JPH0985490A - Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ - Google Patents
Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤInfo
- Publication number
- JPH0985490A JPH0985490A JP27206395A JP27206395A JPH0985490A JP H0985490 A JPH0985490 A JP H0985490A JP 27206395 A JP27206395 A JP 27206395A JP 27206395 A JP27206395 A JP 27206395A JP H0985490 A JPH0985490 A JP H0985490A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- flux
- cored wire
- base alloy
- synthetic mica
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Ｎｉ基合金製外皮を使用したＮｉ基合金フラ
ックス入りワイヤにおけるワイヤ製造時の断線を防止
し、かつ溶接作業性等安定した品質の確保を容易にす
る。 【解決手段】 Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤにおい
て、Ｎｉ基合金からなる合金製外皮の内部に、ワイヤ全
重量比で合成雲母を０．２〜２ｗｔ％、合成雲母を含む
スラグ形成剤の総和を４〜１５ｗｔ％、金属粉末の総和
を１〜２０ｗｔ％、残部が不可避不純物からなるフラッ
クスを充填する。 【効果】 Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤの生産性向
上および溶接作業性等の品質の安定化ができる。
ックス入りワイヤにおけるワイヤ製造時の断線を防止
し、かつ溶接作業性等安定した品質の確保を容易にす
る。 【解決手段】 Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤにおい
て、Ｎｉ基合金からなる合金製外皮の内部に、ワイヤ全
重量比で合成雲母を０．２〜２ｗｔ％、合成雲母を含む
スラグ形成剤の総和を４〜１５ｗｔ％、金属粉末の総和
を１〜２０ｗｔ％、残部が不可避不純物からなるフラッ
クスを充填する。 【効果】 Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤの生産性向
上および溶接作業性等の品質の安定化ができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は極低温用圧力容器あ
るいは装置の構成部材として用いられる低温用鋼のガス
シールドアーク溶接用Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ
であって、ワイヤ製造時のフラックス充填工程および伸
線工程におけるフラックス成分の偏析を防止し、伸線性
を良好にすると共に、溶接作業性等の安定した品質の確
保を容易にしたものである。
るいは装置の構成部材として用いられる低温用鋼のガス
シールドアーク溶接用Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ
であって、ワイヤ製造時のフラックス充填工程および伸
線工程におけるフラックス成分の偏析を防止し、伸線性
を良好にすると共に、溶接作業性等の安定した品質の確
保を容易にしたものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、インコネル系やハステロイ系等の
Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤは、これらワイヤの外
皮に溶着金属成分とほぼ同一成分系のＮｉ基合金を用い
るのが普通である。このようなオーステナイト系の外皮
は、ワイヤを製造するさいの成形および伸線等の加工工
程においてマルテンサイト変態による硬化を伴い、かつ
フラックスも偏析し易くなるため、ワイヤ断線等の製造
上のトラブルが発生するという課題があった。また、こ
のようなフラックスの偏析によって、溶接作業性等の品
質安定化に大きな障害となっていた。こうしたワイヤ外
