JPH0985777A - 被覆された射出成形品及びその製造方法 - Google Patents
被覆された射出成形品及びその製造方法Info
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- JPH0985777A JPH0985777A JP24443395A JP24443395A JPH0985777A JP H0985777 A JPH0985777 A JP H0985777A JP 24443395 A JP24443395 A JP 24443395A JP 24443395 A JP24443395 A JP 24443395A JP H0985777 A JPH0985777 A JP H0985777A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面が被覆された射出成形品において、樹脂
バリや段差がなく、表面の端縁部まで被覆された射出成
形品を得ること。 【解決手段】 被覆用フィルムを金型内に挿入した後
に、溶融樹脂を射出成形して得られた、該被覆用フィル
ムにより端縁部まで被覆された射出成形品。
バリや段差がなく、表面の端縁部まで被覆された射出成
形品を得ること。 【解決手段】 被覆用フィルムを金型内に挿入した後
に、溶融樹脂を射出成形して得られた、該被覆用フィル
ムにより端縁部まで被覆された射出成形品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内外装に
使用される樹脂部品、建築材料、電気機器、サインボー
ド等に用いられる成形部品等の表面が被覆された射出成
形品及びその製造方法に関するものである。
使用される樹脂部品、建築材料、電気機器、サインボー
ド等に用いられる成形部品等の表面が被覆された射出成
形品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面が被覆された射出成形品の製造方法
としては、例えば特開昭54−33561号公報や特開
昭56−126142号公報において提案されているよ
うに、予備成形された被覆用フィルムを金型内に挿入
し、型閉めした上で金型のキャビティ内に溶融樹脂を射
出し、該被覆用フィルムを成形品表面に固着又は溶着し
た表面被覆された射出成形品の製造方法が知られてい
る。
としては、例えば特開昭54−33561号公報や特開
昭56−126142号公報において提案されているよ
うに、予備成形された被覆用フィルムを金型内に挿入
し、型閉めした上で金型のキャビティ内に溶融樹脂を射
出し、該被覆用フィルムを成形品表面に固着又は溶着し
た表面被覆された射出成形品の製造方法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法による成形品においては、予備成形された被覆用フ
ィルムが金型の雌型の凹部の面積と同じか、それ以下の
大きさであるため、成形時に、金型の雄型と雌型との境
界の隙間部まで上記フィルムで覆うことはできなかっ
た。
方法による成形品においては、予備成形された被覆用フ
ィルムが金型の雌型の凹部の面積と同じか、それ以下の
大きさであるため、成形時に、金型の雄型と雌型との境
界の隙間部まで上記フィルムで覆うことはできなかっ
た。
【0004】そのため、射出成形後の成形品の表面の上
記隙間部に相当する箇所に樹脂バリが発生したり、雄型
と雌型との境界部の段差が成形品の表面に顕著に現れ
て、外観の劣るものしか得られなかったり、或は成形品
の表面の端縁部にまで被覆が及ばず、被覆が不完全な成
形品しか得られない、という問題があった。本発明は、
上述のような問題点を解決し、樹脂バリや段差がなく、
表面の端縁部まで被覆された射出成形品を得ることを目
的としている。
記隙間部に相当する箇所に樹脂バリが発生したり、雄型
と雌型との境界部の段差が成形品の表面に顕著に現れ
て、外観の劣るものしか得られなかったり、或は成形品
の表面の端縁部にまで被覆が及ばず、被覆が不完全な成
形品しか得られない、という問題があった。本発明は、
上述のような問題点を解決し、樹脂バリや段差がなく、
表面の端縁部まで被覆された射出成形品を得ることを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、被覆用
フィルムを金型内に挿入した後に、溶融樹脂を射出成形
して得られた、該被覆用フィルムにより端縁部まで被覆
