.39mol)
の水酸化ナトリウムを水500ccに溶解させた水溶液
を仕込んだ。100℃で4時間反応させた後、室温に戻
した。このまま反応溶液を1夜静置したところ、結晶が
析出してきたので、濾過床上で結晶を集めた。水を取り
除く為に、トルエンで結晶を洗浄し、乾燥させたとこ
ろ、165.57g(収率;74.0%)のNa塩を得
た。融点は、113.4℃(文献値;113℃)であっ
た。
カニカルスターラーを取りつけた1リットル容のセパラ
ブルフラスコに、192.99g(1.39mol)の
p−ニトロフェノールと55.5g(1.39mol)
の水酸化ナトリウムを水500ccに溶解させた水溶液
を仕込んだ。100℃で4時間反応させた後、室温に戻
した。このまま反応溶液を1夜静置したところ、結晶が
析出してきたので、濾過床上で結晶を集めた。水を取り
除く為に、トルエンで結晶を洗浄し、乾燥させたとこ
ろ、165.57g(収率;74.0%)のNa塩を得
た。融点は、113.4℃(文献値;113℃)であっ
た。
【0059】〔ビス(2- (4-ニトロフェノキシ)エトキ
シ)エタンの合成〕滴下ロートとメカニカルスターラー
を取りつけた1リットル容のセパラブルフラスコに、7
4.5g(0.46mol)のp−ニトロフェノールN
a塩と250mlのDMFを仕込み、反応系を140℃
にした。Na塩が完全に溶解した後、滴下ロートより、
43g(0.23mol)の1、2−ビス(2−クロロ
エトキシ)エタンをゆっくり滴下した。1夜反応を続け
た後、反応溶液を大量の水にあけ、沈澱物を得た。沈澱
を吸引濾過により集めた後、トルエンを溶媒として再結
晶操作を行ったところ、59.14g(収率;65.6
%)のジニトロ体;ビス(2- 4(- ニトロフェノキシ)エ
トキシ)エタンを得た。融点は、96.2℃(文献値;
96℃)であった。
シ)エタンの合成〕滴下ロートとメカニカルスターラー
を取りつけた1リットル容のセパラブルフラスコに、7
4.5g(0.46mol)のp−ニトロフェノールN
a塩と250mlのDMFを仕込み、反応系を140℃
にした。Na塩が完全に溶解した後、滴下ロートより、
43g(0.23mol)の1、2−ビス(2−クロロ
エトキシ)エタンをゆっくり滴下した。1夜反応を続け
た後、反応溶液を大量の水にあけ、沈澱物を得た。沈澱
を吸引濾過により集めた後、トルエンを溶媒として再結
晶操作を行ったところ、59.14g(収率;65.6
%)のジニトロ体;ビス(2- 4(- ニトロフェノキシ)エ
トキシ)エタンを得た。融点は、96.2℃(文献値;
96℃)であった。
【0060】〔ビス(2- (4- アミノフェノキシ)エトキ
シ)エタン(DA3EG)の合成〕ジムロート還流冷却
管、滴下ロートとメカニカルスターラーを取りつけた1
リットル容のセパラブルフラスコに、26.26g
(0.067mol)のビス(2-(4- ニトロフェノキ
シ)エトキシ)エタンと500mlのエタノールと3g
の10%のパラジウム活性炭素を仕込んだ。還流が開始
した後に、滴下ロートにより、16g(0.135mo
l)のヒドラジン水和物をゆっくり滴下した。1夜還流
を続けた後、セライト床を用いて減圧下にパラジウム活
性炭素を濾過した。溶媒を減圧下に留去したところ、固
体状の粗生成物が得られた。エタノールを溶媒として再
結晶操作を行ったところ、10.07g(収率;45.
