JPH0983584A - データ復調装置 - Google Patents

データ復調装置

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JPH0983584A
JPH0983584A JP23371995A JP23371995A JPH0983584A JP H0983584 A JPH0983584 A JP H0983584A JP 23371995 A JP23371995 A JP 23371995A JP 23371995 A JP23371995 A JP 23371995A JP H0983584 A JPH0983584 A JP H0983584A
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良雄 堀池
Yoshiyuki Yokoajiro
義幸 横網代
Terue Matsumura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間周波信号が受信帯域フィルタの中心にく
るよう局部発振周波数を調整する。 【構成】 受信した変調信号と第一の局部発振手段6か
らの信号をミキシングして出力する第一のミキシング手
段3および第二のミキシング手段8と、出力した信号と
第二の局部発振手段10からの信号をミキシングして中
間周波信号を出力する第三のミキシング手段5および第
四のミキシング手段12と、中間周波信号をパルス波形
に変換するパルス波形整形手段15と、時間tのあいだ
のパルス数を計測するパルス数計測手段18と、パルス
数計測手段からの計測値と基準値との差を基に第一の局
部発振手段6の発振周波数を調整する信号を出力する周
波数調整手段19で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FSK受信装置やPS
K受信装置などデータ復調装置の自動周波数調整(Auto
Frequency Control 以下、AFC)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】データ復調装置としてFSK受信装置を
例に説明する。一般に受信した変調信号をミキシング手
段によって中間周波信号に変換した後、復調するヘテロ
ダイン方式がよく用いられているが、その他にもダイレ
クトコンバージョン方式がある。
【0003】ダイレクトコンバージョン方式の一例とし
て、受信信号の中心周波数にほぼ等しい周波数を有する
直交する2つの局部発振信号と受信信号をそれぞれミキ
シングすることにより直交する2つのベースバンド信号
に受信信号を変換しフィルタで希望信号のみを取りだし
た後、数十kHzの中間周波信号に変換して復調する。
これはイメージ周波数を除去するための帯域フィルタや
隣接チャンネル信号を除去するための帯域フィルタをI
Cで構成可能という特徴を持つ。これを図8を参照して
説明する。1はアンテナ、2は高周波増幅手段、3は第
一のミキシング手段、4は直流成分を遮断し、隣接する
周波数チャネルからの妨害波を除去する第一の帯域フィ
ルタ、5は第三のミキシング手段、6は第一の局部発振
手段、7は第一の90度移相手段、8は第二のミキシン
グ手段、9は直流成分を遮断し、隣接する周波数チャネ
ルからの妨害波を除去する第二の帯域フィルタ、10は
第二の局部発振手段、11は第二の90度移相手段、1
2は第四のミキシング手段、13は加減算を行う演算手
段、14は第三の帯域通過フィルタ、15はパルス波形
整形手段、16は周波数−電圧変換手段、20は復調出
力端子である。
【0004】さて変調信号として400MHz帯の搬送
波をデータ信号(伝送速度2400ビット/秒)でFS
K変調したものを考える。変調周波数を2.4kHzと
すると、例えばデータ信号が’1’のときは400MH
z−2.4kHzに周波数変調され、データ信号が’
0’のときは400MHz+2.4kHzに周波数変調
される。
【0005】上記変調信号がアンテナ1に入力すると、
高周波増幅手段2で増幅され、第一のミキシング手段3
及び第二のミキシング手段8によって、第一の局部発振
手段6で発振された信号とミキシングダウンされる。第
一の局部発振手段6の発振周波数はアンテナ1に入力す
る変調信号の搬送波周波数に等しい周波数である。ま
た、第一の90度移相手段7によって第一のミキシング
手段3と第二のミキシング手段8とに入力される第一の
局部発振手段6からの信号は互いに直交している。その
結果、第一のミキシング手段3から出力されるI信号
(信号周波数は変調周波数である2.4kHz)と、第
二のミキシング手段8から出力されるQ信号(信号周波
数は変調周波数である2.4kHz)とは互いに直交
し、変調信号の周波数変調情報はデータ信号がI信号と
Q信号との位相の進み・遅れ情報となる。
【0006】次に、このI信号とQ信号を第三のミキシ
ング手段5及び第四のミキシング手段12を用いて、第
二の局部発振手段10からの発振周波数にミキシングア
ップする。そして演算手段13で加算あるいは減算する
ことによりI信号とQ信号の位相の進み・遅れ情報は、
第二の局部発振手段10からの発振周波数を搬送波周波
数とする周波数変調された信号になる。ミキシングによ
って生じた妨害信号を第三の帯域通過フィルタ14で除
去し希望信号である中間周波信号が取り出される。すな
わち、第二の局部発振手段10での発振周波数を16k
Hzとすると、演算手段13からの中間周波信号はデー
タ信号が’1’のときは16kHz−2.4kHzに周
波数変調され、データ信号が’0’のときは16kHz
+2.4kHzに周波数変調される。パルス波形整形手
段15で第三の帯域通過フィルタ14(中心周波数=1
6kHz)の出力を増幅しかつコンパレータを用いてパ
ルス波形に変換し後、周波数−電圧変換手段16でその
周波数変化を電圧変化に変換することにより復調を行っ
ている。すなわち、パルス波形整形手段15からはデー
タ信号が’1’のときは16kHz−2.4kHzのパ
ルスが、データ信号が’0’のときは16kHz+2.
4kHzのパルスが出力され、周波数−電圧変換手段1
6は周波数が16kHz−2.4kHzのときは’1’
を、16kHz+2.4kHzのときは’0’として復
調出力端子20に出力する。これは遮断周波数1.2k
Hzの低域通過フィルタとコンパレータによって簡単に
構成できる。
【0007】ここで、第一の局部発振手段6の発振周波
数はアンテナ1に入力する変調信号の搬送波周波数に等
しい周波数であるとしたが、実際には第一の局部発振手
段の周波数誤差があって等しい周波数にすることは難し
い。例えば、発振周波数が400MHzであるとき0.
001%ずれていると4kHzの周波数ずれになる。こ
のとき、I信号、Q信号の周波数は4kHzずれてそれ
ぞれ2.4kHz+4kHz=6.4kHzと2.4k
Hz−4kHz=1.6kHzになる。隣接チャネル妨
害フィルタでもある第一の帯域フィルタ4、第二の帯域
フィルタ9の遮断周波数は数kHz程度であるため、
6.4kHzの周波数成分は減衰してその結果、復調性
能が劣化する。演算手段13からの中間周波信号も16
kHz±2.4kHz+4kHz=20kHz±2.4
kHzに周波数変調になり、第三の帯域通過フィルタ1
4でも高い周波数成分が減衰して復調性能が劣化する。
【0008】以上のように、ミキシング手段によって中
間周波信号に変換する際、発生する妨害信号を取り除く
ため帯域フィルタを備えるため、局部発振手段の発振周
波数にずれがあると中間周波信号が帯域フィルタの中心
からずれて減衰しその結果、復調性能が劣化する。その
ため中間周波信号が帯域フィルタの中心に来るように局
部発振手段の発振周波数を制御する構成が必要となる。
【0009】このような局部発振周波数を制御する従来
のデータ復調装置の例として、特開昭60−12314
0号公報の「受信装置」に示されているように受信した
基準周波数を周波数分析し、周波数分析の結果に基づき
局部発振手段を制御する構成のものがある。また特公昭
55−37131号公報の「FSK受信装置用AFC方
式」に示されているように情報符号に先だって送られる
前置信号を利用し周波数弁別回路(=周波数−電圧変換
手段)の出力を用いてAFC閉ループを構成し局部発振
手段の発振周波数を制御し、前置信号の受信を完了した
時に前記AFC閉ループの制御電圧を記憶し、前記記憶
した制御電圧を開ループにより局部発振手段に印加する
構成のものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記FS
K受信装置のような方式では、周波数分析手段としてフ
ーリエ変換手法を用いた方法やフィルタを複数個ならべ
た方法を用いており高速処理のディジタルシグナルプロ
セッサや多くのアナログフィルタを必要とし、簡易に構
成できないという課題がある。
【0011】また基準周波数あるいは前置信号として単
一の周波数信号を必要とするため、通常不要な単一の周
波数信号を送らなければならず、伝送効率・電波の使用
効率を悪化させ他のデータ復調装置に影響を与えるとい
う課題がある。
【0012】本発明は上記課題を解決するもので、簡単
な回路構成で可能とし、ビット同期信号の前に不要な付
加信号を付けることなく帯域フィルタの中心からの中間
周波信号のずれを検出し、これを調整することのできる
データ復調装置を実現することを目的としたものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、1と0との繰り返しからなるビット同期
信号を含んだデータ信号で変調された変調信号を受信し
中間周波信号に変換して復調するデータ復調装置で、局
部発振信号を出力する局部発振手段と、局部発振信号と
変調信号とをミキシングして中間周波信号を出力するミ
キシング手段と、中間周波信号をパルス波形に変換する
パルス波形整形手段と、時間tのあいだパルス波形のパ
ルス数を計測するパルス数計測手段と、パルス数計測手
段からの計測値とあらかじめ定めた基準値との差を所定
値とする方向に局部発振手段の発振周波数を調整する信
号を出力する周波数調整手段とで構成し、時間tはデー
タ信号の伝送速度の逆数の偶数倍とする。
【0014】また、局部発振手段の発振周波数の調整回
数を数えるカウンタを備え、1つの変調信号でパルス数
計測と周波数調整とを2回以上行う。
【0015】加えて、データ信号の受信終了を検出して
終了信号を出力する受信制御手段と、データ復調装置の
動作状況を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を
中断するエラー処理手段を備え、カウンタは終了信号や
エラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値を
クリアする。
【0016】また、変調信号の受信レベルを出力するレ
ベル検出手段を備え、受信レベルがあるレベル値以下で
あるときに、周波数調整手段はパルス数計測手段で時間