皮の加工硬化対策としては、ワイヤを適正条件で焼鈍す
れば加工硬化前と同じように軟化できるものの、製造工
程初期のワイヤ径から溶接用ワイヤ径に仕上げるまでの
工程において繰り返し焼鈍を行う必要がある。したがっ
てこのような方法だけで製造コスト低減を図ることは困
難であり、かつフラックスの偏析による溶接作業性等の
品質劣化の解決が困難となっていた。
Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤは、これらワイヤの外
皮に溶着金属成分とほぼ同一成分系のＮｉ基合金を用い
るのが普通である。このようなオーステナイト系の外皮
は、ワイヤを製造するさいの成形および伸線等の加工工
程においてマルテンサイト変態による硬化を伴い、かつ
フラックスも偏析し易くなるため、ワイヤ断線等の製造
上のトラブルが発生するという課題があった。また、こ
のようなフラックスの偏析によって、溶接作業性等の品
質安定化に大きな障害となっていた。こうしたワイヤ外
皮の加工硬化対策としては、ワイヤを適正条件で焼鈍す
れば加工硬化前と同じように軟化できるものの、製造工
程初期のワイヤ径から溶接用ワイヤ径に仕上げるまでの
工程において繰り返し焼鈍を行う必要がある。したがっ
てこのような方法だけで製造コスト低減を図ることは困
難であり、かつフラックスの偏析による溶接作業性等の
品質劣化の解決が困難となっていた。
【０００３】次に、特開昭６０−４４１９８号公報「低
温用鋼溶接用のＮｉ基複合ワイヤ」のように、実質的に
Ｎｉのみからなる外皮を使用し、その内部にＭｏ等の合
金粉末を添加すれば加工性を良好にすることができ、複
合ワイヤの生産性向上が図れる旨の知見が記載されてい
る。しかし、実質的にＮｉのみからなる外皮を使用した
場合、良好な溶接金属性能を確保するためには外皮の内
部にＣｒ、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｍｎ等の合金粉末や脱酸剤を多
量に添加する必要があるから、必然的にフラックスの充
填率は高く、外皮の肉厚は薄くなり易い。これは、ワイ
ヤ伸線時には断線を発生し易くすると共に、かつ多量の
金属粉末の添加はフラックスの偏析を生じ易くするか
ら、生産性向上や溶接作業性等の品質安定化に有効な手
段とはいえない。
温用鋼溶接用のＮｉ基複合ワイヤ」のように、実質的に
Ｎｉのみからなる外皮を使用し、その内部にＭｏ等の合
金粉末を添加すれば加工性を良好にすることができ、複
合ワイヤの生産性向上が図れる旨の知見が記載されてい
る。しかし、実質的にＮｉのみからなる外皮を使用した
場合、良好な溶接金属性能を確保するためには外皮の内
部にＣｒ、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｍｎ等の合金粉末や脱酸剤を多
量に添加する必要があるから、必然的にフラックスの充
填率は高く、外皮の肉厚は薄くなり易い。これは、ワイ
ヤ伸線時には断線を発生し易くすると共に、かつ多量の
金属粉末の添加はフラックスの偏析を生じ易くするか
ら、生産性向上や溶接作業性等の品質安定化に有効な手
段とはいえない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のＮ
ｉ基合金や純Ｎｉを外皮とするフラックス入りワイヤの
製造技術からは、本発明が目的とする、生産性および溶
接作業性の安定した品質が良好なフラックス入りワイヤ
は得られない。本発明は、Ｎｉ基合金からなる外皮を用
いたＮｉ基合金フラックス入りワイヤであって、この種
のワイヤの従来技術だけではなし得ない、良好な生産性
による安価な製造コストの確保と溶接作業性等の品質安
定化を達成するものである。
ｉ基合金や純Ｎｉを外皮とするフラックス入りワイヤの
製造技術からは、本発明が目的とする、生産性および溶
接作業性の安定した品質が良好なフラックス入りワイヤ
は得られない。本発明は、Ｎｉ基合金からなる外皮を用
いたＮｉ基合金フラックス入りワイヤであって、この種
のワイヤの従来技術だけではなし得ない、良好な生産性
による安価な製造コストの確保と溶接作業性等の品質安
定化を達成するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明はＮｉ基合金の外
皮を用いたフラックス入りワイヤにおける前記の課題を
解決するため、従来のワイヤを焼鈍する方法だけでな
く、充填フラックスの組成上から検討したものである。
すなわち、本発明は目標とするインコネル系等のＮｉ基
