JPH0986887A - ウインチの制動装置 - Google Patents

ウインチの制動装置

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JPH0986887A
JPH0986887A JP25103295A JP25103295A JPH0986887A JP H0986887 A JPH0986887 A JP H0986887A JP 25103295 A JP25103295 A JP 25103295A JP 25103295 A JP25103295 A JP 25103295A JP H0986887 A JPH0986887 A JP H0986887A
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Yoshio Masuda
良夫 増田
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隆典 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワイヤの飛び出しを防止できるウインチの制動
装置を得る。 【解決手段】外力の付与によりワイヤ2が巻回されたド
ラムを制動する湿式多板ブレーキ機構52と、湿式多板
ブレーキ機構52に外力を付与する制動ばね66,68
と、導入される流体圧の作用で制動ばね66,68の付
勢力に抗して外力の付与を解除する解除シリンダ58,
60とを備えている。そして、変位により湿式多板ブレ
ーキ機構52の板間隔を調整可能な半制動シリンダ7
0,72を配置した。半制動シリンダ70,72に流体
圧を導入する供給通路と連通したノズル90,92を半
制動シリンダ70,72の変位に応じて移動可能に配置
し、また、マスタシリンダからの流体圧とノズル90,
92からの流体圧との対向作用を受ける弁体94,96
を備えた制御弁130,132を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤが巻回され
たドラムを回転させてワイヤの巻き上げ、繰り出しを行
う際に、ドラムを制動するウインチの制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、特公平2−41509号公報
にあるように、内周面にライニングが取り付けられたブ
レーキバンドを有し、ブレーキペダルの操作に応じてブ
レーキバンドをブレーキドラムに締付け、ブレーキドラ
ムを制動するようにしたウインチの制動装置が知られて
いる。
【0003】しかし、このようなものでは、吊下げたハ
ンマグラブ等を落下させて杭穴を掘削する場合のよう
に、ハンマグラブ等を自由落下させ、ブレーキペダルの
踏込により制動をかけると、ブレーキドラムがかなりの
高温になってしまう。そこで、これを解決するために、
特開平6−64896号公報にあるように、ウインチド
ラムと一体にブレーキドラムを形成し、このブレーキド
ラムにブレーキバンドを巻き付け、放熱容量の大きなウ
インチドラムを利用して放熱性を改善したものも提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来のものでは、ハンマグラブ等を落下させて掘削す
る際に、ハンマグラブが着地した後直ちにドラムを制動
しないと、ワイヤが飛び出してドラムの乱巻となってし
まい、作業能率が低下すると共に、ワイヤの損傷が激し
いという問題があった。また、着地する前にドラムを制
動してしまうと、ハンマグラブ等の食い込みが少なくな
り、作業能率が低下するという問題があった。
【0005】本発明の課題は、ワイヤの飛び出しを防止
できるウインチの制動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成すべ
く、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即
ち、外力の付与によりワイヤが巻回されたドラムを制動
するブレーキ機構と、該ブレーキ機構に外力を付与する
制動ばねと、導入される流体圧の作用で前記制動ばねの
付勢力に抗して前記外力の付与を解除する解除シリンダ
とを備えたウインチの制動装置において、前記ブレーキ
機構は湿式多板ブレーキ機構で、前記湿式多板ブレーキ
機構の板間隔を所定量狭める半制動機構を設けたことを
特徴とするウインチの制動装置がそれである。
【0007】また、前記半制動機構は、変位により前記
湿式多板ブレーキ機構の板間隔を所定量狭める半制動シ
リンダを備えたものでもよく、あるいは、前記半制動機
構は、変位により前記湿式多板ブレーキ機構の板間隔を
調整可能な半制動シリンダを備え、かつ、前記半制動シ
リンダに流体を供給する供給通路と連通し低圧側に開口