tのあいだ計測したパルス数を基準値とする。
【0017】また、データ復調装置の動作状況を監視し
て、報知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処
理手段を備え、周波数調整手段はパルス数計測手段から
の計測値と基準値との差が許容値以上であるときにエラ
ー処理手段にエラー信号を出力する。
【0018】パルス波形のパルス数を数えてパルス数N
になるまでの時間長を計測する時間計測手段と、時間計
測手段での計測値とあらかじめ定めた基準値との差を所
定値とする方向に局部発振手段の発振周波数を調整する
信号を出力する周波数調整手段とで構成し、パルス数N
は中間周波信号の中心周波数のずれを含めた最大値とデ
ータ信号の伝送速度の逆数との積の2倍以上とする。
【0019】または、パルス数Nは中間周波信号の中心
周波数とデータ信号の伝送速度の逆数との積の偶数倍と
する。
【0020】また、局部発振手段の発振周波数の調整回
数を数えるカウンタを備え、1つの変調信号で時間計測
と周波数調整とを2回以上行う。
【0021】加えて、データ信号の受信終了を検出して
終了信号を出力する受信制御手段と、データ復調装置が
動作状況を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を
中断するエラー処理手段を備え、カウンタは終了信号や
エラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値を
クリアする。
【0022】また、変調信号の受信レベルを出力するレ
ベル検出手段を備え、受信レベルがあるレベル値以下で
あるときに、周波数調整手段は時間計測手段でパルス数
Nになるまで計測した時間長を基準値とする。
【0023】また、データ復調装置が動作状況を監視し
て、報知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処
理手段を備え、周波数調整手段は時間計測手段からの計
測値と基準値との差が許容値以上であるときにエラー処
理手段にエラー信号を出力する。
【0024】中間周波信号の中心周波数に応じた電圧を
出力する周波数−電圧変換手段と、時間tのあいだの周
波数−電圧変換手段からの電圧を平均して出力する平均
電圧出力手段と、平均電圧出力手段からの出力値とあら
かじめ定めた基準値との差を所定値とする方向に局部発
振手段の発振周波数を調整する信号を出力する周波数調
整手段とで構成され、時間tはデータ信号の伝送速度の
逆数の偶数倍とする。
【0025】また、局部発振手段の発振周波数の調整回
数を数えるカウンタを備え、1つの変調信号で平均電圧
測定と周波数調整とを2回以上行う。
【0026】加えて、データ信号の受信終了を検出して
終了信号を出力する受信制御手段とデータ復調装置の動
作状況を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を中
断するエラー処理手段を備え、カウンタは終了信号やエ
ラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値をク
リアする。
【0027】また、変調信号の受信レベルを出力するレ
ベル検出手段を備え、受信レベルがあるレベル値以下で
あるときに、周波数調整手段は平均電圧出力手段で時間
tのあいだ計測した出力値を基準値とする。
【0028】また、データ復調装置の動作状況を監視し
て、報知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処
理手段を備え、周波数調整手段は平均電圧出力手段から
の出力値と基準値との差が許容値以上であるときにエラ
ー処理手段にエラー信号を出力する。
【0029】そして、変調信号の受信レベルを出力する
レベル検出手段を備え、周波数調整手段は受信レベルが
あるレベル値以上であるときに動作して局部発振手段の
発振周波数を調整する。
【0030】あるいは、周波数調整手段は受信レベルが
あるレベル値以下であるときに局部発振手段の発振周波
数をあらかじめ定めた初期値に戻す信号を出力する。
【0031】また、データ信号の受信終了を検出して終
了信号を出力する受信制御手段を備え、周波数調整手段
は終了信号によって局部発振手段の発振周波数をあらか
じめ定めた初期値に戻す信号を出力する。
【0032】さらに、データ復調装置の動作状況を監視
するエラー処理手段を備え、周波数調整手段はエラー処
理手段からのエラー信号によって局部発振手段の発振周
波数をあらかじめ定めた初期値に戻す信号を出力する。
【0033】
【作用】本発明は上記構成によって、ビット同期信号を
含んだデータ信号で変調された変調信号を局部発振信号
とミキシングして中間周波信号とし、中間周波信号をパ
ルス波形に変換したパルス数をt時間計測して局部発振
手段の発振周波数を調整するもので、周波数調整手段は
時間tをデータ信号の伝送速度の逆数の偶数倍として、
計測するタイミングに関わらずパルス数計測の安定度を
高めるものである。
【0034】また、パルス数計測と周波数調整とを2回
以上行い、パルス数計測の精度をさらに高めるものであ
る。
【0035】加えて、一つの変調信号についてパルス数
計測と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波数によっ
てパルス数計測の精度が悪くなる特異点の影響を除去す
るものである。
【0036】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段は時間tのあいだ計測したパルス数を基準値とし
て、パルス数計測に含まれる局部発振周波数の変動を除
去するものである。
【0037】また、周波数調整手段は計測したパルス数
が許容値を越えたことを検出して、報知、記録、あるい
は復調動作を中断してエラー処理するものである。
【0038】パルス波形のパルス数を数えてパルス数N
になるまでの時間長を計測して局部発振手段の発振周波
数を調整するもので、時間計測手段で計測される値と基
準値との許容差を定め、パルス数Nは中心周波信号の中
心周波数のずれを含めた最大値とデータ信号の伝送速度
の逆数との積の2倍以上として、計測するタイミングに
関わらず時間計測の安定度を高めるものである。
【0039】また、パルス数Nを局部発振手段の周波数
とデータ信号の伝送速度の逆数との積の偶数倍として、
計測するタイミングに関わらず時間計測の安定度を高め
るものである。
【0040】また、時間計測と周波数調整とを2回以上
行い、時間計測の精度をさらに高めるものである。
【0041】加えて、一つの変調信号について時間計測
と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波数によって時
間計測の精度が悪くなる特異点の影響を除去するもので
ある。
【0042】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段はパルス数Nになるまで計測した時間長を基準値と
して、時間計測に含まれる局部発振周波数の変動を除去
するものである。
【0043】また、周波数調整手段は計測した時間長が
許容値を越えたことを検出して、報知、記録、あるいは
復調動作を中断してエラー処理するものである。
【0044】時間tのあいだの周波数−電圧変換手段か
らの電圧の平均を計測して局部発振手段の発振周波数を
調整するもので、周波数調整手段は時間tをデータ信号
の伝送速度の逆数の偶数倍として、計測するタイミング
に関わらず平均電圧の計測の安定度を高めるものであ
る。
【0045】また、平均電圧測定と周波数調整とを2回
以上行い、平均電圧測定の精度をさらに高めるものであ
る。
【0046】加えて、一つの変調信号について平均電圧
測定と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波数によっ
て平均電圧測定の精度が悪くなる特異点の影響を除去す
るものである。
【0047】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段は時間tのあいだ計測した平均電圧値を基準値とし
て、平均電圧計測に含まれる局部発振周波数の変動、パ
ルス幅の変動を除去するものである。
【0048】また、周波数調整手段は計測した平均電圧
値が許容値を越えたことを検出して、報知、記録、ある
いは復調動作を中断してエラー処理するものである。
【0049】そして、周波数調整手段は受信レベルがあ
るレベル値以上であるときに動作して、必要なときのみ
に局部発振手段の発振周波数を調整するものである。
【0050】あるいは、周波数調整手段は受信レベルが
あるレベル値以下であるときに局部発振手段の発振周波
数をあらかじめ定めた初期値に戻して、次の復調への影
響を除去するものである。
【0051】また、周波数調整手段はデータ信号の受信
が終了したときに局部発振手段の発振周波数をあらかじ
め定めた初期値に戻して、次の復調への影響を除去する
ものである。
【0052】さらに、周波数調整手段はデータ復調装置
の動作状況によって局部発振手段の発振周波数をあらか
じめ定めた初期値に戻して、次の復調への影響を除去す
るものである。
【0053】
【実施例】以下本発明の実施例を図1を参照して説明す
る。図1で示すデータ復調装置はダイレクトコンバージ
ョン方式の受信装置である。1はアンテナ、2は高周波
増幅手段、3は第一のミキシング手段、4は直流成分を
遮断し、隣接する周波数チャネルからの妨害波を除去す
る第一の帯域フィルタ、5は第三のミキシング手段、6
は第一の局部発振手段、7は第一の90度移相手段、8
は第二のミキシング手段、9は直流成分を遮断し、隣接
する周波数チャネルからの妨害波を除去する第二の帯域
フィルタ、10は第二の局部発振手段、11は第二の9
0度移相手段、12は第四のミキシング手段、13は加
減算を行う演算手段、14は第三の帯域通過フィルタ、
15はパルス波形整形手段、16は周波数−電圧変換手
段、20は復調出力端子である。以上は従来例の図8と
同じ動作をするものである。
【0054】本発明の第一の実施例としてこれに加え
て、パルス波形手段15からのパルス数をt時間測定す
るパルス数計測手段18、パルス数計測手段18からの
計測値を基にして第一の局部発振手段6の発振周波数を
制御する周波数調整手段19、データ復調装置の動作に
異常が発生したことを報知したり記録したり、復調動作
を中断するエラー処理手段22、データ信号の受信終了
を検出する受信制御手段21、第一の局部発振周波数の
調整回数を数えるカウンタ17を備える。
【0055】以下にその動作を説明する。変調信号とし
て400MHz帯の搬送波をデータ信号(伝送速度24
00ビット/秒)でFSK変調したものを考える。変調
周波数を2.4kHzとすると、例えばデータ信号が’
1’のときは400MHz−2.4kHzに周波数変調
され、データ信号が’0’のときは400MHz+2.