合金の溶着金属成分を確保し易くするために、溶着金属
とほぼ同一成分系のＮｉ基合金を外皮に用い、これら外
皮の加工硬化に伴う伸線性の劣化やフラックスの偏析に
よって生じる溶接作業性等の品質のばらつきを改善する
手段として、新たな充填フラックスの組成範囲を確立す
ることにある。
皮を用いたフラックス入りワイヤにおける前記の課題を
解決するため、従来のワイヤを焼鈍する方法だけでな
く、充填フラックスの組成上から検討したものである。
すなわち、本発明は目標とするインコネル系等のＮｉ基
合金の溶着金属成分を確保し易くするために、溶着金属
とほぼ同一成分系のＮｉ基合金を外皮に用い、これら外
皮の加工硬化に伴う伸線性の劣化やフラックスの偏析に
よって生じる溶接作業性等の品質のばらつきを改善する
手段として、新たな充填フラックスの組成範囲を確立す
ることにある。
【０００６】本発明者らは外皮の内部に充填するフラッ
クスの組成上から、ワイヤの伸線性や溶接作業性等の品
質との関係を調査した結果、スラグ形成剤や金属粉末か
らなる充填フラックス中に所定量に制御した滑性剤を添
加すれば、伸線方向へのフラックスの移動がスムーズに
なってワイヤの断線は減少し、かつ溶接作業性等の品質
安定化も図れることを見出した。滑性剤としては雲母が
適当であり、さらに天然産雲母の場合には、加工硬化し
たワイヤの軟化焼鈍温度（１０００〜１１００℃）範囲
における脱水分解によりその滑性作用を失うが、人工の
合成雲母の方は、所定量の添加によって軟化焼鈍を繰り
返した後もその滑性作用を消失しないことが判明した。
クスの組成上から、ワイヤの伸線性や溶接作業性等の品
質との関係を調査した結果、スラグ形成剤や金属粉末か
らなる充填フラックス中に所定量に制御した滑性剤を添
加すれば、伸線方向へのフラックスの移動がスムーズに
なってワイヤの断線は減少し、かつ溶接作業性等の品質
安定化も図れることを見出した。滑性剤としては雲母が
適当であり、さらに天然産雲母の場合には、加工硬化し
たワイヤの軟化焼鈍温度（１０００〜１１００℃）範囲
における脱水分解によりその滑性作用を失うが、人工の
合成雲母の方は、所定量の添加によって軟化焼鈍を繰り
返した後もその滑性作用を消失しないことが判明した。
【０００７】本発明は従来技術とは異なるこれらの新た
な知見からなされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、Ｎｉ基合金からなる外皮の内部に、ワイヤ全重量
比で合成雲母が０．２〜２ｗｔ％、合成雲母を含むスラ
グ剤の総和が４〜１５ｗｔ％、金属粉末の総和が１〜２
０ｗｔ％、残部が不可避不純物からなるフラックスを充
填することを特徴とするＮｉ基合金フラックス入りワイ
ヤである。
な知見からなされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、Ｎｉ基合金からなる外皮の内部に、ワイヤ全重量
比で合成雲母が０．２〜２ｗｔ％、合成雲母を含むスラ
グ剤の総和が４〜１５ｗｔ％、金属粉末の総和が１〜２
０ｗｔ％、残部が不可避不純物からなるフラックスを充
填することを特徴とするＮｉ基合金フラックス入りワイ
ヤである。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下に本発明のＮｉ基合金フラッ
クス入りワイヤにおいて規定した各種数値の限定理由を
述べる。まず、Ｎｉ基合金からなる合金製外皮とは、組
成がＣ：０．００５〜０．０４０ｗｔ％、Ｓｉ：０．２
ｗｔ％以下、Ｍｎ：０．０５〜３．５ｗｔ％、Ｐ：０．
０１０ｗｔ％以下、Ｓ：０．０１０ｗｔ％以下、Ｃｕ：
０．１ｗｔ％以下、Ｎｉ：６０〜８０ｗｔ％、Ｃｒ：２
５ｗｔ％以下、Ｍｏ：２２ｗｔ％以下、Ｗ：５ｗｔ％以
下、Ｎｂ＋Ｔａ：３ｗｔ％以下、Ｆｅ：８ｗｔ％以下、
Ｔｉ：０．８ｗｔ％以下、Ａｌ：０．６ｗｔ％以下、Ｃ
ｏ：０．１ｗｔ％以下であって残部が不可避不純物であ
るものを指す。この種の外皮に特定した理由は、本発明
が目標とするインコネル系等Ｎｉ基合金の溶着金属成分
を確保し易くするためである。
クス入りワイヤにおいて規定した各種数値の限定理由を
述べる。まず、Ｎｉ基合金からなる合金製外皮とは、組
成がＣ：０．００５〜０．０４０ｗｔ％、Ｓｉ：０．２
ｗｔ％以下、Ｍｎ：０．０５〜３．５ｗｔ％、Ｐ：０．
０１０ｗｔ％以下、Ｓ：０．０１０ｗｔ％以下、Ｃｕ：
０．１ｗｔ％以下、Ｎｉ：６０〜８０ｗｔ％、Ｃｒ：２
５ｗｔ％以下、Ｍｏ：２２ｗｔ％以下、Ｗ：５ｗｔ％以
