JPH0986345A - 車両用シートベルトのアクチュエータ作動装置 - Google Patents
車両用シートベルトのアクチュエータ作動装置Info
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- JPH0986345A JPH0986345A JP7267855A JP26785595A JPH0986345A JP H0986345 A JPH0986345 A JP H0986345A JP 7267855 A JP7267855 A JP 7267855A JP 26785595 A JP26785595 A JP 26785595A JP H0986345 A JPH0986345 A JP H0986345A
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- Japan
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- seat belt
- actuator
- gas pressure
- piston
- airbag module
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- Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 衝突時、シートベルトを引き締めロックして
乗員の拘束性を高めるアクチュエータを備えている車両
において、アクチュエータの作動タイミングがエアバッ
グの展開に比べて遅い、という課題があった。 【解決手段】 エアバッグモジュール4内の初期発生ガ
ス圧をチャンバー11に取り出し、そのガス圧にてピス
トン11bが一方向に摺動し、非圧縮性流体15を介し
てアクチュエータ10のスライダー10bがスライド
し、シートベルト係止部9のバックル9bを引き込んで
シートベルトを引き締め、ピストン11bの戻り方向移
動がロック機構12にてロックされることにより、シー
トベルトが引き締められた状態にロックされるようにし
た。このようにエアバッグモジュール4内の初期発生ガ
ス圧の一部をシートベルト引き締めロック作動に用いる
ことにより、アクチュエータ10の作動タイミングの遅
れをなくした。
乗員の拘束性を高めるアクチュエータを備えている車両
において、アクチュエータの作動タイミングがエアバッ
グの展開に比べて遅い、という課題があった。 【解決手段】 エアバッグモジュール4内の初期発生ガ
ス圧をチャンバー11に取り出し、そのガス圧にてピス
トン11bが一方向に摺動し、非圧縮性流体15を介し
てアクチュエータ10のスライダー10bがスライド
し、シートベルト係止部9のバックル9bを引き込んで
シートベルトを引き締め、ピストン11bの戻り方向移
動がロック機構12にてロックされることにより、シー
トベルトが引き締められた状態にロックされるようにし
た。このようにエアバッグモジュール4内の初期発生ガ
ス圧の一部をシートベルト引き締めロック作動に用いる
ことにより、アクチュエータ10の作動タイミングの遅
れをなくした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時に、
シートベルトの拘束強化をはかるアクチュエータの作動
装置に関するものである。
シートベルトの拘束強化をはかるアクチュエータの作動
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両には、着座した乗員の腰部や肩部等
を保持して、身体を確実にシートに拘束するようシート
ベルト装置が設けられている。
を保持して、身体を確実にシートに拘束するようシート
ベルト装置が設けられている。
【0003】上記シートベルト装置に、衝突の際発生す
る衝撃を感知し、シートベルトの動きをロックするロッ
ク付リトラクタと、該ロックされたシートベルトを引き
締めるプリテンショナー装置とを設け、乗員のシートへ
の拘束性を強化するようになっているものがある。
る衝撃を感知し、シートベルトの動きをロックするロッ
ク付リトラクタと、該ロックされたシートベルトを引き
締めるプリテンショナー装置とを設け、乗員のシートへ
の拘束性を強化するようになっているものがある。
【0004】上記構成において、衝突を感知してシート
ベルトの動きをロックし該シートベルトを引き締める機
構は、スペース上,コスト上等の制約により機械式作動
機構を採っているのが一般的であるので、エアバッグの
展開に比べて作動タイミングが遅く、作動信頼性もエア
バッグ装置より低いという欠点をもっている。
ベルトの動きをロックし該シートベルトを引き締める機
構は、スペース上,コスト上等の制約により機械式作動