3%)のジアミン;ビス(2- (4- アミノフェノキシ)エ
トキシ)エタンが得られた。融点は、95.0℃(文献
値;92.7℃)であった。
シ)エタン(DA3EG)の合成〕ジムロート還流冷却
管、滴下ロートとメカニカルスターラーを取りつけた1
リットル容のセパラブルフラスコに、26.26g
(0.067mol)のビス(2-(4- ニトロフェノキ
シ)エトキシ)エタンと500mlのエタノールと3g
の10%のパラジウム活性炭素を仕込んだ。還流が開始
した後に、滴下ロートにより、16g(0.135mo
l)のヒドラジン水和物をゆっくり滴下した。1夜還流
を続けた後、セライト床を用いて減圧下にパラジウム活
性炭素を濾過した。溶媒を減圧下に留去したところ、固
体状の粗生成物が得られた。エタノールを溶媒として再
結晶操作を行ったところ、10.07g(収率;45.
3%)のジアミン;ビス(2- (4- アミノフェノキシ)エ
トキシ)エタンが得られた。融点は、95.0℃(文献
値;92.7℃)であった。
【0061】以下、本発明の実施例について具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0062】〔実施例 1〕攪拌機を備え、窒素置換し
た500ml容の三口フラスコに一般式(3)で表され
るオキシジアニリン(以下ODAという)20.02g
(0.10モル)と上述のようにして得られた一般式
(4)で表されるDA3EG16.6g(0.050モ
ル)とジメチルホルムアミド(以下DMFという)25
0gを仕込んだ。その中に、一般式(5)で表される3,
3',4,4'-エチレングリコールジベンゾエートテトラカル
ボン酸二無水物(以下TMEGという)61.55g
(0.15モル)を、60gまで粉体で添加し、更にB
型粘度計の測定による三口フラスコ中の粘度に注目しな
がら、TMEG1.55gをDMF30gに溶解させた
溶液を、三口フラスコ内に徐々に投入した。最大粘度に
達したところで、TMEG溶液の投入を終了し、1時間
攪拌しながら放置した。その後、DMFを40g加えて
攪拌し、一般式(1)と一般式(2)のモル比が3:2
のポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液
の構造はR1 基が −CH2 −CH2 − R2 が化16
た500ml容の三口フラスコに一般式(3)で表され
るオキシジアニリン(以下ODAという)20.02g
(0.10モル)と上述のようにして得られた一般式
(4)で表されるDA3EG16.6g(0.050モ
ル)とジメチルホルムアミド(以下DMFという)25
0gを仕込んだ。その中に、一般式(5)で表される3,
3',4,4'-エチレングリコールジベンゾエートテトラカル
ボン酸二無水物(以下TMEGという)61.55g
(0.15モル)を、60gまで粉体で添加し、更にB
型粘度計の測定による三口フラスコ中の粘度に注目しな
がら、TMEG1.55gをDMF30gに溶解させた
溶液を、三口フラスコ内に徐々に投入した。最大粘度に
達したところで、TMEG溶液の投入を終了し、1時間
攪拌しながら放置した。その後、DMFを40g加えて
攪拌し、一般式(1)と一般式(2)のモル比が3:2
のポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液
の構造はR1 基が −CH2 −CH2 − R2 が化16
【0063】
【化16】
【0064】また、R3 基が水素基、nが3であり、置
換部位はパラ位であった。また、到達粘度は2500ポ
イズであった。なお、粘度は5℃にて測定した。
換部位はパラ位であった。また、到達粘度は2500ポ
イズであった。なお、粘度は5℃にて測定した。
【0065】このポリアミド酸溶液100gを1リット
ル容の三口フラスコに採り、DMF900g、β−ピコ
リン5.0g、無水酢酸8.0gを加え、氷冷下で2時
間攪拌した。その後高速で攪拌したメタノール中にこの
溶液を少しずつ垂らした。メタノール中に析出した糸状
のポリイミドを150℃で30分乾燥後、ミキサーで粉
砕し、250℃、2分加熱してイミド化を完全に行い、
本発明に係るポリイミド共重合体粉粒体を得た。このポ
リイミド共重合体粉粒体について、ASTMD−570
規格に基づき、20℃の純水に24時間浸した時の吸水
率を測定したところ、0.6%であった。また、JIS
C6481に準拠したQメーター法により、この粉粒体
の誘電率を測定したところ、2.95であった。その測
定結果は表1に示した。さらに、このポリイミド粉粒体
の溶融押出粘度(poise) を測定し、その結果を図1に○
