JPH0984540A - 麦芽根を主成分とする食品素材 - Google Patents

麦芽根を主成分とする食品素材

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JPH0984540A
JPH0984540A JP7245677A JP24567795A JPH0984540A JP H0984540 A JPH0984540 A JP H0984540A JP 7245677 A JP7245677 A JP 7245677A JP 24567795 A JP24567795 A JP 24567795A JP H0984540 A JPH0984540 A JP H0984540A
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JP
Japan
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food
food material
malt
barley
malt root
Prior art date
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Pending
Application number
JP7245677A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsue Yamamoto
佳津恵 山本
Nobuo Uemitsu
信男 上満
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Asahi Breweries Ltd
Original Assignee
Asahi Breweries Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麦芽の製麦過程において生ずる不要物を含有
した麦芽根混合物から得られた麦芽根を主成分として含
有する栄養成分、ミネラル、食物繊維等を多量に含有す
る食品素材を提供する。 【解決手段】 大麦の製麦副生物である穀皮、穂軸等を
含む麦芽根を粉砕後、篩かけして得られた麦芽根よりな
ることを特徴とする食品素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大麦の製麦工程で
生ずる麦芽根を利用した食品素材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビール、ウイスキーなどに使用
される麦芽は、大麦精選、浸麦、発芽、培燥、麦芽精選
の工程を経て製造されている。その大麦製麦の際、副生
物として麦芽根が生ずる。この麦芽根には蛋白質などの
栄養成分、食物繊維等の有用物が豊富に含まれているこ
とは、例えば「麦酒醸造学」松山茂助著、1970年東洋経
済新報社発行、で知られている。しかし、上記大麦の製
麦工程に生ずる副生物には麦芽根の他に穀皮、穂軸等の
不要物が含まれている。一方、麦芽根の食物繊維を得る
方法として、麦芽根の水溶性食物繊維を抽出してこれを
飲食品に利用する発明が特開平3-49662号公報に開示さ
れている。しかし、ビール、ウイスキー等の原料である
麦芽を製造する際に生ずる麦芽根を含む副生物を利用す
る方法はなく、家畜の飼料として用いる他に利用されて
いなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大麦をビー
ル、ウイスキー等の原料である麦芽を製造する際に生ず
る麦芽根を含む副生物より、麦芽根を特殊の装置、多量
のエネルギーを使用することなく操作簡易に、麦芽根原
料中に混在する上記原料特有の穀皮、穂軸等の不要物を
効率的に除去し、食品素材として提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために検討を行ったところ、大麦の製麦副生
物である穀皮、穂軸等を含む麦芽根を粉砕すると、麦芽
根は粉砕され、他の穀皮、穂軸等は粉砕されずに混合物
中に残留することを見出し、これを後に篩にかけると麦
芽根に混在する穀皮、穂軸等の従来分離が極めて困難で
ある不要物が選択的に除去することができ、しかも、麦
芽根の有する蛋白質等の栄養成分、食物繊維等の保有す
る成分が何ら変性することなく、しかも食感のよい可食
素材が得られ、更にこれを粉砕すると一層食感の優れた
食品素材として利用できることを見出し本発明を完成し
た。
【0005】本第1の発明は、大麦の製麦副生物である
穀皮、穂軸等を含む麦芽根を粉砕後、篩かけして得られ
た麦芽根よりなることを特徴とする食品素材である。そ
して、本第2の発明は、大麦の製麦副生物である穀皮、
穂軸等を含む麦芽根を粉砕後、篩かけしたものを、更に
粉砕して得られた麦芽根よりなることを特徴とする食品
素材である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の原料である、大麦の製麦
副生物である穀皮、穂軸等を含む麦芽根は、大麦を製麦
して麦芽を製造する際に副生物として生ずるものであれ
ば何れも使用することができる。この副生物は製麦時に
生じた麦芽根の他、大麦の外皮である穀皮、大麦の穂
軸、護頴、芒等の不要物を含んでいる。
【0007】本発明の食品素材を得るのに行う粉砕手段
は、上記原料を粉砕機で粉砕する一般的方法が適用され
る。特にこの粉砕条件としては、砥石の間隙(クリアラ
ンス)が0.5〜2.0mmが好ましい。また粉砕機は例えばセ
レンディピーター(増幸産業(株)製)などの乾式の粉砕
機を使用するのが好適である。このように麦芽根原料の
粉砕において、麦芽根は脆いため簡単に粉砕されて砥石
の間隙を通るが、不要物である穀皮、穂軸等は薄平であ
るので、粉砕機の臼に押しつぶされても粉砕せず、砥石
の間隙を通過してしまう。従って、次の篩かけにより極