された射出成形品、被覆用フィルムを金型内に挿入し、
次いで該金型を型閉めし、キャビティ内に溶融樹脂を射
出して、被覆された射出成形品を製造するに際し、被覆
用フィルムとして
フィルムを金型内に挿入した後に、溶融樹脂を射出成形
して得られた、該被覆用フィルムにより端縁部まで被覆
された射出成形品、被覆用フィルムを金型内に挿入し、
次いで該金型を型閉めし、キャビティ内に溶融樹脂を射
出して、被覆された射出成形品を製造するに際し、被覆
用フィルムとして
【0006】 得られる射出成形品の端縁部まで被覆
するのに十分な面積を有し、かつ 全周縁部にわたってアンダーカットを設けることに
より、金型を型閉めした時のキャビティ内に納まり得る
ものを用いることを特徴とする上記の被覆された射出成
形品の製造方法、
するのに十分な面積を有し、かつ 全周縁部にわたってアンダーカットを設けることに
より、金型を型閉めした時のキャビティ内に納まり得る
ものを用いることを特徴とする上記の被覆された射出成
形品の製造方法、
【0007】上記被覆用フィルムが真空成形により製造
されたものである被覆された射出成形品の製造方法、及
び上記の被覆用フィルムを製造するための雄型の凸部基
部近傍に溝状の切り欠き部分を設けることにより、フィ
ルムにアンダーカットを形成し得るようにした真空成形
用金型、に存する。
されたものである被覆された射出成形品の製造方法、及
び上記の被覆用フィルムを製造するための雄型の凸部基
部近傍に溝状の切り欠き部分を設けることにより、フィ
ルムにアンダーカットを形成し得るようにした真空成形
用金型、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形品は、その端縁
部までフィルムで被覆された、外観が良好でかつバリ取
り等の仕上げ工程が不要である。このような成形品は、
樹脂射出孔を有する凸部の周囲に溝部が形成された雄型
と、凹部が形成された雌型とからなる射出成形金型や、
樹脂射出孔を有する凸部の形成された雄型と、凹部が形
成された雌型とからなる射出成形金型等、種々の射出成
形金型を用いて、これらの金型内に被覆用フィルムを挿
入した後に、型閉めし、キャビティ内に溶融樹脂を射出
し、該樹脂を冷却固化させて製造することができる。
部までフィルムで被覆された、外観が良好でかつバリ取
り等の仕上げ工程が不要である。このような成形品は、
樹脂射出孔を有する凸部の周囲に溝部が形成された雄型
と、凹部が形成された雌型とからなる射出成形金型や、
樹脂射出孔を有する凸部の形成された雄型と、凹部が形
成された雌型とからなる射出成形金型等、種々の射出成
形金型を用いて、これらの金型内に被覆用フィルムを挿
入した後に、型閉めし、キャビティ内に溶融樹脂を射出
し、該樹脂を冷却固化させて製造することができる。
【0009】本発明の射出成形品を製造するために用い
る予備成形された被覆用フィルムとしては、得られる射
出成形品の端縁部まで被覆するのに十分な面積を有する
とともに、全周縁部にわたりアンダーカットを設けるこ
とにより金型を型閉めした時のキャビティ内に納まり得
る大きさとしたものを用いるのが好適である。このアン
ダーカットの大きさは、被覆すべき部位の面積、即ち被
覆用フィルムの面積に応じて調整するのが好ましく、ア
ンダーカットの深さは、フィルム厚みが0.1〜10m
mの範囲の場合、フィルム厚みの30%から200%が
適当であり、好ましくは50%から150%である。ま
た、アンダーカットの高さ(図9中に示す)はフィルム
厚みの200%から700%が適当であり、好ましくは
300%から600%である。
る予備成形された被覆用フィルムとしては、得られる射
出成形品の端縁部まで被覆するのに十分な面積を有する
とともに、全周縁部にわたりアンダーカットを設けるこ
とにより金型を型閉めした時のキャビティ内に納まり得
る大きさとしたものを用いるのが好適である。このアン
ダーカットの大きさは、被覆すべき部位の面積、即ち被
覆用フィルムの面積に応じて調整するのが好ましく、ア
ンダーカットの深さは、フィルム厚みが0.1〜10m
mの範囲の場合、フィルム厚みの30%から200%が
適当であり、好ましくは50%から150%である。ま
た、アンダーカットの高さ(図9中に示す)はフィルム
厚みの200%から700%が適当であり、好ましくは
300%から600%である。
【0010】上記のアンダーカットを有する被覆用フィ