機構を採っているのが一般的であるので、エアバッグの
展開に比べて作動タイミングが遅く、作動信頼性もエア
バッグ装置より低いという欠点をもっている。
【0005】そこで、エアバッグモジュール内にエアバ
ッグの展開と共に起動する傘状牽引体を設け、該傘状牽
引体とシートベルトのバックルとをワイヤにて連結し、
傘状牽引体の起動によりシートベルトのバックルを引
き、シートベルトを引き締めロックすることで、エアバ
ッグ展開とシートベルトの引き締めロック作動との時間
的ずれを少なくしたものが従来より開発され、実開平3
−47264号公報にて公開されている。
ッグの展開と共に起動する傘状牽引体を設け、該傘状牽
引体とシートベルトのバックルとをワイヤにて連結し、
傘状牽引体の起動によりシートベルトのバックルを引
き、シートベルトを引き締めロックすることで、エアバ
ッグ展開とシートベルトの引き締めロック作動との時間
的ずれを少なくしたものが従来より開発され、実開平3
−47264号公報にて公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、エアバ
ッグの展開と共にエアバッグ内にて起動する傘状牽引体
とシートベルトのバックルとをワイヤにて連結し、牽引
体の起動によりバックルを引き、シートベルトを引き締
めロックする構造のものにおいては、エアバッグの内部
に、シートベルトのバックルと連結するワイヤの一端が
固着された傘状牽引体を装着しなければならず、更に傘
状牽引体とバックルとの間にワイヤを弛みなく引き回さ
なければならないが、このような構成には高度な技術と
面倒な作業工程とが必要となり、コストが嵩むという課
題を有している。
ッグの展開と共にエアバッグ内にて起動する傘状牽引体
とシートベルトのバックルとをワイヤにて連結し、牽引
体の起動によりバックルを引き、シートベルトを引き締
めロックする構造のものにおいては、エアバッグの内部
に、シートベルトのバックルと連結するワイヤの一端が
固着された傘状牽引体を装着しなければならず、更に傘
状牽引体とバックルとの間にワイヤを弛みなく引き回さ
なければならないが、このような構成には高度な技術と
面倒な作業工程とが必要となり、コストが嵩むという課
題を有している。
【0007】又、エアバッグを展開する為に高出力のイ
ンフレータを用いるのが一般的であり、展開初期におい
てエアバッグモジュール内のガス圧が急上昇してしま
う。この展開初期の過剰ガス圧は不必要であるばかり
か、エアバッグ基布のモジュール内バースト等の不具合
を引き起こす原因ともなる、という課題を有していた。
ンフレータを用いるのが一般的であり、展開初期におい
てエアバッグモジュール内のガス圧が急上昇してしま
う。この展開初期の過剰ガス圧は不必要であるばかり
か、エアバッグ基布のモジュール内バースト等の不具合
を引き起こす原因ともなる、という課題を有していた。
【0008】本発明は上記のような従来の課題を解決す
ることを目的とするものである。
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両衝突時、
エアバッグモジュール内で発生する初期発生ガス圧の一
部をエアバッグモジュール外に取り出し、この取り出さ
れたガス圧にてアクチュエータが作動し、シートベルト
を引き締めロックするよう構成したことを特徴とするも
のである。
エアバッグモジュール内で発生する初期発生ガス圧の一
部をエアバッグモジュール外に取り出し、この取り出さ
れたガス圧にてアクチュエータが作動し、シートベルト
を引き締めロックするよう構成したことを特徴とするも
のである。
【0010】
【作用】上記のように、エアバッグモジュールの初期発
生ガス圧の一部を取り出し、この取り出されたガス圧に
てアクチュエータが作動してシートベルトを引き締めロ
ックするよう構成したことにより、シートベルトの引き
締め作動の時間的な遅れがなくなり、作動信頼性の向上
をはかることができると共に、エアバッグモジュール内
の初期発生ガス圧のピーク値が低くなり、エアバッグの
モジュール内バースト等の不具合の虞れがなくなる。
又、上記シートベルトの引き締めロック作動後に、取り
出されたガス圧がエアバッグモジュール内のガス圧の低
下に伴ないエアバッグモジュール内に逆流することによ
って、エアバッグの展開時間が短縮される。
生ガス圧の一部を取り出し、この取り出されたガス圧に
てアクチュエータが作動してシートベルトを引き締めロ
ックするよう構成したことにより、シートベルトの引き
締め作動の時間的な遅れがなくなり、作動信頼性の向上
をはかることができると共に、エアバッグモジュール内
の初期発生ガス圧のピーク値が低くなり、エアバッグの
モジュール内バースト等の不具合の虞れがなくなる。