下、Ｎｂ＋Ｔａ：３ｗｔ％以下、Ｆｅ：８ｗｔ％以下、
Ｔｉ：０．８ｗｔ％以下、Ａｌ：０．６ｗｔ％以下、Ｃ
ｏ：０．１ｗｔ％以下であって残部が不可避不純物であ
るものを指す。この種の外皮に特定した理由は、本発明
が目標とするインコネル系等Ｎｉ基合金の溶着金属成分
を確保し易くするためである。
【０００９】次に、充填フラックス中の合成雲母添加量
とシームレスフラックス入りワイヤ伸線時の断線頻度と
の関係を調査した結果、ワイヤの断線は合成雲母添加量
がワイヤ全重量比で０．２ｗｔ％以上から著しく減少す
ることが明かとなった。これは合成雲母が外皮内部で充
填フラックスの滑性を高め、伸線によるワイヤ断面の減
面に伴う充填フラックスの伸線方向への移動がスムーズ
になって外皮内壁に生じる傷を減少させるため、ワイヤ
の断線防止や溶接作業性等の品質安定化に効果を発揮す
るものと推察される。このような合成雲母の効果は、ワ
イヤの軟化焼鈍（１０００〜１１００℃）後においても
劣化することはない。
とシームレスフラックス入りワイヤ伸線時の断線頻度と
の関係を調査した結果、ワイヤの断線は合成雲母添加量
がワイヤ全重量比で０．２ｗｔ％以上から著しく減少す
ることが明かとなった。これは合成雲母が外皮内部で充
填フラックスの滑性を高め、伸線によるワイヤ断面の減
面に伴う充填フラックスの伸線方向への移動がスムーズ
になって外皮内壁に生じる傷を減少させるため、ワイヤ
の断線防止や溶接作業性等の品質安定化に効果を発揮す
るものと推察される。このような合成雲母の効果は、ワ
イヤの軟化焼鈍（１０００〜１１００℃）後においても
劣化することはない。
【００１０】本発明でいう合成雲母とは、弗素金雲母、
弗素４珪素雲母、テニオライト等、天然雲母の結晶中の
−ＯＨを−Ｆに置換した構造のものを指し、前記したワ
イヤの断線防止や溶接作業性，溶着金属成分等の品質安
定化としての効果の他に、アークの吹付けを強くするス
ラグ形成剤としても効果を発揮するが、添加量が２ｗｔ
％を超えるとアークが強くなり過ぎて、スパッタが多発
する。
弗素４珪素雲母、テニオライト等、天然雲母の結晶中の
−ＯＨを−Ｆに置換した構造のものを指し、前記したワ
イヤの断線防止や溶接作業性，溶着金属成分等の品質安
定化としての効果の他に、アークの吹付けを強くするス
ラグ形成剤としても効果を発揮するが、添加量が２ｗｔ
％を超えるとアークが強くなり過ぎて、スパッタが多発
する。
【００１１】合成雲母以外のスラグ形成剤としては、Ｔ
ｉＯ2 源としてルチル、チタン酸カリ、チタン酸ソー
ダ、チタンスラグ、イルミナイト等が、ＳｉＯ2 、Ａｌ
2 Ｏ3、ＺｒＯ2 、ＣａＯ、ＭｇＯ、ＢａＯ、Ｋ2 Ｏ、
Ｎａ2 Ｏ、Ｌｉ2 Ｏ、ＦｅＯ、ＭｎＯ源として珪砂、ア
ルミナ、ジルコン・サンド、珪灰石、カリ長石、ソーダ
長石、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、
マグネサイト、マンガン・スラグ、ヘマタイト、珪酸ソ
ーダ、珪酸カリ等が、金属弗化物として蛍石、氷晶石、
弗化リチウム、弗化ソーダ等があり、スラグの被包性や
剥離性等良好な溶接作業性を確保するために、いずれも
添加できる。しかしこれらスラグ形成剤の総和が４ｗｔ
％未満の場合にはスラグの被包性等が悪くなって良好な
ビード形状が得られない。また１５ｗｔ％を超えるとス
ラグ量が過多となってスラグ巻込みが発生し易くなる。
ｉＯ2 源としてルチル、チタン酸カリ、チタン酸ソー
ダ、チタンスラグ、イルミナイト等が、ＳｉＯ2 、Ａｌ
2 Ｏ3、ＺｒＯ2 、ＣａＯ、ＭｇＯ、ＢａＯ、Ｋ2 Ｏ、
Ｎａ2 Ｏ、Ｌｉ2 Ｏ、ＦｅＯ、ＭｎＯ源として珪砂、ア
ルミナ、ジルコン・サンド、珪灰石、カリ長石、ソーダ
長石、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、
マグネサイト、マンガン・スラグ、ヘマタイト、珪酸ソ
ーダ、珪酸カリ等が、金属弗化物として蛍石、氷晶石、
弗化リチウム、弗化ソーダ等があり、スラグの被包性や
剥離性等良好な溶接作業性を確保するために、いずれも
添加できる。しかしこれらスラグ形成剤の総和が４ｗｔ
％未満の場合にはスラグの被包性等が悪くなって良好な
ビード形状が得られない。また１５ｗｔ％を超えるとス
ラグ量が過多となってスラグ巻込みが発生し易くなる。
【００１２】次に、金属粉末としてＮｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、
Ｆｅ、Ｍｎ、Ｎｂ、Ｔａ、Ｗ、Ｔｉ、Ａｌ、Ｍｇ等を合