したノズルを有すると共に、該ノズルは前記半制動シリ
ンダの変位に応じて移動可能に配置され、また、マスタ
シリンダからの流体圧と前記ノズルから吐出される流体
圧との対向作用を受ける弁体を備えた制御弁を有するも
のでもよい。更に、前記湿式多板ブレーキ機構の冷却油
と、前記解除シリンダ及び前記半制動シリンダの流体と
を同一のタンクとの間で給排するものでもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1に示すように、1はドラ
ムで、ドラム1の外周にはワイヤ2を巻回させることが
できるようにされている。ドラム1は遊星減速機4を介
して油圧モータ6により回転駆動され、油圧モータ6は
内蔵ブレーキ8を備えている。
【0009】また、遊星減速機4は、本実施例では、2
組の遊星歯車列を備えたものであり、油圧モータ6に取
り付けられた第1太陽歯車10と、第1太陽歯車10に
噛合された一対の第1遊星歯車12,14と、第1遊星
歯車12,14に噛合されドラム1の内周に固定された
第1内歯歯車16とを備えている。第1遊星歯車12,
14は第1キャリヤ18に回転可能に支持されており、
第1キャリヤ18は油圧モータ6の回転中心の廻りに回
転可能に支承されている。
【0010】遊星減速機4は、更に、油圧モータ6の回
転中心と同軸上に設けられ、第1キャリヤ18に固定さ
れた第2太陽歯車20と、第2太陽歯車20に噛合され
た一対の第2遊星歯車22,24と、第2遊星歯車2
2,24が噛合されドラム1の内周に固定された第2内
歯歯車26とを備えている。
【0011】第2遊星歯車22,24は第2キャリヤ2
8に回転可能に支承されており、第2キャリヤ28は油
圧モータ6の回転中心と同軸上にキャリヤ軸30を備え
ている。キャリヤ軸30には、ドラム1が軸受け32を
介して回転可能に支承されており、ドラム1は図示しな
い本体に軸受け34を介して回転可能に支承されてい
る。
【0012】また、キャリヤ軸30の端は図示しない本
体に軸受け36を介して回転可能に支承されている。キ
ャリヤ軸30は気密に形成されたケース38を貫通する
と共に、一対の軸受け40,42を介して回転可能に支
承されており、ケース38は図示しない本体に固定され
ている。
【0013】キャリヤ軸30には、多数の回転板44が
軸方向には移動できるが一体的に回転するように取り付
けられており、回転板44に対向して回転板44の間に
交互に介装された固定板46が軸方向には移動できる
が、軸廻りの回転はケース38に伝達されるようにケー
ス38に取り付けられている。これにより、外力が付与
されて固定板46が軸方向に押圧されると、固定板46
と回転板44との間の摩擦力により、キャリヤ軸30が
制動されるように構成されている。
【0014】ケース38には、供給孔48と排出孔50
とが形成されており、供給孔48から供給される冷却油
が回転板44と固定板46とを冷却した後、排出孔50
から排出されるように構成されており、このケース3
8、回転板44、固定板46により湿式多板ブレーキ機
構52が構成されている。
【0015】湿式多板ブレーキ機構52は、回転板44
と固定板46とが外力により押し付けられると大きな制
動力を発生するが、図6に示すように、回転板44と固
定板46との間に冷却油が存在する板間隔であるときに
は、流体摩擦、境界摩擦によりその制動力は小さなもの
で、またその制動力は板間隔に比例する。
【0016】ケース38内には、回転板44、固定板4
6と対向して、これらに向かってシリンダロッド54,
56を突き出すように、解除シリンダ58,60が設け
られている。解除シリンダ58,60のシリンダチュー
ブ62,64内には、制動ばね66,68がシリンダロ
ッド54,56を突き出す方向に付勢するように収納さ
れている。解除シリンダ58,60に作動油が供給され
たときには、シリンダロッド54,56を制動ばね6
6,68の付勢力に抗して引くように構成されている。
【0017】シリンダロッド54,56には、それぞれ
半制動シリンダ70,72のシリンダロッド74,76
が接続されており、半制動シリンダ70,72のシリン
ダチューブ78,80はケース38内で移動できるよう
に構成されている。シリンダチューブ78,80内には
シリンダロッド74,76に挿着されたコイルばね8
2,84が収納されている。
【0018】解除シリンダ58,60及び半制動シリン
ダ70,72に作動油が供給されていない状態のときに
は、図3に示すように、制動ばね66,68の付勢力
が、シリンダロッド54,56、シリンダロッド74,
76、シリンダチューブ78,80を介して湿式多板ブ
レーキ機構52に外力として付与されるように構成され
ている。
【0019】後述するドラム1の回転でワイヤ2を巻き
上げる際に、キャリヤ軸30は回転しないように保持す