4kHzに周波数変調される。連続したデータ信号とし
て’0’と’1’とを繰り返すビット同期信号とし、こ
れを変調した信号を受信したものと考える。
【0056】受信した変調信号の搬送波周波数と第一の
局部発振手段6から出力される信号周波数とが同じであ
る場合、第二の局部発振手段10での発振周波数を16
kHzとすると、演算手段13からの中間周波信号はデ
ータ信号が’1’のときは16kHz−2.4kHzに
周波数変調され、データ信号が’0’のときは16kH
z+2.4kHzに周波数変調される。しかし、搬送波
周波数と第一の局部発振手段6から出力される信号周波
数とのずれが4kHzである場合、演算手段13からの
中間周波信号はデータ信号が’1’のときは16kHz
−2.4kHz+4kHz、データ信号が’0’のとき
は16kHz+2.4kHz+4kHzの周波数変調に
なる。
【0057】ここで、パルス数計測手段18はパルス波
形整形手段15から出力するパルス数をあらかじめ定め
た一定時間tの間あいだ計測し、パルス数を周波数調整
手段19に出力する。計測したパルス数は周波数ずれを
含めた中間周波信号の平均周波数である20kHzに対
応する。周波数調整手段19では基準パルス数(第二の
局部発振手段10からの信号周波数である16kHzに
対応した値)とパルス数計測手段18で計測されたパル
ス数の差(4kHzに相当)を計算し、その差を所定値
に調整する制御電圧を発生する。制御電圧により第一の
局部発振手段6の発振周波数が調整され、その結果、第
三の帯域通過フィルタ14の出力である中間周波信号の
平均周波数が16kHz(第二の局部発振手段10から
の信号周波数)+αになる。ここでαが0になるような
所定値を設定するとずれが0となり、第一の局部発振手
段6の発振周波数が受信した変調波の搬送波周波数と一
致する。中間周波信号を帯域フィルタの中心に持ってく
るという点ではα=0が望ましいが、データ復調手段の
回路構成によっては例えばαがわずかにずれていた方が
良い。
【0058】例えば図1のようなダイレクトコンバージ
ョン方式で、コンデンサ・カップリングなどの直流除去
手段を第一の帯域フィルタ4および第二の帯域フィルタ
9に含む構成がある。例えば、第一のミキシング手段
3、第二のミキシング手段8からの出力信号と第一の帯
域フィルタ4、第二の帯域フィルタ9の入力信号とで直
流バイアスが異なる場合である。直流除去手段により、
直流バイアスの差が無くなるが、同時に第一のミキシン
グ手段3ならびに第二のミキシング手段8からの出力信
号で、変調信号の直流成分が無くなり復調性能が大きく
劣化する課題がある。そこで、周波数調整手段19が例
えばα=100Hzとするような所定値を持ち、第一の
局部発振手段6の発振周波数を受信した変調波の搬送波
周波数から100Hzずれた周波数に調整する。これに
よって直流除去手段を備えたデータ復調手段であって
も、直流除去手段によって復調性能が大きく劣化するこ
とがない。αの値については、直流除去手段の影響を受
けないような小さな値がよい。なお、以下では簡単に説
明するためα=0とする。
【0059】以上の周波数調整動作の中でtについて説
明する。第一の局部発振手段6の発振周波数がアンテナ
1に入力する変調信号の搬送波周波数から4kHzずれ
ている場合を考える。図2に示すようにパルス波形整形
手段15からの出力信号(図2中のb)はデータ信号
(図2中のa)が’0’のときに16kHz(第二の局
部発振手段からの信号周波数)+4kHz(ずれ周波
数)+2.4kHz(変調周波数)のパルスが、データ
信号が’1’のときに16kHz(第二の局部発振手段
からの信号周波数)+4kHz(ずれ周波数)−2.4
kHz(変調周波数)のパルスが出力される。パルス数
計測手段18でt時間のあいだこのパルス数を計測し
て、周波数調整手段19で計測値と16kHzのときの
パルス数との差で周波数調整を行う。
【0060】この方法は時間tが短かすぎると、例えば
データ信号が’0’のときだけのパルス数を測定するこ
とになる。たとえば、ずれ周波数が4kHzのときパル
スの平均周波数は22.4kHzになる。したがって、
時間tはデータ信号が’0’のときと’1’のときとを
均等に含む時間にして、その間のパルスの平均周波数が
変調周波数と関係なく16kHz(第二の局部発振手段
からの信号周波数)+4kHz(ずれ周波数)となる時
間を選ぶ必要がある。このような周波数調整が可能であ
るのは受信したデータ信号が’0’と’1’とが繰り返
しているときで、かつ時間tはデータ信号’01’また
は’10’を一周期とした整数倍である。この時間tは
データ信号2ビットの周期の整数倍(データ信号の伝送
速度の逆数の偶数倍)であるから、例えば伝送速度が2
400ビット/秒ではtは約833μ秒の整数倍に近い
値である。
【0061】例えば、t=8.3m秒とすると、ずれ周
波数が4kHzではパルス周波数の平均が20kHzと
なりt秒間に166〜167パルスを数えることにな
る。一方、周波数調整手段19は、この値と比較する基
準値としてずれ周波数が0(パルス周波数の平均が16
kHz)であるときのパルス数133に設定してあるの
で、パルス数差として+33〜+34を算出をする。周
波数調整手段19では+33〜+34に対応した直流電
圧をD/A変換により発生し、第一の局部発振手段を制
御して、その発信周波数を受信した変調信号の搬送波周
波数と一致させる。その結果、中間周波信号の中心周波
数が16kHzになる。
【0062】ここで、ずれ周波数が大きすぎる場合を考
える。このような時は周波数調整が可能な範囲を超えて
周波数ずれが補正できず復調が正確にできないので、エ
ラー処理手段22にてこれを報知したり記録したりして
エラー処理する必要がある。また、復調動作を中断して
もよい。周波数調整手段19はずれ周波数の許容範囲に
対応した許容値を持ち、パルス数計測手段18で計測し
たパルス数と基準値との差がこの許容値を超えた場合に
正常でないと判断してエラー処理手段22にエラー信号
を出力してエラー処理を行う。
【0063】また、例えばダイレクトコンバージョン方
式でコンデンサ・カップリングなどの直流除去手段が第
一の帯域フィルタ4および第二の帯域フィルタ9に含ま
れる構成では、ずれ周波数が変調周波数と一致した場合
に変調信号のエネルギー成分の多くが直流となってビッ
ト同期信号が正確に復調できない課題がある。そのた
め、パルス波形整形手段15から出力されるパルス周波
数の平均が第二の局部発振手段10からの信号周波数に
ならず、パルス数計測が計算通りにならない。これを解
決するために、パルス数計測と周波数調整を2回以上行
う。1度目の周波数調整によって一旦、ずれ周波数を変
調周波数から外すことで2度目以降は正確にパルス計測
と周波数調整ができる。それには第一の局部発振手段6
の発振周波数の調整回数を数えるカウンタ17を備え、
パルス数計測と周波数調整とを2回以上行う。
【0064】このようにパルス数計測と周波数調整とを
2回以上行う場合、ずれ周波数の検出精度は最終回の計
測時間tで決定される。よって、計測時間tは最終回の
計測時間tだけをを十分に長くして精度を確保すればよ
い。それ以外の回の計測時間tは必要最小限な時間に短
縮することで、周波数を調整する一連の制御時間を短く
することが可能となる。これにより送信側から送信され
る変調信号に含まれるビット同期信号を短くして周波数
の有効利用を図ることができる。
【0065】また、送信側が唯一決まっていて、その搬
送波周波数が安定していれば周波数調整はデータ信号を
受信するごとに行う必要はない。一定時間毎、一定受信
回数毎に周波数調整を行うなどが考えられる。しかし、
通信間隔が長く空いたりして送信側の搬送波周波数が不
安定なときには、1つのデータ信号を受信する毎に周波
数調整する必要がある。受信制御手段21はデータ信号
の受信終了を検出して終了信号をカウンタに出力して、
カウンタ値をクリアする。またエラー処理手段22から
のエラー信号によってもカウンタ値をクリアすること
で、1つのデータ信号を受信する毎に周波数調整を行
う。
【0066】以上、パルス波形整形手段15からのパル
ス数を基にして、ずれ周波数を検出し周波数を調整する
方法を説明した。ミキシング手段と局部発振手段と帯域
フィルタを複数備えて、何段階かの中間周波信号を経て
復調する構成の場合、その各々の局部発振手段の周波数
を調整することが望ましい。例えば図1で第二の局部発
振手段から出力される発振周波数が設計した周波数(1
6kHz)からずれていると、中間周波信号が第三の帯
域フィルタ14の中心周波数(16kHz)からはずれ