金剤や脱酸剤として添加でき、前記金属粉末の総和で少
なくとも１ｗｔ％以上必要である。しかしこれら金属粉
末の総和が２０ｗｔ％を超えると伸線時にワイヤが断線
し易くなる。
Ｆｅ、Ｍｎ、Ｎｂ、Ｔａ、Ｗ、Ｔｉ、Ａｌ、Ｍｇ等を合
金剤や脱酸剤として添加でき、前記金属粉末の総和で少
なくとも１ｗｔ％以上必要である。しかしこれら金属粉
末の総和が２０ｗｔ％を超えると伸線時にワイヤが断線
し易くなる。
【００１３】
【実施例】以下に実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。表１に示す組成のＮｉ基合金を用いて、表４
および表５のように充填フラックス中の合成雲母を含む
スラグ形成剤の各成分、金属粉末成分の含有量をそれぞ
れ変化させて、１．２ｍｍ径のＮｉ基合金ワイヤを製造
し、表２に示す組成の９％Ｎｉ鋼平板上に、表３に示す
溶接条件でＡｒ＋２０％ＣＯ2 のシールドガスで下向姿
勢のアーク溶接を３回行い、溶接作業性の評価および溶
接作業性のむらの有無を比較した。
説明する。表１に示す組成のＮｉ基合金を用いて、表４
および表５のように充填フラックス中の合成雲母を含む
スラグ形成剤の各成分、金属粉末成分の含有量をそれぞ
れ変化させて、１．２ｍｍ径のＮｉ基合金ワイヤを製造
し、表２に示す組成の９％Ｎｉ鋼平板上に、表３に示す
溶接条件でＡｒ＋２０％ＣＯ2 のシールドガスで下向姿
勢のアーク溶接を３回行い、溶接作業性の評価および溶
接作業性のむらの有無を比較した。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【表３】
【００１７】
【表４】
【００１８】
【表５】
【００１９】なお、ワイヤは供試パイプを管引きし、そ
の内部にフラックスを充填した後、シームレスフラック
ス入りワイヤの１．２ｍｍの製品径に至る伸線工程の途
中で、光輝焼鈍（１１００℃）を３回実施した。また、
フラックスは充填前に水ガラスにより４００μｍ以下に
造粒したものを用い、スラグ剤成分には水ガラスよりも
たらされるＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏ、ＳｉＯ2 も含まれる。ま
た、本発明においてシームレスフラックス入りワイヤと
は、図１に示すような外部に開口部のないフラックス入
りワイヤを意味し、一般には前述のようにフラックスを
充填したパイプを線引きして製造するものであるが、フ
ラックスを充填した外皮フープ材の合わせ目を溶接して
製造することも可能である。
の内部にフラックスを充填した後、シームレスフラック
ス入りワイヤの１．２ｍｍの製品径に至る伸線工程の途
中で、光輝焼鈍（１１００℃）を３回実施した。また、
フラックスは充填前に水ガラスにより４００μｍ以下に
造粒したものを用い、スラグ剤成分には水ガラスよりも
たらされるＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏ、ＳｉＯ2 も含まれる。ま
た、本発明においてシームレスフラックス入りワイヤと
は、図１に示すような外部に開口部のないフラックス入
りワイヤを意味し、一般には前述のようにフラックスを
充填したパイプを線引きして製造するものであるが、フ
ラックスを充填した外皮フープ材の合わせ目を溶接して
製造することも可能である。
【００２０】
【表６】
【００２１】試験結果は表６に示すとおりで、合成雲母
を含有しないワイヤＮｏ．１および合成雲母の含有量が
少ないワイヤＮｏ．２は、いずれもワイヤが断線し易
く、かつスラグ被包性等の溶接作業性にむらがある。一
方、Ｎｏ．３は合成雲母の含有量が多すぎるため、アー
クが強過ぎスパッタが多発した。
を含有しないワイヤＮｏ．１および合成雲母の含有量が
少ないワイヤＮｏ．２は、いずれもワイヤが断線し易
く、かつスラグ被包性等の溶接作業性にむらがある。一
方、Ｎｏ．３は合成雲母の含有量が多すぎるため、アー
クが強過ぎスパッタが多発した。
【００２２】Ｎｏ．４はスラグ形成剤の含有量が少な過
ぎてビード表面を均一に被包することができず、ビード
形状が悪い。一方、Ｎｏ．５はスラグ形成剤の含有量が
多過ぎて、溶接金属の溶込み部分にスラグ巻込みを生じ
易い。また、Ｎｏ．６は金属粉末の総和が２０ｗｔ％を
超えているため、ワイヤが断線し易い。
ぎてビード表面を均一に被包することができず、ビード
形状が悪い。一方、Ｎｏ．５はスラグ形成剤の含有量が
多過ぎて、溶接金属の溶込み部分にスラグ巻込みを生じ
