JPH0985320A - 多段式圧延機における形状制御アクチュエータの初期設定方法 - Google Patents

多段式圧延機における形状制御アクチュエータの初期設定方法

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JPH0985320A
JPH0985320A JP7240106A JP24010695A JPH0985320A JP H0985320 A JPH0985320 A JP H0985320A JP 7240106 A JP7240106 A JP 7240106A JP 24010695 A JP24010695 A JP 24010695A JP H0985320 A JPH0985320 A JP H0985320A
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shape
rolling
bearing
backup roll
model formula
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JP7240106A
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Inventor
Junichi Tateno
純一 舘野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Masashi Hoshino
将史 星野
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モデル式を用いて形状制御アクチュエータの
初期設定を行う際に、圧延材の目標形状を設定できるよ
うにする。 【解決手段】 形状制御アクチュエータの操作による形
状変化が最も大きい位置の形状を目標形状としてモデル
式に取り入れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板等の圧延材を
圧延する圧延機のうち、特にステンレス鋼板等の難圧延
材の圧延に用いられる、バックアップロールのクラウン
調整が可能な多段式圧延機において、圧延材の形状(平
坦度、急峻度)を制御する形状制御アクチュエータの初
期設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧延機における形状制御は、圧延工程の
生産性、安定性、品質に大きな影響を与える重要な制御
である。特に、形状制御アクチュエータの初期設定(セ
ットアップ)は、圧延開始直後から良好な板形状と円滑
な圧延作業を行うために、圧延前に次圧延材の圧延条件
に対して最適な形状制御アクチュエータの設定値を求
め、その値を設定するものである。
【0003】この形状制御アクチュエータの初期設定と
して、特公平6−59490には、圧延板幅に基づいて
バックアップロールのクラウンパターンを設定し、予測
される圧延条件に基づき、該クラウンパターンにおける
振幅量を設定する方法が開示されている。この方法で
は、軸方向に5分割されたバックアップロールの各分割
ベアリングのうち、中央をセンター部として、その両隣
のクォータ部、両端のエッジ部が、対称に押し出し位置
を設定可能とされ、クォータ部の押し出し量をYq、エ
ッジ部の押し出し量をYeとしたとき、クラウンパター
ンRqeを、 Rqe=Yq/Ye …(1) と定義し、このRqeを板幅の関数として与える。次
に、クラウンパターンの振幅量であるクォータ部の押し
出し量Yqとエッジ部の押し出し量Yeの値は、次式に
よって表わされる。
【0004】Ye=k1・P+k2 …(2) Yq=Rqe・Ye …(3) ここで、P:圧下力、k1,k2:定数 この方法では、圧延前に板幅及び圧下力(予測圧延荷
重)より、5分割バックアップロールのクラウンパター
ン及び振幅量の初期設定(セットアップ)を可能として
いる。
【0005】又、圧延材の形状は、板幅方向の伸び差率
分布として表わされるが、自動形状制御においては、こ
のような分布変数を制御変数として再表現して、この制
御変数について、実測値と目標値が一致するように形状
制御アクチュエータを制御する方法が採られている。
【0006】この制御変数を、形状制御アクチュエータ
の初期設定に用いている形状制御として、日本鉄鋼協会
発行「板圧延の理論と実際」(308〜313頁)に、
熱間圧延の平坦度(形状)制御システムが記載されてい
る。このシステムでは、コイル先端の平坦度を制御する
セットアップ制御として、前コイルの平坦度測定値と目