て減衰しその結果、復調性能が劣化する。これを解決す
るために、図示していないが、第二の局部発振手段10
からの信号をパルス波形整形手段5に直接入力してパル
ス出力し、パルス数計測手段18で計測したこのパルス
数(=パルスの周波数)から第二の局部発振手段10の
発振周波数を調整する第二の周波数調整手段を備えても
良い。
【0067】また、そこまで大きな周波数ずれがなくて
も第二の局部発振手段10の発振周波数が狂っていると
周波数調整手段19が正しく機能しない。つまり、周波
数調整手段19が持っているパルス数の基準値は第二の
局部発振手段10の発振周波数(設計値)に対応してい
るため、この周波数の狂いは周波数調整に影響を及ぼ
す。例えば16kHzが17kHzに狂うと、周波数調
整手段19は第一の局部発振手段6の周波数を1kHz
ずらすように調整してしまう。これを解決するため、ア
ンテナ1に入力する信号がないときの中間周波信号を利
用して周波数調整手段19の基準値を決める。変調信号
の受信レベルを出力するレベル検出手段を備え、受信レ
ベルがあるレベル以下であればアンテナ1に入力する信
号がないとする。このとき、中間周波信号は雑音信号だ
けでその中心周波数は第三の帯域通過フィルタ14の中
心周波数である16kHzである。また、第三のミキシ
ング手段5及び第四のミキシング手段12は第二の局部
発振周波数16kHzを用いてスイッチ動作を行ってい
る。第三のミキシング手段5及び第四のミキシング手段
12はバランス型スイッチで構成されるが、そのバラン
ス型スイッチを構成しているトランジスタのばらつき等
により16kHz信号が出力に漏れることがある。以上
から、アンテナ1に信号が入力しない場合には、中間周
波信号の中心周波数はほぼ16kHzとなっている。こ
のときにパルス数計測手段18で計測したパルス数を周
波数調整手段19は基準値とする。このときのパルス数
計測時間tは中間周波信号のパルス数を計測するときと
同じである。この基準値の補正動作は定期的に行っても
よいし、電源電圧を検知して行ってもよいし、周囲温度
を検知して行ってもよい。このとき、第三のミキシング
手段5及び第四のミキシング手段12の直流バイアスを
故意に変化させることでバランス型スイッチのバランス
をくずし、第二の局部発振手段10の発振信号の漏れを
大きくすることもできる。
【0068】あるいは、第二の局部発振手段10からの
信号をパルス波形整形手段5に直接入力してパルス出力
し、このときパルス数計測手段18で計測したパルス数
を周波数調整手段19は基準値とする。このようにすれ
ば第二の局部発振手段10の発振周波数が狂っても周波
数調整手段19の基準値が変わり対応する。 さらに、
このときのパルス数から第二の局部発振手段10の発振
周波数の狂いがわかるので、狂いが大きすぎて中間周波
信号が第三の帯域フィルタ14で減衰する場合には、正
常でないと判断してエラー処理手段22にエラー信号を
出力してエラー処理を行う。
【0069】なお、パルス数計測手段18はカウンタと
カウンタの動作の開始及び終了を制御するためのタイマ
ーで簡単に構成することができる。また周波数調整手段
19は基準数を記憶しておく記憶手段とD/A変換手段
とを有するマイクロコンピュータで簡単に構成できる。
【0070】次に本発明の他の実施例を図3に示し説明
する。図3において図1と同じ機能を示すものについて
は同一番号を付与している。図1に示す本発明の実施例
と図3に示す本発明の実施例の違いは、図3の実施例に
おいては図1のパルス数計測手段18の代わりに時間計
測手段23を備えて、パルス波形整形手段15でパルス
波形に変換された中間周波信号のパルス数を数えてパル
ス数Nになるまでの時間長を計測することである。加え
て、周波数調整手段19は、時間計測手段23からの計
測時間とあらかじめ定めた基準値との差を所定値とする
方向に第一の局部発振周波数6を調整することである。
【0071】時間計測手段23はパルス波形整形手段1
5から出力するパルス数を数えてパルス数Nになるまで
の時間長を計測し、周波数調整手段19に出力する。計
測した時間長は周波数ずれを含めた中間周波信号の平均
周波数に対応するので、周波数調整手段19では基準時
間長(第二の局部発振手段10からの信号周波数である
16kHzに対応した値である)と時間計測手段23で
計測された時間長の差を計算し、その差を所定値に調整
する制御電圧を発生する。制御電圧により第一の局部発
振手段6の発振周波数が調整され、その結果、第三の帯
域通過フィルタ14の出力である中間周波信号の平均周
波数が16kHz(第二の局部発振手段10からの信号
周波数)+αになる。直流除去手段を備えたデータ復調
装置は、αを例えば100Hz程度にした方がいい。以
下では簡単のためα=0のとする。
【0072】以上の周波数調整動作の中でパルス数Nに
ついて説明する。第一の局部発振手段6の発振周波数が
アンテナ1に入力する変調信号の搬送波周波数から4k
Hzずれている場合を考える。パルス波形整形手段15
からの出力信号は図2に示すようにデータ信号が’0’
のときに16kHz(第二の局部発振手段からの信号周
波数)+4kHz(ずれ周波数)+2.4kHz(変調
周波数)のパルスが、データ信号が’1’のときに16
kHz(第二の局部発振手段からの信号周波数)+4k
Hz(ずれ周波数)−2.4kHz(変調周波数)のパ
ルスが出力される。時間計測手段23でパルスをNまで
数えるあいだの時間長を計測して、周波数調整手段19
でこの計測値と16kHzのときの時間長との差で周波
数調整を行う。
【0073】この方法はパルス数Nが小さすぎると例え
ばデータ信号が’0’のときだけの時間長を測定するこ
とになる。したがって、パルス数Nはデータ信号が’
0’のときと’1’のときとを均等に含む数にして、そ
の間のパルスの平均周波数が変調周波数と関係なく16
kHz(第二の局部発振手段からの信号周波数)+4k
Hz(ずれ周波数)となる数を選ぶ必要がある。データ
信号が’01’のときのパルス数は中間周波信号の中心
周波数にずれ周波数を加え、これにデータ信号の伝送速
度の逆数をかけ算し、さらに2倍して求められる。した
がって、パルス数はずれ周波数によって変化し、一例と
して中心周波数を16kHzとしたとき、ずれ周波数が
−4kHzのときは10.0パルスであり、ずれ周波数
が0のときは13.3パルスであり、ずれ周波数が+4
kHzのときは16.7パルスである。この場合、ずれ
周波数の大きさと確率は正規分布にしたがうと考えられ
る。パルス数Nは13.3パルスの整数倍に近くする
と、データ信号が’0’のときの時間と’1’のときの
時間とを均等に含み、そのパルス数を数える時間が変調
周波数と関係なくなる確立が最も高い。すなわち、パル
ス数Nは中間周波信号の中心周波数とデータ信号の伝送
速度の逆数の積の偶数倍が最もよい。また、パルス数N
の最小数については、ずれ周波数を最大+4kHzまで
許容すると16.7パルス以上が必要である。すなわ
ち、パルス数Nは中間周波信号の中心周波数に許容ずれ
周波数を加えた中心周波数の最大値にデータ信号の伝送
速度の逆数をかけ算し、さらに2倍した値以上が必要で
ある。
【0074】例えば、パルス数N=133とすると、ず
れ周波数が4kHzではパルス周波数の平均が20kH
zとなり7.98m秒間かかることになる。一方、周波
数調整手段19は、この値と比較する基準値としてずれ
周波数が0(パルス周波数の平均が16kHz)のとき
の時間長9.975msに設定してあるので、時間差と
して−1.77m秒を算出する。周波数調整手段19で
は−1.77m秒に対応した直流電圧をD/A変換によ
り発生し、その発信周波数を受信した変調信号の搬送波
周波数と一致させる。その結果、中間周波信号の中心周
波数が16kHzになる。
【0075】ここで、ずれ周波数が大きすぎる場合を考
える。このような時は周波数調整が可能な範囲を超えて
周波数ずれが補正できず復調が正確にできないので、エ
ラー処理手段22にてこれを報知したり記録したりして
エラー処理する必要がある。また、復調動作を中断して
もよい。周波数調整手段19はずれ周波数の許容範囲に
対応した許容値を持ち、時間計測手段23で計測したパ
ルス数と基準値との差がこの許容値を超えた場合に正常
でないと判断してエラー処理手段22にエラー信号を出
力してエラー処理を行う。
【0076】また、例えばダイレクトコンバージョン方
式でコンデンサ・カップリングなどの直流除去手段が第
一の帯域フィルタ4および第二の帯域フィルタ9に含ま
れる構成では、ずれ周波数が変調周波数と一致した場合