ルムを用いることにより端縁部まで被覆が可能となるこ
とは、以下のような金型内部での溶融樹脂の流動挙動に
より説明できるものと考えられる。即ち、溶融樹脂は、
金型内を流動するとき、金型の雄型と雌型とでできる空
間(キャビティ)内においては、その中心部で溶融樹脂
の流速が最も高く、雄型及び雌型表面に近いほど、溶融
樹脂の流速は遅くなる。これは、金型表面を溶融樹脂が
流動する際の摩擦抵抗と、溶融樹脂が金型表面に近い程
速く冷却されることによると考えられる。
ルムを用いることにより端縁部まで被覆が可能となるこ
とは、以下のような金型内部での溶融樹脂の流動挙動に
より説明できるものと考えられる。即ち、溶融樹脂は、
金型内を流動するとき、金型の雄型と雌型とでできる空
間(キャビティ)内においては、その中心部で溶融樹脂
の流速が最も高く、雄型及び雌型表面に近いほど、溶融
樹脂の流速は遅くなる。これは、金型表面を溶融樹脂が
流動する際の摩擦抵抗と、溶融樹脂が金型表面に近い程
速く冷却されることによると考えられる。
【0011】また、キャビティ内に被覆用フィルムを予
め挿入した状態で溶融樹脂を射出する方法を用いる成形
法においては、挿入されたフィルムが断熱材として働
き、溶融樹脂の金型による冷却が妨げられるので、溶融
樹脂は金型面よりもフィルム面の方が速く流れることに
なる。(図10) 従って、フィルムのある側の方がない側(即ち金型面)
よりも先に樹脂が充填されることになるので、フィルム
面の内側中心部から外側(端縁部)へ向かって溶融樹脂
が流れることとなる。この時、フィルムの端縁部付近の
アンダーカットが、溶融樹脂によって押し広げられて、
金型面に沿うようになる。(図11)
め挿入した状態で溶融樹脂を射出する方法を用いる成形
法においては、挿入されたフィルムが断熱材として働
き、溶融樹脂の金型による冷却が妨げられるので、溶融
樹脂は金型面よりもフィルム面の方が速く流れることに
なる。(図10) 従って、フィルムのある側の方がない側(即ち金型面)
よりも先に樹脂が充填されることになるので、フィルム
面の内側中心部から外側(端縁部)へ向かって溶融樹脂
が流れることとなる。この時、フィルムの端縁部付近の
アンダーカットが、溶融樹脂によって押し広げられて、
金型面に沿うようになる。(図11)
【0012】本発明においては、上述の溶融樹脂の流速
の差により、このアンダーカット部は、フィルム面の中
心部から端縁部へ向けて延ばされるので、フィルムにシ
ワが入ったり、溶融樹脂がフィルムと金型との隙間に入
りこむことなく、成形品の端縁部まで十分被覆された良
好な成形品を得ることができる。(図12) 従来のように、アンダーカットを有しておらず、従っ
て、成形品の端縁部まで被覆するには不十分な面積しか
ないフィルムを金型内に挿入して射出成形を行った場合
は、溶融樹脂の流動は上述と同様であるが、フィルムが
金型面に沿って延びることがないので、成形品の端縁部
まで完全には被覆できない。
の差により、このアンダーカット部は、フィルム面の中
心部から端縁部へ向けて延ばされるので、フィルムにシ
ワが入ったり、溶融樹脂がフィルムと金型との隙間に入
りこむことなく、成形品の端縁部まで十分被覆された良
好な成形品を得ることができる。(図12) 従来のように、アンダーカットを有しておらず、従っ
て、成形品の端縁部まで被覆するには不十分な面積しか
ないフィルムを金型内に挿入して射出成形を行った場合
は、溶融樹脂の流動は上述と同様であるが、フィルムが
金型面に沿って延びることがないので、成形品の端縁部
まで完全には被覆できない。
【0013】一方、金型内に挿入するフィルムを成形品
の端縁部まで被覆するのに十分な面積はあるが、アンダ
ーカットを持たず、従って金型を型閉めした時のキャビ
ティ内に納まり切らないようなものを用いた場合は、型
閉め時に該フィルムにシワが入り、結果的に成形品表面
にシワが残ったり、或は端縁部の被覆が不完全となっ
て、成形品の周囲にバリ状のフィルムが残ってしまった
りする。
の端縁部まで被覆するのに十分な面積はあるが、アンダ
ーカットを持たず、従って金型を型閉めした時のキャビ
ティ内に納まり切らないようなものを用いた場合は、型
閉め時に該フィルムにシワが入り、結果的に成形品表面
にシワが残ったり、或は端縁部の被覆が不完全となっ
て、成形品の周囲にバリ状のフィルムが残ってしまった
りする。
【0014】本発明に用いる周縁部にアンダーカットを
有するフィルムは、真空成形や圧空成形によって製造す