る必要があり、巻き上げによる大きな反力が湿式多板ブ
レーキ機構52に加わる。湿式多板ブレーキ機構52は
このとき大きな制動力を必要とし、付加される外力も大
きい必要がある。よって、制動ばね66,68の付勢力
は非常に大きく、従って、解除シリンダ58,60も大
きな推力が得られるようにシリンダ径が大きなものが用
いられる。
【0020】解除シリンダ58,60及び半制動シリン
ダ70,72に作動油が供給された状態のときには、図
5に示すように、解除シリンダ58,60では制動ばね
66,68の付勢力に抗してシリンダロッド54,56
が引かれ、半制動シリンダ70,72ではコイルばね8
2,84の付勢力に抗してシリンダチューブ78,80
が湿式多板ブレーキ機構52に向かって移動され、その
変位に応じて回転板44と固定板46との板間隔を調整
できるように構成されている。
【0021】ドラム1の慣性による回転を制動できる程
度の制動力は小さく、前述した巻き上げ時等に必要とす
る制動力が得られる容量の湿式多板ブレーキ機構52を
用いた場合、慣性回転を制動する程度の制動力を生じさ
せるには、図6に示すような流体摩擦、境界摩擦の領域
を用いる必要がある。よって、半制動シリンダ70,7
2への供給作動油圧、半制動シリンダ70,72のシリ
ンダ径は板間隔を調整できる程度の推力を得られる程度
でよく、前述した巻き上げ時の外力と比べ、小さな力で
十分である。
【0022】半制動シリンダ70,72には、作動油が
供給される供給管86,88が接続されており、シリン
ダチューブ78,80と共に移動するように設けられて
いる。供給管86,88には、ケース38内に開口した
ノズル90,92が接続されており、ノズル90,92
はシリンダロッド74,76の軸方向と平行に設けら
れ、湿式多板ブレーキ機構52と反対側に開口されてい
る。
【0023】このノズル90,92に対向して、ノズル
90,92を開放・閉塞可能な弁体94,96が設けら
れており、弁体94,96はノズル90,92から吐出
される作動油の作用力を受けると共に、図2に示すよう
に、操作者のブレーキペダル98の踏込により、作動油
を吐出するマスタシリンダ100からの作動油圧の作用
力を逆方向に受けるように構成されている。
【0024】本実施例では、湿式多板ブレーキ機構52
に供給される冷却油と、解除シリンダ58,60、半制
動シリンダ70,72に供給される作動油とは同じ流体
で共用しており、共にタンク102に蓄えられる。この
タンク102から冷却用ポンプ104により汲み上げら
れて、フィルタ106、冷却器108が介装された冷却
通路109を介して供給孔48からケース38内に冷却
油が供給されるように構成されている。尚、フィルタ1
06には、チェック弁110が並列に接続されている。
【0025】また、タンク102から作動用ポンプ11
2により汲み上げられ加圧された作動油は、解除弁11
4、絞り118が介装された解除通路117を介して解
除シリンダ58,60に供給されるように接続されてい
る。解除弁114は、励磁信号が入力されないときには
作動用ポンプ112と解除シリンダ58,60との連通
を遮断し解除シリンダ58,60とタンク102とを連
通する遮断位置114a、励磁信号が入力されたときに
は作動用ポンプ112と解除シリンダ58,60とを連
通する連通位置114bを備えている。
【0026】作動用ポンプ112と半制動シリンダ7
0,72とが、絞り120、供給通路121、供給管8
6,88を介して接続されており、供給通路121はリ
リーフ弁122を介してタンク102に接続されてい
る。作動用ポンプ112の吐出側は、タンク102にリ
リーフ弁126を介して接続されている。リリーフ弁1
26は作動用ポンプ112からの吐出圧力を設定圧に維
持し、リリーフ弁122の設定圧はリリーフ弁126の
設定圧よりも低く設定されている。
【0027】前述したノズル90,92、弁体94,9
6は半制動シリンダ70,72に供給される作動油を制
御する制御弁130,132を構成し、図2ではJIS
記号で示す。本実施例では、半制動シリンダ70,7
2、マスタシリンダ100、制御弁130,132によ
り半制動機構134を構成している。尚、ケース38の
排出孔50は戻り通路135を介してタンク102に接
続されており、冷却通路109と戻り通路135とはチ
ェック弁136により接続されている。
【0028】次に、前述した本実施例のウインチの制動
装置の作動について説明する。まず、ワイヤ2を巻き上
げる場合には、解除弁114には励磁信号を出力するこ
となく、遮断位置114aとする。よって、解除シリン
ダ58,60は絞り118、解除弁114を介してタン
ク102と連通され、制動ばね66,68の付勢力によ
りシリンダロッド54,56が突き出される。
