JP2004277146A - ウインチの制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単で安価な構成で、効果的にブレーキの効き始めをオペレータに体感させ、ブレーキ力制御性の高いウインチの制動装置を提供すること。
【解決手段】ウインチドラム1と、供給される油圧力によりウインチドラム1の制動を制御するディスクブレーキ装置Aと、ディスクブレーキ装置Aにブレーキ指令を出力するブレーキペダル17と、ブレーキペダル17の操作量に応じた油圧力を発生する減圧弁16と、ディスクブレーキ装置Aの動作状態に基づき、ブレーキペダル17の操作力を制御するピストン位置フィードバックシリンダ20とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ウインチドラム1と、供給される油圧力によりウインチドラム1の制動を制御するディスクブレーキ装置Aと、ディスクブレーキ装置Aにブレーキ指令を出力するブレーキペダル17と、ブレーキペダル17の操作量に応じた油圧力を発生する減圧弁16と、ディスクブレーキ装置Aの動作状態に基づき、ブレーキペダル17の操作力を制御するピストン位置フィードバックシリンダ20とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
クレーン等に装備される巻上ウインチの制動装置に関し、特に、ブレーキを操作する作業者にブレーキの制動状態を的確に把握させることができるウインチの制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレーンなどの作業機に搭載されるウインチの制動装置は、吊荷を正確かつ確実に停止させるため要求される制動力が大きくなっている。しかも、ブレーキペダルなどの操作部材を用い、比較的小さい操作力、操作量で大きな制動力を得ることが望ましく、それを実現する手段としていわゆる動油圧式制動装置がある。この動油圧式制動装置として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−216793号公報
この公報に記載のものは、油圧ポンプによる油圧(動油圧)を用い、操作部材の操作力が制御弁を介して間接的に伝達され、操作量に応じた制動力を発生させる機構を有する。この方式の制動装置は、現在自動車等に多く採用されているマスタシリンダを用いた単純な油圧倍力機構を有する静油圧式制動装置に比べ、発生させるブレーキ力に対する操作力、操作量を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報記載の動油圧式制動装置は、制動力としてのブレーキ力がブレーキペダルなどの操作部材の制御弁の操作力、またはブレーキペダルの復帰ばねのばね反力のみで決定されるため、ブレーキ力と操作力との間に相関性が無く、その結果オペレータは、ブレーキの効き具合を把握することが難しく、目標とするブレーキ力の制御が困難であった。
本発明は上述の課題を解決するために、簡単で安価な構成で効果的にブレーキの効き始めをオペレータに体感させ、ブレーキ力制御性の高いウインチの制動装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のウインチの制動装置は、請求項1の発明では、ウインチドラムと、供給される油圧力によりウインチドラムの制動を制御するブレーキ手段と、前記ブレーキ手段にブレーキ指令を出力する操作手段と、前記操作手段の操作量に応じた前記油圧力を発生する油圧力発生手段と、前記ブレーキ手段の動作状態に基づき、前記操作手段の操作力を制御する操作力制御手段とを備えることを特徴とする。
また請求項2の発明では、前記油圧力発生手段は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油を減圧して油圧力を発生させる減圧弁とからなることを特徴とする。
また請求項3の発明では、前記操作力制御手段は、前記操作手段を非操作位置の方向へ付勢するばね部材と、前記ばね部材のばね力を調整するばね力調整手段とからなることを特徴とする。
また請求項4の発明では、前記ブレーキ手段には、その動作状態を検出する状態検出手段を備え、この状態検出手段の信号により前記ばね力調整手段が制御されることを特徴とする。
また、請求項5の発明では、前記ばね力調整手段は、前記ブレーキ手段が制動動作状態にあるときに、制御されることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明によるウインチの制動装置の第1の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明のウインチの制動装置を備えるクレーンの巻上ウインチの構造図である。