にビット同期信号が正確に復調できない課題がある。パ
ルス波形整形手段15から出力されるパルス周波数の平
均が第二の局部発振手段10からの信号周波数になら
ず、時間計測が計算通りにならない。これを解決するた
めに、時間計測と周波数調整を2回以上行う方法があ
る。1度目の周波数調整によって一旦、ずれ周波数を変
調周波数から外すことで2度目以降は正確に時間計測が
できる。それには第一の局部発振手段6の発振周波数の
調整回数を数えるカウンタ17を備え、1つのデータ信
号につき時間計測と周波数調整とを2回以上行う。
【0077】このように時間計測と周波数調整とを2回
以上行う場合、ずれ周波数の検出精度は最終回のパルス
数Nで決定されるので、最終回のパルス数Nだけをを十
分に長くして精度を確保すればよい。それ以外の回のパ
ルス数Nは必要最小限な数に短縮することで、周波数を
調整する一連の制御時間を短くすることが可能となる。
これにより送信側から送信される変調信号に含まれるビ
ット同期信号を短くして周波数の有効利用を図ることが
できる。
【0078】また、送信側が一つであり、その搬送波周
波数が安定していれば周波数調整はデータ信号を受信す
るごとに行う必要はない。一定時間毎、一定受信回数毎
に周波数調整を行うなどが考えられる。送信側が複数で
ある場合には、ずれ周波数は相手によって異なってくる
ので、1つのデータ信号を受信する毎に周波数調整する
必要がある。受信制御手段21はデータ信号の受信終了
を検出して終了信号をカウンタに出力して、カウンタ値
をクリアする。またエラー処理手段22からのエラー信
号によってもカウンタ値をクリアすることで、1つのデ
ータ信号を受信する毎に周波数調整を行う。
【0079】以上、パルス波形整形手段15からのパル
ス周期を基にして、ずれ周波数を検出し周波数を調整す
る方法を説明した。ミキシング手段と局部発振手段と帯
域フィルタを複数備えて、何段階かの中間周波信号を経
て復調する構成の場合、その各々の局部発振手段の周波
数を調整することが望ましい。例えば図3で第二の局部
発振手段から出力される発振周波数が設計した周波数
(16kHz)からずれていると、中間周波信号が第三
の帯域フィルタ14の中心周波数(16kHz)からは
ずれて減衰しその結果、復調性能が劣化する。これを解
決するために、図示していないが、第二の局部発振手段
10からの信号をパルス波形整形手段5に直接入力して
パルス出力し、時間計測手段23で測定した時間長(=
パルスの周期)から第二の周波数調整手段が第二の局部
発振手段10の発振周波数を調整しても良い。
【0080】また、そこまで大きな周波数ずれがなくて
も第二の局部発振手段10の発振周波数が狂っていると
周波数調整手段19が正しく機能しない。つまり、周波
数調整手段19が持っている時間長の基準値は第二の局
部発振手段10の発振周波数(設計値)に対応している
ため、この周波数の狂いは周波数調整に影響を及ぼす。
例えば16kHzが17kHzに狂うと、周波数調整手
段19は第一の局部発振手段の周波数6を1kHzずら
すように調整する。これを解決するため、アンテナ1に
入力する信号がないときの中間周波信号を利用して周波
数調整手段19の基準値を決める。変調信号の受信レベ
ルを出力するレベル検出手段を備え、受信レベルがある
レベル以下であればアンテナ1に入力する信号がないと
する。このとき、中間周波信号は雑音信号だけでその中
心周波数は第三の帯域通過フィルタ14の中心周波数で
ある16kHzである。また、第三のミキシング手段5
及び第四のミキシング手段12は第二の局部発振周波数
16kHzを用いてスイッチ動作を行っている。第三の
ミキシング手段5及び第四のミキシング手段12はバラ
ンス型スイッチで構成されるが、そのバランス型スイッ
チを構成しているトランジスタのばらつき等により16
kHz信号が出力に漏れることがある。以上から、アン
テナ1に信号が入力しない場合には、中間周波信号の中
心周波数はほぼ16kHzとなっている。このときに時
間計測手段23で計測した時間長を周波数調整手段19
は基準値とする。このときのパルス数Nは中間周波信号
のパルス数を計測するときと同じである。この基準値の
補正動作は定期的に行ってもよいし、電源電圧を検知し
て行ってもよいし、周囲温度を検知して行ってもよい。
このとき、第三のミキシング手段5及び第四のミキシン
グ手段12の直流バイアスを故意に変化させることでバ
ランス型スイッチのバランスをくずし、第二の局部発振
手段10の発振信号の漏れを大きくすることもできる。
【0081】あるいは、第二の局部発振手段10からの
信号をパルス波形整形手段5に直接入力してパルス出力
し、このとき時間計測手段23で計測した時間長を周波
数調整手段19は基準値とする。このようにすれば第二
の局部発振手段10の発振周波数が狂っても周波数調整
手段19の基準値が変わるので対応できる。
【0082】さらに、このとき計測した時間長によって
第二の局部発振手段10の発振周波数の狂いがわかるの
で、狂いが大きすぎて中間周波信号が第三の帯域フィル
タ14で減衰する場合には、正常でないと判断してエラ
ー処理手段にエラー信号を出力してエラー処理を行う。
【0083】次に本発明の他の実施例を図4に示し説明
する。図4において図1と同じ機能を示すものについて
は同一番号を付与している。図1に示す本発明の実施例
と図4に示す実施例の違いは、図4の実施例においては
図1のパルス数計測手段18の代わりに、平均電圧出力
手段24を備えて、周波数−電圧変換手段16から中間
周波数に対応した電圧出力を取り出しこの電圧出力を時
間tのあいだ平均して出力することである。加えて、周
波数調整手段19は、平均電圧出力手段24からの電圧
出力とあらかじめ定めた基準値との差を所定値とする方
向に第一の局部発振周波数6を調整することである。
【0084】周波数−電圧変換手段16はパルス波形整
形手段15から出力するパルスの周波数に比例した電圧
を出力する。平均電圧出力手段24は時間tのあいだの
平均電圧値を計測し、周波数調整手段19に出力する。
計測した平均電圧値は周波数ずれを含めた中間周波信号
の平均周波数に対応するので、周波数調整手段19では
基準電圧値(第二の局部発振手段10からの信号周波数
である16kHzに対応した値である)と平均電圧計測
手段24で計測された平均電圧値の差を計算し、その差
を所定値に調整する制御電圧を発生する。制御電圧によ
り第一の局部発振手段6の発振周波数が調整され、その
結果、第三の帯域通過フィルタ14の出力である中間周
波信号の平均周波数が16kHz(第二の局部発振手段
10からの信号周波数)+αになる。直流除去手段を備
えたデータ復調装置は、αを例えば100Hz程度にし
た方がいい。以下では簡単のためα=0のとする。
【0085】以上の周波数調整動作の中で時間tについ
て説明する。第一の局部発振手段6の発振周波数がアン
テナ1に入力する変調信号の搬送波周波数から4kHz
ずれている場合を考える。パルス波形整形手段15から
の出力信号は図2に示すようにデータ信号が’0’のと
きに16kHz(第二の局部発振手段からの信号周波
数)+4kHz(ずれ周波数)+2.4kHz(変調周
波数)のパルスが、データ信号が’1’のときに16k
Hz(第二の局部発振手段からの信号周波数)+4kH
z(ずれ周波数)−2.4kHz(変調周波数)のパル
スが出力される。周波数−電圧変換手段16は、例えば
パルスの周波数が16kHzで1Vを出力し、加えて周
波数が1kHz変化する毎に0.1Vの出力変化する。
従って、中間周波信号が16kHz(第二の局部発振手
段の発振周波数)を中心に±2.4kHz(変調周波
数)である場合は1±0.24Vとなる。これにずれ周
波数が4kHz加わって20kHz±2.4kHzのと
きは1.4±0.24Vとなる。これが平均電圧出力手
段24で平均されて電圧値は1.4Vとなり、周波数調
整手段19では基準電圧値1V(16kHz)と比較す
る。平均電圧値が1Vであれば誤差は0であり、周波数
の調整動作は行わない。平均電圧値が1.4Vであれ
ば、差の0.4ボルトに対応した制御電圧を出力する。
そして周波数調整手段19からの制御電圧により中間周
波信号がほぼ16kHzになるよう第一の局部発振手段
の発振周波数が制御する。
【0086】この方法はパルスの周波数に依存してお
り、時間tが短かすぎると例えばデータ信号が’0’の
ときだけの平均電圧値を測定することになる。したがっ
て、時間tはデータ信号が’0’のときと’1’のとき
とを均等に含む時間にして、その間のパルスの平均周波
数が変調周波数と関係なく16kHz(第二の局部発振