印で示した。
ル容の三口フラスコに採り、DMF900g、β−ピコ
リン5.0g、無水酢酸8.0gを加え、氷冷下で2時
間攪拌した。その後高速で攪拌したメタノール中にこの
溶液を少しずつ垂らした。メタノール中に析出した糸状
のポリイミドを150℃で30分乾燥後、ミキサーで粉
砕し、250℃、2分加熱してイミド化を完全に行い、
本発明に係るポリイミド共重合体粉粒体を得た。このポ
リイミド共重合体粉粒体について、ASTMD−570
規格に基づき、20℃の純水に24時間浸した時の吸水
率を測定したところ、0.6%であった。また、JIS
C6481に準拠したQメーター法により、この粉粒体
の誘電率を測定したところ、2.95であった。その測
定結果は表1に示した。さらに、このポリイミド粉粒体
の溶融押出粘度(poise) を測定し、その結果を図1に○
印で示した。
【0066】
【表1】
【0067】〔実施例 2〕一般式(4)で表されるジ
アミン化合物(DA3EG)と、一般式(5)で表され
る2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾ
エート-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(ESD
A)から、実質的に実施例1と同様の方法で、ポリアミ
ド酸溶液を得た。そして、このポリアミド酸溶液を用
い、実施例1と同様に、一般式(2)のみで表されるポ
リイミド粉粒体を得た。得られたポリイミド粉粒体につ
いて、実施例1と同様にして吸水率(%)、誘電率、溶
融押出粘度を測定し、その測定結果を表1及び図1(図
中□印)に示した。
アミン化合物(DA3EG)と、一般式(5)で表され
る2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾ
エート-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(ESD
A)から、実質的に実施例1と同様の方法で、ポリアミ
ド酸溶液を得た。そして、このポリアミド酸溶液を用
い、実施例1と同様に、一般式(2)のみで表されるポ
リイミド粉粒体を得た。得られたポリイミド粉粒体につ
いて、実施例1と同様にして吸水率(%)、誘電率、溶
融押出粘度を測定し、その測定結果を表1及び図1(図
中□印)に示した。
【0068】〔実施例 3〕一般式(3)で表されるジ
アミン化合物ODAと、一般式(5)で表されるTME
Gから、実質的に実施例1と同様の方法で、ポリアミド
酸溶液を得た。そして、このポリアミド酸溶液を用い、
実施例1と同様に、一般式(1)のみで表されるポリイ
ミド粉粒体を得た。得られたポリイミド粉粒体につい
て、実施例1と同様にして吸水率(%)、誘電率、溶融
押出粘度を測定し、その測定結果を表1及び図1(図中
△印)に示した。
アミン化合物ODAと、一般式(5)で表されるTME
Gから、実質的に実施例1と同様の方法で、ポリアミド
酸溶液を得た。そして、このポリアミド酸溶液を用い、
実施例1と同様に、一般式(1)のみで表されるポリイ
ミド粉粒体を得た。得られたポリイミド粉粒体につい
て、実施例1と同様にして吸水率(%)、誘電率、溶融
押出粘度を測定し、その測定結果を表1及び図1(図中
△印)に示した。
【0069】〔比較例 1〕ピロメリット酸二無水物と
ODAから、実質的に実施例1と同様にしてポリアミド
酸溶液を得て、さらにポリイミド粉粒体を得た。得られ
たポリイミド粉粒体について、実施例1と同様に吸水率
(%)、誘電率を測定し、その測定結果を表1に示し
た。溶融押出粘度については、溶融しないため測定でき
なかった。
ODAから、実質的に実施例1と同様にしてポリアミド
酸溶液を得て、さらにポリイミド粉粒体を得た。得られ
たポリイミド粉粒体について、実施例1と同様に吸水率
(%)、誘電率を測定し、その測定結果を表1に示し
た。溶融押出粘度については、溶融しないため測定でき
なかった。
【0070】〔比較例 2〕ピロメリット酸二無水物と
パラフェニレンジアミンから、実質的に実施例1と同様
にしてポリアミド酸溶液を得て、さらにポリイミド粉粒
体を得た。得られたポリイミド粉粒体について、実施例
1と同様に吸水率(%)、誘電率を測定し、その測定結
果を表1に示した。溶融押出粘度については、溶融しな
いため測定できなかった。
パラフェニレンジアミンから、実質的に実施例1と同様
にしてポリアミド酸溶液を得て、さらにポリイミド粉粒
体を得た。得られたポリイミド粉粒体について、実施例
1と同様に吸水率(%)、誘電率を測定し、その測定結
果を表1に示した。溶融押出粘度については、溶融しな