又、上記シートベルトの引き締めロック作動後に、取り
出されたガス圧がエアバッグモジュール内のガス圧の低
下に伴ないエアバッグモジュール内に逆流することによ
って、エアバッグの展開時間が短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0012】図1は、エアバッグ機構とシートベルト装
置との関連構造を備えた車両のフロントシート部1を示
し、フロントシート部の例えば助手席側シート2前方の
インストルメントパネル3内部には、衝突によりガスを
発生させるインフレータ4aとそのガスにより展開する
エアバッグ4bとから構成されるエアバッグモジュール
4が格納されている。このエアバッグモジュール4は、
車両が衝突した時それを検知するセンサからの信号に基
づきインフレータ4aが作動してガスを発生し、このガ
スによってエアバッグ4bが展開し、前倒してくる乗員
の頭部から胸部にかけてを展開したエアバッグ4bにて
受け止め保護するようになっている。
置との関連構造を備えた車両のフロントシート部1を示
し、フロントシート部の例えば助手席側シート2前方の
インストルメントパネル3内部には、衝突によりガスを
発生させるインフレータ4aとそのガスにより展開する
エアバッグ4bとから構成されるエアバッグモジュール
4が格納されている。このエアバッグモジュール4は、
車両が衝突した時それを検知するセンサからの信号に基
づきインフレータ4aが作動してガスを発生し、このガ
スによってエアバッグ4bが展開し、前倒してくる乗員
の頭部から胸部にかけてを展開したエアバッグ4bにて
受け止め保護するようになっている。
【0013】助手席側シート2には、3点式のシートベ
ルト装置5が装着されており、該シートベルト装置5
は、乗員の腰,肩等を保持し身体を助手席側シート2に
拘束するベルト部6と、センタピラー下方部に取付けら
れ該ベルト部6を巻取収納するリトラクタ7と、センタ
ピラー上方部に取付けられ該リトラクタ7から上方に引
き出されたベルト部6を挿通案内する中継アンカ8と、
シートベルト係止部9とから構成される。尚、該リトラ
クタ7は、常用時には乗員の動きに合せてベルト部6を
出し入れし、車両衝突時にはベルト部6の引き出しをロ
ックする従来より公知のエマージェンシー・ロック機能
を有する。
ルト装置5が装着されており、該シートベルト装置5
は、乗員の腰,肩等を保持し身体を助手席側シート2に
拘束するベルト部6と、センタピラー下方部に取付けら
れ該ベルト部6を巻取収納するリトラクタ7と、センタ
ピラー上方部に取付けられ該リトラクタ7から上方に引
き出されたベルト部6を挿通案内する中継アンカ8と、
シートベルト係止部9とから構成される。尚、該リトラ
クタ7は、常用時には乗員の動きに合せてベルト部6を
出し入れし、車両衝突時にはベルト部6の引き出しをロ
ックする従来より公知のエマージェンシー・ロック機能
を有する。
【0014】該シートベルト係止部9は、ベルト部6に
装着されたタング9aと、該タング9aが挿込み係止さ
れるバックル9bとから構成され、該バックル9bを引
き込むように作動するアクチュエータ10が車体側に取
付けられている。
装着されたタング9aと、該タング9aが挿込み係止さ
れるバックル9bとから構成され、該バックル9bを引
き込むように作動するアクチュエータ10が車体側に取
付けられている。
【0015】上記アクチュエータ10は、図3に示すよ
うに、シリンダー部10aとその内部をスライドするス
ライダー10bとで構成され、上記バックル9b下端部
とスライダー10bとはワイヤ等の連結部材10cにて
連結されている。
うに、シリンダー部10aとその内部をスライドするス
ライダー10bとで構成され、上記バックル9b下端部
とスライダー10bとはワイヤ等の連結部材10cにて
連結されている。
【0016】エアバッグモジュール4近傍の下方には、
図2に示すように、一部にシリンダー部11aをもった
チャンバー11が設置され、該チャンバー11のシリン
ダー部11aにはピストン11bが摺動可能に嵌装さ
れ、該シリンダー部11aの所定位置にはピストン11
bの戻り方向の動きを拘止するロック機構12が設けら
れている。そして、エアバッグモジュール4内部とチャ
ンバー11とが管路13にて連通され、エアバッグモジ
ュール4内の初期発生ガス圧の過剰分に相当する一部が
チャンバー11内に導入されるよう構成されている。
図2に示すように、一部にシリンダー部11aをもった
チャンバー11が設置され、該チャンバー11のシリン
ダー部11aにはピストン11bが摺動可能に嵌装さ
れ、該シリンダー部11aの所定位置にはピストン11
bの戻り方向の動きを拘止するロック機構12が設けら