手段からの信号周波数)+4kHz(ずれ周波数)とな
る時間を選ぶ必要がある。このような周波数調整が可能
なのは受信したデータ信号が’0’と’1’とが繰り返
しているときで、かつ時間tはデータ信号’01’また
は’10’を一周期とした整数倍である。これはデータ
信号2ビットの周期の整数倍(データ信号の伝送速度の
逆数の偶数倍)であるから、例えば伝送速度が2400
ビット/秒ではtは約833μ秒の整数倍に近い値であ
る。
【0087】ここで、ずれ周波数が大きすぎる場合を考
える。このような時は周波数調整が可能な範囲を超えて
周波数ずれが補正できず復調が正確にできないので、エ
ラー処理手段22にてこれを報知したり記録したりして
エラー処理する必要がある。また、復調動作を中断して
もよい。周波数調整手段19はずれ周波数の許容範囲に
対応した許容値を持ち、平均電圧出力手段24からの出
力値と基準値との差がこの許容値を超えた場合に正常で
ないと判断してエラー処理手段22にエラー信号を出力
してエラー処理を行う。
【0088】また、例えばダイレクトコンバージョン方
式でコンデンサ・カップリングなどの直流除去手段が第
一の帯域フィルタ4および第二の帯域フィルタ9に含ま
れる構成では、ずれ周波数が変調周波数と一致した場合
にビット同期信号が正確に復調できない課題がある。そ
のため、パルス波形整形手段15から出力されるパルス
周波数の平均値が第二の局部発振手段10からの信号周
波数にならず、平均電圧の測定が計算通りにならない。
これを解決するために、平均電圧計測と周波数調整を2
回以上行う方法がある。1度目の周波数調整によって一
旦、ずれ周波数を変調周波数から外すことで2度目以降
は正確に平均電圧計測ができる。それには第一の局部発
振手段6の発振周波数の調整回数を数えるカウンタ17
を備え、1つのデータ信号につき時間計測と周波数調整
とを2回以上行う。
【0089】このように電圧値の平均と周波数調整とを
2回以上行う場合、ずれ周波数の検出精度は最終回の時
間tで決定されるので、最終回の時間tだけをを十分に
長くして精度を確保すればよい。それ以外の回の時間t
は必要最小限な時間に短縮することで、周波数を調整す
る一連の制御時間を短くすることが可能となる。これに
より送信側から送信される変調信号に含まれるビット同
期信号を短くして周波数の有効利用を図ることができ
る。
【0090】また、送信側が一つであり、その搬送波周
波数が安定していれば周波数調整はデータ信号を受信す
るごとに行う必要はない。一定時間毎、一定受信回数毎
に周波数調整を行うなどが考えられる。送信側が複数で
ある場合には、ずれ周波数は相手によって異なってくる
ので、1つのデータ信号を受信する毎に周波数調整する
必要がある。受信制御手段21はデータ信号の受信終了
を検出して終了信号をカウンタに出力して、カウンタ値
をクリアする。またエラー処理手段22からのエラー信
号によってもカウンタ値をクリアすることで、1つのデ
ータ信号を受信する毎に周波数調整を行う。
【0091】以上、周波数−電圧変換手段16からの電
圧の平均値を基にして、ずれ周波数を検出し周波数を調
整する方法を説明した。ミキシング手段と局部発振手段
と帯域フィルタを複数備えて、何段階かの中間周波信号
を経て復調する構成の場合、その各々の局部発振手段の
周波数を調整することが望ましい。例えば図4で第二の
局部発振手段から出力される発振周波数が設計した周波
数(16kHz)からずれていると、中間周波信号が第
三の帯域フィルタ14の中心周波数(16kHz)から
はずれて減衰しその結果、復調性能が劣化する。これを
解決するために、図示していないが、第二の局部発振手
段10からの信号をパルス波形整形手段5に直接入力し
てパルス出力し、このパルスの周波数を周波数−電圧変
換手段16で電圧値に変換し、平均電圧出力手段24で
平均した電圧値から第二の局部発振手段10の発振周波
数を調整する第二の周波数調整手段を備えても良い。
【0092】また、そこまで大きな周波数ずれがなくて
も第二の局部発振手段10の発振周波数が狂っていると
周波数調整手段19が正しく機能しない。つまり、周波
数調整手段19が持っている電圧値の基準値は第二の局
部発振手段10の発振周波数(設計値)に対応している
ため、この周波数の狂いは周波数調整に影響を及ぼす。
例えば16kHzが17kHzに狂うと、周波数調整手
段19は第一の局部発振手段6の周波数を1kHzずら
すように調整する。また、周波数−電圧変換手段16の
出力電圧は、例えばパルス整形手段15からのパルス幅
が温度や電源電圧等の影響で刻々変化することによっ
て、入力する周波数が同じであっても変動する。
【0093】これを解決するため、アンテナ1に入力す
る信号がないときの中間周波信号を利用して周波数調整
手段19の基準値を決める。変調信号の受信レベルを出
力するレベル検出手段を備え、受信レベルがあるレベル
以下であればアンテナ1に入力する信号がないとする。
このとき、中間周波信号は雑音信号だけでその中心周波
数は第三の帯域通過フィルタ14の中心周波数である1
6kHzである。また、第三のミキシング手段5及び第
四のミキシング手段12は第二の局部発振周波数16k
Hzを用いてスイッチ動作を行っている。第三のミキシ
ング手段5及び第四のミキシング手段12はバランス型
スイッチで構成されるが、そのバランス型スイッチを構
成しているトランジスタのばらつき等により16kHz
信号が出力に漏れることがある。以上から、アンテナ1
に信号が入力しない場合には、中間周波信号の中心周波
数はほぼ16kHzとなっている。このときに周波数−
電圧変換手段16の出力信号を平均電圧出力手段24に
取り込み、時間tで平均した電圧値を周波数調整手段1
9の基準値とする。このときの時間tは中間周波信号の
パルス数を計測するときと同じである。この基準値の補
正動作は定期的に行ってもよいし、電源電圧を検知して
行ってもよいし、周囲温度を検知して行ってもよい。こ
のとき、第三のミキシング手段5及び第四のミキシング
手段12の直流バイアスを故意に変化させることでバラ
ンス型スイッチのバランスをくずし、第二の局部発振手
段10の発振信号の漏れを大きくすることもできる。
【0094】あるいは、第二の局部発振手段10からの
信号をパルス波形整形手段5に直接入力してパルス出力
し、このときパルスの周波数を周波数−電圧変換手段1
6で電圧値に変換し、平均電圧出力手段24で平均した
電圧値を周波数調整手段19は基準値とする。このよう
にすれば第二の局部発振手段10の発振周波数が狂って
も周波数調整手段19の基準値が変わるので対応する。
【0095】さらに、このとき計測した平均電圧値によ
って第二の局部発振手段10の発振周波数の狂いがわか
るので、狂いが大きすぎて中間周波信号が第三の帯域フ
ィルタ14で減衰する場合には、正常でないと判断して
エラー処理手段にエラー信号を出力してエラー処理を行
う。
【0096】図5は周波数−電圧変換手段16の構成の
一例を示したものである。図5において30はパルス波
形整形手段15からの信号が入力する入力端子、31は
エッジ検出手段、32は単安定マルチバイブレータ、3
3は低域通過フィルタ、20は出力端子である。図6に
図5の各端子の信号波形図を示す。図6においてaは端
子30の信号波形、bはエッジ検出手段31の出力波
形、cは単安定マルチバイブレータ32の出力波形、d
は低域通過フィルタ33の出力波形である。中間周波信
号のパルス波(図6a)を入力端子30に入力するとエ
ッジ検出手段31によってパルスの立ち上がりエッジが
検出される(図6b)。この立ち上がりエッジにより単
安定マルチバイブレータ32はパルス幅一定のパルス
(図6c)が出力する。したがって低域通過フィルタ3
3の出力には復調された信号(図6d)が出る。単安定
マルチバイブレータ32のパルス信号(図6c)はパル
ス整形手段15の出力である中間周波信号のパルス信号
(図6a)と同じ周波数である。なお、エッジ検出手段
31は立ち上がり及び立ち下がりの両方を検出するよう
にしてもよい。この場合、単安定マルチバイブレータ3
2の出力は中間周波信号の2倍の周波数になっているこ
とを考慮して周波数調整手段19の基準値を決める必要
がある。
【0097】最後に、送信相手が複数である場合には、
ずれ周波数が相手によって異なってくるので、1つのデ
ータ信号を受信した後に、調整した周波数を再びもとの
周波数に戻す必要がある。例えば、第一の局部発振手段
6の発振周波数を初期値として400MHzとする。ま
ずに搬送波周波数400.004MHzの変調信号を受