めて効率的にこの不要物と麦芽根とを篩い分けすること
ができる。
【0008】篩かけは、上記の粉砕した麦芽根原料より
粉砕されずに残留する不要物を篩い分けをする。この場
合に使用する篩の間隙は1mm以下のものを使用する。特
に0.5〜1mmのものが好適である。麦芽根粉砕物は1mm
以下であるのに対し、穀皮、穂軸等の不要物は大体3mm
以上である。そのため、この篩い分けを行うと、選択的
に麦芽根粉砕物のみが得られる。
【0009】本第2の発明においては、上記のようにし
て得られた麦芽根粉砕物は更に200μm以下のクリアラン
ス、好適には50〜200μmの粉砕機により粉砕する。この
ような微粉砕された麦芽根は食感が一層良くなるととも
に、色調も薄褐色の微粉体であるから、これを食品素材
として、他の食品材料に添加して食品を製造する場合に
極めて好適である。この麦芽根粉体は、小麦等の食品素
材に比べて、蛋白質、アミノ酸、ミネラル、ビタミン等
の栄養成分を多量に含んでおリ、更に繊維質の含量も多
く、これを添加した食品は、食感が優れ、風味も良く種
々の利点を有する食品素材である。本発明の食品素材を
使用する食品としては、小麦粉、米粉等の穀物粉等を使
用する食品、例えば、クッキー、ビスケット、煎餅、あ
られ等の所謂スナック菓子、パン等に使用することがで
きる。
【0010】次に本発明の実施例を示す。本発明はこの
実施例に限定されるものではない。
【実施例1】穀皮及び穂軸等を含む麦芽根の2.3kgを、
乾式粉砕機(セレンディピーター)を用いて、クリアラ
ンス1mmで粉砕した。後、この粉砕物を500μmの篩にか
け、穀皮、穂軸等の不要物を除き、篩下に麦芽根粉砕物
2.04kgを得た。
【0011】
【実施例2】実施例1で得られた麦芽根粉砕物を、実施
例1に使用した粉砕機を使用して、クリアランス100μm
で粉砕し、本発明の薄褐色の粉末2.0kgを得た。なお、
本粉末2.0kgは、100μmの篩を凡て通過したことより、
粒径が100μm以下であることが確認できた。
【0012】
【試験例1】 一般分析 次に本発明の食品素材の一般分析を行った結果を表1に
示す。なお、他の食品素材として、米、小麦、小麦胚芽
を比較試料として一般分析を行いその結果を併記する。
【0013】
【表1】 以上に結果から、本発明の食品素材は粗蛋白質が他の素
材に比べて多く含まれていることが確認された。また灰
分が多いことからミネラルが多く含有されていることが
示唆される。
【0014】
【試験例2】 繊維質含量 実施例2の本発明の食品素材の繊維質(食物繊維)の含
有率について、プロスキー法により測定を行った。な
お、他の食品素材として小麦を比較試料として同様な試
験を行った。その結果、本発明の食品素材は18.3重量
%、小麦は2.1重量%であった。この結果から、本発明
の食品素材は小麦より9倍の繊維質を含有することが確
認された。
【0015】
【試験例3】 アミノ酸組成 実施例2の本発明の食品素材についてアミノ酸分析を行
った。その結果は表2の通りであった。
【0016】
【表2】 上記表の含量は、100g中のg数である。以上の結果か
ら、本発明の食品素材は、必須アミノ酸を始め、上記の
ようなアミノ酸組成であることが確認された。
【0017】
【試験例4】 ミネラル含量 実施例2の本発明の食品素材のミネラル分析を行った。
なお、他の食品素材として小麦胚芽、小麦を比較試料と
して同様な試験を行った。その結果は表3の通りであっ
た。
【表3】 以上の結果から、本発明の食品素材は小麦胚芽、小麦に
比べてカルシウム、鉄、カリウムを2から8倍多く含有
されていることが確認された。
【0018】
【試験例5】 ビタミン含量 実施例2の本発明の食品素材のビタミン含量を測定し
た。なお、他の食品素材として小麦胚芽、小麦を比較試
料として同様な試験を行った。その結果は表4の通りで
あった。
【0019】
【表4】 以上の結果から、本発明の食品素材はビタミンB2以外
は、小麦胚芽及び小麦とほぼ同等又はそれ以上のビタミ
ン類を含有していることが確認された。
【0020】
【試験例6】実施例2の本発明の食品素材を薄力粉に添
加して、表5に示される配合でクッキーの原料を調製し
これを170℃、25分間加熱してクッキーを焼いた。また
対照として、本発明の食品素材を添加しないクッキー原
料を調製した。
【0021】
【表5】 上記表の%は重量%である。上記の各試料をパネリスト
17名を対象に官能検査を実施した。パネリストが好まし
い味と思う順に順位を付け、その順位の平均を表6に示
す。
【0022】
【表6】 以上の官能検査の結果から、本発明の食品素材を1.5〜
2.5%加えることにより、対照品よりも好ましい平均順
位が高くなり、香ばしくなった、ヘルシー感があるとの
感想が寄せられ、風味が向上することが確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明の麦芽根を主成分とする食品素材
は蛋白質、ビタミン類、ミネラル等の各種の栄養成分及
び食物繊維を多量に含有し、且つ、食感並びに風味の優
れた極めて有用な食品素材である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大麦の製麦副生物である穀皮、穂軸等を
    含む麦芽根を粉砕後、篩かけして得られた麦芽根よりな
    ることを特徴とする食品素材。
  2. 【請求項2】 大麦の製麦副生物である穀皮、穂軸等を
    含む麦芽根を粉砕後、篩かけしたものを、更に粉砕して
    得られた麦芽根よりなることを特徴とする食品素材。
JP7245677A 1995-09-25 1995-09-25 麦芽根を主成分とする食品素材 Pending JPH0984540A (ja)

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