れている。そして、エアバッグモジュール4内部とチャ
ンバー11とが管路13にて連通され、エアバッグモジ
ュール4内の初期発生ガス圧の過剰分に相当する一部が
チャンバー11内に導入されるよう構成されている。
【0017】前記シリンダー部11a内の所定位置に設
けられたロック機構12は、ロック爪12aとロック爪
格納部12cとその間に介装されるスプリング12bと
から構成され、ピストン11bが図2において実線示の
状態から鎖線示の状態まで摺動したとき、ロック爪12
aはピストン11bにてロック爪格納部12c内に押し
込まれた後、スプリング12bにてシリンダー部11a
内へ突出した元の状態に押し戻され、ロック機構12部
を通過したピストン11bに係合して、該ピストン11
bの逆戻り方向の移動を拘止するようになっている。
けられたロック機構12は、ロック爪12aとロック爪
格納部12cとその間に介装されるスプリング12bと
から構成され、ピストン11bが図2において実線示の
状態から鎖線示の状態まで摺動したとき、ロック爪12
aはピストン11bにてロック爪格納部12c内に押し
込まれた後、スプリング12bにてシリンダー部11a
内へ突出した元の状態に押し戻され、ロック機構12部
を通過したピストン11bに係合して、該ピストン11
bの逆戻り方向の移動を拘止するようになっている。
【0018】シリンダー部11aの先端部とアクチュエ
ータ10のシリンダー部10a上部とは管路14にて連
結され、シリンダー部11a内のピストン11bからシ
リンダー部10a内のスライダー10bまでの閉ざされ
た空間内には、非圧縮性流体15が充填されている。
ータ10のシリンダー部10a上部とは管路14にて連
結され、シリンダー部11a内のピストン11bからシ
リンダー部10a内のスライダー10bまでの閉ざされ
た空間内には、非圧縮性流体15が充填されている。
【0019】次に、上記諸機構の作動を図1(B)を参
照して説明する。
照して説明する。
【0020】車両が衝突したとき、この衝突を感知した
センサの信号によりエアバッグモジュール4内のインフ
レータ4aがガスを発生し、エアバッグ4bが展開す
る。それと同時に初期発生ガス圧は管路13を通ってチ
ャンバー11に分圧され、シリンダー部11a内のピス
トン11bを管路14方向へ押圧摺動させる。このピス
トン11bの摺動により非圧縮性流体15が管路14を
通りアクチュエータ10へと容積を移動し、スライダー
10bを下方へ押し出す。スライダー10bとバックル
9bは連結部材10cにて連結されているので、スライ
ダー10bの移動によりバックル9bが下方に引き込ま
れ、ベルト部6が引き締められる。この場合、シリンダ
ー部11aのピストン11bからシリンダー部10aの
スライダー10bへの力の伝達を非圧縮性流体15で行
なうことにより、ピストン11bの動きに対して応答遅
れのないシートベルト引き締め作動が行なわれる。
センサの信号によりエアバッグモジュール4内のインフ
レータ4aがガスを発生し、エアバッグ4bが展開す
る。それと同時に初期発生ガス圧は管路13を通ってチ
ャンバー11に分圧され、シリンダー部11a内のピス
トン11bを管路14方向へ押圧摺動させる。このピス
トン11bの摺動により非圧縮性流体15が管路14を
通りアクチュエータ10へと容積を移動し、スライダー
10bを下方へ押し出す。スライダー10bとバックル
9bは連結部材10cにて連結されているので、スライ
ダー10bの移動によりバックル9bが下方に引き込ま
れ、ベルト部6が引き締められる。この場合、シリンダ
ー部11aのピストン11bからシリンダー部10aの
スライダー10bへの力の伝達を非圧縮性流体15で行
なうことにより、ピストン11bの動きに対して応答遅
れのないシートベルト引き締め作動が行なわれる。
【0021】上記のようにピストン11bが管路14方
向に摺動し、ロック爪12aをロック爪格納部12c内
に押し込みつつロック機構12部を通り過ぎると、該ロ
ック爪12aがスプリング12bの付勢力にてシリンダ
ー部11a内に突出した状態に戻り、ピストン11bの
戻り方向への移動は完全に拘止されるので、非圧縮性流
体15のアクチュエータ10側からの逆流は全くなく、
シートベルトは引き締められた状態にロックされる。
向に摺動し、ロック爪12aをロック爪格納部12c内
に押し込みつつロック機構12部を通り過ぎると、該ロ
ック爪12aがスプリング12bの付勢力にてシリンダ
ー部11a内に突出した状態に戻り、ピストン11bの
戻り方向への移動は完全に拘止されるので、非圧縮性流
体15のアクチュエータ10側からの逆流は全くなく、
シートベルトは引き締められた状態にロックされる。
【0022】又、チャンバー11に流れ込んだ過剰ガス