信して周波数調整を行うと第一の局部発振手段6の発振
周波数は400.004MHzになる。次に搬送波周波
数399.996MHzの変調信号を受信した場合、第
一の局部発振手段6の発振周波数との差は8kHzにな
り、第一の帯域フィルタ4や第二の帯域フィルタ9、第
三の帯域フィルタ14で減衰してしまう。これを解決す
るため、一つの変調信号を受信し終わったら、第一の局
部発振手段6の発振周波数を初期値である400MHz
に戻す。
【0098】図7のように変調信号の受信レベルを出力
するレベル検出手段25を備え、受信レベルがあるレベ
ル以上であれば受信すべき信号として、パルス数計測手
段18でパルス数を計測し、周波数調整手段19で第一
の局部発振手段6の発振周波数の調整を行う。その後受
信レベルがあるレベル以下に下がれば受信すべき信号が
終了したとして、周波数調整手段19は第一の局部発振
手段6の発振周波数を初期値に戻す。なお、レベル検出
手段25は第三の帯域フィルタ14から入力し、中間周
波信号の大きさから受信レベルを検出しているが、第一
の帯域フィルタ4からのI信号や第二の帯域フィルタ9
からのQ信号の大きさから受信レベルを検出することも
できる。
【0099】また、受信レベルで判断すると、大きなノ
イズや関係ない信号によって誤動作してしまう可能性が
あるので、データ信号の受信終了を検出する受信制御手
段21からの終了信号によって受信完了後に周波数調整
手段19は第一の局部発振手段6の発振周波数を初期値
に戻す。また、データ復調装置の動作状況を監視するエ
ラー処理手段からのエラー信号によって、例えば受信が
うまくいかなかったときに周波数調整手段19は第一の
局部発振手段6の発振周波数を初期値に戻す。
【0100】以上、ダイレクトコンバージョン方式のF
SK受信装置で説明したが、中間周波信号と帯域フィル
タを備えるデータ復調装置、たとえばヘテロダイン方式
でも同じ効果がある。
【0101】なお、時間tやパルス数Nは計算した通り
の値でなくとも、四捨五入や切り上げ・切り下げを行っ
て、データ復調装置全体の精度から見て許容できる範囲
であればよい。
【0102】
【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
データ復調装置によれば、次の効果が得られる。
【0103】ビット同期信号を含んだデータ信号で変調
された変調信号を局部発振信号とミキシングして中間周
波信号とし、中間周波信号をパルス波形に変換したパル
ス数をt時間計測して局部発振手段の発振周波数を調整
するもので、周波数調整手段は時間tをデータ信号の伝
送速度の逆数の偶数倍として、計測するタイミングに関
わらずパルス数計測の安定度を高める効果がある。
【0104】また、一つの変調信号についてパルス数計
測と周波数調整とを2回以上行い、パルス数計測の精度
をさらに高める効果がある。
【0105】加えて、一つの受信データについてパルス
数計測と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波数によ
ってパルス数計測の精度が悪くなる特異点の影響を除去
する効果がある。
【0106】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段は時間tのあいだ計測したパルス数を基準値とし
て、パルス数計測に含まれる局部発振周波数の変動を除
去する効果がある。
【0107】また、周波数調整手段は計測したパルス数
が許容値を越えたことを検出して、報知、記録、あるい
は復調動作を中断して対応する効果がある。
【0108】パルス波形のパルス数を数えてパルス数N
になるまでの時間長を計測して局部発振手段の発振周波
数を調整するもので、時間計測手段で計測される値と基
準値との許容差を定め、パルス数Nは中間周波信号の中
心周波数のずれを含めた最大値とデータ信号の伝送速度
の逆数との積の2倍以上として、計測するタイミングに
関わらず時間計測の安定度を高める効果がある。
【0109】また、周波数調整手段はパルス数Nを局部
発振手段の周波数とデータ信号の伝送速度の逆数との積
の偶数倍として、計測するタイミングに関わらず時間計
測の安定度を高める効果がある。
【0110】また、時間計測と周波数調整とを2回以上
行い、時間計測の精度をさらに高める効果がある。
【0111】加えて、一つの変調信号について時間計測
と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波数によって時
間計測の精度が悪くなる特異点の影響を除去する効果が
ある。
【0112】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段はパルス数Nになるまで計測した時間長を基準値と
して、時間計測に含まれる局部発振周波数の変動を除去
する効果がある。
【0113】また、周波数調整手段は計測した時間長が
許容値を越えたことを検出して、報知、記録、あるいは
復調動作を中断して対応する効果がある。
【0114】時間tのあいだの周波数−電圧変換手段か
らの電圧の平均を計測して局部発振手段の発振周波数を
調整するもので、周波数調整手段は時間tをデータ信号
の伝送速度の逆数の偶数倍として、計測するタイミング
に関わらず平均電圧の計測の安定度を高める効果があ
る。
【0115】また、一つの変調信号について平均電圧測
定と周波数調整とを2回以上行い、平均電圧測定の精度
をさらに高める効果がある。
【0116】加えて、1つの受信したデータ信号につき
平均電圧測定と周波数調整とを2回以上行い、ずれ周波
数によって平均電圧測定の精度が悪くなる特異点の影響
を除去する効果がある。
【0117】また、受信信号がないときに、周波数調整
手段は時間tのあいだ計測した平均電圧値を基準値とし
て、平均電圧計測に含まれる局部発振周波数の変動、パ
ルス幅の変動を除去する効果がある。
【0118】また、周波数調整手段は計測した平均電圧
値が許容値を越えたことを検出して、報知、記録、ある
いは復調動作を中断して対応する効果がある。
【0119】そして、周波数調整手段は受信レベルがあ
るレベル値以上であるときに動作して、必要なときのみ
に局部発振手段の発振周波数を調整する効果がある。
【0120】あるいは、周波数調整手段は受信レベルが
あるレベル値以下であるときに局部発振手段の発振周波
数をあらかじめ定めた初期値に戻して、次の復調への影
響を除去する効果がある。
【0121】また、周波数調整手段はデータ信号の受信
が終了したときに局部発振手段の発振周波数をあらかじ
め定めた初期値に戻して、次の復調への影響を除去する
効果がある。
【0122】さらに、周波数調整手段はデータ復調装置
の動作状況によって局部発振手段の発振周波数をあらか
じめ定めた初期値に戻して、次の復調への影響を除去す
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるデータ復調装置のブ
ロック図
【図2】同装置内の信号波形図
【図3】本発明の他の実施例におけるデータ復調装置の
ブロック図
【図4】本発明のさらに他の実施例におけるデータ復調
装置のブロック図
【図5】同装置の周波数−電圧変換手段のブロック図
【図6】同装置の各部の信号波形図
【図7】本発明のさらに他の実施例におけるデータ復調
装置のブロック図
【図8】従来例におけるデータ復調装置のブロック図
【符号の説明】
1 アンテナ 2 高周波増幅手段 3 第一のミキシング手段 4 第一の帯域通過フィルタ 5 第三のミキシング手段 6 第一の局部発振手段 7 第一の90度移相手段 8 第二のミキシング手段 9 第二の帯域通過フィルタ 10 第二の局部発振手段 11 第二の90度移相手段 12 第四のミキシング手段 13 演算手段 14 第三の帯域通過フィルタ 15 パルス波形整形手段 16 周波数−電圧変換手段 17 カウンタ 18 パルス数計測手段 19 周波数調整手段 20 出力端子 21 受信制御手段 22 エラー処理手段 23 時間計測手段 24 平均電圧出力手段 25 レベル検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 照恵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1と0との繰り返しからなるビット同期信
    号を含んだデータ信号で変調された変調信号を受信し中
    間周波信号に変換して復調するデータ復調装置で、局部
    発振信号を出力する局部発振手段と、前記局部発振信号