標値の偏差により、最終スタンドの圧延荷重(圧下配
分)とベンディング力を修正している。
【0007】以下に、その制御モデル式を示す。
【0008】 Δφ=a・∂φ/∂Q7 ・ΔQ7 +b・∂φ/∂P7 ・ΔP7 …(4) Δφ=φ-1−φ* …(5) ここで、 a,b:定数 ΔQ7 :最終スタンドベンディング力修正量 ΔP7 :最終スタンド圧延荷重修正量 φ-1 :前コイルの平坦度測定値 φ* :目標平坦度 ∂φ/∂Q7 ,∂φ/∂P7 :影響係数
【0009】上記制御モデル式では、前コイルの平坦度
測定値と目標平坦度の偏差Δφが無くなるように、圧延
荷重とベンディング力を修正することによって、次コイ
ルの平坦度を目標平坦度に一致させるというものであ
る。なお、形状の制御変数φは、端伸び(耳伸び)、中
伸び(腹伸び)を表わす伸び差率であり、複合伸びは考
慮できなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平6−594
90に開示された形状制御方法における形状制御アクチ
ュエータの初期設定では、圧延条件として、板幅及び圧
下力(圧延荷重)を用いて、モデル式により5分割バッ
クアップロールのクラウンパターン及び振幅量を決めて
いる。このとき、モデル式の定数は、良好な形状が得ら
れたときの実績値を回帰することにより決定される。こ
こで、良好な形状とは、実測された圧延材形状の制御変
数が、予め定義した目標範囲内に入っているものを指し
ている。例えば、板幅中央の伸び差率を基準とした板幅
端部の形状が、ある判定基準値以内の形状を良好な形状
としている。
【0011】従って、良好な形状とはいっても、制御変
数で表現し切れない形状成分については全く考慮されて
おらず、実際の板幅方向の伸び差率分布でみると、制御
変数で表現し切れない形状成分については、かなりバラ
ツキが発生し得る。そのため、良好な形状が得られたと
きの圧延実績値から算出したモデル式の定数算出には、
相当の誤差が含まれてしまう。更に、予め定義した目標
範囲内での制御変数のばらつきも、モデル式の定数算出
の誤差につながってくる。このような、モデル式の定数
算出の誤差によりモデル式の精度が低下すると、形状制
御アクチュエータの初期設定を適切に行えないという問
題がある。
【0012】又、前記特公平6−59490に開示され
たモデル式では、形状制御アクチュエータの初期設定値
を求める際に、圧延材に対する目標形状を与えることが
できない。このため、圧延材の前工程での圧延条件の差
異等に応じて、当圧延での形状(目標形状)を変えたい
ときには、全く対処できないという問題がある。
【0013】一方、前記日本鉄鋼協会発行「板圧延の理
論と実際」(308〜313頁)に開示された制御モデ
ルでは、形状制御アクチュエータの初期設定(セットア
ップ)において、目標形状を与えることが可能とされて
いる。しかしながら、この制御システムでは、形状の端
伸び(耳伸び)、中伸び(腹伸び)のみを制御変数とし
ている。そして、形状制御アクチュエータもロールベン
ダー(ベンディング力)のみである。
【0014】一方、本発明の適用対象である多段式圧延
機による難圧延材の形状は、端伸び(耳伸び)、中伸び
(腹伸び)のみの単純な形状であることは希であり、耳
伸び、腹伸び、クォータ伸び等が混ざり合った複合伸び
になることが多い。又、そのような複雑な形状を制御す
るため、形状制御アクチュエータとして、ロールベンダ
ーの他に、分割バックアップロールのようなクラウン調
整機構を備えている。このような形状制御アクチュエー
タを有した圧延機において、複合伸び等の複雑な形状を
制御するための形状制御アクチュエータの初期設定は、
前記文献に記載されているような、形状の端伸び(耳伸
び)、中伸び(腹伸び)のみを制御変数として、ロール
ベンダー(ベンディング力)だけを形状制御アクチュエ
ータとした方法では、適用不可能である。
【0015】形状制御アクチュエータの初期設定を適切
に行えないと、圧延材の先端部に製品仕様が満足されな
い部分が生じて歩留りが低下したり、圧延作業員による
アクチュエータ量の手動修正を行うため、生産性が低下
したり、著しい場合には、圧延機への通板ができなくな
ったり、圧延材の破断が生じたりして、圧延不能になる
という問題がある。
【0016】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くさなれたもので、多段式圧延機における分割バックア
ップロールのクラウンを設定する際に、適切な設定値を
精度良く算出することが可能で、且つ、圧延材の目標形