圧は、ロック機構12によりピストン11bの戻り方向
移動が拘止された後に、エアバッグモジュール4内のガ
ス圧低下に伴ない、管路13を通ってエアバッグモジュ
ール4内に逆流し、この逆流した過剰ガス圧によりエア
バッグモジュール4内のガス圧は上昇し、エアバッグ4
bの展開時間を短縮させる作用を及ぼす。
圧は、ロック機構12によりピストン11bの戻り方向
移動が拘止された後に、エアバッグモジュール4内のガ
ス圧低下に伴ない、管路13を通ってエアバッグモジュ
ール4内に逆流し、この逆流した過剰ガス圧によりエア
バッグモジュール4内のガス圧は上昇し、エアバッグ4
bの展開時間を短縮させる作用を及ぼす。
【0023】即ち、車両の衝突時、エアバッグモジュー
ル4内での発生ガス圧は、実際は図4の実線示aのよう
に、初期に急激に上昇して非常に高いピークを示し、そ
の後急激に低下した後徐々に上昇する、というガス圧特
性となるのが普通である。ところがこのような実際のガ
ス圧特性では、エアバック展開初期に必要とするガス圧
に対して初期発生ガス圧のピーク値は高過ぎる。この過
剰ガス圧は不必要であるばかりか、エアバッグ基布のモ
ジュール内バースト等の不具合を引き起こす原因ともな
る。
ル4内での発生ガス圧は、実際は図4の実線示aのよう
に、初期に急激に上昇して非常に高いピークを示し、そ
の後急激に低下した後徐々に上昇する、というガス圧特
性となるのが普通である。ところがこのような実際のガ
ス圧特性では、エアバック展開初期に必要とするガス圧
に対して初期発生ガス圧のピーク値は高過ぎる。この過
剰ガス圧は不必要であるばかりか、エアバッグ基布のモ
ジュール内バースト等の不具合を引き起こす原因ともな
る。
【0024】そこで、上記のように初期発生ガス圧の一
部をエアバッグモジュール外のチャンバー11に取り出
し、ピストン11bを押圧摺動させることに使用するこ
とによって、エアバッグモジュール内の初期発生ガス圧
のピークを点線示bのように低下させてエアバッグ展開
に適切なガス圧とし、ピストン11bの摺動にてシート
ベルトが引き締めロックされた後、エアバッグモジュー
ル内のガス圧低下に伴ないチャンバー11内のガス圧が
エアバッグモジュール4側に逆流することによって、エ
アバッグモジュール内ガス圧の負圧区間の圧力上昇とし
て作用し、エアバッグの展開時間を短縮させることがで
きるものである。
部をエアバッグモジュール外のチャンバー11に取り出
し、ピストン11bを押圧摺動させることに使用するこ
とによって、エアバッグモジュール内の初期発生ガス圧
のピークを点線示bのように低下させてエアバッグ展開
に適切なガス圧とし、ピストン11bの摺動にてシート
ベルトが引き締めロックされた後、エアバッグモジュー
ル内のガス圧低下に伴ないチャンバー11内のガス圧が
エアバッグモジュール4側に逆流することによって、エ
アバッグモジュール内ガス圧の負圧区間の圧力上昇とし
て作用し、エアバッグの展開時間を短縮させることがで
きるものである。
【0025】尚、シートベルトの引き締めロック即ちプ
リテンショナーとしての作動は、図4のプリテンショナ
ー作用特性cに示すように、前記エアバッグモジュール
4内の初期発生ガス圧のピーク区間で終了し、ピストン
11bはロック爪12aにて戻り方向移動を拘止された
状態となるので、上記エアバッグモジュール4内ガス圧
の低下によるチャンバー11内ガス圧の逆流は、プリテ
ンショナー作用には全く影響を与えない。
リテンショナーとしての作動は、図4のプリテンショナ
ー作用特性cに示すように、前記エアバッグモジュール
4内の初期発生ガス圧のピーク区間で終了し、ピストン
11bはロック爪12aにて戻り方向移動を拘止された
状態となるので、上記エアバッグモジュール4内ガス圧
の低下によるチャンバー11内ガス圧の逆流は、プリテ
ンショナー作用には全く影響を与えない。
【0026】上記のように、エアバッグモジュールの初
期発生ガス圧の過剰分を取り出してシートベルトの引き
締め用として用いることにより、シートベルトのプリテ
ンショナー作動タイミングの遅れをなくすることができ
ると共に、エアバッグモジュールのガス圧特性を、図4
の点線示bのように、エアバッグ展開作動に最も適した
理想特性とすることができ、エアバッグ基布のモジュー
ル内バースト等の虞れをなくし、且つエアバッグ展開時
間の短縮をはかることができるものである。
期発生ガス圧の過剰分を取り出してシートベルトの引き
締め用として用いることにより、シートベルトのプリテ
ンショナー作動タイミングの遅れをなくすることができ
ると共に、エアバッグモジュールのガス圧特性を、図4
の点線示bのように、エアバッグ展開作動に最も適した
理想特性とすることができ、エアバッグ基布のモジュー
ル内バースト等の虞れをなくし、且つエアバッグ展開時