ることができるが、真空成形法を用いるのが、設備が小
型で済み、またアンダーカットの形成も容易であり好ま
しい。また、この真空成形のための金型としては、アン
ダーカットの形状に合わせて、金型の凸部の基部近傍に
溝状の切り欠き部分を設けた金型を用いることにより、
所望の形状、大きさのアンダーカットを有する予備成形
フィルムを作成することができる。
有するフィルムは、真空成形や圧空成形によって製造す
ることができるが、真空成形法を用いるのが、設備が小
型で済み、またアンダーカットの形成も容易であり好ま
しい。また、この真空成形のための金型としては、アン
ダーカットの形状に合わせて、金型の凸部の基部近傍に
溝状の切り欠き部分を設けた金型を用いることにより、
所望の形状、大きさのアンダーカットを有する予備成形
フィルムを作成することができる。
【0015】この場合アンダーカットが深いため、成形
後の型離れが困難な場合は、その部分を分割できるよう
な、入れ子型式の金型(割型)を使用すればよい。被覆
用フィルムとしては、目的とする成形品の用途や性能に
応じて選択すれば良いが、例えばポリエステル系フィル
ム、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、
ポリオレフィンフィルム等のフィルムや、あるいはこれ
らのフィルムを積層・複合した多層フィルムなどを用い
ることができる。また、成形品に塗装様の装飾性を与え
たい場合は、特に基材フィルム上に着色層、印刷層、透
明層等を積層した多層フィルムが好適である。
後の型離れが困難な場合は、その部分を分割できるよう
な、入れ子型式の金型(割型)を使用すればよい。被覆
用フィルムとしては、目的とする成形品の用途や性能に
応じて選択すれば良いが、例えばポリエステル系フィル
ム、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、
ポリオレフィンフィルム等のフィルムや、あるいはこれ
らのフィルムを積層・複合した多層フィルムなどを用い
ることができる。また、成形品に塗装様の装飾性を与え
たい場合は、特に基材フィルム上に着色層、印刷層、透
明層等を積層した多層フィルムが好適である。
【0016】この多層フィルムの基材フィルムとしては
上記の各種のフィルムやポリカーボネートフィルム、ア
クリル樹脂フィルム等のフィルムが使用でき、この基材
フィルム上に上記の着色層、印刷層及び透明層を、コー
ティング法、印刷法、或はフィルムの貼付(ラミネー
ト)等により積層して多層フィルムが形成できる。ま
た、この多層フィルムの各層の接着のためには、樹脂の
種類に応じて、接着剤を用いてもよい。成形品の本体を
構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩
化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂等の射出成形可能な樹脂が挙げ
られる。
上記の各種のフィルムやポリカーボネートフィルム、ア
クリル樹脂フィルム等のフィルムが使用でき、この基材
フィルム上に上記の着色層、印刷層及び透明層を、コー
ティング法、印刷法、或はフィルムの貼付(ラミネー
ト)等により積層して多層フィルムが形成できる。ま
た、この多層フィルムの各層の接着のためには、樹脂の
種類に応じて、接着剤を用いてもよい。成形品の本体を
構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩
化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂等の射出成形可能な樹脂が挙げ
られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に
よって限定されるものではない。 <実施例1>被覆用フィルムとして基材層及び着色層が
塩化ビニル樹脂、透明層がアクリル樹脂から構成された
積層フィルムを使用した。このフィルムを図8に示すよ
うな雄型の凸部の基部近傍に溝状の切り欠き部分を設け
た金型を用いて真空成形し、図9に示すような全周縁部
にわたってアンダーカットを有する予備成形フィルムを
作成した。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に
よって限定されるものではない。 <実施例1>被覆用フィルムとして基材層及び着色層が