易い。また、Ｎｏ．６は金属粉末の総和が２０ｗｔ％を
超えているため、ワイヤが断線し易い。
【００２３】これに対して本発明のＮｏ．７〜１６は、
ワイヤの伸線工程において断線がなく、かつ溶接作業性
も良好であつた。なお、表６の溶接作業性評価は、◎：
非常に良好、○：良好、△：やや不良、×：不良を示す
ものである。
ワイヤの伸線工程において断線がなく、かつ溶接作業性
も良好であつた。なお、表６の溶接作業性評価は、◎：
非常に良好、○：良好、△：やや不良、×：不良を示す
ものである。
【００２４】
【発明の効果】以上のように、本発明はＮｉ基合金から
なる合金製外皮の内部に充填するフラックス中に合成雲
母を所定量添加し、合成雲母を含むスラグ形成剤および
金属粉末の総和をそれぞれ適量とすることによって、ワ
イヤ製造工程における伸線時の断線を防止できる。また
溶接作業性等のむらを防止してワイヤの品質を安定化で
きる。
なる合金製外皮の内部に充填するフラックス中に合成雲
母を所定量添加し、合成雲母を含むスラグ形成剤および
金属粉末の総和をそれぞれ適量とすることによって、ワ
イヤ製造工程における伸線時の断線を防止できる。また
溶接作業性等のむらを防止してワイヤの品質を安定化で
きる。
【図１】シームレスフラックス入りワイヤの断面図
１ 外皮 ２ フラックス
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤにおい
て、Ｎｉ基合金からなる合金製外皮の内部に、ワイヤ全
重量比で合成雲母が０．２〜２ｗｔ％、合成雲母を含む
スラグ剤の総和が４〜１５ｗｔ％、金属粉末の総和が１
〜２０ｗｔ％、残部が不可避不純物からなるフラックス
を充填することを特徴とするＮｉ基合金フラックス入り
ワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27206395A JPH0985490A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27206395A JPH0985490A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0985490A true JPH0985490A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17508583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27206395A Withdrawn JPH0985490A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | Ｎｉ基合金フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0985490A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011062745A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Kobe Steel Ltd | 溶接用フラックス入りワイヤ |
| CN114473288A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-05-13 | 西安理工大学 | 低稀释率镍基堆焊层用焊丝及制备cmt堆焊层方法 |
-
1995
- 1995-09-27 JP JP27206395A patent/JPH0985490A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011062745A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Kobe Steel Ltd | 溶接用フラックス入りワイヤ |
| CN114473288A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-05-13 | 西安理工大学 | 低稀释率镍基堆焊层用焊丝及制备cmt堆焊层方法 |
| CN114473288B (zh) * | 2022-01-11 | 2023-10-20 | 河北联之捷焊业科技有限公司 | 低稀释率镍基堆焊层用焊丝及制备cmt堆焊层方法 |
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