この図において、1はワイヤロープが巻き付けられるウインチドラム、2はウインチドラム1を駆動する油圧モータ、3は油圧モータ2に装備され、モータ出力軸の回動力を制動するモータ多板ブレーキ、4はモータ出力軸と連結されるサンギヤ、5はサンギヤ4に噛合されるプラネタリギヤ、6はウインチドラム1の内周に設けられ、プラネタリギヤ5に噛合するリングギヤ、7はプラネタリギヤ5を支持するキャリア、8はキャリアに連結されたキャリア軸、9はキャリア軸8に設けられ、不図示のスプラインにより軸方向摺動可能に係合された複数枚のインナディスク、10はインナディスク9に対して接離しうるようにスプラインにより軸方向摺動可能で、且つ回動不能な状態でハウジング11に取り付けられた複数枚のアウタディスク、12はアウタディスク10を軸方向に押付け・解除するピストン、13はピストン12のブレーキ解除側のストロークを制限するストッパ、14はピストン12を駆動させるブレーキシリンダ、15はブレーキシリンダ14の圧力が開放された場合にピストン12を押し付けインナディスク9とアウタディスク10を密着させることにより制動力を発生させるネガばね、16はブレーキシリンダ14へ入力する圧力を決定する減圧弁、17は減圧弁16の2次圧力を決定するプッシャ16aと係合され、支点17aに回動可能に設けられたブレーキペダル、18はブレーキペダル17と係合され、ブレーキペダル17を戻す反力を発生すると同時に、ペダル開放時にはプッシャ16aを最大に押し込む力を発生させるブレーキペダル戻しばね、19はブレーキシリンダ14のピストン12を共用し、このピストン12の位置を検出するピストン位置検出シリンダ、20はブレーキペダル戻しばね18と係合され、ピストン位置検出シリンダ19により検出されたピストン位置を静油圧を用いて伝達し、ピストン位置検出シリンダ19の動作と連動してブレーキペダル戻しばね18のセット位置を変化させるピストン位置フィードバックシリンダ、21は減圧弁16へパイロット圧力を供給する油圧源、22はタンク装置を示す。なお、インナディスク9、アウタディスク10、ハウジング11、ピストン12、ストッパ13、ブレーキシリンダ14、ネガばね15がディスクブレーキ装置Aを構成する。
【0007】
次に、本発明のウインチの制動装置の実施の形態を、クレーンの巻上ウインチの動作により具体的に説明する。
動力巻上・巻下運転モード時は、ブレーキペダル17を踏み込みプッシャ16aを最大に引き出してブレーキシリンダ14の圧力を完全に開放し、ネガばね15によりピストン12を押付けて、インナディスク9、アウタディスク10を密着させキャリア軸8が回転しないように固定させる。この状態でモータ多板ブレーキ3を解除し、油圧モータ2を作動させることにより、サンギヤ4、プラネタリギヤ5を介してリングギヤ6に回転力が伝達されてウインチドラム1が回動し、吊荷の巻上げ、巻下げが行われる。フリーフォール運転モード時は、モータ多板ブレーキ3を作動させ、モータ出力軸を固定した状態で、ブレーキペダル17を開放することによりネガばね15に対抗する圧力がブレーキシリンダ14に入力され、ピストン12がブレーキ解除方向(図1中右側方向)移動し、吊荷の自重によりウインチドラム1がフリー回転する。この時、ブレーキペダル17を踏み込むことで、ブレーキシリンダ14からその踏み込み操作に応じた圧力が開放され、ウインチドラム1の回転速度を制御、または回転を制動できる。
【0008】
図2、図3、図4、図5、図6は本発明のウインチの制動装置の実施の形態の各動作状態を示す構造図、図7はそのペダルストロークに対するプッシャ操作力、ブレーキペダル戻しばね反力、ブレーキペダル操作力、減圧弁の2次圧力、ピストンのストローク、出力ブレーキ力のそれぞれの関係を表した制御線図を示す。これらの図において、図1に示す符号と同符号のものは同一構成を示す。
図7において、100はブレーキペダル17の操作力、101はブレーキペダル戻しばね18の反力、102はプッシャ16aの操作力、103は減圧弁16の2次圧力、104はピストン12のストローク、105は出力されるブレーキ力を示す。
なお、横軸はブレーキペダル17のペダルストロークを示し、踏み込み方向をプラス、ブレーキペダル操作力100、ブレーキペダル戻しばね反力101およびプッシャ操作力102、ブレーキペダル17を戻す方向に働く力をプラス、ピストンストローク104はピストン12がアウタディスク10を押付ける方向をプラスとして表す。
【0009】
次に、上述した本発明の制動装置の一実施の形態の動作についてより具体的に説明する。図2はブレーキペダル17を完全に開放している状態で、図7における状態1を表している。ブレーキペダル戻しばね18によりプッシャ16aが最大に押し込まれ、ブレーキシリンダ14には減圧弁16からの2次圧力が最大に入力される。この圧力により、ピストン12はネガばね15の押し付け力に抗してストッパ13に接触する位置まで移動し、ブレーキ力を完全に解除している。
【0010】
図3は上記状態1からブレーキペダル17を少し踏み込んだ状態で、図7における状態2を表している。この状態2はブレーキペダル17踏み込みに従い、プッシャ16aを引き出し、減圧弁16による2次圧力の減圧が開始され、調圧された2次圧力がピストン12の完全解除位置におけるネガばね15のばね反力と釣り合い、ピストン12が動き出す直前の状態を表している。状態1から状態2までの領域(領域1)ではブレーキペダル17を踏み込んでもピストン12は動かないため、ピストン位置検出シリンダ19内の油量の変化は無い。従ってピストン位置フィードバックシリンダ20は動かず、ブレーキペダル17の踏み込みに伴いブレーキペダル戻しばね18が伸ばされ、ブレーキペダル操作力が上昇する。(領域1内の105参照。)
【0011】
図4は状態2から更にブレーキペダル17を踏み込んだ状態で、図7における領域2の状態を示す。また、図5はピストン12の位置がインナディスク9、アウタディスク10を完全に密着させる位置まで移動した瞬間の状態で、図7における状態3を示す。領域2では、ブレーキペダル17の踏み込みに伴い、ピストン12がインナディスク9、アウタディスク10を密着させる方向に移動する。このピストン12の移動に伴い、ピストン位置検出シリンダ19の油量が増加し、ピストン位置フィードバックシリンダ20を作動させる。