塩化ビニル樹脂、透明層がアクリル樹脂から構成された
積層フィルムを使用した。このフィルムを図8に示すよ
うな雄型の凸部の基部近傍に溝状の切り欠き部分を設け
た金型を用いて真空成形し、図9に示すような全周縁部
にわたってアンダーカットを有する予備成形フィルムを
作成した。
【0018】図1に示す樹脂射出孔3を有する凸部4の
周囲に、溝部5が形成された雄型1と凹部が形成された
雌型2とからなる射出成形用金型の雄型に、上記の方法
で作成した、得られる射出成形品の端縁部まで被覆する
のに十分な面積を有する被覆用フィルム6を装着した。
次いで雄型と雌型とを型閉めし、キャビティ内に溶融塩
化ビニル樹脂7を射出・充填し、溶融した樹脂の熱によ
り、被覆用フィルムの基材層を樹脂に溶着させた。(図
3)
周囲に、溝部5が形成された雄型1と凹部が形成された
雌型2とからなる射出成形用金型の雄型に、上記の方法
で作成した、得られる射出成形品の端縁部まで被覆する
のに十分な面積を有する被覆用フィルム6を装着した。
次いで雄型と雌型とを型閉めし、キャビティ内に溶融塩
化ビニル樹脂7を射出・充填し、溶融した樹脂の熱によ
り、被覆用フィルムの基材層を樹脂に溶着させた。(図
3)
【0019】射出した樹脂の冷却・固化後、金型を開
き、表面に被覆用フィルムが溶着した成形品を取り出し
た。得られた成形品8は端縁部までフィルムで覆われて
おり、良好な外観を示した。(図5)
き、表面に被覆用フィルムが溶着した成形品を取り出し
た。得られた成形品8は端縁部までフィルムで覆われて
おり、良好な外観を示した。(図5)
【0020】<実施例2>上記実施例1の雄型に代え
て、凸部の周囲に溝部を有していない雄型1′を用い、
雌型2′に、実施例1と同様にして作成した、雌型の凹
部の表面積よりも大きく、得られる成形品の端縁部まで
被覆するのに十分な面積を有する被覆用フィルム6を図
2のように装着した。以下、実施例1と同様にして射出
成形を行い、端縁部までフィルムで被覆された、外観の
良好な成形品を得た。(図4)
て、凸部の周囲に溝部を有していない雄型1′を用い、
雌型2′に、実施例1と同様にして作成した、雌型の凹
部の表面積よりも大きく、得られる成形品の端縁部まで
被覆するのに十分な面積を有する被覆用フィルム6を図
2のように装着した。以下、実施例1と同様にして射出
成形を行い、端縁部までフィルムで被覆された、外観の
良好な成形品を得た。(図4)
【0021】<比較例1>実施例1と同じ積層フィルム
を用い、雄型の凸部の基部近傍に溝状の切り欠き部分を
有していない金型を用いて、アンダーカットのない、予
備成形フィルムを作成した。実施例1と同じ射出成形用
金型に、上記の方法で作成した、得られる射出成形品の
端縁部まで被覆するのに十分な面積を有する被覆用フィ
ルムを装着した。以下、実施例1と同様にして射出成形
を行ったところ、得られた成形品は、端縁部までの被覆
は一応できていたものの、表面にシワが入った外観が劣
るものであった。
を用い、雄型の凸部の基部近傍に溝状の切り欠き部分を
有していない金型を用いて、アンダーカットのない、予
備成形フィルムを作成した。実施例1と同じ射出成形用
金型に、上記の方法で作成した、得られる射出成形品の
端縁部まで被覆するのに十分な面積を有する被覆用フィ
ルムを装着した。以下、実施例1と同様にして射出成形
を行ったところ、得られた成形品は、端縁部までの被覆
は一応できていたものの、表面にシワが入った外観が劣
るものであった。
【0022】<比較例2>実施例2と同じ射出成形用金
型に、比較例1に記載された方法で作成した、雌型の凹
部の表面積よりも小さい面積の被覆用フィルム6′を装
着し、同様の方法によって射出成形品を作成した。(図
6、図7) 得られた成形品は表面のシワ等はなく良好な外観を示し
たが、端縁部の被覆は不十分であった。
型に、比較例1に記載された方法で作成した、雌型の凹
部の表面積よりも小さい面積の被覆用フィルム6′を装
着し、同様の方法によって射出成形品を作成した。(図
6、図7) 得られた成形品は表面のシワ等はなく良好な外観を示し
たが、端縁部の被覆は不十分であった。
【0023】
【発明の効果】本発明のアンダーカットを有する被覆用
予備成形フィルムを金型内に挿入した上で射出成形を行
って得られる成形品は、その端縁部まで十分に被覆され
て、表面にもシワ等がない外観の良好なものである。ま
た、この方法は射出成形用の金型の形状による制約を受