いため測定できなかった。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明の新規なポリ
イミド共重合体粉粒体は、ガラス転移温度が150℃〜
250℃であり、更に、1%以下の吸水率と3以下の誘
電率を併せ持っている。具体的には、一般式(1)
(2)で表されるブロック単位の双方又は少なくとも一
方からなることを特徴とし、優れた耐熱性と加工性、誘
電率、低吸水率等を実現するものである。従って、本発
明の新規な共重合体粉粒体は、例えば、カバーレイ用接
着剤、フレキシブルプリント基板、超電導用線材等の絶
縁被覆用積層フィルム、ボンディングシートとして好適
であり、さらに、シール剤や基材等として用いることが
できる。
イミド共重合体粉粒体は、ガラス転移温度が150℃〜
250℃であり、更に、1%以下の吸水率と3以下の誘
電率を併せ持っている。具体的には、一般式(1)
(2)で表されるブロック単位の双方又は少なくとも一
方からなることを特徴とし、優れた耐熱性と加工性、誘
電率、低吸水率等を実現するものである。従って、本発
明の新規な共重合体粉粒体は、例えば、カバーレイ用接
着剤、フレキシブルプリント基板、超電導用線材等の絶
縁被覆用積層フィルム、ボンディングシートとして好適
であり、さらに、シール剤や基材等として用いることが
できる。
【図1】溶融押出粘度(poise)と温度(℃)との関係を
示したグラフである。
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野尻 仁志 滋賀県大津市比叡辻2−1−2
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス転移温度が150℃〜250℃で
あり、更に、1%以下の吸水率と3以下の誘電率を併せ
持つ熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱融着性を
有する新規な共重合体粉粒体。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂が、一般式(1)化1 【化1】 及び一般式(2)化2 【化2】 (式中、R1 、R2 は2価の有機基、R3 は、水素、メ
チル基、フェニル基から選択される有機基を示し、nは
1〜4の整数である。またXは、化3 【化3】 から選択される3価の結合基である。)で表されるブロ
ック単位の双方又は少なくとも一方からなることを特徴
とする、請求項1に記載する熱融着性を有する新規な共
重合体粉粒体。 - 【請求項3】 前記一般式(1)(2)中のR1 が化4 【化4】 に示す2価の有機基の群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする請求項2に記載する熱融着性を
有する新規な共重合体粒体。 - 【請求項4】 前記一般式(1)中のR2 が化5 【化5】 に示す2価の有機基の群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載す
る熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24014595A JPH0987389A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24014595A JPH0987389A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987389A true JPH0987389A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17055172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24014595A Withdrawn JPH0987389A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 熱融着性を有する新規な共重合体粉粒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987389A (ja) |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP24014595A patent/JPH0987389A/ja not_active Withdrawn
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