【0012】
ここで、ピストン12の受圧面積をA、減圧弁16の2次圧力変化をΔP、ネガばね15のばね定数をkn、プッシャ16aのストロークに対する減圧弁16の2次圧力変化をαp、プッシャ16aのストロークをxpu、プッシャ16aのストロークに対するその操作力変化をαF、プッシャ16aの操作力をFpu、ペダル戻しばね18のばね定数をkr、ペダル戻しばね18とプッシャ16aのレバー比をl、ペダル戻しばね18のセット時のたわみ量をεo、ペダル戻しばね18のプッシャ16aのストロークによるたわみ量εs、プッシャ16aに作用するペダル戻しばね18の反力をFrとすると、2次圧力変化に対するピストン12のストローク変化は次式(1)で表される。
xpi=A/kn×P・・・(1)
また、プッシャ16aのストロークに対する2次圧力変化は次式(2)のように表される。
ΔP=αp×xpu・・・(2)
(1)、(2)式より、プッシャ16aのストロークに対するピストン12のストロークは次式(3)のように表される。
xpi=(A×αp/kn)×xpu・・・(3)
次に、プッシャ16aのストロークに対するその操作力は次式(4)の様に表される。
Fpu=αF×xpu・・・(4)
また、プッシャ16aのストロークに対するそれに作用するペダル戻しばね18の反力は次式(5)のように表される。
Fr=l×kr(εo+εs)
=l2×kr×xpu+l×kr×εo・・・(5)
【0013】
上記(1)〜(5)の関係式を元に、ピストン12が動き始めてからはプッシャ16aのストロークに対するペダル戻しばね18の見かけのばね定数が(−l×αF)となる様にεoを変化させるピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20のボア比を決定する。プッシャ16aのストロークに対するペダル戻しばね18の見かけのばね定数をKとすると、プッシャ16aのストロークに対するそれに作用するペダル戻しばね18の反力は次式(6)のように表される。
Fr=K×xpu
=−l×αF×xpu・・・(6)
(5)、(6)式より、プッシャ16aのストロークに対してペダル戻しばね18の見かけのばね定数が(−l×αF)となるεoの関係は以下の様に表される。
−l×αF×xpu=l2×kr×xpu+l×kr×εo
εo=−(αF+l×kr)/kr×xpu・・・(7)
(7)式に(3)式を代入し、ピストン12のストロークとの関係に直すと以下のように表される。
εo=(−(αF+l×kr)×kn/(A×αF×kr))×xpi・・・(8)
従って、ピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20のボア比は(8)式よりマイナスを消去し、
1:(αF+l×kr)×kn/(A×αF×kr))
と決定される。
【0014】
上述した関係でピストン位置フィードバックシリンダ20を作動させると、図7における領域2の範囲ではブレーキペダル17のストロークに対するその操作力変化が無く、一定の操作力を保ったままブレーキペダル17がストロークする。この状態はピストン12がインナディスク9、アウタディスク10を完全に密着させる位置まで移動して図7における状態3に達するまで続く。本発明の制動装置のような湿式多板ブレーキでは、理論的にインナディスク9、アウタディスク10が完全に密着するまでは制動力は発生しない。従って、上述の状態1から状態3までの領域では、ウインチドラム1の回転を制動する力は作用しない。
【0015】
図6は上記状態3から更にブレーキペダル17を踏み込んだ状態を示し、図7における領域3を示す。インナディスク9、アウタディスク10の密着後はブレーキシリンダ14の油圧力とネガばね15の押し付け力の差分がブレーキ力となり出力される。この領域ではブレーキペダル17を踏み込んでもピストン12のストロークは無いため、ブレーキペダル17の踏み込み量に従い、ペダル戻しばね18が伸ばされ、その操作力が増加する。
【0016】
この構成によれば、ブレーキペダル17の踏み込み開始直後、ピストン12が移動するまでは操作力が増加するが、ピストン12が移動を開始してからはピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20の作動により操作力の変化がなく、その後インナディスク9とアウタディスク10が密着し、制動力が発生する位置から再び操作力が増加する。この操作力変化によりブレーキの効き始めるブレーキペダル17の位置を体感できるため、空フック降下などの軽負荷なフリーフォール作業時のブレーキ力制御を容易に行う事ができる。また、作業負荷に関わらず、この操作力変化位置を操作の基準とすることで全体的にブレーキ力の制御性が向上する。更に、ブレーキの使用頻度に応じてディスクが磨耗し、ピストン12のストローク量が増加した場合でも、ピストン位置フィードバックシリンダ20がこれに追従するため、常にこの操作力変化位置をブレーキの効き始め位置として操作の基準とすることができる。また、ディスク磨耗による操作力変化位置の移動でディスクの磨耗量をオペレータに知らせることができる。
【0017】