【0029】これにより、シリンダロッド74,76が
押されて、半制動シリンダ70,72ではノズル90,
92からケース38内に作動油が吐出される。そして、
図3に示すように、シリンダチューブ78,80を介し
て湿式多板ブレーキ機構52に制動ばね66,68の付
勢力に応じた外力を付与する。よって、湿式多板ブレー
キ機構52は、回転板44と固定板46とが圧接され、
キャリヤ軸30の回転が規制される。
【0030】一方、油圧モータ6に高圧作動油が供給さ
れ、内蔵ブレーキ8が解除されて第1太陽歯車10が回
転される。よって、第1遊星歯車12,14は第1太陽
歯車10の廻りを自転しながら公転し、第1キャリヤ1
8を介して第2太陽歯車20が回転する。そして、第2
遊星歯車22,24が回転して、第1内歯歯車16、第
2内歯歯車26を介してドラム1が回転し、ワイヤ2が
巻き上げられる。尚、油圧モータ6を逆回転させること
により、ワイヤ2を繰り出すことができる。
【0031】ワイヤ2を巻き上げ、図示しないハンマグ
ラブを所定高さにまで吊り上げたあと、自由落下させる
場合には、解除弁114に励磁信号を出力して、連通位
置114bに切り換える。これにより、解除シリンダ5
8,60に作動用ポンプ112から解除弁114、絞り
118を介して高圧作動油が供給される。
【0032】図4に示すように、解除シリンダ58,6
0は、制動ばね66,68の付勢力に抗してシリンダロ
ッド54,56を引き、シリンダロッド74,76、コ
イルばね82,84を介してシリンダチューブ78,8
0を湿式多板ブレーキ機構52から離間する方向に移動
する。
【0033】よって、湿式多板ブレーキ機構52への外
力の付与が解除されるので、キャリヤ軸30は自由に回
転できるようになる。これにより、内蔵ブレーキ8が制
動状態にあっても、第1遊星歯車12,14、第2遊星
歯車22,24が自由に回転できる状態にあるので、ド
ラム1が自由に回転できる。これにより、ワイヤ2が引
き出され、ハンマグラブが自重により落下する。
【0034】この状態で、操作者がブレーキペダル98
を踏み込むと、マスタシリンダ100から作動油が制御
弁130,132に供給される。これにより、弁体9
4,96が作用力を受けて、ノズル90,92に向かっ
て移動する。よって、ノズル90,92の開口面積が減
少して、供給管86,88内の圧力が上昇し、半制動シ
リンダ70,72に作動油が供給される。
【0035】図5に示すように、シリンダチューブ7
8,80がコイルばね82,84の付勢力に抗して湿式
多板ブレーキ機構52に向かって押し出されて変位す
る。その際、供給管86,88も移動して、弁体94,
96とノズル90,92との間隔が大きくなる。そし
て、ノズル90,92から吐出される作動油による弁体
94,96への作用力が減少し、マスタシリンダ100
からの作動油による弁体94,96への作用力が上回る
ので、弁体94,96はノズル90,92に追従して移
動する。
【0036】弁体94,96へのノズル90,92から
の作動油による作用力とマスタシリンダ100からの作
動油による作用力との釣り合いにより、供給管86,8
8内の作動油圧が決まる。ブレーキペダル98が強く踏
み込まれると、供給管86,88内の作動油圧も大きく
なり、ブレーキペダル98が軽く踏まれると供給管8
6,88内の作動油圧も小さくなる。また、供給管8
6,88から半制動シリンダ70,72に供給される作
動油圧の作用力とコイルばね82,84の付勢力とが釣
り合ったときには、シリンダチューブ78,80はその
変位を停止する。
【0037】従って、ブレーキペダル98の踏込量に応
じてシリンダチューブ78,80が変位し、この変位に
応じて回転板44と固定板46との板間隔を狭め、板間
隔に応じた流体摩擦、境界摩擦による制動力がキャリヤ
軸30に作用する。これにより、キャリヤ軸30が半制
動されることにより、ドラム1も半制動されるが、その
制動力はドラム1自身の慣性により回転を制動する程度
である。
【0038】よって、ハンマグラブの自由落下は、わず
かな制動力で制動されるだけなので、自由落下による地
面への食い込みが減少するのは僅かである。ハンマグラ
ブが地面に食い込むと、ドラム1は湿式多板ブレーキ機
構52の半制動により、慣性による回転が停止されるの
で、ワイヤ2が飛び出すことがなく、ワイヤ2の乱巻が
防止される。
【0039】一方、ケース38内には、冷却用ポンプ1
04から吐出された作動油が、フィルタ106、冷却器
108を介して供給され、半制動中の湿式多板ブレーキ
機構52を冷却する。そして、排出孔50から戻り通路
135を介してタンク102に戻される。
【0040】このように、本実施例のウインチの制動装
置によると、半制動シリンダ70,72による変位で自
由落下時に湿式多板ブレーキ機構52により半制動し、