状を設定することが可能なモデル式による形状制御アク
チュエータの初期設定方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、バックアップ
ロールが、軸方向に分割された複数の分割ベアリングに
よって構成され、各分割ベアリングの押し出し量を変え
ることによって、バックアップロールのクラウン調整が
可能とされた多段式圧延機を用いた圧延で、荷重等の圧
延因子からモデル式によってバックアップロールの各分
割ベアリングの押し出し量の設定値を算出し設定する形
状制御アクチュエータの初期設定方法において、各分割
ベアリングの操作に対して形状が最も変化する位置の形
状を少なくとも一つ以上、目標形状として該モデル式の
制御変数に取り込むようにして、前記目的を達成したも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1、図2は、本発明の適用対象
の一例である12段式クラスター型圧延機の構成の概略
説明図である。
【0019】図1に示すように、12段のロールは、圧
延材10を圧延するための上下1組からなるワークロー
ル12、上下2組からなる中間ロール14、上下1組か
らなる小型バックアップロール16、上側2対の上バッ
クアップロール18、下側2対の下バックアップロール
20から構成されている。
【0020】前記上バックアップロール18は、例えば
図2に示すように、軸方向に7分割されており、中心か
らセンター18c、クォータイン18i、クォータアウ
ト18o、エッジ18eの各分割ベアリングが、それぞ
れ対称性を保ちながら押し出しを行うことで、ロールク
ラウン調整が可能となる。
【0021】又、前記下バックアップロール20は、例
えば図2に示すように、軸方向に6分割されており、中
心からセンター20c、クォータ20q、エッジ20e
の各分割ベアリングが、それぞれ対称性を保ちながら押
し出しを行うことで、ロールクラウン調整が可能とな
る。
【0022】形状アクチュエータとしては、この上下の
バックアップロール18、20のロールクラウン調整機
構に、中間ロール14を曲げるための中間ロールベンダ
ー装置21を備えている。
【0023】本説明では、下バックアップロール20
は、過去の圧延実績やシミュレーション計算により、予
め鋼種、板幅毎に定めた最適なクラウンに設定するもの
とし、中間ロールベンダー装置21は、例えば圧延中の
ダイナミック制御に備えて、制御範囲の中央を基準値と
して設定するものとする。従って、上バックアップロー
ル18の各分割ベアリング18c、18i、18o、1
8eの押し出し量の設定値を、圧延材の圧延条件に応じ
てモデル式により算出する。本説明では、圧延条件を、
板幅、予測圧延荷重、ワークロール径としているが、他
に圧延条件として、入側板厚、出側板厚、張力、温度等
を加えることも可能である。
【0024】ここで、ある鋼種について、上バックアッ
プロール18の各分割ベアリングの押し出し量を各々変
化させたときの、形状の変化を実機実験により求めた結
果を示す。図3に、上バックアップロール18の各分割
ベアリングのうち、エッジベアリング18eの押し出し
操作を行ったときの形状の変化を示すが、形状が最も変
化するのは、両端近傍の矢印Aの位置である。又、図4
に、クォータアウトベアリング18oの押し出し操作を
行ったときの形状の変化を示すが、形状が最も変化する
のは両端からやや中央寄りの矢印Bの位置である。又、
図5に、クォータインベアリング18iの押し出し操作
を行ったときの形状の変化を示すが、形状が最も変化す
るのは、内側の矢印Cの位置である。このように、上バ
ックアップロールの各分割ベアリングの操作に対して、
形状が最も変化する位置は、各分割ベアリングに応じて
決まってくる。又、ある位置の形状を変化させるために
は、その位置の形状を最も変化させる各分割ベアリング
を操作することが最も有効である。
【0025】本発明では、このような上バックアップロ
ールの各分割ベアリングの操作によって形状が最も変化
する位置は、各分割ベアリングによって決まってくるこ
とに着目し、上バックアップロールの各分割ベアリング
の設定量をモデル式により算出する際に、各分割ベアリ
ングの操作に対して、形状が最も変化する位置の形状を
表わす制御変数を少なくとも一つ目標形状として、該モ
デル式の因子に取り込むこととしている。ここで、制御
変数としては、圧延材の形状を制御する際は、板幅方向
の伸び差率分布について、例えば伸びが最小である位置
を基準としたときのある特定位置の伸び差率、板中央部