図8は本発明のウインチの制動装置の第2の実施の形態を示す図である。この図8において図1に示す符号と同符号のものは同一の構成を示す。23はピストン12と係合され、このピストン12の位置を検出するストロークセンサ、24はストロークセンサ23の位置検出信号が入力され、検出信号に応じた制御指令を出力するコントローラ、25はコントローラ24から出力された制御指令に応じた位置制御を行う電動アクチュエータを示す。本実施の形態の特徴は、ピストン12のストロークをストロークセンサ23を用いて検出することにある。この実施の形態によると、ピストン12と一体のピストンを持つピストン位置検出シリンダ19を備える必要が無く、また、ピストン12のストローク信号は電気信号として伝達されるため、静油圧のリーク管理の必要も無く、先の実施の形態に対してより簡単な構成とすることができ、同等の効果が得られる。
【0018】
以上、上述したこれらの実施においては制動装置として湿式多板ブレーキを用いて説明したが、本発明は次に説明するバンド式ブレーキを採用した制動装置においても同様の構成で適用可能である。
【0019】
図9はバンド式ブレーキを採用したウインチに本発明を適用した第3の実施の形態を示す構造図である。この図9において図1に示す符号と同符号のものは同一の構造を示す。26はキャリア軸8に設けられ、フリーフォール時にウインチドラム1と一体になり回転するブレーキドラム、27はブレーキドラム26の外周方向に設けられ、前記ブレーキドラム26に締め付けることによりウインチドラム1の回転を制動するブレーキバンド、28はブレーキバンド27を締め付けるブレーキシリンダ、29はブレーキバンド27とブレーキシリンダ28を係合させるリンク、30はブレーキシリンダ28のピストン位置を検出するピストン位置検出シリンダを示す。このバンド式ブレーキにおいても、理論的にブレーキバンド27がブレーキドラム26に密着するまでのブレーキシリンダ28のストローク域ではブレーキ力は出力されず、ブレーキバンド密着後の締め付け力増加に従いブレーキ力が発生する。ブレーキバンド密着後はブレーキシリンダ28のストロークはほぼ無くなるので、この密着位置をブレーキ効き始めとして検出し、ブレーキペダル17の操作力変化位置とする構成である。
なお、上述したブレーキドラム26、ブレーキバンド27、ブレーキシリンダ28、リンク29がバンドブレーキ装置Bを構成する。
【0020】
この実施の形態では、第1の実施の形態の如く、静油圧で作動するピストン位置検出シリンダ30およびピストン位置フィードバックシリンダ20を設けた場合を示したが、第2の実施の形態と同様にストロークセンサを設ける構成をとることも可能であり、同様の作用効果を確保しつつ、簡単な構造とすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のウインチの制動装置によれば、ブレーキの効き具合に対する操作装置の操作力変化に相関性を持たせることができ、目標とするブレーキ力の制御が容易になり、しかも簡単で安価な構成で効果的にブレーキの効き始めをオペレータに体感させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態を示す構造図である。
【図2】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図3】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図4】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図5】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図6】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図7】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における制御状態を説明する制御線図である。
【図8】本発明のウインチの制動装置の第2の実施の形態を示す構造図である。
【図9】本発明をウインチの制動装置の第3の実施の形態を示す構造図である。
【符号の説明】
1;ウインチドラム、2;油圧モータ、3;モータ多板ブレーキ、4;サンギヤ、5;プラネタリギヤ、6;リングギヤ、7;キャリア、8;キャリア軸、9;インナディスク、10;アウタディスク、11;ハウジング、12;ピストン、13;ストッパ、14;ブレーキシリンダ、15;ネガばね、16;減圧弁、17;ブレーキペダル、18;ブレーキペダル戻しばね、19;ピストン位置検出シリンダ、20;ピストン位置フィードバックシリンダ、21;パイロット油圧源、22;タンク装置、23;ストロークセンサ、24;コントローラ、25;電動アクチュエータ、26;ブレーキドラム、27;ブレーキバンド、28;ブレーキシリンダ、29;リンク、30;ピストン位置検出シリンダ、A;ディスクブレーキ装置、B;バンドブレーキ装置。
【発明の属する技術分野】
クレーン等に装備される巻上ウインチの制動装置に関し、特に、ブレーキを操作する作業者にブレーキの制動状態を的確に把握させることができるウインチの制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレーンなどの作業機に搭載されるウインチの制動装置は、吊荷を正確かつ確実に停止させるため要求される制動力が大きくなっている。しかも、ブレーキペダルなどの操作部材を用い、比較的小さい操作力、操作量で大きな制動力を得ることが望ましく、それを実現する手段としていわゆる動油圧式制動装置がある。この動油圧式制動装置として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−216793号公報