間の短縮をはかることができるものである。
【0027】尚、図示の実施の形態では、アクチュエー
タ10の作動にてシートベルト装置のバックル9bを下
方へ引き動かすことにより、シートベルトの引き締めを
行なうようにした例を示しているが、本発明はこの例に
限らず、例えばバックル9bを車体側に固定し、リトラ
クタ7内のベルト巻取り用のドラムを、上記アクチュエ
ータ10のスライダー10bのスライド作動にてベルト
巻取り方向に回転させることにより、シートベルトの引
き締めを行なうようにしても良い。
タ10の作動にてシートベルト装置のバックル9bを下
方へ引き動かすことにより、シートベルトの引き締めを
行なうようにした例を示しているが、本発明はこの例に
限らず、例えばバックル9bを車体側に固定し、リトラ
クタ7内のベルト巻取り用のドラムを、上記アクチュエ
ータ10のスライダー10bのスライド作動にてベルト
巻取り方向に回転させることにより、シートベルトの引
き締めを行なうようにしても良い。
【0028】更に、図示の実施の形態では、助手席側の
シートベルトに本発明を適用した例を示しているが、本
発明は上記に限らず、運転席,後席等何れの席のシート
ベルトにも適用できる。
シートベルトに本発明を適用した例を示しているが、本
発明は上記に限らず、運転席,後席等何れの席のシート
ベルトにも適用できる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、衝突によ
りガスを発生させるインフレータとそのガスにより展開
するエアバッグとから構成されるエアバッグモジュール
を備えた車両のエアバッグ機構において、エアバッグモ
ジュールの初期発生ガス圧の過剰分をエアバッグモジュ
ールから取り出し、これをシートベルトの引き締め作動
に利用することにより、衝突時のシートベルト引き締め
ロック作動の時間的遅れがなくなると共に、エアバッグ
モジュールの初期発生ガス圧のピーク値が低下しその後
上記シートベルト引き締め作動に使用したガス圧の逆流
でエアバッグモジュール内ガス圧が上昇することによ
り、エアバッグモジュール内ガス圧がエアバッグ展開に
とって理想的なガス圧特性となり、エアバッグ基布のモ
ジュール内バースト等の不具合の虞れがなくなり且つエ
アバッグ展開時間の短縮をはかることができるもので、
構成が簡単でコスト低廉なることと相俟って、実用上多
大の効果をもたらし得るものである。
りガスを発生させるインフレータとそのガスにより展開
するエアバッグとから構成されるエアバッグモジュール
を備えた車両のエアバッグ機構において、エアバッグモ
ジュールの初期発生ガス圧の過剰分をエアバッグモジュ
ールから取り出し、これをシートベルトの引き締め作動
に利用することにより、衝突時のシートベルト引き締め
ロック作動の時間的遅れがなくなると共に、エアバッグ
モジュールの初期発生ガス圧のピーク値が低下しその後
上記シートベルト引き締め作動に使用したガス圧の逆流
でエアバッグモジュール内ガス圧が上昇することによ
り、エアバッグモジュール内ガス圧がエアバッグ展開に
とって理想的なガス圧特性となり、エアバッグ基布のモ
ジュール内バースト等の不具合の虞れがなくなり且つエ
アバッグ展開時間の短縮をはかることができるもので、
構成が簡単でコスト低廉なることと相俟って、実用上多
大の効果をもたらし得るものである。
【図1】本発明の実施形態を示すもので、(A)はエア
バッグ機構とシートベルト装置との関連構造を備えた車
両のフロントシート部分を示す側面図、(B)は(A)
の衝突時の各部材の作動を示す側面図である。
バッグ機構とシートベルト装置との関連構造を備えた車
両のフロントシート部分を示す側面図、(B)は(A)
の衝突時の各部材の作動を示す側面図である。
【図2】図1のチャンバーの具体的構造例を示す断面図
である。
である。
【図3】図1のに示すアクチュエータ部の具体的構造例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】車両衝突時のエアバッグモジュール内のガス圧
特性とシートベルトの引き締めロック作動特性とを説明
する図である。
特性とシートベルトの引き締めロック作動特性とを説明
する図である。
1 フロントシート部 2 助手席側シート 3 インストルメントパネル 4 エアバッグモジュール 4a インフレータ 4b エアバッグ 5 シートベルト装置 6 ベルト部 7 リトラクタ 8 中継アンカ 9 シートベルト係止部 9a タング 9b バックル 10 アクチュエータ 10a シリンダー部 10b スライダー 11 チャンバー 11a シリンダー部 11b ピストン 12 ロック機構 12a ロック爪 12b スプリング 12c ロック爪格納部 13 管路 14 管路 15 非圧縮性流体