を基準としたときのある特定位置の伸び差率、n次関数
で定義し近似したときの各次数成分や、ある特定位置で
の伸び差率等であっても適用できるが、ここでは制御変
数を板中央部の伸びを基準としたある特定位置での伸び
差率としたときについて説明する。
【0026】図6に、上バックアップロールのエッジベ
アリングの押し出し量の変化に対する板中央部の伸びを
基準とした板端部(エッジベアリングの押し出し操作を
行ったときに、形状が最も変化する図3の矢印Aの位
置)の形状変化について、形状シミュレーション計算に
よって求めた結果を示す。同様に、他の分割ベアリング
の押し出しについても、押し出し量と各分割ベアリング
の操作に対して、形状が最も変化する位置の形状との間
には、相関があることが確認できている。
【0027】このような相関関係に従って、上バックア
ップロールの各分割ベアリングの設定値を算出するため
のモデル式において、各分割ベアリングの操作に対して
形状が最も変化する位置の形状を表わす制御変数を目標
形状として、該モデル式の因子に取り込むことが可能と
なる。
【0028】この相関関係を直線近似したときの、上バ
ックアップロールのセンターベアリングを基準としたと
きのエッジベアリング、クォータアウトベアリング、ク
ォータインベアリングの押し出し量を求めるためのモデ
ル式の一例を次に示す。
【0029】 UEG=k11+k12・P+k13・B+k14・D+k15・T1 …(6) UQO=k21+k22・P+k23・B+k24・D+k25・T2 …(7) UQI=k31+k32・P+k33・B+k34・D+k25・T3 …(8) ここで、 UEG:上バックアップロールのエッジベアリング押し
出し量 UQO:上バックアップロールのクォータアウトベアリ
ング押し出し量 UQI:上バックアップロールのクォータインベアリン
グ押し出し量 P:圧延荷重 D:ワークロール径 B:板幅 T1:上バックアップロールのエッジベアリング押し出
し操作に対して、形状が最も変化する位置(例えば図3
のA)の形状を表わす制御変数の目標値 T2:上バックアップロールのクォータアウトベアリン
グ押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例
えば図4のB)の形状を表わす制御変数の目標値 T3:上バックアップロールのクォータインベアリング
押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例え
ば図5のC)の形状を表わす制御変数の目標値 k11,…,k35:定数
【0030】上記モデル式において、定数k11,…,k
35は、実機圧延の実績データを基に、例えば、通常の重
回帰の方法によって決定することができる。このとき、
実機形状データとしてT1、T2、T3の位置の値を用
いることにより、良好な形状が得られたときの実績デー
タのみでなく、全ての実績データを回帰データとして用
いることができる。
【0031】なお、上記の説明では、各分割ベアリング
の設定値を求めるモデル式において、各分割ベアリング
の操作に対しても形状が最も変化する位置の形状を表わ
す制御変数を一つだけ目標形状としたが、その分割ベア
リングの操作に対して形状が変化する位置において、他
に制御したい位置があれば、その位置を目標形状として
加えることも可能である。
【0032】
【実施例】本発明の第1実施例として、図1及び図2に
示した12段クラスター型ミルへ本発明を適用した結果
を説明する。
【0033】この第1実施例では、下バックアップロー
ルは、過去の圧延実績やシミュレーション計算により、
予め鋼種、板幅毎に定めた最適なクラウンを用いるもの
とし、中間ロールベンダーは、圧延中のダイナミック制
御に備えて、制御範囲の中央を基準値として設定するも
のとする。上バックアップロールの各分割ベアリングの
押し出し量の設定値は、圧延材の圧延条件に応じてモデ
ル式により算出する。本実施例では、圧延条件を、板
幅、予測圧延荷重、ワークロール径としているが、他
に、入側板厚、出側板厚、張力、温度等を加えることも
可能である。
【0034】形状制御アクチュエータである上バックア
ップロールのエッジベアリング、クォータアウトベアリ
ング、クォータインベアリングの押し出し量を求めるた
めのモデル式として、次の式を用いる。
【0035】 UEG=k11+k12・P+k13・B+k14・D+k15・T1 …(9) UQO=k21+k22・P+k23・B+k24・D+k25・T2 …(10) UQI=k31+k32・P+k33・B+k34・D+k25・T3 …(11) ここで、 UEG:上バックアップロールのエッジベアリング押し