この公報に記載のものは、油圧ポンプによる油圧(動油圧)を用い、操作部材の操作力が制御弁を介して間接的に伝達され、操作量に応じた制動力を発生させる機構を有する。この方式の制動装置は、現在自動車等に多く採用されているマスタシリンダを用いた単純な油圧倍力機構を有する静油圧式制動装置に比べ、発生させるブレーキ力に対する操作力、操作量を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報記載の動油圧式制動装置は、制動力としてのブレーキ力がブレーキペダルなどの操作部材の制御弁の操作力、またはブレーキペダルの復帰ばねのばね反力のみで決定されるため、ブレーキ力と操作力との間に相関性が無く、その結果オペレータは、ブレーキの効き具合を把握することが難しく、目標とするブレーキ力の制御が困難であった。
本発明は上述の課題を解決するために、簡単で安価な構成で効果的にブレーキの効き始めをオペレータに体感させ、ブレーキ力制御性の高いウインチの制動装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のウインチの制動装置は、請求項1の発明では、ウインチドラムと、供給される油圧力によりウインチドラムの制動を制御するブレーキ手段と、前記ブレーキ手段にブレーキ指令を出力する操作手段と、前記操作手段の操作量に応じた前記油圧力を発生する油圧力発生手段と、前記ブレーキ手段の動作状態に基づき、前記操作手段の操作力を制御する操作力制御手段とを備えることを特徴とする。
また請求項2の発明では、前記油圧力発生手段は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油を減圧して油圧力を発生させる減圧弁とからなることを特徴とする。
また請求項3の発明では、前記操作力制御手段は、前記操作手段を非操作位置の方向へ付勢するばね部材と、前記ばね部材のばね力を調整するばね力調整手段とからなることを特徴とする。
また請求項4の発明では、前記ブレーキ手段には、その動作状態を検出する状態検出手段を備え、この状態検出手段の信号により前記ばね力調整手段が制御されることを特徴とする。
また、請求項5の発明では、前記ばね力調整手段は、前記ブレーキ手段が制動動作状態にあるときに、制御されることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明によるウインチの制動装置の第1の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明のウインチの制動装置を備えるクレーンの巻上ウインチの構造図である。この図において、1はワイヤロープが巻き付けられるウインチドラム、2はウインチドラム1を駆動する油圧モータ、3は油圧モータ2に装備され、モータ出力軸の回動力を制動するモータ多板ブレーキ、4はモータ出力軸と連結されるサンギヤ、5はサンギヤ4に噛合されるプラネタリギヤ、6はウインチドラム1の内周に設けられ、プラネタリギヤ5に噛合するリングギヤ、7はプラネタリギヤ5を支持するキャリア、8はキャリアに連結されたキャリア軸、9はキャリア軸8に設けられ、不図示のスプラインにより軸方向摺動可能に係合された複数枚のインナディスク、10はインナディスク9に対して接離しうるようにスプラインにより軸方向摺動可能で、且つ回動不能な状態でハウジング11に取り付けられた複数枚のアウタディスク、12はアウタディスク10を軸方向に押付け・解除するピストン、13はピストン12のブレーキ解除側のストロークを制限するストッパ、14はピストン12を駆動させるブレーキシリンダ、15はブレーキシリンダ14の圧力が開放された場合にピストン12を押し付けインナディスク9とアウタディスク10を密着させることにより制動力を発生させるネガばね、16はブレーキシリンダ14へ入力する圧力を決定する減圧弁、17は減圧弁16の2次圧力を決定するプッシャ16aと係合され、支点17aに回動可能に設けられたブレーキペダル、18はブレーキペダル17と係合され、ブレーキペダル17を戻す反力を発生すると同時に、ペダル開放時にはプッシャ16aを最大に押し込む力を発生させるブレーキペダル戻しばね、19はブレーキシリンダ14のピストン12を共用し、このピストン12の位置を検出するピストン位置検出シリンダ、20はブレーキペダル戻しばね18と係合され、ピストン位置検出シリンダ19により検出されたピストン位置を静油圧を用いて伝達し、ピストン位置検出シリンダ19の動作と連動してブレーキペダル戻しばね18のセット位置を変化させるピストン位置フィードバックシリンダ、21は減圧弁16へパイロット圧力を供給する油圧源、22はタンク装置を示す。なお、インナディスク9、アウタディスク10、ハウジング11、ピストン12、ストッパ13、ブレーキシリンダ14、ネガばね15がディスクブレーキ装置Aを構成する。
【0007】
次に、本発明のウインチの制動装置の実施の形態を、クレーンの巻上ウインチの動作により具体的に説明する。