    と前記変調信号とをミキシングして中間周波信号を出力
    するミキシング手段と、前記中間周波信号をパルス波形
    に変換するパルス波形整形手段と、時間tのあいだ前記
    パルス波形のパルス数を計測するパルス数計測手段と、
    前記パルス数計測手段からの計測値とあらかじめ定めた
    基準値との差を所定値とする方向に前記局部発振手段の
    発振周波数を調整する信号を出力する周波数調整手段と
    で構成され、前記時間tは前記データ信号の伝送速度の
    逆数の偶数倍であるデータ復調装置。
  2. 【請求項2】局部発振手段の発振周波数の調整回数を数
    えるカウンタを備え、1つの変調信号でパルス数計測と
    周波数調整とを2回以上行う請求項1記載のデータ復調
    装置。
  3. 【請求項3】データ信号の受信終了を検出して終了信号
    を出力する受信制御手段と、データ復調装置の動作状況
    を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を中断する
    エラー処理手段を備え、カウンタは前記終了信号や前記
    エラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値を
    クリアする請求項2記載のデータ復調装置。
  4. 【請求項4】変調信号の受信レベルを出力するレベル検
    出手段を備え、前記受信レベルがあるレベル値以下であ
    るときに、周波数調整手段はパルス数計測手段で時間t
    のあいだ計測したパルス数を基準値とする請求項1、2
    または3記載のデータ復調装置。
  5. 【請求項5】データ復調装置の動作状況を監視して、報
    知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処理手段
    を備え、周波数調整手段はパルス数計測手段からの計測
    値と基準値との差が許容値以上であるときに前記エラー
    処理手段にエラー信号を出力する請求項1、2、3また
    は4記載のデータ復調装置。
  6. 【請求項6】1と0との繰り返しからなるビット同期信
    号を含んだデータ信号で変調された変調信号を受信し中
    間周波信号に変換して復調するデータ復調装置で、局部
    発振信号を出力する局部発振手段と、前記局部発振信号
    と前記変調信号とをミキシングして中間周波信号を出力
    するミキシング手段と、前記中間周波信号をパルス波形
    に変換するパルス波形整形手段と、前記パルス波形のパ
    ルス数を数えてパルス数Nになるのに要した時間長を計
    測する時間計測手段と、前記時間計測手段での計測値と
    あらかじめ定めた基準値との差を所定値とする方向に前
    記局部発振手段の発振周波数を調整する信号を出力する
    周波数調整手段とで構成され、前記パルス数Nは前記中
    間周波信号の中心周波数のずれを含めた最大値と前記デ
    ータ信号の伝送速度の逆数との積の2倍以上であるデー
    タ復調装置。
  7. 【請求項7】パルス数Nは中間周波信号の中心周波数と
    データ信号の伝送速度の逆数との積の偶数倍である請求
    項6記載のデータ復調装置。
  8. 【請求項8】局部発振手段の発振周波数の調整回数を数
    えるカウンタを備え、1つの変調信号で時間計測と周波
    数調整とを2回以上行う請求項6または7記載のデータ
    復調装置。
  9. 【請求項9】データ信号の受信終了を検出して終了信号
    を出力する受信制御手段と、データ復調装置の動作状況
    を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を中断する
    エラー処理手段を備え、カウンタは前記終了信号や前記
    エラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値を
    クリアする請求項8記載のデータ復調装置。
  10. 【請求項10】変調信号の受信レベルを出力するレベル
    検出手段を備え、前記受信レベルがあるレベル値以下で
    あるときに、周波数調整手段は時間計測手段でパルス数
    Nになるまで計測した時間長を基準値とする請求項6、
    7、8または9記載のデータ復調装置。
  11. 【請求項11】データ復調装置の動作状況を監視して、
    報知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処理手
    段を備え、周波数調整手段は時間計測手段からの計測値
    と基準値との差が許容値以上であるときに前記エラー処
    理手段にエラー信号を出力する請求項6、7、8、9ま
    たは10記載のデータ復調装置。
  12. 【請求項12】1と0との繰り返しからなるビット同期
    信号を含んだデータ信号で変調された変調信号を受信し
    中間周波信号に変換して復調するデータ復調装置で、局
    部発振信号を出力する局部発振手段と、前記局部発振信
    号と前記変調信号とをミキシングして中間周波信号を出
    力するミキシング手段と、前記中間周波信号の周波数に
    応じた電圧を出力する周波数−電圧変換手段と、時間t
    のあいだの前記周波数−電圧変換手段からの電圧を平均
    して出力する平均電圧出力手段と、前記平均電圧出力手
    段からの出力値とあらかじめ定めた基準値との差を所定
    値とする方向に前記局部発振手段の発振周波数を調整す
    る信号を出力する周波数調整手段とで構成され、前記時
    間tは前記データ信号の伝送速度の逆数の偶数倍である
    データ復調装置。
  13. 【請求項13】局部発振手段の発振周波数の調整回数を
    数えるカウンタを備え、1つの変調信号で平均電圧測定
    と周波数調整とを2回以上行う請求項12記載のデータ
    復調装置。
  14. 【請求項14】データ信号の受信終了を検出して終了信
    号を出力する受信制御手段と、データ復調装置の動作状
    況を監視して、報知、記録、あるいは復調動作を中断す
    るエラー処理手段を備え、カウンタは前記終了信号や前
    記エラー処理手段からのエラー信号によってカウンタ値
    をクリアする請求項13記載のデータ復調装置。
  15. 【請求項15】変調信号の受信レベルを出力するレベル
    検出手段を備え、前記受信レベルがあるレベル値以下で
    あるときに、周波数調整手段は平均電圧出力手段で時間
    tのあいだ計測した出力値を基準値とする請求項12、
    13または14記載のデータ復調装置。
  16. 【請求項16】データ復調装置の動作状況を監視して、
    報知、記録、あるいは復調動作を中断するエラー処理手
    段を備え、周波数調整手段は平均電圧出力手段からの出
    力値と基準値との差が許容値以上であるときに前記エラ
    ー処理手段にエラー信号を出力する請求項12、13、
    14または15記載のデータ復調装置。
  17. 【請求項17】変調信号の受信レベルを出力するレベル
    検出手段を備え、周波数調整手段は前記受信レベルがあ
    るレベル値以上であるときに動作して局部発振手段の発
    振周波数を調整する請求項1〜16のいずれか1項に記
    載のデータ復調装置。
  18. 【請求項18】変調信号の受信レベルを出力するレベル
    検出手段を備え、周波数調整手段は前記受信レベルがあ
    るレベル値以下であるときに局部発振手段の発振周波数
    をあらかじめ定めた初期値に戻す信号を出力する請求項
    1〜17のいずれか1項に記載のデータ復調装置。
  19. 【請求項19】データ信号の受信終了を検出して終了信
    号を出力する受信制御手段を備え、周波数調整手段は前
    記終了信号によって局部発振手段の発振周波数をあらか
    じめ定めた初期値に戻す信号を出力する請求項1〜18
    のいずれか1項に記載のデータ復調装置。
  20. 【請求項20】データ復調装置の動作状況を監視するエ
    ラー処理手段を備え、周波数調整手段は前記エラー処理
    手段からのエラー信号によって局部発振手段の発振周波
    数をあらかじめ定めた初期値に戻す信号を出力する請求
    項1〜19のいずれか1項に記載のデータ復調装置。
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