出し量 UQO:上バックアップロールのクォータアウトベアリ
ング押し出し量 UQI:上バックアップロールのクォータインベアリン
グ押し出し量 P:圧延荷重 D:ワークロール径 B:板幅 T1:上バックアップロールのエッジベアリング押し出
し操作に対して、形状が最も変化する位置(例えば図3
のA)の形状を表わす制御変数の目標値 T2:上バックアップロールのクォータアウトベアリン
グ押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例
えば図4のB)の形状を表わす制御変数の目標値 T3:上バックアップロールのクォータインベアリング
押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例え
ば図5のC)の形状を表わす制御変数の目標値 k11,…,k35:定数
【0036】上記モデル式において、定数k11,…,k
35は、実機圧延の実績データを基に定めることができ
る。
【0037】本モデル式により形状制御アクチュエータ
を初期設定した場合と、従来の初期設定方法である、モ
デル式に目標形状の項がなく、良好な形状が得られたと
きの実績データのみから定数を決定したモデル式により
初期設定した場合の比較を行った。但し、良好な形状が
得られたときのデータとしては、急峻度が0.5%未満
のものを取り上げた。
【0038】図7に、板厚2.0mmのSUS304鋼
板を、板厚1.7mmまで圧延したときの、圧延開始直
後の急峻度の比較を行った結果を示す。図から明らかな
如く、本発明により圧延開始直後の形状が従来法に比べ
て改善されていることがわかる。
【0039】次に、本発明の第2実施例として、第1実
施例と同様な12段クラスター型ミルへ本発明を適用し
た結果を説明する。
【0040】形状制御アクチュエータである上バックア
ップロールのエッジベアリング、クォータアウトベアリ
ング、クォータインベアリングの押し出し量を求めるた
めのモデル式として、上記(9)、(10)、(11)
式を用いた。なお、定数k11,…,k35は、実機圧延の
実績データを基に定めた。
【0041】この第2実施例では、圧延材の板端部に切
欠が発生しており、圧延中に板端部からの破断が起こり
易い圧延材に対して、本発明と従来法において、どの程
度破断が防げるかの比較を行った。本モデル式により、
板端部からの破断を防止するため、板端部の形状を伸び
気味(耳伸び形状)にするように目標形状を変更しなが
ら、形状制御アクチュエータを初期設定した場合と、従
来の初期設定方法である、目標形状設定の項がないモデ
ル式により初期設定した場合を比較した。
【0042】図8に、本モデル式により形状制御アクチ
ュエータを初期設定した場合と、従来の初期設定方法に
よる場合を比較するため、板厚2.0mmのSUS43
0鋼板を、板厚1.7mmまで圧延するパスにおいて、
板端部に切欠が発生していた圧延材が、実際の圧延中に
板端部から破断した回数の比較を示す。図から、本発明
により破断回数が皆無になったことが分かる。
【0043】本発明の第3実施例として、第1実施例と
同様な12段クラスター型ミルへ本発明を適用した結果
を説明する。
【0044】この第3実施例では、次工程を通過すると
きの板クォータ部(板幅を±1で正規化したときの±1
/√2の位置)の形状を所定の目標形状とした。
【0045】形状制御アクチュエータである上バックア
ップロールのエッジベアリング、クォータアウトベアリ
ング、クォータインベアリングの押し出し量を求めるた
めのモデル式として、以下の式を用いる。
【0046】 UEG=k11+k12・P+k13・B+k14・D+k15・T1+k16・Tq …(12) UQO=k21+k22・P+k23・B+k24・D+k25・T2+k26・Tq …(13) UQI=k31+k32・P+k33・B+k34・D+k25・T3+k36・Tq …(14) ここで、 UEG:上バックアップロールのエッジベアリング押し
出し量 UQO:上バックアップロールのクォータアウトベアリ
ング押し出し量 UQI:上バックアップロールのクォータインベアリン
グ押し出し量 P:圧延荷重 D:ワークロール径 B:板幅 T1:上バックアップロールのエッジベアリング押し出
し操作に対して、形状が最も変化する位置(例えば図3
のA)の形状を表わす制御変数の目標値 T2:上バックアップロールのクォータアウトベアリン