動力巻上・巻下運転モード時は、ブレーキペダル17を踏み込みプッシャ16aを最大に引き出してブレーキシリンダ14の圧力を完全に開放し、ネガばね15によりピストン12を押付けて、インナディスク9、アウタディスク10を密着させキャリア軸8が回転しないように固定させる。この状態でモータ多板ブレーキ3を解除し、油圧モータ2を作動させることにより、サンギヤ4、プラネタリギヤ5を介してリングギヤ6に回転力が伝達されてウインチドラム1が回動し、吊荷の巻上げ、巻下げが行われる。フリーフォール運転モード時は、モータ多板ブレーキ3を作動させ、モータ出力軸を固定した状態で、ブレーキペダル17を開放することによりネガばね15に対抗する圧力がブレーキシリンダ14に入力され、ピストン12がブレーキ解除方向(図1中右側方向)移動し、吊荷の自重によりウインチドラム1がフリー回転する。この時、ブレーキペダル17を踏み込むことで、ブレーキシリンダ14からその踏み込み操作に応じた圧力が開放され、ウインチドラム1の回転速度を制御、または回転を制動できる。
【0008】
図2、図3、図4、図5、図6は本発明のウインチの制動装置の実施の形態の各動作状態を示す構造図、図7はそのペダルストロークに対するプッシャ操作力、ブレーキペダル戻しばね反力、ブレーキペダル操作力、減圧弁の2次圧力、ピストンのストローク、出力ブレーキ力のそれぞれの関係を表した制御線図を示す。これらの図において、図1に示す符号と同符号のものは同一構成を示す。
図7において、100はブレーキペダル17の操作力、101はブレーキペダル戻しばね18の反力、102はプッシャ16aの操作力、103は減圧弁16の2次圧力、104はピストン12のストローク、105は出力されるブレーキ力を示す。
なお、横軸はブレーキペダル17のペダルストロークを示し、踏み込み方向をプラス、ブレーキペダル操作力100、ブレーキペダル戻しばね反力101およびプッシャ操作力102、ブレーキペダル17を戻す方向に働く力をプラス、ピストンストローク104はピストン12がアウタディスク10を押付ける方向をプラスとして表す。
【0009】
次に、上述した本発明の制動装置の一実施の形態の動作についてより具体的に説明する。図2はブレーキペダル17を完全に開放している状態で、図7における状態1を表している。ブレーキペダル戻しばね18によりプッシャ16aが最大に押し込まれ、ブレーキシリンダ14には減圧弁16からの2次圧力が最大に入力される。この圧力により、ピストン12はネガばね15の押し付け力に抗してストッパ13に接触する位置まで移動し、ブレーキ力を完全に解除している。
【0010】
図3は上記状態1からブレーキペダル17を少し踏み込んだ状態で、図7における状態2を表している。この状態2はブレーキペダル17踏み込みに従い、プッシャ16aを引き出し、減圧弁16による2次圧力の減圧が開始され、調圧された2次圧力がピストン12の完全解除位置におけるネガばね15のばね反力と釣り合い、ピストン12が動き出す直前の状態を表している。状態1から状態2までの領域(領域1)ではブレーキペダル17を踏み込んでもピストン12は動かないため、ピストン位置検出シリンダ19内の油量の変化は無い。従ってピストン位置フィードバックシリンダ20は動かず、ブレーキペダル17の踏み込みに伴いブレーキペダル戻しばね18が伸ばされ、ブレーキペダル操作力が上昇する。(領域1内の105参照。)
【0011】
図4は状態2から更にブレーキペダル17を踏み込んだ状態で、図7における領域2の状態を示す。また、図5はピストン12の位置がインナディスク9、アウタディスク10を完全に密着させる位置まで移動した瞬間の状態で、図7における状態3を示す。領域2では、ブレーキペダル17の踏み込みに伴い、ピストン12がインナディスク9、アウタディスク10を密着させる方向に移動する。このピストン12の移動に伴い、ピストン位置検出シリンダ19の油量が増加し、ピストン位置フィードバックシリンダ20を作動させる。
【0012】
ここで、ピストン12の受圧面積をA、減圧弁16の2次圧力変化をΔP、ネガばね15のばね定数をkn、プッシャ16aのストロークに対する減圧弁16の2次圧力変化をαp、プッシャ16aのストロークをxpu、プッシャ16aのストロークに対するその操作力変化をαF、プッシャ16aの操作力をFpu、ペダル戻しばね18のばね定数をkr、ペダル戻しばね18とプッシャ16aのレバー比をl、ペダル戻しばね18のセット時のたわみ量をεo、ペダル戻しばね18のプッシャ16aのストロークによるたわみ量εs、プッシャ16aに作用するペダル戻しばね18の反力をFrとすると、2次圧力変化に対するピストン12のストローク変化は次式(1)で表される。
xpi=A/kn×P・・・(1)
また、プッシャ16aのストロークに対する2次圧力変化は次式(2)のように表される。
ΔP=αp×xpu・・・(2)
(1)、(2)式より、プッシャ16aのストロークに対するピストン12のストロークは次式(3)のように表される。
xpi=(A×αp/kn)×xpu・・・(3)
次に、プッシャ16aのストロークに対するその操作力は次式(4)の様に表される。
Fpu=αF×xpu・・・(4)
また、プッシャ16aのストロークに対するそれに作用するペダル戻しばね18の反力は次式(5)のように表される。
Fr=l×kr(εo+εs)
=l2×kr×xpu+l×kr×εo・・・(5)
【0013】