けず、種々の形状の成形品に適用することができる。
予備成形フィルムを金型内に挿入した上で射出成形を行
って得られる成形品は、その端縁部まで十分に被覆され
て、表面にもシワ等がない外観の良好なものである。ま
た、この方法は射出成形用の金型の形状による制約を受
けず、種々の形状の成形品に適用することができる。
【図1】本発明の被覆された射出成形品を製造する際
の、射出成形の型閉め直前の状態の例を示す断面図。
の、射出成形の型閉め直前の状態の例を示す断面図。
【図2】本発明の被覆された射出成形品を製造する際
の、射出成形の型閉め直前の状態の他の例を示す断面
図。
の、射出成形の型閉め直前の状態の他の例を示す断面
図。
【図3】本発明の射出成形品を製造する際の、射出成形
の溶融樹脂の注入が完了した状態の一例を示す断面図。
の溶融樹脂の注入が完了した状態の一例を示す断面図。
【図4】本発明の射出成形品を製造する際の、射出成形
の溶融樹脂の注入が完了した状態の他の例を示す断面
図。
の溶融樹脂の注入が完了した状態の他の例を示す断面
図。
【図5】本発明の端縁部まで被覆された射出成形品の一
例を示す断面図。
例を示す断面図。
【図6】本発明の範囲外の被覆された射出成形品を製造
する際の、射出成形の型閉め直前の状態の例を示す断面
図。
する際の、射出成形の型閉め直前の状態の例を示す断面
図。
【図7】本発明の範囲外の射出成形品の例を示す断面
図。
図。
【図8】本発明の雄型の凸部の基部近傍に溝状の切り欠
き部分を有する真空成形金型の一例を示す断面図。
き部分を有する真空成形金型の一例を示す断面図。
【図9】本発明に用いる周縁部にアンダーカットを有す
る被覆用フィルムの一例を示す説明図。
る被覆用フィルムの一例を示す説明図。
【図10】本発明の端縁部まで被覆された射出成形品を
得るための射出成形の過程を示す模式図。
得るための射出成形の過程を示す模式図。
【図11】本発明の端縁部まで被覆された射出成形品を
得るための射出成形の過程を示す模式図。
得るための射出成形の過程を示す模式図。
【図12】本発明の端縁部まで被覆された射出成形品を
得るための射出成形の過程を示す模式図。
得るための射出成形の過程を示す模式図。
1,1′ 射出成形用金型の雄型 2,2′ 射出成形用金型の雌型 3 樹脂射出孔 4 凸部 5 溝部 6 被覆用フィルム 7 溶融樹脂 8 被覆射出成形品 9 真空成形用雄型 10 溝状の切り欠き部 11 真空吸引孔 12 アンダーカット UD アンダーカット深さ UH アンダーカット高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:34 31:44 31:58
Claims (4)
- 【請求項1】 被覆用フィルムを金型内に挿入した後に
溶融樹脂を射出成形して得られた該被覆用フィルムによ
り端縁部まで被覆された射出成形品。 - 【請求項2】 被覆用フィルムを金型内に挿入し、次い
で該金型を型閉めし、キャビティ内に溶融樹脂を射出し
て、被覆された射出成形品を製造するに際し、被覆用フ
ィルムとして 得られる射出成形品の端縁部まで被覆するのに十分
な面積を有し、かつ 全周縁部にわたってアンダーカットを設けることに
より、金型を型閉めした時のキャビティ内に納まり得る
ものを用いることを特徴とする請求項1に記載の被覆さ
れた射出成形品の製造方法。 - 【請求項3】 被覆用フィルムが真空成形により製造さ
れたものである請求項1又は2に記載の射出成形品又は
射出成形品の製造方法。 - 【請求項4】 雄型の凸部基部近傍に、溝状の切欠き部
分を設けることによって、成形品にアンダーカットを形
成し得るようにした請求項3に記載の被覆用フィルム製
造用の真空成形金型。
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JP24443395A JP3116783B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 被覆された射出成形品の製造方法 |
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- 1995-09-22 JP JP24443395A patent/JP3116783B2/ja not_active Expired - Fee Related
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