グ押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例
えば図4のB)の形状を表わす制御変数の目標値 T3:上バックアップロールのクォータインベアリング
押し出し操作に対して、形状が最も変化する位置(例え
ば図5のC)の形状を表わす制御変数の目標値 Tq:板クォータ部位置(板幅を±1で正規化したとき
の±1/√2の位置)の形状を表わす制御変数の目標値 k11,…,k36:定数
【0047】上記モデル式において、定数k11,…,k
36は、実機圧延の実績データを基に定めることができ
る。
【0048】図9に、本モデル式により形状制御アクチ
ュエータを初期設定した場合と、従来の初期設定方法に
よる場合を比較するため、板厚2.0mmのSUS30
4鋼板を、板厚1.7mmまで圧延したときの、圧延開
始後、圧延速度が100mpmに達するまでの時間を比
較した結果を示す。図から明らかな如く、圧延作業員の
手動による形状制御アクチュエータ修正等を要する従来
の初期設定方法に比べ、本発明により圧延開始後の増速
が円滑に行えるようになり、圧延能率が向上しているこ
とがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
モデル式を用いて形状制御アクチュエータの初期設定を
行う際に、圧延材の目標形状を設定できるようになる。
又、モデル式の定数を圧延実績データから算出する際、
従来は良好な形状が得られたときのデータしか用いるこ
とができなかったが、本発明では全ての実績データを用
いることが可能となり、モデル式の精度が向上する。
【0050】これにより、圧延材の先端部に製品仕様が
満足されない部分が生じて歩留りが低下したり、圧延作
業員によるアクチュエータ量の手動修正を行うため、生
産性が低下したり、あるいは著しい場合には、圧延機へ
の通板ができなくなったり、圧延材の破断が生じたりし
て圧延不能になるという問題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の一例である12段クラスタ
ー型ミルの構成を示す側面図
【図2】同じく正面図
【図3】上バックアップロールの各分割ベアリングのう
ち、エッジベアリングの押し出し操作を行ったときの形
状の変化の例を示す線図
【図4】同じくクォータアウトベアリングの押し出し操
作を行ったときの形状の変化の例を示す線図
【図5】同じくクォータインベアリングの押し出し操作
を行ったときの形状の変化の例を示す線図
【図6】上バックアップロールのエッジベアリングの押
し出し量の変化に対する板中央部の伸びを基準とした板
端部の形状変化を、形状シミュレーション計算によって
求めた結果を示す線図
【図7】本発明の第1実施例と従来法における、圧延開
始直後の急峻度を比較した結果を示す線図
【図8】本発明の第2実施例と従来法における、圧延中
に板端部から破断した回数を比較して示す線図
【図9】本発明の第3実施例と従来法における、圧延開
始後、圧延速度が100mpmに達するまでの時間を比
較した結果を示す線図
【符号の説明】
10…圧延材 12…ワークロール 14…中間ロール 16…小形バックアップロール 18…上バックアップロール 18C、18I、18O、18E…分割ベアリング 20…下バックアップロール 20C、20Q、20E…分割ベアリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バックアップロールが、軸方向に分割され
    た複数の分割ベアリングによって構成され、各分割ベア
    リングの押し出し量を変えることによって、バックアッ
    プロールのクラウン調整が可能とされた多段式圧延機を
    用いた圧延で、 荷重等の圧延因子からモデル式によってバックアップロ
    ールの各分割ベアリングの押し出し量の設定値を算出し
    設定する形状制御アクチュエータの初期設定方法におい
    て、 各分割ベアリングの操作に対して形状が最も変化する位
    置の形状を少なくとも一つ以上、目標形状として該モデ
    ル式の制御変数に取り込むことを特徴とする多段式圧延
    機における形状制御アクチュエータの初期設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021094584A (ja) * 2019-12-18 2021-06-24 Jfeスチール株式会社 鋼板の冷間圧延方法及び冷延鋼板の製造方法

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