上記(1)〜(5)の関係式を元に、ピストン12が動き始めてからはプッシャ16aのストロークに対するペダル戻しばね18の見かけのばね定数が(−l×αF)となる様にεoを変化させるピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20のボア比を決定する。プッシャ16aのストロークに対するペダル戻しばね18の見かけのばね定数をKとすると、プッシャ16aのストロークに対するそれに作用するペダル戻しばね18の反力は次式(6)のように表される。
Fr=K×xpu
=−l×αF×xpu・・・(6)
(5)、(6)式より、プッシャ16aのストロークに対してペダル戻しばね18の見かけのばね定数が(−l×αF)となるεoの関係は以下の様に表される。
−l×αF×xpu=l2×kr×xpu+l×kr×εo
εo=−(αF+l×kr)/kr×xpu・・・(7)
(7)式に(3)式を代入し、ピストン12のストロークとの関係に直すと以下のように表される。
εo=(−(αF+l×kr)×kn/(A×αF×kr))×xpi・・・(8)
従って、ピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20のボア比は(8)式よりマイナスを消去し、
1:(αF+l×kr)×kn/(A×αF×kr))
と決定される。
【0014】
上述した関係でピストン位置フィードバックシリンダ20を作動させると、図7における領域2の範囲ではブレーキペダル17のストロークに対するその操作力変化が無く、一定の操作力を保ったままブレーキペダル17がストロークする。この状態はピストン12がインナディスク9、アウタディスク10を完全に密着させる位置まで移動して図7における状態3に達するまで続く。本発明の制動装置のような湿式多板ブレーキでは、理論的にインナディスク9、アウタディスク10が完全に密着するまでは制動力は発生しない。従って、上述の状態1から状態3までの領域では、ウインチドラム1の回転を制動する力は作用しない。
【0015】
図6は上記状態3から更にブレーキペダル17を踏み込んだ状態を示し、図7における領域3を示す。インナディスク9、アウタディスク10の密着後はブレーキシリンダ14の油圧力とネガばね15の押し付け力の差分がブレーキ力となり出力される。この領域ではブレーキペダル17を踏み込んでもピストン12のストロークは無いため、ブレーキペダル17の踏み込み量に従い、ペダル戻しばね18が伸ばされ、その操作力が増加する。
【0016】
この構成によれば、ブレーキペダル17の踏み込み開始直後、ピストン12が移動するまでは操作力が増加するが、ピストン12が移動を開始してからはピストン位置検出シリンダ19とピストン位置フィードバックシリンダ20の作動により操作力の変化がなく、その後インナディスク9とアウタディスク10が密着し、制動力が発生する位置から再び操作力が増加する。この操作力変化によりブレーキの効き始めるブレーキペダル17の位置を体感できるため、空フック降下などの軽負荷なフリーフォール作業時のブレーキ力制御を容易に行う事ができる。また、作業負荷に関わらず、この操作力変化位置を操作の基準とすることで全体的にブレーキ力の制御性が向上する。更に、ブレーキの使用頻度に応じてディスクが磨耗し、ピストン12のストローク量が増加した場合でも、ピストン位置フィードバックシリンダ20がこれに追従するため、常にこの操作力変化位置をブレーキの効き始め位置として操作の基準とすることができる。また、ディスク磨耗による操作力変化位置の移動でディスクの磨耗量をオペレータに知らせることができる。
【0017】
図8は本発明のウインチの制動装置の第2の実施の形態を示す図である。この図8において図1に示す符号と同符号のものは同一の構成を示す。23はピストン12と係合され、このピストン12の位置を検出するストロークセンサ、24はストロークセンサ23の位置検出信号が入力され、検出信号に応じた制御指令を出力するコントローラ、25はコントローラ24から出力された制御指令に応じた位置制御を行う電動アクチュエータを示す。本実施の形態の特徴は、ピストン12のストロークをストロークセンサ23を用いて検出することにある。この実施の形態によると、ピストン12と一体のピストンを持つピストン位置検出シリンダ19を備える必要が無く、また、ピストン12のストローク信号は電気信号として伝達されるため、静油圧のリーク管理の必要も無く、先の実施の形態に対してより簡単な構成とすることができ、同等の効果が得られる。
【0018】
以上、上述したこれらの実施においては制動装置として湿式多板ブレーキを用いて説明したが、本発明は次に説明するバンド式ブレーキを採用した制動装置においても同様の構成で適用可能である。
【0019】
図9はバンド式ブレーキを採用したウインチに本発明を適用した第3の実施の形態を示す構造図である。この図9において図1に示す符号と同符号のものは同一の構造を示す。26はキャリア軸8に設けられ、フリーフォール時にウインチドラム1と一体になり回転するブレーキドラム、27はブレーキドラム26の外周方向に設けられ、前記ブレーキドラム26に締め付けることによりウインチドラム1の回転を制動するブレーキバンド、28はブレーキバンド27を締め付けるブレーキシリンダ、29はブレーキバンド27とブレーキシリンダ28を係合させるリンク、30はブレーキシリンダ28のピストン位置を検出するピストン位置検出シリンダを示す。このバンド式ブレーキにおいても、理論的にブレーキバンド27がブレーキドラム26に密着するまでのブレーキシリンダ28のストローク域ではブレーキ力は出力されず、ブレーキバンド密着後の締め付け力増加に従いブレーキ力が発生する。ブレーキバンド密着後はブレーキシリンダ28のストロークはほぼ無くなるので、この密着位置をブレーキ効き始めとして検出し、ブレーキペダル17の操作力変化位置とする構成である。