ドラム1の慣性による回転を抑え、ワイヤ2の乱巻を防
止することができ、また、湿式多板ブレーキ機構52を
用いたことにより半制動時の発熱を有効に防止できる。
【0041】本実施例では、解除シリンダ58,60と
半制動シリンダ70,72との両シリンダロッド54,
56,74,76を接続して二段シリンダを構成した
が、これに限らず、解除シリンダ58,60と半制動シ
リンダ70,72を並列に配置しても実施可能である。
【0042】また、湿式多板ブレーキ機構52は、油圧
モータ6の回転時に、遊星減速機4のキャリヤ軸30の
回転を制動する手段を兼用して、構成を簡単にしている
が、ドラム1を平歯車を用いた減速機を介して回転させ
る場合には、湿式多板ブレーキ機構52は、キャリヤ軸
30に代えて、ドラム1を直接制動するように構成すれ
ばよい。
【0043】更に、半制動機構134は、制御弁13
0,132を用いることなく、半制動シリンダ70,7
2の最大ストロークを、湿式多板ブレーキ機構52の板
間隔が流体摩擦、境界摩擦による制動力が得られる程度
に所定量狭めるように構成し、マスタシリンダ100か
らの作動油を直接半制動シリンダ70,72に供給し、
半制動シリンダ70,72の変位により半制動するよう
にしても実施可能である。あるいは、半制動シリンダ7
0,72を用いることなく、ブレーキペダル98の踏込
をリンク機構により伝達し、湿式多板ブレーキ機構52
の板間隔を所定量狭めるように構成しても同様に実施可
能である。
【0044】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のウインチの
制動装置は、自由落下時に半制動シリンダによる変位で
湿式多板ブレーキ機構により半制動し、ドラムの慣性に
よる回転を抑え、ワイヤの乱巻を防止することができる
という効果を奏する。また、湿式多板ブレーキ機構を用
いたことにより、半制動時の発熱を有効に防止でき、作
動油と湿式多板ブレーキ機構の冷却油とを共用すると装
置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのウインチの制動装置
の概略構成図である。
【図2】本実施例の油圧回路図である。
【図3】本実施例のドラムによる巻き上げ時の状態の要
部概略構成図である。
【図4】本実施例の自由落下時の状態の要部概略構成図
である。
【図5】本実施例の半制動時の状態の要部概略構成図で
ある。
【図6】本実施例の湿式多板ブレーキ機構の板間隔と制
動力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ドラム 2…ワイヤ 4…遊星減速機 30…キャリヤ軸 52…湿式多板ブレーキ機構 54,56,74,76…シリンダロッド 58,60…解除シリンダ 66,68…制動ばね 70,72…半制動シリンダ 90,92…ノズル 94,96…弁体 100…マスタシリンダ 130,132…制御弁 134…半制動機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外力の付与によりワイヤが巻回されたド
    ラムを制動するブレーキ機構と、該ブレーキ機構に外力
    を付与する制動ばねと、導入される流体圧の作用で前記
    制動ばねの付勢力に抗して前記外力の付与を解除する解
    除シリンダとを備えたウインチの制動装置において、 前記ブレーキ機構は湿式多板ブレーキ機構で、 前記湿式多板ブレーキ機構の板間隔を所定量狭める半制
    動機構を設けたことを特徴とするウインチの制動装置。
  2. 【請求項2】 前記半制動機構は、変位により前記湿式
    多板ブレーキ機構の板間隔を所定量狭める半制動シリン
    ダを備えたことを特徴とする請求項1記載のウインチの
    制動装置。
  3. 【請求項3】 前記半制動機構は、変位により前記湿式
    多板ブレーキ機構の板間隔を調整可能な半制動シリンダ
    を備え、かつ、前記半制動シリンダに流体を供給する供
    給通路と連通し低圧側に開口したノズルを有すると共
    に、該ノズルは前記半制動シリンダの変位に応じて移動
    可能に配置され、また、マスタシリンダからの流体圧と
    前記ノズルから吐出される流体圧との対向作用を受ける
    弁体を備えた制御弁を有することを特徴とする請求項1
    記載のウインチの制動装置。
  4. 【請求項4】 前記湿式多板ブレーキ機構の冷却油と、
    前記解除シリンダ及び前記半制動シリンダの流体とを同
    一のタンクとの間で給排することを特徴とする請求項1
    ないし請求項3記載のウインチの制動装置。
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