Claims (3)
- 【請求項1】 衝突によりガスを発生させるインフレー
タとその発生ガスにより展開するエアバッグとから構成
されるエアバッグモジュールを備え、且つ衝突時乗員が
着用しているシートベルトを引き締めるアクチュエータ
を備えた車両において、車両衝突時エアバッグモジュー
ル内の初期発生ガス圧の一部をエアバッグモジュール外
に取り出し、この取り出されたガス圧にて上記アクチュ
エータがシートベルト引き締め作動を行なうようにした
ことを特徴とする車両用シートベルトのアクチュエータ
作動装置 - 【請求項2】 請求項1に記載の車両用シートベルトの
アクチュエータ作動装置において、エアバッグモジュー
ル内の初期発生ガス圧の一部は、エアバッグモジュール
の外部に設けたチャンバー内に取り出され、この取り出
されたガス圧にてピストンが一方向に移動し、該ピスト
ンの移動が非圧縮性流体によりアクチュエータに伝達さ
れて、該アクチュエータをシートベルト引き締め方向に
作動するようになっていることを特徴とする車両用シー
トベルトのアクチュエータ作動装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の車両用シートベルトの
アクチュエータ作動装置において、チャンバー内に取り
出されたガス圧にて一方向に移動するピストンは、一定
量移動後にロック機構にて戻り方向の移動を拘止される
ようになっていることを特徴とする車両用シートベルト
のアクチュエータ作動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7267855A JPH0986345A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 車両用シートベルトのアクチュエータ作動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7267855A JPH0986345A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 車両用シートベルトのアクチュエータ作動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0986345A true JPH0986345A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17450577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7267855A Pending JPH0986345A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 車両用シートベルトのアクチュエータ作動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0986345A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE29821272U1 (de) | 1998-11-27 | 1999-03-25 | TRW Occupant Restraint Systems GmbH & Co. KG, 73553 Alfdorf | Gurtsystem zum Zurückhalten eines Fahrzeuginsassen |
KR100351362B1 (ko) * | 2000-08-24 | 2002-09-05 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 시트벨트의 프리텐셔너 |
-
1995
- 1995-09-21 JP JP7267855A patent/JPH0986345A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE29821272U1 (de) | 1998-11-27 | 1999-03-25 | TRW Occupant Restraint Systems GmbH & Co. KG, 73553 Alfdorf | Gurtsystem zum Zurückhalten eines Fahrzeuginsassen |
KR100351362B1 (ko) * | 2000-08-24 | 2002-09-05 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 시트벨트의 프리텐셔너 |
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