なお、上述したブレーキドラム26、ブレーキバンド27、ブレーキシリンダ28、リンク29がバンドブレーキ装置Bを構成する。
【0020】
この実施の形態では、第1の実施の形態の如く、静油圧で作動するピストン位置検出シリンダ30およびピストン位置フィードバックシリンダ20を設けた場合を示したが、第2の実施の形態と同様にストロークセンサを設ける構成をとることも可能であり、同様の作用効果を確保しつつ、簡単な構造とすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のウインチの制動装置によれば、ブレーキの効き具合に対する操作装置の操作力変化に相関性を持たせることができ、目標とするブレーキ力の制御が容易になり、しかも簡単で安価な構成で効果的にブレーキの効き始めをオペレータに体感させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態を示す構造図である。
【図2】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図3】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図4】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図5】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図6】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における動作状態を示す状態説明図である。
【図7】本発明のウインチの制動装置の第1の実施の形態における制御状態を説明する制御線図である。
【図8】本発明のウインチの制動装置の第2の実施の形態を示す構造図である。
【図9】本発明をウインチの制動装置の第3の実施の形態を示す構造図である。
【符号の説明】
1;ウインチドラム、2;油圧モータ、3;モータ多板ブレーキ、4;サンギヤ、5;プラネタリギヤ、6;リングギヤ、7;キャリア、8;キャリア軸、9;インナディスク、10;アウタディスク、11;ハウジング、12;ピストン、13;ストッパ、14;ブレーキシリンダ、15;ネガばね、16;減圧弁、17;ブレーキペダル、18;ブレーキペダル戻しばね、19;ピストン位置検出シリンダ、20;ピストン位置フィードバックシリンダ、21;パイロット油圧源、22;タンク装置、23;ストロークセンサ、24;コントローラ、25;電動アクチュエータ、26;ブレーキドラム、27;ブレーキバンド、28;ブレーキシリンダ、29;リンク、30;ピストン位置検出シリンダ、A;ディスクブレーキ装置、B;バンドブレーキ装置。
Claims (5)
- ウインチドラムと、
供給される油圧力によりウインチドラムの制動を制御するブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段にブレーキ指令を出力する操作手段と、
前記操作手段の操作量に応じた前記油圧力を発生する油圧力発生手段と、
前記ブレーキ手段の動作状態に基づき、前記操作手段の操作力を制御する操作力制御手段とを備えたことを特徴とするウインチの制動装置。 - 前記油圧力発生手段は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油を減圧して油圧力を発生させる減圧弁とからなることを特徴とする請求項1に記載のウインチの制動装置。
- 前記操作力制御手段は、前記操作手段を非操作位置の方向へ付勢するばね部材と、前記ばね部材のばね力を調整するばね力調整手段とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のウインチの制動装置。
- 前記ブレーキ手段には、その動作状態を検出する状態検出手段を備え、この状態検出手段の信号により前記ばね力調整手段が制御されることを特徴とする請求項3に記載のウインチの制動装置。
- 前記ばね力調整手段は、前記ブレーキ手段が制動動作状態にあるときに、制御されることを特徴とする請求項3または4に記載のウインチの制動装置。
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JP2007223725A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Hitachi Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd | ウインチの制動装置 |
CN102718169A (zh) * | 2011-03-28 | 2012-10-10 | 利勃海尔-韦尔克嫩青有限公司 | 液压制动装置和起重机 |
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-
2003
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